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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H02M 審判 全部申し立て 2項進歩性 H02M |
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管理番号 | 1381666 |
総通号数 | 2 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-02-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-01-28 |
確定日 | 2021-11-10 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6760516号発明「電力変換装置」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6760516号の明細書,特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書,特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1−8〕,9について訂正することを認める。 特許第6760516号の請求項に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6760516号の請求項1ないし9に係る特許についての出願は,2018年(平成30年)9月12日(優先権主張 平成29年11月14日 日本国)を国際出願日とする出願であって,令和2年9月7日にその特許権の設定登録がされ,令和2年9月23日に特許掲載公報が発行された。 その特許についての本件特許異議の申し立ての経緯は,次のとおりである。 令和3年 1月28日 :特許異議申立人 松本 征二(以下,「申立人」という。)による特許異議の申立て 令和3年 6月 7日付け:取消理由通知書 令和3年 7月26日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和3年 9月21日 :申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和3年7月26日にされた訂正請求(以下,「本件訂正請求」という。)は,特許第6760516号の明細書,特許請求の範囲を,訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1ないし9について訂正することを求めるものであり,その訂正の内容は,以下の訂正事項のとおりである(なお,下線は訂正部分を示す。)。 (1)請求項1−8からなる一群の請求項に係る訂正 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている」 と記載されているのを, 「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、 前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」に訂正する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に 「前記接続部分は、平板状に形成されるとともに、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」 と記載されているのを, 「前記接続部分は、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」に訂正する。 ウ 訂正事項3 明細書の段落【0008】に 「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、複数のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている。」 と記載されているのを, 「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、複数のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、入力側スイッチング部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組と、出力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。」に訂正する。 エ 訂正事項4 明細書の段落【0013】に 「上記第1方向に並ぶように配置される1組の接続部分が第2方向に並ぶように複数組配置される構成において、好ましくは、接続部分は、平板状に形成されるとともに、第3方向に沿って延びるように配置されている。」 と記載されているのを, 「上記第1方向に並ぶように配置される1組の接続部分が第2方向に並ぶように複数組配置される構成において、好ましくは、接続部分は、第3方向に沿って延びるように配置されている。」に訂正する。 (2)請求項9に係る訂正 ア 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項9に 「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、 を備え、 前記2以上の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている」 と記載されているのを, 「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、 を備え、 前記2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、 前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」に訂正する。 イ 訂正事項6 明細書の段落【0017】に 「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される2以上の接続部分が収納され、外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、を備え、2以上の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、2以上のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている。 と記載されているのを, 「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、を備え、2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、2以上のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、入力側スイッチング部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組と、出力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。」に訂正する。 2 訂正要件についての判断 (1)請求項1−8からなる一群の請求項に係る訂正 ア 一群の請求項について 訂正前の請求項1ないし8について,請求項2ないし8は,請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって,訂正される請求項1に連動して請求項2ないし8も訂正されるものである。したがって,訂正前の請求項1ないし8に対応する訂正後の請求項1ないし8は,特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 イ 訂正の目的の適否,新規事項の有無,及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (ア)訂正事項1について 訂正事項1は,訂正前の請求項1の「接続部分」を,「平板状の接続部分」としてその形状を限定し,さらに,その配置を「前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」と限定するものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして,「接続部分」の形状に関して,訂正前の請求項5には,「前記接続部分は、平板状に形成されるとともに、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」と記載されている。 また,「接続部分」の配置に関して,本件特許の願書に添付した明細書(以下,単に「本件特許明細書」という。)の段落【0038】には,「具体的には、図3に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分41b各々のケーブル接続位置P11、P12およびP13と、X方向に並んで配置された3つの接続部分42b各々のケーブル接続位置P21、P22およびP23とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。」と記載され,さらに,図3によれば,「X方向に並んで配置された3つの接続部分41b」と「X方向に並んで配置された3つの接続部分42b」とは,「X方向に離間させて交互に配置されている」ために,上方(Z方向)から見て,互いにオーバラップしないように配置されていることが看取できる。 したがって,訂正事項1は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 さらに,訂正事項1は実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものに該当せず,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (イ)訂正事項2について 訂正事項2は,訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の整合を図るための訂正であるから,訂正事項2は,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 また,訂正事項2は,上記訂正事項1と同様,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (ウ)訂正事項3,4について 訂正事項3,4は,上記訂正事項1,2による訂正に伴い,特許請求の範囲(請求項1,5)の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 また,訂正事項3,4は,上記訂正事項1,2と同様,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 さらに,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するところもない。 (2)請求項9に係る訂正について (ア)訂正事項5について 訂正事項5は,訂正前の請求項9の「接続部分」を,「平板状の接続部分」としてその形状を限定し,さらに,その配置を「前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」と限定するものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして,「接続部分」の形状に関して,訂正前の請求項5には,「前記接続部分は、平板状に形成されるとともに、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」と記載されている。 さらに,「接続部分」の配置に関して,本件特許の願書に添付した明細書(以下,単に「本件特許明細書」という。)の段落【0038】には,「具体的には、図3に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分41b各々のケーブル接続位置P11、P12およびP13と、X方向に並んで配置された3つの接続部分42b各々のケーブル接続位置P21、P22およびP23とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。」と記載され,また,図3によれば,「X方向に並んで配置された3つの接続部分41b」と「X方向に並んで配置された3つの接続部分42b」は「X方向に離間させて交互に配置されている。」ために,上方(Z方向)から見て,互いにオーバラップしないように配置されていることが看取できる。 したがって,訂正事項5は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 さらに,訂正事項5は実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものに該当せず,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (イ)訂正事項6について 訂正事項6は,上記訂正事項5による訂正に伴い,特許請求の範囲(請求項9)の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 また,訂正事項6は,上記訂正事項5と同様,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 さらに,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するところもない。 3 むすび 以上のとおりであるから,本件訂正請求による訂正は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号,及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第4項,及び同条第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するから,訂正後の請求項〔1−8〕,9について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立について 1 本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1ないし9に係る発明(以下,それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明9」という。)は,その特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、 前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、 前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、 を備え、 前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、 前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、電力変換装置。 【請求項2】 前記接続部分は、前記モジュール収納用筐体の左右方向である第1方向に並ぶように複数が1組として配置されるとともに、1組としての接続部分が、前記モジュール収納用筐体の上下方向である第2方向に並ぶように複数組配置され、前記外線ケーブルが前記第2方向または前記モジュール収納用筐体の奥行き方向である第3方向に引き出される場合に、前記複数組の前記接続部分の前記ケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向である前記第2方向または前記第3方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。 【請求項3】 前記複数のバスバーは、それぞれ、前記モジュール収納用筐体外において、互いに異なる方向に延びる部分を含み、 前記互いに異なる方向に延びる部分は、前記複数のバスバーが前記モジュール収納用筐体内から前記モジュール収納用筐体外に突出する部分と、前記接続部分とを含む、請求項1または2に記載の電力変換装置。 【請求項4】 前記接続部分は、少なくとも前記モジュール収納用筐体外に突出する部分と別個の部材として設けられるとともに、前記バスバーの前記接続部分以外の部分に締結部材により着脱可能に設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。 【請求項5】 前記接続部分は、前記第3方向に沿って延びるように配置されている、請求項2に記載の電力変換装置。 【請求項6】 前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第2方向における上方に引き出されるように構成されており、 前記接続部分は、前記第2方向において上側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から第1の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第1接続部分と、前記第2方向において下側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から前記第1の距離よりも大きい第2の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第2接続部分とを含む、請求項5に記載の電力変換装置。 【請求項7】 前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第2方向における下方に引き出されるように構成されており、 前記接続部分は、前記第2方向において下側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から第3の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第3接続部分と、前記第2方向において上側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から前記第3の距離よりも大きい第4の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第4接続部分とを含む、請求項5に記載の電力変換装置。 【請求項8】 前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第3方向における後方に引き出されるように構成されており、 前記ケーブル接続位置は、前記接続部分において、前記接続部分が前記バスバーの前記接続部分以外の部分と繋がる部分側とは反対の端部側に配置されている、請求項5に記載の電力変換装置。 【請求項9】 少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、 前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、 前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、 前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、 を備え、 前記2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、 前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、電力変換装置。」 2 取消理由通知に記載した取消理由について (1)取消理由の概要 訂正前の請求項1ないし7,9に係る発明についての特許に対して令和2年11月18日付けで通知した取消理由の概要は,次のとおりである。 請求項1ないし7,9に係る発明は,下記の引用例に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,請求項1ないし7,9に係る特許は,特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 記 引用文献:特開2016−208601号公報(甲第1号証) (2)引用文献の記載事項,引用発明 ア 引用文献には,図面とともに,次の事項が記載されている(下線は,当審で付与した。)。 A 「【0005】 本発明の目的は、電気機器の据付け状況に応じて、電線を曲げることなく電気機器と電線とを接続できる、電気機器の接続装置を提供することである。」 B 「【0013】 図1に示すように、無停電電源装置100は、筐体190を備えている。無停電電源装置100を構成する後述するコンバータ105、インバータ107などの各機器は、筐体190の内部に収容されている。筐体190は、略矩形状の外形を有している。筐体190は、天井面191と、前面192と、図示しない側面および底面とを有している。 ・・・中略・・・ 【0019】 バイパス入力端子T1は、交流電源121から交流電力を受ける。交流入力端子T2は、交流電源122から交流電力を受ける。交流電源121,122は、商用交流電源、自家用発電機などである。交流電力は、三相または単相である。本実施の形態では、交流電源は三相である。交流出力端子T3には、負荷123が接続されている。直流入力端子T4は、バッテリ130の正極130aに接続されている。 ・・・中略・・・ 【0023】 インバータ給電モードにおいて、コンバータ105は、交流電源122から交流電力を受け、交流電力を直流電力に変換して、その直流電力をインバータ107およびバッテリ130に供給する。バッテリ130は、コンバータ105によって生成された直流電力を貯蔵する。バッテリ130は、電力貯蔵装置としての機能を有している。インバータ107は、コンバータ105からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力を出力する。インバータ107によって生成された交流電力が、負荷123に供給される。 ・・・中略・・・ 【0030】 フレーム2の後側の柱部材に、支持部材3,4,5が取り付けられている。支持部材3,4,5は、各々、フレーム2の後側の一対の柱部材間に亘り、一対の柱部材の両方に固定されている。支持部材3、支持部材4および支持部材5は、上から下に向かってこの順に並べられて配置されている。支持部材3,4,5は、略平板状の形状を有している。支持部材3,4,5は、上下方向に延び、かつ左右方向に延びている。 【0031】 上下方向における、支持部材3と同じ位置に、接続導体10U,10V,10Wが配置されている。接続導体10Uは、図2に示す交流入力端子T2に含まれているU相端子に、電気的に接続されている。接続導体10Vは、図2に示す交流入力端子T2に含まれているV相端子に、電気的に接続されている。接続導体10Wは、図2に示す交流入力端子T2に含まれているW相端子に、電気的に接続されている。 ・・・中略・・・ 【0033】 上下方向における、支持部材5と同じ位置に、接続導体30U,30V,30Wが配置されている。接続導体30Uは、図2に示す交流出力端子T3に含まれているU相端子に、電気的に接続されている。接続導体30Vは、図2に示す交流出力端子T3に含まれているV相端子に、電気的に接続されている。接続導体30Wは、図2に示す交流出力端子T3に含まれているW相端子に、電気的に接続されている。 ・・・中略・・・ 【0036】 接続導体10Uは、細長平板状の基部11Uと、矩形平板状の屈曲部12Uとを有している。基部11Uは、支持部材3と平行に配置されている。基部11Uは、上下方向に延び、かつ左右方向に延びている。屈曲部12Uは、基部11Uの長手方向における一端部に設けられている。屈曲部12Uは、基部11Uの左側の端部に接合されている。一枚の板材が曲げ変形されて、基部11Uおよび屈曲部12Uが一体に形成されてもよい。」 C 「【0046】 図5は、第1の端子導体40の構成を示す斜視図である。図6は、第2の端子導体50の構成を示す斜視図である。図7は、第3の端子導体60の構成を示す斜視図である。端子導体40,50,60は、導電性材料で形成されている。端子導体40,50,60は、接続導体10U,10V,10Wのいずれか、または、接続導体20U,20V,20Wもしくは接続導体30U,30V,30Wのいずれかに取り付けられる。接続装置1の筐体90内部に引き込まれた電線は、端子導体40,50,60のいずれかに接続される。 【0047】 図5に示すように、端子導体40は、固定部41と、連結部42と、接続部43とを有している。固定部41、連結部42および接続部43は、各々矩形平板状の形状を有している。固定部41は、いずれかの接続導体に取り付けられる。接続部43に電線が接続される。連結部42は、固定部41と接続部43とを繋いでいる。平板状の固定部41、連結部42および接続部43の各々の延びる方向は、互いに異なっている。固定部41と連結部42とは、湾曲部44を介して繋ぎ合わされている。連結部42と接続部43とは、湾曲部45を介して繋ぎ合わされている。 ・・・中略・・・ 【0049】 固定部41は、一方の表面41aと、他方の表面41bとを有している。固定部41には、一方の表面41aから他方の表面41bまで固定部41を厚み方向に貫通する、複数の貫通孔41hが形成されている。接続導体の屈曲部に形成された貫通孔と同数の貫通孔41hが、固定部41に形成されている。接続導体の屈曲部に形成された貫通孔と固定部41に形成された貫通孔41hとの両方を貫通してボルトが締結されることにより、端子導体40が接続導体に固定される。 【0050】 連結部42には、複数の貫通孔42hが形成されている。貫通孔42hは、端子導体40と、端子導体40の隣に配置される他の端子導体とを連結するために用いられる。 【0051】 接続部43には、複数の貫通孔43hが形成されている。貫通孔43hは、電線を接続部43に接続するために用いられる。複数の貫通孔43hのいずれかに、電線の先端部分が接続される。接続部43には、縦横3×3の合計9個の貫通孔43hが形成されている。貫通孔43hが二次元的に配置されているので、電線を接続部43に接続するときに適切な貫通孔43hを選定して、電線と周辺の部材との干渉を容易に回避可能とされている。」 【0052】 図6に示すように、端子導体50は、固定部51と、連結部52と、接続部53とを有している。固定部51、連結部52および接続部53は、各々平板状の形状を有している。固定部51は、いずれかの接続導体に取り付けられる。接続部53に電線が接続される。連結部52は、固定部51と接続部53とを繋いでいる。平板状の固定部51、連結部52および接続部53の各々の延びる方向は、互いに異なっている。固定部51と連結部52とは、湾曲部54を介して繋ぎ合わされている。連結部52と接続部53とは、湾曲部55を介して繋ぎ合わされている。 ・・・中略・・・ 【0056】 接続部53には、複数の貫通孔53hが形成されている。貫通孔53hは、電線を接続部53に接続するために用いられる。複数の貫通孔53hのいずれかに、電線の先端部分が接続される。接続部53には、縦横3×3の合計9個の貫通孔53hが形成されている。貫通孔53hが二次元的に配置されているので、電線を接続部53に接続するときに適切な貫通孔53hを選定して、電線と周辺の部材との干渉を容易に回避可能とされている。 【0057】 図7に示すように、端子導体60は、固定部61と、連結部62と、接続部63とを有している。固定部61、連結部62および接続部63は、各々平板状の形状を有している。固定部61は、いずれかの接続導体に取り付けられる。接続部63に電線が接続される。連結部62は、固定部61と接続部63とを繋いでいる。平板状の固定部61、連結部62および接続部63の各々の延びる方向は、互いに異なっている。固定部61と連結部62とは、湾曲部64を介して繋ぎ合わされている。連結部62と接続部63とは、湾曲部65を介して繋ぎ合わされている。 ・・・中略・・・ 【0061】 接続部63には、複数の貫通孔63hが形成されている。貫通孔63hは、電線を接続部63に接続するために用いられる。複数の貫通孔63hのいずれかに、電線の先端部分が接続される。接続部63には、縦横3×3の合計9個の貫通孔63hが形成されている。貫通孔63hが二次元的に配置されているので、電線を接続部63に接続するときに適切な貫通孔63hを選定して、電線と周辺の部材との干渉を容易に回避可能とされている。」 D 「【0064】 端子導体40の固定部41の他方の表面41bが、接続導体10Uの屈曲部12Uの表面12Uaに対向している。固定部41の他方の表面41bは、屈曲部12Uの表面12Uaに面接触している。端子導体40の連結部42は、接続導体10Uの基部11Uと同じ方向に延びている。連結部42は、上下方向に延び、かつ左右方向に延びている。連結部42に対して直交している接続部43は、上下方向に延び、かつ前後方向に延びている。 ・・・中略・・・ 【0067】 接続部43,53,63は、互いに平行に配置されている。接続部43と接続部53とは、左右方向に隣り合って、間隔を空けて並べられている。接続部53と接続部63とは、左右方向に隣り合って、間隔を空けて並べられている。接続部53は、接続部43よりも右側かつ前側に配置されている。接続部63は、接続部53よりも右側かつ前側に配置されている。 【0068】 接続部43,53,63は、前後方向および左右方向において、互いにずれた位置に配置されている。左右方向から見て、接続部43の一部が接続部53と重なり、接続部53の一部が接続部43,63と重なり、接続部63の一部が接続部53と重なっている。 ・・・中略・・・ 【0075】 図11は、端子導体40,50,60に電線U,V,Wを接続した状態を示す第1の図である。電線U,V,Wは、図1に示す天井面91を貫通して、上方から筐体90の内部へ引き込まれている。電線U,V,Wは、上下方向に延びている。 【0076】 電線Uには、U相の電流が流れる。電線Uは、接続導体10Uに接続された端子導体40の接続部43に、ボルトで接続されている。電線Uから、端子導体40および接続導体10Uを経由して、図2に示す交流入力端子T2へ、交流電力が供給される。 【0077】 電線Vには、V相の電流が流れる。電線Vは、接続導体10Vに接続された端子導体50の接続部53に、ボルトで接続されている。電線Vから、端子導体50および接続導体10Vを経由して、図2に示す交流入力端子T2へ、交流電力が供給される。 【0078】 電線Wには、W相の電流が流れる。電線Wは、接続導体10Wに接続された端子導体60の接続部63に、ボルトで接続されている。電線Wから、端子導体60および接続導体10Wを経由して、図2に示す交流入力端子T2へ、交流電力が供給される。 【0079】 接続部43,53,63が上下方向に延びているために、上下方向に延びる電線U,V,Wを曲げることなく、電線U,V,Wを接続部43,53,63に接続することが可能とされている。接続部43,53,63が前後方向に延びており、左右方向において接続部43,53の間および接続部53,63の間に空間が形成されているために、電線U,V,Wを接続部43,53,63に接続する作業者は、接続装置1の前方から容易に接続作業を行なうことが可能となっている。 【0080】 図12は、端子導体40,50,60に電線U,V,Wを接続した状態を示す第2の図である。電線U,V,Wは、図3に示す底面94を貫通して、下方から筐体90の内部へ引き込まれている。電線U,V,Wは、上下方向に延びている。 【0081】 電線Uは、接続導体30Uに接続された端子導体40の接続部43に、ボルトで接続されている。図2に示す交流出力端子T3から、接続導体30Uおよび端子導体40を経由して、電線Uへ交流電力が出力される。 【0082】 電線Vは、接続導体30Vに接続された端子導体50の接続部53に、ボルトで接続されている。図2に示す交流出力端子T3から、接続導体30Vおよび端子導体50を経由して、電線Vへ交流電力が出力される。 【0083】 電線Wは、接続導体30Wに接続された端子導体60の接続部63に、ボルトで接続されている。図2に示す交流出力端子T3から、接続導体30Wおよび端子導体60を経由して、電線Wへ交流電力が出力される。」 E 「図1 ![]() 」 F 「図2 ![]() 」 G 「図3 ![]() 」 H 「図8 ![]() 」 I 「図9 ![]() 」 J 「図10 ![]() 」 K 「図11 ![]() 」 L 「図12 ![]() 」 M 上記Bの段落【0019】,【0023】,及び図2(上記F)には,“交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む,機器”が記載されている。 また,上記Bの段落【0013】,及び図1(上記E)には,“前記機器,前記機器を収納する筐体190を備える無停電電源装置100”が記載されている。 さらに,上記Bの段落【0031】,【0033】,上記Dの段落【0076】−【0078】,【0081】−【0083】,図2(上記F),図3(上記G),及び図10(上記J)には,“無停電電源装置100が,前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される接続導体10U,10V,10W,および前記交流出力端子T3に接続される接続導体30U,30V,30W,前記筐体190外において,入力用の電線Uと接続される接続導体10Uに接続された端子導体40と,入力用の電線Vと接続される接続導体10Vに接続された端子導体50と,入力用の電線Wと接続される接続導体10Wに接続された端子導体60,出力用の電線Uと接続される接続導体30Uに接続された端子導体40と,出力用の電線Vと接続される接続導体30Vに接続された端子導体50と,出力用の電線Wと接続される接続導体30Wに接続された端子導体60を備えている”ことが記載されている。 してみると,引用文献には,“交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む,機器と,前記機器を収納する筐体190と,前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される接続導体10U,10V,10W,および前記交流出力端子T3に接続される接続導体30U,30V,30W,前記筐体190外において,入力用の電線Uと接続される接続導体10Uに接続された端子導体40と,入力用の電線Vと接続される接続導体10Vに接続された端子導体50と,入力用の電線Wと接続される接続導体10Wに接続された端子導体60,出力用の電線Uと接続される接続導体30Uに接続された端子導体40と,出力用の電線Vと接続される接続導体30Vに接続された端子導体50と,出力用の電線Wと接続される接続導体30Wに接続された端子導体60と,を備える無停電電源装置100”が記載されているといえる。 N 図3(上記G)によれば,“接続導体10U,10V,10Wの組と,接続導体30U,30V,30Wの組は,筐体190上下方向の異なった位置に配置され”ることが看取できる。 O 図3(上記G)及び図11(上記K)によれば,“接続導体10Uに接続された端子導体40と,接続導体10Vに接続された端子導体50と,接続導体10Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され”ること,さらに,“接続導体30Uに接続された端子導体40と,接続導体30Vに接続された端子導体50と,接続導体30Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され”ることが看取できる。 P 上記Cの段落【0051】,【0056】,【0061】,上記Dの段落【0075】−【0078】,及び図11(上記K)には,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体190の上側から接続される”ことが記載されており,また,出力用の電線U,V,Wに関しても,“出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hにも,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体の上側から接続される”ものと認められる。 同様に,上記Cの段落【0051】,【0056】,【0061】,上記Dの段落【0080】−【0083】,及び図12(上記L)には,“出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体190の下側から接続される”ことが記載されており,また,入力用の電線U,V,Wに関しても,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hにも,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体の下側から接続される”ものと認められる。 また,上記Cの段落【0047】,【0052】,【0057】には,“接続部43,53,63が平板状である”ことが記載されている。 してみると,引用文献には,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体190の上側または下側から接続され,また,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体の上側または下側から接続され”ることが記載されているといえる。 Q さらに,上記Cの段落【0051】,【0056】,【0061】には,“貫通孔43h,53h,63hが二次元的に複数配置されており,電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続されている”ことが記載されている。 R 図11(上記K)から,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組と,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組とは,上方から見て,互いにオーバラップするように配置されている”ことが看取できる。 イ 上記AないしRの記載内容(特に,下線部を参照)からすると,引用文献には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。 「交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む,機器と, 前記機器を収納する筐体190と, 前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される接続導体10U,10V,10W,および前記交流出力端子T3に接続される接続導体30U,30V,30W,前記筐体190外において,入力用の電線Uと接続される接続導体10Uに接続された端子導体40と,入力用の電線Vと接続される接続導体10Vに接続された端子導体50と,入力用の電線Wと接続される接続導体10Wに接続された端子導体60,出力用の電線Uと接続される接続導体30Uに接続された端子導体40と,出力用の電線Vと接続される接続導体30Vに接続された端子導体50と,出力用の電線Wと接続される接続導体30Wに接続された端子導体60と,を備える無停電電源装置100において, 接続導体10U,10V,10Wの組と,接続導体30U,30V,30Wの組は,筐体190上下方向の異なった位置に配置され, 接続導体10Uに接続された端子導体40と,接続導体10Vに接続された端子導体50と,接続導体10Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され, 接続導体30Uに接続された端子導体40と,接続導体30Vに接続された端子導体50と,接続導体30Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され, 入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体190の上側または下側から接続され,また,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体の上側または下側から接続され, 貫通孔43h,53h,63hが二次元的に複数配置されており,電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続されて, 入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組と,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組とは,上方から見て,互いにオーバラップするように配置されている, 無停電電源装置100。」 (3)取消理由通知についての当審の判断 ア 本件発明1について 本件発明1と引用発明とを対比すると以下のとおりである。 (ア)引用発明の「交流入力端子T2」,「交流出力端子T3」,は,各々,「交流電力が入力される」もの,「交流電力を出力する」ものであるから,本件発明1の「交流電力が入力される入力側スイッチ部」,「交流電力を出力する出力側スイッチ部」,に相当する。 また,引用発明の「交流電源122」,「コンバータ105」及び「インバータ107」は,各々,本件発明1の「交流電源」,「電力変換部」に相当する。 そして,引用発明の「機器」は,「交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む」ものであるから,本件発明1の「少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュール」に相当する。 (イ)引用発明の「筐体190」は,「前記機器を収納する」ものであるから,本件発明1の「前記電力変換モジュールを収納するジュール収納用筐体」に相当する。 (ウ)引用発明の「入力用の電線U,V,W」及び「出力用の電線U,V,W」は,本件発明1の「外線ケーブル」に相当する。 そして,引用発明の「接続導体10U,10V,10W」は,「前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される」ものであって,さらに,引用発明の「接続導体10Uに接続された端子導体40」,「接続導体10Vに接続された端子導体50」,「接続導体10Wに接続された端子導体60」は,各々,「前記筐体190外において」「入力用の電線U」,「入力用の電線V」,「入力用の電線W」に「接続され」,また,引用発明の「接続導体30U,30V,30W」は,「前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流出力端子T3に接続される」ものであって,さらに,引用発明の「接続導体30Uに接続された端子導体40」,「接続導体30Vに接続された端子導体50」,「接続導体30Wに接続された端子導体60」は,各々,「前記筐体190外において」「出力用の電線U」,「出力用の電線V」,「出力用の電線W」に「接続され」るものである。 してみると,引用発明の「接続導体10U,10V,10W」と「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60」を合わせたもの,「続導体30U,30V,30W」と「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60」を合わせたものは,本件発明1の「前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバー」に相当する。 (エ)引用発明は,「入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが」「接続され」るものであって,また,「出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが」「接続され」るものである。 したがって,引用発明の「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63」及び「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63」は,本件発明1の「複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分」に相当する。 さらに,引用発明の「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の」「複数配置されている」「貫通孔43h,53h,63h」のうち「入力用の電線U,V,W」と接続された位置,「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の」「複数配置されている」「貫通孔43h,53h,63h」のうち「出力用の電線U,V,W」と接続された位置は,本件発明1の「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置」に相当する。 そして,引用発明では,「貫通孔43h,53h,63hが二次元的に複数配置されており,電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続されている」ものである。 してみると,「入力用の電線U」が接続される「接続導体10Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「入力用の電線V」が接続される「接続導体10Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔53h」,「入力用の電線W」が接続される「接続導体10Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,「出力用の電線U」が接続される「接続導体30Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「出力用の電線V」が接続される「接続導体30Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔53h」,「出力用の電線W」が接続される「接続導体30Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,のそれぞれは,「筐体190の上側または下側から接続され」る「入力用の電線U,V,W」,及び「出力用の電線U,V,W」が引き出される方向から見て,互いにオーバラップしないように選定され接続されているとものと認められる。 したがって,引用発明は,本件発明1の「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置され」ることに相当する構成を有するものである。 (オ)そして,引用発明は「接続導体10U,10V,10Wの組と,接続導体30U,30V,30Wの組は,筐体190上下方向の異なった位置に配置され」るものであるから, 「入力用の電線U,V,W」が接続される「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63h」と,「出力用の電線U,V,W」が接続 される「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63h」とでは,「入力用の電線U,V,W」及び「出力用の電線U,V,W」が引き出される方向である上下方向において互いに異なる位置に配置されているといえる。 したがって,引用発明は,本件発明1の「複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置され」るに相当する構成を有するものである。 (カ)引用発明の「無停電電源装置100」は,「コンバータ105」と「インバータ107」を含む「機器」,「筐体190」,「接続導体10U,10V,10W」と「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60」,「接続導体30U,30V,30W」と「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60」を備えるものであるから,引用発明の「無停電電源装置100」と,本件発明1の「電力変換装置」とは,後記の相違点で相違するものの,“電力変換装置”の点では共通する。 そうすると,本件発明1と引用発明は,以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「少なくとも,交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と,前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と,前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と,を含む,電力変換モジュールと, 前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と, 前記モジュール収納用筐体内において,前記電力変換モジュール内の少なくとも,前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され,前記モジュール収納用筐体外において,外線ケーブルと接続される複数のバスバーと, を備え, 前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が,前記外線ケーブルが引き出される方向から見て,互いにオーバラップしないように配置されており, 複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は,前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている,電力変換装置。」 (相違点) 本件発明1では,「前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」のに対して,引用発明では,入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組と,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組とは,上方から見て,互いにオーバラップするように配置されている点。 したがって,本件発明1は引用発明と相違点において相違するものであることから,引用文献1に記載された発明ではない。 イ 本件発明2ないし7 本件発明2ないし7はいずれも請求項1を直接または間接的に引用するものである。したがって,本件発明2ないし7は,本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから,上記本件発明1についての判断と同様の理由により,本件発明2ないし7は,引用文献1に記載された発明ではない。 ウ 本件発明9 本件発明9は,概ね,本件発明1の「電力変換装置」が,さらに,「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネット」に備えるものとして限定したものであるから,上記本件発明1についての判断と同様の理由により,本件発明9は,引用文献1に記載された発明ではない。 3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由等について (1)申立理由の概要 請求項1ないし9に係る発明は,下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて,本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,請求項1−9に係る特許は,特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 甲第1号証:特開2016−208601号公報(引用文献1) (2)甲第1号証の記載事項 甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明(引用発明)に関しては,上記「2(2)引用文献の記載事項,引用発明」に記載のとおりである。 (3)対比・判断 ア 本件発明1について 本件発明1と甲第1号証に記載された発明を対比すると,上記「2(3)ア 本件発明1について」で記したように,上記相違点で相違する。 相違点に関して検討する。 上記「2(3)アD」で検討したように,引用発明においては,「電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続する」ものであるから,「入力用の電線U」が接続される「接続導体10Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「入力用の電線V」が接続される「接続導体10Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔53h」,「入力用の電線W」が接続される「接続導体10Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,「出力用の電線U」が接続される「接続導体30Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「出力用の電線V」が接続される「接続導体30Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔45h」,「出力用の電線W」が接続される「接続導体30Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,のそれぞれは,「筐体190の上側または下側から接続され」る「入力用の電線U,V,W」,及び「出力用の電線U,V,W」が引き出される方向から見て,互いにオーバラップしないように選定され接続されているものであって,電線同士,電線と周辺部材は干渉していないものと認められる。 してみると,引用発明において,さらに,「入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組」と,「出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組」とを,上方から見て,互いにオーバラップしないように配置する理由が存在しないことから,本件発明1は,甲第1号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 イ 本件発明2ないし8について 本件発明2ないし8はいずれも請求項1を直接または間接的に引用するものである。したがって,本件発明2ないし8は,本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから,上記本件発明1と同様の理由により,本件発明2ないし8は,甲第1号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 ウ 本件発明9 本件発明9は,概ね,本件発明1の「電力変換装置」が,さらに,「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネット」に備えるものとして限定したものであるから, 上記本件発明1についての判断と同様の理由により,甲第1号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第4 むすび 以上のとおりであるから,取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した異議申立ての理由によっては,本件請求項1ないし9に係る特許を取り消すことはできない。また,他に取り消すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】電力変換装置 【技術分野】 【0001】 この発明は、電力変換装置に関し、特に、外線ケーブルと接続される複数のバスバーを備えた電力変換装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、外線ケーブルと接続される複数の端子を備えた配電盤が知られている。このような電力変換装置は、たとえば、特開2004−120898号公報に開示されている。 【0003】 特開2004−120898号公報には、複数のブレーカが設けられている。複数のブレーカは、鉛直方向に沿って並列するように配置されている。また、複数のブレーカの各々の電源側端子には、電源側母線バーが電気的に接続されている。また、複数のブレーカの各々の負荷側端子には、負荷ケーブル(外線ケーブル)が接続されている。なお、複数のブレーカの各々の負荷側端子は、ブレーカの側方(鉛直方向に直交する方向)に設けられている。つまり、鉛直方向に沿って並列配置されている複数のブレーカに設けられる負荷側端子も、鉛直方向に沿って並列配置されている。 【0004】 特開2004−120898号公報に記載の配電盤では、負荷ケーブルは、ブレーカの側方に設けられる負荷側端子に接続されるとともに、90度折り曲げられた状態で上方に引き出されている。また、複数の負荷側端子が鉛直方向に沿って並列するように配置されているため(つまり、上方から見て、複数の負荷側端子がオーバラップしているため)、複数の負荷側端子のうち下方に配置される負荷側端子に接続される負荷ケーブルは、複数の負荷側端子のうち上方に配置される負荷側端子に接続される負荷ケーブルを避けるように、負荷側端子から離間した側方の位置で90度折り曲げられている。すなわち、複数の負荷側端子のうち下方に配置される負荷側端子ほど、負荷側端子からより離間した側方の位置で90度折り曲げられている。これにより、複数の負荷側端子の各々に接続される負荷ケーブル同士の干渉が抑制されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】特開2004−120898号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特開2004−120898号公報に記載された配電盤では、負荷ケーブルが90度折り曲げられた状態で負荷側端子の各々に接続されており、複数の負荷側端子のうち下方に配置される負荷側端子ほど、負荷側端子からより離間した側方の位置で90度折り曲げられている。このため、配電盤内において負荷ケーブル(外線ケーブル)を折り曲げるためのスペースが比較的大きくなるので、配電盤が大型化する。ここで、入力される交流電力の電力を変換する電力変換装置において、電力容量が比較的大きい盤構造を有する電力変換装置でも、配電盤と同様に、盤内において外線ケーブルを折り曲げるためのスペースが比較的大きくなるので、装置が大型化するという問題点がある。また、全ての外線ケーブルを90度折り曲げるため、外線ケーブルの折り曲げ部に常時応力が加わり、その結果、外線ケーブルの寿命が短くなるという問題点もある。加えて、負荷へ供給する電力が大きくなるほど外線ケーブル径は太くなるため、外線ケーブルを折り曲げること自体困難を伴うという問題点もある。 【0007】 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、外線ケーブルが接続される電力変換装置において、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを抑制することが可能な電力変換装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による電力変換装置は、少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、モジュール収納用筐体内において、電力変換モジュール内の少なくとも、入力側スイッチ部および出力側スイッチ部に接続され、モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、を備え、複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、複数のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、入力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組と、出力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。 【0009】 この発明の第1の局面による電力変換装置では、上記のように、複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。これにより、外線ケーブルが互いに干渉することなく、複数の外線ケーブルを、ケーブル接続位置から外線ケーブルが引き出される方向に沿って略直線状に引き出すことができる。その結果、外線ケーブルを折り曲げることなく、外線ケーブルをバスバーに接続することができるので、外線ケーブルを折り曲げるためのスペースが不要になる。これにより、外線ケーブルが接続される電力変換装置において、装置が大型化するのを抑制することができる。また、外線ケーブルを折り曲げる必要がないので、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制することにより、外線ケーブルの寿命が短くなるのを抑制することができる。また、外線ケーブルを折り曲げる必要がないので、外線ケーブルをバスバーに接続するための作業の効率性を向上させることができるとともに、外線ケーブルの全長を短縮し易くすることができる。 【0010】 上記第1の局面による電力変換装置において、好ましくは、接続部分は、モジュール収納用筐体の左右方向である第1方向に並ぶように複数が1組として配置されるとともに、1組としての接続部分が、モジュール収納用筐体の上下方向である第2方向に並ぶように複数組配置され、外線ケーブルが第2方向またはモジュール収納用筐体の奥行き方向である第3方向に引き出される場合に、複数組の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向である第2方向または第3方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。このように構成すれば、外線ケーブルが第2方向または第3方向に引き出される場合のいずれにおいても、外線ケーブルが互いに干渉することなく、複数の外線ケーブルを、ケーブル接続位置から外線ケーブルが引き出される方向(第2方向または第3方向)に略直線状に引き出すことができる。その結果、外線ケーブルが第2方向または第3方向に引き出される場合に、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを抑制することができる。 【0011】 上記第1の局面による電力変換装置において、好ましくは、複数のバスバーは、それぞれ、モジュール収納用筐体外において、互いに異なる方向に延びる部分を含み、互いに異なる方向に延びる部分は、複数のバスバーがモジュール収納用筐体内からモジュール収納用筐体外に突出する部分と、接続部分とを含む。このように構成すれば、作業者が外線ケーブルと接続部分との接続作業を行いやすい方向に延びるように接続部分を設けることにより、外線ケーブルをバスバーに接続する作業の効率性をより向上させることができる。 【0012】 この場合、好ましくは、接続部分は、少なくともモジュール収納用筐体外に突出する部分と別個の部材として設けられるとともに、バスバーの接続部分以外の部分に締結部材により着脱可能に設けられている。このように構成すれば、モジュール収納用筐体内からモジュール収納用筐体外に突出する部分と、接続部分とを、互いに異なる方向により容易に配置させることができる。 【0013】 上記第1方向に並ぶように配置される1組の接続部分が第2方向に並ぶように複数組配置される構成において、好ましくは、接続部分は、第3方向に沿って延びるように配置されている。ここで、電力変換装置は、室内の壁に接するように設置される場合が多いので、バスバーと外線ケーブルとの接続作業は、電力変換装置の前方側から行われる。また、外線ケーブルは、ボルトおよびナットのような締結部材により平板状のバスバーの両面から挟み込む固定具により平板状に形成されたバスバーに固定される。この場合、作業者は、平板状のバスバーの一方の面側で治具によりナットを固定した状態で、平板状のバスバーの他方の面側で治具によりボルトをナットに締結する必要がある。つまり、作業者は、両手にそれぞれ治具を把持した状態で、バスバーと外線ケーブルとを接続する。ここで、接続部分が、たとえば、第1方向(側方)に延びるように設けられている場合、作業者が平板状のバスバーの裏面側(バスバーの作業者側とは反対側)に腕を回して治具により作業を行う必要があるため、作業性が低下する。そこで、上記のように、接続部分を第3方向に沿って延びるように構成すれば、作業者がバスバーの作業者側とは反対側に腕を回すことなく、バスバーと外線ケーブルとを接続することができるので、外線ケーブルをバスバーに接続する作業の効率性をさらに向上させることができる。 【0014】 この場合、好ましくは、外線ケーブルは、ケーブル接続位置から第2方向における上方に引き出されるように構成されており、接続部分は、第2方向において上側に配置され、第1方向から見てモジュール収納用筐体の背面側から第1の距離にケーブル接続位置が配置される第1接続部分と、第2方向において下側に配置され、第1方向から見てモジュール収納用筐体の背面側から第1の距離よりも大きい第2の距離にケーブル接続位置が配置される第2接続部分とを含む。このように構成すれば、第1接続部分のケーブル接続位置が、第2接続部分のケーブル接続位置よりも、第1方向から見たモジュール収納用筐体の背面側に近い位置となるので、第3方向において、第1接続部分の前方側の端部位置を、第2接続部分のケーブル接続位置よりも、後方側に配置させることができる。したがって、第2方向における上方に引き出される第2接続部分のケーブル接続位置に接続される外線ケーブルを、第2接続部分のケーブル接続位置よりも上方に配置される第1接続部分に干渉しないように容易に配置させることができる。その結果、外線ケーブルが第2方向における上方に引き出される場合に、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを確実に抑制することができる。 【0015】 上記接続部分が第3方向に沿って延びるように配置されている構成において、好ましくは、外線ケーブルは、ケーブル接続位置から第2方向における下方に引き出されるように構成されており、接続部分は、第2方向において下側に配置され、第1方向から見てモジュール収納用筐体の背面側から第3の距離にケーブル接続位置が配置される第3接続部分と、第2方向において上側に配置され、第1方向から見てモジュール収納用筐体の背面側から第3の距離よりも大きい第4の距離にケーブル接続位置が配置される第4接続部分とを含む。このように構成すれば、第3接続部分のケーブル接続位置が、第2接続部分のケーブル接続位置よりも、第1方向から見たモジュール収納用筐体の背面側に近い位置となるので、第3方向において、第3接続部分の前方側の端部位置を、第4接続部分のケーブル接続位置よりも、後方側に配置させることができる。したがって、第2方向における下方に引き出される第4接続部分のケーブル接続位置に接続される外線ケーブルを、第4接続部分のケーブル接続位置よりも下方に配置される第3接続部分に干渉しないように容易に配置させることができる。その結果、外線ケーブルが第2方向における下方に引き出される場合に、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを確実に抑制することができる。 【0016】 上記接続部分が第3方向に沿って延びるように配置されている構成において、好ましくは、外線ケーブルは、ケーブル接続位置から第3方向における後方に引き出されるように構成されており、ケーブル接続位置は、接続部分において、接続部分がバスバーの接続部分以外の部分と繋がる側とは反対の端部側に配置されている。このように構成すれば、接続部分において、ケーブル接続位置を、接続部分がバスバーの接続部分以外の部分と繋がる側に設けられる場合と比べて、外線ケーブルをより後方で接続部分に接続することができるので、外線ケーブルの全長をより短縮し易くすることができる。 【0017】 この発明の第2の局面による電力変換装置は、少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、モジュール収納用筐体内において、電力変換モジュール内の少なくとも、入力側スイッチ部および出力側スイッチ部に接続され、モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、を備え、2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、2以上のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、入力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組と、出力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。 【0018】 この発明の第2の局面による電力変換装置では、上記のように、複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される2以上の接続部分が収納され、外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットを備え、2以上の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。これにより、外線ケーブルが互いに干渉することなく、複数の外線ケーブルを、ケーブル接続位置から外線ケーブルが引き出される方向に沿って、外線接続用キャビネットに設けられた外線ケーブル引出口から、略直線状に引き出すことができる。その結果、外線ケーブルを折り曲げることなく、外線ケーブルをバスバーに接続することができるので、ケーブル接続位置が配置される外線接続用キャビネットにおいて、外線ケーブルを折り曲げるためのスペースが不要になる。これにより、外線ケーブルが接続される電力変換装置において、装置が大型化するのを抑制することができる。また、外線ケーブルを折り曲げる必要がないので、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制することにより、外線ケーブルの寿命が短くなるのを抑制することができる。また、外線ケーブルを折り曲げる必要がないので、外線ケーブルをバスバーに接続するための作業の効率性を向上させることができるとともに、外線ケーブルの全長を短縮し易くすることができる。 【発明の効果】 【0019】 本発明によれば、上記のように、外線ケーブルが接続される電力変換装置において、外線ケーブルに折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを抑制することができる。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】 本発明の第1実施形態による電力変換装置の全体構成を示す斜視図である。 【図2】 本発明の第1実施形態による電力変換装置における電力変換モジュールを模式的に示した正面図である。 【図3】 本発明の第1実施形態による電力変換装置におけるバスバーおよび外線ケーブルの拡大斜視図である。 【図4】 (a)は、バスバーおよび外線ケーブルの様子を側面から見た図である。(b)は、バスバーおよび外線ケーブルの様子を正面から見た図である。 【図5】 (a)は、本発明の第2実施形態による電力変換装置におけるバスバーおよび外線ケーブルの様子を側面から見た図である。(b)は、本発明の第2実施形態による電力変換装置におけるバスバーおよび外線ケーブルの様子を正面から見た図である。 【図6】 本発明の第3実施形態による電力変換装置におけるバスバーおよび外線ケーブルの様子を側面から見た図である。 【図7】 本発明の第4実施形態による電力変換装置の全体構成を示す斜視図である。 【図8】 本発明の第4実施形態による電力変換装置におけるバスバーおよび外線ケーブルの様子を側面から見た図である。 【図9】 本発明の第5実施形態による電力変換装置におけるバスバーおよび外線ケーブルの様子を側面から見た図である。 【発明を実施するための形態】 【0021】 以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。 【0022】 [第1実施形態] まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による電力変換装置100の全体構成について説明する。なお、電力変換装置100は、たとえば、データセンター等に設置される無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply、または、PCS:Power Conditioning System)である。 【0023】 (電力変換装置の構成) 図1に示すように、電力変換装置100は、複数の筐体10が互いに隣接して1列に配置されている。複数の筐体10は、電力変換モジュール20(図2参照)を収納する複数の筐体11と、制御モジュール30(図2参照)を収納する筐体12と、を備えている。また、電力変換装置100は、複数の筐体10の内部で各部分を接続するバスバー40と電力変換装置100の外部に引き出される外線ケーブル50とが接続される外線接続用キャビネット13と、を備えている。電力変換装置100では、外線接続用キャビネット13と、筐体12と、3台の筐体11とが、この順に筐体10の左右方向に並んで配置されている。なお、筐体10は、特許請求の範囲の「モジュール収納用筐体」の一例である。 【0024】 なお、本明細書では、筐体10の左右方向(第1方向)、上下方向(第2方向)および前後方向(第3方向)を、それぞれ、X方向、Z方向およびY方向とする。また、筐体10の左方向、右方向、上方向(上側)、下方向(下側)、前方向(前方、前面側)および後方向(後方、背面側)を、それぞれ、X1方向、X2方向、Z1方向、Z2方向、Y1方向およびY2方向とする。 【0025】 図2に示すように、電力変換モジュール20は、入力側スイッチ部21と、電力変換部22と、出力側スイッチ部23と、直流リアクトル24と、を含む。なお、入力側スイッチ部21、電力変換部22および出力側スイッチ部23は、三相交流回路として構成されている。 【0026】 入力側スイッチ部21は、外線ケーブル50(外線ケーブル51(図3参照))およびバスバー40(バスバー41)を介して、電力変換装置100の外部の交流電源(図示しない)からの交流電力が入力されるように構成されている。電力変換部22は、入力フィルタ部(図示しない)を介して、入力側スイッチ部21と接続されている。電力変換部22は、整流回路、チョッパ回路およびインバータ回路、を含み、交流電力の電圧を変換するように構成されている。出力側スイッチ部23は、出力フィルタ部(図示しない)を介して、電力変換部22と接続されている。出力側スイッチ部23は、電力変換部22により変換された交流電力を、バスバー40(バスバー42)および外線ケーブル50(外線ケーブル52(図3参照))を介して、電力変換装置100の外部に出力するように構成されている。 【0027】 直流リアクトル24は、電力変換部22のチョッパ回路と図示しないバスバーを介して接続されている。直流リアクトル24は、チョッパ回路により変圧された直流電力を、バスバー40(バスバー44)および外線ケーブル50(外線ケーブル54(図3参照))を介して、電力変換装置100の外部に設けられたバッテリ(図示しない)に蓄電されるように構成されている。 【0028】 制御モジュール30は、バイパス用電源31と、バイパス切替部32と、を含む。バイパス用電源31およびバイパス切替部32は、電力変換モジュール20(入力側スイッチ部21、電力変換部22および出力側スイッチ部23)による電力変換用の回路のバイパス用回路として構成されている。バイパス切替部32は、電力変換モジュール20による電力変換用の回路と、バイパス用回路とを切り替えるように構成されている。具体的には、バイパス用電源31は、外線ケーブル50(外線ケーブル53(図3参照))およびバスバー40(バスバー43)を介して入力され、バイパス切替部32、バイパス切替部32から上方に延びるバスバー(図示しない)およびバスバー40(バスバー42)を介して、電力変換装置100の外部に出力されるように構成されている。なお、制御モジュール30の前面側(Y1側)には、電力変換装置100の状態や動作を確認・設定するためのコントロールパネル(図示しない)が設けられている。 【0029】 外線接続用キャビネット13には、複数のバスバー40の各々が外線ケーブル50と接続される複数の接続部分40b(図3参照)が収納されている。また、外線接続用キャビネット13には、外線ケーブル50が電力変換装置100の外部に引き出されるための複数の外線ケーブル引出口13aが設けられている。 【0030】 (バスバーと外線ケーブルとの接続構造) 次に、図1、図3および図4を参照して、バスバー40と外線ケーブル50との接続構造に関して説明する。 【0031】 図3に示すように、バスバー40は、入力側スイッチ部21に接続されるバスバー41と、出力側スイッチ部23に接続されるバスバー42と、バイパス用電源31に接続されるバスバー43と、直流リアクトル24に接続されるバスバー44と、を含む。また、外線ケーブル50は、バスバー41、42、43および44とそれぞれ接続される外線ケーブル51、52、53および54を備えている。なお、第1実施形態では、外線ケーブル50(51、52、53、54)は、接続部分40bと外線ケーブル50とが接続されるケーブル接続位置Pから上方(Z1方向)に引き出されるように構成されている。また、図1に示すように、第1実施形態では、外線ケーブル50は、外線接続用キャビネット13の上側(Z1側)に設けられた外線ケーブル引出口13aから、電力変換装置100の外部に引き出されるように構成されている。 【0032】 図3に示すように、第1実施形態では、バスバー40は、筐体10外において、互いに異なる方向に延びる部分を含むように構成されている。具体的には、バスバー40は、それぞれ、外線接続用キャビネット13内において、X方向、Y方向またはZ方向に延びる平板状の部材から構成されている。バスバー40は、平板状の部材が折り曲げられるか、または、平板状の部材同士が固定されるかのいずれかにより、方向を変えながら延びるように構成されている。 【0033】 また、第1実施形態では、互いに異なる方向に延びる部分は、バスバー40が筐体10内から筐体10外に突出する部分40aと、バスバー40の各々が外線ケーブル50と接続される接続部分40bと、を含むように構成されている。また、第1実施形態では、接続部分40bは、平板状に形成されるとともに、Y方向に沿って延びるように配置されている。 【0034】 具体的には、バスバー40は、それぞれ、筐体10内から筐体10外に突出する部分40aと、外線ケーブル50と接続される接続部分40bと、を含む。筐体10外に突出する部分40aは、X方向に延びるように筐体10内から筐体10外にX1方向に突出している。接続部分40bは、Y方向(筐体10外に突出する部分40aとは異なる方向)に延びるように平板状に形成されている。接続部分40bは、それぞれ、所定のケーブル接続位置Pにおいて、外線ケーブル50と接続されている。なお、第1実施形態では、外線ケーブル50は、外線ケーブル50の先端近傍において、外線ケーブル50の先端部と主面がX方向に略垂直になるように形成された接続部分40bとをX1方向およびX2方向から挟むようにボルト60およびナット(図示しない)により固定されている。 【0035】 また、第1実施形態では、接続部分40bは、筐体10外に突出する部分40aと別個の部材として設けられるとともに、バスバー40の接続部分40b以外の部分に固定具により着脱可能に設けられている。具体的には、接続部分40bは、Y方向に延びる接続部分40bのY2側の端部において、固定具(図示しない、たとえば、ボルトおよびナット)により、バスバー40の他の平板状の部分と、着脱可能に構成されている。なお、電力変換装置100では、接続部分40bがバスバー40の他の平板状の部分と接続される接続部分40bのY2側の端部は、X方向から見て、筐体10の背面側(Y2側)の近傍に配置されている。 【0036】 また、第1実施形態では、接続部分40bは、X方向に並ぶように複数が1組として配置されるとともに、1組としての接続部分40bが、Z方向に並ぶように複数組配置されている。具体的には、バスバー41に含まれる接続部分41b、バスバー42に含まれる接続部分42bおよびバスバー43に含まれる接続部分43bは、それぞれ、3相交流回路に対応した3つずつの接続部分40bが、X方向に並ぶように配置されている。また、バスバー44に含まれる接続部分44bは、正極および負極でそれぞれ対応する2つずつ設けられた4つの接続部分40bが、X方向に並ぶように配置されている。そして、3つの接続部分41bの1組、3つの接続部分42bの1組、3つの接続部分43bの1組および4つの接続部分44bの1組の合計4組が、この順に、上側(Z1方向)から下側(Z2方向)に向かってZ方向に並んでいる。なお、接続部分41b、接続部分42b、接続部分43bおよび接続部分44bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1接続部分」、「第2接続部分」、「第3接続部分」および「第4接続部分」の一例である。 【0037】 また、第1実施形態では、上記4組の接続部分40bのケーブル接続位置Pが、外線ケーブル50が引き出される方向(上方、Z1方向)から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。より詳細には、第1実施形態では、接続部分41bおよび42bは、接続部分40bの内で、Z方向においてZ1側(上側)に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1にケーブル接続位置Pが配置される。また、接続部分43bおよび44bは、接続部分40bの内で、Z方向においてZ2側(下側)に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1よりも大きい距離R2にケーブル接続位置Pが配置される。なお、距離R1および距離R2は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の距離」および「第2の距離」の一例である。 【0038】 具体的には、図3に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分41b各々のケーブル接続位置P11、P12およびP13と、X方向に並んで配置された3つの接続部分42b各々のケーブル接続位置P21、P22およびP23とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。すなわち、ケーブル接続位置P11、P12、P13、P21、P22およびP23は、Z1方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。したがって、ケーブル接続位置P11、P12、P13、P21、P22およびP23に接続される3本の外線ケーブル51および3本の外線ケーブル52の合計6本の外線ケーブル50は、互いに干渉することなく上方に引き出すことが可能である。 【0039】 また、図3および図4(b)に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分43b各々のケーブル接続位置P31、P32およびP33と、X方向に並んで配置された4つの接続部分44b各々のケーブル接続位置P41、P42、P43およびP44とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。すなわち、ケーブル接続位置P31、P32、P33、P41、P42、P43およびP44は、Z1方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。したがって、ケーブル接続位置P31、P32、P33、P41、P42、P43およびP44に接続される3本の外線ケーブル53および4本の外線ケーブル54の合計7本の外線ケーブル50は、互いに干渉することなく上方に引き出すことが可能である。 【0040】 さらに、図4(a)に示すように、接続部分41bのケーブル接続位置P11(P12、P13)、および、接続部分42bのケーブル接続位置P21(P22、P23)は、X方向から見て、距離R1の位置に配置される。また、接続部分43bのケーブル接続位置P31(P32、P33)、および、接続部分44bのケーブル接続位置P41(P42、P43、P44)は、X方向から見て、距離R1よりも大きい距離R2の位置に配置される。すなわち、ケーブル接続位置P11、P12、P13、P21、P22およびP23と、ケーブル接続位置P31、P32、P33、P41、P42、P43およびP44とは、互いにオーバラップしないようにZ方向に離間させて配置されている。また、上側(Z1側)に配置されるケーブル接続位置P11、P12、P13、P21、P22およびP23が、下側(Z2側)に配置されるケーブル接続位置P31、P32、P33、P41、P42、P43およびP44よりもY2側に配置されているので、下側(Z2側)に配置されるケーブル接続位置P31、P32、P33、P41、P42、P43およびP44に接続された外線ケーブル50を、接続部分41bおよび42bに干渉させないように上方(Z1方向)に略直線状に引き出すことが可能である。これにより、ケーブル接続位置P11、P12、P13、P21、P22およびP23に接続される6本の外線ケーブル50(3本の外線ケーブル51および3本の外線ケーブル52)と、ケーブル接続位置P31、P32、P33、P41、P42、P43およびP44に接続される7本の外線ケーブル(3本の外線ケーブル53および4本の外線ケーブル54)とは、互いにオーバラップすることなく、上方(Z1方向)に略直線状に引き出すことが可能である。なお、ケーブル接続位置P同士の間の幅は、外線ケーブル50の幅(直径)よりも大きい。 【0041】 (第1実施形態の効果) 第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。 【0042】 第1実施形態では、上記のように、複数のバスバー40の各々が外線ケーブル50と接続される接続部分40bのケーブル接続位置Pを、外線ケーブル50が引き出される方向(Z方向)から見て、互いにオーバラップしないように配置させる。これにより、外線ケーブル50が互いに干渉することなく、複数の外線ケーブル50を、ケーブル接続位置Pから外線ケーブル50が引き出される方向(Z方向)に沿って略直線状に引き出すことができる。その結果、外線ケーブル50を折り曲げることなく、外線ケーブル50をバスバー40に接続することができるので、外線ケーブル50を折り曲げるためのスペースが不要になる。これにより、外線ケーブル50が接続される電力変換装置100において、装置が大型化するのを抑制することができる。また、外線ケーブル50を折り曲げる必要がないので、外線ケーブル50に折り曲げによる応力が加わるのを抑制することにより、外線ケーブル50の寿命が短くなるのを抑制することができる。また、外線ケーブル50を折り曲げる必要がないので、外線ケーブル50をバスバー40に接続するための作業の効率性を向上させることができるとともに、外線ケーブル50の全長を短縮し易くすることができる。 【0043】 また、第1実施形態では、上記のように、接続部分40bを、筐体10の左右方向であるX方向に並ぶように複数が1組として配置させる。そして、1組としての接続部分40bを、筐体10の上下方向であるZ方向に並ぶように複数組配置させる。そして、外線ケーブル50がZ方向に引き出される場合に、複数組の接続部分40bのケーブル接続位置Pを、外線ケーブル50が引き出される方向であるZ方向から見て、互いにオーバラップしないように配置させる。これにより、外線ケーブル50がZ方向に引き出される場合に、外線ケーブル50が互いに干渉することなく、複数の外線ケーブル50を、ケーブル接続位置Pから外線ケーブル50が引き出される方向(Z方向)に略直線状に引き出すことができる。その結果、外線ケーブルが上下方向(Z方向)に引き出される場合に、外線ケーブル50に折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを抑制することができる。 【0044】 また、第1実施形態では、上記のように、複数のバスバー40を、それぞれ、筐体10外において、互いに異なる方向に延びる部分を含み、互いに異なる方向に延びる部分は、複数のバスバー40が筐体10内から筐体10外に突出する部分40aと、接続部分40bとを含むように構成する。これにより、作業者が外線ケーブル50と接続部分40bとの接続作業を行いやすい方向に延びるように接続部分40bを設けることにより、外線ケーブル50をバスバー40に接続する作業の効率性をより向上させることができる。 【0045】 また、第1実施形態では、上記のように、接続部分40bを、筐体10外に突出する部分40aと別個の部材として設けられるとともに、バスバー40の接続部分40b以外の部分に固定具により着脱可能に設けられるように構成する。これにより、筐体10内から筐体10外に突出する部分40aと、接続部分40bとを、互いに異なる方向により容易に配置させることができる。 【0046】 また、第1実施形態では、上記のように、接続部分40bを、平板状に形成させるとともに、Y方向に沿って延びるように配置させる。ここで、電力変換装置100は、室内の壁に接するように設置される場合が多いので、バスバー40と外線ケーブル50との接続作業は、電力変換装置100の前方側(Y1側)から行われる。また、外線ケーブル50は、ボルト60およびナットのような締結部材により平板状のバスバー40の両面から挟み込む固定具により平板状に形成されたバスバー40に固定される。この場合、作業者は、平板状のバスバー40の一方の面側で治具によりナットを固定した状態で、平板状のバスバー40の他方の面側で治具によりボルト60をナットに締結する必要がある。つまり、作業者は、両手にそれぞれ治具を把持した状態で、バスバー40と外線ケーブル50とを接続する。ここで、接続部分40bが、たとえば、X方向(側方)に延びるように設けられている場合、作業者が平板状のバスバー40の裏面側(Y2側)(バスバーの作業者側(Y1側)とは反対側)に腕を回して治具により作業を行う必要があるため、作業性が低下する。そこで、上記のように、接続部分40bをY方向に沿って延びるように構成すれば、作業者がバスバー40の作業者側(Y1側)とは反対側(Y2側)に腕を回すことなく、バスバー40と外線ケーブル50とを接続することができるので、外線ケーブル50をバスバー40に接続する作業の効率性をさらに向上させることができる。 【0047】 また、第1実施形態では、上記のように、外線ケーブル50(51、52、53、54)を、ケーブル接続位置PからZ方向における上方に引き出されるように構成する。そして、接続部分40bを、Z方向において上側に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1にケーブル接続位置Pが配置される接続部分41bおよび42bと、Z方向において下側に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1よりも大きい距離R2にケーブル接続位置Pが配置される接続部分43bおよび44bと、を含むように構成する。これにより、接続部分41bおよび42bのケーブル接続位置Pが、接続部分43bおよび44bのケーブル接続位置Pよりも、X方向から見た筐体10の背面側(Y2側)に近い位置となるので、Y方向において、接続部分41bおよび42bの前方側(Y1側)の端部位置を、接続部分43bおよび44bのケーブル接続位置Pよりも、後方側(Y2側)に配置させることができる。したがって、Z方向における上方に引き出される接続部分43bおよび44bのケーブル接続位置Pに接続される外線ケーブル53および54を、接続部分43bおよび44bのケーブル接続位置Pよりも上方に配置される接続部分41bおよび42bに干渉しないように容易に配置させることができる。その結果、外線ケーブル50がZ方向における上方に引き出される場合に、外線ケーブル50に折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを確実に抑制することができる。 【0048】 また、第1実施形態では、上記のように、電力変換装置100は、複数のバスバー40の各々が外線ケーブル50と接続される2以上の接続部分40bが収納され、外線ケーブル50が引き出されるための外線ケーブル引出口13aが設けられた外線接続用キャビネット13を備える。そして、接続部分40bのケーブル接続位置Pを、外線ケーブル引出口13aから見て、互いにオーバラップしないようにずらされて配置させる。これにより、外線ケーブル50が互いに干渉することなく、複数の外線ケーブル50を、ケーブル接続位置Pから外線ケーブル50が引き出される方向(Z方向)に沿って、外線接続用キャビネット13に設けられた外線ケーブル引出口13aから、略直線状に引き出すことができる。その結果、外線ケーブル50を折り曲げることなく、外線ケーブル50をバスバー40に接続することができるので、ケーブル接続位置Pが配置される外線接続用キャビネット13において、外線ケーブル50を折り曲げるためのスペースが不要になる。これにより、外線ケーブル50が接続される電力変換装置100において、装置が大型化するのを抑制することができる。また、外線ケーブル50を折り曲げる必要がないので、外線ケーブル50に折り曲げによる応力が加わるのを抑制することにより、外線ケーブル50の寿命が短くなるのを抑制することができる。また、外線ケーブル50を折り曲げる必要がないので、外線ケーブル50をバスバー40に接続するための作業の効率性を向上させることができるとともに、外線ケーブル50の全長を短縮し易くすることができる。 【0049】 [第2実施形態] 次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、外線ケーブル50が上方に引き出されるように構成された第1実施形態と異なり、外線ケーブル250が下方に引き出されるように構成された例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。 【0050】 本発明の第2実施形態による電力変換装置200では、図5に示すように、バスバー240と、下方(Z2方向)に引き出される外線ケーブル250とが、外線接続用キャビネット13において接続されている。バスバー240は、第1実施形態のバスバー41、42、43および44に対応するバスバー241、242、243および244と、を含む。なお、第2実施形態では、外線ケーブル250は、外線接続用キャビネット13の下側(Z2側)に設けられた外線ケーブル引出口13aから、電力変換装置200の外部に引き出されるように構成されている。 【0051】 具体的には、バスバー241、242、243および244は、それぞれ、入力側スイッチ部、出力側スイッチ部、バイパス用電源および直流リアクトルに接続されている。また、バスバー241、242、243および244は、図5(a)および図5(b)に示すように、それぞれ、外線ケーブル250(251、252、253および254)と接続される接続部分240b(接続部分241b、242b、243bおよび244b)を含む。なお、接続部分241b、242b、243bおよび244bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1接続部分」、「第2接続部分」、「第3接続部分」および「第4接続部分」の一例である。 【0052】 電力変換装置200では、接続部分240bは、3つの接続部分241bの1組と、3つの接続部分242bの1組と、3つの接続部分243bの1組および4つの接続部分244bの合計4組が、この順に、上側(Z1方向)から下側(Z2方向)に向かってZ方向に並んでいる。 【0053】 第2実施形態では、上記4組の接続部分240bのケーブル接続位置Pが、外線ケーブル250が引き出される方向(下方、Z2方向)から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。より詳細には、第2実施形態では、接続部分243bおよび244bは、接続部分240bの内で、Z方向においてZ2側(下側)に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1にケーブル接続位置Pが配置される。また、接続部分241bおよび242bは、接続部分240bの内で、Z方向においてZ1側(上側)に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1よりも大きい距離R2にケーブル接続位置Pが配置される。 【0054】 具体的には、図5に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分241b各々のケーブル接続位置P211、P212およびP213と、X方向に並んで配置された3つの接続部分242b各々のケーブル接続位置P221、P222およびP223とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。すなわち、ケーブル接続位置P211、P212、P213、P221、P222およびP223は、Z2方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。したがって、ケーブル接続位置P211、P212、P213、P221、P222およびP223に接続される3本の外線ケーブル251および3本の外線ケーブル252の合計6本の外線ケーブル250は、互いに干渉することなく下方に引き出すことが可能である。 【0055】 また、図5(b)に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分243b各々のケーブル接続位置P231、P232およびP233と、X方向に並んで配置された4つの接続部分244b各々のケーブル接続位置P241、P242、P243およびP244とは、互いに、X方向に離間させて互に配置されている。すなわち、ケーブル接続位置P231、P232、P233、P241、P242、P243およびP244は、Z2方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。したがって、ケーブル接続位置P231、P232、P233、P241、P242、P243およびP244に接続される3本の外線ケーブル253および4本の外線ケーブル254の合計7本の外線ケーブル250は、互いに干渉することなく下方に引き出すことが可能である。 【0056】 さらに、図5(a)に示すように、接続部分243bのケーブル接続位置P231(P232、P233)、および、接続部分244bのケーブル接続位置P241(P242、P243、P244)は、X方向から見て、距離R1の位置に配置される。また、接続部分241bのケーブル接続位置P211(P212、P213)、および、接続部分242bのケーブル接続位置P221(P222、P223)は、X方向から見て、距離R1よりも大きい距離R2の位置に配置される。すなわち、ケ一ブル接続位置P211、P212、P213、P221、P222およびP223と、ケーブル接続位置P231、P232、P233、P241、P242、P243およびP244とは、互いにオーバラップしないようにZ方向に離間させて配置されている。また、下側(Z2側)に配置されるケーブル接続位置P231、P232、P233、P241、P242、P243およびP244が、上側(Z1側)に配置されるケーブル接続位置P211、P212、P213、P221、P222およびP223よりもY2側に配置されているので、上側(Z1側)に配置されるケーブル接続位置P211、P212、P213、P221、P222およびP223に接続された外線ケーブル250を、接続部分243bおよび244bに干渉させないように下方(Z2方向)に略直線状に引き出すことが可能である。これにより、ケーブル接続位置P211、P212、P213、P221、P222およびP223に接続される6本の外線ケーブル250(3本の外線ケーブル251および3本の外線ケーブル252)と、ケーブル接続位置P231、P232,P233、P241、P242、P243およびP244に接続される7本の外線ケーブル(3本の外線ケーブル253および4本の外線ケーブル254)とは、互いにオーバラップすることなく、下方(Z2方向)に略直線状に引き出すことが可能である。 【0057】 なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。 【0058】 (第2実施形態の効果) 第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。 【0059】 第2実施形態では、上記のように、外線ケーブル250(251、252、253、254)を、ケーブル接続位置からZ方向における下方に引き出されるように構成する。そして、接続部分240bを、Z方向において下側に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1にケーブル接続位置Pが配置される接続部分243bおよび244bと、Z方向において上側に配置され、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1よりも大きい距離R2にケーブル接続位置Pが配置される接続部分241bおよび242bと、を含むように構成する。これにより、接続部分243bおよび244bのケーブル接続位置Pが、接続部分241bおよび242bのケーブル接続位置Pよりも、X方向から見た筐体10の背面側(Y2側)に近い位置となるので、Y方向において、接続部分243bおよび244bの前方側(Y1側)の端部位置を、接続部分241bおよび242bのケーブル接続位置Pよりも、後方側(Y2側)に配置させることができる。したがって、Z方向における下方に引き出される接続部分241bおよび242bのケーブル接続位置Pに接続される外線ケーブル251および252を、接続部分241bおよび242bのケーブル接続位置Pよりも下方に配置される接続部分243bおよび244bに干渉しないように容易に配置させることができる。その結果、外線ケーブル250がZ方向における下方に引き出される場合に、外線ケーブル250に折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを確実に抑制することができる。 【0060】 なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。 【0061】 [第3実施形態] 次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、外線ケーブル50が上方に引き出されるように構成された第1実施形態、および、外線ケーブル250が下方に引き出されるように構成された第2実施形態と異なり、外線ケーブル350が後方に引き出されるように構成された例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。 【0062】 本発明の第3実施形態による電力変換装置300では、図6に示すように、バスバー340と、後方(Y2方向)に引き出される外線ケーブル350とが、外線接続用キャビネット13において接続されている。バスバー340は、第1実施形態のバスバー41、42、43および44に対応するバスバー341、342、343および344と、を含む。なお、第3実施形態では、外線ケーブル350は、外線接続用キャビネット13の背面側(Y2側)に設けられた外線ケーブル引出口13aから、電力変換装置300の外部に引き出されるように構成されている。 【0063】 具体的には、バスバー341、342、343および344は、それぞれ、入力側スイッチ部、出力側スイッチ部、バイパス用電源および直流リアクトルに接続されている。また、バスバー341、342、343および344は、図6に示すように、それぞれ、外線ケーブル350(351、352、353および354)と接続される接続部分340b(341b、342b、343bおよび344b)を含む。なお、接続部分341b、342b、343bおよび344bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1接続部分」、「第2接続部分」、「第3接続部分」および「第4接続部分」の一例である。 【0064】 第3実施形態では、接続部分340bは、X方向に並ぶように複数が1組として配置されるとともに、1組としての接続部分340bが、Z方向に並ぶように複数組配置され、複数組の接続部分340bのケーブル接続位置Pが、外線ケーブル350が引き出される方向であるY方向から見て、互いにオーバラップしないように置されている。 【0065】 具体的には、電力変換装置300では、接続部分340bは、X方向に並ぶ3つの接続部分341bの1組と、X方向に並ぶ3つの接続部分342bの1組と、X方向に並ぶ3つの接続部分343bの1組、および、X方向に並ぶ4つの接続部分344bの合計4組が、この順に、上側(Z1方向)から下側(Z2方向)に向かってZ方向に並んでいる。すなわち、接続部分340b(341b、342b、343bおよび344b)に接続される外線ケーブル350(351、352、353および354)の合計13箇所のケーブル接続位置Pは、Y方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。これにより、ケーブル接続位置Pに接続される13本の外線ケーブル350を互いにオーバラップさせることなく、後方(Y2方向)に略直線状に引き出すことが可能である。 【0066】 また、第3実施形態では、ケーブル接続位置Pは、接続部分340bにおいて、接続部分340bがバスバー340の接続部分340b以外の部分と繋がる側(Y1側)とは反対の端部側(Y2側)に配置されている。具体的には、接続部分340bは、接続部分340bのY1側の端部近傍において、バスバー340の接続部分340b以外の部分と接続されている。また、接続部分340bは、接続部分340bのY2側の端部近傍のケーブル接続位置Pにおいて、外線ケーブル350と接続されている。なお、電力変換装置300では、接続部分340bのY1側の端部が、X方向から見て、筐体10の背面側(Y2側)の近傍に配置されるため、外線ケーブル350のケーブル接続位置Pは、筐体10よりも背面側(Y2側)に配置されている。 【0067】 なお、第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。 【0068】 (第3実施形態の効果) 第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。 【0069】 第3実施形態では、上記のように、複数のバスバー340の各々が外線ケーブル350と接続される接続部分340bのケーブル接続位置Pを、外線ケーブル350が引き出される方向(Y方向)から見て、互いにオーバラップしないように配置されているように構成する。これにより、外線ケーブル350が互いに干渉することなく、複数の外線ケーブル350を、ケーブル接続位置Pから外線ケーブル350が引き出される方向(Y方向)に沿って略直線状に引き出すことができる。その結果、第1実施形態と同様に、装置が大型化するのを抑制することができるとともに、外線ケーブル350の寿命が短くなるのを抑制することができる。また、外線ケーブル350をバスバー340に接続するための作業の効率性を向上させることができるとともに、外線ケーブル350の全長を短縮し易くすることができる。 【0070】 また、第3実施形態では、上記のように、接続部分340bを、筐体10の左右方向であるX方向に並ぶように複数が1組として配置させる。そして、1組としての接続部分340bを、筐体10の上下方向であるZ方向に並ぶように複数組配置させる。そして、外線ケーブル350がY方向に引き出される場合に、複数組の接続部分340bのケーブル接続位置Pを、外線ケーブル350が引き出される方向であるY方向から見て、互いにオーバラップしないように配置させる。これにより、外線ケーブル350がY方向に引き出される場合に、外線ケーブル350が互いに干渉することなく、複数の外線ケーブル350を、ケーブル接続位置Pから外線ケーブル350が引き出される方向(Y方向)に略直線状に引き出すことができる。その結果、第1実施形態と同様に、外線ケーブル350が前後方向(Y方向)に引き出される場合に、外線ケーブル350に折り曲げによる応力が加わるのを抑制しながら、装置が大型化するのを抑制することができる。 【0071】 また、第3実施形態では、上記のように、外線ケーブル350を、ケーブル接続位置PからY方向における後方(Y2方向)に引き出されるように構成する。そして、ケーブル接続位置Pを、接続部分340bにおいて、接続部分340bがバスバー340の接続部分340b以外の部分と繋がる側(Y1側)とは反対の端部側(Y2側)に配置させる。これにより、ケーブル接続位置を、接続部分340bにおいて、接続部分340bがバスバー340の接続部分340b以外の部分と繋がる側に設けられる場合と比べて、外線ケーブル350をより後方(Y2側)で接続部分340bに接続することができるので、外線ケーブル350の全長をより短縮し易くすることができる。 【0072】 なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。 【0073】 [第4実施形態] 次に、図7および図8参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、バスバーの接続部分の配置を第1〜第3実施形態とは異なるように配置させた例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。 【0074】 本発明の第4実施形態による電力変換装置400は、図7に示すように、筐体410から、筐体410の右方向(X2方向)に突出する部分と、外線ケーブル450と接続される接続部分440bとを含むバスバー440と、を備えている。なお、筐体410は、特許請求の範囲の「モジュール収納用筐体」および「外線接続用キャビネット」の一例である。 【0075】 第4実施形態では、筐体410には、複数のバスバー440の各々が外線ケーブル450と接続される複数の接続部分440bが収納されている。また、筐体410には、外線ケーブル450が電力変換装置400の外部に引き出されるための複数の外線ケーブル引出口413aが設けられている。 【0076】 電力変換装置400では、外線ケーブル450は、上方(Z1方向)に引き出されるように構成されている。また、第4実施形態では、外線ケーブル450は、筐体410の上側(Z1側)に設けられた外線ケーブル引出口413aから、電力変換装置400の外部に引き出されるように構成されている。 【0077】 バスバー440の接続部分440bは、図8に示すように、X方向から見て、筐体410の前後方向(Y方向)に沿って、筐体410の中央近傍から前方(Y1方向)に延びるように配置されている。そして、バスバー440各々のY1側の端部近傍において、外線ケーブル450と接続されている。なお、図8に示すように、X方向に並ぶ接続部分440bの組がZ方向に4組並ぶように配置された第1〜第3実施形態と異なり、電力変換装置400では、接続部分440bがZ方向に8箇所設けられている。 【0078】 電力変換装置400では、図7および図8に示すように、第1〜第3実施形態と同様に、外線ケーブル450が引き出される方向(Z1方向)から見て、外線ケーブル450が接続部分440bに接続されるケーブル接続位置Pが、互いにオーバラップしないように配置されている。なお、電力変換装置400では、X方向に並ぶ接続部分の組がZ方向に4組並ぶように配置された第1〜第3実施形態とは異なり、X方向に並ぶ接続部分440bの個数を1つまたは2つにすることにより、接続部分440bがZ方向に5組以上設けられている。 【0079】 なお、第4実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。 【0080】 (第4実施形態の効果) 第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。 【0081】 第4実施形態では、上記のように、バスバー440の外線ケーブル450への接続部分440bが、X方向に1つだけの組と、X方向に2つの組との組み合わせにより、接続部分440bの組がZ方向に5組以上並ぶように配置されている。これにより、X方向に並ぶ接続部分440bの個数が、第1〜第3実施形態の場合の接続部分40b(240b、340b)と比較して少なくなるので、バスバー440と外線ケーブル450とを接続するための外線接続用キャビネットの部分を筐体410の左右方向(X方向)に小さくすることができる。 【0082】 なお、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。 【0083】 [第5実施形態] 次に、図9を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、外線ケーブル450が上方に引き出されるように構成された第4実施形態と異なり、外線ケーブル550が後方に引き出されるように構成された例について説明する。なお、図中において、上記第4実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。 【0084】 本発明の第5実施形態による電力変換装置500では、図9に示すように、筐体410の右方向(X2方向)に突出する部分と、外線ケーブル550と接続される接続部分540bとを含むバスバー540と、を備えている。なお、筐体410は、特許請求の範囲の「モジュール収納用筐体」の一例である。 【0085】 電力変換装置500では、外線ケーブル550は、後方(Y2方向)に引き出されるように構成されている。また、第5実施形態では、外線ケーブル550は、筐体410の背面側(Y2側)に設けられた外線ケーブル引出口413aから、電力変換装置500の外部に引き出されるように構成されている。 【0086】 バスバー540の接続部分540bは、図9に示すように、X方向から見て、筐体410の前後方向(Y方向)に沿って、筐体410の中央近傍から後方(Y2方向)に延びるように配置されている。そして、バスバー540各々のY2側の端部近傍において、外線ケーブル550と接続されている。なお、電力変換装置500では、接続部分540bのケーブル接続位置Pが、筐体410の前面側(Y1側)に配置されている。 【0087】 なお、第5実施形態のその他の構成は、第4実施形態と同様である。 【0088】 (第5実施形態の効果) 第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。 【0089】 第5実施形態では、上記のように、ケーブル接続位置Pが、筐体10の背面側(Y2側)に配置された第3実施形態と異なり、接続部分540bのケーブル接続位置Pが、筐体410の前面側(Y1側)に配置されている。これにより、外線ケーブル550が筐体410の後方(Y2側)に引き出される場合でも、接続部分540bが筐体410の背面側(Y2側)に突出することがないので、電力変換装置500の設置の自由度を向上させることができる。 【0090】 なお、第5実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。 【0091】 [変形例] なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。 【0092】 たとえば、上記第1〜第3実施形態では、入力側スイッチ部21に接続されるバスバー41(241、341)、出力側スイッチ部23に接続されるバスバー42(242、342)、バイパス用電源31に接続されるバスバー43(243、343)、および、直流リアクトル24に接続されるバスバー44(244、344)、それぞれの接続部分41b(241b、341b)、42b(242b、342b)、43b(243b、343b)および44b(244b、344b)を、X方向に複数並ぶように配置させた例を示した。また、上記第4および第5実施形態では、入力側スイッチ部、出力側スイッチ部、バイパス電源および直流リアクトルに接続されるバスバー440(540)、それぞれの接続部分440b(540b)を、X方向に1つまたは2つ並ぶように配置させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、入力側スイッチ部、出力側スイッチ部、バイパス電源におよび直流リアクトルに接続される各々の接続部分の一部または全てを、X方向にずらして配置してもよい。 【0093】 また、上記第1および第4実施形態では、外線ケーブル50(450)を上方に引き出されるように構成させ、上記第2実施形態では、外線ケーブル250を下方に引き出されるように構成させ、上記第3および第5実施形態では、外線ケーブル350(550)を後方に引き出されるように構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外線ケーブルを前方に引き出されるように構成してもよい。また、外線ケーブルを上方、下方、前方および後方の内、複数の方向に引き出されるように構成してもよい。 【0094】 また、上記第1〜第3実施形態では、ケーブル接続位置Pを、X方向から見て筐体10の背面側(Y2側)から距離R1および距離R2の2種類の位置に配置させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ケーブル接続位置を、X方向から見て筐体の背面側からの距離が異なる3種類以上の位置に配置させてもよい。 【0095】 また、上記第1〜第5実施形態では、バスバー40(240、340、440、540)を、それぞれ、外線接続用キャビネット13内において、X方向、Y方向またはZ方向に延びる平板状の部分から構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X方向、Y方向およびZ方向のいずれか2方向または3方向を組み合わせたX方向、Y方向またはZ方向以外に延びる平板状の部分から構成させてもよい。 【0096】 また、上記第1〜第5実施形態では、バスバー40(240、340、440、540)を、それぞれ、平板状の部分から構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、棒状等のように、平板状以外の形状の部分を含むように構成させてもよい。 【0097】 また、上記第1〜第5実施形態では、直流リアクトル24に接続されるバスバー44(244、344)の接続部分44b(244b、344b)を、正極および負極にそれぞれ対応する2つずつの合計4つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、直流リアクトルに接続されるバスバーの接続部分は、正極および負極に対応する1つずつの合計2つとしてもよい。また、正極および負極にそれぞれ3つずつを設けるようにしてもよい。 【0098】 また、上記第1〜第5実施形態では、バスバー40(240、340、440、540)の先端近傍(接続部分40b(240b、340b、440b、540b)の一方側の端部)のケーブル接続位置Pにおいて、バスバー40(240、340、440、540)が外線ケーブル50(250、350、450、550)と接続させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、バスバーの先端近傍(接続部分がバスバーの他の部分と接続される側とは反対側の端部近傍)以外の位置に配置させてもよい。 【0099】 また、上記第1〜第5実施形態では、接続部分40b(240b、340b、440b、540b)を、筐体10(410)外に突出する部分40aと別個の部材として設けられるとともに、バスバー40(240、340、440、540)の接続部分40b(240b、340b、440b、540b)以外の部分に固定具により着脱可能に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、バスバーを、筐体外に突出する部分から外線ケーブルに接続される接続部分まで一体的に形成してもよい。 【0100】 また、上記第1〜第5実施形態では、接続部分44b(240b、340b、440b、540b)を、筐体10(410)の前後方向(Y方向)に延びるよう配置させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続部分を筐体の左右方向(X方向)または上下方向(Z方向)に延びるように配置させてもよい。 【0101】 また、上記第1〜第5実施形態では、電力変換モジュール20を、三相交流回路として構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電力変換モジュールを、三相交流回路だけでなく、単相交流回路、二相交流回路、および、それらを組み合わせた回路として構成してもよい。 【符号の説明】 【0102】 10 筐体(モジュール収納用筐体) 13 外線接続用キャビネット 13a、413a 外線ケーブル引出口 20 電力変換モジュール 21 入力側スイッチ部 22 電力変換部 23 出力側スイッチ部 40(41、42、43、44)、440、540 バスバー 40a(41a、42a、43a、44a) (モジュール収納用筐体から)突出する部分 40b、240b、340b、440b、540b 接続部分 41b、241b、341b 接続部分(第1接続部分) 42b、242b、342b 接続部分(第2接続部分) 43b、243b、343b 接続部分(第3接続部分) 44b、244b、344b 接続部分(第4接続部分) 50(51、52、53、54)、250(251、252、253、254)、351(351、352、353、354)、450、550 外線ケーブル 60 ボルト(締結部材) 100、200、300、400、500 電力変換装置 P(P11、P12、P13、P21、P22、P23、P31、P32、P33、P41、P42、P43、P44、P211、P212、P213、P221、P222、P223、P231、P241) ケーブル接続位置 410 筐体(モジュール収納用筐体)、外線接続用キャビネット R1 距離(第1の距離、第2の距離) R2 距離(第3の距離、第4の距離) (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、 前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、 前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、 を備え、 前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、 前記入力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、電力変換装置。 【請求項2】 前記接続部分は、前記モジュール収納用筐体の左右方向である第1方向に並ぶように複数が1組として配置されるとともに、1組としての接続部分が、前記モジュール収納用筐体の上下方向である第2方向に並ぶように複数組配置され、前記外線ケーブルが前記第2方向または前記モジュール収納用筐体の奥行き方向である第3方向に引き出される場合に、前記複数組の前記接続部分の前記ケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向である前記第2方向または前記第3方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。 【請求項3】 前記複数のバスバーは、それぞれ、前記モジュール収納用筐体外において、互いに異なる方向に延びる部分を含み、 前記互いに異なる方向に延びる部分は、前記複数のバスバーが前記モジュール収納用筐体内から前記モジュール収納用筐体外に突出する部分と、前記接続部分とを含む、請求項1または2に記載の電力変換装置。 【請求項4】 前記接続部分は、少なくとも前記モジュール収納用筐体外に突出する部分と別個の部材として設けられるとともに、前記バスバーの前記接続部分以外の部分に締結部材により着脱可能に設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。 【請求項5】 前記接続部分は、前記第3方向に沿って延びるように配置されている、請求項2に記載の電力変換装置。 【請求項6】 前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第2方向における上方に引き出されるように構成されており、 前記接続部分は、前記第2方向において上側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から第1の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第1接続部分と、前記第2方向において下側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から前記第1の距離よりも大きい第2の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第2接続部分とを含む、請求項5に記載の電力変換装置。 【請求項7】 前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第2方向における下方に引き出されるように構成されており、 前記接続部分は、前記第2方向において下側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から第3の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第3接続部分と、前記第2方向において上側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から前記第3の距離よりも大きい第4の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第4接続部分とを含む、請求項5に記載の電力変換装置。 【請求項8】 前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第3方向における後方に引き出されるように構成されており、 前記ケーブル接続位置は、前記接続部分において、前記接続部分が前記バスバーの前記接続部分以外の部分と繋がる部分側とは反対の端部側に配置されている、請求項5に記載の電力変換装置。 【請求項9】 少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、 前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、 前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、 前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、 を備え、 前記2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、 2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、 前記入力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、電力変換装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2021-10-29 |
出願番号 | P2019-553711 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YAA
(H02M)
P 1 651・ 121- YAA (H02M) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
篠原 功一 |
特許庁審判官 |
山崎 慎一 山澤 宏 |
登録日 | 2020-09-07 |
登録番号 | 6760516 |
権利者 | 富士電機株式会社 |
発明の名称 | 電力変換装置 |
代理人 | 宮園 博一 |
代理人 | 宮園 博一 |