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審決分類 |
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する B25J 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B25J 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する B25J 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する B25J 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B25J |
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管理番号 | 1381601 |
総通号数 | 2 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-02-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-02-25 |
確定日 | 2021-10-25 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6565151号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6565151号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−3,5〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6565151号(以下「本件特許」という)は、平成26年9月19日に出願した特許出願(特願2014−191640号)であって、令和元年8月9日に特許権の設定登録がなされた。 その後、本件特許に対して、審判請求人(以下「請求人」という。)により、訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)の請求が、令和3年2月25日になされたものである。 その後の経緯は、以下のとおりである。 令和3年 5月20日付け 当審により請求人に対する審尋 令和3年 6月11日 請求人より回答書提出 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書(以下、「請求書」という。)に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、3、5について訂正すること(以下、「本件訂正」という。)を認める、との審決を求めるものである。 第3 本件訂正 本件訂正による訂正事項(以下、「本件訂正事項」という。)は以下のとおりである。 <訂正事項1>(下線部は、訂正箇所を示す。) 本件訂正前の請求項1に「可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより、前記操作端末(7)を、前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように着脱可能に連結するベース部材(8)と、」とあるのを、本件訂正により「可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより、前記操作端末(7)を、前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように、少なくとも前記操作端末(7)の辺部の中央が係る部分で着脱可能に連結するベース部材(8)と、」に訂正する。(請求項1を引用する請求項2、3、5についても、同様に訂正する。) 第4 当審より請求人に対する審尋及び回答 1 審尋 当審が、令和3年5月20日付けで請求人に対して審尋した内容は概略以下のとおり。 (1)本件訂正後の請求項1に記載した「可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより」の発明特定事項における「辺部」は、「ベース部材(8)」と「操作端末(7)」のいずれ部材のどの辺を特定するものか、また、「辺部」に関して、本件訂正前の「辺部」と本件訂正後の「辺部」の異同はどうか。 (2)本件訂正後の請求項1に記載した「少なくとも前記操作端末(7)の辺部の中央が係る部分で着脱可能に連結するベース部材(8)」との発明特定事項における「操作端末(7)の辺部」とはどの辺か、「中央」はどの位置か。 (3)本件訂正後の請求項1に記載した「可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより、前記操作端末(7)を、前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように、少なくとも前記操作端末(7)の辺部の中央が係る部分で着脱可能に連結するベース部材(8)」との発明特定事項に関し、「少なくとも前記操作端末(7)の辺部の中央が係る部分で」着脱可能に連結することが、如何なる連結を意図したものか。 2 請求人の回答 請求人が、令和3年6月11日提出の回答書で回答した内容は概略以下のとおり。 (1)「可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより」の「辺部」とは、ベース部材(8)の「辺部」であり、図2において蓋部82を上辺とすれば、下辺に当たる「辺部」である。また、訂正前の「辺部」と訂正後の「辺部」とは、同じ辺である。 (2)「操作端末(7)の辺部」とは、図2では操作端末(7)の上辺と下辺であり、「中央」とは、上辺、下辺の「中央」であり、図2における横方向、XY座標で言えば、X軸方向における辺の「中央」である。 (3)「連結」とは、ベース部材(8)の蓋部(82)と、この蓋部に対向する辺部とによって、操作端末(7)の上辺、下辺を挟み込むことで、ベース部材(8)に操作端末(7)を固定して、両者を一体化させた状態を意味する。図2に示すように、操作端末(7)の上辺、下辺を、ベース部材(8)の蓋部(82)とそれに対向する辺部とで挟み込んだ状態において、蓋部(82)とそれに対向する辺部とは、少なくとも操作端末(7)の上辺、下辺の中央が係る部分に接しており、操作端末(7)を固定している。 例えば、発明の詳細な説明の段落[0027]には「このベース部材8には、スマートディバイス7を挿入及び抜脱可能(着脱可能)に収容配置(連結)することが可能な凹状の配置部81(連結手段)が形成されている。」との記載があり、段落[0030]には「スマートディバイス7が、配置部81に適正に挿入配置(連結)されることにより」との記載があるところ、「(連結)」とされた「収容配置」や「挿入配置」も、ベース部材(8)に操作端末(7)を固定して、両者を一体化させた状態を意味していることに変わりはない。 第5 当審の判断 本件訂正事項に係る訂正前の請求項1−3、及び5について、請求項2−3、及び5は請求項1と引用関係を有するものであって、本件訂正事項によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1−3、及び5に対応する訂正後の請求項1−3、及び5は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項であり、本件訂正は、当該一群の請求項についてされたものである。 以下、本件訂正について検討する。 <訂正事項1>について 1 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1のベース部材の「可動する蓋部」と、ベース部材の「この蓋部に対向する辺部」とにより、「前記操作端末を、前記タッチパネル部が外部に露出するように着脱可能に連結するベース部材」について、ベース部材(の蓋部材及びこの蓋部に対向する辺部)の操作端末と「着脱可能に連結する」部位を、「少なくとも前記操作端末の辺部の中央が係る部分」に限定するものである。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであることに該当する。 2 本件訂正が、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 上記第4の2(1)−(3)のとおり、本件訂正後の「可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより、前記操作端末(7)を、前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように、少なくとも前記操作端末(7)の辺部の中央が係る部分で着脱可能に連結するベース部材(8)と、」について、「蓋部に対向する辺部」はベース部材の辺部、「前記操作端末(7)の辺部の中央」は操作端末における辺部である上辺、下辺の中央であり、「連結」とは、ベース部材(8)の蓋部(82)と、この蓋部に対向する(ベース部材の)辺部とによって、操作端末(7)の上辺と下辺を挟み込むことで、ベース部材(8)に操作端末(7)を固定して、両者を一体化させた状態を意味すると認められるところ、これを踏まえて以下検討する。 本件明細書の段落【0027】記載のベース部材8に形成されたスマートディバイス7を挿入及び抜脱可能(着脱可能)に収容配置(連結)することが可能な凹状の「配置部81」(連結手段)について、段落【0028】には、「配置部81は上端部が開口しており、この開口部81cからスマートディバイス7を当該配置部81に挿入可能となっている。さらに、この開口部81cには、当該開口部81cを開閉する蓋部82が回動可能に設けられている。」ことが記載されている。 そして、これらの記載について、ベース部材の可動する蓋部とこの蓋部に対向する辺部に対して、操作端末は、少なくとも操作端末の辺部の中央(上辺、下辺の中央)に係る部分を含んで着脱可能に連結(一体化)していることが、図2及び図3の図示内容から明らかである。 したがって、本件訂正で限定された「少なくとも前記操作端末の辺部の中央が係る部分で」の事項は、本件明細書等に記載した事項の範囲内であるから、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 3 本件訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 本件訂正は、訂正前の請求項1のベース部材の操作端末と「着脱可能に連結する」部位に関して、「少なくとも前記操作端末の辺部の中央が係る部分で」の事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 よって、本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 本件訂正後の独立特許要件について 上記1のとおり、本件訂正は、特許法第126条ただし書き第1号の特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。したがって、本件訂正は、本件訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。 これに対して、本件訂正後の請求項1に係る発明は、審査官が拒絶の理由を発見しないから特許をすべき旨の査定をした本件訂正前の本件特許の請求項1に係る発明に対して、「少なくとも前記操作端末の辺部の中央が係る部分で」の事項を新たに付加して減縮するものであるところ、本件訂正後の請求項1に係る発明を拒絶すべき新たな理由は見当たらない。また、本件訂正後の請求項2−3、及び5に係る発明は、本件訂正後の請求項1を引用し、その特定事項の全てを含むものであるところ、上記と同様に拒絶すべき新たな理由は見当たらない。 したがって、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1−3、及び5に係る発明が、特許出願の際独立して特許受けることができない理由は発見されないから、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 作業者による入力操作に基づいてロボットを動作させるための動作用信号を出力してロボットコントローラに与える産業用ロボット操作装置であって、 表示・入力のためのタッチパネル部(71)を有し、当該タッチパネル部(71)を作業者が入力操作することにより前記動作用信号を出力する携帯可能な外形が矩形である操作端末(7)と、 可動する蓋部(82)とこの蓋部に対向する辺部とにより、前記操作端末(7)を、前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように、少なくとも前記操作端末(7)の辺部の中央が係る部分で着脱可能に連結するベース部材(8)と、 前記ベース部材(8)に設けられたイネーブルスイッチ(9)とを備えた産業用ロボット操作装置。 【請求項2】 前記ベース部材は、前記操作端末の短辺側の辺部で連結する請求項1記載の産業用ロボット操作装置。 【請求項3】 前記イネーブルスイッチ(9)は、前記ベース部材(8)の両端部(8a、8b)に設けられている請求項1又は2記載の産業用ロボット操作装置。 【請求項4】 作業者による入力操作に基づいてロボットを動作させるための動作用信号を出力してロボットコントローラに与える産業用ロボット操作装置であって、 表示・入力のためのタッチパネル部(71)を有し、当該タッチパネル部(71)を作業者が入力操作することにより前記動作用信号を出力する携帯可能な操作端末(7)と、 前記操作端末(7)を着脱可能で且つ前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように配置するベース部材(20)と、 前記操作端末の裏面の途中部位から立設され、作業者が一方の手で入力操作を行う際に他方の手によって把持されるグリップ部(21)と、 前記グリップ部(21)を把持した状態で、当該グリヅプ部を把持している手によって操作可能な位置に設けられたイネーブルスイッチ(22)とを備えた産業用ロボット操作装置。 【請求項5】 前記イネーブルスイッチ及び非常停止スイッチの各スイッチ信号は、操作端末を介することなく直接前記ロボットコントローラに入力する構成とした請求項1から4のいずれか一項記載の産業用ロボット操作装置。 【請求項6】 作業者による入力操作に基づいてロボットを動作させるための動作用信号を出力してロボットコントローラに与える産業用ロボット操作装置であって、 表示・入力のためのタッチパネル部(71)を有し、当該タッチパネル部(71)を作業者が入力操作することにより前記動作用信号を出力する携帯可能な操作端末(7)と、 前記操作端末(7)を、前記タッチパネル部(71)が外部に露出するように着脱可能に連結するベース部材(8)と、 前記ベース部材(8)に設けられたイネーブルスイッチ(9)とを備え、 前記操作端末(7)は、自身の挙動を検出する挙動検出手段を備え、 前記挙動検出手段により操作端末(7)自身がほぼ動かない状態であることが検出され且つタッチパネル部(71)に作業者の指が触れているときにイネーブルオン信号を出力し、前記挙動検出手段により操作端末(7)自身が動いたことが検出されるか、前記タッチパネル部(71)から指が離れたときにイネーブルオフ信号を出力する産業用ロボット操作装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照 |
審理終結日 | 2021-09-22 |
結審通知日 | 2021-10-01 |
審決日 | 2021-10-14 |
出願番号 | P2014-191640 |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(B25J)
P 1 41・ 851- Y (B25J) P 1 41・ 841- Y (B25J) P 1 41・ 854- Y (B25J) P 1 41・ 856- Y (B25J) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
見目 省二 |
特許庁審判官 |
田々井 正吾 大山 健 |
登録日 | 2019-08-09 |
登録番号 | 6565151 |
発明の名称 | 産業用ロボット操作装置 |
代理人 | 特許業務法人 サトー国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人 サトー国際特許事務所 |