ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C08J 審判 全部申し立て 2項進歩性 C08J |
---|---|
管理番号 | 1383245 |
総通号数 | 4 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-09-24 |
確定日 | 2022-02-02 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6672506号発明「ポリアミド系フィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6672506号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1−4]について訂正することを認める。 特許第6672506号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 特許第6672506号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6672506号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし4に係る特許についての出願は、平成27年6月4日に出願した特願2015−114090号の一部を令和1年5月15日に新たな特許出願としたものであって、令和2年3月6日にその特許権の設定登録(請求項の数4)がされ、同年同月25日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許に対して、令和2年9月24日に特許異議申立人 松岡 規子(以下、「特許異議申立人」という。)により、特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされ、同年12月11日付けで特許異議申立人に審尋がなされ、同年同月28日に特許異議申立人より回答書が提出され、令和3年2月26日付けで取消理由が通知され、同年5月7日に特許権者 グンゼ株式会社(以下、「特許権者」という。)より訂正の請求がなされるとともに意見書の提出がされ、同年同月28日付けで特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知を行ったところ、同年6月30日に特許異議申立人より意見書の提出がされ、同年9月3日付けで取消理由(決定の予告)が通知されたところ、同年11月5日に特許権者より訂正の請求がなされるとともに意見書が提出されるとともに、同年同月19日に訂正請求書に対する手続補正書(以下、手続補正書により補正された訂正請求を「本件訂正請求」という。)が提出されたものである。 なお、令和2年5月7日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 また、特許異議申立人には、すでに意見書の提出の機会が与えられており、令和3年11月5日にされた訂正の請求によって、特許請求の範囲が相当程度減縮され、本件特許異議申立事件において提出された全ての証拠や意見等を踏まえてさらに審理を進めたとしても、下記第6のとおり、特許を維持すべきとの結論になると合議体は判断したため、本件訂正請求に対し、特許法第120条の5第5項ただし書における特別の事情と認め、特許異議申立人に対して同法同条第5項の通知を行っていない。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。(下線は、訂正箇所について合議体が付したものである。) (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「ポリアミド系フィルムであって、 ポリアミド層(B)の少なくとも一方面上に、ポリアミド層(A)が積層されており、」とあるのを、 「ポリアミド系フィルムであって、 少なくとも、ポリアミド層(A)、前記ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、層(A)/層(B)/層(C)/層(B)/層(A)この順に積層されており、」に訂正する。 請求項1を直接又は間接的に引用する、請求項2及び3についても同様に訂正する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1の、 「ポリアミド系フィルム」において、 「前記バリア層(C)は、 ポリメタキシリレンアジパミドから成る、又は、 ポリメタキシリレンアジパミド及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から成り、 且つ、前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤を含有せず、」を追加する訂正をする。 請求項1を直接又は間接的に引用する、請求項2及び3についても同様に訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1の、 「ポリアミド系フィルム」において、 「前記ポリアミド層(B)の厚みは、ポリアミド系フィルムの総厚みに対して、厚み比が40〜50%であり、」を追加する訂正をする。 請求項1を直接又は間接的に引用する、請求項2及び3についても同様に訂正する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1に、 「JIS Z−1707(1997)に準拠した測定方法により測定した突刺し強度は、11.0N以上である、」とあるのを、 「JIS Z−1707(1997)に準拠した測定方法により測定した突刺し強度は、11.0N以上であり、 次の屈曲による耐ピンホール性の耐屈曲性試験: 理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて、折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したポリアミド系フィルムを、ゲルボフレックステスターに装着し、最初の88.9mmで440°の捻りを与え、その後63.5mmは直線水平運動となる繰り返しの屈曲直線運動を、−25℃の条件下で、試験速度40回/分にて1000回繰り返した後、前記ポリアミド系フィルムの3枚において、その中央部における300cm2の箇所のピンホールの数を測定し、その平均値を出すという試験 において、発生するピンホール数が40個以下であり、」に訂正する。 請求項1を直接又は間接的に引用する、請求項2及び3についても同様に訂正する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項1に、 「ポリアミド系フィルム。」とあるのを、 「JIS K7126−2に準拠した測定方法により測定した酸素透過度は、測定条件20℃×65%RHにおいて、100ml/m2・d・MPa以下である、 ポリアミド系フィルム。」に訂正する。 請求項1を直接又は間接的に引用する、請求項2及び3についても同様に訂正する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 なお、訂正前の請求項2ないし4はいずれも訂正前の請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものであるから、請求項1ないし4は、特許法第120条の5第4項に規定するところの一群の請求項である。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1ないし5について 訂正事項1ないし5に係る請求項1の訂正は、ポリアミド系フィルムが、「少なくとも、ポリアミド層(A)、前記ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、層(A)/層(B)/層(C)/層(B)/層(A)この順に積層されており」、「前記バリア層(C)は、ポリメタキシリレンアジパミドから成る、又は、ポリメタキシリレンアジパミド及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から成り、且つ、前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤を含有せず」、「前記ポリアミド層(B)の厚みは、ポリアミド系フィルムの総厚みに対して、厚み比が40〜50%」であることを特定するとともに、「屈曲による耐ピンホール性の耐屈曲性試験」及び「JIS K7126−2に準拠した測定方法により測定した酸素透過度」の試験条件をそれぞれ特定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1ないし5に係る請求項1の訂正は、訂正前の請求項4、願書に添付した明細書の段落【0057】ないし【0064】、【0068】、【0082】、【0084】、【0096】、【0100】及び実施例11ないし20の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであるから新規事項の追加に該当しない。また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2及び3についても同様である。 (2) 訂正事項6について 訂正事項6に係る請求項4の訂正は、請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 3 訂正の適否についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1−4]について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおりであるから、本件特許の請求項1ないし4に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明4」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 ポリアミド系フィルムであって、 少なくとも、ポリアミド層(A)、前記ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、層(A)/層(B)/層(C)/層(B)/層(A)の順に積層されており、 前記ポリアミド層(A)は、ナイロン−6と結晶性芳香族ポリアミドとからなり、 前記ポリアミド層(B)は、ポリアミドを86〜98重量%、及び耐屈曲剤を2〜14重量%含有し、 前記ポリアミド層(B)に含まれる前記ポリアミドは、JIS K6920に準拠した測定方法により、96%H2SO4、1.0g/100ml、温度25℃の条件で測定した相対粘度が2.5〜4.5であり、 前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤は、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、及びアイオノマー重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマーであり、 前記バリア層(C)は、 ポリメタキシリレンアジパミドから成る、又は、 ポリメタキシリレンアジパミド及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から成り、 且つ、前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤を含有せず、 前記ポリアミド層(B)の厚みは、ポリアミド系フィルムの総厚みに対して、厚み比が40〜50%であり、 JIS Z−1707(1997)に準拠した測定方法により測定した突刺し強度は、11.0N以上であり、 次の屈曲による耐ピンホール性の耐屈曲性試験: 理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて、折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したポリアミド系フィルムを、ゲルボフレックステスターに装着し、最初の88.9mmで440°の捻りを与え、その後63.5mmは直線水平運動となる繰り返しの屈曲直線運動を、−25℃の条件下で、試験速度40回/分にて1000回繰り返した後、前記ポリアミド系フィルムの3枚において、その中央部における300cm2の箇所のピンホールの数を測定し、その平均値を出すという試験 において、発生するピンホール数が40個以下であり、 JIS K7126−2に準拠した測定方法により測定した酸素透過度は、測定条件20℃×65%RHにおいて、100ml/m2・d・MPa以下である、 ポリアミド系フィルム。 【請求項2】 前記ポリアミド層(B)に含まれる前記ポリアミドは、脂肪族ポリアミドを含有し、前記ポリアミド中の前記脂肪族ポリアミドの含有量は、前記ポリアミドの量を100重量%として80〜100重量%である、請求項1に記載のポリアミド系フィルム。 【請求項3】 前記ポリアミド層(A)は、ナイロン−6とポリメタキシリレンアジパミドとからなる、請求項1又は2に記載のポリアミド系フィルム。 【請求項4】 (削除)」 第4 特許異議申立人が主張する特許異議申立理由について 特許異議申立人が特許異議申立書において、訂正前の請求項1ないし4に係る特許に対して申し立てた特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。 申立理由1(新規性) 本件特許の請求項1ないし4に係る発明は、本件特許の原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 申立理由2(進歩性) 本件特許の請求項1ないし4に係る発明は、本件特許の原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、原出願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有するもの(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 <証拠方法> ・甲第1号証:特開2010−253711号公報 ・甲第2号証:特開2008−94016号公報 ・甲第3号証:特開2008−188776号公報 ・甲第4号証:「変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー プリマロイ○ R(合議体注:「○R」は○の中にRが表記される記号であ る。以下同様。)−AP」Ver.12(三菱化学株式会社 ポリマー本部機能性樹脂事業部、2014.5.28) ・甲第5号証:特開2007−112999号公報 ・甲第6号証:特開2010−131809号公報 ・甲第7号証:特開2006−35848号公報 (証拠の表記は、おおむね特許異議申立書における記載にしたがった。) 第5 令和3年9月3日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の概要 当審が令和3年9月3日付けで特許権者に通知した取消理由通知(決定の予告)における取消理由の概要は、次のとおりである。なお、当該取消理由は、申立理由2と同旨である。 取消理由(進歩性) 本件特許の請求項1ないし4に係る発明は、本件特許の原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 第6 当審の判断 1 取消理由(決定の予告)について (1) 主な甲号証の記載事項等 ア 甲第1号証の記載事項 甲第1号証には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】 脂肪族ポリアミド重合体99.5〜70重量%と熱可塑性エラストマー0.5〜10重量%および/または脂肪族共重合ポリアミド重合体3〜20重量%との混合重合体からなるA層の少なくとも一方の面に、脂肪族ポリアミド重合体97〜85重量%とメタキシリレン基含有ポリアミド重合体3〜10重量%からなる、または更に熱可塑性エラストマー0〜5.0重量%を添加してなる、混合ポリアミド重合体からなるB層が積層されてなり、かつ衝撃強度0.7J以上、突き刺し強度10N以上、23℃65%での静摩擦係数0.90以下、5℃での屈曲ピンホール欠点数が5個以下、ラミネート強度が5.0N以上であることを特徴とする積層2軸延伸ポリアミド系フィルム。」 「【請求項3】 A層を構成する熱可塑性エラストマーがポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー又はアイオノマー重合体から選ばれた1種又は2種以上のエラストマーであるであることを特徴とする請求項1又は2記載の積層2軸延伸ポリアミド系フィルム。」 「【技術分野】 【0001】 本発明は、耐衝撃性及び耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性、耐突き差し性に優れ、食品包装等の包装材料として使用したときに、商品の輸送時、保管時における破袋防止等に効果があり、さらに業務用途の大型重量袋の落下破袋防止にも効果のある各種包装用途に適したポリアミド系積層2軸延伸フィルムに関するものである。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0011】 本発明は、上記の現行耐ピンホール用途ポリアミド系フィルムの有する問題点に鑑み、耐衝撃性、耐突き刺し性および耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性に優れ、食品包装等の包装材料として使用したときに、商品の輸送時、保管時における破袋防止等の効果に優れ、さらに業務用途等の大型重量袋の落下破袋防止にも効果のある各種の包装用途に適したポリアミド系積層2軸延伸フィルムを提供する事が目的である。」 「【0013】 かかる本発明の積層2軸延伸ポリアミド系フィルムは、脂肪族ポリアミド重合体中に耐ピンホール素材としての熱可塑性エラストマーが分散している構造をもつA層が主に耐屈曲疲労性の発現に寄与し、特に低温環境下において優れた耐屈曲疲労性を与える。このA層にさらに脂肪族ポリアミド共重合体が添加されることで柔軟化され、さらに優れた耐突き刺し破袋性、耐衝撃性を発現する。 【0014】 また、脂肪族ポリアミド重合体とメタキシリレン基含有ポリアミド重合体からなるB層が主に優れた耐凝集破壊強度と優れた滑り性をもち、大型重量袋加工時での耐落下破袋性の発現に寄与し、また、包装袋に加わる摩擦、磨耗による衝撃を受け止め耐磨耗性の発現に寄与する。このB層にさらに脂肪族ポリアミドエラストマーを添加することでさらなる柔軟性と耐屈曲疲労性を付与し、それぞれの特性の相乗効果によって高い衝撃強度、耐突き差し性、耐屈曲疲労性と耐磨耗性、破袋防止性を両立するものである。そして、優れた耐衝撃性および耐屈曲疲労性を有し、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性が良好であり、且つ、業務用大型重量袋として用いた場合においても優れた耐落下破袋性を有し得る。」 「【発明を実施するための形態】 【0019】 以下、本発明における積層2軸延伸ポリアミド系フィルムの実施の形態を詳細に説明する。本発明においてA層は脂肪族ポリアミド重合体99.5〜70重量%と熱可塑性エラストマー0.5〜10重量%及び/又は肪族共重合ポリアミド重合体3〜20重量%からなる混合ポリアミド重合体からなる。かかるA層は、耐衝撃性および耐屈曲疲労性に優れる脂肪族ポリアミド重合体中に耐ピンホール素材としての熱可塑性エラストマーが分散している構造をもつことで、優れた耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性の改善に寄与する。さらに/または柔軟性付与剤、粘り性付与剤として脂肪族ポリアミド共重合体が微分散している構造をもつことで、優れた衝撃強度、耐突き刺し性、耐屈曲疲労性の改善に寄与する。」 「【0026】 本発明の積層2軸延伸ポリアミド系フィルムのA層を構成する脂肪族ポリアミド重合体としてはフィルム成形材料として使用することができ上記構造を形成するのに適切であれば特に制限されず広範なものが含まれる。例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・10などの脂肪族ポリアミド単独重合体を使用することができる。 【0027】 A層に混合される熱可塑性エラストマーは、ゴム状弾性を有する物質としての熱可塑性を有する材料のことであり、上記構造を形成するのに適切であれば特に制限されない。より具体的には、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、・ポリ塩化ビニル系エラストマー、アイオノマー重合体等のほか、これらのエラストマーの混合物などが挙げられる。熱可塑性エラストマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。」 「【0046】 本発明のポリアミド系積層2軸延伸フィルムのB層を構成する脂肪族ポリアミド重合体としてはフィルム成形材料として使用することができ上記構造を形成するのに適切であれぱ特に制限されず広範なものが含まれる。例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン6・10などの脂肪族ポリアミド単独重合体、あるいはこれらと共重合可能なモノマー10重量%以下、好ましくは1〜10重量%の共重合体、例えば、ナイロン6/6・6共重合体、ナイロン6/12、ナイロン6/6・10共重合体、ナイロン6・6/6・10共重合体などのような脂肪族ポリアミド共重合体で代表される脂肪族ポリアミド又はε−カプロラクタムを主成分としこれとヘキサメチレンジミンとイソフタル酸とのナイロン塩やメタキシリレンジアミンとアジピン酸とのナイロン塩などとを共重合させた少量の芳香族を含むポリアミド共重合体等を使用することができる。」 「【実施例】 【0065】 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、フィルムの評価は次の測定法によって行った。 【0066】 (1)衝撃強度 東洋精機製作所社製のフィルムインパクトテスターを使用し、温度23℃、相対湿度65%の環境下で測定した。 【0067】 (2)耐屈曲疲労性(ピンホール数) 理学工業社製のゲルポブレックステスターを使用し、下記の方法により耐屈曲疲労性を測定した。実施例で作製したフィルムにポリエステル系接着剤を塗布後、線状低密度ポリエチレンフィルム(L-LDPEフィルム:東洋紡績社製、L4102)40μmをドライラミネートし、40℃の環境下で3日間エ一ジングを行いラミネートフィルムとした。得られたラミネートフィルムを12インチ×8インチ(1インチ=2.54cm)に裁断し、直径3.5インチの円筒状にし、円筒状フィルムの一端をゲルポブレックステスターの固定ヘッド側に、他の端を可動ヘッド側に固定し、初期の把持間隔を7インチとした。ストロークの最初の3.5インチで440度のひねりを与え、その後2.5インチは直線水平運動で全ストロークを終えるような屈曲疲労を、40回/minの速さで500回行った。なお、前記テストは5℃の環境下で行った。ラミネートフィルムに発生したピンホール数を以下のようにして数えた。テストフィルムのL−LDPEフィルム側を下面にしてろ紙(アドバンテック、No.50)の上に置き、4隅をセロテープ(登録商標)で固定した。インク(パイロット製インキ(品番INK−350−ブルー)を純水で5倍希釈したもの)をテストフィルム上に塗布し、ゴムローラーを用いて一面に延展させた。不要なインクをふき取った後、テストフィルムを取り除き、ろ紙に付いたインクの点の数を計測した。 【0068】 (3)突き刺し強度 食品衛生法における「食品、添加物等の規格基準 第3:器具及び容器包装」(昭和57年厚生省告示第20号)の「2.強度等試験法」に準拠して測定した。先端部直径0.7mmの針を、突刺し速度50mm/分でフィルムに突き刺し針がフィルムを貫通する際の強度を測定して、突刺し強度とした。測定は常温(23℃)で行い、単位は[N]である。 【0069】 (4)ヘイズ (株)東洋精機製作所社製の直読ヘイズメーターを使用し、J I S-K-7105に準拠し測定した。 ヘイズ(%)=[Td(拡散透過率%)/Tt(全光線透過率%)〕x 100 【0070】 (5)静止摩擦係数 フィルム易滑面同士の静止摩擦係数をJ I S-K-7125に準拠し、23℃65%RH環境下で測定した。 【0071】 (6)ラミネート強度 フィルム厚み方向の耐凝集破壊強度把握の為ラミネート強度を測定した。 実施例で製造したフィルムにポリエステル系接着剤を塗布後、線状低密度ポリエチレンフィルム(L-LDPE:東洋紡績(株)製、L4102:厚み40μm)をドライラミネートし、40℃環境下で3日間エージングを行いラミネートフィルムを得た。ラミネート強度測定用にラミネートフィルムを短冊状に切断し、一端をポリアミド系積層2軸延伸フィルムと線状低密度ポリエチレンフィルムとに界面で剥離し、ラミネート強度を測定した。単位は[N/15mm]である。 【0072】 (実施例1) 2種3層の共押出しTダイ設備を使用し、次のような構成の未延伸シートを得た。B層/A層/B層の構成で、未延伸シートのトータル厚みは180μmであり、卜一タル厚みに対するA層の厚み比率は73%である。 A層を構成する組成物:ナイロン6(東洋紡績社製、T814)が86.9重量%とNy−12をポリアミド成分とするポリアミド系ブロック共重合体(アルケマ社製、PEBAX4033SNO l:ポリアミドエラストマー)が3重量%およびNy6とNy12からなる脂肪族ポリアミド共重合体(宇部興産株式会社製 7034B)が10重量%からなり、さらにフェノール系酸化防止剤{チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、Irganox1010)0.1重量%を含有してなる混合重合体組成物。 B層を構成する組成物:ナイロン6が86.35重量%とメタキシリレン基含有ポリアミド重合体(東洋紡(株)製MXD-6,T600〕が8重量%、及び上記ポリアミド系ブロック共重合体(アルケマ社製、PEBAX4033SN01:ポリアミドエラストマー)が5.0重量%、細孔容積1.1〜1.6ml/gのシリカ粒子0.5重量%、および高脂肪酸アマイドが0.15重量%からなる重合体組成物。 【0073】 得られた未延伸シートを縦方向に3.0倍延伸し、続いて横方向に4.0倍延伸することにより15μmの2軸延伸フィルムを作製し、さらに、線状低密度ポリエチレンブィルム(L-LDPEフィルム1東洋紡績社製、L4102)40μmとドライラミネートする側のB層表面にコロナ放電処理を実施した。得られた2軸延伸フィルムのヘイズ、衝撃強度、突き刺し強度、ピンホール数、静摩擦係数、ラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。 【0074】 (実施例2〜5) 実施例1の記載において下記表1のように変更した他は、実施例1と同様の方法で2軸延伸フィルムを得た。得られた2軸延伸フィルムのヘイズ、衝撃強度、突き刺し強度、ピンホール数、静摩擦係数、ラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。 【0075】 (比較例1〜4) 実施例1の記載において下記表1のように変更した他は、実施例1と同様の方法で2軸延伸フィルムを得た。得られた2軸延伸フィルムのヘイズ、衝撃強度、突き刺し強度、ビンホール数、静摩擦係数、ラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。 【0076】 【表1】 」 イ 甲第1号証に記載された発明 上記アの記載、特に、請求項1の記載を中心に整理すると、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 「脂肪族ポリアミド重合体99.5〜70重量%と熱可塑性エラストマー0.5〜10重量%および/または脂肪族共重合ポリアミド重合体3〜20重量%との混合重合体からなるA層の少なくとも一方の面に、脂肪族ポリアミド重合体97〜85重量%とメタキシリレン基含有ポリアミド重合体3〜10重量%からなる、または更に熱可塑性エラストマー0〜5.0重量%を添加してなる、混合ポリアミド重合体からなるB層が積層されてなり、かつ衝撃強度0.7J以上、突き刺し強度10N以上、23℃65%での静摩擦係数0.90以下、5℃での屈曲ピンホール欠点数が5個以下、ラミネート強度が5.0N以上である積層2軸延伸ポリアミド系フィルム。」 (2) 対比・判断 ア 本件発明1について 本件発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明の「脂肪族ポリアミド重合体」、「メタキシリレン基含有ポリアミド重合体」を含む「B層」は、本件発明1の「ポリアミド」と「芳香族ポリアミド」とからなる「ポリアミド層(A)」との限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「脂肪族ポリアミド重合体」と「熱可塑性エラストマーおよび/または脂肪族共重合体ポリアミド重合体」との混合重合体からなる「A層」は、本件発明1の「ポリアミド」を含有する「ポリアミド層(B)」との限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「A層」の少なくとも一方の面に、「B層」が積層されているから、本件発明1の「ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)」が「積層されており」との限りにおいて一致する。 してみると、両者は、 「ポリアミド系フィルムであって、 ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)が積層されており、 前記ポリアミド層(A)は、ポリアミドと芳香族ポリアミドとからなり、 前記ポリアミド層(B)は、ポリアミドを含有する、 ポリアミド系フィルム。」 で一致し、次の点で相違する。 ・相違点1 ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)が積層されたポリアミド系フィルムの層構成に関し、本件発明1は、「少なくとも、ポリアミド層(A)、前記ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、層(A)/層(B)/層(C)/層(B)/層(A)の順」と特定するのに対し、甲1発明にはそのような特定がない点。 ・相違点2 ポリアミド層(A)について、本件発明1は、「ナイロン−6」と「結晶性芳香族ポリアミド」からなるのに対し、甲1発明は、「脂肪族ポリアミド重合体」と「メタキシリレン基含有ポリアミド重合体」からなるものである点。 ・相違点3 ポリアミド層(B)について、本件発明1は、「ポリアミドを86〜98重量%、及び耐屈曲剤を2〜14重量%含有」するものであって、「耐屈曲剤」は、「ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、及びアイオノマー重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマー」であるのに対し、甲1発明は、「脂肪族ポリアミド重合体99.5〜70重量%と熱可塑性エラストマー0.5〜10重量%および/または脂肪族共重合ポリアミド重合体3〜20重量%との混合重合体からなる」ものである点。 ・相違点4 ポリアミド層(B)に含まれるポリアミドについて、本件発明1は、「JIS K6920に準拠した測定方法により、96%H2SO4、1.0g/100ml、温度25℃の条件で測定した相対粘度が2.5〜4.5」であると特定されるのに対し、甲1発明ではそのような特定がない点。 ・相違点5 バリア層(C)について、本件発明1は、「前記バリア層(C)は、ポリメタキシリレンアジパミドから成る、又は、ポリメタキシリレンアジパミド及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から成り、且つ、前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤を含有せず、」と特定するのに対して、甲1発明は、バリア層(C)に相当するもの自体特定されない点。 ・相違点6 ポリアミド系フィルムの突き刺し強度について、本件発明1は、「JIS Z−1707(1997)に準拠した測定方法により測定した突き刺し強度」が「11.0N以上」であるのに対し、甲1発明にはそのような特定がない点。 ・相違点7 ポリアミド系フィルムに関して、本件発明1は、「次の屈曲による耐ピンホール性の耐屈曲性試験:理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて、折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したポリアミド系フィルムを、ゲルボフレックステスターに装着し、最初の88.9mmで440°の捻りを与え、その後63.5mmは直線水平運動となる繰り返しの屈曲直線運動を、−25℃の条件下で、試験速度40回/分にて1000回繰り返した後、前記ポリアミド系フィルムの3枚において、その中央部における300cm2の箇所のピンホールの数を測定し、その平均値を出すという試験において、発生するピンホール数が40個以下であり、」と特定するのに対して、甲1発明にはそのような特定がない点。 ・相違点8 ポリアミド系フィルムに関して、本件発明1は、「JIS K7126−2に準拠した測定方法により測定した酸素透過度は、測定条件20℃×65%RHにおいて、100ml/m2・d・MPa以下である、」と特定するのに対して、甲1発明にはそのような特定がない点。 事案に鑑み、まず、相違点7について検討する。 甲第1号証は、「耐衝撃性及び耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性、耐突き差し性に優れ、食品包装等の包装材料として使用したときに、商品の輸送時、保管時における破袋防止等に効果があり、さらに業務用途の大型重量袋の落下破袋防止にも効果のある各種包装用途に適したポリアミド系積層2軸延伸フィルム」に関する(段落【0001】)ものであるものの、具体的に検証している耐屈曲疲労性(「屈曲による耐ピンホール性」に相当)の試験条件は、5℃(段落【0067】)であり、「−25℃」の低温で行ったものではないし、甲第1号証の他の記載を見ても、本件発明1のような低温下における屈曲による耐ピンホール性についての記載もないし、また、他の証拠をみても、「−25℃」の低温下における屈曲による耐ピンホール性について、何ら記載もない。 すると、甲1発明が、−25℃という低温下での屈曲による耐ピンホール性を特定の条件を満たすもの、すなわち、相違点7に係る発明特定事項を満たすものであると推認することはできないし、さらに、甲1発明において、−25℃という低温下での屈曲による耐ピンホール性を特定の条件を満たすものとする動機付けがあるともいえない。 よって、甲1発明において、相違点7に係る発明特定事項を満たすものとすることは、当業者が容易に想到し得たものということはできない。 してみれば、他の相違点については検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2及び3について 本件発明2及び3はいずれも、直接又は間接的に請求項1を引用する発明であり、本件発明1の特定事項を全て有するものである。 そして、上記アのとおり、本件発明1は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2及び3も、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 取消理由についてのまとめ 上記ア及びイのとおりであるから、取消理由の理由によって、本件発明1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。 2 取消理由(決定の予告)で採用しなかった異議申立理由について 取消理由(決定の予告)で採用しなかった異議申立理由は、申立理由1(新規性)であるので、これについて検討する。 (1) 本件発明1について 1(2)アで検討のとおり、本件発明1は甲1発明ではない。 (2) 本件発明2及び3について 本件発明2及び3はいずれも、直接又は間接的に請求項1を引用する発明であり、本件発明1の特定事項を全て有するものである。 そして、上記(1)のとおり、本件発明1は、甲1発明と同一ではないから、本件発明2及び3も、甲4発明と同一ではない。 (3) 申立理由1についてのまとめ 上記(1)及び(2)のとおりであるから、申立理由1の理由によって、本件発明1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。 第7 結語 以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1ないし3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 本件特許の請求項4に係る特許は、訂正により削除されたため、特許異議申立人による請求項4に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったので、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリアミド系フィルムであって、 少なくとも、ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、及びバリア層(C)が、層(A)/層(B)/層(C)/層(B)/層(A)の順に積層されており、 前記ポリアミド層(A)は、ナイロン−6と結晶性芳香族ポリアミドとからなり、 前記ポリアミド層(B)は、ポリアミドを86〜98重量%、及び耐屈曲剤を2〜14重量%含有し、 前記ポリアミド層(B)に含まれる前記ポリアミドは、JIS K6920に準拠した測定方法により、96%H2SO4、1.0g/100ml、温度25℃の条件で測定した相対粘度が2.5〜4.5であり、 前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤は、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、及びアイオノマー重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマーであり、 前記バリア層(C)は、 ポリメタキシリレンアジパミドから成る、又は、 ポリメタキシリレンアジパミド及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から成り、 且つ、前記ポリアミド層(B)に含まれる前記耐屈曲剤を含有せず、 前記ポリアミド層(B)の厚みは、ポリアミド系フィルムの総厚みに対して、厚み比が40〜50%であり、 JIS Z−1707(1997)に準拠した測定方法により測定した突刺し強度は、11.0N以上であり、 次の屈曲による耐ピンホール性の耐屈曲性試験: 理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて、折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したポリアミド系フィルムを、ゲルボフレックステスターに装着し、最初の88.9mmで440°の捻りを与え、その後63.5mmは直線水平運動となる繰り返しの屈曲直線運動を、−25℃の条件下で、試験速度40回/分にて1000回繰り返した後、前記ポリアミド系フィルムの3枚において、その中央部における300cm2の箇所のピンホールの数を測定し、その平均値を出すという試験 において、発生するピンホール数が40個以下であり、 JIS K7126−2に準拠した測定方法により測定した酸素透過度は、測定条件20℃×65%RHにおいて、100ml/m2・d・MPa以下である、 ポリアミド系フィルム。 【請求項2】 前記ポリアミド層(B)に含まれる前記ポリアミドは、脂肪族ポリアミドを含有し、前記ポリアミド中の前記脂肪族ポリアミドの含有量は、前記ポリアミドの量を100重量%として80〜100重量%である、請求項1に記載のポリアミド系フィルム。 【請求項3】 前記ポリアミド層(A)は、ナイロン−6とポリメタキシリレンアジパミドとからなる、請求項1又は2に記載のポリアミド系フィルム。 【請求項4】 (削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-01-21 |
出願番号 | P2019-092115 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(C08J)
P 1 651・ 113- YAA (C08J) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
大島 祥吾 |
特許庁審判官 |
岩本 昌大 植前 充司 |
登録日 | 2020-03-06 |
登録番号 | 6672506 |
権利者 | グンゼ株式会社 |
発明の名称 | ポリアミド系フィルム |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |