ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する A61B 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A61B 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する A61B 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61B 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する A61B |
---|---|
管理番号 | 1383198 |
総通号数 | 4 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-04-28 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-08-20 |
確定日 | 2021-12-23 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6605067号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6605067号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3、4〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6605067号の請求項1−9に係る発明の特許についての出願は、平成22年(2010年)9月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 平成21年(2009年)9月25日 (US)米国)を国際出願日とする特願2012−530941号の一部を平成27年(2015年)9月17日に新たな特許出願とした特願2015−184043号の一部を平成30年4月17日に新たな特許出願としたものであって、令和1年10月25日にその特許権の設定登録がされ、そして、令和3年8月20日に本件訂正審判の請求がなされた。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6605067号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3及び4について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 本件訂正内容 本件訂正審判により請求された訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 特許請求の範囲の請求項3において、「前記単一型クリップが、前記搬送部材の遠位端部にあるときに開放構成にあり、前記搬送部材から解放されると、前記単一型クリップが、開放構成にあるときよりも、前記第1のジョーの歯および第2のジョーの歯が前記単一型クリップの中央軸に接近する閉鎖構成にあるように構成されている」と記載されているのを、「前記単一型クリップが、医療デバイスの管腔の外側で延在させられて前記搬送部材の遠位端部にあるときに開放構成にあり、前記搬送部材から解放されると、前記単一型クリップが、開放構成にあるときよりも、前記第1のジョーの歯および第2のジョーの歯が前記単一型クリップの中央軸に接近する閉鎖構成にあるように構成されている」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4も同様に訂正する。)。 本件訂正は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項〔3、4〕に対して請求されたものである。 第4 当審の判断 1 訂正の目的の適否について 訂正前の請求項3に係る発明では、「前記単一型クリップが、前記搬送部材の遠位端部にあるときに開放構成にあり」と記載され、この記載によれば、単一型クリップが搬送部材の遠位端部にあるときには、開放構成にあることが特定されている。 これに対して、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、さらに特許請求の範囲及び図面をあわせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0039】には「図3A〜Hは、組織縁を接近させ、それらを接合するためにクリップ40を使用する例示的な方法を示す。1つ以上のクリップ40が、プッシュロッド22の上に搭載され、管状カテーテル35を通してアクセス部位55に送達され得る。クリップ40は、カテーテル35の内部にある間、閉鎖構成となるように拘束され得る。アクセス部位55において、依然としてプッシュロッド22の上に載置されているクリップ40が、カテーテル35内から延長され得る。クリップ40がカテーテル35内から出現すると、クリップを閉鎖構成に保持する拘束が解放され得、クリップが開放構成に拡張し得る。」と記載されている。すなわち、本件明細書等には、図3Cに示すように、クリップ40が、プッシュロッド22(請求項3の搬送部材に相当する)の遠位端部に配置されていても、カテーテル35の内部にあるときは拘束されて閉鎖構成となっており、図3Dに示すように、カテーテル35内から出現すると、拘束から解放されて開放構成に拡張することが記載されている。そのため、訂正前の請求項3の上記記載が、本件明細書等の記載に示す構成と対応しておらず、明瞭ではないものとなっている。 これに対して、訂正後の請求項3に係る発明は、「前記単一型クリップが、医療デバイスの管腔の外側で延在させられて前記搬送部材の遠位端部にあるときに開放構成にあり」との記載により、本件明細書の段落【0039】の「クリップ40がカテーテル35内から出現すると、クリップを閉鎖構成に保持する拘束が解放され得、クリップが開放構成に拡張し得る。」の記載並びに図3C及び3Dに示す構成との整合を図ることで、その内容を明瞭としている。また、訂正後の請求項3の上記記載は、本件明細書の段落【0015】、【0017】、【0021】及び【0023】における「デバイスの管腔」及び「管腔の外側でクリップを延在させる」の記載、並びに段落【0017】における「管腔は、カテーテルの管腔または内視鏡の作業管腔のうちの1つを含んでもよく」の記載とも整合する。 同様に、訂正後の請求項4は、訂正後の請求項3を引用することで、その内容を明瞭としている。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 2 新規事項の追加の有無について 本件訂正に係る訂正事項は、本件明細書の段落【0015】、【0017】、【0021】及び【0023】における「デバイスの管腔」及び「管腔の外側でクリップを延在させる」の記載、段落【0017】における「管腔は、カテーテルの管腔または内視鏡の作業管腔のうちの1つを含んでもよく」の記載、並びに図面の図3D〜3Hに基づいて導き出される構成である。したがって、上記訂正事項は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 3 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について 上記1のとおり、本件訂正は特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、請求項3及び4に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4 独立特許要件について 上記1のとおり、本件訂正は特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、同項ただし書第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 医療デバイスであって、 搬送部材であって、その遠位端部に第1のアームおよび第2のアームを有しており、第1のアームおよび第2のアームの各々が搬送部材の長手軸に向かってまたは該長手軸から離れるように移動可能であり、第1のアームが前記長手軸に対して第1の方向に移動することによって第1の組織縁を把持するように構成されており、第2のアームが前記長手軸に対して第2の方向に移動することによって第2の組織縁を把持するように構成されており、第2の方向が第1の方向の逆の方向である、搬送部材と、 前記搬送部材の遠位端部に位置決めされ、かつ、該搬送部材に対して遠位方向に移動可能である単一型クリップであって、前記搬送部材を近位方向に引くと、該搬送部材から解放されるように構成されている、単一型クリップと、を備えており、 前記単一型クリップが前記搬送部材から解放された後でも、前記第1のアームおよび第2のアームが該搬送部材に結合されたままである、デバイス。 【請求項2】 前記単一型クリップが、歯を有する第1のジョーおよび歯を有する第2のジョーを備えており、前記単一型クリップが前記搬送部材の遠位端部にあるとき、前記第1のジョーおよび第2のジョーが、前記第1のアームおよび第2のアームの半径方向外側に配置される、請求項1に記載のデバイス。 【請求項3】 前記単一型クリップが、医療デバイスの管腔の外側で延在させられて前記搬送部材の遠位端部にあるときに開放構成にあり、前記搬送部材から解放されると、前記単一型クリップが、開放構成にあるときよりも、前記第1のジョーの歯および第2のジョーの歯が前記単一型クリップの中央軸に接近する閉鎖構成にあるように構成されている、請求項2に記載のデバイス。 【請求項4】 前記第1の組織縁および第2の組織縁が前記単一型クリップの第1のジョーと第2のジョーとの間で互いに固定されるように構成されるとともに、前記単一型クリップが閉鎖構成となり前記搬送部材から分離される、請求項3に記載のデバイス。 【請求項5】 前記第1の方向が前記搬送部材の長手軸から離れる方向である、請求項1に記載のデバイス。 【請求項6】 前記第2の方向が前記搬送部材の長手軸から離れる方向である、請求項1に記載のデバイス。 【請求項7】 前記搬送部材に位置決めされた複数の単一型クリップをさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。 【請求項8】 前記搬送部材がロッドを備えている、請求項1に記載のデバイス。 【請求項9】 前記単一型クリップが貫通穴を有しており、この貫通穴を通って前記搬送部材の一部が配置されている、請求項1に記載のデバイス。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-11-25 |
結審通知日 | 2021-11-30 |
審決日 | 2021-12-15 |
出願番号 | P2018-079198 |
審決分類 |
P
1
41・
841-
Y
(A61B)
P 1 41・ 854- Y (A61B) P 1 41・ 832- Y (A61B) P 1 41・ 855- Y (A61B) P 1 41・ 853- Y (A61B) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
佐々木 一浩 |
特許庁審判官 |
莊司 英史 加藤 啓 |
登録日 | 2019-10-25 |
登録番号 | 6605067 |
発明の名称 | 医療デバイス |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 恩田 誠 |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 本田 淳 |
代理人 | 本田 淳 |
代理人 | 恩田 誠 |