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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 特39条先願 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1382023
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-09-18 
確定日 2022-03-01 
事件の表示 特願2018−218746号「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成31年2月14日出願公開、特開2019−22831号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成27年6月25日に出願された特願2015−127585号(以下、「原出願」という。)の一部を平成30年11月22日に新たな特許出願(特願2018−218746号)としたものであって、令和1年11月1日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年1月9日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年6月18日付けで拒絶査定がされた。これに対し同年9月18日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、これに対して、令和3年7月20日付けで当審において拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年9月22日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和3年9月22日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(符号A〜AKは、本願発明を分説するため当審で付した。)。

(本願発明)
「【請求項1】
A 発光手段と、
B 表示手段と、
C 音出力手段と、
を備えた遊技台であって、
D 前記発光手段は、或る演出を行うことが可能な手段であり、
E 前記或る演出は、遊技者による前記発光手段の輝度を設定する操作(以下、「輝度設定操作」という。)に応じた第一の設定値で行われる演出であり、
F 前記発光手段は、報知(以下、「第一の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
G 前記第一の報知は、第二の設定値で行われる報知であり、
H 前記第二の設定値は、前記第一の設定値以上の値の設定値であり、
I 前記表示手段は、複数種類の表示を表示可能な手段であり、
J 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、
K 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第二の表示であり、
L 或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記発光手段により前記第一の報知が行われ、
M 前記発光手段により前記第一の報知が行われていても、前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が表示可能であり、
N 前記輝度設定表示は、少なくとも前記第一の設定値に関する情報を含む表示であり、
O 前記第二の表示は、或る報知を行う報知表示であり、
P 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記或る演出が行われ、
Q 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記輝度設定表示が表示可能であり、
R 前記輝度設定操作により前記表示手段のバックライトの輝度の調整が可能であり、
S 特別図柄の変動表示を表示可能な特図表示手段を備え、
T 前記表示手段は、装飾図柄の変動表示を表示可能な手段であり、
U 前記特別図柄の変動表示の開始に応じて前記装飾図柄の変動表示が開始可能であり、
V 前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記特図表示手段の輝度は変化せず、
W 前記音出力手段は、或る音を出力することが可能な手段であり、
X 前記或る音は、遊技者による前記音出力手段の音量を設定する操作に応じた第三の設定値で出力される音であり、
Y 前記音出力手段は、報知(以下、「第二の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
Z 前記第二の報知は、第四の設定値で行われる報知であり、
AA 前記第四の設定値は、前記第三の設定値以上の値の設定値であり、
AB 前記或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記音出力手段により前記第二の報知が行われ、
AC 前記音出力手段により前記第二の報知が行われていても、前記表示手段において前記音量の設定に関する表示(以下、「音量設定表示」という。)が表示可能であり、
AD 前記音量設定表示は、少なくとも前記第三の設定値に関する情報を含む表示であり、
AE 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第三の表示であり、
AF 前記第三の表示は、前記第二の表示とは別の、或る報知を行う報知表示であり、
AG 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ、
AH 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記音量設定表示が表示可能であり、
AI 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により該第二の表示に対応する前記第二の報知は行わず、
AJ 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わない、
AK ことを特徴とする遊技台。」

3 拒絶の理由の概要
(1) 原査定の拒絶の理由の概要は、
この出願の請求項1−2に係る発明は、同日出願された下記の出願に係る発明と同一と認められ、かつ、下記の出願のうち少なくとも一の出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

・請求項 1、2
・引用文献等 1、4
本願の手続補正後の請求項1、2に係る発明は、依然として、同日出願1の請求項1に係る発明と実質的に同一である。

・請求項 1、2
・引用文献等 2、4
本願の手続補正後の請求項1、2に係る発明は、同日出願2の請求項1、2に係る発明と実質的に同一である。

・請求項 1、2
・引用文献等 3、4
本願の手続補正後の請求項1、2に係る発明は、同日出願3の請求項1、2に係る発明と実質的に同一である。

1.特願2015−127584号(特許第6547172号公報)
(以下、「同日出願1」という。)
2.特願2018−218747号(特開2019−022832号)
(以下、「同日出願2」という。)
3.特願2018−218748号(特開2019−022833号)
(以下、「同日出願3」という。)
4.特開2015−51140号公報(周知技術を示す文献)

(2) また、当審拒絶理由の概要は、
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないというものである。

4 同日出願された出願に係る発明
(1) 同日出願1(特願2015−127584号)
同日出願1は、原出願の出願日と同日に出願され、令和1年5月21日付けで特許査定がされ、同年7月5日に設定の登録がされて協議を行うことができないものであって、その請求項1に係る発明は、特許第6547172号公報の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、請求項1に係る発明を「同日発明1」という。また、符号は、本願発明の符号に概ね対応させて当審で付した。)。

(同日発明1)
「【請求項1】
A 発光手段と、
B 表示手段と、
を備えた遊技台であって、
DE′前記発光手段は、遊技者による該発光手段の輝度を設定する操作(以下、「輝度設定操作」という。)に応じた設定値で第一の発光演出を行うことが可能な手段であり、
H′前記設定値は、第一の設定値と、該第一の設定値以上の値の第二の設定値と、を含み、
I′前記表示手段は、複数種類の報知表示を少なくとも表示可能な手段であり、
J′前記複数種類の報知表示のうちの一の種類の報知表示は、第一の報知表示であり、
K′前記複数種類の報知表示のうちの一の種類の報知表示は、前記第一の報知表示とは別の第二の報知表示であり、
F′G′前記表示手段により前記第一の報知表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記第二の設定値で第一の発光報知が行われ、
M′前記発光手段により前記第一の発光報知が行われていても、前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が少なくとも表示可能であり、
N 前記輝度設定表示は、少なくとも前記第一の設定値に関する情報を含む表示であり、
O′前記第二の報知表示とは、遊技者へ報知する報知表示のことであり、
P′前記表示手段により前記第二の報知表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記第一の設定値で前記第一の発光演出が行われ、
Q′前記表示手段により前記第二の報知表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記輝度設定表示が少なくとも表示可能である、
AK ことを特徴とする遊技台。」

(2) 同日出願2(特願2018−218747号)
同日出願2は、原出願の出願日と同日に出願された特願2015−127586号の一部を、平成30年11月22日に新たに特許出願したものであって、その請求項1に係る発明は、令和3年9月22日提出の手続き補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、請求項1に係る発明を「同日発明2」という。また、符号は、本願発明の符号に概ね対応させて当審で付した。なお、本願発明の構成に対応しない構成(段落)については符号を付していない。)。

(同日発明2)
「【請求項1】
A 発光手段と、
B 表示手段と、
C 音出力手段と、
を備えた遊技台であって、
D 前記発光手段は、或る演出を行うことが可能な手段であり、
E 前記或る演出は、遊技者による前記発光手段の輝度を設定する操作(以下、「輝度設定操作」という。)に応じた第一の設定値で行われる演出であり、
F 前記発光手段は、報知(以下、「第一の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
G 前記第一の報知は、第二の設定値で行われる報知であり、
H 前記第二の設定値は、前記第一の設定値以上の値の設定値であり、
I 前記表示手段は、複数種類の表示を表示可能な手段であり、
J 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、
K 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第二の表示であり、
L 或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記発光手段により前記第一の報知が行われ、
M 前記発光手段により前記第一の報知が行われていても、前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が表示可能であり、
N 前記輝度設定表示は、少なくとも前記第一の設定値に関する情報を含む表示であり、
O 前記第二の表示は、或る報知を行う報知表示であり、
P 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記或る演出が行われ、
Q 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記輝度設定表示が表示可能であり、
前記第一の報知とは、エラーがあったことを少なくとも店員に報知するエラー発光報知のことであり、
前記第一の報知が行われている際に表示が開始された前記輝度設定表示は、所定時間が経過した場合に消去され、
前記発光手段とは別の或る発光手段を備え、
前記或る発光手段は、賞球の払出中に発光可能な手段であり、
前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記或る発光手段の輝度は変化せず、
W 前記音出力手段は、或る音を出力することが可能な手段であり、
X 前記或る音は、遊技者による前記音出力手段の音量を設定する操作に応じた第三の設定値で出力される音であり、
Y 前記音出力手段は、報知(以下、「第二の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
Z 前記第二の報知は、第四の設定値で行われる報知であり、
AA 前記第四の設定値は、前記第三の設定値以上の値の設定値であり、
AB 前記或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記音出力手段により前記第二の報知が行われ、
AC 前記音出力手段により前記第二の報知が行われていても、前記表示手段において前記音量の設定に関する表示(以下、「音量設定表示」という。)が表示可能であり、
AD 前記音量設定表示は、少なくとも前記第三の設定値に関する情報を含む表示であり、
AE 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第三の表示であり、
AF 前記第三の表示は、前記第二の表示とは別の、或る報知を行う報知表示であり
AG 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ、
AH 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記音量設定表示が表示可能であり、
装飾図柄の変動表示中であっても、前記輝度設定表示が表示可能であり、
前記装飾図柄の変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域と、前記第一の表示の表示領域が重なっており、
AI 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により該第二の表示に対応する前記第二の報知は行わず、
AJ 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わない、
AK ことを特徴とする遊技台。」

(3) 同日出願3(特願2018−218748号)
同日出願3は、原出願の出願日と同日に出願された特願2015−127587号の一部を、平成30年11月22日に新たに特許出願したものであって、その請求項1に係る発明は、令和3年9月22日提出の手続き補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、請求項1に係る発明を「同日発明3」という。また、符号は、本願発明の符号に概ね対応させて当審で付した。なお、本願発明の構成に対応しない構成(段落)については符号を付していない。)。

(同日発明3)
「【請求項1】
A 発光手段と、
B 表示手段と、
C 音出力手段と、
を備えた遊技台であって、
D 前記発光手段は、或る演出を行うことが可能な手段であり、
E 前記或る演出は、遊技者による前記発光手段の輝度を設定する操作(以下、「輝度設定操作」という。)に応じた第一の設定値で行われる演出であり、
F 前記発光手段は、報知(以下、「第一の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
G 前記第一の報知は、第二の設定値で行われる報知であり、
H 前記第二の設定値は、前記第一の設定値以上の値の設定値であり、
I 前記表示手段は、複数種類の表示を表示可能な手段であり、
J 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、
K 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第二の表示であり、
L 或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記発光手段により前記第一の報知が行われ、
M 前記発光手段により前記第一の報知が行われていても、前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が表示可能であり、
N 前記輝度設定表示は、少なくとも前記第一の設定値に関する情報を含む表示であり、
O 前記第二の表示は、或る報知を行う報知表示であり、
P 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記或る演出が行われ、
Q 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記輝度設定表示が表示可能であり、
W′前記音出力手段は、前記或る演出に関する音を第一の音量で出力することが可能な手段であり、
前記音出力手段は、前記第一の報知に関する音を第二の音量で出力することが可能な手段であり、
前記第二の音量は、前記第一の音量よりも大きい音量であり、
S 特別図柄の変動表示を表示可能な特図表示手段を備え、
T 前記表示手段は、装飾図柄の変動表示を表示可能な手段であり、
U 前記特別図柄の変動表示の開始に応じて前記装飾図柄の変動表示が開始可能であり、
V 前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記特図表示手段の輝度は変化せず、
前記発光手段とは別の或る発光手段を備え、
前記或る発光手段は、賞球の払出中に発光可能な手段であり、
前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記或る発光手段の輝度は変化せず、
前記装飾図柄の変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域と、前記第一の表示の表示領域が重なっている、
AK ことを特徴とする遊技台。」

3 本願発明と同日発明1の対比及び判断
(1) 本願発明と同日発明1を対比する。
a 本願発明と同日発明1を対比すると、両者は、構成A、B、N、及びAKにおいて文言上で一致している。

b 同日発明1の構成DE′のうち「発光手段は」「第一の発光演出を行う」ことは、本願発明の構成Dの「発光手段は、或る演出を行う」ことに相当することから、同日発明1の構成DE′のうち「発光手段は」「第一の発光演出を行う」との事項は、本願発明の構成Dと一致する。

c 同日発明1の構成G′の「前記表示手段により前記第一の報知表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記第二の設定値で第一の発光報知が行われ、」ることは、本願発明の構成F、Gと、
「前記発光手段は、報知(以下、「第一の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
前記第一の報知は、第二の設定値で行われる報知であ」る点で共通する。

d 同日発明1の構成H′の「前記設定値は、第一の設定値と、該第一の設定値以上の値の第二の設定値と、を含」むことは、本願発明の構成Hの「第二の設定値は、前記第一の設定値以上の値の設定値であ」ることと、実質的に同じ意味であるといえる。
してみると、同日発明1の構成H′は、本願発明の構成Hと実質的に一致している。

e 本願発明の
「I 前記表示手段は、複数種類の表示を表示可能な手段であり、
J 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、
K 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第二の表示であり、
L 或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記発光手段により前記第一の報知が行われ、」
「O 前記第二の表示は、或る報知を行う報知表示であ」ることから、本願発明の構成Iの「複数種類の表示」とは、「複数種類の報知表示」のことであるということができる。
したがって、同日発明1の構成I′の「前記表示手段は、複数種類の報知表示を少なくとも表示可能な手段であ」ることは、本願発明の構成Iの「前記表示手段は、複数種類の表示を表示可能な手段であ」ることに相当するとともに、
同日発明1の構成J′の「前記複数種類の報知表示のうちの一の種類の報知表示は、第一の報知表示であ」ることは、本願発明の構成Jの「前記複数種類の表示のうちの一の表示は、第一の表示であ」ることに相当し、
同日発明1の構成K′の「前記複数種類の報知表示のうちの一の種類の報知表示は、前記第一の報知表示とは別の第二の報知表示であ」ることは、本願発明の構成Kの「前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第二の表示であ」ることに相当し、
同日発明1の構成Q′の「前記表示手段により前記第二の報知表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記輝度設定表示が少なくとも表示可能である」ことは、本願発明の構成Qの「前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記輝度設定表示が表示可能であ」ることに相当する。

f 本願発明の構成Mの「前記発光手段により前記第一の報知が行われていても、前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が表示可能であ」ることについて、本願発明の構成Fには「前記発光手段は、報知(以下、「第一の報知」という。)を行うことが可能な手段であ」るとされている。そうすると、本願発明の構成Mの「第一の報知」とは、「発光手段」によって行われる「報知」であるといえ、同日発明1の構成M′の「第一の発光報知」と実質的に同じものであるといえる。
また、本願発明の構成Mの「前記発光手段により前記第一の報知が行われていても、前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が表示可能であ」ることについて、本願発明の構成Iには「表示手段は、複数種類の表示を表示可能な手段であ」るとされている。そうすると、本願発明の「表示手段」は、「輝度の設定に関する表示」(輝度設定表示)のみを「表示可能」とするものではなく、「表示手段」は「輝度の設定に関する表示」(輝度設定表示)が「少なくとも表示可能」とするものといえるから、本願発明の構成Mの「前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が表示可能であ」ることは、同日発明1の構成M′の「前記表示手段において前記輝度の設定に関する表示(以下、「輝度設定表示」という。)が少なくとも表示可能であ」ることと、実質的に同じことである。
してみると、同日発明1の構成M′は、本願発明の構成Mと実質的に一致している。

g 本願発明の構成Oの「前記第二の表示は、或る報知を行う報知表示であ」ることから、同構成Oの「第二の表示」は「報知表示」であるといえる。
してみると、同日発明1の構成O′の「前記第二の報知表示とは、遊技者へ報知する報知表示のことであ」ることは、本願発明の構成Oの「前記第二の表示」(第二の報知表示)「とは、或る報知を行う報知表示であ」ることと、「前記第二の報知表示とは」「報知表示のことであ」る点で共通する。

h 本願発明の構成Pの「前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記或る演出が行われ」ることのうち、「第二の表示」について、同構成Oには「前記第二の表示は、或る報知を行う報知表示であ」るとされている。そうすると、本願発明の構成Pの「第二の表示」とは、「第二の」「報知表示」であるといえる。
してみると、同日発明1の構成P′の「前記表示手段により前記第二の報知表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記第一の設定値で前記第一の発光演出が行われ」ることは、本願発明の構成Pの「前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記或る演出が行われ」ることと、「前記表示手段により前記第二の報知表示が表示されている場合に、前記発光手段により」「第一の設定値で」「演出が行われ」る点で共通する。

そうすると、本願発明と同日発明1は以下の点で相違し、その他の点で一致する。

・相違点1(構成C、W、X、Y、Z、AA、AB、AC、AD、AE、AF、AG)
本願発明は、
「C 音出力手段」「を備え」
「W 前記音出力手段は、或る音を出力することが可能な手段であり、
X 前記或る音は、遊技者による前記音出力手段の音量を設定する操作に応じた第三の設定値で出力される音であり、
Y 前記音出力手段は、報知(以下、「第二の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
Z 前記第二の報知は、第四の設定値で行われる報知であり、
AA 前記第四の設定値は、前記第三の設定値以上の値の設定値であり、
AB 前記或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記音出力手段により前記第二の報知が行われ、
AC 前記音出力手段により前記第二の報知が行われていても、前記表示手段において前記音量の設定に関する表示(以下、「音量設定表示」という。)が表示可能であり、
AD 前記音量設定表示は、少なくとも前記第三の設定値に関する情報を含む表示であり、
AE 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第三の表示であり、
AF 前記第三の表示は、前記第二の表示とは別の、或る報知を行う報知表示であり、
AG 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ」るのに対し、同日発明1はそのような「音出力手段」を備えていない点。

・相違点2(構成E)
「或る演出」について、本願発明は「遊技者による前記発光手段の輝度を設定する操作(以下、「輝度設定操作」という。)に応じた第一の設定値で行われる演出であ」るのに対し、同日発明1の構成DE′は、「第一の発光演出」(或る演出)は、遊技者による該発光手段の輝度を設定する操作(以下、「輝度設定操作」という。)に応じた設定値で」「行うことが可能な」「演出」である点。

・相違点3(構成F、G)
「発光手段」で「第二の設定値で行われる報知」について、本願発明は「発光手段は、報知(以下、「第一の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
前記第一の報知は、第二の設定値で行われる報知であ」るのに対し、同日発明1は「表示手段により前記第一の報知表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記第二の設定値で第一の発光報知が行われ」るものである点。

・相違点4(構成L)
本願発明では「或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記発光手段により前記第一の報知が行われ」るのに対し、同日発明1はそのような構成を備えない点。

・相違点5(構成O)
「第二の表示」(第二の報知表示)について、本願発明は「或る報知を行う報知表示」であるのに対し、同日発明1は「遊技者へ報知する報知表示」である点。

・相違点6(構成P)
「表示手段により」「第二の表示」(第二の報知表示)が「表示されている場合」に、「前記発光手段により前記第一の設定値」で「行われ」る「演出」について、本願発明では、「或る演出が行われ」るのに対し、同日発明1では、「第一の発光演出が行われ」る点。

・相違点7(構成R)
本願発明は、「前記輝度設定操作により前記表示手段のバックライトの輝度の調整が可能であ」るのに対し、同日発明1ではそのようなものでない点。

・相違点8(構成S、V)
本願発明は、「特別図柄の変動表示を表示可能な特図表示手段を備え」 「前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記特図表示手段の輝度は変化」しないのに対し、同日発明1ではそのような構成を備えない点。

・相違点9(構成T、U)
本願発明は、「前記表示手段は、装飾図柄の変動表示を表示可能な手段であり、」「前記特別図柄の変動表示の開始に応じて前記装飾図柄の変動表示が開始可能であ」るのに対し、同日発明1の「表示手段」はそのような表示に関する構成を備えない点。

・相違点10(構成AH)
本願発明は、「前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記音量設定表示が表示可能であ」るのに対し、同日発明1はそのような構成を備えない点。

・相違点11(構成AI、AJ)
本願発明は、
「AI 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により該第二の表示に対応する前記第二の報知は行わず、
AJ 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わない」のに対し、同日発明1はそのような構成を備えない点。

(2) 相違点の検討
相違点1について検討する。本願発明と同日発明1は
「C 音出力手段」「を備え」
「W 前記音出力手段は、或る音を出力することが可能な手段であり、
X 前記或る音は、遊技者による前記音出力手段の音量を設定する操作に応じた第三の設定値で出力される音であり、
Y 前記音出力手段は、報知(以下、「第二の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
Z 前記第二の報知は、第四の設定値で行われる報知であり、
AA 前記第四の設定値は、前記第三の設定値以上の値の設定値であり、
AB 前記或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記音出力手段により前記第二の報知が行われ、
AC 前記音出力手段により前記第二の報知が行われていても、前記表示手段において前記音量の設定に関する表示(以下、「音量設定表示」という。)が表示可能であり、
AD 前記音量設定表示は、少なくとも前記第三の設定値に関する情報を含む表示であり、
AE 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第三の表示であり、
AF 前記第三の表示は、前記第二の表示とは別の、或る報知を行う報知表示であり、
AG 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ」るとの構成の有無という相違点を有しており、「音出力手段」が技術常識であるとしても、上記相違点1に係る構成のすべてを周知の技術というべき事情はない。

そして、上記相違点1に係る構成によって、本願発明は、「音出力手段によって第二の報知が行われている場合や、表示手段によって第三の表示(或る報知)が行われている場合であっても音量設定表示が表示可能なため、第二の報知中や第三の表示(或る報知)中も音出力手段の音量を遊技者が確認することができ、利便性が高い」(審判請求書)との効果を有するものといえる。

してみれば、他の相違点については検討するまでもなく、本願発明を先願とし同日発明1を後願として仮定しても、本願発明を後願とし同日発明1を先願として仮定しても、いずれにおいても、両者を実質的な同一ということはできない。

4 本願発明と同日発明2の対比及び判断
(1) 本願発明と同日発明2を対比する。
本願発明と同日発明2は、構成A〜Q、W〜AH、AI〜AKにおいて文言上一致する。
そうすると、本願発明と同日発明2は以下の点で相違し、その余の点で一致しているといえる。

・相違点1(構成R)
本願発明は、「前記輝度設定操作により前記表示手段のバックライトの輝度の調整が可能であ」るのに対し、同日発明2の「表示手段」はそのような構成を有しない点。

・相違点2(構成S、V)
本願発明は、「特別図柄の変動表示を表示可能な特図表示手段を備え」 「前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記特図表示手段の輝度は変化」しないのに対し、同日発明2はそのような構成を有しない点。

・相違点3
同日発明2は、「前記第一の報知とは、エラーがあったことを少なくとも店員に報知するエラー発光報知のことであ」るのに対し、本願発明の「第一の報知」はそのような構成を有しない点。

・相違点4
同日発明2は、「前記第一の報知が行われている際に表示が開始された前記輝度設定表示は、所定時間が経過した場合に消去され」るのに対し、本願発明の「第一の報知」及び「輝度設定表示」はそのような構成を有しない点。

・相違点5
同日発明2は、「前記発光手段とは別の或る発光手段を備え、」「前記或る発光手段は、賞球の払出中に発光可能な手段であり、」「前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記或る発光手段の輝度は変化」しないのに対し、本願発明は「前記発光手段」とは別の「或る発光手段」の構成を有しない点。

・相違点6(構成T、U)
「表示手段」に関して、本願発明は、「前記表示手段は、装飾図柄の変動表示を表示可能な手段であり、」「前記特別図柄の変動表示の開始に応じて前記装飾図柄の変動表示が開始可能であ」るのに対し、同日発明2の「表示手段」はそのような構成を有しない点。

・相違点7
同日発明2は、「装飾図柄の変動表示中であっても、前記輝度設定表示が表示可能であり、」「前記装飾図柄の変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域と、前記第一の表示の表示領域が重なって」いるのに対し、本願発明はそのような構成を有しない点。

(2) 相違点の検討
上記相違点のうち、相違点7について検討する。
同日発明2において「前記装飾図柄の変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域と、前記第一の表示の表示領域が重なって」いるとの構成は、同日発明2の
「J 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、」
「L 或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記発光手段により前記第一の報知が行われ、」
「前記第一の報知とは、エラーがあったことを少なくとも店員に報知するエラー発光報知のことであ」るとの構成から、「少なくとも店員に報知するエラー発光報知」である「第一の報知」とともに表示される「第一の表示」が「変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域」と重なっているものということができる。
しかし、「少なくとも店員に報知するエラー発光報知」である「第一の報知」とともに表示される「第一の表示」が「変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域」と重なるようにすることを技術常識や周知慣用技術であるとする事情はない。

してみれば、他の相違点については検討するまでもなく、本願発明を先願とし同日発明2を後願として仮定しても、本願発明を後願とし同日発明2を先願として仮定しても、いずれにおいても、両者を実質的な同一ということはできない。

5 本願発明と同日発明3の対比及び判断
(1) 本願発明と同日発明3を対比する。
本願発明と同日発明3は、構成A〜Q、S〜V、AKにおいて文言上一致する。
そうすると、本願発明と同日発明3は以下の点で相違し、その他の点で一致する。

・相違点1(構成R)
本願発明は、「前記輝度設定操作により前記表示手段のバックライトの輝度の調整が可能であ」るのに対し、同日発明3の「表示手段」はそのような構成を備えない点。

・相違点2
同日発明3は、「前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記特図表示手段の輝度は変化」しないのに対し、本願発明はそのような構成を備えない点。

・相違点3
同日発明3は、
「前記発光手段とは別の或る発光手段を備え、
前記或る発光手段は、賞球の払出中に発光可能な手段であり、
前記輝度設定操作により輝度の調整が行われた場合であっても、前記或る発光手段の輝度は変化せず、
前記装飾図柄の変動表示中に表示される前記輝度設定表示の表示領域と、前記第一の表示の表示領域が重なっている」のに対し、本願発明はそのような構成を有しない点。

・相違点4(構成W、X)
「音出力手段」に関して、本願発明は、「音出力手段は、或る音を出力することが可能な手段であり、」「前記或る音は、遊技者による前記音出力手段の音量を設定する操作に応じた第三の設定値で出力される音であ」るのに対し、同日発明3の「音出力手段」は、「前記或る演出に関する音を第一の音量で出力することが可能な手段であり」、「前記第一の報知に関する音を第二の音量で出力することが可能な手段であり」、「前記第二の音量は、前記第一の音量よりも大きい音量であ」る点。

・相違点5(構成Y、Z、AA、AB、AC、AD)
「音出力手段」に関して、本願発明は、
「Y 前記音出力手段は、報知(以下、「第二の報知」という。)を行うことが可能な手段であり、
Z 前記第二の報知は、第四の設定値で行われる報知であり、
AA 前記第四の設定値は、前記第三の設定値以上の値の設定値であり、
AB 前記或る条件が成立した場合に、前記表示手段により前記第一の表示が表示されるとともに、前記音出力手段により前記第二の報知が行われ、
AC 前記音出力手段により前記第二の報知が行われていても、前記表示手段において前記音量の設定に関する表示(以下、「音量設定表示」という。)が表示可能であり、
AD 前記音量設定表示は、少なくとも前記第三の設定値に関する情報を含む表示であ」るのに対し、同日発明3の「音出力手段」はそのような構成を有しない点。

・相違点6(構成AE、AF、AG、AH、AI、AJ)
「表示手段」の表示及び「音出力手段」による音の出力に関して、本願発明では、
「AE 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第三の表示であり、
AF 前記第三の表示は、前記第二の表示とは別の、或る報知を行う報知表示であり、
AG 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ、
AH 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記音量設定表示が表示可能であり、
AI 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により該第二の表示に対応する前記第二の報知は行わず、
AJ 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わない」のに対し、同日発明3では、そのような構成を有しない点。

(2) 相違点の検討
上記相違点のうち、相違点6について検討する。
本願発明と同日発明3は、
「AE 前記複数種類の表示のうちの一の表示は、前記第一の表示とは別の第三の表示であり、
AF 前記第三の表示は、前記第二の表示とは別の、或る報知を行う報知表示であり、
AG 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ、
AH 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記表示手段において前記音量設定表示が表示可能であり、
AI 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により該第二の表示に対応する前記第二の報知は行わず、
AJ 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わない」との構成の有無という相違点を有しており、上記相違点6に係る構成のすべてを周知の技術というべき事情はない。

そして、上記相違点6に係る構成によって、本願発明は、「音出力手段によって第二の報知が行われている場合や、表示手段によって第三の表示(或る報知)が行われている場合であっても音量設定表示が表示可能なため、第二の報知中や第三の表示(或る報知)中も音出力手段の音量を遊技者が確認することができ、利便性が高い」(審判請求書)との効果を有するものといえる。

してみれば、他の相違点については検討するまでもなく、本願発明を先願とし同日発明3を後願として仮定しても、本願発明を後願とし同日発明3を先願として仮定しても、いずれにおいても、両者を実質的な同一ということはできない。

6 当審拒絶理由について
当審拒絶理由の概要は、
第二の表示が表示されている場合に音出力手段で「報知」を含む何が出力されてもよいとする、請求項1の「前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記発光手段により前記或る演出が行われ」との記載まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえず、
また、第三の表示が表示されている場合に、発光手段で「報知」を含む何が出力されてもよいとする、請求項1の「前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により前記或る音の出力が行われ、」との記載まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえないから、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないというものである。

一方、当審拒絶理由の通知の後の令和3年9月22日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1には、
「AI 前記表示手段により前記第二の表示が表示されている場合に、前記音出力手段により該第二の表示に対応する前記第二の報知は行わず、
AJ 前記表示手段により前記第三の表示が表示されている場合に、前記発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わない、」
との事項が付加されており、表示手段により第二の表示が表示されている場合に、音出力手段により該第二の表示に対応する第二の報知は行わないこと、及び表示手段により第三の表示が表示されている場合に、発光手段により該第三の表示に対応する前記第一の報知は行わないことが特定されており、特許請求の範囲の請求項1には、上記拒絶の理由は存在しない。

7 結論
上記のとおり、本願については、原査定及び当審の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-02-08 
出願番号 P2018-218746
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A63F)
P 1 8・ 4- WY (A63F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 澤田 真治
石井 哲
発明の名称 遊技台  
代理人 佐原 雅史  
代理人 横田 一樹  

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