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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1383102
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-06-09 
確定日 2022-03-17 
事件の表示 特願2016−252940号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年7月5日出願公開、特開2018−102669号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成28年12月27日の特許出願であって、令和2年7月7日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月11日に意見書および手続補正書が提出されたところ、令和3年2月24日付け(送達日:同年3月9日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年6月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和3年6月9日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年6月9日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正により、令和2年9月11日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、 前記所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に前記所定の抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
前記図柄の変動表示に対応させて所定の演出図柄を変動表示させた後、前記図柄の停止表示に対応させて前記所定の演出図柄を停止表示させる変動表示演出を表示する演出表示装置と、
前記演出表示装置よりも前方に配置され、所定の発光に基づいて演出光を表示する導光板と、
前記導光板に対して光を発する発光部材と、
複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで前記発光部材を発光させて前記導光板に前記演出光を表示させる制御手段とを備え、
前記所定の演出図柄は、前記演出表示装置の略中央に表示されるメイン演出図柄とは異なるサブ演出図柄であり、
前記制御手段は、
一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、表示する前記演出光を切り替えることが可能であり、
少なくとも前記図柄の停止表示中は、前記サブ演出図柄と重なる位置に表示される前記演出光を表示しないように制御することを特徴とする遊技機。」は、
審判請求時に提出された手続補正書(令和3年6月9日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、 前記所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に前記所定の抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
前記図柄の変動表示に対応させて所定の演出図柄を変動表示させた後、前記図柄の停止表示に対応させて前記所定の演出図柄を停止表示させる変動表示演出を表示する演出表示装置と、
前記演出表示装置よりも前方に配置され、所定の発光に基づいて演出光を表示する導光板と、
前記導光板に対して光を発する発光部材と、
複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで前記発光部材を発光させて前記導光板に前記演出光を表示させる制御手段とを備え、
前記所定の演出図柄は、前記演出表示装置の略中央に表示されるメイン演出図柄とは異なるサブ演出図柄であり、
前記制御手段は、
一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている前記演出光を別の前記演出光に切り替えて発光表示させることが可能であり、
少なくとも前記図柄の停止表示中は、前記サブ演出図柄と重なる位置に表示される前記演出光を表示しないように制御することを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。

2 補正の適否
2−1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「導光板」の「演出光」の「切り替え」に関して、「一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、表示する前記演出光を切り替えることが可能であり、」とあったものを「一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている前記演出光を別の前記演出光に切り替えて発光表示させることが可能であり、」と限定することを含むものである。
したがって、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書及び図面の【0500】〜【0510】、【図56】〜【図58】の記載に基づくものであり、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

2−2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A〜Iは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「【請求項1】
A 遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に前記所定の抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記図柄の変動表示に対応させて所定の演出図柄を変動表示させた後、前記図柄の停止表示に対応させて前記所定の演出図柄を停止表示させる変動表示演出を表示する演出表示装置と、
D 前記演出表示装置よりも前方に配置され、所定の発光に基づいて演出光を表示する導光板と、
E 前記導光板に対して光を発する発光部材と、
F 複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで前記発光部材を発光させて前記導光板に前記演出光を表示させる制御手段とを備え、
G 前記所定の演出図柄は、前記演出表示装置の略中央に表示されるメイン演出図柄とは異なるサブ演出図柄であり、
H 前記制御手段は、
H1 一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている前記演出光を別の前記演出光に切り替えて発光表示させることが可能であり、
H2 少なくとも前記図柄の停止表示中は、前記サブ演出図柄と重なる位置に表示される前記演出光を表示しないように制御する
I ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用例の記載、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016−43100号公報(平成28年4月4日公開)(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。

ア 記載事項
(ア)
「【実施例】
【0014】
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ遊技機1の前面側(前方側)、奥側(内方側)を背面側(後方側)として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。」

(イ)
「【0022】
また、演出表示装置9(後方表示手段)は、図3に示すように、遊技盤6から所定距離奥側(後方側)に配置されており、この演出表示装置9の前面側(前方側)には、演出表示装置9の表示と連携されるエフェクト画像が表示される導光板ユニット11(前方表示手段)が配置されている。なお、導光板ユニット11は、演出表示装置9と同様に遊技盤6よりも背面側に配置されているが、演出表示装置9と導光板ユニット11とは、所定距離K1の間隔を空けて配置されている。更に、遊技者の視点位置は、導光板ユニット11の前方側に所定距離K2の間隔を空けた位置と想定している。
【0023】
遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示(可変表示ともいう)する特別図柄表示器(特別図柄表示装置、可変表示手段)8(図2参照)が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動(可変)表示を行う。演出表示装置9、導光板ユニット11は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図2参照)等の各デバイスによって制御される。
【0024】
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
【0025】
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。」

(ウ)
「【0055】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
・・・
【0059】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および演出図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。」

(エ)
「【0073】
次に、導光板ユニット11の構造について図4から図6を参照して詳述する。図4に示すように、導光板ユニット11は、前述した演出表示装置9の表示画面と略同一寸法をなし、該演出表示装置9の表示画面を覆うことができる四角形状をなすユニットである。図4に示すように、導光板ユニット11は、光を透過可能な透光性を有する第1導光板11a(前方表示部)及び第2導光板11b(前方表示部)を有している。この各導光板11a、11bは、前後に重畳して配置されており、該導光板11a、11bを介して演出表示装置9の表示画面を前面側から視認することができる。
・・・
【0075】
また、図5及び6に示すように、導光板ユニット11は、各導光板11a、11bの端面に光を入射可能に設けられる発光体としての表示用LED62a、62bと、各導光板11a、11bの背面に所定の画像(静止画像)を表す態様にて設けられ、各導光板11a、11bの端面から内部に入射された表示用LED62a、62bからの入射光を誘導して前面から出射させることで画像を表示する反射部510、511と、各導光板11a、11bと表示用LED62a、62bとの間に配置され、該表示用LED62a、62bからの入射光を各導光板11a、11b側に誘導しながら板厚方向に集光して各導光板11a、11bの端面に向けて出射する前レンズ507a及び後レンズ507bと、非透光性を有する合成樹脂材により四角枠状に形成されたフレーム枠体504と、から主に構成されている。
【0076】
なお、表示用LED62a、62bは、第1導光板11aに対応する前側の表示用LED62aと、第2導光板11bに対応する後側の表示用LED62bとで構成されている。また、各表示用LED62a、62bは、各導光板11a、11bの上端面に沿って左右方向に複数個並んで配置されている。更に、前列側の表示用LED62aと後列側の表示用LED62aとを同時に点灯させたり、前列側または後列側の表示用LED62a、62bのいずれか一方を点灯させたりすることができる。」

(オ)
「【0159】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。」

(カ)
「【0181】
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS701)。」

(キ)
「【0249】
次に、演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた演出画像及び予告演出について図25から図33を参照して詳述する。」

(ク)
「【0288】
そして、演出制御用マイクロコンピュータ81は、上記のような予告演出としての表示画像を表示した後、演出図柄の停止図柄として決定したリーチ目図柄を停止表示し(図29(E)参照)、図示しないリーチ演出に移行する。
【0289】
図34は、変形例としての演出表示装置9及び導光板ユニット11の表示態様を示している。図34(a)に示すように、変形例における演出表示装置9の表示領域の下部の左右2箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数、すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する保留記憶表示(特定表示)を行う保留表示エリアが設けられている。
・・・
【0295】
また、図34(a)に示すように、演出表示装置9の表示領域の右下方部には、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄(可変表示対応表示)を表示する第4図柄表示エリアが設けられている。本変形例では、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄(特定表示)の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第4図柄表示エリアが設けられている。尚、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがある。
・・・
【0298】
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示エリアを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示エリアにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示エリアにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。尚、同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。」

(ケ)
「【0300】
また、図34(a)に示すように、演出表示装置9の表示画面には、変動表示とともに保留表示及び第4図柄が表示され、さらに雷のエフェクト画像が表示される。なお、保留表示及び第4図柄は、雷のエフェクト画像よりも優先的に表示されており、演出表示装置9の表示画面では、保留表示及び第4図柄が明瞭に見えるようになっている。
・・・
【0303】
本変形例では、第1導光板11aには、演出表示装置9における保留表示エリア及び第4図柄表示エリアと重畳しない部分に、雷のエフェクト画像が施され(図34(b)参照)、第2導光板11bには、演出表示装置9における保留表示エリア及び第4図柄表示エリアと重畳する部分に、雷のエフェクト画像が施されている(図34(c)参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示される場合には、第1導光板11aのみを点灯して、第2導光板11bを点灯しないように制御する。
【0304】
このようにすることで、演出表示装置9の保留表示及び第4図柄が、第2導光板11bのエフェクト画像により見え難くなってしまうことを防ぐことができる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示されていない場合には、第1導光板11a及び第2導光板11bの双方を点灯する制御を行うようになっている。
【0305】
なお、本変形例では、遊技の実行に関係する情報を遊技者に認識させるための特定表示としての表示であって、演出表示装置9に表示される保留表示及び第4図柄が、導光板のエフェクト画像により見え難くなってしまうことを防ぐようになっているが、特定表示は、保留表示及び第4図柄以外に限らず、演出図柄や、特別遊技状態であることを明確に遊技者に案内するための遊技状態案内表示(例えば、「確変中」、「時短中」の表示等)や、遊技者に遊技打法の案内をするための打法案内表示(例えば、「右打ち」の表示等)であってもよく、これら特定表示が導光板のエフェクト画像により見え難くなってしまうことを防ぐために、本変形例のように、第1導光板11a及び第2導光板11bのエフェクト画像を形成して、各第1導光板11a及び第2導光板11bの点灯を制御するようにしてもよい。」

(コ)
「【0324】
また、前記実施例では、演出表示装置9と導光板ユニット11との距離K1が固定されているが、演出表示装置9または導光板ユニット11の少なくともいずれか一方を前後に移動可能に設けることで、演出表示装置9と導光板ユニット11との距離K1を変化させるようにしてもよい。例えば、演出表示装置9のエフェクト画像と導光板ユニット11のエフェクト画像とを同じ大きさに表示した場合に、遊技者の視点位置から見たときに導光板ユニット11のエフェクト画像をさらに大きく見せたいときに、導光板ユニット11を遊技者に近づくように移動させるようにし、導光板ユニット11のエフェクト画像がより飛び出してくるような効果を与えるようにしてもよい。更に、前記実施例では、導光板ユニット11のエフェクト画像がより飛び出してくるような効果を与える第1導光板予告演出時に、第2導光板11bよりも演出表示装置9から若干遠い位置に配置された第1導光板11aを用いているが、これら導光板11a,11bを1枚の導光板で構成し、導光板ユニット11のエフェクト画像が、より飛び出してくるような効果を与える演出を実行するときは、導光板ユニット11を遊技者に近づくように移動させるようにし、飛び出してくるような効果を高める制御を行ってもよい。」

(サ)
「【0326】
この変形例2の第3導光板は、図35(b)に示すような表示形態の演出表示が可能となっている。この図35(b)に示す例では、第3導光板の表示形態がキャラクタの両目と、その両目の中心位置から第3導光板の外周に向けて延びる複数の線からなる模様(エフェクト)とを表示するものとなっている。
・・・
【0330】
また、上記変形例2では、演出表示装置9が第3導光板の表示形態の一部分としてのキャラクタの両目に対応する画像を表示したが、この例に限るものではなく、演出表示装置9が第3導光板の表示形態の全部に対応する画像を表示したり、第3導光板の表示形態に対応しない画像(エフェクト画像等)を付加的に表示したりしてもよい。
【0331】
さらに、上記変形例2における導光板ユニット11は、実施例における第1導光板11a及び第2導光板11bの少なくともいずれか一方とこの変形例2における第3導光板とを有してもよく、あるいは第3導光板のみを有してもよい。」

イ 図面の図示内容
(シ)
「【0012】
・・・
【図29】 予告演出の流れを示す説明図である。」





(ス)
「【0012】
・・・
【図34】 変形例としての演出表示装置及び導光板ユニットの表示態様を示す図である。」






ウ 認定事項
(セ)
【0249】に「次に、演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた演出画像及び予告演出について図25から図33を参照して詳述する。」と記載され、
【0288】に「そして、演出制御用マイクロコンピュータ81は、上記のような予告演出としての表示画像を表示した後、演出図柄の停止図柄として決定したリーチ目図柄を停止表示し…、図示しないリーチ演出に移行する。」と記載され、
【0289】に「図34は、変形例としての演出表示装置9及び導光板ユニット11の表示態様を示している。図34(a)に示すように、…」と記載されている。
また、図34に示された「演出表示装置9及び導光板ユニット11の表示態様」は、図29に示された「エフェクト画像」と同様の「エフェクト画像」を導光板に表示することからみて、【図29】に示されたリーチ前の「予告演出」のうちの変形例としての予告演出の表示態様であるといえる。
そうすると、図34に示される「演出表示装置9及び導光板ユニット11の表示態様」は、図25から図33に示された「演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた」「予告演出」の一つの「表示態様」であって、当該「予告演出」の実行後にリーチ演出に移行するものであるといえる。
また、【0303】〜【0304】に「第1導光板11a」や、「第2導光板11b」の点灯制御は、「演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)」によって実行されることが記載されている。
したがって、引用文献1には、「演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた予告演出を実行後、リーチ演出を実行する」ことが記載されているものと認められる。

エ 引用発明
上記アの記載事項、上記イの図面の図示内容、および、上記ウの認定事項から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(記号a〜iは、本件補正発明のA〜Iに概ね対応するように当審判合議体にて付した。)。
「a プログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156(【0055】)と、
第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bが設けられている特別図柄表示器8(【0023】、【0024】)と、
演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)(【0181】)と、
演出表示装置9(後方表示手段)(【0022】)と、
導光板ユニット11(前方表示手段)(【0022】)と
を備え、
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて大当りとするか否かを判定し(【0059】)、

b CPU56は、第1特別図柄表示器8aにおいて、遊技球が第1始動口15aに入賞した後、変動表示の開始条件が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する第1特別図柄の変動表示を実行し、また、第2特別図柄表示器8bにおいて、遊技球が第2始動口15bに入賞した後、変動表示の開始条件が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する第2特別図柄の変動表示を実行し(【0025】、【0159】)、

c 演出表示装置9の表示領域の右下方部に設けられている第4図柄表示エリアにおいて、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄(特定表示)の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われ(【0295】)、

d 導光板ユニット11(前方表示手段)は、演出表示装置9の前面側(前方側)に配置され、光を透過可能な透光性を有し、その端面に設けられる発光体としての表示用LED62a、62bからの入射光を誘導して前面から出射させることで画像を表示する反射部510、511を具備し、演出表示装置9の表示と連携されるエフェクト画像が表示される第1導光板11a(前方表示部)及び第2導光板11b(前方表示部)を備え(【0022】、【0073】、【0075】)、

e 表示用LED62a、62bは、第1導光板11aに対応する前側の表示用LED62aと、第2導光板11bに対応する後側の表示用LED62bとで構成され(【0076】)、

f、h、h1 第1導光板11aには、演出表示装置9における保留表示エリア及び第4図柄表示エリアと重畳しない部分に雷のエフェクト画像が施され、第2導光板11bには、演出表示装置9における保留表示エリア及び第4図柄表示エリアと重畳する部分に雷のエフェクト画像が施されており(【0303】)、
演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、
演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示される場合には、第1導光板11aに対応する表示用LED62aのみを点灯して、第2導光板11bに対応する表示用LED62bを点灯しないように制御し、第4図柄表示エリアと重畳しない部分に施されたエフェクト画像を表示し、
演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示されていない場合には、第1導光板11a及び第2導光板11bに対応する表示用LED62a、表示用LED62bの双方を点灯する制御を行い、第4図柄表示エリアと重畳しない部分および重畳する部分に施されたエフェクト画像を表示し(【0075】、【0300】、【0303】〜【0305】)、

g 演出表示装置9の「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)において、装飾用(演出用)の図柄である演出図柄の変動(可変)表示を行い(【0023】)、
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示エリアを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現され(【0298】)、

h、h2 演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた予告演出を実行後、リーチ演出を実行する(認定事項セ)

i パチンコ遊技機(【0014】)。」

(3)周知例の記載、周知技術
ア 特開2015−181809号公報
(ア)「【0011】
・・・
【図10】 同パチンコ機の発光表示装置におけるLEDからの光の照射状態を示す説明図である。
・・・
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の左右一側、例えば左側のヒンジ3を介して縦軸心廻りに開閉自在及び着脱自在に枢着された内枠4とを備えている。」

(イ)「【0057】
任意のタイミングでLED72,73を点灯させると、そのLED72,73から発せられた光は、図10に示すように、集光レンズ82,83に対して入射側凸部85から入射し、所定角度で広がった後、出射側凸部84から略平行光となって出射する。そして、出射側凸部84から出射した光は端面71a,71bから導光板71に入射し、反射集合体81a〜81dを構成する反射部74によって前側に反射される。これにより、遊技機本体1の前側の遊技者からは、例えば画像表示装置41の表示画面41aに表示されている画像の前側に任意の絵柄が明るく浮かび上がったように見える。
【0058】
また、LED72,73を部分的に点灯させることで、反射集合体81a〜81dを部分的に発光させることが可能である。例えば、LED72aを点灯させれば反射集合体81aが発光し、LED73bを点灯させれば反射集合体81bが発光し、LED72cを点灯させれば反射集合体81cが発光し、LED73dを点灯させれば反射集合体81dが発光する。
【0059】
また、点灯させるLED72,73を時間経過に応じて切り換えることで、動きを表現することも可能である。例えば、LED72a→73b→72c→73dの順序で点灯させると、反射集合体81a→81b→81c→81dの順で順次発光するため、画像表示装置41の前側を蝶が左下から右上に向けて飛んでいくように見せることができる。」

(ウ)「【図10】



イ 特開2013−240363号公報
(ア)「【0014】
・・・
【図31】 表示ユニットの表示制御の一例である。
・・・
【実施例】
【0016】
本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用したスロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの内部構造図である。図3は、前面扉を示す背面図である。図4は、演出ユニットが取り付けられた筐体上部を示す構造図である。尚、以下においては、スロットマシンの正面図である図1の左側を左側、右側を右側、上側を上側、下側を下側、手前側を前面側、奥側を背面側として説明する。」

(イ)「【0343】
前導光板505aの背面505Bには、表示用LED62aからの光を反射して前面505Fから出射させるための反射部510a〜510cが形成されている(図24(a)参照)。反射部510aは「大」、反射部510bは「当」、反射部510cは「り」の文字を表す態様に形成され、前面505Fを左右方向に3等分した左領域、中領域、右領域それぞれに収まるように配置されている。」

(ウ)「【0381】
以下、表示装置500による予告演出の一例を説明する。
【0382】
例えば、図31に示すように、左ストップスイッチ8Lの操作に応じて前導光板505aの左表示領域Lに対応する複数(例えば、6個)の表示用LED62aを点灯させることで「大」の文字が表示され(図31(a)参照)、中ストップスイッチ8Cの操作に応じて前導光板505aの中表示領域Cに対応する複数(例えば、6個)の表示用LED62aを点灯させることで「当」の文字が表示され(図31(b)参照)、右ストップスイッチ8Rの操作に応じて前導光板505aの右表示領域Rに対応する複数(例えば、6個)の表示用LED62aを点灯させることで「り」の文字が表示される(図31(c)参照)。」

(エ)「



ウ 特開2014−193246号公報
(ア)「【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関する。」

(イ)「【0008】
・・・
【図79】 (a)、(b)は図78に示した構成において、異なる位置の光源を発光させることで、浮かび上がらせる模様を異ならせる点について説明する図である。
【図80】 (a)、(b)は図78に示した構成において、異なる位置の光源を発光させることで、浮かび上がらせる模様を異ならせる点について説明する図である。」

(ウ)「【0782】
図79および図80は、図78に示した構成において、異なる位置の光源を発光させることで、浮かび上がらせる模様を異ならせる点について説明する図である。
【0783】
図79(a)に示すように、透過領域703bにおけるスマイルマークの模様(例えば目および口)703baを発光させるには、光源702Aおよび702Eを発光させることで実現される。光源702Aおよび702Eを発光させたとき、他の模様も発光するものであってもよいし、模様703baのみが発光するものであってもよい。
【0784】
図79(b)に示すように、透過領域703bにおけるスマイルマークの模様(例えば顔の輪郭)703bbを発光させるには、光源702Bおよび702Fを発光させることで実現される。光源702Bおよび702Fを発光させたとき、他の模様も発光するものであってもよいし、模様703bbのみが発光するものであってもよい。
【0785】
このように透過領域703bにおけるスマイルマークの模様のうち、例えば部分的にレンズカットの向きを異ならせることによって、反射対象の光源を異ならせ、発光する光源を制御することで、一つの模様を段階的に発光させることが可能である。
【0786】
透過領域703bにおけるスマイルマークの模様703baおよび703bbを発光させるには、光源702A、702B、702Eおよび702Fを発光させることで実現される。光源702A、702B、702Eおよび702Fを発光させたとき、他の模様も発光するものであってもよいし、模様703baおよび703bbのみが発光するものであってもよい。
【0787】
図80(a)に示すように、透過領域703cにおけるスマイルマークの模様(例えば顔の輪郭)703caを発光させるには、光源702Cおよび702Gを発光させることで実現される。光源702Cおよび702Gを発光させたとき、他の模様も発光するものであってもよいし、模様703caのみが発光するものであってもよい。
【0788】
図80(b)に示すように、透過領域703cにおけるスマイルマークの模様(例えば目および口)703cbを発光させるには、光源702Dおよび702Hを発光させることで実現される。光源702Dおよび702Hを発光させたとき、他の模様も発光するものであってもよいし、模様703cbのみが発光するものであってもよい。
【0789】
このように透過領域703cにおけるスマイルマークの模様のうち、例えば部分的にレンズカットの向きを異ならせることによって、反射対象の光源を異ならせ、発光する光源を制御することで、一つの模様を段階的に発光させることが可能である。」

(エ)「【図79】



(オ)「【図80】



エ 周知技術
上記ア〜ウに示したように、「遊技機において、一枚の導光板に発光パターンに対応する複数の反射部を設け、発光体の照射位置や照射方向を変えて照射される反射部を選択することで、導光板から出力される演出光を切り替え、もって、導光板を発光表示させること。」は、本願出願前に周知の技術事項である。

(4)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)
引用発明の「第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたとき」は、本件補正発明の「遊技中に抽選契機が発生する」ことに相当する。
引用発明の「乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて大当りとするか否かを判定」することは、本件補正発明の「所定の抽選を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成aの「第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて大当りとするか否かを判定」する「遊技制御用マイクロコンピュータ156」は、本件補正発明の構成Aの「遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段」に相当する。

(b)
引用発明において、「遊技球が第1始動口15aに入賞」、または、「第2始動口15bに入賞」すると、構成aより「乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて大当りとするか否か」の「判定」が行われるものである。
そうすると、上記(a)より、引用発明の「遊技球が第1始動口15aに入賞」すること、および、「遊技球が第2始動口15bに入賞」することは、本件補正発明の「所定の抽選」が「実行」されることに対応する。
そして、引用発明の「第1特別図柄」および「第2特別図柄」、「表示結果(停止図柄)」、「導出表示」は、それぞれ、本件補正発明の「図柄」、「所定の抽選の結果に応じた態様」の「図柄」、「停止表示」に相当することから、引用発明の「変動表示の開始条件が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する第1特別図柄の変動表示を実行」すること、および、「変動表示の開始条件が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する第2特別図柄の変動表示を実行」することは、本件補正発明の「所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に所定の抽選の結果に応じた態様で図柄を停止表示させる」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成bの「第1特別図柄表示器8aにおいて、遊技球が第1始動口15aに入賞した後、変動表示の開始条件が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する第1特別図柄の変動表示を実行し、また、第2特別図柄表示器8bにおいて、遊技球が第2始動口15bに入賞した後、変動表示の開始条件が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する第2特別図柄の変動表示を実行」する「CPU56」は、本件補正発明の構成Bの「所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に所定の抽選の結果に応じた態様で図柄を停止表示させる図柄表示手段」としての機能を有する。

(c)
上記(b)より、引用発明の「第1特別図柄(第2特別図柄)」は、本件補正発明の「図柄」に相当する。
そして、引用発明の「第1特別図柄(第2特別図柄)用の第4図柄(特定表示)」、「同期」させることは、本件補正発明の「所定の演出図柄」、「対応させ」ることに相当する。
また、引用発明の「第1特別図柄(第2特別図柄)用の第4図柄(特定表示)の変動表示」は、変動の開始から変動が停止するまで連続して行われるものである。
さらに、引用発明の「表示領域の右下方部に」「第4図柄表示エリア」が設けられている「演出表示装置9」は、本件補正発明の「演出表示装置」に相当する。
したがって、引用発明の構成cは、本件補正発明の構成Cに相当する。

(d)
引用発明の「第1導光板11a(前方表示部)」、「第2導光板11b(前方表示部)」は、本件補正発明の「導光板」に相当する。
また、引用発明の「導光板ユニット11(前方表示手段)」が「演出表示装置9の前面側(前方側)に配置され」ることは、上記(c)より、本件補正発明の「導光板」が「演出表示装置よりも前方に配置され」ることに相当する。
そして、引用発明の「発光体としての表示用LED62a、62bからの入射光」は、本件補正発明の「所定の発光」に相当する。
また、引用発明の「演出表示装置9の表示と連携されるエフェクト画像」の「表示」は、「表示用LED62a、62b」からの「入射光」を「反射部510、511」により「誘導して前面から出射させること」で行われることから、本件補正発明の「演出光」の「表示」に相当する。

したがって、引用発明の構成cの「演出表示装置9の前面側(前方側)に配置され、発光体としての表示用LED62a、62bからの入射光を透過可能な透光性を有し、該入射光を誘導して前面から出射させることで画像を表示する反射部510、511を具備し、演出表示装置9の表示と連携されるエフェクト画像が表示される第1導光板11a(前方表示部)及び第2導光板11b(前方表示部)」は、本件補正発明の構成Dの「演出表示装置よりも前方に配置され、所定の発光に基づいて演出光を表示する導光板」に相当する。

(e)
引用発明の「表示用LED62a、62b」は、構成dによると、「第1導光板11a(前方表示部)及び第2導光板11b(前方表示部)」「の端面に設けられる」ものである。
したがって、引用発明の構成eの「第1導光板11aに対応する前側の表示用LED62aと、第2導光板11bに対応する後側の表示用LED62bとで構成され」た「表示用LED62a、62b」は、「第1導光板11a(前方表示部)及び第2導光板11b(前方表示部)」の「前面から出射させる」ために「入射光」を入射させるから、本件補正発明の構成Eの「導光板に対して光を発する発光部材」に相当する。

(f)
引用発明の「第1導光板11aに対応する表示用LED62aのみを点灯して、第2導光板11bに対応する表示用LED62bを点灯しないように制御」すること、「第1導光板11a及び第2導光板11bの双方を点灯する制御を行」うことは、「第1導光板11a」、「第2導光板11b」に対応する「表示用LED62a、62b」の点灯制御に2種類の点灯パターンがあることを示している。
そうすると、引用発明の「第1導光板11aのみを点灯して、第2導光板11bを点灯しないように制御」すること、あるいは、「第1導光板11a及び第2導光板11bに対応する表示用LED62a、表示用LED62bの双方を点灯する制御を行」うことは、本件補正発明の「複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで発光部材を発光させ」ることに相当する。
そして、引用発明の「エフェクト画像を表示」することは、本件補正発明の「導光板に演出光を表示させる」ことに相当する。
また、引用発明において、「演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)」は、「表示用LED62a、62b」の「点灯」、または、非「点灯」を制御することにより、「第1導光板11a(前方表示部)及び第2導光板11b(前方表示部)」に「具備」された「反射部510、511」を介して、「第1導光板11a」、「第2導光板11b」に、それぞれ、「エフェクト画像を表示」するものである。
したがって、引用発明の構成f、h、h1の「演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示される場合には、第1導光板11aに対応する表示用LED62aのみを点灯して、第2導光板11bに対応する表示用LED62bを点灯しないように制御し、第4図柄表示エリアと重畳しない部分に施されたのエフェクト画像を表示し、演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示されていない場合には、第1導光板11a及び第2導光板11bに対応する表示用LED62a、表示用LED62bの双方を点灯する制御を行い、第4図柄表示エリアと重畳しない部分および重畳する部分に施されたのエフェクト画像を表示」する「演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)」は、本件補正発明の構成Fの「複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで発光部材を発光させて導光板に演出光を表示させる制御手段」に相当する。

(g)
引用発明の「演出表示装置9の「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)」、「装飾用(演出用)の図柄である演出図柄」は、それぞれ、本件補正発明の「演出表示装置の略中央」、「メイン演出図柄」に相当する。
一方、上記(c)より、引用発明の「第4図柄(特定表示)」は、本件補正発明の「所定の演出図柄」に相当する。
そして、引用発明の「第4図柄の変動表示(可変表示)」は、「第4図柄表示エリアを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現され」ることから、「演出表示装置9の「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)において」「変動(可変)表示を行」う「演出図柄」とは異なる図柄である。
したがって、引用発明の構成gの「第4図柄」は、本件補正発明の構成Gの「演出表示装置の略中央に表示されるメイン演出図柄とは異なるサブ演出図柄であ」る「所定の演出図柄」に相当する。

(h、h1)
引用発明は、「演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示される」か否かに応じて、「第1導光板11aに対応する表示用LED62aのみを点灯して、第2導光板11bに対応する表示用LED62bを点灯しないように制御し、第4図柄表示エリアと重畳しない部分に施されたエフェクト画像を表示」することと「演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示されていない場合には、第1導光板11a及び第2導光板11bに対応する表示用LED62a、表示用LED62bの双方を点灯する制御を行い、第4図柄表示エリアと重畳しない部分および重畳する部分に施されたエフェクト画像を表示」することとを切り替えるものである。
ここで、上記(f)より、引用発明の「第1導光板11aのみを点灯して、第2導光板11bを点灯しないように制御」すること、あるいは、「第1導光板11a及び第2導光板11bの双方を点灯する制御を行」うことは、本件補正発明の所定の「発光パターンで発光部材を発光させて導光板に演出光を表示させる」ことに相当する。
そうすると、引用発明の構成f、h、h1の「演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示される場合には、第1導光板11aに対応する表示用LED62aのみを点灯して、第2導光板11bに対応する表示用LED62bを点灯しないように制御し、第4図柄表示エリアと重畳しない部分に施されたエフェクト画像を表示し、演出表示装置9に保留表示または第4図柄が表示されていない場合には、第1導光板11a及び第2導光板11bに対応する表示用LED62a、表示用LED62bの双方を点灯する制御を行い、第4図柄表示エリアと重畳しない部分および重畳する部分に施されたエフェクト画像を表示」する「演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)」と、本件補正発明の構成H、H1の「一の導光板に対し、発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている演出光を別の演出光に切り替えて発光表示させることが可能であ」る「制御手段」とは、「導光板に対し、発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている演出光を別の演出光に切り替えて発光表示させることが可能であ」る「制御手段」である点で共通する。

(h、h2)
引用発明は、構成aより、「演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた予告演出を実行後、リーチ演出を実行する」ものであって、引用発明において、「リーチ演出を実行後」に「第1特別図柄」および「第2特別図柄」を、それぞれ、「第1特別図柄表示器8a」および「第2特別図柄表示器8b」に停止表示させるものである。
そして、引用発明は、構成cより、「第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄(特定表示)の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われ」るものである。
また、引用発明は、構成c、h、h2より、「第1特別図柄の変動表示」中、または、「第2特別図柄の変動表示」中の「予告演出」中のみに「導光板ユニット11を用いた予告演出」を行うものである。
そうすると、引用発明において、「第1特別図柄」および「第2特別図柄」の停止表示中は、「導光板ユニット11を用いた」発光演出は行われないものである。
したがって、引用発明の「第4図柄」と「エフェクト画像」は、停止表示中は重なることはない。
よって、引用発明の構成h、h2の「演出表示装置9及び導光板ユニット11を用いた予告演出を実行後、リーチ演出を実行する」「演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)」は、本件補正発明の構成H、H2の「少なくとも図柄の停止表示中は、サブ演出図柄と重なる位置に表示される演出光を表示しないように制御する」「制御手段」に相当する。

(i)
引用発明の構成iの「パチンコ遊技機」は、本件補正発明の構成Iの「遊技機」に相当する。

(j)
上記(a)〜(i)によれば、本件補正発明と引用発明は、
[一致点]
「A 遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に前記所定の抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記図柄の変動表示に対応させて所定の演出図柄を変動表示させた後、前記図柄の停止表示に対応させて前記所定の演出図柄を停止表示させる変動表示演出を表示する演出表示装置と、
D 前記演出表示装置よりも前方に配置され、所定の発光に基づいて演出光を表示する導光板と、
E 前記導光板に対して光を発する発光部材と、
F 複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで前記発光部材を発光させて前記導光板に前記演出光を表示させる制御手段とを備え、
G 前記所定の演出図柄は、前記演出表示装置の略中央に表示されるメイン演出図柄とは異なるサブ演出図柄であり、
H 前記制御手段は、
H1’ 前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている前記演出光を別の前記演出光に切り替えて発光表示させることが可能であり、
H2 少なくとも前記図柄の停止表示中は、前記サブ演出図柄と重なる位置に表示される前記演出光を表示しないように制御する
I 遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点](構成H1)
「導光板」に「表示されている演出光」の「切り替え」に関して、本件補正発明は、「一の前記導光板に対」する演出光の切り替えであるのに対して、引用発明は、「第1導光板11a及び第2導光板11b」の2つの導光板に対する「エフェクト画像」(演出光)の切り替えである点。

(5)当審判合議体の判断
上記相違点について検討する。
引用文献1の【0324】に「前記実施例では、導光板ユニット11のエフェクト画像がより飛び出してくるような効果を与える第1導光板予告演出時に、第2導光板11bよりも演出表示装置9から若干遠い位置に配置された第1導光板11aを用いているが、これら導光板11a,11bを1枚の導光板で構成し、導光板ユニット11のエフェクト画像が、より飛び出してくるような効果を与える演出を実行するときは、導光板ユニット11を遊技者に近づくように移動させるようにし、飛び出してくるような効果を高める制御を行ってもよい。」と記載されていることから、引用文献1には、2つの導光板を用いて画像(エフェクト画像等)を表示することに替えて、1つの導光板を用いて画像を表示することが示されているといえる。

上記記載事項に基づけば、引用発明において、「第4図柄表示エリアと重畳しない部分に施されたエフェクト画像」、あるいは、「第4図柄表示エリアと重畳する部分に施されたエフェクト画像」のいずれか一方を表示する導光板に、他方の「エフェクト画像」を付加して表示するように各々のエフェクト画像の反射部510,511をまとめて形成して、両「エフェクト画像」を1つの導光板に併せて表示し、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

また、上記(3)エに示したように、「遊技機において、一枚の導光板に発光パターンに対応する複数の反射部を設け、発光体の照射位置や照射方向を変えて照射される反射部を選択することで、導光板から出力される演出光を切り替え、もって、導光板を発光表示させること」は、本願出願前に周知の技術事項である。
そして、遊技機の技術分野において、遊技の興趣を向上させることは、当業者において自明の課題である。
したがって、引用発明において、上記課題を解決するために、上記周知の技術事項を適用して、1つの導光板に「第4図柄表示エリアと重畳しない部分に施されたエフェクト画像」に対応する「反射部」と、「第4図柄表示エリアと重畳する部分に施されたエフェクト画像」に対応する「反射部」とを併せて具備し、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

(6)請求人の主張について
請求人は、令和3年6月9日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。「引用文献1には、1つの導光板を利用して、異なる画像を表示するという発想、すなわち、構成Hの「一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている前記演出光を別の前記演出光に切り替えて発光表示させる」という発想はそもそも存在しない。仮にそのような発想が存在しているのであれば、引用文献1の発明においては、2つの導光板を利用していないはずである。引用文献1には、2つの導光板を1つの導光板にしたはずであるという示唆は一切記載されていない。」(6.本願発明が特許されるべき理由 (2)(b)を参照。)

そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記(5)において検討したように、引用文献1の【0324】、【0326】、【0331】には、1つの導光板を利用して、エフェクト画像を表示することが示されている。

そのうえ、上記周知の技術事項に示されるように、遊技機の技術分野において、1つの導光板を利用して、異なる画像を表示することは、本願出願前に広く行われていた技術事項でもある。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(7)小括
本件補正発明により奏される効果は、当業者が、引用発明、引用文献1に記載された技術事項、若しくは、周知の技術事項から予測し得た効果の範囲内のものであって、格別なものではない。
上記(5)〜(6)において検討したように、本件補正発明は、引用発明および引用文献1に記載された技術事項、若しくは、引用発明および上記周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができない。

2−3 まとめ
上記2−2において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年9月11日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A〜Iは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「【請求項1】
A 遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に前記所定の抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記図柄の変動表示に対応させて所定の演出図柄を変動表示させた後、前記図柄の停止表示に対応させて前記所定の演出図柄を停止表示させる変動表示演出を表示する演出表示装置と、
D 前記演出表示装置よりも前方に配置され、所定の発光に基づいて演出光を表示する導光板と、
E 前記導光板に対して光を発する発光部材と、
F 複数の発光パターンのうちいずれかの発光パターンで前記発光部材を発光させて前記導光板に前記演出光を表示させる制御手段とを備え、
G 前記所定の演出図柄は、前記演出表示装置の略中央に表示されるメイン演出図柄とは異なるサブ演出図柄であり、
H 前記制御手段は、
H1−2 一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、表示する前記演出光を切り替えることが可能であり、
H2 少なくとも前記図柄の停止表示中は、前記サブ演出図柄と重なる位置に表示される前記演出光を表示しないように制御する
I ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要(令和2年7月7日付け)
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
「1.(新規性)この出願の請求項1〜3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、下記の電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の請求項1〜3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、下記の電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものである。

<引用文献等一覧>
1.特開2016−43100号公報

3 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2016−43100号公報の記載事項及び引用発明の認定については、前記「第2 2 2−2(2)引用例の記載、引用発明」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記「第2[理由]」で検討した本件補正発明において、発明を特定するために必要な事項である「導光板」の「演出光」の「切り替え」に関して、補正前の請求項1に「一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、現在表示されている前記演出光を別の前記演出光に切り替えて発光表示させることが可能であり、」とあったものを「一の前記導光板に対し、前記発光部材の発光パターンを切り替えることで、表示する前記演出光を切り替えることが可能であり、」とその限定を省くことを含むものである。
そうすると、前記「第2 2 2−2(4)対比」における検討内容からみて、本願発明と引用発明とは、前記[相違点]において相違し、その余の点において一致する。
そして、前記[相違点]についての判断は、前記「第2 2 2−2(5)当審判合議体の判断」において検討したように、引用発明および引用文献1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものである。

5 むすび
上記1〜4より、本願発明は、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-01-05 
結審通知日 2022-01-11 
審決日 2022-01-25 
出願番号 P2016-252940
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 113- Z (A63F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 長崎 洋一
鷲崎 亮
発明の名称 遊技機  
代理人 山崎 崇裕  

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