• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01G
管理番号 1382255
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-04-23 
確定日 2022-02-10 
事件の表示 特願2018− 94776「積層セラミックコンデンサ」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年11月21日出願公開、特開2019−201106〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年5月16日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年10月14日付け:拒絶理由通知
令和 2年12月16日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 1月22日付け:拒絶査定
令和 3年 4月23日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 7月14日 :上申書の提出

第2 令和3年4月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年4月23日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正
(1)本件補正による特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正により補正された特許請求の範囲のうち、請求項1については次のとおりのものと認める(下線は、補正箇所を示す)。
「【請求項1】
チップサイズが0201サイズである積層セラミックコンデンサであって、
高さ方向において交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含み、前記高さ方向において相対する第1主面および第2主面、前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面、ならびに、前記高さ方向および前記幅方向の双方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面を有する積層体と、
前記第1端面を覆う第1外部電極と、
前記第2端面を覆う第2外部電極と、を備え、
前記複数の内部電極層は、前記第1外部電極に接続された複数の第1内部電極層と、前記第2外部電極に接続された複数の第2内部電極層とを含み、
前記第1外部電極は、前記積層体側に位置する第1下地電極層と、前記第1下地電極層上に設けられた第1めっき膜とを含み、
前記第2外部電極は、前記積層体側に位置する第2下地電極層と、前記第2下地電極層上に設けられた第2めっき膜とを含み、
前記複数の第1内部電極層の各々と前記第1下地電極層とは、前記複数の第1内部電極層の各々を構成する金属と前記第1下地電極層を構成する金属とからなる第1合金層を介して接続され、
前記複数の第2内部電極層の各々と前記第2下地電極層とは、前記複数の第2内部電極層の各々を構成する金属と前記第2下地電極層を構成する金属とからなる第2合金層を介して接続され、
前記第1合金層の一部は、前記複数の第1内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第1内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第1端面を、当該第1端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い、
前記第1合金層の他の一部は、前記第1端面から前記積層体の内部に入り込むように延び、
前記第2合金層の一部は、前記複数の第2内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第2内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第2端面を、当該第2端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い、
前記第2合金層の他の一部は、前記第2端面から前記積層体の内部に入り込むように延び、
前記高さ方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記幅方向における前記積層体の中央部を含む平面を第1平面とし、前記幅方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記高さ方向における前記積層体の中央部を含む平面を第2平面とし、前記第1端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第1稜部とし、前記第1端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第2稜部とし、前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第3稜部とし、前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第4稜部とし、前記第2端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第5稜部とし、前記第2端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第6稜部とし、前記第2端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第7稜部とし、前記第2端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第8稜部とした場合に、前記第1平面上における前記第1稜部の曲率半径R1、前記第1平面上における前記第2稜部の曲率半径R2、前記第2平面上における前記第3稜部の曲率半径R3、および、前記第2平面上における前記第4稜部の曲率半径R4が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たすとともに、前記第1平面上における前記第5稜部の曲率半径R5、前記第1平面上における前記第6稜部の曲率半径R6、前記第2平面上における前記第7稜部の曲率半径R7、および、前記第2平面上における前記第8稜部の曲率半径R8が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たし、
前記第1外部電極が、前記第1稜部、前記第2稜部、前記第3稜部および前記第4稜部の各々を覆うように、前記第1端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第1端面寄りの部分にまで延設され、
前記第2外部電極が、前記第5稜部、前記第6稜部、前記第7稜部および前記第8稜部の各々を覆うように、前記第2端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第2端面寄りの部分にまで延設されている、積層セラミックコンデンサ。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正前の、令和2年12月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲のうち、請求項1については次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
高さ方向において交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含み、前記高さ方向において相対する第1主面および第2主面、前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面、ならびに、前記高さ方向および前記幅方向の双方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面を有する積層体と、
前記第1端面を覆う第1外部電極と、
前記第2端面を覆う第2外部電極と、を備え、
前記複数の内部電極層は、前記第1外部電極に接続された複数の第1内部電極層と、前記第2外部電極に接続された複数の第2内部電極層とを含み、
前記第1外部電極は、前記積層体側に位置する第1下地電極層と、前記第1下地電極層上に設けられた第1めっき膜とを含み、
前記第2外部電極は、前記積層体側に位置する第2下地電極層と、前記第2下地電極層上に設けられた第2めっき膜とを含み、
前記複数の第1内部電極層の各々と前記第1下地電極層とは、前記複数の第1内部電極層の各々を構成する金属と前記第1下地電極層を構成する金属とからなる第1合金層を介して接続され、
前記複数の第2内部電極層の各々と前記第2下地電極層とは、前記複数の第2内部電極層の各々を構成する金属と前記第2下地電極層を構成する金属とからなる第2合金層を介して接続され、
前記第1合金層は、前記複数の第1内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第1内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第1端面を、当該第1端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い、
前記第2合金層は、前記複数の第2内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第2内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第2端面を、当該第2端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い、
前記高さ方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記幅方向における前記積層体の中央部を含む平面を第1平面とし、前記幅方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記高さ方向における前記積層体の中央部を含む平面を第2平面とし、前記第1端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第1稜部とし、前記第1端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第2稜部とし、前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第3稜部とし、前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第4稜部とし、前記第2端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第5稜部とし、前記第2端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第6稜部とし、前記第2端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第7稜部とし、前記第2端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第8稜部とした場合に、前記第1平面上における前記第1稜部の曲率半径R1、前記第1平面上における前記第2稜部の曲率半径R2、前記第2平面上における前記第3稜部の曲率半径R3、および、前記第2平面上における前記第4稜部の曲率半径R4が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たすとともに、前記第1平面上における前記第5稜部の曲率半径R5、前記第1平面上における前記第6稜部の曲率半径R6、前記第2平面上における前記第7稜部の曲率半径R7、および、前記第2平面上における前記第8稜部の曲率半径R8が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たし、
前記第1外部電極が、前記第1稜部、前記第2稜部、前記第3稜部および前記第4稜部の各々を覆うように、前記第1端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第1端面寄りの部分にまで延設され、
前記第2外部電極が、前記第5稜部、前記第6稜部、前記第7稜部および前記第8稜部の各々を覆うように、前記第2端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第2端面寄りの部分にまで延設されている、積層セラミックコンデンサ。」

2 補正の適否
本件補正における請求項1は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定する事項である「積層セラミックコンデンサ」について「チップサイズが0201サイズである」との限定を付加し、「前記第1合金層は、前記複数の第1内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第1内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第1端面を、当該第1端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い」を「前記第1合金層の一部は、前記複数の第1内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第1内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第1端面を、当該第1端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い」と限定し、「前記第2合金層は、前記複数の第2内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第2内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第2端面を、当該第2端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い」を「前記第2合金層の一部は、前記複数の第2内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第2内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第2端面を、当該第2端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆い」と限定すると共に、「第1合金層」及び「第2合金層」について、「前記第1合金層の他の一部は、前記第1端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」及び「前記第2合金層の他の一部は、前記第2端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」るとの限定を付加するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正における請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記「1(1)」において請求項1に記載したとおりのものと認める。

(2)引用文献
ア 引用文献1の記載、引用発明について
(ア)原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2015−35581号公報(平成27年2月19日公開、以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した)。
「【0002】
近年、携帯電話機や携帯音楽プレイヤーなどの電子機器の小型化や薄型化に伴い、電子機器に搭載されるセラミック電子部品の小型化や薄型化が急速に進んでいる。(・・・略・・・)」

「【0004】
特許文献1のように、積層型コンデンサの高さ寸法Hが極めて薄くなると、内部電極の面積が小さくなるばかりではなく、内部電極の積み枚数も少なくなり、積層型コンデンサの本体の等価直列抵抗(ESR)が増加するという問題が生じる。(・・・略・・・)」

「【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ESRを減少させたセラミック電子部品およびその製造方法を提供することである。」

「【0011】
図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、例えば直方体状の薄型のセラミック本体12を含む。セラミック本体12は、複数の積層されたセラミック層14からなり、互いに対向する一対の主面12a、12bと、互いに対向する一対の側面12c、12dと、互いに対向する一対の端面12e、12fとを有する。
・・・(中略)・・・
また、セラミック本体12は、コーナー部および稜部に丸みがつけられていることが好ましい。」

「【0012】
(・・・中略・・・)セラミック本体12の寸法は、特に限定されないが、セラミック本体12は、図1に示すように、セラミック本体12の厚み寸法をDT、長さ寸法をDL、幅寸法をDWとしたときに、DT<DW<DL、(1/5)DW≦DT≦(1/2)DW、または、DT<0.3mmが満たされるような薄型のものであってもよい。(・・・略・・・)」

「【0015】
セラミック本体12の内部には、略矩形状の複数の第1および第2の内部電極16a、16bが、セラミック本体12の厚み方向に沿って等間隔に交互に配置されている。
第1および第2の内部電極16a、16bの一端部には、セラミック本体12の端面12e、12fに露出した露出部18a、18bを有する。具体的には、第1の内部電極16aの一端部の露出部18aは、セラミック本体12の第1の端面12eに露出している。また、第2の内部電極16bの一端部の露出部18bは、セラミック本体12の第2の端面12fに露出している。
さらに、第1および第2の内部電極16a、16bのそれぞれは、セラミック本体12の第1および第2の主面12a、12bと平行である。また、第1および第2の内部電極16a、16bは、セラミック本体12の厚み方向において、セラミック層14を介して、互いに対向している。
・・・(中略)・・・
【0016】
セラミック本体12の端面12e、12f側には、第1および第2の外部電極20a、20bがそれぞれ形成されている。第1および第2の外部電極20a、20bは、金属粉が一体化してなる金属媒質とガラス粉が一体化してなるガラス媒質とを含み、外部電極20a、20bとセラミック本体12および内部電極16a、16bとの界面において、外部電極20a、20b中の金属と内部電極16a、16bの金属との合金層22a、22bが形成されている。また、金属媒質およびガラス媒質は、合金層22a、22bと後述のめっき膜24a、24bとの間に存在している。
【0017】
第1の外部電極20aは、第1の内部電極16aの露出部18aと電気的に接続されるようにして、セラミック本体12の第1の端面12eから一対の主面12a、12bおよび一対の側面12c、12dにわたって形成されている。また、第2の外部電極20bは、第2の内部電極16bの露出部18bと電気的に接続されるようにして、セラミック本体12の第2の端面12fから一対の主面12a、12bおよび一対の側面12c、12dにわたって形成されている。」

「【0019】
この発明にかかる実施の形態においては、外部電極20a、20b中の金属粉の平均粒子径を0.5μm〜2μmとし、ガラス粉の粒径より小さくし、Cu粉などの金属粉に濡れやすいガラス粉を使用する。このようにすることで、セラミック本体12および内部電極16a、16bの端面を金属粉で敷き詰めることができ、外部電極20a、20b中の金属(例えばCu)と内部電極16a、16b中の金属(例えばNi)との接触面積が増え、セラミック本体12の端面12e、12fにおいて内部電極16a、16bおよびセラミック本体12にて内部電極16a、16bの金属の外部電極20a、20bの金属への拡散を促進し、かつ、外部電極20a、20b中の金属粉同士のネッキングを促進し、内部電極16a、16b上の合金と隣の内部電極16a、16b上の合金とのネッキングを促進する。これにより、セラミック本体12および内部電極16a、16bと外部電極20a、20bとの界面に合金層22a、22bを形成することができる。
・・・(略)・・・」

「【0030】
合金層22a、22bの各厚みは、0.2μm以上5μm以下であることが好ましい。合金層22a、22bの厚みが0.2μmよりも小さい場合、合金の連続性が確保できず、ガラスによる内部電極16a、16bの例えばNiと外部電極20a、20b中の例えばCuとの間の拡散の阻害により、コンタクトが低下することがある。・・・(中略)・・・
【0031】
合金層22a(22b)の厚み1μmの領域におけるセラミック本体12の端面12e(12f)に対する被覆率は、72%以上である。合金層22a(22b)の厚み1μmの領域におけるセラミック本体12の端面12e(12f)に対する被覆率を72%以上とすることで、内部電極16a(16b)中の金属と外部電極20a(20b)中の金属との接合面積を増やし、内部電極16a(16b)と外部電極20a(20b)との接続抵抗を減少させ、積層セラミックコンデンサ10の全体のESRをさらに減少させることができるからである。・・・(略)・・・」

「【0033】
第1および第2の外部電極20a、20b上には、第1および第2のめっき膜24a、24bがそれぞれ形成されている。・・・(略)・・・」

「【0038】
それから、マザー積層体の上の仮想のカットラインに沿ってマザー積層体をカッティングすることによって、マザー積層体から複数の生のセラミック積層体を作製する。なお、マザー積層体のカッティングは、ダイシングや押切によって行うことができる。生のセラミック積層体に対しては、バレル研磨などを施し、稜線部や角部を丸めてもよい。」


「【0041】
次に、セラミック積層体に塗布した導電性ペーストを例えば60℃〜180℃の中で10分間熱風乾燥する。
【0042】
その後、乾燥した導電性ペーストを焼き付けて外部電極および合金層を形成する。」


「【0047】
電子部品の仕様(条件ごとに個数n=10個)
チップサイズ(設計値):DL×DW×DT=1.0mm×0.5mm×0.15mm
内部電極の金属:Ni
外部電極の折り返し部分の寸法DE(セラミック本体の主面および側面上に形成される外部電極の電極部分寸法DE):200μm〜400μm(狙い値は300μm)
外部電極を構成する導電性ペースト中の金属:Cu
Cu(Cu粉)の平均粒子径:表1および表2の金属粉粒子径を参照
Cu粉のアスペクト比:10(表1〜3の粒子径のCu粉を叩いてこのアスペクト比にした)
外部電極を構成する導電性ペースト中のガラス粉の平均粒子径:表1および表2のガラス粉粒子径を参照
外部電極を構成する導電性ペースト中の金属量:73体積%
外部電極を構成する導電性ペースト中のガラス量:27体積%
外部電極を構成する導電性ペーストの乾燥条件:100℃で10分間の熱風乾燥
外部電極の焼成条件:昇温速度が196℃/分で焼成温度が835℃
外部電極の折り返し部分の厚み:8μm〜13μm(最厚部)(狙いは10μm)
外部電極の端面厚み:6μm〜12μm(最厚部)(狙いは9μm)
めっき膜:Niめっき(狙い3μm)およびSnめっき(狙い4μm)の2層」

(イ)上記(ア)によれば、引用文献1には、次の技術的事項が記載されている。
a 段落【0011】には「図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、例えば直方体状の薄型のセラミック本体12を含む」こと、「セラミック本体12は」「互いに対向する一対の主面12a、12bと、互いに対向する一対の側面12c、12dと、互いに対向する一対の端面12e、12fとを有する」ことが記載されている。
そして、上記のとおり「セラミック本体」は「直方体状」であるから、図1より、一対の主面12a、12bは厚み寸法DTの方向である厚み方向で対向し、一対の側面12e、12fは厚み方向と直交する幅方向で対向し、一対の端面12e、12fは厚み方向及び幅方向と直交する長さ方向で対向することが見て取れる。さらに、セラミック本体は、一対の端面と一対の主面及び一対の側面とが接続する稜部を有することが見て取れる。
よって、積層セラミックコンデンサはセラミック本体を含むことが記載されるとともに、セラミック本体は、厚み方向で互いに対向する一対の主面と、厚み方向と直交する幅方向で互いに対向する一対の側面と、厚み方向及び幅方向と直交する長さ方向で互いに対向する一対の端面を有すること、ならびに、一対の端面と一対の主面及び一対の側面とが接続する稜部を有することが記載されている。

b 段落【0011】には「セラミック本体12は、複数の積層されたセラミック層14からな」ることが記載されており、また、段落【0015】には「セラミック本体12の内部には」「複数の第1および第2の内部電極16a、16bが、セラミック本体12の厚み方向に沿って等間隔に交互に配置されている」こと、及び「第1および第2の内部電極16a、16bは、セラミック本体12の厚み方向において、セラミック層14を介して、互いに対向している」ことが記載されている。
よって、セラミック本体は複数の積層されたセラミック層からなること、及び、セラミック本体の内部に複数の第1及び第2の内部電極が、セラミック層を介して互いに対向するように、セラミック本体の厚み方向に沿って等間隔に交互に配置されることが記載されている。

c 段落【0015】には「第1および第2の内部電極16a、16bの一端部には、セラミック本体12の端面12e、12fに露出した露出部18a、18bを有する。具体的には、第1の内部電極16aの一端部の露出部18aは、セラミック本体12の第1の端面12eに露出している。また、第2の内部電極16bの一端部の露出部18bは、セラミック本体12の第2の端面12fに露出している。」と記載されている。
よって、第1の内部電極はセラミック本体の一方の端面に露出する露出部を有し、第2の内部電極はセラミック本体の他方の端面に露出する露出部を有することが記載されている。

d 段落【0017】には、「第1の外部電極20a」は「セラミック本体12の第1の端面12eから一対の主面12a、12bおよび一対の側面12c、12dにわたって形成され」、「第2の外部電極20b」は「セラミック本体12の第2の端面12fから一対の主面12a、12bおよび一対の側面12c、12dにわたって形成され」ることが記載されている。
図1より、第1の端面12eを覆う第1の外部電極20aと、第2の端面12fを覆う第2の外部電極20bが設けられること、及び、第1の外部電極20a及び第2の外部電極20bは一対の主面12a、12b及び一対の側面12c、12dの長さ方向の中央は覆わないことが見て取れる。
よって、セラミック本体の一方の端面を覆う第1の外部電極と、セラミック本体の他方の端面を覆う第2の外部電極とを有すること、第1の外部電極はセラミック本体の一方の端面から一対の主面及び一対の側面にわたって形成され、一対の主面及び一対の側面の長さ方向の中央は覆わないこと、並びに、第2の外部電極はセラミック本体の他方の端面から一対の主面及び一対の側面にわたって形成され、一対の主面及び一対の側面の長さ方向の中央は覆わないことが記載されている。

e 段落【0017】には「第1の外部電極20aは、第1の内部電極16aの露出部18aと電気的に接続される」こと、及び「第2の外部電極20bは、第2の内部電極16bの露出部18bと電気的に接続される」ことが記載されている。また、図1には、複数の第1の内部電極16aが第1の外部電極20aに接続され、複数の第2の内部電極16bが第2の外部電極に接続されることが見て取れる。
よって、第1の外部電極は、複数の第1の内部電極の露出部と電気的に接続され、第2の外部電極は、複数の第2の内部電極の露出部と電気的に接続されることが記載されている。

f 段落【0033】には「第1および第2の外部電極20a、20b上には、第1および第2のめっき膜24a、24bがそれぞれ形成されている。」と記載されている。

g 段落【0016】には「外部電極20a、20bとセラミック本体12および内部電極16a、16bとの界面において、外部電極20a、20b中の金属と内部電極16a、16bの金属との合金層22a、22bが形成されている。」と記載されている。
よって、第1の外部電極とセラミック本体及び第1の内部電極との界面において、第1の外部電極中の金属と第1の内部電極の金属との合金層が形成されること、第2の外部電極とセラミック本体及び第2の内部電極との界面において、第2の外部電極中の金属と第2の内部電極の金属との合金層が形成されること、が記載されている。

h 段落【0011】には「セラミック本体12は、コーナー部および稜部に丸みがつけられていることが好ましい。」と記載され、段落【0038】には「生のセラミック積層体に対しては、バレル研磨などを施し、稜線部や角部を丸めてもよい。」と記載されている。
よって、セラミック本体の稜部はバレル研磨により丸められていることが記載されている。

i 段落【0030】には「合金層22a、22bの厚みが0.2μmよりも小さい場合、合金の連続性が確保できず、ガラスによる内部電極16a、16bの例えばNiと外部電極20a、20b中の例えばCuとの間の拡散の阻害により、コンタクトが低下することがある。」と記載され、段落【0031】には「合金層22a(22b)の厚み1μmの領域におけるセラミック本体12の端面12e(12f)に対する被覆率を72%以上とすることで、内部電極16a(16b)中の金属と外部電極20a(20b)中の金属との接合面積を増やし、内部電極16a(16b)と外部電極20a(20b)との接続抵抗を減少させ、積層セラミックコンデンサ10の全体のESRをさらに減少させることができるからである。」と記載されている。
よって、内部電極と外部電極との接続抵抗を減少させるために、合金の連続性を確保することが望ましいことが記載されている。

j 段落【0041】には「セラミック積層体に塗布した導電性ペーストを例えば60℃〜180℃の中で10分間熱風乾燥する。」と記載され、段落【0042】には「その後、乾燥した導電性ペーストを焼き付けて外部電極および合金層を形成する」と記載されている。また、段落【0047】には「内部電極の金属:Ni」、「外部電極を構成する導電性ペースト中の金属:Cu」、「外部電極を構成する導電性ペースト中の金属量:73体積%」、「外部電極を構成する導電性ペースト中のガラス量:27体積%」と記載されている。
よって、73体積%のCu及び27体積%のガラスを含む導電性ペーストをNiからなる内部電極を含むセラミック積層体に塗布し乾燥させた後、焼き付けて外部電極および合金層を形成することが記載されている。

k 段落【0019】には「セラミック本体12の端面12e、12fにおいて内部電極16a、16bおよびセラミック本体12にて内部電極16a、16bの金属の外部電極20a、20bの金属への拡散を促進し、かつ、外部電極20a、20b中の金属粉同士のネッキングを促進し、内部電極16a、16b上の合金と隣の内部電極16a、16b上の合金とのネッキングを促進する。これにより、セラミック本体12および内部電極16a、16bと外部電極20a、20bとの界面に合金層22a、22bを形成することができる。」と記載されている。

l 段落【0002】には「セラミック電子部品の小型化や薄型化が急速に進んでいる。」と記載され、段落【0004】には「積層型コンデンサの高さ寸法Hが極めて薄くなると、内部電極の面積が小さくなるばかりではなく、内部電極の積み枚数も少なくなり、積層型コンデンサの本体の等価直列抵抗(ESR)が増加するという問題が生じる」と記載され、段落【0005】には「この発明の主たる目的は、ESRを減少させたセラミック電子部品およびその製造方法を提供することである」と記載され、段落【0012】には「セラミック本体12の寸法は、特に限定されない」と記載されている。
よって、セラミック電子部品の小型化、薄膜化に伴う等価直列抵抗の増加の問題が解決すべき課題であり、また、セラミック本体の寸法は限定されないことが記載されている。

(ウ)上記(イ)aないしhによれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「積層セラミックコンデンサであって、
セラミック本体を含み、
セラミック本体は複数の積層されたセラミック層からなり、
セラミック本体の内部に複数の第1及び第2の内部電極が、セラミック層を介して互いに対向するように、セラミック本体の厚み方向に沿って等間隔に交互に配置され、
セラミック本体は、厚み方向で互いに対向する一対の主面と、厚み方向と直交する幅方向で互いに対向する一対の側面と、厚み方向及び幅方向と直交する長さ方向で互いに対向する一対の端面とを有し、さらに、一対の端面と一対の主面及び一対の側面とが接続する稜部とを有し、
第1の内部電極はセラミック本体の一方の端面に露出する露出部を有し、
第2の内部電極はセラミック本体の他方の端面に露出する露出部を有し、
セラミック本体の一方の端面を覆う第1の外部電極と、セラミック本体の他方の端面を覆う第2の外部電極とを有し、
第1の外部電極は、セラミック本体の一方の端面から一対の主面及び一対の側面にわたって形成され、一対の主面及び一対の側面の長さ方向の中央は覆わず、
第2の外部電極は、セラミック本体の他方の端面から一対の主面及び一対の側面にわたって形成され、一対の主面及び一対の側面の長さ方向の中央は覆わず、
第1の外部電極は複数の第1の内部電極の露出部と電気的に接続され、
第2の外部電極は複数の第2の内部電極の露出部と電気的に接続され、
第1及び第2の外部電極上には、第1及び第2のめっき膜がそれぞれ形成され、
第1の外部電極とセラミック本体及び第1の内部電極との界面において第1の外部電極中の金属と第1の内部電極の金属との合金層が形成され、
第2の外部電極とセラミック本体及び第2の内部電極との界面において第2の外部電極中の金属と第2の内部電極の金属との合金層が形成され、
セラミック本体の稜部はバレル研磨により丸められている、
積層セラミックコンデンサ。」

(3)対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
a 引用発明の「積層セラミックコンデンサ」は、後述するように複数の誘電体層及び内部電極層を含んだ積層体、2つの外部電極を備えているから、本件補正発明の「積層セラミックコンデンサ」に相当する。
ただし、本件補正発明は「チップサイズが0201サイズである積層セラミックコンデンサ」であるのに対し、引用発明は「積層セラミックコンデンサ」のチップサイズが0201ではない点で、本件補正発明と相違する。

b 引用発明の「セラミック本体」、「第1及び第2の内部電極」及び「セラミック層」は、本件補正発明の「積層体」、「内部電極」及び「誘電体層」に相当する。
引用発明の「セラミック本体の内部に複数の第1及び第2の内部電極が、セラミック層を介して互いに対向するように、セラミック本体の厚み方向に沿って等間隔に交互に配置され」た構成は、本件補正発明の「高さ方向において交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含」む「積層体」に相当する。

c 引用発明の「厚み方向で互いに対向する一対の主面」は本件補正発明の「前記高さ方向において相対する第1主面および第2主面」に相当し、引用発明の「厚み方向と直交する幅方向で互いに対向する一対の側面」は本件補正発明の「前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面」に相当し、引用発明の「厚み方向及び幅方向と直交する長さ方向で互いに対向する一対の端面」は本件補正発明の「前記高さ方向および前記幅方向の双方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面」に相当する。
よって、引用発明の「セラミック本体は、厚み方向で互いに対向する一対の主面と、厚み方向と直交する幅方向で互いに対向する一対の側面と、厚み方向及び幅方向と直交する長さ方向で互いに対向する一対の端面とを有」することは、本件補正発明の「前記高さ方向において相対する第1主面および第2主面、前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面、ならびに、前記高さ方向および前記幅方向の双方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面を有する積層体」に相当する。

d 引用発明の「第1の外部電極」は「セラミック本体及び第1の内部電極との界面」を有するものであるから、本件補正発明の「前記積層体側に位置する第1下地電極層」に相当する。また、引用発明の「第1」の「外部電極上に」「形成され」た「第1」の「めっき膜」は、本件補正発明の「前記第1下地電極層上に設けられた第1めっき膜」に相当する。
そして、引用発明の「第1の外部電極」は「セラミック本体の一方の端面を覆」い、「第1」の「外部電極上には、第1」の「めっき膜が」「形成され」、「第1」の「外部電極」及び「第1」の「めっき膜」は一体となって電極を構成するから、「セラミック本体の一方の端面を覆う第1の外部電極」及び「第1」の「外部電極上に」「形成され」た「第1」の「めっき膜」からなる構成は、本件補正発明の「前記第1端面を覆う第1外部電極」に相当する。

e 引用発明の「第2の外部電極」は「セラミック本体及び第2の内部電極との界面」を有するものであるから、本件補正発明の「前記積層体側に位置する第2下地電極層」に相当する。また、引用発明の「第2の外部電極上に」「形成され」た「第2のめっき膜」は、本件補正発明の「前記第2下地電極層上に設けられた第2めっき膜」に相当する。
そして、引用発明の「第2の外部電極」は「セラミック本体の他方の端面を覆」い、「第2の外部電極上には」「第2のめっき膜が」「形成され」、「第2の外部電極」及び「第2のめっき膜」は一体となって電極を構成すると認められるから、「セラミック本体の他方の端面を覆う第2の外部電極」及び「第2の外部電極上に」「形成され」た「第2のめっき膜」からなる構成は、本件補正発明の「前記第2端面を覆う第2外部電極」に相当する。

f 引用発明の「第1」の「外部電極上には、第1」の「めっき膜が」「形成され」かつ「第1の外部電極は複数の第1の内部電極の露出部と電気的に接続され」ることは、本件補正発明の「前記第1外部電極に接続された複数の第1内部電極層」「を含」むことに相当し、引用発明の「第2の外部電極上には」「第2のめっき膜が」「形成され」かつ「第2の外部電極は複数の第2の内部電極の露出部と電気的に接続され」ることは本件補正発明の「前記第2外部電極に接続された複数の第2内部電極層」「を含」むことに相当する。

g 引用発明の「第1の外部電極と」「第1の内部電極との界面において第1の外部電極中の金属と第1の内部電極の金属との合金層が形成され」ることは、本件補正発明の「前記複数の第1内部電極層の各々と前記第1下地電極層とは、前記複数の第1内部電極層の各々を構成する金属と前記第1下地電極層を構成する金属とからなる第1合金層を介して接続され」ることに相当する。
ただし、本件補正発明は「前記第1合金層の一部は、前記複数の第1内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第1内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第1端面を、当該第1端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆」うのに対し、引用発明は「第1の外部電極と、セラミック本体及び第1の内部電極との界面において第1の外部電極中の金属と第1の内部電極の金属との合金層が形成され」るものの、「合金層」が連続的に「形成される」ことは特定されてない点で、相違する。
また、本件補正発明は「前記第1合金層の他の一部は、前記第1端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」るのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で、相違する。

h 引用発明の「第2の外部電極と」「第2の内部電極との界面において第2の外部電極中の金属と第2の内部電極の金属との合金層が形成され」ることは、本件補正発明の「前記複数の第2内部電極層の各々と前記第2下地電極層とは、前記複数の第2内部電極層の各々を構成する金属と前記第2下地電極層を構成する金属とからなる第2合金層を介して接続され」ることに相当する。
ただし、本件補正発明は「前記第2合金層の一部は、前記複数の第2内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第2内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第2端面を、当該第2端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆」うのに対し、引用発明は「第2の外部電極と、セラミック本体及び第2の内部電極との界面において第2の外部電極中の金属と第2の内部電極の金属との合金層が形成され」るものの、「合金層」が連続的に「形成される」ことは特定されてない点で、相違する。
また、本件補正発明は「前記第2合金層の他の一部は、前記第2端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」るのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で、相違する。

i 本件補正発明は「前記高さ方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記幅方向における前記積層体の中央部を含む平面を第1平面とし、前記幅方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記高さ方向における前記積層体の中央部を含む平面を第2平面とし、前記第1端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第1稜部とし、前記第1端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第2稜部とし、前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第3稜部とし、前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第4稜部とし、前記第2端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第5稜部とし、前記第2端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第6稜部とし、前記第2端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第7稜部とし、前記第2端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第8稜部とした場合に、前記第1平面上における前記第1稜部の曲率半径R1、前記第1平面上における前記第2稜部の曲率半径R2、前記第2平面上における前記第3稜部の曲率半径R3、および、前記第2平面上における前記第4稜部の曲率半径R4が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たすとともに、前記第1平面上における前記第5稜部の曲率半径R5、前記第1平面上における前記第6稜部の曲率半径R6、前記第2平面上における前記第7稜部の曲率半径R7、および、前記第2平面上における前記第8稜部の曲率半径R8が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満た」すのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で、相違する。

j 引用発明の「一対の端面と一対の主面及び一対の側面とが接続する稜部」のうち、「一方の端面」と「一対の主面」「とが接続する稜部」は、本件補正発明の「前記第1端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第1稜部」、及び「前記第1端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第2稜部」に相当し、引用発明の「一方の端面」と「一対の側面とが接続する稜部」は、本件補正発明の「前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第3稜部」、及び「前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第4稜部」に相当する。
また、引用発明の「一対の端面と一対の主面及び一対の側面とが接続する稜部」のうち、「他方の端面」と「一対の主面」とが接続する「稜部」は、本件補正発明の「前記第2端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第5稜部」及び「前記第2端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第6稜部」に相当し、引用発明の「他方の端面」と「一対の側面とが接続する稜部」は、本件補正発明の「前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第7稜部」、及び「前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部」である「第8稜部」に相当する。

k 引用発明の「第1」の「外部電極上には、第1」の「めっき膜がそれぞれ形成され」、かつ、「第1の外部電極は、セラミック本体の一方の端面から一対の主面及び一対の側面にわたって形成され、一対の主面及び一対の側面の長さ方向の中央は覆わ」ない構成は、本件補正発明の「前記第1外部電極が、前記第1稜部、前記第2稜部、前記第3稜部および前記第4稜部の各々を覆うように、前記第1端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第1端面寄りの部分にまで延設され」る構成に相当する。

l 引用発明の「第2の外部電極上には、」「第2のめっき膜がそれぞれ形成され」、かつ、「第2の外部電極は、セラミック本体の他方の端面から一対の主面及び一対の側面にわたって形成され、一対の主面及び一対の側面の長さ方向の中央は覆わ」ない構成は、本件補正発明の「前記第2外部電極が、前記第5稜部、前記第6稜部、前記第7稜部および前記第8稜部の各々を覆うように、前記第2端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第2端面寄りの部分にまで延設されている」構成に相当する。

イ 上記アによれば、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違する。

(一致点)
「積層セラミックコンデンサであって、
高さ方向において交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含み、前記高さ方向において相対する第1主面および第2主面、前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面、ならびに、前記高さ方向および前記幅方向の双方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面を有する積層体と、
前記第1端面を覆う第1外部電極と、
前記第2端面を覆う第2外部電極と、を備え、
前記複数の内部電極層は、前記第1外部電極に接続された複数の第1内部電極層と、前記第2外部電極に接続された複数の第2内部電極層とを含み、
前記第1外部電極は、前記積層体側に位置する第1下地電極層と、前記第1下地電極層上に設けられた第1めっき膜とを含み、
前記第2外部電極は、前記積層体側に位置する第2下地電極層と、前記第2下地電極層上に設けられた第2めっき膜とを含み、
前記複数の第1内部電極層の各々と前記第1下地電極層とは、前記複数の第1内部電極層の各々を構成する金属と前記第1下地電極層を構成する金属とからなる第1合金層を介して接続され、
前記複数の第2内部電極層の各々と前記第2下地電極層とは、前記複数の第2内部電極層の各々を構成する金属と前記第2下地電極層を構成する金属とからなる第2合金層を介して接続され、
前記第1端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第1稜部とし、前記第1端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第2稜部とし、前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第3稜部とし、前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第4稜部とし、前記第2端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第5稜部とし、前記第2端面と前記第2主面と を接続する部分の前記積層体の稜部を第6稜部とし、前記第2端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第7稜部とし、前記第2端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第8稜部とした場合に、
前記第1外部電極が、前記第1稜部、前記第2稜部、前記第3稜部および前記第4稜部の各々を覆うように、前記第1端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第1端面寄りの部分にまで延設され、
前記第2外部電極が、前記第5稜部、前記第6稜部、前記第7稜部および前記第8稜部の各々を覆うように、前記第2端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の前記第2端面寄りの部分にまで延設されている、積層セラミックコンデンサ。」

(相違点1)
本件補正発明は「チップサイズが0201サイズである積層セラミックコンデンサ」であるのに対し、引用発明は「積層セラミックコンデンサ」のチップサイズが0201ではない点。

(相違点2)
本件補正発明は、「前記第1合金層の一部は、前記複数の第1内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第1内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第1端面を、当該第1端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆」うのに対し、引用発明は「第1の外部電極と、セラミック本体及び第1の内部電極との界面において第1の外部電極中の金属と第1の内部電極の金属との合金層が形成され」るものの、「合金層」が連続的に「形成される」ことは特定されてない点。

(相違点3)
本件補正発明は「前記第1合金層の他の一部は、前記第1端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」るのに対し、引用発明はその旨特定されていない点。

(相違点4)
本件補正発明は、「前記第2合金層の一部は、前記複数の第2内部電極層が露出する部分と、前記高さ方向において隣り合う前記第2内部電極層同士の間に位置する前記誘電体層が露出する部分との双方を有する前記第2端面を、当該第2端面の面内方向と平行な方向において連続的に覆」うのに対し、引用発明は「第2の外部電極と、セラミック本体及び第2の内部電極との界面において第2の外部電極中の金属と第2の内部電極の金属との合金層が形成され」るものの、「合金層」が連続的に「形成される」ことは特定されてない点。

(相違点5)
本件補正発明は「前記第2合金層の他の一部は、前記第2端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」るのに対し、引用発明はその旨特定されていない点。

(相違点6)
本件補正発明は、「前記高さ方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記幅方向における前記積層体の中央部を含む平面を第1平面とし、前記幅方向および前記長さ方向の双方に平行でかつ前記高さ方向における前記積層体の中央部を含む平面を第2平面とし、前記第1端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第1稜部とし、前記第1端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第2稜部とし、前記第1端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第3稜部とし、前記第1端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第4稜部とし、前記第2端面と前記第1主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第5稜部とし、前記第2端面と前記第2主面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第6稜部とし、前記第2端面と前記第1側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第7稜部とし、前記第2端面と前記第2側面とを接続する部分の前記積層体の稜部を第8稜部とした場合に、前記第1平面上における前記第1稜部の曲率半径R1、前記第1平面上における前記第2稜部の曲率半径R2、前記第2平面上における前記第3稜部の曲率半径R3、および、前記第2平面上における前記第4稜部の曲率半径R4が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たすとともに、前記第1平面上における前記第5稜部の曲率半径R5、前記第1平面上における前記第6稜部の曲率半径R6、前記第2平面上における前記第7稜部の曲率半径R7、および、前記第2平面上における前記第8稜部の曲率半径R8が、いずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満た」すのに対し、引用発明はその旨特定されていない点。

(4)判断
ア 相違点1について検討する。
上記「(2)ア(イ)l」のとおり、引用発明は、セラミック電子部品の小型化、薄膜化に伴う等価直列抵抗の増加の問題を解決するものであり、また、セラミック本体の寸法は限定されない。そして、小型の積層セラミックコンデンサの寸法として、0.2mm×0.1mmの0201サイズは周知のサイズであり(必要ならば特開2017−22232号公報、段落【0027】、特開2017−11142号公報、段落【0048】参照)、引用発明の寸法を当該周知のサイズとし、相違点1に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

この点につき、審判請求人は令和3年7月14日に提出した上申書において「非常にそのチップサイズが小さい積層セラミックコンデンサにおきましては、令和3年4月23日付け提出の審判請求書においても述べましたように、その製造時において、積層体の稜部に、第1外部電極および第2外部電極の下地電極層の原料である導電性ペーストを、耐湿性を確保する上で十分な量だけ付着させることが困難になり、結果として当該稜部を覆う部分の第1外部電極および第2外部電極の厚みが薄くなり、当該部分を介しての積層体の内部への水分の侵入が生じ易くなる問題が生じ得ます。このような問題は、チップサイズが0201サイズよりも大きい積層セラミックコンデンサにおいては生じ得ないまたは生じ難い問題であるところ、上記前置報告書における審査官殿の「積層セラミックコンデンサのサイズを特定することは、当業者であれば用途等を考慮して適宜選択し得た事項である」とのご指摘は、このような技術的課題が公知であるとの明確な根拠がない以上、本願発明の解決課題を何ら考慮することなく直ちにこれを単なる設計的事項として認定したいわゆる後知恵に該当するものと思料致します。」と主張している。
しかし、本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0046】には「本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、その最大外形寸法L0、W0およびH0が、概ね0.25[mm]×0.125[mm]×0.125[mm]である、いわゆるチップサイズが0201サイズのものである。しかしながら、チップサイズはこれに限定されるものではなく、その最大外形寸法L0、W0およびH0は、概ね0.4[mm]×0.2[mm]×0.2[mm]とされてもよいし(いわゆる0402サイズ)、概ね0.6[mm]×0.3[mm]×0.3[mm]とされてもいし(いわゆる0603サイズ)、概ね1.0[mm]×0.5[mm]×0.5[mm]とさてもよい(いわゆる1005サイズ)。」と記載されており、積層セラミックコンデンサのチップサイズは0201サイズに限定されないことが記載されており、0201サイズより大きい積層セラミックコンデンサにおいても課題は解決されると解される。よって、上記審判請求人の主張を採用することはできない。

イ 相違点2及び4について検討する。
上記「(2)ア(イ)i」のとおり、引用文献1には内部電極と外部電極との接続抵抗を減少させることを目的とすること、合金の連続性を確保することが望ましいことが記載されている。また、上記「(2)ア(イ)j」のとおり、外部電極及び合金層は、73体積%のCu及び27体積%のガラスを含む導電性ペーストをNiからなる内部電極を含むセラミック積層体に塗布し乾燥させた後、焼き付けて形成され、上記「(2)ア(イ)k」のとおり、外部電極中の金属粉同士のネッキングすなわち結合を促進し、隣り合う内部電極上の合金同士の結合を促進し、これによりセラミック本体および内部電極と外部電極との界面に合金層を形成できることが記載されている。上記形成方法によれば、隣り合う内部電極上の合金同士が結合されるのであるから、内部電極上と、隣り合う内部電極間のセラミック本体上とに連続して合金層が形成されることは明らかである。
よって、引用発明において「合金層」は連続的に「形成され」るものであり、上記相違点2及び4に係る構成は、引用文献1に記載されているに等しい事項である。

ウ 相違点3及び5について検討する。
上記「(2)ア(イ)k」のとおり、引用文献1には、内部電極の金属が外部電極の金属へと拡散し、合金が形成されることが記載されている。そして、内部電極の金属が拡散する場合、相互拡散により外部電極の金属も内部電極へと拡散することは技術常識である(必要ならば、特開2016−171310号公報、段落【0019】及び段落【0057】参照)。
よって、引用発明において「合金層」が形成される際、「第1の内部電極」及び「第2の内部電極」の「金属」が「第1の外部電極」及び「第2の外部電極」へと拡散することにより、相互拡散により「第1の外部電極」及び「第2の外部電極」の「金属」が「第1の内部電極」及び「第2の内部電極」へと拡散し、「セラミック本体」内に合金が形成されることは明らかであるから、相違点3及び5に係る構成は、引用文献1に記載されているに等しい事項である。

エ 相違点6について検討する。
本願の願書に最初に添付した明細書には、曲率半径R1ないし8がいずれも5.4[μm]以上10[μm]以下の条件を満たすことにより、導電性ペーストの付着量を適切に調節でき、耐湿性をより向上させることができることが記載されている(段落【0075】ないし段落【0078】参照)。
しかし、本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0118】ないし段落【0121】に記載された検証試験では、曲率半径R1ないしR8が10μmよりも大きい場合の耐湿性の評価結果は記載されておらず、他に、10μm以下とすることの効果について記載されていないため、本件補正発明における「曲率半径」が「10μm以下」であることの臨界的意義は認められない。
そして、積層セラミックコンデンサにおいて、セラミック焼結体の端面と他の面との隣接するエッジ部を曲率半径が30μm以下となるように丸めることで、導電性ペーストの膜厚を十分に確保することが周知技術である(必要ならば、特開2001−210545号公報、【請求項1】、段落【0038】及び段落【0041】参照)。また、稜部の曲率半径の評価方法として、稜部の中央での曲率半径を測定することも周知の手段である(特開2015−111655号公報、段落【0062】)。
よって、引用発明において「セラミック本体の稜部」が「バレル研磨により丸められ」る際の曲率半径として、30μm以下の範囲から外部電極の膜厚を十分確保できる程度の値を選択し、相違点6に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

オ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明と周知技術とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし10に係る発明は、令和2年12月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2[理由]1(2)」において記載した請求項1のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略次のとおりである。
進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由(特許法第29条第2項)について
・請求項 1−9
・引用文献等 1−3

・請求項 10
・引用文献等 1−5

<引用文献等一覧>
1.特開2015−035581号公報
2.特開2017−022232号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2015−008313号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2014−022713号公報(周知技術を示す文献)
5.国際公開第2013/128957号(新たに引用された文献;周知技術を示す文献)

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記「第2[理由]2(2)ア」に記載したとおりである。

4 対比、判断
本願発明は、本件補正発明から、上記「第2[理由]1 本件補正」で検討した、「チップサイズが0201サイズである」、「前記第1合金層の他の一部は、前記第1端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」、「前記第2合金層の他の一部は、前記第2端面から前記積層体の内部に入り込むように延び」との限定(相違点1、3及び5に係る構成)が削除されたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に限定したものに相当する本件補正発明が前記「第2[理由]2」に示したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。


 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2021-12-02 
結審通知日 2021-12-07 
審決日 2021-12-20 
出願番号 P2018-094776
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01G)
P 1 8・ 575- Z (H01G)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 棚田 一也
山本 章裕
発明の名称 積層セラミックコンデンサ  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ