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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1381428
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-11 
確定日 2022-01-04 
事件の表示 特願2017−547143「異なる大きさの薬剤溶出性微小球ビーズによる肝動脈化学塞栓術後の薬剤濃度決定」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 9月22日国際公開、WO2016/146214、平成30年 5月31日国内公表、特表2018−513715〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)12月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年3月18日 アメリカ合衆国、2015年5月6日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成30年11月30に手続補正書が提出され、令和元年12月3日付けで拒絶理由が通知され、令和2年6月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月4日付けで拒絶査定(原査定)がされたところ、同年12月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和2年12月11日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年12月11日にされた手続補正(以下「本件補正」ということがある。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示す。)

「 【請求項1】
腫瘍を含む関心領域の肝動脈化学塞栓術のためのシステムであって、
少なくとも第1の薬剤及び第1の造影剤を有する第1の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入し、少なくとも第2の薬剤及び第2の造影剤を有する第2の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入するよう構成される注入デバイスと、
少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステムであって、前記関心領域の前記第1の画像データセットは前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズを含み、前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズを含む、イメージングシステムと、
前記第1の画像データセットから第1の薬剤濃度を決定し、前記第2の画像データセットから第2の薬剤濃度を決定する濃度決定器と、
を有し、前記腫瘍が、腫瘍中心血管を有し、前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズが、前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズより大きい直径を有し、
前記イメージングシステムがスペクトルコンピュータトモグラフィシステムであり、前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットが、前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによって同時に取得される、システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和2年6月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「 【請求項1】
腫瘍を含む関心領域の肝動脈化学塞栓術のためのシステムであって、
少なくとも第1の薬剤及び第1の造影剤を有する第1の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入し、少なくとも第2の薬剤及び第2の造影剤を有する第2の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入するよう構成される注入デバイスと、
少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステムであって、前記関心領域の前記第1の画像データセットは前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズを含み、前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズを含む、イメージングシステムと、
前記第1の画像データセットから第1の薬剤濃度を決定し、前記第2の画像データセットから第2の薬剤濃度を決定する濃度決定器と、
を有し、前記腫瘍が、腫瘍中心血管を有し、前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズが、前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズより大きい直径を有する、システム。」

2 補正の適否
本件補正のうち、請求項1に係る補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステム」について、「スペクトルコンピュータトモグラフィシステムであり、前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットが、前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによって同時に取得されるとの限定を付加する補正を含むものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である米国特許出願公開第2008/0102029号明細書(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審において付加した。以下同様。)。

(引1−ア)「[0002] Small particles, including microspheres and nanospheres, have many medical uses in diagnostic and/or therapeutic procedures. In selected clinical applications, it may be advantageous to provide such microspheres and nanospheres with physical and/or chemical qualities to enhance their visual identification using various clinical imaging modalities to make the in vivo location of such microspheres apparent to a user. Such microspheres and nanospheres may allow for selective embolization of certain sized blood vessels under visual control using various clinical imaging modalities in specific clinical uses.」
(当審訳:[0002] ミクロスフェア及びナノスフェアを含む小さな粒子は、診断及び/又は治療手順において多くの医学的用途を持っている。選択された臨床応用において、そのようなミクロスフェア及びナノスフェアに物理的及び/又は化学的性質を提供して、そのようなミクロスフェアのインビボ位置をユーザに明らかにするための様々な臨床撮像モダリティを使用したそれらの視覚的識別を強化することが、有利である可能性がある。そのようなミクロスフェア及びナノスフェアは、特定の臨床用途における様々な臨床撮像モダリティを使用して、視覚的制御下で特定のサイズの血管の選択的塞栓形成を可能にし得る。)

(引1−イ)「[0020] The invention also includes a method of delivering an active agent to a localized area within the body of a mammal comprising contacting the localized area with at least one of a particle comprising poly[bis(trifluoroethoxy) phosphazene] and/or a derivative thereof and an active agent, such that an effective amount of the active agent is exposed to the localized area, wherein the particle comprises an agent to increase density.
[0021] The invention also includes a method of delivering a radiographic contrast agent to a localized area within the body of a mammal comprising contacting the localized area with at least one of a particle comprising poly[bis(trifluoroethoxy)phosphazene] and/or a derivative thereof and a radiographic contrast agent, such that the location of a plurality of the particles may be seen using conventional radiographic imaging techniques, including but not limited to plain radiographs, x-ray tomography, and computerized axial tomography.」
(当審訳:[0020] 本発明にはまた、哺乳類の体内の局所領域に活性剤を送達する方法であって、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]及び/又はその誘導体並びに活性剤を、有効量の活性剤が局所領域に曝露されるように含む、なくとも1つの粒子と、局所領域を接触させることを含む方法が含まれる。ここで、該粒子は密度を増加させる薬剤を含む。
[0021] 本発明にはまた、哺乳類の体内の局所領域に放射線造影剤を送達する方法であって、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]及び/又はその誘導体並びに放射線造影剤を、複数の粒子の位置が従来の放射線画像技術を使用して見られ得るように含む少なくとも1つの粒子と局所領域を接触させることを含む方法が含まれる。ここで、放射線画像技術は、単純放射線写真、X線断層撮影及びコンピュータ断層撮影を含むが、これらに限定されない。)

(引1−ウ)「[0086] As previously discussed, the particles can be used in various medical and therapeutic applications, such as embolization, drug delivery, imaging (ultrasound) and as tracer particles. For example, in one embodiment, the invention includes a method of minimizing blood flow to a specific tissue in a mammal. This process, commonly referred to as embolization, includes occluding or obstructing at least a portion of a vessel, or the entire vessel, with one or more of the particles of the invention. Such procedure is particularly useful in the treatment of diseases and pathologies that involve undesirable vascularized tissues, for example, tumor tissue or disorders involving the uncontrolled proliferation of certain cells such as endometriosis. In such procedures, the particle(s) are prepared in accordance with the procedures described above, and may be inserted into the blood vessel by any invasive or non-invasive medical practice known or to be developed in the art such as via a catheter, a syringe, or a surgical incision. The embolization can be carried out such that only a portion of the blood vessel is occluded, or the entire vessel may be occluded. In the method, if desired, one may use particles that have been loaded with an active agent, such as a cytostatic agent, an anti-inflammatory agent, an anti-mitogenic or cell proliferation active agent, a hormone, or any other desirable active agent, as described herein. Embolization particles according to the present invention are capable of demonstrating improved optical visibility, additional radiopacity, and an optimum specific density of about 1.17 g/cm3 . The embolization particles in this invention may be used with different dyes as markers as noted above for particle sizes, embedded pharmaceuticals for localized drug delivery and controlled drug elution characteristics.」
(当審訳:[0086] 前述のように、粒子は、塞栓形成、薬物送達、画像化(超音波)及びトレーサー粒子としてなどのさまざまな医療及び治療用途で使用できる。例えば、一実施形態では、本発明は、哺乳類の特定の組織への血流を最小化する方法を含む。一般に塞栓術と呼ばれるこのプロセスは、本発明の1つ又は複数の粒子で、血管の少なくとも一部、又は血管全体を閉塞又は遮断することを含む。そのような手順は、望ましくない血管新生組織、例えば、腫瘍組織又は子宮内膜症などの特定の細胞の制御されない増殖を伴う障害を含む疾患及び病状の治療に特に有用である。そのような手順では、粒子は上記の手順に従って調製され、カテーテル、注射器、又は外科的切開を介するなど、当技術分野で知られている、又は開発されることとなる任意の侵襲的又は非侵襲的医療行為によって血管に挿入することができる。塞栓形成は、血管の一部のみが閉塞されるように、又は血管全体が閉塞され得るように実施することができる。この方法では、必要に応じて、細胞増殖抑制剤、抗炎症剤、抗分裂促進又は細胞増殖活性剤、ホルモン、又は本明細書に記載の他の任意の望ましい活性剤などの活性剤が充填された粒子を使用することができる。本発明による塞栓形成粒子は、改善された光学的可視性、更なる放射線不透過性、及び約1.17g/cm3の最適の固有密度を実証することができる。本発明の塞栓形成粒子は、粒子サイズ、局所的な薬物送達のための埋め込まれた医薬品、及び制御された薬物溶出特性について、上記のようにマーカーとして異なる染料と共に使用することができる。)

(引1−エ)「[0101] In various preferred embodiments of the present invention, contrast agents maybe provided within particles of the invention as described herein.・・・
[0102] If the particles are loaded with a contrast agent, their movement can be visualized with X-ray machines, or any other imaging modality, depending on the contrast agent utilized.・・・
・・・
[0104] In conventional or x-ray based radiography, contrast agents may be either positive or negative, Positive contrast agents have a higher attenuation density than the surrounding tissue. This means that the contrast agent looks more opaque than the surrounding tissue when seen on an x-ray, Negative contrast media has a lower attenuation density than the surrounding tissue. This means that the contrast looks less opaque than the body. Negative contrast is only found as a gas. Positive contrast agents are substances with high atomic numbers, that are also non-toxic.
[0105] Positive contrast agents which may be used in some embodiments of the present invention include, but are not limited to, agents comprising barium, cesium, iodine, gadolinium, tantalum, and compounds or compositions containing these elements. Negative contrast agents occur as nontoxic gases, including but not limited to, air, oxygen, carbon dioxide, nitrogen, helium, argon, xenon, and mixtures thereof.」
(当審訳:[0101] 本発明の様々な好ましい実施形態において、本明細書に記載されるように、造影剤は本発明の粒子内に提供され得る。・・・
[0102] 粒子に造影剤が充填されている場合、使用する造影剤に応じて、X線装置又はその他の撮像モダリティで粒子の動きを視覚化できる。・・・
・・・
[0104] 従来の又はX線ベースのX線撮影では、造影剤は正又は負のいずれかである可能性がある。正の造影剤は周囲の組織よりも高い減衰密度を有し、これは、X線で見ると、造影剤が周囲の組織よりも不透明に見えることを意味する。負の造影剤は、周囲の組織よりも低い減衰密度を有し、これは、コントラストが身体よりも不透明に見えないことを意味する。 負のコントラストはガスの場合のみ見られる。正の造影剤は、原子番号の高い物質であり、毒性もない。
[0105] 本発明のいくつかの実施形態で使用することができる正の造影剤には、バリウム、セシウム、ヨウ素、ガドリニウム、タンタル、及びこれらの元素を含む化合物又は組成物を含む薬剤が含まれるが、これらに限定されない。負の造影剤は、空気、酸素、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、及びそれらの混合物を含むがこれらに限定されない無毒ガスとして発生する。)

(引1−オ)「[0176] In various embodiments according to the present invention, microspheres may be produced in calibrated sizes ranging from about 1 to about 10,000 nanometers in diameter. In one embodiment of the present invention, microspheres of the present invention may be provided in sizes of about 40, about 100, about 250, about 400, about 500, about 700, and about 900 nanometers in diameter, with a visually distinctive color imparted to each size of microsphere. Other sizes, size ranges, and calibrated sized microspheres lacking color dye are also included in the present invention. Not only may the microspheres or particles be provided in different size ranges, but their elasticity may be controlled according to the present invention to specifically provide for proximal or distal embolization behavior, due to potentially differing ranges of compressibility which may alter the traveling distance of the particles or microspheres upon their release within a selected blood vessel. Microspheres of the present invention may also be provided in customized sizes and/or with customized colors as specified by a user for specific clinical diagnostic or therapeutic applications.
EXAMPLE 23
[0177] Transarterial chemoembolization or TACE is a clinical procedure in which the blood supply to a tumor is disrupted by embolization and chemotherapy is administered directly into the tumor. Selective embolization of tumor blood vessels without direct administration of chemotherapy (bland embolization) is also preformed as a clinical procedure in certain situations.
[0178] In most living organisms with a developed circulatory system, the vasculature tends to taper from larger diameter vessels proximal to the heart to smaller vessels more distal to the heart. Larger arteries thus tend to divide into smaller arteries, which eventually taper to the arteriole level and interface with small diameter venules. Venous flow progresses from such venules through successively larger diameter veins as flow returns to the heart.
[0179] It is common, therefore, that blood vessels of differing sizes may exist within a tumor mass or other target tissue. In a clinical situation where embolization and maximal disruption of blood supply to a tumor or other target tissue is desired, serial embolization of progressively larger tumor vessels may provide a more complete embolization, with or without the delivery of chemotherapeutic or other therapeutic agents.
[0180] FIG. 12B is a conceptual representation of a selective embolization of an exemplary artery 120 by serial administration of different sized microspheres 121, 122, and 123. The direction of blood flow within the exemplary artery 120 is shown by the arrows in FIG. 12B. In this example, microsphere 121 is the smallest diameter of the microspheres administered, and is injected into artery 120 first, occluding the vessel lumen at the smallest vessel diameter that will not permit passage of microsphere 121. Continuing in this example, microsphere 122 is of intermediate diameter of the microspheres administered, and is injected into artery 120 first, occluding the vessel lumen at the smallest vessel diameter that will not permit passage of microsphere 122. Finally, in this example, microsphere 123 is the largest diameter of the microspheres administered, and is injected into artery 120 first, occluding the vessel lumen at the smallest vessel diameter that will not permit passage of microsphere 123. The result in this example is the sequential blockage of blood flow at multiple levels throughout the blood supply of the tumor or target tissue.
[0181] In other examples of the present invention, less than three or more than three different sized microspheres may be administered to secure the desired embolization of a tumor or other target tissue.
[0182] As provided in previous examples of the present invention, different-sized microspheres of the present invention may further be provided with color-coding to allow user identification and visual confirmation of the sized microspheres in use at any given stage of the clinical procedure.
[0183] The delivery of microspheres of different sizes or other inherent qualities may further be facilitated by the use of transport packaging and/or delivery devices which are color-coded to allow user identification and visual confirmation of the sized microspheres in use at any given stage of the clinical procedure in exemplary applications according to the present invention. In various exemplary applications of the present invention, such color-coded devices may be used in combination with color-coding of the microspheres themselves, with corresponding microsphere and packaging/delivery device color-coding.
[0184] FIG. 12C shows a syringe used for the packaging and/or delivery of color-coded microspheres of a select size according to the present invention. In the example shown in FIG. 12C, the syringe 124 comprises a barrel 125, a plunger 126, a plunger tip 127, a Luhr-type injection tip 128, and a Luhr tip cover 129.
[0185] As shown in FIG. 12C, one or more of components barrel 125, a plunger 126, a plunger tip 127, a Luhr-type injection tip 128, and a Luhr tip cover 129 may be colored in a common color according to a color code to indicate a desired property of the microspheres contained therein. In one example of the present invention, a syringe may contain color-coded microspheres to indicate a certain microsphere size, and the syringe plunger, plunger tip, and Luhr tip cover may be similarly colored to further indicate the desired property of the contained microspheres to a user.
[0186] FIG. 12D is a conceptual representation of a selective embolization of an exemplary tumor mass 130 by intravascular administration of microspheres 135. The direction of blood flow within the exemplary artery 120 is shown by the arrows in FIG. 12. In this example, microspheres 135 are injected into artery 120 through a catheter 140. The result in this example is the sequential blockage of blood flow throughout the blood supply of the tumor.」
(当審訳:[0176] 本発明による様々な実施形態において、ミクロスフェアは、直径が約1から約10,000ナノメートルの範囲の較正されたサイズで製造され得る。本発明の一実施形態では、本発明のミクロスフェアは、直径約40、約100、約250、約400、約500、約700、及び約900ナノメートルのサイズで、ミクロスフェアの各サイズに視覚的に特徴的な色が付与されて提供され得る。他のサイズ、サイズ範囲、及びカラー染料を欠く較正されたサイズのミクロスフェアもまた、本発明に含まれる。ミクロスフェア又は粒子は、異なるサイズ範囲で提供され得るだけでなく、近位又は遠位の塞栓形成挙動を具体的に提供するために、それらの弾性を本発明に従って制御することができ、それは、選択された血管内で放出された粒子又はミクロスフェアの移動距離を変更し得る、潜在的に異なる範囲の圧縮率に起因する。本発明のミクロスフェアはまた、特定の臨床診断又は治療用途のために、ユーザによって指定されるように、カスタマイズされたサイズ及び/又はカスタマイズされた色で提供され得る。
実施例23
[0177] 経動脈的化学塞栓療法すなわちTACEは、腫瘍への血液供給が塞栓形成によって中断され、化学療法が腫瘍に直接投与される臨床手法である。化学療法を直接投与しない腫瘍血管の選択的塞栓術(無刺激塞栓術)も、特定の状況での臨床手法として実施される。
[0178] 循環器系が発達したほとんどの生物では、血管系は心臓に近いより大きな直径の血管から心臓からより離れたより小さな血管に向かって先細りになる傾向がある。したがって、大きな動脈は小さな動脈に分割される傾向があり、最終的には細動脈レベルまで先細りになり、小さな直径の細静脈と連結する。静脈の流れは、流れが心臓に戻るにつれて、そのような細静脈から連続的に大きな直径の静脈を通って進行する。
[0179] したがって、異なるサイズの血管が腫瘍塊又は他の標的組織内に存在する可能性があることは一般的である。腫瘍又は他の標的組織への血液供給の塞栓形成及び最大の破壊が望まれる臨床状況では、漸進的に大きくなる腫瘍血管の連続塞栓形成は、化学療法剤又は他の治療薬の送達の有無にかかわらず、より完全な塞栓形成を提供し得る。
[0180] 図12Bは、異なるサイズのミクロスフェア121、122及び123の連続投与による例示的な動脈120の選択的塞栓形成の概念的表現である。例示的な動脈120内の血流の方向は、図12B中の矢印によって示されている。この例では、ミクロスフェア121は、投与されるミクロスフェアの最小直径であり、最初に動脈120に注入され、ミクロスフェア121の通過を許さない最小の血管直径のところで血管内腔を閉塞する。続いて、この例では、投与されるミクロスフェアの中間直径であるミクロスフェア122が、最初に動脈120に注入され、ミクロスフェア122の通過を許さない最小の血管直径のところで血管内腔を閉塞する。最後に、この例では、投与されるミクロスフェアの最大直径であるミクロスフェア123が、最初に動脈120に注入され、ミクロスフェア123の通過を許さない最小の血管直径のところで血管内腔を閉塞する。この例の結果は、腫瘍又は標的組織の血液供給全体にわたる複数のレベルでの血流の連続的な遮断をもたらす。
[0181] 本発明の他の例では、3つ未満又は3つを超える異なるサイズのミクロスフェアを投与して、腫瘍又は他の標的組織の所望の塞栓形成を確保することができる。
[0182] 本発明の前の例で提供されるように、本発明の異なるサイズのミクロスフェアは、臨床手順の任意の所与の段階で使用中のサイズのミクロスフェアのユーザ識別及び視覚的確認を可能にするために、さらに色分けして提供され得る。
[0183] 異なるサイズ又は他の固有の性質のミクロスフェアの送達は、本発明による例示的な用途における臨床手順の任意の所与の段階における使用中において、特定のサイズのミクロスフェアのユーザ識別及び視覚的確認を可能にするために、色分けされた輸送包装及び/又は送達デバイスを使用することによってさらに容易になり得る。本発明の様々な例示的な用途において、そのような色分けされたデバイスは、ミクロスフェア自体の色分けと組み合わせて、ミクロスフェアと包装/送達デバイスの色分けを対応させて使用され得る。
[0184] 図12Cは、本発明による選択されたサイズの色分けされたミクロスフェアの包装及び/又は送達に使用される注射器を示す。図12Cに示す例では、注射器124は、バレル125、プランジャー126、プランジャーチップ127、Luhr型注入チップ128、及びLuhrチップカバー129を備える。
[0185] 図12Cに示されるように、1つ以上の構成要素であるバレル125、プランジャー126、プランジャーチップ127、Luhr型注入チップ128、及びLuhrチップカバー129は、それに含まれるミクロスフェアの所望の特性を示すためのカラーコードに従って共通の色で着色され得る。本発明の一例では、注射器は、特定のミクロスフェアサイズを示すために色分けされたミクロスフェアを含み得、注射器プランジャー、プランジャーチップ、及びLuhrチップカバーは、ユーザに含まれるミクロスフェアの所望の特性をさらに示すために同様に着色され得る。
[0186] 図12Dは、ミクロスフェア135の血管内投与による例示的な腫瘍塊130の選択的塞栓形成の概念的表現である。例示的な動脈120内の血流の方向は、図12中の矢印によって示されている。この例では、ミクロスフェア135は、カテーテル140を介して動脈120に注入される。この例の結果は、腫瘍の血液供給全体にわたる血流の連続的な遮断をもたらす。)

(引1−カ)「EXAMPLE 24
[0188] In conventional radiology, including fluoroscopy, tomography and computerized axial tomography (CT) imaging modalities, it is often useful to employ contrast agents to identify certain sites in a mammalian body that would otherwise be difficult to distinguish from adjacent body tissues. This is particularly applicable in the evaluation of tissue that has been embolized, such as a solid tumor mass.
[0189] Selective embolization of a solid tumor mass with microspheres of the present invention comprising a coating of poly[bis(trifluoroethoxy)phosphazene surrounding a core containing a contrast agent such as barium sulfate or iodine will permit the visualization of the embolized microspheres on plain x-ray or CT scanning. Serial examinations may show changes in tumor size following embolization therapy.」
(当審訳:実施例24
[0188] 蛍光透視法、断層撮影法及びコンピュータ断層撮影(CT)撮像モダリティを含む従来の放射線学では、隣接する体組織と区別するのが難しい哺乳類の体内の特定の部位を識別するために、造影剤の使用が有用であることがよくある。これは、固形腫瘍塊など、塞栓形成された組織の評価に特に当てはまる。
[0189] 硫酸バリウム又はヨウ素などの造影剤を含むコアを取り囲むポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼンのコーティングを含む本発明のミクロスフェアによる固形腫瘍塊の選択的塞栓形成は、単純X線又はCTスキャン上での塞栓形成ミクロスフェアの視覚化を可能にする。連続検査では、塞栓療法後の腫瘍サイズの変化が示される場合がある。)

(引1−キ)「EXAMPLE 29
[0193] At the onset of an interventional embolization procedure, a patient containing a targeted tissue is injected by an operator with exemplary first microspheres of the present invention comprising a coating of poly[bis(trifluoroethoxy)phosphazene surrounding a core containing a contrast agent. The exemplary microspheres are selected of a relatively smaller size range, suited for the given medical indication for the procedure.
[0194] The smaller-sized first microspheres in this example may be marked with one or more specific contrast agents covalently bound to the hydrogel core. Such contrast agents are selected depending upon the imaging technology in use. For magnetic resonance imaging (MRI), ionic or non-ionic contrast agents including, but not limited to tantalum, gadolinium and samarium-chelates, or other rare earth compounds with paramagnetic properties, or MRI active ions, such as Mn or Fe ions.
[0195] Once selectively injected under real-time MRI or other imaging visualization, these specifically marked first microspheres will travel far more distally in the injected vascular system due to their smaller size.
[0196] The interventional procedure is then continued with the administration of second, larger microspheres of the present invention under real time imaging control, until the operator identifies the retardation of blood flow and beginning of vascular saturation in the targeted tissue. These larger second microspheres travel more proximally (relative to the administrator of the microspheres, not the targeted tissue) in the injected vascular system than the first microspheres previously injected.
[0197] To conclude the embolization procedure, the operator may inject differently marked third microspheres of the present invention of larger sizes. These specifically marked third microspheres will travel more proximally in the injected vascular system than the first or second microspheres previously injected.
[0198] The contrast agent(s) within the first, second, or third microspheres of this example may be of different or the same chemical nature, thereby making it possible to distinguish the first, second, and third microspheres in situ in real time using MRI or other imaging modalities during the interventional procedure.
[0199] The operator may thereby determine the start and endpoints of the embolization procedure, as well as the specific anatomic location of the vascular region embolized, and may further determine the distance between most proximal and distal embolization regions and the effect of different size microspheres in the embolized vascular regions.」
(当審訳:実施例29
[0193] 介入的塞栓術手順の開始時に、標的組織を含む患者は、造影剤を含むコアを取り囲むポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼンのコーティングを含む本発明の例示的な第1のミクロスフェアを、操作者によって注入される。例示的なミクロスフェアは、所与の医学的症状の手順に適した、比較的小さいサイズ範囲から選択される。
[0194] この実施例のより小さなサイズの第1のミクロスフェアは、ヒドロゲルコアに共有結合した1つ又は複数の特定の造影剤でマークすることができる。そのような造影剤は、使用されている画像技術に応じて選択される。磁気共鳴画像法(MRI)の場合、イオン性又は非イオン性造影剤は、タンタル、ガドリニウム、サマリウムキレート、若しくは常磁性を有する他の希土類化合物、又はマンガンイオン若しくは鉄イオンなどのMRI活性イオンを含むが、これらに限定されない。
[0195] リアルタイムMRI又は他の撮像視覚化の下で選択的に注入されると、これらの特別にマークされた最初のミクロスフェアは、サイズが小さいため、注入された血管系内をはるかに遠位に移動する。
[0196] 次に、介入手順は、リアルタイム画像制御下で本発明の第2のより大きなミクロスフェアの投与へと続き、操作者が標的組織における血流の遅滞及び血管飽和の開始を特定するまで継続される。これらのより大きな第2のミクロスフェアは、先に注入された第1のミクロスフェアよりも、注入された血管系においてより近位(ミクロスフェアの注入器に対してであり、標的組織に対してではない)に移動する。
[0197] 塞栓形成手順を終了するために、操作者は、より大きなサイズで異なるマークのされた本発明の第3のミクロスフェアを注入することができる。これらの特別にマークされた第3のミクロスフェアは、先に注入された第1又は第2のミクロスフェアよりも、注入された血管系内をより近位に移動する。
[0198] この実施例の第1、第2又は第3のミクロスフェア内の造影剤は、介入手順中にMRI又は他の撮像モダリティによりその場でリアルタイムに第1、第2及び第3のミクロスフェアを区別することができるように、異なる又は同じ化学的性質のものとすることができる。
[0199] これにより、操作者は、塞栓形成手順の開始及び終点、並びに塞栓形成された血管領域の特定の解剖学的位置を決定することができ、さらに、最も近位及び遠位の塞栓形成領域間の距離、及び塞栓形成された血管領域における異なるサイズのミクロスフェアの効果を決定することができる。)

(引1−ク)Fig.12A(図12A)




イ 引用文献1に記載された発明
(ア)上記(引1−ウ)の「塞栓形成は、・・・活性剤が充填された粒子を使用することができる。本発明による塞栓形成粒子は、・・・更なる放射線不透過性・・・を実証することができる」との記載、及び上記(引1−エ)の「[0101] 本発明の様々な好ましい実施形態において、本明細書に記載されるように、造影剤は本発明の粒子内に提供され得る」との記載から、引用文献1に記載された塞栓形成粒子は、活性剤が充填されるとともに放射線不透過性を備えたものとすることができるものである。
そうすると、引用文献1には、上記(引1−オ)に記載された実施例23の経動脈的化学塞栓療法において、上記(引1−キ)に記載された実施例29の介入的塞栓術手順における造影剤を含むミクロスフェアを用いた視覚化の手法を採用した態様も開示されているといえる。

(イ)上記(引1−キ)の段落[0194]に「造影剤は、使用されている画像技術に応じて選択される」とあるところ、上記(引1−カ)の段落[0189]の「硫酸バリウム又はヨウ素などの造影剤を含む・・・ミクロスフェアによる固形腫瘍塊の選択的塞栓形成は、単純X線又はCTスキャン上での塞栓形成ミクロスフェアの視覚化を可能にする」との記載を踏まえると、上記(引1−キ)に記載された実施例29は、X線用の造影剤を含むミクロスフェアをX線CTにより可視化する態様を含んでいることが読み取れる。

(ウ)さらに、上記(引1−キ)の段落[0194]の「第1、第2又は第3のミクロスフェア内の造影剤は、介入手順中にMRI又は他の撮像モダリティによりその場でリアルタイムに第1、第2及び第3のミクロスフェアを区別することができるように、異なる又は同じ化学的性質のものとすることができる」との記載から、第1、第2及び第3のミクロスフェアは、X線CTにより第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んでいる態様が読み取れる。

(エ)上記(引1−イ)の段落[0020]及び [0021]に記載された「ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]」並びに上記(引1−カ)の段落[0189]及び(引1−キ)の段落[0193]に記載された「ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン」は、同じ化合物を表すものと認められることから、以下では「ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]」に記載を統一する。

(オ)上記(ア)ないし(エ)を踏まえると、上記(引1−ア)ないし(引1−ク)の記載から、引用文献1には、
「 腫瘍への血液供給が塞栓形成によって中断され、化学療法が腫瘍に直接投与される経動脈的化学塞栓療法のための装置であって
活性剤が充填された塞栓形成ミクロスフェアを動脈120に注入するためのカテーテル140と、
塞栓形成ミクロスフェアの視覚化を可能にするX線CTと、
を含み、
異なるサイズの血管が腫瘍塊内に存在し、漸進的に大きくなる腫瘍血管の連続塞栓形成により、より完全な塞栓形成を提供することができ、
ミクロスフェアは、造影剤を含むコアを取り囲むポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]のコーティングを含み、
介入的塞栓術手順の開始時に、より小さなサイズの第1のミクロスフェアが注入され、サイズが小さいため、注入された血管系内をはるかに遠位に移動し、
次に、第2のより大きなミクロスフェアの投与へと続き、より大きな第2のミクロスフェアは、先に注入された第1のミクロスフェアよりも、注入された血管系においてより近位に移動し、
塞栓形成手順を終了するために、より大きなサイズの第3のミクロスフェアを注入し、3のミクロスフェアは、先に注入された第1又は第2のミクロスフェアよりも、注入された血管系内をより近位に移動し、
第1、第2及び第3のミクロスフェアは、X線CTにより第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んでおり、
これにより、操作者は、塞栓形成手順の開始及び終点、並びに塞栓形成された血管領域の特定の解剖学的位置を決定することができ、さらに、最も近位及び遠位の塞栓形成領域間の距離、及び塞栓形成された血管領域における異なるサイズのミクロスフェアの効果を決定することができる、
装置。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

ウ 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である国際公開第2013/164725号(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。

(引2−ア)「 The following generally relates to visualization and more particularly to visualization of imageable drug eluting beads (i-DEBs) using spectral imaging, and is described with particular application to computed tomography (CT). However, the following is also amenable to other spectral imaging modalities.」(第1頁1〜4行)
(当審訳: 以下は、概して視覚化に関し、より具体的にはスペクトル撮像を利用した画像形成可能な薬剤溶出性ビーズ(i−DEB)の視覚化に関し、特にコンピュータ断層撮影(CT)に適用して説明される。しかしながら、以下はまた、その他のスペクトル撮像モダリティにも適している。)

(引2−イ)「 Given that liver cancer (primary and metastatic) is primarily supplied by the hepatic artery and is generally confined to the liver, drug delivery directly into the hepatic artery has been shown to be effective in the management of these patients. Transcatheter arterial chemoembolization (TACE) is an x-ray imaged guided, interventional oncology procedure in which chemotherapeutic drug is delivered from a catheter in the hepatic artery. The literature has indicated that Level I evidence has demonstrated that patients have better symptom control and prolonged survival after TACE as compared to those receiving supportive care only (5-year survival rate increases from 3% to 26%). This has resulted in TACE being the mainstay of intermediate stage HCC therapy.
Recently, there has been a shift in the chemotherapeutic drug delivery system from the conventional lipiodol-doxorubicin cocktail (c-TACE) to drug-eluting microsphere beads (DEB-TACE). The literature has indicated that DEBs are capable of delivering chemotherapeutic agents in a reproducible manner that leads to negligible levels of chemotherapy in plasma (less systemic exposure) and enhanced efficacy at the tumor site (more tumor kill). Despite these successes, DEB-TACE relies heavily on clinician experience, especially as to intended final DEB delivery location.
This is further confounded in that the DEBs are radio-lucent under standard integrating detector type x-ray systems. That is, although x-ray contrast medium is externally mixed with the DEBs for visualization during injection, the assumption is that where the contrast agent moves is also where the DEBs travel. This assumption is questionable as fluid dynamic of the two materials are completely different (i.e., solid versus liquid, different densities and/or volumes, etc.) and thus prone to separate leading to the false feedback of DEB travel and deposit location. This can result in non-target drug delivery and a high recurrence rate (due to incomplete tumor kill or partial treatment).
The literature has recently indicated the development of DEBs loaded with x- ray opaque materials like lipiodol or contrast medium. While this work showed bead visibility, it was only where there were large concentrations of imageable-DEBs (i-DEBs) in stasis and is not representative of actual clinical use. A limitation of i-DEB visualization, fundamentally, is the x-ray integrating detector. That is, conventional integrating detectors are unable to differentiate materials. In view of at least the above, there is an unresolved need for other approaches for visualizing i-DEBs.
Aspects described herein address the above-referenced problems and others.
In one aspect, an imaging system includes a radiation source that emits radiation that traverses an examination region and imageable drug eluting beads in tissue of interest located therein, a spectral detector array detects radiation traversing the examination region and generates a signal indicative thereof, spectral processing circuitry that spectrally resolves the signal based on a plurality of thresholds, and a reconstructor that generates spectral volumetric image data corresponding the imageable drug eluting beads based on the spectrally resolved signal.
In another aspect, a method includes generating spectral image data corresponding to tissue of interest and an x-ray opaque material of imageable drug eluting beads in the tissue of interest and displaying the spectral image data.」(第1頁10行〜第2頁22行)
(当審訳: 肝癌(原発性及び転移)が、主として肝動脈によってもたらされ、概して肝臓内にとどめられることを所与として、肝動脈への直接的な薬物送達がこれらの患者の管理に有効であることが示されている。経カテーテル的動脈化学塞栓療法(TACE)は、X線撮像ガイド下での介入腫瘍学手順であり、カテーテルから肝動脈内に化学療法薬が送達される。支持療法のみを受けている患者と比較して、TACE後の患者は、より良い症状コントロールと、より長期の生存(5年生存率が3%から26%に上昇する)とを有することについて、レベルIの証拠が実証されていることが、文献により示されている。この結果、TACEは中間期肝細胞癌治療の主力となっている。
最近、化学療法薬送達システムにおいて、従来のリピオドール−ドキソルビシンカクテル(c−TACE)から薬剤溶出性マイクロスフェアビーズ(DEB−TACE)への移行が見られる。DEBは化学療法剤を再現可能な方法で送達することができ、それにより、血漿内での無視できるレベルの化学療法(より少ない全身暴露)と、腫瘍部位での高められた効果(より多くの腫瘍致死)とをもたらすことが、文献により示されている。これらの成功をよそに、DEB−TACEは、特に、意図する最終的なDEB送達位置に関して、臨床経験に頼るところが大きいものである。
このことは、標準的な積分検出器型のX線システム下で、DEBがX線透過性であることによって更に困ったことになる。すなわち、注入中の視覚化のためにX線造影剤がDEBと外部混合されるが、これは、造影剤が移動するところがDEBが進行するところでもあると仮定してのものである。この仮定は疑わしい。というのは、これら2つの物質の流体力学は全く異なっており(すなわち、固体に対して液体、異なる密度及び/又は体積、等々)、故に、分離して、DEB進行及び沈着位置の誤ったフィードバックをもたらす傾向にある。これは、非標的薬物送達となって高い再発率(不完全な腫瘍致死又は部分的な治療による)を生じさせることになり得る。
リピオドール又は造影剤のようなX線不透明な物質を詰め込まれたDEBの開発が、最近の文献により示されている。その研究はビーズの視認性を示したが、それは高濃度の画像形成可能DEB(i−DEB)が静止して存在したところのみであり、実際の臨床使用を表すものではない。i−DEBの視覚化の制約は、基本的に、X線積分検出器にある。すなわち、従来型の積分検出器は、物質を区別することができない。少なくとも以上の点から、i−DEBを視覚化するためのその他の手法に対して、未解決の要望が存在する。
ここに記載される態様は、上述及びその他の問題を解決するものである。
一態様において、撮像システムは、検査領域及びその中に配置された関心組織内の画像形成可能な薬剤溶出性ビーズを横断する放射線を放出する放射線源、検査領域を横断した放射線を検出し、それを指し示す信号を生成するスペクトル検出器アレイ、前記信号を複数の閾値に基づいてスペクトル分解するスペクトル処理回路、及び、スペクトル分解された信号に基づいて、画像形成可能な薬剤溶出性ビーズに対応するスペクトルボリューム画像データを生成する再構成部を含む。
他の一態様において、方法は、関心組織及び関心組織内の画像形成可能な薬剤溶出性ビーズのX線不透明物質に対応するスペクトル画像データを生成し、スペクトル画像データを表示することを含む。)

(引2−ウ)「 The following describes a non-limiting approach for visualizing i-DEBs. For sake of brevity, the following is described in connection with a CT system having photon- counting spectral detectors. However, other imaging systems with spectral imaging capabilities are also contemplated herein. Generally, photon-counting detectors generate spectral data that discriminates based on material composition and, thus, spectral image data corresponding to i-DEBs can be generated with therefrom. In one instance, this not only increases conspicuity of i-DEBs in the image data, but also provides quantitative data that indicates i-DEBs concentration and/or distribution in tissue of interest.」(第3頁6〜13行)
(当審訳: 以下、i−DEBを視覚化するための非限定的な手法を説明する。簡潔さのため、以下では、フォトン計数スペクトル検出器を有するCTシステムとの関連で説明する。しかしながら、スペクトル撮像機能を備えたその他の撮像システムもここに企図される。概して、フォトン計数検出器は、物質組成に基づく区別可能なスペクトルデータを生成し、故に、それからi−DEBに対応するスペクトル画像データを生成することができる。一例において、これは、画像データ内のi−DEBの顕著性を高めるだけでなく、関心組織内のi−DEB濃度及び/又は分布を指し示す定量的データをも提供する。)

(引2−エ)「A pulse shaper 116 processes the signal and generates a pulse such as voltage or other pulse indicative of the energy of the detected photon. It is to be appreciated that the detector signal may be amplified and/or otherwise processed before being processed by the pulse shaper 116. An energy-discriminator 118 energy discriminates the pulse using a comparator 120 that compares the amplitude of the pulse with at least two energy thresholds (TH) 122 that corresponds to energies of interest, including an energy the contrast material of i-DEBS.
The comparator 120 produces an output signal indicative of the energy of the photon based on the comparison. A counter 124 increments a count value for each threshold based on the output of the energy discriminator 118. A binner 126 energy bins the signals and, hence, the photons into two or more energy sub-range or windows based on the count. Collectively, components 116-126 are referred to herein as detector signal processing circuitry 127.
A reconstructor 128 reconstructs the signal output by the detector array 110 and generates volumetric image data based on conventional and/or spectral reconstruction algorithms. This may include generating image data for a particular energy range, e.g., the energy range corresponding to an x-ray opaque material of i-DEBs and/or conventional image data (i.e., non-spectral imaging system).
A console 130 includes a general purpose computing system and controls the imaging system 100, including pivoting the C-arm 104 to a particular angular orientation with respect to the examination region 112, activating the source 108 to emit radiation, activating the detector array 110 to detect radiation, and generating spectral and/or conventional image data.
A display 132 is used to at least display the spectral and/or conventional image data. By way of example, spectral image data of the i-DEBs can be displayed superimposed over the conventional image data. In one instance, the conventional image data provides an anatomical reference while the spectral image visually shows i-DEBs distribution and concentration in the tissue. Other information can also be displayed via the display 132.
A material distribution quantifier 134 receives the spectral image and determines a distribution value of the x-ray opaque material and hence the i-DEBs based on the spectral image data. When this spectral image data is processed as the detector signal is generated and reconstructed, the distribution value can be displayed and/or otherwise presented along with the conventional and/or spectral image data, which can provide real-time quantitative information about the i-DEBs distribution in the imaged tissue over time.
A material concentration quantifier 136 also receives the spectral image and determines a concentration value of the x-ray opaque material and hence the i-DEBs based on the spectral image data. When this spectral image data is processed as the detector signal is generated and reconstructed, the concentration value can be displayed and/or otherwise presented along with the conventional and/or spectral image data, which can provide real-time quantitative information about the i-DEBs concentration in the imaged tissue over time.
An optional decision support system 138 evaluates the i-DEBs distribution and/or concentration information. The illustrated decision support system 138 includes a validator 140, which generates a validation signal based on the quantified information. The validation signal indicates whether the interventional procedure was a success or not (e.g., a status of the interventional procedure). The validation signal can be displayed via the display 132 and/or otherwise conveyed for review by an interventionalist.
The illustrated decision support system 138 also includes a recommender 142, which generates a recommendation signal based on the quantified information. The recommendation signal indicates whether the interventional procedure should be repeated or not. The recommendation signal can be displayed via the display 132 and/or otherwise conveyed for review by an interventionalist. This information can be utilized by the clinician performing the interventional procedure.
In the illustrated embodiment, the decision support system 138 optionally receives a dose plan 144 for the scanned patient. The decision support system 138 can evaluate the plan 144 based on the quantified concentration and/or distribution, and generate and display information showing any difference there between. The recommender 142 can interpret this data and present information indicating the effectiveness of the procedure and/or suggest a course of action and/or changes to the plane 144.
In the illustrated embodiment, the decision support system 138 also optionally receives the actual dose delivered to the scanned patient. The decision support system 138 can correlate and/or calibrate the quantified concentration and/or distribution versus the actual dose delivered. Likewise, the recommender 142 can interpret this data and present information indicating the effectiveness of the procedure and/or suggest a course of action and/or changes to the plane 144.」(第4頁1行〜第5頁32行)
(当審訳: パルス整形器116が、上記信号を処理して、検出されたフォトンのエネルギーを指し示すパルス、例えば電圧パルス又はその他のパルス、を生成する。認識されるように、検出器信号は、パルス整形器116によって処理される前に、増幅及び/又はその他の処理を施されてもよい。エネルギー弁別器118が、i−DEBの造影物質のエネルギーを含む関心あるエネルギーに対応する少なくとも2つのエネルギー閾値(TH)122とパルスの振幅とを比較する比較器120を用いて、パルスをエネルギー弁別する。
比較器120は、この比較に基づいて、フォトンのエネルギーを指し示す出力信号を生成する。カウンタ124が、エネルギー弁別器118の出力に基づいて、各閾値に関する計数値を増加する。瓶分け器126がそれらの信号をエネルギービニングし、したがって、計数値に基づいてフォトンが2つ以上のエネルギー部分範囲又はウィンドウへとビニングされる。ここでは、構成要素116〜126を総称して検出器信号処理回路127と呼ぶ。
再構成部128が、従来型及び/又はスペクトル再構成アルゴリズムに基づいて、検出器アレイ110によって出力された信号を再構成して、ボリューム画像データを生成する。これは、例えばi−DEBのX線不透明物質に対応するエネルギー範囲といった、特定のエネルギー範囲に関する画像データ、及び/又は従来型の画像データ(すなわち、非スペクトル撮像システム)を生成することを含み得る。
コンソール130は、汎用コンピューティングシステムを含み、検査領域112に対して特定の角度方向までCアーム104を旋回させること、線源108を活性化して放射線を放射すること、検出器アレイ110を動作させて放射線を検出すること、並びにスペクトル及び/又は従来型画像データを生成することを含め、撮像システム100を制御する。
ディスプレイ132は、少なくともスペクトル及び/又は従来型画像データを表示するために使用される。例として、i−DEBのスペクトル画像データを従来型画像データの上に重ねて表示することができる。一例において、従来型画像データが解剖学的な基準を提供する一方で、スペクトル画像が組織内のi−DEBの分布及び濃度を視覚的に示す。その他の情報もディスプレイ132を介して表示されることができる。
物質分布定量化部134が、スペクトル画像を受信し、スペクトル画像データに基づいて、X線不透明物質ひいてはi−DEBの分布値を決定する。検出器信号が生成されて再構成されながら、このスペクトル画像データが処理されるとき、従来型及び/又はスペクトル画像データとともに上記分布値を表示、及び/又は別のやり方で提示することができ、それにより、撮像される組織内のi−DEB分布についてのリアルタイムの定量的な情報を経時的に提供することができる。
物質濃度定量化部136もまた、スペクトル画像を受信し、スペクトル画像データに基づいて、X線不透明物質ひいてはi−DEBの濃度値を決定する。検出器信号が生成されて再構成されながら、このスペクトル画像データが処理されるとき、従来型及び/又はスペクトル画像データとともに上記濃度値を表示、及び/又は別のやり方で提示することができ、それにより、撮像される組織内のi−DEB濃度についてのリアルタイムの定量的な情報を経時的に提供することができる。
選択決定支援システム138が、i−DEBの分布及び/又は濃度の情報を評価する。図示した決定支援システム138は、定量化された情報に基づいて検証信号を生成する検証部140を含んでいる。この検証信号は、介入手順が成功したか否か(例えば、介入手順の状況)を指し示す。検証信号は、介入手順を行う者による検討のために、ディスプレイ132を介して表示、及び/又はその他の方法で伝達されることができる。
図示した決定支援システム138はまた、定量化された情報に基づいて勧告信号を生成する勧告部142を含んでいる。この勧告信号は、介入手順が繰り返されるべきか否かを指し示す。勧告信号は、介入手順を行う者による検討のために、ディスプレイ132を介して表示、及び/又はその他の方法で伝達されることができる。この情報は、介入手順を実行する臨床医によって利用されることができる。
図示した実施形態において、決定支援システム138は、必要に応じて、スキャンされる患者に関する投薬計画144を受信する。決定支援システム138は、定量化された濃度及び/又は分布に基づいて計画144を評価し、それらの間の何らかの差を示す情報を生成して表示することができる。勧告部142は、このデータを解釈して、手順の有効性を指し示す情報の提示、並びに/又は行動指針及び/若しくは計画144への変更の提案をすることができる。
図示した実施形態において、決定支援システム138はまた、必要に応じて、スキャンされる患者に送達された実際の投薬量146を受信する。決定支援システム138は、送達された実際の投薬量に対して定量化された濃度及び/又は分布を相関付け、及び/又は校正することができる。同様に、勧告部142は、このデータを解釈して、手順の有効性を指し示す情報の提示、並びに/又は行動指針及び/若しくは計画144への変更の提案をすることができる。)

エ 引用文献2に記載された技術事項
(ア)上記(引2−ウ)に記載された「造影剤のようなX線不透明な物質」が「造影剤」である場合、上記(引2−エ)に記載された「造影物質」及び「X線不透明物質」は「造影剤」を表すことになるから、以下では「造影剤」と表記することとする。

(イ)上記(引2−イ)に記載された「化学療法薬」及び「化学療法剤」、上記(引2−エ)に記載された「選択決定支援システム138」及び「決定支援システム138」、「投薬計画144」及び「計画144」は、それぞれ同じものを表すと認められることから、以下ではそれぞれ「化学療法剤」、「選択決定支援システム138」及び「投薬計画144」に表記を統一することとする。

(ウ)上記(ア)及び(イ)を踏まえると、上記(引2−ア)ないし(引2−エ)の記載から、引用文献2には、
「 肝癌には肝動脈への直接的な薬物送達が有効であることから、経カテーテル的動脈化学塞栓療法によってX線撮像ガイド下でカテーテルから肝動脈内に化学療法剤を送達するものであって、
薬剤溶出性マイクロスフェアビーズ(DEB)は、化学療法剤を再現可能な方法で送達することができ、
X線不透明な物質である造影剤を詰め込まれたDEB(i−DEB)とフォトン計数スペクトル検出器を有するCTシステムを使用して、i−DEBの造影剤のエネルギーを含む関心あるエネルギーに対応するパルスをエネルギー弁別し、i−DEBの造影剤に対応するエネルギー範囲に関する画像データであるi−DEBのスペクトル画像データを生成して、組織内のi−DEBの分布及び濃度を視覚的に示し、
物質分布定量化部134が、スペクトル画像データに基づいて、造影剤ひいてはi−DEBの分布値を決定し、
物質濃度定量化部136が、スペクトル画像データに基づいて、造影剤ひいてはi−DEBの濃度値を決定し、
選択決定支援システム138が、i−DEBの分布及び/又は濃度の情報を評価し、介入手順が成功したか否かを指し示す検証信号をディスプレイ132を介して表示し、定量化された濃度及び/又は分布に基づいてスキャンされる患者に関する投薬計画144を評価し、それらの間の何らかの差を示す情報を生成して表示する、技術。」
という技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。

(3)本件補正発明と引用発明との対比

(ア)引用発明の「腫瘍」が存在する領域は、「経動脈的化学塞栓療法」による処置対象であるから、本件補正発明の「腫瘍を含む関心領域」に相当する。

(イ)引用発明の「経動脈的化学塞栓療法」と、本件補正発明の「肝動脈化学塞栓術」とは、「動脈化学塞栓術」で共通する。

(ウ)引用発明の「装置」は、本件補正発明の「システム」に相当する。

(エ)上記(ア)ないし(ウ)を踏まえると、引用発明の「腫瘍への血液供給が塞栓形成によって中断され、化学療法が腫瘍に直接投与される経動脈的化学塞栓療法のための装置」と、本件補正発明の「腫瘍を含む関心領域の肝動脈化学塞栓術のためのシステム」とは、「腫瘍を含む関心領域の動脈化学塞栓術のためのシステム」で共通する。


(ア)引用発明の「活性剤」、「造影剤」及び「ミクロスフェア(塞栓形成ミクロスフェア)」は、それぞれ本件補正発明の「薬剤」、「造影剤」及び「微小球ビーズ」に相当する。

(イ)引用発明の「活性剤が充填され」、「第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んで」いる「第2のミクロスフェア」と、本件補正発明の「少なくとも第1の薬剤及び第1の造影剤を有する第1の薬剤溶出性微小球ビーズ」とは、「少なくとも薬剤及び第1の造影剤を有する第1の微小球ビーズ」で共通する。

(ウ)引用発明の「活性剤が充填され」、「第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んで」いる「第1のミクロスフェア」と、本件補正発明の「少なくとも第2の薬剤及び第2の造影剤を有する第2の薬剤溶出性微小球ビーズ」とは、「少なくとも薬剤及び第2の造影剤を有する第2の微小球ビーズ」で共通する。

(エ)引用発明において、「カテーテル140」により「動脈120に注入」された「塞栓形成ミクロスフェア」は、「血管系内を」「腫瘍」に向かって「移動」するのであるから、引用発明は、「第1、第2及び第3のミクロスフェアを」「腫瘍」が存在する領域に導入するための機構を備えているといえ、該機構は、本件補正発明の「注入デバイス」に相当する。

(オ)上記(ア)ないし(エ)を踏まえると、「活性剤が充填され」、「第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んで」いる「第2のミクロスフェア」と、「活性剤が充填され」、「第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んで」いる「第1のミクロスフェア」を「動脈120に注入するためのカテーテル140」を含む引用発明は、本件補正発明の「少なくとも第1の薬剤及び第1の造影剤を有する第1の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入し、少なくとも第2の薬剤及び第2の造影剤を有する第2の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入するよう構成される注入デバイス」と、「少なくとも薬剤及び第1の造影剤を有する第1の微小球ビーズを前記関心領域に導入し、少なくとも薬剤及び第2の造影剤を有する第2の微小球ビーズを前記関心領域に導入するよう構成される注入デバイス」で共通する構成を備えているといえる。


(ア)引用発明の「第1、第2及び第3のミクロスフェアは、X線CTにより第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んで」いることから、引用発明の「X線CT」は、「第1、第2及び第3のミクロスフェア」に含まれる「異なる造影剤」を「識別可能」なものである。
X線撮像装置において、異なる造影剤を識別して検出するためには、各造影剤に特有の吸収エネルギー領域に対応した撮像を行う必要があることが、本願の優先権主張日当時の技術常識であることから、引用発明の「X線CT」は、「第1、第2及び第3のミクロスフェア」に含まれる「異なる造影剤」に特有な複数のエネルギー領域ごとの撮像が可能なX線CT、すなわち、スペクトルX線CTであるといえる。

(イ)そして、「第1、第2及び第3のミクロスフェア」に含まれる「異なる造影剤」に特有な複数のエネルギー領域ごとの撮像が可能であるためには、引用発明の「X線CT」は、「第1のミクロスフェア」に含まれる「造影剤」に特有の吸収エネルギー領域に対応した撮像により「第1のミクロスフェア」を撮像し、「第2のミクロスフェア」に含まれる「造影剤」に特有の吸収エネルギー領域に対応した撮像により「第2のミクロスフェア」を撮像することができるものであるといえる。
ここで、X線CTによる撮像が、一連のスキャン画像であることは技術常識である。

(ウ)したがって、引用発明の「塞栓形成ミクロスフェアの視覚化を可能にするX線CT」と、本件補正発明の「少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステムであって、前記関心領域の前記第1の画像データセットは前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズを含み、前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズを含む、イメージングシステム」とは、「少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステムであって、前記関心領域の前記第1の画像データセットは前記第1の微小球ビーズを含み、前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第2の微小球ビーズを含む、イメージングシステム」で共通する。

(エ)また、引用発明の「X線CT」は、本件補正発明の「前記イメージングシステムがスペクトルコンピュータトモグラフィシステムであり」を満たす。
さらに、引用発明は、本件補正発明の「前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットが、前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによって同時に取得される」と、「前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットが、前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによって取得される」で共通する構成を備えているといえる。


引用発明の「異なるサイズの血管が腫瘍塊内に存在し」は、本件補正発明の「前記腫瘍が、腫瘍中心血管を有し」を満たすといえる。


引用発明の「より大きな第2のミクロスフェア」と「より小さなサイズの第1のミクロスフェア」であることと、本件補正発明の「前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズが、前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズより大きい直径を有」することとは、「前記第1の微小球ビーズが、前記第2の微小球ビーズより大きい直径を有」することで共通する。


(4)そうすると、本件補正発明と引用発明とは、
「 腫瘍を含む関心領域の動脈化学塞栓術のためのシステムであって、
少なくとも薬剤及び第1の造影剤を有する第1の微小球ビーズを前記関心領域に導入し、少なくとも薬剤及び第2の造影剤を有する第2の微小球ビーズを前記関心領域に導入するよう構成される注入デバイスと、
少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステムであって、前記関心領域の前記第1の画像データセットは前記第1の微小球ビーズを含み、前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第2の微小球ビーズを含む、イメージングシステムと、
を有し、前記腫瘍が、腫瘍中心血管を有し、前記第1の微小球ビーズが、前記第2の微小球ビーズより大きい直径を有し、
前記イメージングシステムがスペクトルコンピュータトモグラフィシステムであり、前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットが、前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによって取得される、システム。」
の発明である点で一致し、次の5点において相違する。

(相違点1)
動脈化学塞栓術が、本件補正発明においては、「肝動脈」を対象としたものであるのに対し、引用発明においては、具体的な動脈は特定されていない点。

(相違点2)
第1の微小球ビーズに含まれる薬剤及び第2の微小球ビーズに含まれる薬剤について、本件補正発明においては、それぞれ「第1の薬剤」及び「第2の薬剤」と特定されているのに対し、引用発明においては、いずれも「活性剤」とのみ特定されている点。

(相違点3)
第1の微小球ビーズ及び第2の微小球ビーズが、本件補正発明においては、それぞれ「薬剤溶出性」であるのに対し、引用発明においては、「薬剤溶出性」であるか不明な点。

(相違点4)
本件補正発明は、「前記第1の画像データセットから第1の薬剤濃度を決定し、前記第2の画像データセットから第2の薬剤濃度を決定する濃度決定器」を有するのに対し、引用発明においては、そのような濃度決定器を有しない点。

(相違点5)
前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによる前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットの取得が、本件補正発明においては、「同時」であることが特定されているのに対し、引用発明においては、「同時」であるか不明な点。

(5)判断
ア 相違点1について
引用文献2技術事項が、「肝癌には肝動脈への直接的な薬物送達が有効であることから、経カテーテル的動脈化学塞栓療法によってX線撮像ガイド下でカテーテルから肝動脈内に化学療法剤を送達するもの」であることに鑑みると、引用発明が対象とする動脈として「肝動脈」を選択することは、本件補正発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)であれば適宜選択し得ることであり、また、引用発明において「動脈」として「肝動脈」が除外される事情もない。

イ 相違点2について
(ア)第1の薬剤及び第2の薬剤について、本願の明細書には、「【0012】 システムの別の好適な実施形態において、第1の薬剤は、第2の薬剤とは異なり、及び/ 又は、第1の造影剤は、第2の造影剤とは異なる。」、「【0029】・・・代替オプションは、第1の薬剤及び第2の薬剤は同じであるが、濃度がビーズサイズに特有であることである。」との記載がある。これらの記載に鑑みると、本件補正発明における「第1の薬剤」及び「第2の薬剤」は、両者が同じ薬剤である場合を包含しているものである。
してみると、上記相違点2は実質的な相違点ではない。

(イ)加えて、上記相違点2が実質的な相違点であるとしても、上記(引1−ウ)の[0086]に活性剤の例として「細胞増殖抑制剤、抗炎症剤、抗分裂促進又は細胞増殖活性剤、ホルモン」が列記されていることから、第1及び第2のミクロスフェアの血管系内における到達位置(移動位置)が異なる引用発明において、第1及び第2のミクロスフェアに充填される活性剤を、血管系内における到達位置に適した異なるものとすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

ウ 相違点3について
(ア)引用文献2技術事項の「薬剤溶出性マイクロスフェアビーズ(DEB)」は、本件補正発明の「薬剤溶出性微小球ビーズ」に相当する。
上記(引2−イ)の「最近、化学療法薬送達システムにおいて、従来のリピオドール−ドキソルビシンカクテル(c−TACE)から薬剤溶出性マイクロスフェアビーズ(DEB−TACE)への移行が見られる。DEBは化学療法剤を再現可能な方法で送達することができ、それにより、血漿内での無視できるレベルの化学療法(より少ない全身暴露)と、腫瘍部位での高められた効果(より多くの腫瘍致死)とをもたらすことが、文献により示されている。」との記載から、薬剤溶出性マイクロスフェアビーズは、化学療法薬送達システムにおいて優れた手段であるといえる。
してみると、活性剤が充填された塞栓形成ミクロスフェアを送達する、「化学療法が腫瘍に直接投与される経動脈的化学塞栓療法のための装置」である引用発明において、活性剤が充填された塞栓形成ミクロスフェアである第1及び第2のミクロスフェアとして、引用文献2技術事項の「薬剤溶出性マイクロスフェアビーズ(DEB)」を採用することは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

エ 相違点4について
(ア)引用文献2技術事項の「スペクトル画像データ」は、「フォトン計数スペクトル検出器を有するCTシステムを使用して」生成されるものであるから、本件補正発明の「画像データセット」に相当するといえる。

(イ)引用文献2技術事項は、「肝癌には肝動脈への直接的な薬物送達が有効であることから」「肝動脈内に化学療法剤を送達するものであ」ることから、必要な量の「化学療法剤」を送達することは、引用文献2技術事項において重要なことであるといえる。
してみると、引用文献2技術事項において「i−DEBの分布及び/又は濃度の情報を評価し、介入手順が成功したか否かを指し示す検証信号をディスプレイ132を介して表示し、定量化された濃度及び/又は分布に基づいてスキャンされる患者に関する投薬計画144を評価」しているのは、純粋にi−DEBの濃度等の情報を評価しているのではなく、i−DEBの濃度等を介してi−DEBに含まれる化学療法剤の濃度等を評価して、投薬計画144を評価しているといえる。

(ウ)したがって、引用文献2技術事項の「スペクトル画像データに基づいて、造影剤ひいてはi−DEBの濃度値を決定」する「物質濃度定量化部136」と、本件補正発明の「前記第1の画像データセットから第1の薬剤濃度を決定し、前記第2の画像データセットから第2の薬剤濃度を決定する濃度決定器」とは、「前記画像データセットから薬剤濃度を決定する濃度決定器」で共通するといえる。

(エ)引用発明は、「活性剤が充填された塞栓形成ミクロスフェアを動脈120に注入する」ことにより「化学療法が腫瘍に直接投与される」ものであるから、「塞栓形成された血管領域における異なるサイズのミクロスフェアの効果を決定すること」は、「塞栓形成」の効果のみならず、「化学療法」の効果、すなわち、活性剤の投与状況を決定することをも包含しているといえる。
加えて、引用発明における上記の効果が「化学療法」の効果を意図していないとしても、「経動脈的化学塞栓療法のための装置」である引用発明は、活性剤の投与状況を把握するという課題を内包しているものといえる。

(オ)してみると、引用発明に引用文献2技術事項の「物質濃度定量化部136」を採用することには、十分な動機があるといえる。
そして、引用発明は、「塞栓形成領域」が異なる「第1、第2及び第3のミクロスフェア」を使用し、「第1、第2及び第3のミクロスフェアは、X線CTにより第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤を含んで」いるものであるから、引用文献2技術事項の「物質濃度定量化部136」を採用する際、「第1、第2及び第3のミクロスフェア」ごとに濃度値を決定するようにすることは、当業者であれば当然考慮すべき設計事項である。

(カ)したがって、引用発明において、引用文献2技術事項の「物質濃度定量化部136」を採用し、上記相違点4に係る本件補正発明の発明特定事項を備えたものとすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

オ 相違点5について
(ア)上記(3)ウで示したように、引用発明の「X線CT」はスペクトルX線CTであるといえるものの、複数のエネルギー領域ごとの画像を同時に取得することができるものであるかは明らかではない。
しかしながら、複数のエネルギー領域ごとの画像を同時に取得することができるフォトン計数スペクトル検出器を有するCTシステムは、引用文献2技術事項でも採用しているように従来周知なものである。
そして、引用発明において、線源の放射エネルギー範囲を変更して撮像するタイプや検出エネルギー範囲が異なる検出器を交換して撮像するタイプのスペクトルCTを採用しなければならない事情があるとはいえず、経動脈的化学塞栓療法中に撮像することを考慮すると、線源や検出器の変更の必要がなく、患者の被曝量も低減することが可能であるという利点を有するフォトン計数スペクトル検出器を有するCTシステムを採用することには、十分な動機がある。

(イ)引用発明の「X線CT」をフォトン計数スペクトル検出器を有するCTシステムとした場合、「第1、第2及び第3のミクロスフェアを識別可能な異なる造影剤」それぞれに対応したエネルギー領域での撮像を、同時に行うことが可能である。

(ウ)引用発明が「塞栓形成手順の開始及び終点、並びに塞栓形成された血管領域の特定の解剖学的位置を決定することができ、さらに、最も近位及び遠位の塞栓形成領域間の距離、及び塞栓形成された血管領域における異なるサイズのミクロスフェアの効果を決定することができる」ものであるように、経動脈的化学塞栓療法においては、「塞栓形成手順の開始及び終点、並びに塞栓形成された血管領域の特定の解剖学的位置を決定すること」に加え、「塞栓形成された血管領域における異なるサイズのミクロスフェアの効果を決定すること」も重要な事項である。
そのため、引用発明において引用文献2技術事項の「物質濃度定量化部136」を採用した場合、有効に投与された活性剤の程度を把握するために、塞栓形成後の撮像において「第1、第2及び第3のミクロスフェア」ごとの濃度値を決定することは、当業者であれば当然採用する程度のことである。

(エ)したがって、引用発明において、上記相違点5に係る本件補正発明の発明特定事項を備えたものとすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

カ 本件補正発明の奏する作用効果
本件補正発明によってもたらされる効果は、引用文献1及び2の記載事項から当業者が予測し得る程度を超えるものとはいえない。

キ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年12月11日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年6月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるものである。
ここで、その請求項1(以下「本願請求項1」という。)の記載は、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりであるが、本願請求項1における「前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズを含む」は、本願請求項1の前後の記載、本願の明細書全体の記載及び本件補正の内容から見て、「前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズを含む」の誤記であると認められる。
したがって、本願請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)を、
「 【請求項1】
腫瘍を含む関心領域の肝動脈化学塞栓術のためのシステムであって、
少なくとも第1の薬剤及び第1の造影剤を有する第1の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入し、少なくとも第2の薬剤及び第2の造影剤を有する第2の薬剤溶出性微小球ビーズを前記関心領域に導入するよう構成される注入デバイスと、
少なくとも第1のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第1の画像データセットを取得し、少なくとも第2のX線放射線エネルギーにより前記関心領域の第2の画像データセットを取得するイメージングシステムであって、前記関心領域の前記第1の画像データセットは前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズを含み、前記関心領域の前記第2の画像データセットは前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズを含む、イメージングシステムと、
前記第1の画像データセットから第1の薬剤濃度を決定し、前記第2の画像データセットから第2の薬剤濃度を決定する濃度決定器と、
を有し、前記腫瘍が、腫瘍中心血管を有し、前記第1の薬剤溶出性微小球ビーズが、前記第2の薬剤溶出性微小球ビーズより大きい直径を有する、システム。」
との記載事項により特定されるものと認定して、以下検討する。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし11に係る発明は、その優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:米国特許出願公開第2008/0102029号明細書
引用文献2:国際公開第2013/164725号

3 引用文献について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2の記載事項並びに引用発明及び引用文献2技術事項は、上記第2[理由]2(2)アないしエに記載したとおりである。

4 対比・判断
(1)本願発明は、上記第2[理由]2(3)ないし(5)で検討した本件補正発明から、「前記イメージングシステムがスペクトルコンピュータトモグラフィシステムであり、前記第1の画像データセット及び前記第2の画像データセットが、前記スペクトルコンピュータトモグラフィシステムによって同時に取得される」という限定事項を削除したものである。

(2)そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]2(3)ないし(5)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。

審判長 三崎 仁
出訴期間として在外者に対し90日を附加する。
 
審理終結日 2021-08-02 
結審通知日 2021-08-03 
審決日 2021-08-16 
出願番号 P2017-547143
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 三崎 仁
特許庁審判官 渡戸 正義
伊藤 幸仙
発明の名称 異なる大きさの薬剤溶出性微小球ビーズによる肝動脈化学塞栓術後の薬剤濃度決定  
代理人 笛田 秀仙  
代理人 五十嵐 貴裕  

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