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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47J
管理番号 1382154
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-01-15 
確定日 2022-02-18 
事件の表示 特願2017−531865「飲料摂取物を調製するためのシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 6月23日国際公開、WO2016/096913、平成30年 3月15日国内公表、特表2018−507005〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理 由
第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)12月15日(パリ優先権による優先権主張外国庁受理 2014年(平成26年)12月15日(NL)オランダ国)を国際出願日とする特許出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

平成30年12月14日 :手続補正書、上申書の提出
令和 元年12月26日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 6月 8日 :意見書の提出
同年 8月28日付け:拒絶査定
令和 3年 1月15日 :審判請求書の提出
令和 3年 3月 5日 :手続補正書(方式)の提出

第2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1ないし30に係る発明は、平成30年12月14日提出の手続補正書に記載された請求項1ないし30により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。

「【請求項1】
飲料摂取物を調製するためのシステムであって、
飲料調製装置、および
飲料関連成分を保持するように配設された少なくとも1つの交換可能な供給パック
を備えており、
該飲料調製装置は、飲料出口を有する混合チェンバー、液体を該混合チェンバーへ供給するための液体流路を含んでいる液体供給手段、空気を該液体流路へ供給するための空気供給手段、および駆動シャフトを備えており、
該少なくとも1つの交換可能な供給パックは、飲料関連成分を保持するための容器、および出口を有する配量器を備えており、該配量器は、該容器から該配量器の該出口へ配量された仕方で飲料関連成分を供給するように配設されており、
該少なくとも1つの交換可能な供給パックと該飲料調製装置とは、機械的に接続可能であり、そして接続されるときに該配量器の該出口が混合チェンバーと流体連絡され、そして、該駆動シャフトが稼動されるときに飲料関連成分が該配量器出口から該混合チェンバー内へ供給されるように、該飲料調製装置の駆動シャフトは、該飲料調製装置から該配量器へトルクを伝達するように配設されている、
上記システム」

第3 拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次のとおりである。

この出願の請求項1〜8,30に係る発明は、その出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願(優先日)前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特表2013−505769号公報
2.特表2004−528143号公報(周知技術を示す文献)
3.特表2008−516862号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載事項及び引用発明
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2013−505769号公報(平成25年 2月21日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。


「【0015】
【図1】 第1の飲料分配システムの概略透視図である。
【図2(a)】 図1の平面図である。
【図2(b)】 図1の側面図である。
【図3(a)】 第2の飲料分配システムにおける分配アセンブリへの接続前の飲料カートリッジの概略側面図である。
【図3(b)】 第2の飲料分配システムにおける分配アセンブリへの接続後の飲料カートリッジの概略側面図である。」


「【0016】
第1の飲料分配システム(10)が図1に示される。該システム(10)は、ハウジング(15)を有する分配機(12)を備えている。該ハウジング(15)は、ハウジング(15)の外部に開いているチャンバー(17)を備えている。分配機(12)は、さらに分配アセンブリ(広く19で示される)を備えている。分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)を有している水ジェットミキサー(20)を備え、該中央ミキシング領域(22)は、そこに可変速度ノズル(26)によって湯が供給されるところの入口(24)を有している。該ノズル(26)からミキシング領域(22)への湯の供給は、空気アクチュエータ(28)によって調整される。以下にもっと詳細に記載されるように、該ミキサー(20)は、さらに、それを介して飲料関連流体物質が供給されるところの、長手方向軸(f)を有している入口導管(30)を備えている。該ミキサー(20)は、さらに、調製された飲料がそれを介して分配されるところの出口(32)を備えている。該分配アセンブリ(19)は、さらに、モーターを備えている駆動ユニット(58)を備え、該駆動ユニット(58)は長手方向軸(d)を有している回転駆動軸(60)を有している。図2(a)および図2(b)において一層明確に分かるように、分配アセンブリ(19)は、ハウジング(15)およびチャンバー(17)の外側に主として配置され、駆動軸(60)および入口導管(30)のみが、チャンバー(17)の中へ深く延在し、かつチャンバー(17)の後壁(17a)の開口部を通り抜ける。
【0017】
該システム(10)は、さらに、使い捨て飲料カートリッジ(50)を備えている。該カートリッジ(50)は、普通の6面体の細長い箱のような形状の外部ハウジング(52)を備えている。該カートリッジ(50)は、さらに、ハウジング(52)内に置かれた、飲料関連流体物質を収容する容器(図示されない)を備えている。飲料関連流体物質は、コーヒー抽出物、紅茶抽出物、チョコレート濃厚物、またはミルクのような直ぐ飲める流体物質を包含しうる。該カートリッジ(50)は、さらに、該ハウジング(52)内に置かれた、ポンプ(図示されない)を備えている。そのようなポンプは従来型であるが、本発明との関係においては、容積型移送ポンプが正確な配量を可能にするので好ましい。該ハウジング(52)の参照符号(52a)で指示される面の1つは、駆動ポート(53a)と流体出口ポート(53b)を有する。ポンプは、駆動軸(60)の端部を受けるように適合されたメス型駆動接続部分(図示されない)を備えている。したがって、容積型移送ポンプは、有利には回転容積ポンプ、例えばギアポンプである。カートリッジ(50)は、さらに、入口導管(30)の端部を受け取るように適合されたメス型流体接続部分(図示されない)を備えている。
【0018】
駆動軸(60)が駆動ポート(53a)と一直線になるように、かつ入口導管(30)が流体出口ポート(53b)と一直線になるように該カートリッジ(50)を先ず配置することによって、そして次に、軸(f、d)に沿ってカートリッジ(50)を分配アセンブリ(19)の方へ動かすことによって、カートリッジ(50)は分配アセンブリ(19)へ接続され、それによって駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜け、かつポンプのメス型駆動接続部と駆動係合され、そして入口導管(30)が流体出口ポート(53b)を通り抜け、そして容器のメス型駆動接続部と係合され、それによってミキサー(20)を容器と流体連絡する。その後、駆動ユニット(58)が起動されるとき、駆動軸(60)が、その長手方向軸(d)の周りを矢印(R)で示された方向に回転する。駆動軸(60)の回転は、ポンプを運転するための駆動トルクを提供し、該ポンプは、入口導管(30)に沿ってカートリッジ(50)から流体物質を汲み上げ、飲料を用意するのに使われるところの分配アセンブリ(19)へ送る。従って好ましくは、ミキサー(20)内へ流体物質を正確に配量するために、流体物質は正確な量で汲み上げられる。
【0019】
操作のために必要な外部の機械的接続がハウジング(15)の同じ側に局限して置かれるようにカートリッジ(50)を設計することによって、分配アセンブリ(19)とカートリッジ(50)との間の結合は、比較的短くかつ直結に保たれることができ、このことは、これらの結合、特に駆動結合の設計と信頼性に関して利点があることが理解されよう。加えるに、結合は両方とも1つの方向に(2つの平行軸に沿って)延在しているので、結合それ自身が制限された空間を占めるだけではなく、また結合が分配アセンブリ(19)のコンパクトなデザインを許容し奨励もする。さらに、平行結合は、構成要素である接続部分を相互に実質的に同時に結合する1回の押し込み型の操作によって、結合が確立されることを可能にする。」


「【0021】
第2の飲料分配システム(10)の部分が、図3(a)、(b)に示される。図3(a)を参照して、システム(10)は、外部ハウジング(15)を有している分配機(12)を備えている。分配機(12)は、複数の分配アセンブリ(19)を備え、その内のただ1つが例として示される。分配アセンブリ(19)は内側ハウジング部分(16)内に収容される。分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)を有している水ジェットミキサー(20)を備え、該中央ミキシング領域(22)は、湯が供給される入口(24)および後ほど詳しく記載されるようにそれを介して飲料関連流体物質が供給される長手方向軸(f)を有している入口導管(30)を有している。ミキサー(20)は、さらに、用意された飲料がそれを介して分配されるところの出口(32)を備えている。分配アセンブリ(19)は、さらに、長手方向軸(d)を有する回転駆動軸(60)を有しているモーターを備える駆動ユニット(58)を備えている。駆動ユニット(58)およびミキサー(20)は、ハウジング(15)の内部へ開いているところの内側ハウジング部分(16)に形成された窪んだ装着チャネル(16a)の後部へ配置される。入口導管(30)および駆動軸(60)の長手方向軸(f)、(d)は、チャネル(16a)の長手方向に沿って延在している。
【0022】
分配アセンブリ(19)のその他の詳細は、第1の飲料分配システムに関して記載された詳細と類似しているが、図面の簡単化のために図面からは省かれている。
【0023】
システム(10)は、さらに、再充填可能飲料カートリッジ(50)を備える。カートリッジ(50)は、1の前側面(52a)、1の後側面(52b)および4つの横側面(52c〜f)を有している外部ハウジング(52)を備えている。横側面(52f)は図3(a)、(b)では見えないので、参照符号はこれらの図面では現れない。カートリッジ(50)は、さらに、ハウジング(52)内に置かれた、飲料関連流体物質を容れる容器(図示されていない)を備えている。カートリッジ(50)は、さらに、ハウジング(52)内に置かれたポンプ(図示されていない)を備えている。そのようなポンプは一般には従来型であるが、本発明における使用には、有利には回転容積移送タイプのポンプである。前側面(52a)は、2つの面(52a1)(52a2)を備えている。駆動ポート(53a)は、面(52a1)に備えられ、流体出口ポート(53b)は、面(52a2)に備えられる。ポンプは、駆動軸(60)の端部を受け取るように適合されたメス型駆動接続部分(図示されていない)を備えている。カートリッジ(50)は、さらに、面(52a2)から外側方向に突出しかつ入口導管(30)の端部を受け取るよう適合されているメス型流体接続部分(55)を備えている。
【0024】
カートリッジ(50)は、先ず、図3(a)に示されるようにカートリッジ(50)を位置決めし、そして次に、後側面(52b)を介してカートリッジ(50)をチャネル(16a)内へ押すことによって、分配アセンブリ(19)へ接続されうる。横側面(52c〜f)の外側寸法および形状とチャネル(16a)の内側断面との間の緊密な整合があるので、カートリッジ(50)はチャネル(16a)内にぴったりと受け取られる。カートリッジ(50)の引き続く押し込みは、カートリッジ(50)を図3(b)に示された位置へスライドさせ、その位置で駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜けてポンプのメス型駆動接続部分と駆動係合し、そして入口導管(30)が流体出口ポート(53b)でのメス型流体接続部分(55)との係合に入り、それによってミキサー(20)を容器との流体連絡の状態に置く。その後、駆動軸(60)が矢印(R)によって示された方向に回転するときに、カートリッジ(50)からの流体物質は、好ましくは配量される量で、入口導管(30)に沿って、飲料の調整に使われるところの分配アセンブリ(19)へ汲み上げられる
【0025】
そのような配置は、単にカートリッジ(50)を分配アセンブリの1つの充填チャネル(16a)と一直線になるように置き、そして次に、該カートリッジ(50)が作動位置へスライドするように該カートリッジ(50)を押すことによって、作業者が新しいカートリッジ(50)を装填することを可能にすることが理解されよう。そのような簡単な装填操作は、窮屈な条件においても容易に行なえる。その結果、分配機のハウジングは、より多くの数の分配アセンブリを取り扱うように配置され得、そして所与の分配アセンブリへのアクセスは、作業者に過度に煩わしい負担をかけずに比較的まれでありうる。」




」(図1)




」(図2(a))




」(図2(b))




」(図3(a))




」(図3(b))

(2)引用文献1から理解できる事項
上記(1)の各記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

ア 第1の飲料分配システム(10)は、分配機(12)を備える(段落【0016】、図1参照)。

イ 第1の飲料分配システム(10)は、使い捨て飲料カートリッジ(50)を備える(段落【0017】、図1参照)。

ウ 第1の飲料分配システム(10)の分配機(12)は、分配アセンブリ(19)を備え、分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)を有している水ジェットミキサー(20)を備え、水ジェットミキサー(20)は、湯が供給されるところの入口(24)、飲料関連流体物質が供給される入口導管(30)、及び、調製された飲料が分配される出口(32)を有する(段落【0016】、図1、図2(a)、図2(b)参照)。

エ 第1の飲料分配システム(10)の分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)の入口(24)に湯を供給するための可変速度ノズル(26)及び空気アクチュエータ(28)を備える(段落【0016】、図1、図2(a)、図2(b)参照)。

オ 第1の飲料分配システム(10)の分配アセンブリ(19)は、駆動ユニット(58)を備え、駆動ユニット(58)は、回転駆動軸(60)を有している(段落【0016】、図1参照)。

カ 第1の飲料分配システム(10)の使い捨て飲料カートリッジ(50)は、飲料関連流体物質を収容する容器、ポンプ、駆動ポート(53a)、及び、流体出口ポート(53b)を備え、ポンプは、回転駆動軸(60)の端部を受けるように適合されたメス型駆動接続部分を備える(段落【0017】、図2(a)、図2(b)参照)。

キ 第1の飲料分配システム(10)では、使い捨て飲料カートリッジ(50)は分配アセンブリ(19)へ機械的に接続され、それによって回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜け、かつポンプのメス型駆動接続部と駆動係合され、そして入口導管(30)が流体出口ポート(53b)を通り抜け、それによって水ジェットミキサー(20)を容器と流体連絡するように構成されている(段落【0018】、【0019】、図1、図2(a)、図2(b)参照)。

ク 第1の飲料分配システム(10)では、回転駆動軸(60)の回転は、ポンプを運転するための駆動トルクを提供し、該ポンプは、入口導管(30)に沿ってカートリッジ(50)から飲料関連流体物質を汲み上げ、分配アセンブリ(19)へ送るように構成されている(段落【0018】、図1、図2(a)、図2(b)参照)。

ケ 第1の飲料分配システム(10)では、ポンプによって飲料関連流体物質は正確な量で汲み上げられ、水ジェットミキサー(20)内へ正確に配量される(段落【0017】、【0018】参照)

コ 第2の飲料分配システム(10)は、分配機(12)を備える(段落【0021】、図3(a)、図3(b)参照)。

サ 第2の飲料分配システム(10)は、再充填可能飲料カートリッジ(50)を備える(段落【0023】、図3(a)、図3(b)参照)。

シ 第2の飲料分配システム(10)の分配機(12)は、複数の分配アセンブリ(19)を備え、分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)を有している水ジェットミキサー(20)を備え、水ジェットミキサー(20)は、湯が供給される入口(24)、飲料関連流体物質が供給される入口導管(30)、及び、飲料が分配される出口(32)を備える(段落【0021】、図3(a)、図3(b)参照)。

ス 第2の飲料分配システム(10)の分配アセンブリ(19)は、回転駆動軸(60)を有している駆動ユニット(58)を備える(段落【0021】、図3(a)、図3(b)参照)。

セ 第2の飲料分配システム(10)の再充填可能カートリッジ(50)は、飲料関連流体物質を容れる容器、ポンプ、駆動ポート(53a)、流体出口ポート(53b)、及び、入口導管(30)の端部を受け取るよう適合されているメス型流体接続部分(55)を備え、ポンプは、回転駆動軸(60)の端部を受け取るように適合されたメス型駆動接続部分を備える(段落【0023】、図3(a)、図3(b)参照)。

ソ 第2の飲料分配システム(10)では、再充填可能カートリッジ(50)は、分配アセンブリ(19)へ接続されうる(段落【0015】、【0024】、図3(a)、図3(b)参照)。

タ 第2の飲料分配システム(10)では、再充填可能カートリッジ(50)の分配アセンブリ(19)への接続後は、回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜けてポンプのメス型駆動接続部分と駆動係合し、入口導管(30)が流体出口ポート(53b)でのメス型流体接続部分(55)との係合に入り、水ジェットミキサー(20)は容器との流体連絡の状態に置かれる(段落【0015】、【0024】、図3(a)、図3(b)参照)。

チ 第2の飲料分配システム(10)では、水ジェットミキサー(20)が容器との流体連絡の状態に置かれた後、駆動軸(60)が回転すると、再充填可能カートリッジ(50)からの飲料関連流体物質は、配量された量で、入口導管(30)に沿って分配機(12)へ汲み上げられるように構成されている(段落【0021】、【0024】、図3(a)、図3(b)参照)。

ツ 第2の飲料分配システム(10)では、分配アセンブリ(19)は飲料の調製に使われるところである(段落【0024】参照。なお、段落【0024】文中における「調整」との語句は「調製」の誤記であるものと認めた。)。

テ 第2の飲料分配システム(10)は、作業者が新しいカートリッジ(50)を装填することを可能にする(段落【0025】参照)。

(3)引用発明
上記(1)イ、エないしカ、(2)アないしケから、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。

「分配機(12)、及び、使い捨て飲料カートリッジ(50)を備える第1の飲料分配システム(10)であって、
分配機(12)は、分配アセンブリ(19)を備え、
分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)を有している水ジェットミキサー(20)、中央ミキシング領域(22)の入口(24)に湯を供給するための可変速度ノズル(26)及び空気アクチュエータ(28)、並びに、駆動ユニット(58)を備え、
水ジェットミキサー(20)は、湯が供給されるところの入口(24)、飲料関連流体物質が供給される入口導管(30)、及び、調製された飲料が分配される出口(32)を有し、
駆動ユニット(58)は、回転駆動軸(60)を有し、
使い捨て飲料カートリッジ(50)は、飲料関連流体物質を収容する容器、ポンプ、駆動ポート(53a)、及び、流体出口ポート(53b)を備え、
ポンプは、回転駆動軸(60)の端部を受けるように適合されたメス型駆動接続部分を備え、
使い捨て飲料カートリッジ(50)は分配アセンブリ(19)へ機械的に接続され、それによって回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜け、かつポンプのメス型駆動接続部と駆動係合され、そして入口導管(30)が流体出口ポート(53b)を通り抜け、それによって水ジェットミキサー(20)を容器と流体連絡し、
回転駆動軸(60)の回転は、ポンプを運転するための駆動トルクを提供し、該ポンプは、入口導管(30)に沿って使い捨て飲料カートリッジ(50)から飲料関連流体物質を汲み上げ、分配アセンブリ(19)へ送るように構成され、
ポンプによって飲料関連流体物質は正確な量で汲み上げられ、水ジェットミキサー(20)内へ正確に配量される、
第1の飲料分配システム(10)。」

また、上記(1)ア、ウ、キ及びク、(2)コないしテから、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明B」という。)が記載されていると認められる。

「分配機(12)、及び、再充填可能飲料カートリッジ(50)を備える第2の飲料分配システム(10)であって、
分配機(12)は、複数の分配アセンブリ(19)を備え、
分配アセンブリ(19)は、中央ミキシング領域(22)を有している水ジェットミキサー(20)、及び、回転駆動軸(60)を有している駆動ユニット(58)を備え、
水ジェットミキサー(20)は、湯が供給される入口(24)、飲料関連流体物質が供給される入口導管(30)、及び、飲料が分配される出口(32)を備え、
再充填可能カートリッジ(50)は、飲料関連流体物質を容れる容器、ポンプ、駆動ポート(53a)、流体出口ポート(53b)、及び、入口導管(30)の端部を受け取るよう適合されているメス型流体接続部分(55)を備え、
ポンプは、回転駆動軸(60)の端部を受け取るように適合されたメス型駆動接続部分を備え、
再充填可能カートリッジ(50)は、分配アセンブリ(19)へ接続されうるものであり、
再充填可能カートリッジ(50)の分配アセンブリ(19)への接続後は、回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜けてポンプのメス型駆動接続部分と駆動係合し、入口導管(30)が流体出口ポート(53b)でのメス型流体接続部分(55)との係合に入り、水ジェットミキサー(20)は容器との流体連絡の状態に置かれ、
水ジェットミキサー(20)が容器との流体連絡の状態に置かれた後、回転駆動軸(60)が回転すると、再充填可能カートリッジ(50)からの飲料関連流体物質は、配量された量で、入口導管(30)に沿って分配機(12)へ汲み上げられるように構成され、
分配アセンブリ(19)は飲料の調製に使われるところであり、
作業者が新しいカートリッジ(50)を装填することを可能にする、
第2の飲料分配システム(10)。」

2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2004−528143号公報(平成16年 9月16日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。

「【0025】
ここで、図面を参照して、本発明をさらに説明する。
図1では、飲食用に適する泡層を有する飲料を作る装置が、参照番号1で示されている。泡層を有する飲料とは、本明細書では、特に、カフェ・クレーム、ココア・クレーム、泡立ち紅茶、フォーム・ミルク、泡層を有するフルーツ・ジュースなどのことを言うことが理解される。たとえば、カフェ・クレーム、ココア・クレーム、泡立ち紅茶またはフォーム・ミルクは温かく作ることができ、フルーツ・ジュースは冷たく作ることができる。この装置は、渦流チャンバ2と、水などの液体を渦流チャンバ2に供給する供給手段4とを備える。しかし、他の流体も考えられる。装置はさらに、コーヒー濃縮液、ココア濃縮液、紅茶濃縮液、ミルク濃縮液、またはフルーツ・ジュース濃縮液などの、液体と混合させる濃縮液を調合するように供給する、第1の調合装置6を備えている。この例では、濃縮液は、カフェ・クレームをミルクで作るのに適する、コーヒー・ミルク濃縮液、すなわちコーヒーとミルクの濃縮液からなっている。使用にあたって、渦流チャンバ2内では、液体が濃縮液と混合される。」

「【0028】
この装置はさらに、渦流チャンバ2に空気を供給する、空気供給手段20を備えている。この例では、空気供給手段は、ダクト24を介して液体流路11に空気を供給するエアレーション・バルブ22を備え、これを通って液体が圧力を受けて渦流チャンバまで流れる。したがって、この液体流路11は、ポンプ14と加熱器16の間のダクトと、加熱器16と二位式バルブ18の間のダクトと、渦流チャンバのところまで延びるダクトとを備える。したがって、空気供給手段20、22を介して、空気を渦流チャンバ2の外側の液体に供給することができる。」

「【0030】
図2a、2bにおいて、液体供給手段4の一部分を備える渦流チャンバ2の可能な第1の実施形態が、さらに詳細に示されている。渦流チャンバ2は、下向きの方向にテーパ付けされるチャンバ28を備える。したがって、この例では、このチャンバの直立する内壁30が円錐表面をなす。供給ダクト10は、液体が垂直から外れる方向32で渦流チャンバに供給されるように、渦流チャンバ2内で終端する。この例では、液体は、少なくともほぼ水平を向いた方向で、さらに詳細には、この例ではチャンバの接線方向で渦流チャンバに供給されると考えられる。供給ダクト10は、圧力を受けて渦流チャンバに液体を供給する液体流路11の一部分をなす。液体流路11の中に、使用するときに、渦流チャンバに噴出される液体のジェットを発生させるノズル34が含まれる。空気供給手段20は、空気入口36を備え、この入口は、使用中に液体流路内に存在する液体ジェットにより、空気が液体流路内に吸引されるように、ノズル34の下流側で、渦流チャンバ2の外側の液体流路11に含まれる。ノズル34は、渦流チャンバ2からの距離dに配置される。液体流路11(ダクト10)の流通表面38の大きさが、ノズル34の下流側で大きくなる。さらに、液体流路11(ダクト10)は、ノズル34の下流側で下向きに傾斜する。」

「【0032】
渦流チャンバは、使用中に液体がそこから渦流チャンバ2に供給される位置44より高い位置42から、下向きの方向にテーパ付けされる。この位置44は、渦流チャンバの内壁30内の開口44により特徴づけられる。渦流チャンバはさらに、渦流チャンバ2から泡層を有する飲料を排出する流出開口46を備えている。この例では、流出開口46は、渦流チャンバの下側に配置される。テーパ部の直立する内壁は、垂直に対して5〜30°の角度αであることが好ましい。さらに詳しくは、この角度αは12〜18°である。この例では、この角度は約15°である。この例では、流出開口は、最小の直径bが2〜7mm、好ましくは4〜8mmである。」

「【0033】
これまで述べた装置は、以下のように作動する。
カフェ・クレームを作るため、制御装置26はエアレーション・バルブ22を開く。さらに、二位式バルブ18を第1の位置に置く。同時にまたは少し後に、ポンプ14および第1の調合装置6を始動させる。この時から、調合装置6が、濃縮液を渦流チャンバ2に分配し始める。重力の影響を受けて、濃縮液は渦流チャンバ2に流れ、この例では、圧力をかけない。同時に、液体、この例では水が、液体貯蔵器12から加熱器16までくみ上げられ、そこで加熱され、次いで液体は、圧力を受けて二位式バルブ18および供給ダクト10を介して渦流チャンバ2に供給される。供給ダクト10内で、ノズル34が液体ジェットを発生させる。ノズル43の下流側で、液体ジェットが空気入口36を介して空気を引き込む。液体ジェットと共に、この引き込まれた空気は、ノズルの下流側に配置された液体流路11の一部分を介して、渦流チャンバまで運ばれる。液体ジェットは、渦流チャンバ内に噴出する。渦流チャンバ2内では、供給した液体の渦流が発生する。渦流は実質的に、垂直32の周りで発生する。また、既に述べたように、エアレーション・バルブ22を開くことにより、空気が液体ジェットによって引き込まれる。この空気は、液体流路11(ダクト10)によって渦流チャンバ2まで運ばれる。したがって、液体ジェットの吸引力により、空気が流体に供給されるように、空気供給手段が配置される。液体が圧力を受けて供給されるという事実により、上述の渦流を形成することができ、また上述の吸引力を発生させることができる。同時に、濃縮液は圧力を受けて渦流チャンバに供給されないので、非常に正確に調合することができ、最終製品の品質、すなわち飲食用に適する飲料の品質にとってかなり有利である。渦流により、液体および濃縮液は十分に混ざり、同時に、混合中の空気が撹拌され、それによって泡が作られる。渦流チャンバ2のテーパ状内壁30により、最適な渦流が作り出される。飲食用に準備した製品は次第に、流出開口46を介して渦流チャンバから離れて、たとえばマグカップ48に集められる。」



」(図1)



」(図2a)



」(図2b)

(2)引用文献2に記載された技術的事項
上記(1)の記載から、引用文献2には以下の技術的事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。

「飲食用に適する泡層を有する飲料を作る装置1において、
内部で液体が濃縮液と混合される渦流チャンバ2であって、泡層を有する飲料を排出する流出開口46を備える渦流チャンバ2と、
渦流チャンバ2に液体を供給する液体流路11と、
液体流路11に空気を供給する空気供給手段20とを備える点。」

3 引用文献3
(1)引用文献3の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2008−516862号公報(平成20年 5月22日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、以下の記載がある。

「【0024】
図1a〜図1cでは、参照符号1が、消費に適した所定量の飲料を調製するシステムを示す。システムには、交換可能なホルダ2と、液体及び/又は気体等、より詳細には水及び/又は蒸気等の少なくとも1つの量の少なくとも第1の流体を圧力下で配量するように設計される流体配量器6が特に設けられた装置4とが設けられている。この例では、使用時に、流体配量器は水を配量する。
【0025】
交換可能なホルダ2には、飲料、濃縮物、又は粉末等の第2の流体が充填される少なくとも1つの貯蔵空間8が設けられる。この例では、コーヒーを調製するための濃縮物が含まれる。ホルダ2には、少なくとも第1の混合室10と、第1の混合室10と流体連通する少なくとも1つの流出開口12とがさらに設けられる。ホルダには、貯蔵空間8と第1の混合室10との間に流体連通部14がさらに設けられる。さらに、ホルダには、流体配量器6の出口開口18に着脱可能に接続される少なくとも1つの入口開口16が設けられる。図1aでは、入口開口16は、出口開口18にまだ接続されていない。しかしながら、図1bでは接続されている。この例では、図1aの入口開口は、取り外し可能なシール等の取り外すことができるクロージャによって閉じられたままである。これは、流出開口12についても同様である。使用時に、両方の取り外し可能なシールが取り外された後で、図1bに示すように出口開口18を入口開口16に接続することができる。
【0026】
この例では、システムには、流体配量器6から流体配量器の出口開口18、入口開口16、及び第1の混合室10を経て流出開口12に達する流体流路21に含まれる制限部20がさらに設けられる。
【0027】
より詳細には、この例では、制限部20は、流体配量器6から流体配量器の出口開口18及び交換可能なホルダ2の入口開口16を経て第1の混合室10に達する流体流路22に含まれることが考えられる。この例では、貯蔵空間8は、貯蔵空間の残りの部分に対して可動である可動壁によって少なくとも部分的に画定されることにより、可動壁の移動によって貯蔵空間の体積を変えることができる。この例では、貯蔵空間は、箔等の可撓性又は変形可能材料から製造される壁によって少なくとも部分的に画定される。この例では、貯蔵空間8を画定する壁9は、箔等の可撓性材料から少なくともほぼ完全に製造される。」

「【0032】
この例では、システムには、空気入口開口42がさらに設けられる。空気入口開口42は、使用時に細かい気泡の泡層を有する飲料を得るために空気が飲料に吹き付けられるように、空気が第1の混合室に供給されることを確実にする。したがって、クリーム入りコーヒーを得ることができる。この例では、空気入口開口42は、制限部20の下流で第1の混合室10と流体連通する。この例では、空気入口開口42は、流体連通部44を介して流体流路22に通じる。したがって、この例では、空気入口開口及び制限部20はそれぞれ、装置4の一部を形成することが考えられる。」



」(図1a)



」(図1b)

(2)引用文献3に記載された技術的事項
上記(1)の記載から、引用文献3には以下の技術的事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されていると認められる。

「消費に適した所定量の飲料を調製するシステム1において、
第1の混合室10と、第1の混合室10と流体連通する流出開口12とが設けられたホルダ2と、
第1の流体を圧力下で配量する流体配量器6から第1の混合室10に達する流体流路22と、
渦流チャンバ2に液体を供給する液体流路11と、
使用時に細かい気泡の泡層を有する飲料を得るために空気が飲料に吹き付けられるように、空気が第1の混合室に供給されることを確実にするための空気入口開口42とを備え、
空気入口開口42は、流体連通部44を介して流体流路22に通じる点。」

第5 対比・判断
1 引用発明Aを主引用発明とした場合
(1) 対比
本願発明と引用発明Aとを、その機能、構造または技術的意義を考慮して対比する。
引用発明Aの「分配機(12)」は、「出口(32)」から「調製された飲料が分配される」ことを踏まえると、本願発明の「飲料調製装置」に、
引用発明Aの「使い捨て飲料カートリッジ(50)」は、「使い捨て」のために交換可能に構成されていることは明らかであるから、本願発明の「少なくとも1つの交換可能な供給パック」に、
引用発明Aの「飲料関連流体物質」は、本願発明の「飲料関連成分」に、
引用発明Aの「水ジェットミキサー(20)」は、「中央ミキシング領域(22)」を有するものであるから、本願発明の「混合チェンバー」に、
引用発明Aの「調製された飲料が分配される出口(32)」は、本願発明の「飲料出口」に、
引用発明Aの「湯」は、本願発明の「液体」に、
引用発明Aの「可変速度ノズル(26)」及び「空気アクチュエータ(28)」は、「水ジェットミキサー(20)」の「中央ミキシング領域(22)の入口(24)に湯を供給するための」ものであり、また、「可変速度ノズル(26)」の内部に湯が流れる流路が形成されていることは明らかであるから、本願発明の「液体を該混合チェンバーへ供給するための液体流路を含んでいる液体供給手段」に、
引用発明Aの「回転駆動軸(60)」は、本願発明の「駆動シャフト」に、
引用発明Aの「容器」は、「飲料関連流体物質を収容する」ものであるから、本願発明の「飲料関連成分を保持するための容器」に、
引用発明Aの「ポンプ」は、「ポンプによって飲料関連流体物質は正確な量で汲み上げられ、水ジェットミキサー(20)内へ正確に配量される」ことを踏まえると、本願発明の「配量器」に、
引用発明Aの「駆動トルク」は、本願発明の「トルク」に、それぞれ相当する。
また、引用発明Aの「使い捨て飲料カートリッジ(50)」は、「第1の飲料分配システム(10)」に設けられるものであって、「飲料関連流体物質を収容する容器」を備えていることから、本願発明の「飲料関連成分を保持するように配設された」という態様を有していることは明らかである。
また、ポンプとは流体を送り出すための装置であるという技術常識から、引用発明Aの「ポンプ」が流体を送り出すための出口を有していることは明らかであることを踏まえると、引用発明Aの「ポンプは、入口導管(30)に沿って使い捨て飲料カートリッジ(50)から飲料関連流体物質を汲み上げ、分配アセンブリ(19)へ送るように構成され」ていることは、本願発明の「配量器は、該容器から該配量器の該出口へ配量された仕方で飲料関連成分を供給するように配設されて」いることに相当する。
また、引用発明Aの「使い捨て飲料カートリッジ(50)は分配アセンブリ(19)へ機械的に接続され、」「入口導管(30)が流体出口ポート(53b)を通り抜け、それによって水ジェットミキサー(20)を容器と流体連絡」することは、「ポンプ」が流体を送り出すための出口を有していることは明らかであること、及び、「ポンプによって飲料関連流体物質は正確な量で汲み上げられ、水ジェットミキサー(20)内へ正確に配量される」ことを踏まえると、本願発明の「該少なくとも1つの交換可能な供給パックと該飲料調製装置とは、機械的に接続可能であり、そして接続されるときに該配量器の該出口が混合チェンバーと流体連絡され」ることに相当する。
また、引用発明Aの「使い捨て飲料カートリッジ(50)」が「分配アセンブリ(19)へ機械的に接続され」ること「によって回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜け、かつポンプのメス型駆動接続部と駆動係合され、」「回転駆動軸(60)の回転は、ポンプを運転するための駆動トルクを提供し、該ポンプは、入口導管(30)に沿って使い捨て飲料カートリッジ(50)から飲料関連流体物質を汲み上げ、分配アセンブリ(19)へ送るように構成され」ていることは、「ポンプ」が流体を送り出すための出口を有していることは明らかであること、及び、「ポンプによって飲料関連流体物質は正確な量で汲み上げられ、水ジェットミキサー(20)内へ正確に配量される」ことを踏まえると、本願発明の「該駆動シャフトが稼動されるときに飲料関連成分が該配量器出口から該混合チェンバー内へ供給されるように、該飲料調製装置の駆動シャフトは、該飲料調製装置から該配量器へトルクを伝達するように配設されている」ことに相当する。
そして、引用発明Aの「第1の飲料分配システム(10)」は、「出口(32)」から「調製された飲料が分配される」ものであるから、「飲料摂取物を調製するためのシステム」であるといえる。

したがって、両者は以下の点で一致する一方、以下の点で相違する。

<一致点>
「飲料摂取物を調製するためのシステムであって、
飲料調製装置、および
飲料関連成分を保持するように配設された少なくとも1つの交換可能な供給パック
を備えており、
該飲料調製装置は、飲料出口を有する混合チェンバー、液体を該混合チェンバーへ供給するための液体流路を含んでいる液体供給手段、および駆動シャフトを備えており、
該少なくとも1つの交換可能な供給パックは、飲料関連成分を保持するための容器、および出口を有する配量器を備えており、該配量器は、該容器から該配量器の該出口へ配量された仕方で飲料関連成分を供給するように配設されており、
該少なくとも1つの交換可能な供給パックと該飲料調製装置とは、機械的に接続可能であり、そして接続されるときに該配量器の該出口が混合チェンバーと流体連絡され、そして、該駆動シャフトが稼動されるときに飲料関連成分が該配量器出口から該混合チェンバー内へ供給されるように、該飲料調製装置の駆動シャフトは、該飲料調製装置から該配量器へトルクを伝達するように配設されている、
上記システム」

<相違点A>
本願発明の「飲料調製装置」は「空気を該液体流路へ供給するための空気供給手段」を備えているのに対して、引用発明Aの「分配機(12)」はそのような手段を備えるか否か不明である点。

(2) 判断
上記相違点Aについて検討する。
引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に示されるように、飲料摂取物を調製するためのシステムにおいて、泡層を有する飲料を作るために、液体を混合チェンバーへ供給するための液体流路へ空気を供給するための空気供給手段を設けることは、本願出願(優先日)前から広く知られている周知技術である(以下、単に「周知技術」という。)。
引用発明Aと周知技術はいずれも、飲料摂取物を調製するためのシステムに関するものであり、属する技術分野が共通している。
また、飲料摂取物を調製するためのシステムにおいて、泡層を有する飲料を作ることは本願出願(優先日)前から広く行われていることであって、引用発明Aにおいても、ユーザーの嗜好に応じて泡層を有する飲料を提供しようとすることは適宜採用し得ることである。
そのため、引用発明Aに周知技術を適用して、引用発明Aの分配機(12)において、湯を水ジェットミキサー(20)へ供給するための流路へ空気を供給するための空気供給手段を設け、相違点Aに係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得る。

2 引用発明Bを主引用発明とした場合
(1) 対比
本願発明と引用発明Bとを、その機能、構造または技術的意義を考慮して対比する。
引用発明Bの「分配機(12)」は、「飲料の調製に使われる」「分配アセンブリ(19)」を備えることを踏まえると、本願発明の「飲料調製装置」に、
引用発明Bの「再充填可能飲料カートリッジ(50)」は、「再充填可能」であること、及び、「作業者が新しいカートリッジ(50)を装填することを可能にする」ことを踏まえると、「再充填可能飲料カートリッジ(50)」が交換可能であることは明らかであるから、本願発明の「少なくとも1つの交換可能な供給パック」に、
引用発明Bの「飲料関連流体物質」は、本願発明の「飲料関連成分」に、
引用発明Bの「水ジェットミキサー(20)」は、「中央ミキシング領域(22)」を有するものであるから、本願発明の「混合チェンバー」に、
引用発明Bの「飲料が分配される出口(32)」は、本願発明の「飲料出口」に、
引用発明Bの「湯」は、本願発明の「液体」に、
引用発明Bの「回転駆動軸(60)」は、本願発明の「駆動シャフト」に、
引用発明Bの「容器」は、「飲料関連流体物質を容れる」ものであるから、本願発明の「飲料関連成分を保持するための容器」に、
引用発明Bの「ポンプは、回転駆動軸(60)の端部を受け取るように適合されたメス型駆動接続部分を備え、」「回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜けてポンプのメス型駆動接続部分と駆動係合し、」「回転駆動軸(60)が回転すると、再充填可能カートリッジ(50)からの飲料関連流体物質は、配量された量で、入口導管(30)に沿って分配機(12)へ汲み上げられ」ることを踏まえると、引用発明Bの「ポンプ」は、本願発明の「配量器」に、それぞれ相当する。
また、引用発明Bの「再充填可能飲料カートリッジ(50)」は、「第2の飲料分配システム(10)」に設けられるものであって、「飲料関連流体物質を容れる容器」を備えていることから、本願発明の「飲料関連成分を保持するように配設された」という態様を有していることは明らかである。
また、ポンプとは流体を送り出すための装置であるという技術常識から、引用発明Bの「ポンプ」が流体を送り出すための出口を有していることは明らかであることを踏まえると、引用発明Bの「ポンプは、回転駆動軸(60)の端部を受け取るように適合されたメス型駆動接続部分を備え、」「回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜けてポンプのメス型駆動接続部分と駆動係合し、」「回転駆動軸(60)が回転すると、再充填可能カートリッジ(50)からの飲料関連流体物質は、配量された量で、入口導管(30)に沿って分配機(12)へ汲み上げられ」ることは、本願発明の「配量器は、該容器から該配量器の該出口へ配量された仕方で飲料関連成分を供給するように配設されて」いることに相当する。
また、引用発明Bの「再充填可能カートリッジ(50)は、分配アセンブリ(19)へ接続されうるものであり、再充填可能カートリッジ(50)の分配アセンブリ(19)への接続後は、」「入口導管(30)が流体出口ポート(53b)でのメス型流体接続部分(55)との係合に入り、水ジェットミキサー(20)は容器との流体連絡の状態に置かれ」ることは、「ポンプ」が流体を送り出すための出口を有していることは明らかであること、及び、「ポンプ」によって「再充填可能カートリッジ(50)からの飲料関連流体物質は、配量された量で、入口導管(30)に沿って分配機(12)へ汲み上げられ」ることを踏まえると、本願発明の「該少なくとも1つの交換可能な供給パックと該飲料調製装置とは、機械的に接続可能であり、そして接続されるときに該配量器の該出口が混合チェンバーと流体連絡され」ることに相当する。
また、引用発明Bの「再充填可能カートリッジ(50)の分配アセンブリ(19)への接続後は、回転駆動軸(60)が駆動ポート(53a)を通り抜けてポンプのメス型駆動接続部分と駆動係合し、」「駆動軸(60)が回転すると、再充填可能カートリッジ(50)からの飲料関連流体物質は、配量された量で、入口導管(30)に沿って分配機(12)へ汲み上げられるように構成され」ていることは、「ポンプ」が流体を送り出すための出口を有していることは明らかであること、及び、駆動係合した2つの回転軸の間でトルクが伝達されていることは明らかであることを踏まえると、本願発明の「該駆動シャフトが稼動されるときに飲料関連成分が該配量器出口から該混合チェンバー内へ供給されるように、該飲料調製装置の駆動シャフトは、該飲料調製装置から該配量器へトルクを伝達するように配設されている」ことに相当する。
また、引用発明Bの「分配機(12)」では、「水ジェットミキサー(20)」に「湯が供給される入口(24)」が設けられており、水ジェットミキサー(20)の入口(24)まで湯を供給するための手段が必須となるところ、管等の湯を供給するための流路となり得る何らか手段、すなわち、本願発明の「液体を該混合チェンバーへ供給するための液体流路を含んでいる液体供給手段」が設けられていることは明らかである。
そして、引用発明Bの「第2の飲料分配システム(10)」は、「飲料の調製に使われる」「分配アセンブリ(19)」を備えるものであるから、「飲料摂取物を調製するためのシステム」であるといえる。

したがって、両者は以下の点で一致する一方、以下の点で相違する。

<一致点>
「飲料摂取物を調製するためのシステムであって、
飲料調製装置、および
飲料関連成分を保持するように配設された少なくとも1つの交換可能な供給パック
を備えており、
該飲料調製装置は、飲料出口を有する混合チェンバー、液体を該混合チェンバーへ供給するための液体流路を含んでいる液体供給手段、および駆動シャフトを備えており、
該少なくとも1つの交換可能な供給パックは、飲料関連成分を保持するための容器、および出口を有する配量器を備えており、該配量器は、該容器から該配量器の該出口へ配量された仕方で飲料関連成分を供給するように配設されており、
該少なくとも1つの交換可能な供給パックと該飲料調製装置とは、機械的に接続可能であり、そして接続されるときに該配量器の該出口が混合チェンバーと流体連絡され、そして、該駆動シャフトが稼動されるときに飲料関連成分が該配量器出口から該混合チェンバー内へ供給されるように、該飲料調製装置の駆動シャフトは、該飲料調製装置から該配量器へトルクを伝達するように配設されている、
上記システム」

<相違点B>
本願発明の「飲料調製装置」は「空気を該液体流路へ供給するための空気供給手段」を備えているのに対して、引用発明Bの「分配機(12)」はそのような手段を備えるか否か不明である点。

(2)判断
上記相違点Bについて検討する。
上述したとおり、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に示されるように、飲料摂取物を調製するためのシステムにおいて、泡層を有する飲料を作るために、液体を混合チェンバーへ供給するための液体流路へ空気を供給するための空気供給手段を設けることは、本願出願(優先日)前から広く知られている周知技術である。
引用発明Bと周知技術はいずれも、飲料摂取物を調製するためのシステムに関するものであり、属する技術分野が共通している。
また、飲料摂取物を調製するためのシステムにおいて、泡層を有する飲料を作ることは本願出願(優先日)前から広く行われていることであって、引用発明Bにおいても、ユーザーの嗜好に応じて泡層を有する飲料を提供しようとすることは適宜採用し得ることである。
そのため、引用発明Bに周知技術を適用して、引用発明Bの分配機(12)において、湯を水ジェットミキサー(20)へ供給するための流路へ空気を供給するための空気供給手段を設け、相違点Bに係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得る。

3 本願発明の効果
本願発明の効果は、引用発明A及び周知技術、または、引用発明B及び周知技術から予測できる範囲内のものであって、格別顕著なものとはいえない。

4 請求人の主張
請求人は、審判請求書において、
「引用文献2は、飲食用に適する泡立ち飲料を作る装置を記載しています。この装置は、渦流チャンバ2と該渦流チャンバに水などの流体を供給する供給手段4とを備え、渦流チャンバ2内では、流体が、コーヒー濃縮液などの濃縮液と混合される(段落0025)。この装置はさらに、渦流チャンバ2に空気を供給する、空気供給手段20を備えている(段落0028)。 これは、本願は発明における『空気を該液体流路へ供給するための空気供給手段』とは異なります。したがって、引用文献2の『渦流チャンバ2に空気を供給する、空気供給手段20』を引用文献1に組み合わせても、本願発明は構成されません。」
と主張している。
しかし、引用文献2の段落【0028】には、「空気供給手段は、ダクト24を介して液体流路11に空気を供給するエアレーション・バルブ22を備え、」と記載されており、空気供給手段20が液体流路11に空気を供給することが明記されている。また、図2(a)、(b)からは、渦流チャンバ2に液体を供給する液体流路11の一部分である供給ダクト10に空気入口36が設けられている点を看取することができる。
よって、請求人の上記主張は採用できない。

また、請求人は、審判請求書において、
「引用文献2は、配量器を有する交換可能な供給パックを開示しておりません。引用文献2において、配量器(第1の調合装置6)は装置の一部であり、貯蔵パッケージ21と流体連通する(段落0027)。引用文献2において、第1の調合装置6が貯蔵パッケージ21と一緒に交換できる旨を記載も示唆もしておりません。従って、引用文献2を引用文献1と組み合わせて本願請求項1の発明の構成にすることを当業者は容易に想到しません。また、引用文献1の発明と引用文献2の発明とは技術的に両立しません(例えば、引用文献1で必須の駆動ポートと流体出口ポートの位置;及び、引用文献2において、濃縮液は重力の影響を受けて渦流チャンバに流れるのであり、圧力によるのではない(段落0033第4〜5行)が、引用文献1においてはポンプによる)。以上の通りですから、本願発明を知らない状況において、引用文献2から空気供給手段という要素のみを取り出して引用文献1の発明に適用することは、容易に考えられることではないと思います。」
と主張している。
しかし、引用発明Aまたは引用発明Bと引用文献2記載事項に示される周知技術はいずれも飲料摂取物を調製するためのシステムに関するものであり、属する技術分野が共通しており、また、飲料摂取物を調製するためのシステムにおいて、泡層を有する飲料を作ることは本願出願(優先日)前から広く行われていることであって、引用発明Aまたは引用発明Bにおいても、ユーザーの嗜好に応じて泡層を有する飲料を提供しようとすることは適宜採用し得ることであるから、引用発明Aまたは引用発明Bに引用文献2記載事項に示される周知技術を適用する動機付けが存在する。
そして、引用文献2における、「配量器(第1の調合装置6)は装置の一部であり、貯蔵パッケージ21と流体連通する」ことや「濃縮液は重力の影響を受けて渦流チャンバに流れるのであり、圧力によるのではない」ことはいずれも、単に引用発明Aまたは引用発明Bと引用文献2記載事項との間において飲料調整装置の機構として相違があることを示すものであって、引用発明Aまたは引用発明Bにおいて、湯を水ジェットミキサー(20)へ供給するための流路へ空気を供給して泡層を有する飲料を作ることが妨げられることを示すものではない。そのため、上記の各点は、引用発明Aまたは引用発明Bに引用文献2記載事項に示される周知技術に適用する上での阻害要因にはならない。
よって、請求人の上記主張は採用できない。

また、請求人は、審判請求書において、
「引用文献3においては、第1の混合室10は交換可能なホルダ2の一部であり、装置4の一部ではない(段落0025第3〜4行)。引用文献3は、第2の混合室100を記載し、これは交換可能なホルダ2の一部である(段落0057)。引用文献3は、装置4が空気供給手段を有し、それが、引用文献1の請求項1におけるように、混合チャンバを有することを記載していません。したがって、引用文献1を引用文献3と組み合わせて本願請求項1の発明が構成されません、あるいは、引用文献1を引用文献3と組み合わることを当業者は容易に想到しません。また、引用文献1の発明と引用文献3の発明とは技術的に両立しません(例えば、引用文献1で必須の駆動ポートと流体出口ポートの位置)。」
と主張している。
しかし、引用発明Aまたは引用発明Bと引用文献3記載事項に示される周知技術はいずれも飲料摂取物を調製するためのシステムに関するものであり、属する技術分野が共通しており、また、飲料摂取物を調製するためのシステムにおいて、泡層を有する飲料を作ることは本願出願(優先日)前から広く行われていることであって、引用発明Aまたは引用発明Bにおいても、ユーザーの嗜好に応じて泡層を有する飲料を提供しようとすることは適宜採用し得ることであるから、引用発明Aまたは引用発明Bに引用文献3記載事項に示される周知技術を適用する動機付けが存在する。
そして、引用文献3における、「第1の混合室10は交換可能なホルダ2の一部であり、装置4の一部ではない」ことや「第2の混合室100を記載し、これは交換可能なホルダ2の一部である」こと、「装置4が空気供給手段を有」することはいずれも、単に引用発明Aまたは引用発明Bと引用文献3記載事項との間において飲料調整装置の機構として相違があることを示すものであって、引用発明Aまたは引用発明Bにおいて、湯を水ジェットミキサー(20)へ供給するための流路へ空気を供給して泡層を有する飲料を作ることが妨げられることを示すものではない。そのため、上記の各点は、引用発明Aまたは引用発明Bに引用文献3記載事項に示される周知技術に適用する上での阻害要因にはならない。
よって、請求人の上記主張は採用できない。

5 まとめ
したがって、本願発明は、引用発明A及び周知技術に基いて、または、引用発明B及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。

審判長 松下 聡
出訴期間として在外者に対し90日を附加する。
 
審理終結日 2021-09-10 
結審通知日 2021-09-27 
審決日 2021-10-08 
出願番号 P2017-531865
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A47J)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 後藤 健志
平城 俊雅
発明の名称 飲料摂取物を調製するためのシステム  
代理人 村上 博司  
代理人 松井 光夫  
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