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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 C08L 審判 一部申し立て 2項進歩性 C08L |
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管理番号 | 1383257 |
総通号数 | 4 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-11-09 |
確定日 | 2022-01-07 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6698051号発明「良好な熱安定性および化学安定性を有するPC/ABS組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6698051号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜11〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許(特許第6698051号)についての出願は、2013年(平成25年)4月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年4月27日、欧州特許庁)を国際出願日とする出願(特願2015−507522号)の一部を平成29年6月26日に新たな特許出願(特願2017−124425号)としたものであって、令和2年4月30日にその特許権の設定登録がされたものである(特許掲載公報の発行は同年5月27日)。その請求項1〜4、6〜11に係る発明の特許について、同年11月9日に特許異議申立人東レ株式会社(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和2年11月 9日 特許異議申立書 令和3年 2月18日付け取消理由通知書 同年 5月25日 意見書(特許権者) 同年 8月19日付け取消理由通知書(決定の予告) 同年11月19日 意見書・訂正請求書(特許権者) 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和3年11月19日提出の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1〜4、請求項6〜11を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に「存在する成分E)は、0.05〜5.0重量部の濃度のフッ素化ポリオレフィンを、他の任意添加剤と共に含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の成形用組成物。」と記載されているのを、独立形式に改め、 「 A)61.0〜95.0重量部の少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート、 B)0.5〜20.0重量部の少なくとも1種のグラフトポリマー、 C)0.0〜20.0重量部のビニル(コ)ポリマーおよび/またはポリアルキレンテレフタレート、 D)1.0〜20.0重量部の少なくとも1種のリン含有難燃剤、 E)0.5〜20.0重量部の他の一般的な添加剤 を、成分A)〜E)の重量部の合計が100重量部となるように含んでなる熱可塑性成形用組成物であって、組成物全体における遊離ビスフェノールAの含量が0.5ppm超〜50ppm未満であり、 前記成分A)の芳香族ポリカーボネートは界面法により得られたものであり、200ppm未満のOH末端基濃度を有する、成形用組成物であって、 存在する成分E)は、0.05〜5.0重量部の濃度のフッ素化ポリオレフィンを、他の任意添加剤と共に含んでなることを特徴とする、成形用組成物。」に訂正する。 訂正前の請求項2〜11は、訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあるから、訂正事項1及び2に係る訂正は、一群の請求項〔1〜11〕について請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、請求項1〜4及び6〜11を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、請求項1を引用する請求項5を、請求項1との引用関係を解消して独立形式に書き改めるものであるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」(特許法第120条の5第2項第4号)を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 3 まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するものであるから、結論のとおり、本件訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについての判断 申立人による特許異議の申立ては、請求項1〜4、6〜11に係る特許についてされたものであるが、上記「第2 訂正の適否についての判断」で述べたように、本件訂正により、請求項1〜4、6〜11は削除されたため、特許異議の申立ての対象となる請求項が存在しないものとなった。 したがって、本件特許異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものであることから、特許法第120条の8第1項において準用する特許法第135条の規定により、却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 A)61.0〜95.0重量部の少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート、 B)0.5〜20.0重量部の少なくとも1種のグラフトポリマー、 C)0.0〜20.0重量部のビニル(コ)ポリマーおよび/またはポリアルキレンテレフタレート、 D)1.0〜20.0重量部の少なくとも1種のリン含有難燃剤、 E)0.5〜20.0重量部の他の一般的な添加剤 を、成分A)〜E)の重量部の合計が100重量部となるように含んでなる熱可塑性成形用組成物であって、組成物全体における遊離ビスフェノールAの含量が0.5ppm超〜50ppm未満であり、 前記成分A)の芳香族ポリカーボネートは界面法により得られたものであり、200ppm未満のOH末端基濃度を有する、成形用組成物であって、 存在する成分E)は、0.05〜5.0重量部の濃度のフッ素化ポリオレフィンを、他の任意添加剤と共に含んでなることを特徴とする、成形用組成物。 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 (削除) 【請求項11】 (削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2021-12-20 |
出願番号 | P2017-124425 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
XA
(C08L)
P 1 652・ 113- XA (C08L) |
最終処分 | 10 決定却下(不適法な申立に |
特許庁審判長 |
佐藤 健史 |
特許庁審判官 |
福井 悟 近野 光知 |
登録日 | 2020-04-30 |
登録番号 | 6698051 |
権利者 | コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト |
発明の名称 | 良好な熱安定性および化学安定性を有するPC/ABS組成物 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |
代理人 | 細田 浩一 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |
代理人 | 伴 俊光 |