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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G02B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G02B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  G02B
管理番号 1381675
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-02-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-12 
確定日 2022-01-20 
異議申立件数
事件の表示 特許第6760268号発明「量子ドット保護フィルム並びにこれを用いて得られる波長変換シート及びバックライトユニット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6760268号の請求項1〜8に係る特許を維持する。 
理由
第1 事案の概要

1 手続等の経緯
特許第6760268号の請求項1〜8に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願(特願2017−510259号)は、2016年(平成28年)4月1日(優先権主張 平成27年4月2日)を国際出願日とする出願であって、令和2年9月7日にその特許権の設定登録がされたものである。
本件特許について、令和2年9月23日に特許掲載公報が発行されたところ、その発行の日から6月以内である令和3年3月12日に、特許異議申立人 藤江桂子(以下「特許異議申立人」という。)から全請求項に対して特許異議の申立てがされた。その後の手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。

令和3年6月21日付け:取消理由通知書
令和3年8月20日付け:意見書(特許権者)(以下「意見書」という。)

2 本件特許発明
本件特許の請求項1〜請求項8に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」〜「本件特許発明8」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1〜請求項8に記載された事項によって特定されるとおりのものであるところ、その請求項1〜3に係る発明は、以下のものである。

「【請求項1】
蛍光体を封止するための量子ドット保護フィルムであって、
最大寸法が100〜500μmである異物を有する保護層と、該保護層の一方の面上に形成されたコーティング層とを備え、
前記保護層における前記最大寸法が100〜500μmである異物の存在率が0.01〜5.0個/m2であり、
前記保護層が、基材層とバリア層とを積層したバリアフィルムを含み、
前記バリア層が、前記基材層上に無機薄膜層、ガスバリア性被覆層の順に積層してなり、
全光線透過率が80%以上であり、
450nmでの分光透過率が70%以上であり、
ヘイズ値が20%以上である、量子ドット保護フィルム。
【請求項2】
前記保護層は最大寸法が100〜300μmである異物を有し、前記最大寸法が100〜300μmである異物の存在率が0.1〜2.0個/m2である、請求項1に記載の量子ドット保護フィルム。
【請求項3】
前記保護層は平均寸法が200〜500μmである異物を有し、前記平均寸法が200〜500μmである異物の存在率が3.0個/m2以下である、請求項1又は2に記載の量子ドット保護フィルム。」

なお、請求項4〜請求項6に係る発明は、請求項1〜3に係る発明に対して、さらに他の発明特定事項を付加した「量子ドット保護フィルム」の発明であり、請求項7に係る発明は、請求項1〜6に係る発明の「量子ドット保護フィルム」を備え、さらに他の発明特定事項を付加した「波長変換シート」の発明であり、請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明の「波長変換シート」を備え、さらに他の発明特定事項を付加した「バックライトユニット」の発明である。


第2 取消理由の概要

当合議体は、令和3年6月21日付け取消理由通知において、本件特許に対し、概略、以下のとおりの取消理由を通知した。

理由1(明確性要件):本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が、明確であるということができないから、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。

理由2(サポート要件):本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が、発明の詳細な説明に記載したものであるということができないから、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。


第3 当合議体の判断

1 理由1(明確性要件)について

本件特許発明1は、「最大寸法が100〜500μmである異物を有する保護層」を備え「前記保護層における前記最大寸法が100〜500μmである異物の存在率が0.01〜5.0個/m2であ」るという構成(以下「請求項1の構成」という。)を具備し、同じく本件特許発明2は、「前記保護層は最大寸法が100〜300μmである異物を有し、前記最大寸法が100〜300μmである異物の存在率が0.1〜2.0個/m2である」という構成(以下「請求項2の構成」という。)を具備する。
一方で、本件特許発明3(請求項1又は請求項2を引用して記載されたもの)は、請求項1の構成(及び請求項2の構成)に加えて、「前記保護層は平均寸法が200〜500μmである異物を有し、前記平均寸法が200〜500μmである異物の存在率が3.0個/m2以下である」という構成(以下「請求項3の構成」という。)をも具備する。
そこで、これらの構成を具備する本件特許発明1〜本件特許発明3(及び、これらの請求項を引用して記載した本件特許発明4〜本件特許発明8)がそれぞれ明確であるか、そしてまた、請求項1の構成(及び請求項2の構成)と、請求項3の構成とが整合しているかについて検討する。

まず、本件特許の明細書【0111】の【表2】において本件特許発明1の構成を満たす実施例として示された「実施例8」及び「実施例9」では、その保護層は最大寸法が500μmを超える異物を有している。当該記載を参照した当業者は、請求項1の構成を有する本件特許発明1について「最大寸法が500μmを超える異物を有していても良い発明」と理解する(特許権者も意見書の「(3−3)理由1(その2)について」において、同趣旨を主張している。)。
したがって、本件特許発明1は、最大寸法が500μmを超える異物の存否について特定していないことは明確である。本件特許発明2〜本件特許発明8についても、同様にいえる。

続いて、請求項1の構成(及び請求項2の構成)と、請求項3の構成とが整合しているかについて検討する。
請求項3の構成における「平均寸法が200〜500μmである異物」には、最大寸法が500μmを超える異物が含まれる可能性がある。しかしながら、上に示したとおり、本件特許発明1(又は本件特許発明2)は最大寸法が500μmを超える異物を有していても良い発明と解されるから、請求項3の構成を有する本件特許発明3が、請求項1の構成(及び請求項2の構成)を有する請求項1(又は請求項2)を引用して記載していても、異物の寸法の範囲及び存在率の上限値について矛盾するものではなく、また、本件特許の明細書【0027】等の記載とも矛盾するものでもない(特許権者も意見書において、同趣旨を主張している。)。

以上のとおりであるから、本件特許の特許請求の範囲の記載は特許法36条6項2号に規定する要件を満たしている。

2 理由2(サポート要件)について

上記「1 理由1(明確性要件)について」で示したとおり、本件特許発明1は、その保護層に最大寸法が500μmを超える異物が存在する発明を含むものと解される。この点について、本件特許の発明の詳細な説明に記載された発明の課題との関係を検討する。
本件特許の明細書【0026】には、「量子ドット保護フィルム中に100μm程度の大きさを有する物質が存在すれば、人間の目で視認することができる。このような物質を有するフィルムを用いて表示装置を製造した場合、通常、表示上の欠陥となりやすい。しかし、本発明の量子ドット保護フィルムは(・・省略・・)異物を有する保護層を用いて表示装置を製造したとしても、表示上の欠陥となることを抑制することができる」との記載があるものの、さらに続けて、「一方、異物の最大寸法が500μmを超えると、表示上の欠陥となることを抑制しきれなくなることがある(・・省略・・)したがって、上記保護層には最大寸法が500μmを超える異物を有しない保護層を用いてもよい」との記載がある。さらに、最大寸法が500μmを超える異物が存在する例として示された実施例8及び実施例9において、「表示上の欠陥の有無」の結果が、本件特許発明1の要件を満たさない比較例2との対比において優れていることも記載されている。
これらの記載によれば、本件特許発明1は、その保護層に最大寸法が500μmを超える異物が存在する場合でも、少なくとも「最大寸法が100〜500μmである異物」によって生じる「ディスプレイ表示上に視認できる欠陥」を抑制することから、保護層における「表示上の欠陥」を低減する効果はあるといえる。
そして、同【0026】には、上記の効果を得るための手段(課題解決手段)として「本発明の量子ドット保護フィルムは(・・省略・・)20%以上のヘイズ値を有する」ことが記載されており、これに対応して、本件特許発明1の「量子ドット保護フィルム」は「ヘイズ値が20%以上である」という構成を具備している。

以上のとおりであるから、本件特許発明1は、発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。また、本件特許発明2〜本件特許発明8についても同様にいえるから、これらの発明も、発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。
したがって、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしている。


第4 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由について

1 特許異議の申立ての理由の概要

特許異議の申立ての理由は、概略、[A](進歩性)本件特許の特許請求の範囲の請求項1〜8に係る発明は、甲1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項に違反する、[B](明確性要件)本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない、[C](サポート要件)本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない、[D](実施可能要件)本件特許の発明の詳細な説明の記載は、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない、というものである。

2 [A](進歩性)について

(1)甲1号証の記載

本件特許の出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載されている甲1号証(国際公開第2015/025950号)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当合議体が引用発明の認定や判断等で活用した箇所を示す。

ア 「技術分野
[0001] 本発明は、光変換部材に関するものであり、詳しくは、発光効率の高い光変換部材に関するものである。
更に本発明は、この光変換部材を含むバックライトユニット、およびこのバックライトユニットを含む液晶表示装置にも関する。
・・・省略・・・
[0003] フラットパネルディスプレイ市場では、LCD性能改善として、色再現性の向上が進行している。・・・省略・・・例えば、バックライトから量子ドットを含む光変換部材に励起光が入射すると、量子ドットが励起され蛍光を発光する。
・・・省略・・・
発明が解決しようとする課題
[0005] 上記の通り、量子ドットは、色再現性の向上によりLCDの性能を改善し得る有用な材料である。しかし現状、量子ドットは安価で流通している材料ではないため、量子ドットを用いる液晶表示装置は高額になる傾向がある。そのため、液晶表示装置の低コスト化のためには、量子ドットの使用量を低減すべく、その発光効率を高めることが望ましい。
[0006] そこで本発明の目的は、量子ドットを含む光変換部材であって、高い発光効率を実現し得る光変換部材を提供することにある。」

イ 「課題を解決するための手段
[0007] 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、異なる発光特性を有する量子ドット同士が多重に吸光と発光を繰り返すことが、量子ドットを含む光変換部材の発光効率低下の原因となっていることを新たに見出した。この点について更に説明すると、例えば蛍光として赤色光を発光する第一の量子ドットと緑色光を発光する第二の量子ドットを含む光変換部材にバックライトから青色光が入射すると、第二の量子ドットが励起し発光した緑色光を、第一の量子ドットが吸収してしまう。そのため、第二の量子ドットから発光される緑色光を高効率で取り出すことができなくなり、結果的に、量子ドットによる発光の利用効率が低下してしまう。これは、吸光スペクトルが発光スペクトルよりも短波長側に広がっているという、量子ドット特有の吸収特性によるものである。
そこで本発明者らは、上記新たな知見に基づき更なる検討を重ねた結果、光変換部材において、いわゆる赤色光を発光する量子ドットAを、この量子ドットよりも短波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットに対して相対的に入射側に偏在させることにより、ある量子ドットが発光した蛍光を量子ドットAが吸収することによる発光効率低下を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
[0008] 即ち、本発明の一態様は、
入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層
を有する光変換部材であって、
上記光変換層は、
600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットAと、
量子ドットAよりも短波長帯域に発光中心波長を有する一種以上の量子ドットZと、
を含有し、
上記光変換層において、量子ドットAが、量子ドットZに対して励起光入射側に相対的に偏在している光変換部材、
に関する。
・・・省略・・・
[0016] 一態様では、上述の光変換部材は、上記光変換層の励起光入射側表面および蛍光出射側表面の少なくとも一方の表面に、酸素透過率が1.0cm2/m2/day/atm未満のバリアフィルムを有する。
[0017] 一態様では、上述の光変換部材は、蛍光出射側表面に光散乱層または光散乱構造を有する。例えば、光散乱層は、散乱粒子を含む層であり、光散乱構造とは、表面凹凸構造である。
他の一態様では、散乱粒子が、光変換層に含まれる。
・・・省略・・・
[0024] 一態様では、光変換層のヘイズは、50%以上である。
・・・省略・・・
発明の効果
[0030] 本発明によれば、量子ドットを含む、発光効率の高い光変換部材、ならびにこの光変換部材を含むバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することができる。」

ウ 「発明を実施するための形態
[0032] [光変換部材]
本発明の一態様にかかる光変換部材は、入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層を有する光変換部材である。
上記光変換層は600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットAと、量子ドットAよりも短波長帯域に発光中心波長を有する一種以上の量子ドットZと、を含有する。そして上記光変換層において、量子ドットAは、量子ドットZに対して励起光入射側に相対的に偏在している。
・・・省略・・・
[0038](光変換層)
・・・省略・・・
[0058] 図7に示す光変換部材202において、光変換層102の構成は、図2に示す光変換部材と同じであり、量子ドットとして量子ドットAのみを含む第一の量子ドット層102Aと、量子ドットとして量子ドットBのみを含む第二の量子ドット層102Bが、直接隣接して配置されている。図6に示す光変換部材201は、第二の量子ドット層102Bに隣接する層として、光散乱層(光取り出し層)22を有する。光変換部材の出射側に光散乱層を設けることにより、上記の光散乱構造を設ける場合と同様、光取り出し効率を高めることができる。
[0059] 上記光散乱層は、好ましくは、散乱体(「散乱粒子」とも記載する)が少なくともバインダー樹脂を含むマトリックス材中に分散した樹脂層である。散乱粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。散乱粒子は、光取り出し効率の更なる向上の観点からは、光散乱層全体を構成するマトリックス材との屈折率の差が0.02以上であることが好ましい。散乱粒子は、1種類の粒子のみを用いてもよく、また、複数の種類の粒子を組み合わせて用いてもよい。散乱粒子は、無機粒子であってもよく、有機粒子であってもよい。その詳細については、特開2010−198735号公報段落0022を参照できる。また、光散乱層を構成するバインダー樹脂等の各種成分および光散乱層の作製方法については、同公報段落0023〜0028、段落0033〜0035を参照できる。光散乱層の膜厚は特に制限はなく、乾燥膜厚で、例えば0.5μm〜50μm程度であるが、目的に応じて適宜選択することができる。酸素バリア性と光透過性の観点からは、1μm〜20μmの範囲であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲であることがより好ましく、3μm〜7μmの範囲であることが更に好ましい。
・・・省略・・・
[0067] 光変換層のヘイズは、量子ドットの蛍光を外部へ取り出す観点から、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。光変換層のヘイズは、例えば98%以下であるが、98%超でもよく、100%であってもよい。光変換層のヘイズが高いほど、光変換層内部での励起光の光路長が増加するため、少ない量子ドット使用量で効率よく蛍光を得ることができる。
光変換層のヘイズとは、JIS−K−7105に準じて測定される値をいい、ヘイズメーター(例えば日本電色工業(株)NDH−2000)を用いて測定することができる。
[0068] 図9に示す光変換部材203(203A、203B、203C)は、光変換層102の構成は、図2等に示す光変換部材と同様であり、光変換層102の両面に、バリアフィルム41(41A、41B)が設けられている。図10に示す光変換部材204は、光変換層105の構成は、図5に示す光変換部材と同様である。図10に示す光変換部材では、光変換層105A、105Cの両面に、バリアフィルム41(41A、41B)が設けられている。
更に、図9(a)、図10に示す光変換部材では、出射側バリアフィルム41B、31Bに直接隣接する層として、光散乱層22が設けられている。
(当合議体注:上記「31B」は、「41B」の誤記である。)
光散乱層22は、図9(a)、図10に示す出射側に位置するバリアフィルムに直接隣接する層として設けるだけでなく、図9(b)に示す光変換層102の出射側に隣接する形態、または図9(c)に示す光変換層102の入射側に隣接する形態であってもよい。また、散乱粒子を光変換層に存在させる形態であってもよい。
バリアフィルムは、好ましくは、酸素バリア性を有するフィルムであって、酸素により量子ドットが経時的に劣化し量子効率(発光効率)が低下することを防ぐ役割を果たすことができる。より詳しくは、励起光による量子ドットの光酸化反応を抑制することができる。長期にわたり高い量子効率を得る観点から、バリアフィルムとしては、酸素透過率が1cm3/m2/day/atm未満のフィルムを用いることが好ましい。なお酸素透過率の単位cm3/m2/day/atmは、cm3/(m2・day・atm)と同義であり、以下では後者の単位で表記している。このようなバリアフィルムは、有機層、無機層、または有機層と無機層の二層以上の積層フィルムであることができる。その詳細は、後述する。なお図9、図10には、光変換層の入射側、出射側にそれぞれバリアフィルムを有する構成を示したが、バリアフィルムは入射側のみに配置してもよく、出射側のみに配置してもよい。量子効率を、より長期間良好に維持する観点からは、光変換層の入射側および出射側の両方に、バリアフィルムを配置することが好ましい。
このように光散乱層とバリアフィルムを組み合わせることにより、より一層高い発光効率を、長期間維持することが可能となる。
・・・省略・・・
[0071] (バリアフィルム)
次に、上述のバリアフィルムについて説明する。
[0072] バリアフィルムの酸素透過率は、好ましくは前述の通り、1cm3/(m2・day・atm)以下、より好ましくは、0.1cm3/(m2・day・atm)以下、さらに好ましくは、0.01cm3/(m2・day・atm)以下である。
一方、バリアフィルムの水蒸気透過率は、0.5g/(m2・day)以下、中でも0.1g/(m2・day)以下、特に0.05g/(m2・day)以下であることが好ましい。水蒸気透過率が低いバリアフィルムによれば、水蒸気等の水分による量子ドットの劣化を防ぐことができる。
ここで、上記酸素透過率は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値であり、上記水蒸気透過率は、測定温度37.8℃、相対湿度100%の条件下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/31:商品名)を用いて測定した値である。
[0073] バリアフィルムは、有機または無機の単層であってもよく、二層以上の積層構造であってもよい。例えば、基材上に二層以上の有機ないし無機層を形成することにより、バリアフィルムを得ることができる。バリアフィルムの層構成としては、例えば、光変換層側から外側に向かい、基材/無機層/有機層がこの順に積層されている構成、基材/無機層/有機層/無機層がこの順に積層されている構成等を挙げることができるが、積層順序は特に限定されるものではない。
[0074] 基材としては、可視光に対して透明である透明基材であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。基材については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。基材の厚さは、耐衝撃性、バリアフィルムの製造におけるハンドリング等の観点から、10μm〜500μmの範囲内、中でも10〜200μmの範囲内、特に20〜100μmの範囲内であることが好ましい。
[0075] 無機層については、特開2007−290369号公報段落0043〜0045、特開2005−096108号公報段落0064〜0068を参照できる。無機層の膜厚は、10nm〜500nm、中でも10〜300nm、特に10〜150nmの範囲内であることが好ましい。無機層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なガスバリア性を実現しつつ、バリアフィルムにおける反射を抑制することができ、全光線透過率が低下することを抑制することができるからである。中でも、無機層は、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、または酸化窒化珪素膜であることが好ましい。これらの膜は、有機膜との密着性が良好であることから、より一層良好なガスバリア性を実現することができるからである。
[0076] 有機層については、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機層は、カルドボリマーを含むことが好ましい。これにより、有機層と隣接する層または基材との密着性、特に、無機層とも密着性が良好になり、より一層優れたガスバリア性を実現することができるからである。
・・・省略・・・
[0092] バックライトユニットは、少なくとも、上記光変換部材とともに、光源を含む。一態様では、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、例えば、青色光を発光する青色発光ダイオードを用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、光変換層には、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する量子ドットAと、緑色光を発光する量子ドットBが含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され光変換部材を透過した青色光と、光変換部材から発光される赤色光および緑色光により、白色光を具現化することができる。
または他の態様では、光源として、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する紫外光を発光するもの、例えば、紫外光発光ダイオードを用いることができる。この場合、光変換層には、量子ドットA、Bとともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドットCが含まれることが好ましい。これにより、光変換部材から発光される赤色光、緑色光および青色光により、白色光を具現化することができる。
[0093](バックライトユニットの構成)
バックライトユニットの構成としては、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であることができる。図1には、エッジライト方式のバックライトユニットの例を示したが、本発明の一態様にかかるバックライトユニットは、直下型方式であっても構わない。導光板としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。
[0094] また、バックライトユニットは、光源の後部に、反射部材を備えることもできる。このような反射部材としては特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
[0095] バックライトユニットが、青色光のうち500nmよりも短波長の光(好ましくは460nmよりも短波長の光)を選択的に透過する青色用波長選択フィルタを有することも、好ましい。
また、バックライトユニットが、赤色光のうち500nmよりも長波長の光(好ましくは630nmよりも長波長の光)を選択的に透過する赤色用波長選択フィルタを有することも、好ましい。
このような青色用波長選択フィルタや赤色用波長選択フィルタとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。そのようなフィルタは、特開2008−52067号公報などに記載されており、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
[0096] バックライトユニットは、その他、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズなど)、導光器を備えていることも好ましい。その他の部材についても、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。」

エ 「実施例
・・・省略・・・
[0113] [実施例1(図2に示す光変換部材の作製)]
1.量子ドット含有重合性組成物の調製
重合性組成物A100mgに対して、量子ドットのトルエン分散液を量子ドットAが表1に記載の濃度になるように添加し、減圧乾燥を30分行った。量子ドットが分散されるまで、撹拌を行い、分散液Aを得た。
重合性組成物A500mgに対して、量子ドットのトルエン分散液を量子ドットBが表1に記載の濃度になるように添加し、減圧乾燥を30分行った。量子ドットが分散されるまで、撹拌を行い、分散液Bを得た。
[0114] 2.光変換層102の作製
ガラス板状に、分散液Bを表2に記載の膜厚になるように塗布し、ガラス板状に感光層を形成した。感光層に対し、空気面側から、UV露光機(HOYA CANDEO OPTRONICS社製EXECURE 3000W)を用いて、窒素雰囲気下で、5J/cm2で露光して、上記感光層を硬化させ、露光膜(量子ドット層102B)を得た。得られた露光膜に分散液Aを、表2に記載の膜厚になるように塗布し、感光層を形成した。感光層に対し、上記条件で露光した後、硬化膜をガラス板から剥離し、光変換部材(光変換層102)を得た。
・・・省略・・・
[0127][実施例6(図7に示す光変換部材の作製)]
1.光散乱層用塗布液の調製
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JSR(株)製JN−7228)93質量部に、固形分濃度30質量部のSi02ゾル(平均粒径10〜20nm)のメチルエチルケトン(MEK)分散物(日産化学(株)製MEK−ST)8質量部、およびメチルエチルケトン100質量部を添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光散乱層用塗布液を調製した。
[0128]2.光変換部材の作製
PETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4300、厚み100μm)上に、上記1.で調製した光散乱層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥した後、さらに120℃で10分間熱架橋し、厚さ1.2μmの光散乱層を形成した。その後、実施例1と同様の方法で作製した光変換層102の量子ドット層102B表面に、アクリル系接着剤を介して貼合し、図7に示す光変換部材を得た。
・・・省略・・・
[0130] [実施例8(図9aに示す光変換部材の作製)]
1.バリアフィルムの作製
(1)無機膜の作製
透明基材としてPETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4300、厚み100μm、屈折率nu(535):1.62)を用い、マグネトロンスパッタリング装置のチャンバー内に配置した。ターゲットには窒化珪素を使用し、以下の成膜条件で、酸化窒化珪素の膜厚が25nmになるように成膜を行った。
成膜圧力:2.5×10−1Pa
アルゴンガス流量:20sccm
窒素ガス流量:9sccm
周波数:13.56MHz
電力:1.2kW
(当合議体注:「製膜圧力」「2.5×10−1Pa」は、「2.5×10−1Pa」の誤記である。)
(2)有機膜の作製
上記(1)で得た無機膜の上に、フルオレンを骨格とするカルドボリマーを有する樹脂をスピンコート法にて塗布し、160℃で1時間加熱することにより、有機膜を形成した。有機膜の膜厚は1μmであった。このようにして、バリアフィルム41Aおよびバリアフィルム41Bを得た。なお、得られたバリアフィルムのバリア特性を前述の方法で測定したところ、酸素透過率は、0.5cm3/(m2・day)以下、水蒸気透過率は0.5g/(m2・day)以下であった。
[0131]2.光変換部材の作製
実施例1と同様の方法で作製した光変換層102の量子ドット層102Aと、上記1.で作製したバリアフィルム41Aとを、屈折率1.47のアクリル系接着剤を用いて貼り合わせた。
次いで、実施例6で調製した光散乱層用塗布液を用いて、バリアフィルム41Bの透明基材表面に、実施例6と同様の方法で厚さ1.2μmの光散乱層22を形成した。
その後、光変換層102の量子ドット層102Bと、上記光散乱層22付きバリアフィルム41Bとを、光散乱層が空気界面側となるように、屈折率1.47のアクリル系接着剤を用いて貼り合わせた。
こうして、光変換部材(光学変換部材203A)を得た。
・・・省略・・・
[0134]評価方法
1.量子効率
・・・省略・・・
2.取り出し効率
量子効率の測定に用いた光源上に、ガラス板を介して実施例、比較例の光変換部材を光源に対して水平に、かつ対応する図中の最下方の層が光源側となる向きに配置した。光源および光変換部材に対する法線上に、光変換部材から740mmの距離に、輝度計 (TOPCON社製SR3)を設置し、1゜視野にて透過および励起光の測定を行った。
また、リファレンスとして量子ドットを含まない、バインダーのみからなるサンプルを、同様に測定した。光変換部材とバインダーのみからなるサンプルの、輝度の全波長積分値の比を、取り出し効率とした。
このように測定した取り出し効率について、以下の基準で評点を付け、表4に記載した。
B:実施例1に対する向上率が10%未満であった。
A:実施例1に対して10%以上の向上が見られた。
S:実施例1に対して20%以上の向上が見られた。
3.耐久試験後の量子効率
・・・省略・・・
[0135][表4]

[0136]評価結果
・・・省略・・・
また、図4に示す結果から、光変換部材の出射側に光散乱構造または光散乱層を設けることにより、取り出し効率の向上が可能であること、および、バリアフィルムを設けることにより、量子効率の経時変化(低下)を防ぐことができることが、確認できる。」
(当合議体注:「図4」は、「表4」の誤記である。)

オ「[0137][実施例11]
量子ドット含有重合性組成物である分散液A、Bに、それぞれシリカ粒子(屈折率1.45、粒径2μm)を加えた他は、実施例1と同様の方法で、実施例11に記載の光変換部材を得た。バインダーの屈折率は、多波長アッベ屈折計(アタゴ(株)製DR−M2)にて測定した。
・・・省略・・・
[0146][実施例24〜28]
量子ドット含有重合性組成物である分散液A、Bに、ポリスチレン粒子(屈折率1.60、粒径2μm)を、それぞれ添加量を変えながら加えた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例24〜28に記載の光変換部材を得た。得られた光変換部材のヘイズを測定したところ、表10に記載の値であった。
[0147]評価方法
1.取り出し効率
前述と同様に測定および評価した。結果を、表5〜表10に記載した。
・・・省略・・・
[0153]
[表10]

[0154]評価結果
表5〜表10に示す結果から、光変換層に散乱粒子が存在することにより、光取り出し効率が向上することが確認できる。」

カ「[図2]



キ「[図7]



ク「[図9]




(2)甲1発明

ア 甲1号証の[0068]及び図9(a)には、光変換部材の一態様として、「光変換層102の両面に、バリアフィルム41(41A、41B)が設けられ」、「出射側バリアフィルム41B」「に直接隣接する層として、光散乱層22が設けられている」「光変換部材203A」が記載されている。そして、上記バリアフィルム41は、「酸素バリア性を有するフィルムであって、酸素により量子ドットが経時的に劣化し量子効率(発光効率)が低下することを防ぐ役割を果たすことできる」ものが好ましいと記載されている。

イ また、甲1号証の[0130]〜[0131]には、実施例8として、上記態様を具体化した、光変換部材203Aが記載されている。

ウ 以上勘案すると、甲1号証には、実施例8として、次の「光散乱層22付きバリアフィルム41B」の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。なお、甲1の「PETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4300、厚み100μm)」([0128])、「透明基材として」の「PETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4300、厚み100μm、屈折率nu(535):1.62)([0130])及び「透明基材」([0131])は、同一のものを意味しているところ、以下では、「透明基材(PETフィルム)」に用語を統一した。

「 光散乱層用塗布液を用いて、バリアフィルム41Bの透明基材(PETフィルム)表面に、厚さ1.2μmの光散乱層22を形成した、光散乱層22付きバリアフィルム41Bであって、
光変換層102の量子ドット層102Bと、光散乱層22が空気界面側となるように貼り合わされるものであり、酸素により量子ドットが経時的に劣化することを防ぐ役割を果たす、光散乱層22付きバリアフィルム41B。
ここで、上記光散乱層用塗布液、上記バリアフィルム41B及び上記光散乱層22の形成方法は、以下のものである。

[A]光散乱層用塗布液:
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JSR(株)製JN−7228)93質量部に、固形分濃度30質量部のSi02ゾル(平均粒径10〜20nm)のメチルエチルケトン(MEK)分散物(日産化学(株)製MEK−ST)8質量部、およびメチルエチルケトン100質量部を添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、調製したもの。

[B]バリアフィルム41B:
(1)透明基材(PETフィルム)を用い、マグネトロンスパッタリング装置のチャンバー内に配置し、ターゲットには窒化珪素を使用し、以下の成膜条件で、酸化窒化珪素の膜厚が25nmになるように成膜を行い、
成膜圧力:2.5×10−1Pa
アルゴンガス流量:20sccm
窒素ガス流量:9sccm
周波数:13.56MHz
電力:1.2kW
(2)上記(1)で得た無機膜(酸化窒化珪素の膜)の上に、フルオレンを骨格とするカルドボリマーを有する樹脂をスピンコート法にて塗布し、160℃で1時間加熱することにより、有機膜(膜厚は1μm)を形成して得たものであって、酸素透過率は、0.5cm3/(m2・day)以下、水蒸気透過率は0.5g/(m2・day)以下である。

[C]光散乱層22の形成方法:
透明基材(PETフィルム)上に、上記[A]の光散乱層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥した後、さらに120℃で10分間熱架橋し、形成する方法。」

(3)本件特許発明1についての当合議体の判断

ア 対比
本件特許発明1と甲1発明を対比すると、以下のとおりとなる。

(ア)基材層、無機薄膜層、ガスバリア性被覆層
甲1発明の「透明基材(PETフィルム)」、「無機膜」及び「有機膜」は、いずれも「バリアフィルム41B」に含まれる層(「かさなりをなすものの一つ」(広辞苑第六版))である。
また、甲1発明の「無機膜」は、「透明基材(PETフィルム)を用い、マグネトロンスパッタリング装置のチャンバー内に配置し、ターゲットには窒化珪素を使用し」、「酸化窒化珪素の膜厚が25nmになるように成膜を行い」「得た」ものであるから、その膜厚からみて薄膜といえる。
さらに、甲1発明の「有機膜」は、「無機膜(酸化窒化珪素の膜)の上に、フルオレンを骨格とするカルドボリマーを有する樹脂をスピンコート法にて塗布し、160℃で1時間加熱することにより、有機膜(膜厚は1μm)を形成して得たもの」である。上記形成方法からみて、甲1発明の「有機膜」は、「無機膜」を覆う膜といえる。また、上記「有機膜」は、「酸素透過率」「0.5cm3/(m2・day)以下」、「水蒸気透過率」「0.5g/(m2・day)以下であ」り「酸素により量子ドットが経時的に劣化することを防ぐ役割を果たす」「バリアフィルム41B」に含まれ、その材質及び膜厚から、ガスバリア性を有していることは明らかである。
以上によれば、甲1発明の「透明基材(PETフィルム)」、「無機膜」及び「有機膜」は、それぞれ本件特許発明1の「基材層」、「無機薄膜層」及び「ガスバリア性被覆層」に相当する。

(イ)バリア層
甲1発明の「バリアフィルム41B」は、「(1)透明基材(PETフィルム)を用い、マグネトロンスパッタリング装置のチャンバー内に配置し、ターゲットには窒化珪素を使用し、酸化窒化珪素の膜厚が25nmになるように成膜を行い」、「(2)上記(1)で得た無機膜(酸化窒化珪素の膜)の上に、フルオレンを骨格とするカルドボリマーを有する樹脂をスピンコート法にて塗布し、160℃で1時間加熱することにより、有機膜(膜厚は1μm)を形成して得たものであって、酸素透過率は、0.5cm3/(m2・day)以下、水蒸気透過率は0.5g/(m2・day)以下である」。
「バリアフィルム41B」の上記構成及び機能並びに上記(ア)の対比結果から、甲1発明の「無機膜」及び「有機膜」は、本件特許発明1の「バリア層」に相当するとともに、「基材層上に無機薄膜層、ガスバリア性被覆層の順に積層してなる」という要件を満たす。

(ウ)バリアフィルム、保護層
甲1発明の「バリアフィルム41B」は、上記(イ)から理解されるように、「透明基材(PETフィルム)」に「無機膜」及び「有機膜」を積層した構造を具備する。
上記構造及び上記(イ)の対比結果から、甲1発明の「バリアフィルム41B」は、本件特許発明1の「基材層とバリア層とを積層したバリアフィルム」に相当する。
また、甲1発明の「バリアフィルム41B」は、上記(ア)で述べたとおり、「酸素により量子ドットが経時的に劣化することを防ぐ役割を果たす」。
上記機能に着目すれば、甲1発明の「バリアフィルム41B」は、本件特許発明1の「保護層」に相当するといえる。

(エ)コーティング層
甲1発明の「光散乱層22」は、「透明基材(PETフィルム)上に、」「光散乱層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し・・・省略・・・形成する方法」で「形成した」ものである。ここで、上記「透明基材(PETフィルム)」の被塗布面は、上記(ウ)によれば、本件特許発明1の「保護層」の一方の面である。
そうしてみると、甲1発明の「光散乱層22」は、本件特許発明1において、「保護層の一方の面上に形成された」とされる、「コーティング層」に相当する。

(オ)量子ドット保護フィルム
甲1発明の「光散乱層22付きバリアフィルム41B」は、「光変換層102の量子ドット層102Bと、光散乱層22が空気界面側となるように貼り合わされるものであり、酸素により量子ドットが経時的に劣化することを防ぐ役割を果たす」。
また、甲1号証の[0003]に記載されているように、量子ドットが、励起光が入射すると、量子ドットが励起され蛍光を発光する発光体に該当することは技術常識である。
以上によれば、甲1発明の「光散乱層22付きバリアフィルム41B」は、本件特許発明1の「量子ドット保護フィルム」に相当し、「蛍光体を封止するための」という要件を満たす。

イ 一致点及び相違点

(ア)一致点
本件特許発明1と甲1発明は、次の構成で一致する。
「蛍光体を封止するための量子ドット保護フィルムであって、
保護層と、該保護層の一方の面上に形成されたコーティング層とを備え、
前記保護層が、基材層とバリア層とを積層したバリアフィルムを含み、
前記バリア層が、前記基材層上に無機薄膜層、ガスバリア性被覆層の順に積層してなる
量子ドット保護フィルム。」

(イ)相違点
本件特許発明1と甲1発明は、以下の点で相違する。
(相違点1)
「最大寸法が100〜500μmである異物」を、本件特許発明1の保護層は「有する」とともに、その「存在率」が「0.01〜5.0個/m2」に特定されているのに対し、甲1発明の保護層は、そのような異物を有するか否かが一応明らかでない点。
(相違点2)
量子ドット保護フィルムの「全光線透過率」と「450nmでの分光透過率」が、本件特許発明1では、それぞれ「80%以上」と「70%以上」に特定されているのに対し、甲1発明では、その値が明らかでない点。
(相違点3)
量子ドット保護フィルムの「ヘイズ値」が、本件特許発明1では、「20%以上」に特定されているのに対し、甲1発明では、その値が明らかでない点。

ウ 判断
事案に鑑み、相違点3について検討する。
(ア)甲1発明の「光散乱層22付きバリアフィルム41B」のヘイズ値への寄与は、その積層構造と材料からみて「光散乱層22」が支配的といえる。そして、「光散乱層22」は、「屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JSR(株)製JN−7228)93質量部に、固形分濃度30質量部のSi02ゾル(平均粒径10〜20nm)のメチルエチルケトン(MEK)分散物(日産化学(株)製MEK−ST)8質量部、およびメチルエチルケトン100質量部を添加」して「形成した」ものである。
他方、例えば、本件特許の明細書の【0077】〜【0078】、【0080】から理解される、実施例3の「量子ドット保護フィルム」は、アクリル樹脂100質量部とシリカ粒子(平均粒子径:2.0μm)10質量部からなる組成物を塗布して形成したコーティング層9を有し、ヘイズ値は25%である。(【0099】【表1】)。
ここで、バインダ樹脂と微粒子を含んで構成される層のヘイズ値が、微粒子の粒径及び含有量並びに微粒子とバインダ(樹脂)との屈折率差等の諸条件に大きく依存することは技術常識であるところ、甲1発明の「光散乱層22付きバリアフィルム41B」と、本件特許の実施例3の上記「量子ドット保護フィルム」(ヘイズ値:25%)とは、上記諸条件において大きく相違する。
以上によれば、甲1発明の「光散乱層22付きバリアフィルム41B」が、「ヘイズ値が20%以上」との要件を満たす蓋然性が高いということはできない。
したがって、相違点3は実質的な相違点である。

(イ)次に、相違点3が当業者が容易に想到し得たといえるかについて検討する。甲1号証には、「バリアフィルム」と「光散乱層」を合わせた構成(本件特許発明1の「量子ドット保護フィルム」に相当する構成)のヘイズ値についての記載はない。また、ヘイズに関しては、特許異議申立人が、特許異議申立書の申立ての理由において主張するように、甲1号証の[0067]に記載がある。しかしながら、同段落に記載されたヘイズは、光変換層のヘイズであって、「バリアフィルム」と「光散乱層」のヘイズではないし、また、「光変換層」のヘイズと、「バリアフィルム」と「光散乱層」のヘイズとが同一視(代替)し得ることを示唆するものでもない。
さらに、甲1号証の[0060]には、「光取り出し効率向上のための構成として、散乱粒子を含む光散乱層を設ける」ことが記載されているところ、光取り出し効率に関して、甲1号証の[0153]〜[0154]には、光変換層に散乱粒子が存在することで向上することができたこと(例えば、実施例26〜28は「取り出し効率」が「S」評価である。)が記載されている。そうすると、当該記載に接した当業者は、甲1発明において、さらに光取り出し効率(「A」評価:[0135][表4]の実施例8参照。)を向上させるためには、「バリアフィルム」や「光散乱層」のヘイズよりも、光変換層のヘイズを大きくする手段をまず優先的に採用すると考えられる。
したがって、甲1号証の[0060]の記載は、相違点3を示唆するものとはいえない。
また、そもそも、甲1号証に記載された発明(甲1発明に限らない)は、甲1号証の[0006]〜[0007](上記「(1)イ」)に記載されているように、「赤色光を発光する量子ドットを、この量子ドットよりも短波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットに対して相対的に入射側に偏在させる」という手段を採用することによって、発光効率低下を抑制し、[0005]の課題(量子ドットの使用量を低減すべく、その発光効率を高める)を解決するものである。加えて、甲1号証の[0067]には、「光変換層のヘイズが高いほど、光変換内部での励起光の光路長が増加するため、少ない量子ドット使用量で効率よく蛍光を得ることができる。」と記載されている。以上によれば、甲1発明において、さらに光取り出し効率向上を検討する当業者は、まずは、光変換層に着目するのが自然な選択である。

特許異議申立人は、さらに、甲4号証(特開2014−48427号公報)を示して、光源装置に用いられる光拡散シートにおいて「ヘイズを60%以上とすることが記載されている」と主張する。しかしながら、甲1号証では、「光変換層において発光された光は、屈折率の異なる隣接層界面に入射する角度によっては全反射を起こし、表示装置内部を導波してしまい、光取り出し効率(以下、「取り出し効率」とも記載する。)が低下してしまう。そこで、光散乱構造を出射側に設け、光取り出し効率を向上させる」([0057])と説明しており、「光散乱層(光取り出し層)22」は、全反射を起こさない構造を志向しているのであって、拡散光の割合を増やすことを主目的としていないから、甲1発明の光散乱層の設計において、光源装置に用いられる光拡散シートのヘイズ値の手法を転用できるとは、俄にはいえない。また、甲1発明において、光取り出し効率向上という課題に対しては、当業者は、光変換層のヘイズを大きくすることをまず優先的に考えることは、既に述べたとおりである。
一方、本件特許発明1は、量子ドット保護フィルムにおいて、そのヘイズ値を「20%以上」とすることにより、量子ドット保護フィルムに固有の効果、すなわち、その「保護層における最大寸法が100〜500μmである異物の存在率が0.01〜5.0個/m2」であっても、当該異物によって生じる「ディスプレイ表示上に視認できる欠陥を低減することが可能な、量子ドット保護フィルム、波長変換シート及びバックライトユニットを提供することができる」(本件特許の明細書の【0022】)という、甲1号証及び甲4号証からは予期し得ない効果を奏するに至る。

以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、たとえ当業者であっても、甲1号証に記載された発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということができない。


(4)本件特許発明2〜8について
本件特許発明2〜8は、本件特許発明1の構成を全て具備するものであるから、本件特許発明2〜8も、本件特許発明1と同じ理由により、当業者であっても、甲1号証に記載された発明及び周知の技術に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

(5)特許異議申立人が主張する甲1号証に記載された発明

審判請求人は審判請求書において、甲1号証には次の発明が記載されている旨を主張している。

「a.蛍光体を封止するための量子ドット保護フィルムであって、
b−1.保護層と、
b−2.該保護層の一方の面上に形成されたコーティング層とを備え、
c.前記保護層が、基材と無機層/有機層とを積層したバリアフィルム41Bを含み、
前記無機層/有機層が、前記基材上に無機薄膜層、ガスバリア性被覆層の順に積層してなり、(段落73)
d.全光線透過率が80%以上であり、
450nmでの分光透過率が70%以上であり、
ヘイズ値が20%以上である、(段落67)
e.量子ドット保護フィルム。」

しかしながら、上記(3)ウ(イ)でも説示したとおり、甲1号証の[0067]に記載されたヘイズ値は、光変換層のヘイズ値であって、量子ドット保護フィルムに相当する「光散乱層22付きバリアフィルム41B」のヘイズ値ではないし、また、「光変換層」のヘイズと「光散乱層22付きバリアフィルム41B」のヘイズとは同一視(代替)し得るものでもない。
したがって、甲1号証に記載の発明に関する特許異議申立人の上記主張は採用できない。

(6)小括
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由[A](進歩性)を採用することはできない。

3 理由[B](明確性要件)、[C](サポート要件)、[D](実施可能要件)について

(1)特許異議申立人は、特許異議申立書の(4−4−1)のア.において、請求項1に記載の「異物の存在率」について「計数対象が不明確」であり(「例えば、複数ある異物のうち(・・省略・・)最大寸法の異物1個のみ」を対象とするのか否か)、また、「最大寸法」の定義がなされていない等の理由から、請求項1の記載は不明瞭であり、又は発明の詳細な説明は当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない旨を主張している。
しかしながら、本件特許の明細書【0027】に記載された「最大寸法」と「平均寸法」の関係についての説明、並びに同【0087】に記載された異物の存在率の検出方法に関する説明からすれば、「最大寸法」が意味するところは当業者に明らかである。そして、同【0026】に記載された「100μm程度の大きさを有する物質が存在すれば、人間の目で視認することができる。このような物質を有するフィルムを用いて表示装置を製造した場合、通常、表示上の欠陥となりやすい。」旨の説明に基づけば、「最大寸法が100〜500μm」の条件を満たしている複数の異物のうち、特定の異物のみを計数対象をするものではないことは技術的に明らかであって、当業者は対象となる異物の個数を計数できるから、「異物の存在率」の意味が不明確ということはできない。同様に、発明の詳細な説明が、当業者が実施できる明確かつ十分に程度に記載されていないということもできない。

また、本件特許の請求項1に記載された範囲の異物存在率を満たす保護層について、「当該範囲の異物存在率を実現するための具体的手段」並びに「異物を低減させるための課題解決手段」及び「実施例」が、発明の詳細な説明において当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されておらず、課題解決手段が不明確であるとともに、本件特許発明1は発明の詳細な説明によってサポートされていない旨も、同イ.並びにウ.及びエ.において主張している。
しかしながら、「当該範囲の異物存在率」の保護層は、本件特許の明細書における実施例等の記載からみても、当業者が通常の手段によって得ることができるものと理解できる。そして、本件特許の明細書【0026】の記載や、同【0029】の「異物の存在率が小さければ、表示装置を製造した際の表示上の欠陥も少なくなるが、本発明の特徴は仮に保護層が上記最大寸法を有する異物を上記存在率で有していたとしても、表示上の欠陥となることを抑制できる点にある」との記載によれば、本件特許発明1は、保護層において異物を低減することや、所定範囲の異物存在率を実現することを課題としてなされた発明ではなく、保護層の異物存在率が所定範囲にあることを前提としたときに、その表示上の欠陥を抑制することを課題としてなされた発明と認められるから、これとは異なる課題を前提とした特許異議申立人の主張は採用できない。
また、特許異議申立人は、実施例1〜6について「現物の異物数を減らしてカウントしている」ことも主張しているが、仮にそうであるとしても、現物の異物数は多いことになり、そのような現物を前提として、表示上の欠陥を抑制するという課題を各実施例では解決できていると理解されるにすぎない。

本件特許発明2〜8に基づいて検討しても、同様である。

(2)同じく(4−4−2)において主張する、「最大寸法が500μm以上の異物の存在率が不明である」との点、及び、本件特許発明3が本件特許発明1と「矛盾する」との点については、上記「第3」の「1 理由1(明確性要件)について」で示したとおりである。

(3)同じく(4−4−3)において、請求項1に記載の「0.01〜5.0個/m2」の数値範囲の臨界的意義が不明瞭である旨を主張している。
しかしながら、当該数値範囲の技術的意義については、本件特許の明細書【0029】に「異物の存在率が小さければ、表示装置を製造した際の表示上の欠陥も少なくなるが、本発明の特徴は仮に保護層が上記最大寸法を有する異物を上記存在率で有していたとしても、表示上の欠陥となることを抑制できる点にある」と記載されていることから、当業者であれば、本件特許発明1の構成によって、「上記最大寸法を有する異物」を原因とした「表示上の欠陥」を抑制できる存在率の範囲が、当該数値範囲であることを理解できる。
本件特許発明2〜8に基づいて検討しても、同様である。
なお、上記(1)で示したとおり、本件特許発明1〜8は、保護層における異物の低減(異物を0にすること)を課題としてなされた発明ではないから、そのような課題を前提とした特許異議申立人の主張は採用できない。

(4)同じく(4−4−4)において、請求項1に記載の「最大寸法が100〜500μm」の数値範囲の臨界的意義が不明瞭である旨を主張している。
しかしながら、本件特許の明細書【0026】に「100μm程度の大きさを有する物質が存在すれば、人間の目で視認することができる」、「異物の最大寸法が500μmを超えると、表示上の欠陥となることを抑制しきれなくなることがある」と記載されており、当業者は当該記載から、当該数値範囲の技術的意義を理解できる。なお、「最大寸法が500μm以上の異物」の存否に関しては、上記「第3」の「1 理由1(明確性要件)について」及び「2 理由2(サポート要件)について」で示したとおりである。

(5)同じく(4−4−5)における本件特許発明2に対する主張については、上記(1)〜(4)や、上記「第3」の「1 理由1(明確性要件)について」で示した判断と同様である。

(6)同じく(4−4−6)における本件特許発明3に対する主張については、上記「第3」の「1 理由1(明確性要件)について」で示したとおりであり、また、上記(1)、(3)、(4)と同様である。

(7)同じく(4−4−7)における本件特許発明4に対する主張については、上記(3)、(4)と同様である。

(8)同じく(4−4−8)において、複数の実施例の間で異物存在率が矛盾していること、及び異物存在率の作用機序が不明確であることを挙げて、発明の詳細な説明は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない旨を主張している。
しかしながら、上記(1)で示したとおり、本件特許発明1〜8は、保護層における異物を低減することや、所定範囲の異物存在率を実現することを課題としてなされた発明ではない。そして、複数の実施例について、その異物存在率の多寡や作用機序について、仮に十分な説明がなされていないとしても、異物存在率が所定範囲にある保護層を実際に採用した各実施例において表示上の欠陥が抑制できていることが確認でき、したがって、当業者は、本件特許発明1〜8の要件によって発明の課題が解決できることを理解できる。

(9)同じく(4−4−9)において、無機薄膜層について特定の無機材料による実施例しか記載されておらず、本件特許発明1は、サポート要件に違反する旨を主張している。
しかしながら、当業者において、バリアフィルムのバリア層において積層する無機材料としては多様な材料が一般的に知られており、ガスバリア性を有する「無機層」として一般化して理解されているから(必要であれば、甲1号証の[0075]を参照)、当業者であれば、発明の詳細な説明の記載を本件特許発明1の範囲まで拡張ないし一般化できる。
また、「無機材料によって異物の特性は異なる」ことも主張する。仮にそうであるとしても、本件特許発明1は、上記(1)で示したとおり異物の低減等を課題としてなされた発明ではないから、当業者は、異物の特性の異同に関わらず、本件特許発明1に記載の要件が満たされることを前提として、発明の課題は解決できることを理解できる。
本件特許発明2〜8に基づいて検討しても、同様である。

(10)同じく(4−4−10)において、コーティング層について特定の実施例しか記載されておらず、本件特許発明1は、サポート要件に違反する旨を主張している。
しかしながら、本件特許の明細書【0050】〜【0053】に、コーティング層の表面に凹凸を付与する手法が説明されており、また、所定のヘイズ値を得る目的でその表面の凹凸を調整することは技術常識であるから、当業者であれば、発明の詳細な説明の記載を本件特許発明1の範囲まで拡張ないし一般化できる。
また、「比較例7と差別化できておらず」とも主張する(当合議体注:「比較例7」は、同【表1】の「参考例7」のことと認める)。しかしながら、比較例7(参考例7)は、「ヘイズ値が20%以上である」という本件特許発明1の要件を満たし、「表示上の欠陥」を抑制するという発明の課題を解決しているものであることを、同【表1】の記載から当業者は理解でき、他方で、同【0100】に記載された「導光板を傷つけてしまうおそれがある」との観点から、実施例とは区別して、参考例に位置づけていることを当業者は理解できる。

(11)以上のとおりであるから、特許異議申立人が特許異議申立書で主張する(4−4−1)〜(4−4−10)について検討しても、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が明確であり、かつ発明の詳細な説明に記載したものであり、また、発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件特許発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。
よって、特許異議の申立ての理由[B](明確性要件)、[C](サポート要件)、[D](実施可能要件)を採用することはできない。


第5 むすび

したがって、本件特許は、取消理由通知書に記載した取消しの理由及び特許異議申立書に記載された特許異議の申立ての理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2022-01-04 
出願番号 P2017-510259
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G02B)
P 1 651・ 536- Y (G02B)
P 1 651・ 537- Y (G02B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 里村 利光
特許庁審判官 河原 正
榎本 吉孝
登録日 2020-09-07 
登録番号 6760268
権利者 凸版印刷株式会社
発明の名称 量子ドット保護フィルム並びにこれを用いて得られる波長変換シート及びバックライトユニット  
代理人 黒木 義樹  
代理人 鈴木 洋平  
代理人 ▲高▼木 邦夫  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 吉住 和之  
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