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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C01F
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C01F
審判 全部申し立て 2項進歩性  C01F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C01F
管理番号 1383237
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-09-03 
確定日 2021-12-23 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6659073号発明「成膜用又は焼結用粉末」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6659073号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜13〕、14について訂正することを認める。 特許第6659073号の請求項1、3〜14に係る特許を維持する。 特許第6659073号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第6659073号の請求項1〜14に係る特許についての出願は、令和元年(2019年)7月24日(優先権主張 2019年4月26日)を国際出願日とする出願であって、特願2019−556301号として審査され、令和2年2月10日に特許権の設定登録がされ、同年3月4日に特許掲載公報が発行された。
その後、その全請求項(請求項1〜14)に係る特許に対し、同年9月3日に特許異議申立人である濱田菜穂により、特許異議の申立てがされた。
本件特許異議申立事件における以降の手続の経緯は、次のとおりである。
令和 2年12月22日付け:取消理由通知
令和 3年 2月16日 :訂正請求書及び意見書の提出(特許権者)
同年 3月29日 :意見書の提出(特許異議申立人)
同年 5月18日付け:訂正拒絶理由通知
同年 6月18日 :手続補正書及び意見書の提出(特許権者)
同年 8月10日付け:取消理由通知(決定の予告)
同年10月 7日 :訂正請求書及び意見書の提出(特許権者)
同年11月12日 :意見書の提出(特許異議申立人)
なお、令和3年10月7日に訂正の請求がされたので(以下、この請求に係る訂正を「本件訂正」という。)、同年2月16日にされた先の訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。

第2 本件訂正の適否についての当審の判断

1 本件訂正の内容(訂正事項)
本件訂正は、特許法第120条の5第3項及び第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項〔1〜13〕及び請求項14を、それぞれ訂正の単位として訂正することを求めるものであるところ、本件訂正の内容は、次の訂正事項1〜11のとおりである(下線は訂正箇所)。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物からなり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上である、成膜用又は焼結用粉末。」
と記載されているのを、
「イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物からなり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上であり、
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満であり、
立方晶Y2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.1未満であり、
三方晶Al2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満であり、
立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない、成膜用又は焼結用粉末。」
に訂正する。
請求項1を直接または間接的に引用する請求項3〜13も同様に訂正する。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「請求項2に記載の」と記載されているのを、「請求項1に記載の」に訂正する。
請求項3を直接または間接的に引用する請求項4〜13も同様に訂正する。
(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「請求項2又は3に記載の」と記載されているのを、「請求項1又は3に記載の」に訂正する。
請求項4を直接または間接的に引用する請求項5〜13も同様に訂正する。
(5) 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「請求項2〜4のいずれか1項に記載の」と記載されているのを、「請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の」に訂正する。
請求項5を直接または間接的に引用する請求項6〜13も同様に訂正する。
(6) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「請求項1〜5の何れか1項に記載の」と記載されているのを、「請求項1、3〜5の何れか1項に記載の」に訂正する。
請求項6を直接または間接的に引用する請求項7〜13も同様に訂正する。
(7) 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1〜6の何れか1項に記載の」と記載されているのを、「請求項1、3〜6の何れか1項に記載の」に訂正する。
請求項7を直接または間接的に引用する請求項8〜13も同様に訂正する。
(8) 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に「請求項1〜7のいずれか1項に記載の」と記載されているのを、「請求項1、3〜7のいずれか1項に記載の」に訂正する。
請求項8を直接または間接的に引用する請求項9〜13も同様に訂正する。
(9) 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に「請求項1〜8のいずれか1項に記載の」と記載されているのを、「請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の」に訂正する。
請求項9を直接または間接的に引用する請求項10〜13も同様に訂正する。
(10) 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10〜13に「請求項1〜9のいずれか1項に記載の」と記載されているのを、それぞれ「請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の」に訂正する。
(11) 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項14に、
「X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満である成膜用又は焼結用粉末を、溶射法又はPVD法により成膜する、皮膜の製造方法。」
と記載されているのを、
「X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満であり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上であり、
立方晶Y2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.1未満であり、
三方晶Al2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満であり、
立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない、成膜用又は焼結用粉末を、溶射法又はPVD法により成膜する、皮膜の製造方法。」
に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1) 請求項1、14についてする訂正(上記訂正事項1、11)は、本件訂正前の特許請求の範囲の【請求項1】に記載された細孔径及び細孔容積に関する事項、同【請求項2】及び【請求項14】に記載されたピーク強度比(S2/S1)に関する事項、明細書の【0016】に記載されたピーク強度比(S3/S1)の好適な数値範囲に関する事項、同【0017】に記載されたピーク強度比(S4/S1)の好適な数値範囲に関する事項、並びに、同【0018】及び【図1】に記載された観測されるピークの状況に基づいて、請求項1において、当該ピーク強度比及び観測されるピークの状況に関する事項を、請求項14において、当該細孔径及び細孔容積並びに当該ピーク強度比及び観測されるピークの状況に関する事項を、それぞれ追加するものである。
そうすると、請求項1、14についてする訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないといえる。
(2) 請求項2についてする訂正(上記訂正事項2)は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないといえる。
(3) 請求項3〜13についてする訂正(上記訂正事項3〜10)は、上記訂正事項2に係る請求項2の削除に伴い、請求項3〜13における引用請求項から、当該請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないといえる。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜13〕、14について訂正することを認める。

第3 特許請求の範囲の記載(本件発明)

上記第2のとおり、本件訂正の請求は適法にされたものであるから、本件特許の特許請求の範囲の記載は、次のとおりのものとなった(以下、各請求項に係る発明を、項番号に合わせて「本件発明1」などといい、まとめて「本件発明」という。また、各請求項に係る特許を個別に呼称するときは「本件特許1」などという。なお、下線は本件訂正による訂正箇所である。)。
【請求項1】
イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物からなり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上であり、
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満であり、
立方晶Y2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.1未満であり、
三方晶Al2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満であり、
立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない、成膜用又は焼結用粉末。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
X線回折測定において更に立方晶Y2O3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.001以上0.1未満である請求項1に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項4】
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満である請求項1又は3に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項5】
X線回折測定においてY3Al5O12の(420)ピークの半値幅から求められる結晶子サイズが50nm以上である請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項6】
水銀圧入法を用いて測定した細孔径に対する細孔容積の分布において、細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲と5μm以上50μm以下の範囲にそれぞれピークを有し、細孔径5μm以上50μm以下の細孔容積が0.1mL/g以上である、請求項1、3〜5の何れか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項7】
BET比表面積が1m2/g以上5m2/g以下である請求項1、3〜6の何れか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項8】
平均粒子径が15μm以上の顆粒である請求項1、3〜7のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項9】
CuKα線を用いた2θ=20°〜60°の走査範囲のX線回折測定において、立方晶Y3Al5O12に由来するピークが最大ピーク強度を示すピークである、請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項10】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末を溶射法又はPVD法により成膜する、皮膜の製造方法。
【請求項11】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末を焼結する、焼結体の製造方法。
【請求項12】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末を溶射法又はPVD法により成膜してなる、皮膜。
【請求項13】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末の焼結体。
【請求項14】
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満であり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上であり、
立方晶Y2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.1未満であり、
三方晶Al2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満であり、
立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない、成膜用又は焼結用粉末を、溶射法又はPVD法により成膜する、皮膜の製造方法。

第4 取消理由(決定の予告)について

1 取消理由(決定の予告)の概要
令和3年8月10日付けで当審が通知した取消理由(決定の予告)は、明確性要件違反及びサポート要件違反に関するものであり、要するに、令和3年2月16日にされた先の訂正の請求による訂正後の特許請求の範囲の記載につき、以下の点を指摘したものである。
(i)その請求項4は、請求項2の従属形式請求項でありながら、そこで規定された強度比S4/S1は、請求項2の規定よりも広い範囲となっているため、当該請求項4及びこれを引用する請求項5〜13に係る発明は、強度比S4/S1について、どのように特定したものであるのかが定かではなく、不明確である。
(ii)その請求項1〜14に係る発明は、「イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物」以外の他成分を許容するものであり、当該他成分として、その種類についていえば、「Y3Al5O12、YAlO3、Y2O3及びAl2O3以外の成分」を広く包含するものであり、その許容量についていえば、「イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物」の含有量を超えるような場合についても広く包含するため、本件明細書の発明の詳細な説明の記載及び本件出願時の技術常識に基づいて、当業者において、当該発明の課題が解決できると認識できる範囲内のものであるとはいえない。

2 取消理由(決定の予告)についての当審の判断
上記第3に記載した、本件訂正後の特許請求の範囲の記載に照らし、改めて、上記取消理由(決定の予告)の適否について検討すると、本件訂正後の請求項4には、上記(i)の強度比S4/S1に関する不備は認められないし、本件訂正後の請求項1、3〜14に係る発明は、「立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない」ものであり、その成分の種類及び含有量は十分に規制されたものとなっているため、上記(ii)の事情も認められないから、取消理由(決定の予告)には理由がない。
なお、特許異議申立人は、令和3年11月12日提出の意見書において、
、当該「立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない」との規定からすると、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する高さ比率が0.1以下でありさえすれば、立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分が含まれてもよく、更に、この高さ比率が0.1以下を満たす成分であれば、立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分は何種類でも含まれていてもよいことになる旨主張するが、この規定はあくまで「立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない」というものであって、それ以外の成分を実質的に許容する規定とは認められない。また、本件明細書の【0018】には、「耐食性を一層高める点から、本発明の粉末はX線回折測定においてY3Al5O12、YAlO3、Y2O3及びAl2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されないことが好ましい。」との記載に続けて、「2θ=20°〜60°の走査範囲において、Y3Al5O12、YAlO3、Y2O3及びAl2O3以外の成分に由来するピークの強度は、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する高さ比率が0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.03以下であることが更に好ましく、0.01以下であることが特に好ましく、0.001以下であることが最も好ましい。」との記載があるが、後者の記載が、前者の「実質的に観察されないこと」を定義付けるようなものであるとまではいえないから、上記の規定は、本件の図1に示されたようなピークの状況をいうものと理解するのが合理的であるため、上記の主張は採用しない。

第5 取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について

1 標記特許異議申立理由の概要
取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由は、概略、次のとおりである。
(1) 甲第1号証を主たる証拠とする設定登録時の請求項1、3〜10、12に係る発明の進歩性欠如、甲第5号証を主たる証拠とする設定登録時の請求項11、13に係る発明の進歩性欠如及び甲第3号証を主たる証拠とする設定登録時の請求項14に係る発明の進歩性欠如(特許異議申立書26〜38頁)
(2) 設定登録時の請求項1〜14の記載及び明細書の発明の詳細な説明の記載に関する明確性要件違反、サポート要件違反及び実施可能要件違反(特許異議申立書38〜41頁)

進歩性欠如についての当審の判断
(1) 証拠一覧
特許異議申立人が提出した証拠方法は以下のとおりである(以下では、甲各号証を「甲1」などと略して表記した。)。
甲1:特開2006−225689号公報
甲2:特開2002−302754号公報
甲3:特開2006−152408号公報
甲4:特開平3−218963号公報
甲5:特開2003−48713号公報
甲6:特開2002−80954号公報
甲7:特開2001−158620号公報
甲8:特開2016−138309号公報
(2) 甲1の記載事項及び甲1に記載された発明(甲1発明)
甲1には、「溶射用粉末」(発明の名称)について記載され、その請求項1、2には、次の記載がある。
「【請求項1】 イットリウム及びアルミニウムを含む原料粉末を造粒及び焼結して得られるイットリウム−アルミニウム複酸化物造粒−焼結粒子を含有する溶射用粉末であって、前記造粒−焼結粒子における直径6μm以下の細孔の総容積が0.06〜0.25cm3/gであることを特徴とする溶射用粉末。
【請求項2】 前記造粒−焼結粒子が細孔径分布のピークを0.40〜4.0μmに有することを特徴とする請求項1に記載の溶射用粉末。」
そうすると、甲1には、溶射用粉末に係る次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
「イットリウム及びアルミニウムを含む原料粉末を造粒及び焼結して得られるイットリウム−アルミニウム複酸化物造粒−焼結粒子を含有する溶射用粉末であって、前記造粒−焼結粒子における直径6μm以下の細孔の総容積が0.06〜0.25cm3/gであり、前記造粒−焼結粒子が細孔径分布のピークを0.40〜4.0μmに有する溶射用粉末。」
(3) 甲3の記載事項及び甲3に記載された発明(甲3発明)
甲3には、「溶射用粉末、溶射方法及び溶射皮膜」(発明の名称)について記載され、その請求項1、5〜8には、次の記載がある。
「【請求項1】
イットリウムとアルミニウムを含む複酸化物の造粒−焼結粉末を含有する溶射用粉末であって、造粒−焼結粉末は、一次粒子を造粒及び焼結して得られる二次粒子からなり、二次粒子の圧壊強度は15MPa以上であり、溶射用粉末の10%粒子径は6μm以上であることを特徴とする溶射用粉末。
【請求項5】
溶射用粉末のX線回折を測定したとき、複酸化物中のガーネット相の(420)面に由来するX線回折ピークと複酸化物中のペロブスカイト相の(420)面に由来するX線回折ピークと複酸化物中の単斜晶相の(−122)面に由来するX線回折ピークのうちの最大ピークの強度に対するイットリアの(222)面に由来するX線回折ピークの強度の比率が20%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶射用粉末。
【請求項6】
プラズマ溶射により溶射皮膜を形成する用途において使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶射用粉末。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶射用粉末をプラズマ溶射することを特徴とする溶射方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶射用粉末をプラズマ溶射して形成されることを特徴とする溶射皮膜。」
そうすると、甲3には、その請求項1、5に記載された溶射用粉末をプラズマ溶射して溶射皮膜を形成する方法についても記載されているということができるから、次の発明(以下、「甲3発明」という。)を認めることができる。
「イットリウムとアルミニウムを含む複酸化物の造粒−焼結粉末を含有する溶射用粉末であって、造粒−焼結粉末は、一次粒子を造粒及び焼結して得られる二次粒子からなり、二次粒子の圧壊強度は15MPa以上であり、溶射用粉末の10%粒子径は6μm以上であり、
溶射用粉末のX線回折を測定したとき、複酸化物中のガーネット相の(420)面に由来するX線回折ピークと複酸化物中のペロブスカイト相の(420)面に由来するX線回折ピークと複酸化物中の単斜晶相の(−122)面に由来するX線回折ピークのうちの最大ピークの強度に対するイットリアの(222)面に由来するX線回折ピークの強度の比率が20%以下である溶射用粉末を、
プラズマ溶射して、溶射皮膜を形成する方法。」
(4) 甲5の記載事項及び甲5に記載された発明(甲5発明)
甲5には、「YAG粉末の製造方法」(発明の名称)について記載され、その請求項1及び【0002】には、次の記載がある。
「【請求項1】
アルミニウム化合物粉末とイットリウム(Y)含有化合物粉末とを混合粉砕して混合粉体を得た後、前記混合粉体を焼成して実質的にイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)から成る粉末を製造する際に、
該アルミニウム化合物粉末として、アンモニウム−アルミニウム−カーボネイト−ハイドロオキサイド[NH4AlCO3(OH)2]を用いることを特徴とするYAG粉末の製造方法。」
「【0002】
【従来の技術】イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)粉末を原料に用いた燒結体は、アルミナ(Al2O3)粉末を原料に用いた燒結体に比較して、ハロゲン系ガスに対する耐蝕性、特に1273℃以上の高温でのハロゲン系ガスに対する耐蝕性が良好であり、ハロゲンランプ等の種々の用途に用いられている。」
そうすると、甲5には、その請求項1に記載されたYAG粉末の製造方法により製造されたYAG粉末(以下、「甲5YAG粉末」という。)についても開示されているといえるところ、当該「甲5YAG粉末」は、最終的に燒結体の原料として用いられるものであるから、甲5には、当該燒結体に関連する、次の発明(以下、「甲5発明」という。)を認めることができる。
「「甲5YAG粉末」を原料として用いた燒結体及びその製造方法。」
(5) 本件発明1について
本件発明1と「甲1発明」とを対比すると、両者は、特定の細孔径・細孔容積を有する点で共通するものの、「甲1発明」に係る溶射用粉末は、これをX線回折測定に供した際に、立方晶Y3Al5O12のピークや直方晶YAlO3のピークなど、どのようなピークが観察されるのかは不明であるから、本件発明1が有する当該ピークに関する事項を具備するものとはいえない点で、少なくとも両者は相違するものということができる。
そして、当該ピークの有無は、実際に観察されたデータをみてはじめて判別できるものであるところ、甲1には、そのようなデータの開示はない。
また、他の証拠方法をみても、甲2には「溶射用希土類含有化合物粒子、これを溶射した溶射部材」、甲3には「溶射用粉末、溶射方法及び溶射皮膜」、甲4には「透明イットリウム−アルミニウム−ガーネット−セラミックスの製造方法」、甲5には「YAG粉末の製造方法」、甲6には「溶射粉及び溶射被膜」、甲7には「希土類・アルミニウム・ガーネット微粉末、その製造方法おおび該粉末を用いた焼結体」、甲8には「溶射用粉末及び溶射材料」、をそれぞれ発明の名称とする発明について記載されているものの、これら甲2〜8を子細にみても、そのようなデータは見当たらない。
そうすると、「甲1発明」に基づいて、本件発明1が有する上記ピークに関する事項を当業者が容易に想到することができるとは到底いえないから、本件発明1は「甲1発明」に対して進歩性が欠如するものであるということはできない。
(6) 本件発明3〜10、12について
本件発明3〜10、12は、本件発明1の発明特定事項をすべて具備するものであるから、上記(5)と同様の理由により、「甲1発明」に対して進歩性が欠如するということはできない。
(7) 本件発明11、13について
本件発明11、13と「甲5発明」とを対比すると、「甲5発明」における「甲5YAG粉末」は、上記(5)において検討した本件発明1が有するピークに関する事項を具備するものではないから、結局、本件発明11、13と「甲5発明」との間には、少なくとも上記(5)において検討した相違点が存するものと認められ、この相違点は、甲1〜8の記載を斟酌しても容易想到の事項ということはできないから、本件発明11、13は、「甲5発明」に対して進歩性が欠如するということはできない。
(8) 本件発明14について
本件発明14と「甲3発明」とを対比すると、「甲3発明」における溶射用粉末は、上記(5)において検討した本件発明1が有するピークに関する事項を具備するものではないから、結局、本件発明14と「甲3発明」との間には、少なくとも上記(5)において検討した相違点が存するものと認められ、この相違点は、甲1〜8の記載を斟酌しても容易想到の事項ということはできないから、本件発明14は、「甲3発明」に対して進歩性が欠如するということはできない。

3 記載不備についての当審の判断
(1) 特許異議申立人が指摘する記載不備の内容はおおよそ以下のとおりである。
ア 設定登録時の請求項1〜14に係る発明は、細孔容積に関する規定を有するものであるが、本件明細書に記載された実施例をみると、当該規定を満たす実施例1〜3、5〜12より、当該規定を満たさない実施例4の方が、耐食性等において優れた結果となっているため、当該規定の技術的意義が不明であるため、明確性要件及び実施可能要件に違反するものである(特許異議申立書38、39頁の項目(a))。
イ 設定登録時の請求項1〜14に係る発明は、イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物以外の成分の含有を許容しているのか否かが不明確であり、技術的意義が不明であるため、明確性要件及び実施可能要件に違反するものである(特許異議申立書39、40頁の項目(b))。
ウ 設定登録時の請求項1〜14に係る発明が規定する、ピーク強度比S2/S1、S3/S1、S4/S1の範囲の全てにおいて、又は、ピーク強度S1と他のピーク強度が同じである範囲の全てにおいて、実施例と同等の効果を奏すると考えることはできず、このような実施例の記載のみからでは、出願時の技術常識を参酌しても、当該発明全般にわたり所定の効果が得られるとは認められないから、サポート要件及び実施可能要件に違反するものである(特許異議申立書40、41頁の項目(a))。
(2) ア そこで、本件訂正を踏まえて検討するに、上記(1)アの点についてみると、確かに、本件発明の細孔容積に関する規定を満たす実施例1〜3、5〜12よりも、当該規定を満たさない実施例4の方が、耐食性において優れた結果となっているが、当該実施例1〜3、5〜12の結果が所望の水準に達していないわけではないから、これら実施例1〜3、5〜12を包含する本件発明の範囲は、耐食性に劣る従来の粉末とを画定する意味において有意な意義を有するものである。
したがって、当該実施例4の結果のみをもって上記指摘の不備を認めることはできない。
イ また、上記(1)イの点についてみると、本件訂正により、本件発明が許容する成分の範疇は明確になったので、上記の指摘は当たらない。
ウ さらに、上記(1)ウの点についてみると、本件明細書の発明の詳細な説明の記載によれば、本件発明の課題は、十分な耐食性を得ることにあると解されるところ(明細書の【0006】)、本件発明は、特定の組成と細孔容積を採用することで、耐食性を効果的に高め得ることを見出したものであって(同【0007】)、その具体的な機序につき、(i)当該特定の組成に関しては、Y3Al5O12の量論比に比してイットリウムのモル比が若干高く、YAlO3が直方晶であると、プラズマエッチングに対して安定な組成の皮膜又は焼結体が得やすく、例えば、S2/S1が1未満であることで不安定なメリライト(Y4Al2O9)組成の出現を効果的に防止でき、また、YAlO3の結晶構造は立方晶、直方晶及び六方晶など多系が知られているところ、これらの結晶構造のうち、YAlO3が直方晶であると、プラズマエッチングに対して安定な組成の皮膜又は焼結体が得やすいこと(同【0014】)、(ii)当該細孔容積に関しては、皮膜の表面粗さや焼結体の緻密さはプラズマエッチングに対する耐食性と相関があるところ、細孔容積を特定の範囲に設定すると、得られる皮膜の表面粗さや焼結体の緻密さを制御でき、特に細孔径が0.1μm以上1μm以下の細孔容積は一次粒子間の空隙に由来し、この範囲の細孔径の細孔容積が0.16mL/g以上であると、一次粒子が細かく、一定以上の細孔容積を持つことで、熱が効率よく伝播することで溶融しやすいことから、得られる皮膜の表面粗さが低減され、得られる焼結体が緻密なものとなること(同【0021】)を理解することができる。
そして、本件明細書の発明の詳細な説明の【実施例】に記載された各種実施例や比較例をみると、上記の機序に即した特定の組成と細孔容積を採用することで、相応の耐食性が得られることを看て取ることができ、また、当該機序に反しない限り、当該実施例から看取できる効用は、実施例において実際に採用された特定の組成及び細孔容積にとどまらず、これを拡張した本件発明の範囲においても相当程度発現するものと考えるのが合理的である。また、そうでないと考えるに足りる根拠も見当たらない。
したがって、この指摘も採用できない。

第6 むすび

以上のとおりであるから、取消理由(決定の予告)及び特許異議申立理由によっては、請求項1、3〜14に係る特許を取り消すことはできない。
また、他にこれらの特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項2は本件訂正により削除されたので、請求項2に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イットリウム及びアルミニウムの複合酸化物からなり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上であり、
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満であり、
立方晶Y2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.1未満であり、
三方晶Al2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満であり、
立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない、成膜用又は焼結用粉末。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
X線回折測定において更に立方晶Y2O3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.001以上0.1未満である請求項1に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項4】
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満である請求項1又は3に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項5】
X線回折測定においてY3Al5O12の(420)ピークの半値幅から求められる結晶子サイズが50nm以上である請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項6】
水銀圧入法を用いて測定した細孔径に対する細孔容積の分布において、細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲と5μm以上50μm以下の範囲にそれぞれピークを有し、細孔径5μm以上50μm以下の細孔容積が0.1mL/g以上である、請求項1、3〜5の何れか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項7】
BET比表面積が1m2/g以上5m2/g以下である請求項1、3〜6の何れか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項8】
平均粒子径が15μm以上の顆粒である請求項1、3〜7のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項9】
CuKα線を用いた2θ=20°〜60°の走査範囲のX線回折測定において、立方晶Y3Al5O12に由来するピークが最大ピーク強度を示すピークである、請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末。
【請求項10】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末を溶射法又はPVD法により成膜する、皮膜の製造方法。
【請求項11】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末を焼結する、焼結体の製造方法。
【請求項12】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末を溶射法又はPVD法により成膜してなる、皮膜。
【請求項13】
請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の成膜用又は焼結用粉末の焼結体。
【請求項14】
X線回折測定において立方晶Y3Al5O12のピークと直方晶YAlO3のピークが観察され、立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する直方晶YAlO3の(112)ピークの強度比が0.01以上1未満であり、水銀圧入法を用いて測定した細孔径0.1μm以上1μm以下の範囲にピークを有し、且つ細孔径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.16mL/g以上であり、
立方晶Y2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する立方晶Y2O3の(222)ピークの強度比が0.1未満であり、
三方晶Al2O3のピークが観察されないか、或いは立方晶Y3Al5O12の(420)ピークに対する三方晶Al2O3の(104)ピークの強度比が0.1未満であり、
立方晶Y3Al5O12、直方晶YAlO3、立方晶Y2O3及び三方晶Al2O3以外の成分に由来するピークが実質的に観察されない、成膜用又は焼結用粉末を、溶射法又はPVD法により成膜する、皮膜の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-12-13 
出願番号 P2019-556301
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (C01F)
P 1 651・ 537- YAA (C01F)
P 1 651・ 851- YAA (C01F)
P 1 651・ 536- YAA (C01F)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 宮澤 尚之
特許庁審判官 日比野 隆治
後藤 政博
登録日 2020-02-10 
登録番号 6659073
権利者 日本イットリウム株式会社
発明の名称 成膜用又は焼結用粉末  
代理人 特許業務法人翔和国際特許事務所  
代理人 特許業務法人翔和国際特許事務所  

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