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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1383631 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-11-25 |
確定日 | 2022-04-21 |
事件の表示 | 特願2018− 63876号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月10日出願公開、特開2019−170780号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成30年3月29日の出願であって、令和1年12月25日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年2月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月2日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年同月30日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月24日付け(送達日:同年10月6日)で、同年6月30日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和3年8月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月4日に意見書及び手続補正書が提出され、これに対し、同年同月28日付けで最後の拒絶の理由(以下、令和3年10月28日付けで通知した拒絶の理由を「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年12月9日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 令和3年12月9日提出の手続補正書による補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和3年12月9日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲、すなわち令和3年10月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下のとおり、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1のものに補正するものである(下線は補正箇所を示す。)。 (補正前) 「【請求項1】 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに基づき遊技の演出を制御する従制御手段と、を備えた遊技機において、 前記主制御手段は、 遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、 前記判定の権利を保留可能な保留手段と、 前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させてから当該図柄を停止表示させる変動制御手段と、 通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記変動表示の変動時間が短くなり易い特定遊技状態とに制御することが可能な遊技状態制御手段と、を備え、 前記従制御手段は、 保留している前記権利に対応して、保留画像を表示手段に表示する画像表示手段と、 遊技の進行過程で演出手段に所定の報知演出を実行させる演出実行手段と、を備え、 前記画像表示手段は、 所定のフレーム更新タイミングとなる毎に前記表示手段に表示させる画像を更新するよう構成され、 前記保留画像を通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像に変化させる変化演出を行うことが可能であり、 前記変化演出は、 前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じたフレーム更新タイミングで実行する第1変化演出と、 保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行する第2変化演出と、を含み、 前記演出実行手段は、 前記第2変化演出が開始されるフレーム更新タイミングで前記報知演出を開始し、前記第2変化演出における前記保留画像の態様の変化が終了するフレーム更新タイミングとは異なるタイミングで前記報知演出を終了し、 前記通常遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出を所定の割合で実行可能であるが、前記特定遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出が実行されず、 前記保留画像の特別態様は、 第1特別態様と、前記第1特別態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す第2特別態様と、を含み、 前記第1変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様で表示させるときと、前記第2特別態様で表示させるときがあり、 前記第2変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易く、 前記保留画像が前記特別態様に変化する可能性があることを示唆する第1変化示唆演出を実行して前記保留画像を前記特別態様に変化させる場合と、 前記第1変化示唆演出とは示唆態様が異なる第2変化示唆演出を実行して前記特別態様に変化させる場合とがあり、 前記保留画像が前記特別態様に変化する場合、前記第1変化示唆演出が実行される割合と、前記第2変化示唆演出が実行される割合が異なることを特徴とする遊技機。」 (補正後) 「【請求項1】 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに基づき遊技の演出を制御する従制御手段と、を備えた遊技機において、 前記主制御手段は、 遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、 前記判定の権利を保留可能な保留手段と、 前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させてから当該図柄を停止表示させる変動制御手段と、 通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記変動表示の変動時間が短くなり易い特定遊技状態とに制御することが可能な遊技状態制御手段と、を備え、 前記従制御手段は、 保留している前記権利に対応して、保留画像を表示手段に表示する画像表示手段と、 遊技の進行過程で演出手段に所定の報知演出を実行させる演出実行手段と、を備え、 前記画像表示手段は、 所定のフレーム更新タイミングとなる毎に前記表示手段に表示させる画像を更新するよう構成され、 前記保留画像を通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像に変化させる変化演出を行うことが可能であり、 前記変化演出は、 前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じたフレーム更新タイミングで実行する第1変化演出と、 保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行する第2変化演出と、を含み、 前記第2変化演出には、 所定演出が行われる所定変化演出と、 前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出と、を含み、 前記演出実行手段は、 前記第2変化演出が開始されるフレーム更新タイミングで前記報知演出を開始し、前記第2変化演出における前記保留画像の態様の変化が終了するフレーム更新タイミングとは異なるタイミングで前記報知演出を終了し、 前記通常遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出を所定の割合で実行可能であるが、前記特定遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出が実行されず、 前記保留画像の特別態様は、 第1特別態様と、前記第1特別態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す第2特別態様と、を含み、 前記第1変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様で表示させるときと、前記第2特別態様で表示させるときがあり、 前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易く、 前記保留画像が前記特別態様に変化する可能性があることを示唆する第1変化示唆演出を実行して前記保留画像を前記特別態様に変化させる場合と、 前記第1変化示唆演出とは示唆態様が異なる第2変化示唆演出を実行して前記特別態様に変化させる場合とがあり、 前記保留画像が前記特別態様に変化する場合、前記第1変化示唆演出が実行される割合と、前記第2変化示唆演出が実行される割合が異なり、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに前記表示手段に表示させる前記第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに前記第2変化演出を実行できない場合、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで前記第2変化演出が実行されるが、前記報知演出は前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行されることを特徴とする遊技機。」 2 補正の適否 2−1 本件補正における補正事項 本件補正は、以下の補正事項を含む。 (1)本件補正前の請求項1における「第2変化演出」について、 「所定演出が行われる所定変化演出と、 前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出と、を含」むことを限定する。 (2)本件補正前の請求項1において、「前記通常遊技状態に制御されているときは、」「所定の割合で実行可能であるが、前記特定遊技状態に制御されているときは、」「実行され」ないとされていた「前記第2変化演出」を、「前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出」に限定する。 (3)本件補正前の請求項1において、「前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易」いとされていた「前記第2変化演出」を、「前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出」に限定する。 (4)本件補正前の請求項1の「第2変化演出」について、 「前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに前記表示手段に表示させる前記第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに前記第2変化演出を実行できない場合、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで前記第2変化演出が実行されるが、前記報知演出は前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行されること」 を限定する。 2−2 補正の目的について 補正事項(ア)〜(エ)はいずれも、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであり、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち、特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正である。 2−3 新規事項の有無について 補正事項(ア)の「所定演出が行われる所定変化演出」及び「前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出」は、それぞれ、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0341】及び【図17】等に記載の「キャラ作用変化パターン01」及び「図柄作用変化パターン01」等が対応するものであると認められるから、補正事項(ア)は、当初明細書等の段落【0341】、【図17】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 補正事項(イ)は、当初明細書等の段落【0525】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 補正事項(ウ)は、当初明細書等の段落【0512】〜【0514】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 補正事項(エ)は、当初明細書等の段落【0496】〜【0516】、【図38】、【図39】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 2−4 独立特許要件について 本件補正の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。 (1)本願補正発明 本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A等は、分説するため当審にて付した。)。 「【請求項1】 A 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに基づき遊技の演出を制御する従制御手段と、を備えた遊技機において、 B 前記主制御手段は、 B1 遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、 B2 前記判定の権利を保留可能な保留手段と、 B3 前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させてから当該図柄を停止表示させる変動制御手段と、 B4 通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記変動表示の変動時間が短くなり易い特定遊技状態とに制御することが可能な遊技状態制御手段と、を備え、 C 前記従制御手段は、 C1 保留している前記権利に対応して、保留画像を表示手段に表示する画像表示手段と、 C2 遊技の進行過程で演出手段に所定の報知演出を実行させる演出実行手段と、を備え、 D 前記画像表示手段は、 D1 所定のフレーム更新タイミングとなる毎に前記表示手段に表示させる画像を更新するよう構成され、 D2 前記保留画像を通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像に変化させる変化演出を行うことが可能であり、 E 前記変化演出は、 E1 前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じたフレーム更新タイミングで実行する第1変化演出と、 E2 保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行する第2変化演出と、を含み、 F 前記第2変化演出には、 F1 所定演出が行われる所定変化演出と、 F2 前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出と、を含み、 G 前記演出実行手段は、 G1 前記第2変化演出が開始されるフレーム更新タイミングで前記報知演出を開始し、前記第2変化演出における前記保留画像の態様の変化が終了するフレーム更新タイミングとは異なるタイミングで前記報知演出を終了し、 G2 前記通常遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出を所定の割合で実行可能であるが、前記特定遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出が実行されず、 H 前記保留画像の特別態様は、 第1特別態様と、前記第1特別態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す第2特別態様と、を含み、 I 前記第1変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様で表示させるときと、前記第2特別態様で表示させるときがあり、 J 前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易く、 K1 前記保留画像が前記特別態様に変化する可能性があることを示唆する第1変化示唆演出を実行して前記保留画像を前記特別態様に変化させる場合と、 K2 前記第1変化示唆演出とは示唆態様が異なる第2変化示唆演出を実行して前記特別態様に変化させる場合とがあり、 K3 前記保留画像が前記特別態様に変化する場合、前記第1変化示唆演出が実行される割合と、前記第2変化示唆演出が実行される割合が異なり、 K4 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに前記表示手段に表示させる前記第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに前記第2変化演出を実行できない場合、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで前記第2変化演出が実行されるが、前記報知演出は前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行される L ことを特徴とする遊技機。」 (2)引用文献の記載、引用発明、周知技術、技術常識 ア 引用文献1の記載と引用発明 (ア)引用文献1の記載 当審拒絶理由で引用文献1として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017−93775号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付した。以下同じ。)。 「【0012】 … 【図22】主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 …」 「【0014】 (第1実施形態) 第1実施形態について、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下では、単にパチンコ機という)10に適用した例について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図、図2、図3はパチンコ機10の主要な構成部分を展開した斜視図、図4はパチンコ機10の主要な構成部分を示す斜視図、図5はパチンコ機10における遊技盤43の正面図である。」 「【0046】 可変入賞装置56は、遊技盤43の正面視下方右側に配設され、遊技盤43の背面側へと通じる大入賞口56aと、当該大入賞口56aを覆う横長矩形状の開閉板56bと、当該開閉板56bの下辺を軸として開閉板56bを前方側に開閉駆動するためのソレノイド等の可変入賞駆動部56d(図10参照)とを有する構成とされている。大入賞口56aは、通常時は、遊技球が入球できないか、または入球し難い閉状態となっている。そして、後述する主制御装置91で開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定した場合には、可変入賞駆動部56dが駆動されて開閉板56bを前面下側に傾倒し、遊技球が大入賞口56aに入球し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。例えば、通常時には閉鎖されている大入賞口56aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入球するまで)開放される。この可変入賞装置56の開閉動作は、決定された当たりの種別によって決定され、例えば、後述する16R確変当たり結果であれば、16回(16ラウンド)繰り返し行われる。そして、この開閉動作が行われている状態が遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。このため、開閉実行モード中には、遊技者は、遊技球が図柄表示装置80の右側を通過して大入賞口56aに入球されるように当該遊技球を発射する(いわゆる右打ち)。なお、開閉実行モードとは、後述する主制御装置91での第1抽選遊技または第2抽選遊技の当たりに関する抽選に当選した場合に移行するモードのことであり、この開閉実行モードについては後に説明する。」 「【0051】 メイン表示部71は、第1始動口54への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第1抽選遊技の結果を示す第1結果表示部71a、第2始動口55への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第2抽選遊技の結果を示す第2結果表示部71b、当たり抽選に当選することで可変入賞装置56が開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置56が開放される回数を示すラウンド表示部71cとを有している。 【0052】 具体的には、第1結果表示部71aでは、第1抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第1抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部71aにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。 【0053】 また、第2結果表示部71bでは、第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第2抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第2抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部71bにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。」 「【0059】 図柄表示装置80は、17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されている。そして、図7に示されるように、第1始動口54への入賞を契機とする第1遊技抽選の判定結果を示す第1特別図柄、および第2始動口55への入賞を契機とする第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄を表示する上側の上側表示領域Dmと、保留図柄(第1抽選遊技および第2抽選遊技の保留)を表示する下側の下側表示領域Dsとを有している。」 「【0061】 上側表示領域Dmは、本パチンコ機10では、上、中および下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、図柄表示装置80(表示画面80a)における変動表示は、第1始動口54または第2始動口55への入賞を契機として開始される。すなわち、第1結果表示部71aまたは第2結果表示部71bにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置80において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置56の大入賞口56aの開放が16回行われることとなる16R確変対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置80では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。」 「【0069】 一方、下側表示領域Dsは、上側表示領域Dmよりも横長に設けられている。この下側表示領域Dsは、本パチンコ機10では、第1始動口54または第2始動口55への入賞(第1抽選遊技または第2抽選遊技)は、それぞれ最大4回まで保留されることで全体で最大8個まで保留されるように構成されているため、左右方向に8つの小領域の第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に等区分されている。なお、以下では、第1〜第8保留図柄表示エリアを保留図柄表示エリアDs※とも示し、※は1〜8の数字のうちの該当する文字を示している。つまり、保留図柄表示エリアDs※は、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当するものを示している。」 「【0073】 図3に示されるように、内枠13(具体的には遊技盤43)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置91と、音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93とが搭載されている。」 「【0086】 図10および図11に示されるように、主制御装置91は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111を備えている。主制御基板111には、MPU112が搭載され、MPU112にはROM113およびRAM114が内蔵されている。なお、以下では、主制御装置91のMPU112、ROM113、RAM114を主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114として説明する。」 「【0094】 主側MPU112の出力側には、可変入賞装置56の開閉板56bを開閉動作させる可変入賞駆動部56dと、電動役物63を開閉動作させる電動役物駆動部63cとが電気配線を介して電気的に接続されている。また、主側MPU112の出力側には、メイン表示部71が電気配線を介して電気的に接続されている。そして、主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じて主側MPU112は可変入賞駆動部56dおよび電動役物駆動部63cの駆動制御を実行すると共にメイン表示部71の表示制御を実行する。」 「【0132】 音声ランプ制御装置92は、音声ランプ制御基板151を備え、当該音声ランプ制御基板151にはMPU152が搭載されており、MPU152にはROM153およびRAM154が内蔵されている。なお、以下では、音声ランプ制御装置92に設けられたMPU152、ROM153およびRAM154を音声側MPU152、音声側ROM153および音声側RAM154として説明する。」 「【0137】 そして、音声側MPU152では、主制御装置91から受信した各種コマンド(後述する変動用コマンド、種別コマンド、確定停止コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、および保留コマンド等)に基づき、遊技回や開閉実行モード等において実行する演出の内容を決定する。そして、その決定した内容に対応した動作が行われるように、ランプ制御装置155を制御して電飾部33の発光制御を行うと共に、音声出力装置156を制御してスピーカ部34の音声制御を行う。また、音声側MPU152の入力側には、第1、第2枠ボタン26、27が電気的に接続されている。そして、音声側MPU152では第1、第2枠ボタン26、27の操作有無の監視を行い、当該第1、第2枠ボタン26、27が操作された場合にはその操作に対応した処理を実行する。さらに、音声側MPU152では、主制御装置91から受信したコマンドに基づき、報知を行う必要があるか否かを特定し、ランプ制御装置155の発光制御および音声出力装置156の音声制御を行うことで報知を行う。」 「【0139】 また、音声側MPU152は、表示制御装置93と電気的に接続されており、主制御装置91から受信したコマンドに基づいて決定した演出の内容を含む各種コマンドを表示制御装置93に送信する。なお、音声側MPU152から出力される各種コマンドは、音声側ROM153のコマンド情報記憶エリア153dが参照される。また、本実施形態の表示制御装置93は、音声ランプ制御装置92を介することなく主制御装置91からコマンド受信を行う構成とはなっておらず、主制御装置91との関係では音声ランプ制御装置92よりも通信方向の下流側に存在していると言える。 【0140】 表示制御装置93は、表示制御基板161を備え、当該表示制御基板161にはMPU162が搭載されており、MPU162にはプログラムROM163およびワークRAM164が内蔵されている。また、表示制御基板161には、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)165、キャラクタROM166およびビデオRAM167が内蔵されている。なお、以下では、表示制御装置93のMPU162を表示側MPU162として説明する。」 「【0148】 また、ビデオRAM167は、保留図柄表示用エリア167aを有しており、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8と1対1で対応するように、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8が設定されている。そして、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8には、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8にデータが設定されていない場合(ブランクを意味するデータが設定されている場合)には、当該第1〜第8エリアRD1〜RD8と対応する第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8では、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。」 「【0150】 主側MPU112は、遊技に際し、各種カウンタ情報を用いて、当たり抽選、メイン表示部71の表示の設定、図柄表示装置80の図柄表示の設定等を行う。具体的には、図13に示されるように、当たり抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、当たり種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置80が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI1と、メイン表示部71および図柄表示装置80における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、電動役物63を電動役物開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放乱数カウンタC4と、電動役物開放乱数カウンタC4の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI2とを用いている。各カウンタの一部は、後述するタイマ割込処理(図18参照)の実行間隔である4msec間隔で更新され、残りのカウンタは後述するメイン処理(図17参照)の中で不定期に更新され、その更新値が主側RAM114の抽選カウンタ用バッファ114aに逐次格納される。そして、遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bに逐次格納され、遊技球が普通図柄始動ゲート57を通過したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。なお、上記各カウンタC1〜C3、CINI1、CS、CINI2、C4は、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114kに設けられている。」 「【0152】 特別図柄保留球格納エリア114bは、第1〜第8保留エリアRA1〜RA8の8個の保留エリアと、1つの実行エリアRA9とを有している。図14は、第1保留エリアRA1の構成を示す図である。なお、第2〜第8保留エリアRA2〜RA8および実行エリアRA9の構成についても図14と同様である。 【0153】 第1〜第8保留エリアRA1〜RA8および実行エリアRA9は、図14に示されるように、当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203、入賞始動口格納エリア204、先報知当たりフラグ格納エリア205を有している。そして、第1〜第8保留エリアRA1〜RA8には、第1始動口54および第2始動口55への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されると共に、第1始動口54または第2始動口55のどちらに対する入賞であるかの情報が入賞始動口格納エリア204に格納される。そして、第1始動口54および第2始動口55に対して遊技球の入賞が交互に連続して発生した場合には、第1保留エリアRA1→第2保留エリアRA2→第3保留エリアRA3→第4保留エリアRA4→第5保留エリアRA5→第6保留エリアRA6→第7保留エリアRA7→第8保留エリアRA8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように、8個の保留エリアが設けられていることにより、第1始動口54および第2始動口55への遊技球の入賞履歴が全体として最大8個まで記憶(保留記憶)されるようになっている。」 「【0205】 次に、図18を参照しつつ、主側MPU112が定期的(本実施の形態では4msec周期で)に実行するタイマ割込み処理について説明する。図18は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。」 「【0222】 次に、遊技回(変動表示回)の実行制御および開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行すると共に(S215)、電動役物63の開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する(S216)。これらステップ215における特図特電制御処理およびステップ216における普図普電制御処理については、具体的に後述する。」 「【0239】 上記のように、特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに関する処理が含まれている。この場合、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(S307)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(S308)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(S309)と、が設定されている。また、開閉実行モードに関する処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(S310)と、大入賞口56aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(S311)と、大入賞口56aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(S312)と、開閉実行モードのエンディングおよび開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(S313)と、が設定されている。」 「【0249】 まず、ステップ307の特図変動開始処理について、図22を参照しつつ説明する。図22は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。特図変動開始処理では、保留情報が記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、メイン表示部71および図柄表示装置80において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行する。 【0250】 まず、総保留数記憶エリアNXから総保留数Nxの値を読み出し、取得した保留数Nxが1以上であるか否かを判定する(S501)。そして、総保留数Nxが0であると判定した場合には(S501:NO)、そのまま本特図変動開始処理を終了する。一方、総保留数Nxが1以上であると判定した場合には(S501:YES)、データ設定処理を実行する(S502)。 【0251】 データ設定処理では、まず、総保留数Nxを1減算すると共に、第1保留エリアRA1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアRA9にシフトさせる処理を実行する。その後、各保留エリアRA2〜RA8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。つまり、このデータ設定処理は、第1〜第8保留エリアRA1〜RA8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、第1保留エリアRA1のデータをクリアすると共に、第2保留エリアRA2→第1保留エリアRA1、第3保留エリアRA3→第2保留エリアRA2、第4保留エリアRA4→第3保留エリアRA3と、第5保留エリアRA5→第4保留エリアRA4、第6保留エリアRA6→第5保留エリアRA5、第7保留エリアRA7→第6保留エリアRA6、第8保留エリアRA8→第7保留エリアRA7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。また、このデータ設定処理では、保留エリアRA1〜RA8のデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置92に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定する。」 「【0257】 上記ステップ507およびステップ508のいずれかの処理を実行した後は、変動表示時間(表示継続期間)の把握処理を実行する(S509)。この処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得し、今回の遊技回において図柄表示装置80にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの当たり結果でもないが、実行エリアRA9に格納されているリーチ乱数カウンタC3に関する数値情報(リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されている数値情報)がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。」 「【0259】 なお、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。また、本実施形態では、リーチ非発生時における変動表示時間は、総保留数Nxが多いほど短くなるように設定されている。さらに、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定されている。但し、これに限定されることはなく、総保留数Nxやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種当たり結果の場合、外れリーチ時の場合およびリーチ非発生の外れ結果(完全外れ)の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。」 「【0261】 続いて、変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対象に設定する(S511)。なお、変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれている。ここで、本実施形態では、上記のように、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。 【0262】 また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R確変当たり結果、4R確変当たり結果、16RRU確変当たり結果、8RRU確変当たり結果、4RRU確変当たり結果の情報が含まれる。なお、ステップ511にて出力対象として設定された変動用コマンドおよび種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に、タイマ割込み処理(図18)におけるポート出力処理(S208)によって送信される。」 「【0364】 次に、音声側MPU152のタイマ割込み処理における主側コマンド対応処理について図37を参照しつつ説明する。図37は、主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 【0365】 まず、主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定し(S2001)、これらコマンドを受信していると判定した場合には(S2001:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(S2002)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された当否抽選および振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果がどの当たり結果であるかの情報を特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154fに書き込む処理を実行する。保持データエリア154fは、上記のように、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。」 「【0368】 続いて、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する(S2005)。この処理では、今回受信している変動用コマンドおよび種別コマンドの内容から遊技回の変動表示時間の情報を特定すると共に、当該変動表示時間の情報、上記ステップ2002にて特定した遊技結果の情報、および上記ステップ2003における予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。」 「【0371】 続いて、上記ステップ2004の処理結果に対応した停止結果コマンドおよび上記ステップ2005の処理結果に対応したパターンコマンドを表示側MPU162に送信する。また、上記ステップ2007の操作有効抽選処理にて当選した場合には、操作報知コマンドを表示側MPU162に送信する(S2008)。これらコマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後に説明するが、表示側MPU162は、操作報知コマンドを受信すると、図柄表示装置80の上側表示領域Dmに「ボタンを押すと保留図柄が入れ替わるかも!?」ということを表示して遊技者に第1枠ボタン26の操作が有効であることを報知する(図47参照)。そして、この表示を行っている期間が音声側MPU152のタイマ割込み処理(図36)におけるステップ1907の操作有効期間中となる。」 「【0417】 また、表示側MPU162では、コマンド対応処理において各種設定処理(書き込み処理)をワークRAM164に対して行うが、コマンド対応処理とは別処理において、各種設定処理に応じて更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リスト(内部コマンド)をVDP165に送信する。そして、VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成した描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行う。これにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示されることになる。なお、上記のように、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8にデータが設定されていない(ブランクを意味するデータが設定されている)場合、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8に対応した第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8では、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。」 「【0419】 パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。」 「【0638】 (第8実施形態) 本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して抽選遊技が保留された際に入賞音(表示音)を発生するようにすると共に、表示されている保留図柄または実行図柄が遊技回中に別の図柄に変化音を伴って変化するようにしたものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。」 「【0640】 次に、本実施形態の第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に表示される保留図柄および実行図柄表示エリアDs0に表示される実行図柄について説明する。本実施形態では、基本的には、保留図柄または実行図柄として「○」が表示され、リーチ結果が発生したり当たりが発生したりするかもしれない(当たり抽選に当選するかもしれない)と遊技者に察知させる(期待させる)保留図柄または実行図柄として、「◎」、または「●」が表示される。つまり、本実施形態では、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に表示され得る保留図柄と、実行図柄表示エリアDs0に表示され得る実行図柄は共通の図柄とされている。なお、以下では、保留図柄および実行図柄をまとめて図柄ともいい、「○」を非報知図柄ともいい、「◎」および「●」をまとめて報知図柄ともいう。但し、保留図柄と実行図柄とを明確に区別する場合には、「○」を保留非報知図柄または実行非報知図柄ともいい、「◎」および「●」を保留報知図柄または実行報知図柄ともいう。また、以下では、「○」、「◎」、「●」の図柄の順に遊技者が当たり期待度が高いと認識する例について説明する。 【0641】 そして、本実施形態では、遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して抽選遊技が保留されると入賞音が出力される。具体的には、遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して抽選遊技が保留されると、基本的には保留図柄が保留図柄表示エリアDs※に表示されるため、表示される保留図柄に対応した入賞音が出力される。詳述すると、図89に示されるように、保留図柄として保留非報知図柄「○」が保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリン」という入賞音が出力され、保留図柄として保留報知図柄「◎」が保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリリン」という入賞音が出力され、保留図柄として保留報知図柄「●」が保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリリリン」という入賞音が出力される。つまり、本実施形態では、各保留図柄に対応する入賞音は、それぞれ異なっているが、一部の音(リの音)が共通とされることで互いに類似する音声とされている。そして、遊技者に当たり期待度が高いと認識させる図柄の順に、共通の音(リの音)が増えていく構成とされている。なお、図89は、後述する変化音にも対応しているため、図中では効果音と示してある。」 「【0695】 次に、表示側MPU162が実行するコマンド対応処理について図101を参照しつつ説明する。図101は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。このコマンド対応処理は、基本的には、上記図44で説明したコマンド対応処理と同様の処理であり、主に、ステップ2602のパターン用データテーブルの設定処理の処理内容を追加すると共に、ステップ2606の保留コマンド対応処理の処理内容を追加した処理である。 【0696】 具体的には、ステップ2601では、停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信しているか否かを判定し(S2601)、これらのコマンドを受信していると判定した場合には(S2601:YES)、パターン用のデータテーブルの設定処理を実行する(S2602)。 【0697】 ここで、パターン用のデータテーブルとは、上記と同様に、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められたものであるが、本実施形態では、当該情報群の中に、保留図柄または実行図柄を異なる図柄に変化させる演出を含むパターンも定められている。このため、演出パターンの決定処理(図98)におけるステップ3103の特殊演出パターンの選択処理が実行された場合には、パターン用のデータテーブルの設定処理では、非報知図柄を報知図柄に変化させる演出を含んだデータテーブルの設定処理を実行する。これにより、図柄表示装置80では、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化して表示される。なお、本実施形態では、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化する際、女の子のキャラクタ図柄(変化用図柄)が表示され、当該女の子に関する所定の演出(本実施形態では、保留報知図柄を対応する保留図柄表示エリアDs※に投げる演出)を表示することによって図柄表示エリアDs※に表示されている非報知図柄を報知図柄に変化させる(図106、図107参照)。」 「【0712】 例えば、図104中の時点T11において、遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して抽選遊技が保留されると、図柄表示装置80では通常変動に関する演出が表示され、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8も表示されている。このため、対応する保留図柄表示エリアDs※に新たな保留図柄が表示される。図104の例では、時点T1において第1〜第3保留図柄表示エリアDs1〜Ds3に保留図柄が表示されているため、第4保留図柄表示エリアDs4に、音声側MPU152の報知対応処理(図95)によって決定された「○」、「◎」、または「●」のいずれかの保留図柄が表示される。この際、音声側MPU152の音声制御処理(図99、S1905)により、スピーカ部34から表示する保留図柄に対応した音声が出力される。具体的には、保留非報知図柄「○」が表示される場合には「チャリン」という音声が出力され、保留報知図柄「◎」が表示される場合には「チャリリン」という音声が出力され、保留報知図柄「●」が表示される場合には「チャリリリン」という音声が出力される(図89参照)。」 「【0725】 まず、図柄表示装置80でスーパーリーチ演出が表示されていない際、つまり図柄表示装置80に第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8が表示されている際に、非報知図柄が報知図柄に変化する際の表示態様について図106を参照しつつ説明する。図106は、スーパーリーチでない際に保留非報知図柄が保留報知図柄に変化する際の図柄表示装置80の表示態様を示す図である。なお、図106(e)中の「チャリリン」という記載は、スピーカ部34から出力される変化音を示している。また、ここでは、図104中の通常変動中において、第3保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化する例について説明する。 【0726】 図106(a)に示されるように、図104中の通常変動中では、第1〜第3保留図柄表示エリアDs1〜Ds3に保留非報知図柄が表示されている。そして、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる所定期間前のタイミングにおいて、図106(b)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が表示される。なお、この女の子のキャラクタ図柄は、上記図105を参照して説明した女の子のキャラクタ図柄と同じキャラクタ図柄であり、第8保留図柄表示エリアDs8が表示されていた部分の正面視上方に表示される。 【0727】 そして、図106(c)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、図106(d)に示されるように、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力される。このようにして、第3保留図柄表示エリアDs3に表示されていた保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化する。 【0728】 その後、図106(e)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が消去される。なお、ここでは、第3保留図柄表示エリアDs3に表示される保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる例について説明したが、その他の保留図柄表示エリアDs※や実行図柄表示エリアDs0に表示される非報知図柄を報知図柄に変化させる場合においても、図106と同様の演出が表示される。」 「【0730】 図107(a)に示されるように、スーパーリーチ中では、下側表示領域Dsは、実行図柄表示エリアDs0のみが表示され、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8が削除されている。この状態で、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる場合、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる所定期間前において、図107(b)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が表示される。なお、この女の子のキャラクタ図柄は、上記図105を参照して説明した女の子のキャラクタ図柄と同じキャラクタ図柄であり、第8保留図柄表示エリアDs8が表示されていた部分の正面視上方に表示される。 【0731】 その後、図107(c)に示されるように、保留図柄が変化される第3保留図柄表示エリアDs3が再び表示され、図107(d)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示される。そして、図107(e)に示されるように、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力される。これにより、スーパーリーチ中においても、遊技者は、第3保留表示エリアDs3に表示される保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化したことを明確に理解できる。その後、図107(f)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が消去される。 【0732】 なお、ここでは、第3保留図柄表示エリアDs3に表示される保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる例について説明したが、その他の保留図柄表示エリアDs※や実行図柄表示エリアDs0に表示される非報知図柄を報知図柄に変化させる場合においても同様である。但し、実行非報知図柄を実行報知図柄に変化する場合においては、実行図柄表示エリアDs0がスーパーリーチ中においても表示されているため、図107(c)のように削除されているエリアを再び表示するという演出は表示されない。」 「【0745】 また、上記第8実施形態では、スーパーリーチ中に遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して保留図柄に保留報知図柄が存在することを報知する場合、女の子のキャラクタ図柄が報知図柄を投げて対応する保留図柄表示エリアDs※に報知図柄を表示する構成としている。同様に、非報知図柄を報知図柄に変化させる場合、女の子のキャラクタ図柄が報知図柄を投げて対応する保留図柄表示エリアDs※の非報知図柄を報知図柄に変化させる構成としている。つまり、女の子のキャラクタ図柄が表示された場合、遊技者にとって有利となる可能性が高い何らかの演出が表示される構成としている。しかしながら、女の子のキャラクタ図柄が表示されたとしても、図柄が変化しない演出を追加するようにしてもよい。例えば、図108(a)に示されるように、スーパーリーチ中において、女の子のキャラクタ図柄および第4保留図柄表示エリアDs4が表示され、図108(b)に示されるように、女の子のキャラクタ図柄が報知図柄「◎」を投げる演出が表示された後、図108(c)に示されるように、報知図柄「◎」が第4保留図柄表示エリアDs4に表示されない構成としてもよい。また、特に図示しないが、女の子のキャラクタ図柄が表示されてもそのまま女の子のキャラクタ図柄が消失する演出を追加するようにしてもよい。つまり、女の子のキャラクタ図柄が表示されても、保留図柄に保留報知図柄が存在することを報知しないことがあるようにしてもよいし、非報知図柄を報知図柄に変化させないことがあるようにしてもよい。なお、このような構成とする場合には、例えば、音声側MPU152から保留特殊非報知コマンドが送信された場合や、音声側MPU152で通常パターンの選択処理(図98、S3105)を実行する際に所定の確率で女の子のキャラクタ図柄が表示されるようにすればよい。」 「【図22】 ![]() 」 「【図106】 ![]() 」 「【図107】 ![]() 」 (イ)引用発明 上記(ア)によれば、引用文献1には、第1実施形態の記載を援用する第8実施形態の変形例として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、本願補正発明の発明特定事項A等に概ね対応させて符号a等を付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。 「a 遊技の主たる制御を司る主制御装置91と、音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93とが搭載された(【0073】)パチンコ遊技機10であって(【0014】)、主制御装置91は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111を備え、主制御基板111には、主側MPU112が搭載され、主側MPU112には主側ROM113および主側RAM114が内蔵され(【0086】)、音声ランプ制御装置92は、音声ランプ制御基板151を備え、当該音声ランプ制御基板151には音声側MPU152が搭載されており(【0132】)、音声側MPU152では、主制御装置91から受信した保留コマンド等の各種コマンドに基づき、遊技回や開閉実行モード等において実行する演出の内容を決定し、その決定した内容に対応した動作が行われるように、音声出力装置156を制御してスピーカ部34の音声制御を行い(【0137】)、音声側MPU152は、表示制御装置93と電気的に接続されており、主制御装置91から受信したコマンドに基づいて決定した演出の内容を含む各種コマンドを表示制御装置93に送信し(【0139】)、 b1 主制御装置91で開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定した場合には、可変入賞駆動部56dが駆動されて開閉板56bを前面下側に傾倒し、遊技球が大入賞口56aに入球し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動し、この開閉動作が行われている状態が遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であり(【0046】)、 b2 主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bは、第1〜第8保留エリアRA1〜RA8の8個の保留エリアと、1つの実行エリアRA9とを有し(【0150】、【0152】)、第1〜第8保留エリアRA1〜RA8には、第1始動口54および第2始動口55への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されると共に、第1始動口54または第2始動口55のどちらに対する入賞であるかの情報が入賞始動口格納エリア204に格納され(【0153】)、 b3 メイン表示部71は、第1始動口54への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第1抽選遊技の結果を示す第1結果表示部71a、第2始動口55への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第2抽選遊技の結果を示す第2結果表示部71bとを有し(【0051】)、第1結果表示部71a及び第2結果表示部71bでは、第1抽選遊技及び第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技及び第2抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技及び第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示され(【0052】、【0053】)、主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じて主側MPU112はメイン表示部71の表示制御を実行し(【0094】)、 b4 主側MPUにて実行される特図変動開始処理の変動表示時間(表示継続期間)の把握処理において(【0012】、【0257】、【図22】)、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定され(【0259】)、 c1 図柄表示装置80は、液晶ディスプレイで構成され、第1始動口54への入賞を契機とする第1遊技抽選の判定結果を示す第1特別図柄、および第2始動口55への入賞を契機とする第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄を表示する上側の上側表示領域Dmと、保留図柄(第1抽選遊技および第2抽選遊技の保留)を表示する下側の下側表示領域Dsとを有し(【0059】)、上側表示領域Dmは、上、中および下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示され(【0061】)、下側表示領域Dsは、8つの小領域の第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に等区分され(【0069】)、表示制御装置93は、表示制御基板161を備え、当該表示制御基板161には表示側MPU162が搭載されており、表示側MPU162にはプログラムROM163およびワークRAM164が内蔵され、表示制御基板161には、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)165、キャラクタROM166およびビデオRAM167が内蔵され(【0140】)、ビデオRAM167は、保留図柄表示用エリア167aを有しており、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8と1対1で対応するように、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8が設定され、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8には、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8に書き込まれたデータに応じた画像が表示され(【0148】)、 c2 遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して抽選遊技が保留された際に入賞音(表示音)を発生し、表示されている保留図柄または実行図柄が遊技回中に別の図柄に変化音を伴って変化し(【0638】)、遊技球が第1始動口54または第2始動口55に入賞して抽選遊技が保留されると、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの対応する保留図柄表示エリアDs※に新たな保留図柄が表示され、この際、音声側MPU152の音声制御処理により、スピーカ部34から表示する保留図柄に対応した音声が出力され(【0069】、【0712】)、 d1 主側MPU112が定期的(4msec周期で)に実行するタイマ割込み処理において(【0205】)、遊技回(変動表示回)の実行制御および開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行し(【0222】)、特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理が含まれ、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理が設定され(【0239】)、特図変動開始処理では、保留情報が記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、メイン表示部71および図柄表示装置80において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行し(【0249】)、総保留数記憶エリアNXから総保留数Nxの値を読み出し、取得した保留数Nxが1以上であるか否かを判定し、総保留数Nxが1以上であると判定した場合には、データ設定処理を実行し(【0250】)、データ設定処理では、まず、総保留数Nxを1減算すると共に、第1保留エリアRA1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアRA9にシフトさせる処理を実行し、その後、各保留エリアRA2〜RA8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行し、保留エリアRA1〜RA8のデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置92に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定し(【0251】)、変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対象に設定し、変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれ、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能であり(【0261】)、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれ、出力対象として設定された変動用コマンドおよび種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に、タイマ割込み処理におけるポート出力処理によって送信され(【0262】)、音声側MPU152のタイマ割込み処理における主側コマンド対応処理において(【0364】)、まず、主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定し、これらコマンドを受信していると判定した場合には、遊技結果の記憶処理を実行し(【0365】)、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行し、この処理では、今回受信している変動用コマンドおよび種別コマンドの内容から遊技回の変動表示時間の情報を特定すると共に、当該変動表示時間の情報、遊技結果の情報、および予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択し(【0368】)、停止結果コマンドおよびパターンコマンドを表示側MPU162に送信し(【0371】)、表示側MPU162では、コマンド対応処理において各種設定処理(書き込み処理)をワークRAM164に対して行い、コマンド対応処理とは別処理において、各種設定処理に応じて更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リスト(内部コマンド)をVDP165に送信し、VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成した描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行うことにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示され(【0417】)、フレームの更新周期は20msecであり(【0419】)、表示側MPU162が実行するコマンド対応処理において(【0695】)、停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していると判定した場合には、パターン用のデータテーブルの設定処理を実行し(【0696】)、パターン用のデータテーブルとは、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレームに対応した情報群が定められたものであり(【0697】)、 d2 保留図柄または実行図柄として「○」が表示され、リーチ結果が発生したり当たりが発生したりするかもしれない(当たり抽選に当選するかもしれない)と遊技者に察知させる(期待させる)保留図柄または実行図柄として、「◎」、または「●」が表示され、「○」、「◎」、「●」の図柄の順に遊技者が当たり期待度が高いと認識し(【0640】)、保留図柄として保留非報知図柄「○」が第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当する保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリン」という入賞音が出力され、保留図柄として保留報知図柄「◎」が第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当する保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリリン」という入賞音が出力され、保留図柄として保留報知図柄「●」が第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当する保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリリリン」という入賞音が出力され(【0069】、【0641】)、 e1 スーパーリーチでない際に保留非報知図柄が保留報知図柄に変化する際(【0725】、【図106】)、通常変動中では、第1〜第3保留図柄表示エリアDs1〜Ds3に保留非報知図柄が表示され、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる所定期間前のタイミングにおいて、女の子のキャラクタ図柄が表示され(【0726】、【図106】)、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力されて、第3保留図柄表示エリアDs3に表示されていた保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化し(【0727】、【図106】)、その後、女の子のキャラクタ図柄が消去され、その他の第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当する保留図柄表示エリアDs※や実行図柄表示エリアDs0に表示される非報知図柄を報知図柄に変化させる場合においても、同様の演出が表示され(【0069】、【0728】、【図106】)、 e2 スーパーリーチ中では、下側表示領域Dsは、実行図柄表示エリアDs0のみが表示され、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8が削除されている状態で、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる場合、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる所定期間前において、女の子のキャラクタ図柄が表示され(【0730】、【図107】)、保留図柄が変化される第3保留図柄表示エリアDs3が再び表示され、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され、これにより、スーパーリーチ中においても、遊技者は、第3保留表示エリアDs3に表示される保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化したことを明確に理解でき、その後、女の子のキャラクタ図柄が消去され(【0731】、【図107】)、その他の第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当する保留図柄表示エリアDs※や実行図柄表示エリアDs0に表示される非報知図柄を報知図柄に変化させる場合においても同様であり(【0069】、【0732】)、女の子のキャラクタ図柄が表示されても、保留図柄に保留報知図柄が存在することを報知しないことがあり(【0745】)、 i 図柄表示装置80では、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化して表示され、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化する際、女の子のキャラクタ図柄(変化用図柄)が表示され、当該女の子が保留報知図柄を対応する保留図柄表示エリアDs※に投げる演出を表示することによって図柄表示エリアDs※に表示されている非報知図柄を報知図柄に変化させる(【0697】) l パチンコ遊技機10(【0014】)。」 イ 引用文献2ないし引用文献4の記載と周知技術1 (ア)引用文献2の記載 当審拒絶理由で引用文献8として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015−144717号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【発明を実施するための形態】 【0022】 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」 「【0248】 次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される演出が行われる。」 「【0264】 図29(B)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。」 「【0292】 この実施の形態では、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合には、保留表示が第1特別態様に変化する割合が高く、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、保留表示が第2特別態様に変化する割合が高い。したがって、示唆演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することが示唆され、示唆演出がいずれの演出態様で実行されるかに応じて、いずれの特別態様に変化しやすいかが示唆される。なお、詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。そのため、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい。例えば、示唆演出が第1演出態様(例えば、この実施の形態の第1演出態様および第2演出態様とは異なる第1演出態様Aとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が低く、示唆演出が第2演出態様(例えば、この実施の形態の第1演出態様、第2演出態様および第1演出態様Aとは異なる第1演出態様Bとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、示唆演出が第1演出態様(第1演出態様A)で実行される場合には、示唆演出(成功パターン)である割合が高く、示唆演出が第2演出態様(第1演出態様B)で実行される場合には、示唆演出(通過パターン)である割合が高くなるようにしてもよい。」 「【図29】 ![]() 」 (イ)引用文献3の記載 当審拒絶理由で引用文献9として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017−80204号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 ぱちんこ遊技機に関する。」 「【0315】 (保留先読み演出変更例1) はじめに、図64は、保留先読み演出変更例1である。まず、最上段においては、保留数が3つとなっており、装飾図柄が変動している。その後同一変動にて、第1保留変化演出としてペンギン(第1保留変化演出として保留変化期待度(保留変化期待度が低いとアクションを起こしても保留変化しない場合がある、又は、保留変化しない場合が相対的に多いこととなる)及び/又は変化後の保留表示態様の大当り期待度の平均値が相対的に低い保留変化演出であり、本例では、「ペンギン」)が登場する。次に、同一変動にて、第2保留変化演出として「ペンギン」が弱演出(第2保留変化演出として保留変化期待度(保留変化期待度が低いとアクションを起こしても保留変化しない場合がある、又は、保留変化しない場合が相対的に多いこととなる)及び/又は変化後の保留表示態様の大当り期待度の平均値が相対的に低い保留変化演出であり、本例では、星小)を実行する。次に、当該弱演出にぶつかった保留表示(3番目の消化順の保留表示)が「白色」から「青色」に変化する。尚、アクションによっては保留変化することが確定的となるよう構成してもよい。具体的には、ペンギンが出現するアクションが発生した場合には保留変化期待度が相対的に低く、羊が出現するアクションが発生した場合には保留変化することが確定的となる、又は、星(小)が出現するアクションが発生した場合には保留変化期待度が相対的に低く、星(大)が出現するアクションが発生した場合には保留変化することが確定的となる、等のように構成してもよい。」 【0316】 次に、上段から2番目においては、第1保留変化演出として「ペンギン」が登場した後、同一変動にて、第2保留変化演出として「ペンギン」が強演出(第2保留変化演出として保留変化期待度及び/又は変化後の保留表示態様の大当り期待度の平均値が相対的に高い保留変化演出であり、本例では、星大)を実行する。次に、当該強演出にぶつかった保留表示(3番目の消化順の保留表示)が「白色」から「緑色」に変化する。 【0317】 次に、上段から3番目においては、保留数が3つとなっており、装飾図柄が変動している状態にて第1保留変化演出として「羊」(第1保留変化演出として保留変化期待度及び/又は変化後の保留表示態様の大当り期待度の平均値が相対的に高い保留変化演出であり、本例では、「羊」)が登場する。次に、同一変動にて、第2保留変化演出として「羊」が弱演出(第2保留変化演出として保留変化期待度及び/又は変化後の保留表示態様の大当り期待度の平均値が相対的に低い保留変化演出であり、本例では、星小)を実行する。次に、当該弱演出にぶつかった保留表示(3番目の消化順の保留表示)が「白色」から「黄色」に変化する。 【0318】 次に、最下段においては、第1保留変化演出として「羊」が登場した後、同一変動にて、第2保留変化演出として「羊」が強演出(第2保留変化演出として保留変化期待度及び/又は変化後の保留表示態様の大当り期待度の平均値が相対的に高い保留変化演出であり、本例では、星大)を実行する。次に、当該強演出にぶつかった保留表示(3番目の消化順の保留表示)が「白色」から「赤色」に変化する。 【0319】 このように、図64においては、保留変化演出として第1保留変化演出と第2保留変化演出との2つの保留変化演出を備え、当該保留変化演出の種類(又は、種類の組み合わせ)によって、大当り期待度及び/又は保留変化内容の傾向が相違し得るよう構成されている。尚、保留表示態様に係る大当り期待度は、高い順から「赤色」>「緑色」>「黄色」>「青色」の順となっている。尚、同図に示すような、第2保留変化演出のように保留表示に向かってオブジェクトがぶつかるような演出態様の演出の場合には、トリガ保留の表示位置(トリガ保留の消化順)によって、当該オブジェクトの軌道が相違する(演出パターンが相違する)こととなる。また、第1保留変化演出及び第2保留変化演出に成功パターンと失敗パターンとを設けてもよく、第1保留変化演出が成功すると第2保留変化演出が実行され、第2保留変化演出が成功すると保留変化が実行されるよう構成してもよい。尚、本例においては、保留変化演出について例示したが、これには限定されず、当該変動示唆表示変化演出(当該変動示唆表示態様が変化する演出)として第1当該変動示唆表示変化演出と第2当該変動示唆表示演出とを備え、当該変動示唆表示変化演出の種類によって、大当り期待度及び/又は保留変化内容の傾向が相違し得るよう構成してもよい。」 「【図64】 ![]() 」 (ウ)引用文献4の記載 当審拒絶理由で引用文献10として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017−184873号公報(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機等の遊技機に関する。」 「【0606】 実施の形態5. 第1の実施の形態で示した遊技機において、さらにアクティブ表示や保留表示を変化可能な変化演出(アクティブ表示変化予告演出や保留変化予告演出)を実行可能に構成し、変化演出が複数の表示により構成された態様により実行可能に構成してもよい。以下、複数の表示により構成された態様により変化演出を実行可能な第5の実施の形態について説明する。 … 【0623】 また、図68(A)に示すように、この実施の形態では、保留変化予告演出5が実行される場合(保留表示の表示態様が星を含む丸形表示に変化する場合)が最も大当り(本例では、スーパーリーチ大当り)に対する期待度(信頼度)が高く、保留変化予告演出4が実行される場合(保留表示の表示態様が赤色の丸形表示に変化する場合)が次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、保留変化予告演出3が実行される場合(保留表示の表示態様が緑色の丸形表示に変化する場合)がさらに次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、保留変化予告演出2が実行される場合(保留表示の表示態様が青色の丸形表示に変化する場合)がさらに次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、保留変化予告演出1が実行される場合(ガセの保留変化予告演出が実行される場合)が最も大当りに対する期待度(信頼度)が低くなっている。 … 【0626】 また、保留表示を複数回変化させる変化パターンがあるように構成してもよい。例えば、予告対象の変動表示までに2回以上の変動表示がある場合には、1回目の変動表示で保留表示を通常態様(白色の丸形表示)から青色の丸形表示に変化させ、2回目の変動表示で保留表示をさらに青色の丸形表示から赤色の丸形表示に変化させる変化パターンがあるように構成してもよい。」 「【0633】 図68(B)は、第5の実施の形態におけるキャラクタ画像決定テーブルの具体例を示す説明図である。図68(B)に示すように、この実施の形態では、キャラクタ画像決定テーブルには、キャラクタ画像A〜Cに対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図68(B)に示すように、この実施の形態では、キャラクタ画像として、キャラクタ画像A〜Cの3種類がある。 … 【0635】 なお、図68(B)に示したキャラクタ画像決定テーブルは一例であり、様々なキャラクタ画像決定テーブルの構成が考えられる。例えば、この実施の形態では、キャラクタ画像A〜Cの3種類のキャラクタ画像を表示可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、4種類以上のキャラクタ画像を表示可能に構成してもよいし、1種類や2種類のみのキャラクタ画像を表示可能に構成してもよい。また、例えば、特定の種類のキャラクタ画像が表示されたら大当りに対する期待度(信頼度)が高い星を含む丸形表示や赤色の丸形表示に保留表示の表示態様が変化するように構成してもよいし、逆に、特定の種類のキャラクタ画像が表示されたら保留表示の表示態様が変化しないことが確定するように構成してもよい。」 「【図68】 ![]() 」 (エ)周知技術1 上記(ア)ないし(ウ)によれば、 「周知a パチンコ遊技機(引用文献2【0022】、引用文献3【0001】、引用文献4【0001】)において、 周知d2−f−f1−f2ーk1−k2 保留画像を通常態様(引用文献2【0248】に記載の「通常態様」、引用文献3【0315】−【0318】に記載の「白色」、引用文献4【0626】に記載の「通常態様(白色の丸形表示)」)よりも特別遊技を行う可能性が高いことを示す、大当りの期待度が異なる複数の特別態様(引用文献2【0248】に記載の「第1特別態様」、「第2特別態様」、引用文献3【0315】−【0318】に記載の「青色」、「緑色」、「黄色」、「赤色」、引用文献4【0623】に記載の「青色の丸形表示」、「緑色の丸形表示」、「赤色の丸形表示」、「星を含む丸形表示」)の保留画像のいずれかに変化させる変化演出として、第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出(引用文献2【0292】に記載の「第1演出態様」及び「第2演出態様」で実行される「示唆演出」、引用文献3【0315】−【0316】に記載の「第1保留変化演出として「ペンギン」が登場する演出」及び【0317】−【0318】に記載の「第1保留変化演出として「羊」が登場する演出」、引用文献4【0633】−【0635】に記載のキャラクタ画像として、キャラクタ画像A〜Cのいずれかを表示する演出)を含み、 周知k3 第1演出態様による変化演出が実行される場合と第2演出態様による変化演出が実行される場合とで特別態様に変化する割合が異なること(引用文献2【0292】に記載の「示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい」、引用文献3【0315】に記載の「ペンギンが出現するアクションが発生した場合には保留変化期待度が相対的に低く、羊が出現するアクションが発生した場合には保留変化することが確定的となる」「等のように構成してもよい」、引用文献4【0635】に記載の「特定の種類のキャラクタ画像が表示されたら大当りに対する期待度(信頼度)が高い星を含む丸形表示や赤色の丸形表示に保留表示の表示態様が変化するように構成してもよいし、逆に、特定の種類のキャラクタ画像が表示されたら保留表示の表示態様が変化しないことが確定するように構成してもよい」)」 は、周知技術(以下、「周知技術1」という。周知a等の符号は分説のために当審が付したものである。)である。 ウ 引用文献5ないし引用文献8の記載と周知技術2 (ア)引用文献5の記載 当審拒絶理由で引用文献2として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016−101270号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、遊技機に関する。」 「【0634】 統括CPU142は、ステップT12において、音声制御部148に対して出力したサウンドリストに基づくサウンドの出力を指示する音出力指令処理を行う。この音出力指令処理が行われることで、音声制御部148ではサウンドリストに基づくサウンドを音声出力装置9から出力させる。 【0635】 そのため、各種のサウンドは、画像制御部145(VDP)によるフレーム更新タイミングと同期(同調)するように音声出力装置9からの出力を開始され、また、フレーム更新タイミングと同期(同調)するように音声出力装置9からの出力を終了される。」 (イ)引用文献6の記載 当審拒絶理由で引用文献3として引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013−90804号公報(以下、「引用文献6」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、画像表示装置と音出力装置を含む演出装置を制御する演出制御装置を備える遊技機に関する。」 「【0259】 VDP558は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554から出力されたVDP制御コマンドを受信すると(731のCOM)、受信したVDP制御コマンドに基づいて画像データを生成し(732の演算)、次の画像割込タイミングで画像表示装置(LCD)48に生成された画像データを出力する(733のLCD)。このとき、主制御用マイコン(1stCPU)551からは、音源LSI560に、当該画像データに対応する効果音の出力を指示する連動演出コマンドが出力される(714のSND)。 【0260】 これにより、画像表示装置(LCD)48に画像が表示されたタイミングで、スピーカ30a、30bから効果音が出力される。例えば、カウントダウン表示を行う場合には、数字が更新されたタイミングで効果音が出力される。」 「【図26】 ![]() 」 (ウ)引用文献7の記載 当審拒絶理由で引用文献4として引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2008−197254号公報(以下、「引用文献7」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【0006】 以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明の一実施形態である音声の圧縮符号化および復号化方法を利用したマルチメディア伝送システムの構成を示すブロック図である。このマルチメディア伝送システムは、記録装置1と、再生装置2とにより構成されている。ここで、再生装置2は、例えばパチンコ台などのゲーム機に設けられる装置であり、ゲーム機において発生する各種のイベント(例えば、パチンコ台の場合には、賞玉の払い出しを割り当てられた特定のチャッカーに玉が入る入賞イベントなど)に応じて、アニメーションなどの各種の画像シーンと効果音などの各種の音声フレーズの同期再生を行う装置である。記録装置1は、再生装置2において画像シーンと同期再生される音声フレーズの圧縮符号化を行い、記録媒体Mに記録する装置である。」 「【0009】 音声エンコーダ13は、音声のサンプルレートf2を制御部11から通知された画像のフレームレートf1によって除算し、除算結果f2/f1を圧縮符号化の単位である1ブロック当たりのサンプル数とする。すなわち、例えば画像のフレームレートf1が30フレーム/秒である場合において、音声のサンプルレートf2が44.1kHzである場合には1ブロック当たりのサンプル数は1470サンプル、音声のサンプルレートf2が48kHzである場合には1ブロック当たりのサンプル数は1600サンプルとなる。そして、音声エンコーダ13は、圧縮符号化対象であるサンプルレートf2の音声サンプル列を各々f2/f1サンプルからなるブロックに区切り、ブロック毎に、他のブロックの音声サンプルを参照することなく、音声サンプル列の圧縮符号化を行い、圧縮符号化音声データを出力する。」 「【0020】 音声再生部24では、制御部21から指示された音声サンプル列に対応した圧縮符号化音声データをデータ読み取り部25が記録媒体から読み取り、音声デコーダ26がこの圧縮符号化音声データの復号化を行って音声サンプル列を音声出力部27のFIFOに書き込む。本実施形態において、 画像フレームの1フレーム周期の長さは、1ブロック分の音声サンプル列の時間長と一致している。そこで、音声デコーダ26は、画像フレーム列を構成する各画像フレームが再生される間、各画像フレームの再生に間に合うように、各画像フレームと同期再生させる1ブロック分の音声サンプル列の復号化を開始し、1ブロック分の音声サンプル列を音声出力部27のFIFOに書き込む。音声出力部27は、画像再生部23において1つの画像フレームの再生されるとき、そのタイミングを捉えて、FIFO内の音声サンプル列をサンプルレートf2の読み出しクロックに応じて読み出し、音として出力する。本実施形態では、このように画像フレームが1個再生される毎に、それに合わせて、f2/f1個の1ブロック分の音声サンプル列が圧縮符号化データから復号化されて音声として再生される。このように、本実施形態においては、画像フレーム列の再生に同期して音声フレーズの音声サンプル列が再生される。」 (エ)引用文献8の記載 当審拒絶理由で引用文献5として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016−54753号公報(以下、「引用文献8」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、画面と音響を用いて演出を行う、スロットマシンやパチンコ機などの遊技機に関する。」 「【0092】 演出データ記憶部500に記憶されている映像データとサウンドデータとは時間的に同期されている。映像データとサウンドデータを時間的に同期させるとは、これらのデータをタイミングデータに関連付けることであり、演出データはこのような関連付けのなされた複数のデータ集合である。タイミングデータは例えばフレームであり、フレームの番号(1、2、3、・・・)に、映像データ(映像データ1、映像データ2、映像データ3、・・・)とサウンドデータ(サウンドデータ1、サウンドデータ2、サウンドデータ3、・・・)が対応するデータ(テーブル)である。フレームの繰り返し時間は短く、演出の内容は単位フレームよりも長い。このため、上記のようにテーブルを構成するとテーブルサイズが大きくなるので、映像とサウンドの開始タイミングをフレームの番号に対応付けるようにしてもよい。例えば、フレームの番号=0(図12の例のt1)で映像Aを開始する(映像データAを対応付ける)とともにサウンドAを開始する(サウンドデータAを対応付ける)ように設定し、フレームの番号=1000(図12の例のt2)で映像Bを開始する(映像データBを対応付ける)とともにサウンドBを開始する(サウンドデータBを対応付ける)ように設定する。」 「【図12】 ![]() 」 (オ)周知技術2 上記(ア)ないし(エ)によれば、遊技機の画像と音声を用いた演出において、フレーム更新タイミングで音声を出力することは、周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。 エ 引用文献等9の開示と引用文献等9開示事項 当審拒絶理由で引用文献等6として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった[ぱちんこ 必殺仕事人5 豪剣 試打#01]新規演出・変更点特集![パチンコ新台],YouTube[video][online],2017年10月12日,特に4:45頃〜4:51頃を参照。[検索日:2022年1月16日],URL,https://www.youtube.com/watch?v=InoCvMjFXj0 (以下、「引用文献等9」という。)の特に4:45頃〜4:51頃から、以下の事項が見て取れる。 (ア)4:45頃に、画面およそ下部において、小判を3枚重ねたかのような図柄と、人影のような画像と、紫のもやのような画像とを表示する様子が見て取れる。 ![]() (イ)4:46頃に、画面およそ下部において、表示されていた人影のような画像が、その表示されていた位置を右側にずらしつつ男性を模した画像に変化し、当該変化とおよそ同じタイミングで、小判を3枚重ねたかのような図柄を隠すように刀を模した図柄が表示される様子が見て取れる。 ![]() (ウ)4:48頃に、当該男性を模した画像が、画面左手前側に移動しつつ当該刀を模した図柄を切り、当該刀を模した図柄が2つに分かれるとともに、ゼブラ柄の直方体を模した図柄が表示される様子が見て取れる。また、当該ゼブラ柄の直方体を模した図柄が表示されるとおよそ同時に、効果音が流れることが聞き取れる。 ![]() ![]() (エ)4:49頃には、当該男性を模した画像が表示されなくなる一方で、当該効果音は引き続き聞き取れることが理解できる。なお、当該ゼブラ柄の直方体を模した図柄は引き続き表示されている。 ![]() (オ)4:51を過ぎる頃に、当該効果音が聞き取れなくなることが理解できる。なお、当該ゼブラ柄の直方体を模した図柄は引き続き表示されている。 ![]() (カ)その後、ゼブラ柄の直方体を模した図柄が、他の図柄に変化することはないことから、上記(ウ)において、刀を模した図柄からゼブラ柄の直方体を模した図柄への変化が終了するタイミングが、図柄の態様の変化が終了するタイミングであると認められる。 上記(ア)ないし(カ)によれば、引用文献等9には、 「図柄の態様の変化(小判を3枚重ねたかのような図柄→刀を模した図柄→ゼブラ柄の直方体を模した図柄)が終了するタイミング(上記(ウ)において、刀を模した図柄からゼブラ柄の直方体を模した図柄への変化が終了するタイミング)とは異なるタイミング(上記(オ)のタイミング)で効果音の出力を終了する「ぱちんこ 必殺仕事人5 豪剣」というパチンコ機」が開示されている(以下、「引用文献等9開示事項」という。)。 オ 引用文献10の記載と周知技術3 当審拒絶理由で引用文献7として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017−202408号公報(以下、「引用文献10」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【発明を実施するための形態】 【0042】 以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。」 「【0285】 ステップS702にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS702;Yes)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS703)。この実施の形態では、遊技状態が時短状態や確変状態であって、時短制御が実行されている期間中は先読み予告演出の実行が制限される。また、小当り遊技状態や大当り遊技状態である場合にも先読み予告演出の実行が制限される。遊技状態が時短状態や確変状態であるか否かは、主基板11から送信される遊技状態指定コマンドから特定すればよい。また、小当り遊技状態や大当り遊技状態であるか否かは、演出プロセスフラグの値が“4”〜“7”のいずれかであるか否かなどにより特定すればよい。また、ステップS733において先読み予告演出の実行を制限する先読み予告制限中の設定が行われた場合も、先読み予告制限中であると判定する。」 「【図33】 ![]() 」 図33によれば、ステップS703において、「先読み予告制限中」であれば、「先読み予告演出を実行するか否かと、先読み予告演出を実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを決定する」「ステップS710」(【0294】)や、「すでに決定済みの先読み予告演出の後に、さらに先読み予告演出を実行するか否かと、実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを決定するための第2先読み予告決定処理を実行する」「ステップS718」(【0311】)において行われる処理が行われないことから、先読み予告演出が実行されないことは明らかである。 引用文献10に記載されているように、パチンコ遊技機において、時短の制御がなされている期間中に先読み予告演出を実行しないことは、周知技術である(以下、「周知技術3」という。)。 カ 引用文献2に記載の技術 上記イ(ア)における引用文献2には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【0022】 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」 「【0268】 この実施の形態では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。」 「【0273】 図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されたとき)に比べて、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が第2特別態様に決定される割合が高いため、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。また、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、この実施の形態では、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるため、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、期待感を持続させることができる。」 「【0275】 なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、例えば、合計保留記憶数が1の場合にも、第2先読み演出パターンに決定可能とし、始動入賞時に保留表示を特殊態様で表示し、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるようにしてもよい。」 「【0290】 なお、この実施の形態では、第2先読み演出パターンでは、始動入賞のタイミングで新たな保留表示が特殊態様で表示されるが、始動入賞のタイミングでは保留表示を通常態様で表示し、その後の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させ、さらに後の任意のタイミングで特殊態様から特別態様に変化させるようにしてもよい。」 以上によれば、引用文献2には、以下の技術(以下、「引用文献2に記載の技術」という。)が記載されていると認められる。 「第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示され、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含み(【0268】)、 第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示され(【0268】)、 第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができ(【0273】)、 第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングは、任意のシフトタイミングに限らず、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよく(【0275】)、 第2先読み演出パターンでは、始動入賞のタイミングでは保留表示を通常態様で表示し、その後の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させ、さらに後の任意のタイミングで特殊態様から特別態様に変化させるようにしてもよい(【0290】) パチンコ遊技機1(【0022】)。」 キ 引用文献6及び引用文献11の記載と技術常識 (ア)引用文献6の記載 上記ウ(イ)における引用文献6には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、画像表示装置と音出力装置を含む演出装置を制御する演出制御装置を備える遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、キャラクタの表示や識別図柄の変動表示などの視覚的な演出と、効果音や音声を出力する聴覚的な演出が実行されるものが一般的である。 【0003】 しかし、視覚的な演出を行うための表示制御や聴覚的な演出を行うための音声制御は、演出制御装置に大きな負荷をかけてしまうという問題がある。そこで、視覚的な演出を行うための画像表示装置と、聴覚的な演出を行うための音出力装置とを分離した構成とすることで、処理負荷を分散させる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献1に開示された遊技機は2つの制御基板が分離しているため、図柄表示装置の表示内容を更新するタイミングと、スピーカ(又はトップランプ)による演出を更新するタイミングとを同期させるのは困難であった。 【0006】 また、一般に、図柄表示の表示内容を更新するための処理は、スピーカ(又はトップランプ)による演出内容を更新するための処理と比較して格段に負担が重いのが普通である。そのため、図柄表示の表示内容を更新するのに必要な時間は長時間になるため、2つの制御基板の同期を取ることは難しかった。」 (イ)引用文献11の記載 本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012−157441号公報(以下、「引用文献11」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、様々な演出画像を画面上に表示して遊技の興趣の向上を図る遊技機、遊技機の制御方法及びプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年の遊技機は、様々な動画や静止画で構成された演出画像を液晶表示装置に表示して、遊技者の遊技を盛り上げる演出を行うものが主流になってきている。このような遊技機では、始動口(始動領域)への遊技球の入球を契機に主制御装置(主制御基板)で抽選が行われ、その抽選に基づいて決定された演出パターンの制御コマンドが演出制御装置(演出制御基板)に送信され、演出制御基板が当該制御コマンドに応じた画像演出を液晶表示装置の液晶画面を制御する画像制御基板に行わせている。特に近年の遊技機では、液晶表示装置の液晶画面の大型化、様々な種類の役物の搭載及びランプ装置のランプ数の増加等によって演出パターンの多様化が図られ、遊技者に様々な演出を提供するように工夫されている。」 「【0005】 しかし、処理の負荷の増加等によって一定時間内に1フレーム分の画像データの読み込みが終了しなかった場合には、いわゆる「処理落ち」の状態となって、画像表示が遅くなったり、映像と音声のズレが発生してしまうことになる。これに対処するためにフレームを読み飛ばす処理も考えられるが、表示される動画像の動作がぎこちなく不自然に見えてしまう。そこで、このような「処理落ち」の発生に対処するための技術が知られている(特許文献1,2)。」 (ウ)技術常識 上記(ア)及び(イ)によれば、演出画像を表示装置に表示する遊技機において、特に視覚的な演出を行うための表示制御や聴覚的な演出を行うための音声制御を分離して行う場合、表示制御の処理が、音声制御の処理と比較して格段に負担が重いのが普通であり、処理の負荷の増加等によって一定時間内に1フレーム分の画像データの読み込みが終了しなかった場合には、いわゆる「処理落ち」の状態となって、画像表示が遅くなったり、映像と音声のズレが発生してしまうことになることは、技術常識である。 (3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)等は、本願補正発明のA等に概ね対応させている。 (a)引用発明の「遊技の主たる制御を司る主制御装置91」は、本願補正発明の「遊技の進行を制御する主制御手段」に相当する。 引用発明の「主制御装置91から受信した保留コマンド等の各種コマンドに基づき、遊技回や開閉実行モード等において実行する演出の内容を決定し、その決定した内容に対応した動作が行われるように、音声出力装置156を制御してスピーカ部34の音声制御を行」う「音声側MPU152」が搭載されている「音声ランプ制御基板151」を備える「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92」と、「音声側MPU152」と「電気的に接続され」、「音声側MPU152」から「主制御装置91から受信したコマンドに基づいて決定した演出の内容を含む各種コマンド」が「送信」される「図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93」は、本願補正発明の「前記主制御手段からのコマンドに基づき遊技の演出を制御する従制御手段」に相当する。 引用発明の「パチンコ遊技機10」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項aは、本願補正発明の発明特定事項Aに相当する。 (b1)引用発明の「主制御装置91」は、「開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定した場合には」、「遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であ」る「開閉動作が行われている状態」に移行することから、「開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定」する手段を備えていることは明らかである。 このことは、本願補正発明において、 「B 前記主制御手段は、 B1 遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段」 を備えることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項b1は、本願補正発明の発明特定事項B及びB1に相当する。 (b2)引用発明の「主側RAM114」は、「第1〜第8保留エリアRA1〜RA8の8個の保留エリア」を備えるものであるから、本願補正発明の「前記判定の権利を保留可能な保留手段」に相当する。 引用発明の発明特定事項aより、「主制御装置91」は、「主側RAM114」を備えるものであり、このことは、本願補正発明の 「B 前記主制御手段は、」 「B2 前記判定の権利を保留可能な保留手段」を備えることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項b2は、本願補正発明の発明特定事項B及びB2に相当する。 (b3)引用発明の「第1抽選遊技及び第2抽選遊技の結果」は、本願補正発明の「前記判定の結果」に相当する。 引用発明の「第1抽選遊技及び第2抽選遊技に関する変動表示が行われ」、「その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技及び第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示され」ることは、本願補正発明の「前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させてから当該図柄を停止表示させる」ことに相当する。 引用発明の「第1抽選遊技」及び「第2抽選遊技」は、「主制御装置91」により行われるものであるから、「主制御装置91」が、「第1抽選遊技及び第2抽選遊技に関する変動表示が行われ」、「その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技及び第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示され」る制御を行う手段を備えていることは明らかであり、このことは、本願補正発明の 「B 前記主制御手段は、」 「B3 前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させてから当該図柄を停止表示させる変動制御手段」を備えることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項b3は、本願補正発明の発明特定事項B及びB3に相当する。 (b4)引用発明において、「サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定され」ることから、引用発明の「低頻度サポートモード」及び「高頻度サポートモード」は、それぞれ本願補正発明の「通常遊技状態」及び「前記通常遊技状態よりも前記変動表示の変動時間が短くなり易い特定遊技状態」に相当する。 引用発明の「主側MPU」は、上記「変動表示時間」を設定する「特図変動開始処理の変動表示時間(表示継続期間)の把握処理」を実行するものであるから、本願補正発明の 「B4 通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記変動表示の変動時間が短くなり易い特定遊技状態とに制御することが可能な遊技状態制御手段」に相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項b4は、本願補正発明の発明特定事項B4に相当する。 (c1)引用発明の「図柄表示装置80」は、本願補正発明の「表示手段」に相当する。 引用発明の「図柄表示装置80」が有する「下側表示領域Ds」の「等区分」された「第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に」「表示され」る「第1〜第8単位エリアRD1〜RD8に書き込まれたデータに応じた画像」は、本願補正発明の「保留している前記権利に対応して」「表示手段に表示」される「保留画像」に相当する。 引用発明の「表示制御基板161」は、「図柄表示装置80における第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8と1対1で対応するように、第1〜第8単位エリアRD1〜RD8が設定され」た「保留図柄表示用エリア167a」を有する「ビデオRAM167」を内蔵するものであるから、本願補正発明の「保留している前記権利に対応して、保留画像を表示手段に表示する画像表示手段」に相当する。 上記(a)で検討したように、引用発明の「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93」は、本願補正発明の「従制御手段」に相当するものであるから、引用発明の「表示制御装置93」が「表示制御基板161」を備えることは、本願補正発明の 「C 前記従制御手段は、 C1 保留している前記権利に対応して、保留画像を表示手段に表示する画像表示手段」を備えることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項c1は、本願補正発明の発明特定事項C及びC1に相当する。 (c2)引用発明の「スピーカ部34」は、本願補正発明の「演出手段」に相当する。 引用発明の「音声側MPU152」は、「スピーカ部34から表示する保留図柄に対応した音声が出力され」る「音声制御処理」を実行させるものであるから、本願補正発明の「遊技の進行過程で演出手段に所定の報知演出を実行させる演出実行手段」に相当する。 上記(a)で検討したように、引用発明の「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93」は、本願補正発明の「従制御手段」に相当するものであり、引用発明の発明特定事項aから、引用発明の「音声ランプ制御装置92」が、「音声側MPU152」が搭載された音声ランプ制御基板151を備えることは、本願補正発明の 「C 前記従制御手段は、」 「C2 遊技の進行過程で演出手段に所定の報知演出を実行させる演出実行手段」を備えることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項c2は、本願補正発明の発明特定事項C及びC2に相当する。 (d1)上記(c1)で検討したように、引用発明の「表示制御基板161」は、本願補正発明の「画像表示手段」に相当する。 そして、引用発明の「表示制御基板161」に搭載されている「表示側MPU162」が、「更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リスト(内部コマンド)をVDP165に送信し、VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成した描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行うことにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示され」、「フレームの更新周期は20msecであ」ることは、本願補正発明の 「D 前記画像表示手段は、 D1 所定のフレーム更新タイミングとなる毎に前記表示手段に表示させる画像を更新するよう構成され」 ることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項c1及びd1は、本願補正発明の発明特定事項D及びD1に相当する。 (d2)引用発明の「保留図柄または実行図柄として」の「○」は、本願補正発明の「通常態様」の「保留画像」に相当する。 引用発明の「保留図柄または実行図柄として」の「「◎」または「●」」は、「リーチ結果が発生したり当たりが発生したりするかもしれない(当たり抽選に当選するかもしれない)と遊技者に察知させる(期待させる)保留図柄または実行図柄」であり、「「○」、「◎」、「●」の図柄の順に遊技者が当たり期待度が高いと認識」することから、本願補正発明の「通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像」に相当する。 引用発明の発明特定事項e1の「保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる」演出及び発明特定事項e2の「保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる」演出は、いずれも本願補正発明の「前記保留画像を通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像に変化させる変化演出」に相当する。 引用発明の発明特定事項e1及びe2の各演出は、音声及び「図柄表示装置80」を用いて行われるものであるから、引用発明の「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93」によって行われるものである。そして、上記(a)で検討したように、引用発明の「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93」は、本願補正発明の「従制御手段」に相当するものであるから、引用発明の「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93」が、発明特定事項e1及びe2の各演出を行うことは、本願補正発明の 「D 前記画像表示手段は、」 「D2 前記保留画像を通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像に変化させる変化演出を行うことが可能であ」ることに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項d2、e1及びe2は、本願補正発明の発明特定事項D及びD2に相当する構成を含む。 (e1)引用発明の発明特定事項d1によれば、「音声側MPU152」は、「主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンド」を「受信していると判定した場合には」、「停止結果コマンドおよびパターンコマンドを表示側MPU162に送信し」、「表示側MPU162」は、「停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していると判定した場合には、パターン用のデータテーブルの設定処理を実行し」、「各種設定処理に応じて更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リスト(内部コマンド)をVDP165に送信し、VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成した描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行うことにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示され」るところ、引用発明の発明特定事項c1より、図柄表示装置80は、その上側表示領域Dmにおいて変動表示がなされるものであるから、引用発明の発明特定事項d1の「変動用コマンドおよび種別コマンド」は、「主側MPU112」から送信されるコマンドであって、図柄の変動表示が開始することを示すコマンドであるといえ、本願補正発明の「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンド」に相当する。 引用発明の発明特定事項e1の 「スーパーリーチでない際に保留非報知図柄が保留報知図柄に変化する際、通常変動中では、第1〜第3保留図柄表示エリアDs1〜Ds3に保留非報知図柄が表示され、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる所定期間前のタイミングにおいて、女の子のキャラクタ図柄が表示され、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力されて、第3保留図柄表示エリアDs3に表示されていた保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化し、その後、女の子のキャラクタ図柄が消去され」る演出(以下、「通常変動中の保留変化演出」という。)は、「通常変動中」に行われるものであり、「通常変動」を含む「変動表示」は、「音声側MPU152」が「主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンド」を「受信していると判定した場合に」実行されるものであるから、本願補正発明の構成E1の「第1変化演出」と、「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドを受信してからのフレーム更新タイミングで実行する」「演出」である点で共通する。 したがって、引用発明の発明特定事項e1において、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる演出として、通常変動中の保留変化演出を含むことは、本願補正発明の発明特定事項E、E1と 「前記変化演出は、 前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドを受信してからのフレーム更新タイミングで実行する第1変化演出」を含む点で共通する。 (e2)引用発明の発明特定事項d1の「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」は、「特図変動開始処理」で実行される「データ設定処理」において、「総保留数Nxを1減算」するとともに「出力対象として設定」されるものであるから、本願補正発明の「保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンド」に相当する。 引用発明の発明特定事項e2の 「スーパーリーチ中では、下側表示領域Dsは、実行図柄表示エリアDs0のみが表示され、第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8が削除されている状態で、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる場合、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる所定期間前において、女の子のキャラクタ図柄が表示され、保留図柄が変化される第3保留図柄表示エリアDs3が再び表示され、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され、これにより、スーパーリーチ中においても、遊技者は、第3保留図柄表示エリアDs3に表示される保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化したことを明確に理解でき、その後、女の子のキャラクタ図柄が消去される」演出(以下、「スーパーリーチ中の保留変化演出」という。)は、「スーパーリーチ中」に行われるものであり、「スーパーリーチ」の演出は、「主側MPU112」から送信された「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後に実行されるものである。 そして、引用発明の発明特定事項d1によれば、 「各種設定処理に応じて更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リスト(内部コマンド)をVDP165に送信し、VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成した描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行うことにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示され」ることから、引用発明のスーパーリーチ中の保留変化演出は、「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定の「フレーム更新タイミング」で実行されることは明らかである。 そうすると、引用発明のスーパーリーチ中の保留変化演出は、本願補正発明の「保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行する第2変化演出」に相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項e2において、保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる演出として、スーパーリーチ中の保留変化演出を含むことは、本願補正発明の「E 前記変化演出は、」 「E2 保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行する第2変化演出と、を含」むことに相当することから、引用発明の発明特定事項d1及びe2は、本願補正発明の発明特定事項E及びE2に相当する構成を含む。 (g1)引用発明の発明特定事項e2の 「第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され」ることは、本願補正発明の発明特定事項G1の 「前記第2変化演出が開始されるタイミングで前記報知演出を開始」することに相当する。 また、引用発明の発明特定事項e2の「保留報知図柄「◎」に対応」して出力される「チャリリン」という音声」がいずれかの時点で終了することは明らかであり、このことは、本願補正発明の発明特定事項G1の「前記報知演出を終了」することに相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項e2は、 本願補正発明の発明特定事項G、G1と 「前記演出実行手段は、 前記第2変化演出が開始されるタイミングで前記報知演出を開始し、前記報知演出を終了」する点で共通する。 (h)上記(d2)において検討したように、引用発明の「保留図柄または実行図柄として」の「「◎」または「●」」は、本願補正発明の発明特定事項D2の「通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像」に相当する。 そして、引用発明の発明特定事項d2によれば、「「○」、「◎」、「●」の図柄の順に遊技者が当たり期待度が高いと認識」することから、引用発明の「保留図柄または実行図柄として」の「◎」及び「●」は、それぞれ本願補正発明の「第1特別態様」及び「前記第1特別態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す第2特別態様」に相当する。 したがって、引用発明の発明特定事項d2は、本願補正発明の発明特定事項Hに相当する構成を含む。 (i)引用発明の発明特定事項iによれば、 「図柄表示装置80では、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化して表示され、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化する際、女の子のキャラクタ図柄(変化用図柄)が表示され、当該女の子が保留報知図柄を対応する保留図柄表示エリアDs※に投げる演出を表示することによって図柄表示エリアDs※に表示されている非報知図柄を報知図柄に変化させる」 とされていることから、引用発明の発明特定事項e1の 「スーパーリーチでない際に保留非報知図柄が保留報知図柄に変化する際」の演出は、発明特定事項d2の 「保留図柄として保留報知図柄「●」が第1〜第8保留図柄表示エリアDs1〜Ds8のうちの該当する保留図柄表示エリアDs※に表示される場合には「チャリリリン」という入賞音が出力され」ることも踏まえると、発明特定事項e1の 「女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力されて、第3保留図柄表示エリアDs3に表示されていた保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化」する演出だけでなく、 「女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「●」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「●」が表示されると共に、保留報知図柄「●」に対応する「チャリリリン」という音声が出力されて、第3保留図柄表示エリアDs3に表示されていた保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「●」に変化」する演出 も行われることは明らかである。 そうすると、上記(h)で検討したように、引用発明の「保留図柄または実行図柄として」の「◎」及び「●」は、それぞれ本願補正発明の「第1特別態様」及び「前記第1特別態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す第2特別態様」に相当することから、引用発明は、 「前記第1変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様で表示させるときと、前記第2特別態様で表示させるときがあ」るものであって、引用発明の発明特定事項e1、iは、本願補正発明の発明特定事項Iに相当する構成を含む。 (k1)引用発明の発明特定事項e2の 「女の子のキャラクタ図柄が表示され、保留図柄が変化される第3保留図柄表示エリアDs3が再び表示され、女の子のキャラクタ図柄が保留報知図柄「◎」を第3保留図柄表示エリアDs3に向かって投げる演出が表示され、第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され、これにより、スーパーリーチ中においても、遊技者は、第3保留表示エリアDs3に表示される保留非報知図柄「○」が保留報知図柄「◎」に変化したことを明確に理解でき」ることは、本願補正発明の 「K1 前記保留画像が前記特別態様に変化する可能性があることを示唆する第1変化示唆演出を実行して前記保留画像を前記特別態様に変化させる場合」があることに相当する。 したがって、引用発明の特定事項e2は、本願補正発明の特定事項K1に相当する構成を含む。 (l)引用発明の発明特定事項lの「パチンコ遊技機10」は、本願補正発明の発明特定事項Lの「遊技機」に相当する。 (a)から(l)によれば、本願補正発明と引用発明とは、下記(一致点)で一致し、下記(相違点1)ないし(相違点8)で相違する。 (一致点) 「A 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに基づき遊技の演出を制御する従制御手段と、を備えた遊技機において、 B 前記主制御手段は、 B1 遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、 B2 前記判定の権利を保留可能な保留手段と、 B3 前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させてから当該図柄を停止表示させる変動制御手段と、 B4 通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記変動表示の変動時間が短くなり易い特定遊技状態とに制御することが可能な遊技状態制御手段と、を備え、 C 前記従制御手段は、 C1 保留している前記権利に対応して、保留画像を表示手段に表示する画像表示手段と、 C2 遊技の進行過程で演出手段に所定の報知演出を実行させる演出実行手段と、を備え、 D 前記画像表示手段は、 D1 所定のフレーム更新タイミングとなる毎に前記表示手段に表示させる画像を更新するよう構成され、 D2 前記保留画像を通常態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す特別態様の保留画像に変化させる変化演出を行うことが可能であり、 E 前記変化演出は、 E1’ 前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドを受信してからのフレーム更新タイミングで実行する第1変化演出と、 E2 保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行する第2変化演出と、を含み、 G 前記演出実行手段は、 G1’ 前記第2変化演出が開始されるタイミングで前記報知演出を開始し、前記報知演出を終了し、 H 前記保留画像の特別態様は、 第1特別態様と、前記第1特別態様よりも前記特別遊技を行う可能性が高いことを示す第2特別態様と、を含み、 I 前記第1変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様で表示させるときと、前記第2特別態様で表示させるときがあり、 K1 前記保留画像が前記特別態様に変化する可能性があることを示唆する第1変化示唆演出を実行して前記保留画像を前記特別態様に変化させる場合 がある L 遊技機。」 (相違点1)[発明特定事項E1] 本願補正発明では、「第1変化演出」を実行する「フレーム更新タイミング」が、「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じた」ものであるのに対して、 引用発明では、発明特定事項e1の「通常変動中の保留変化演出」を実行するフレーム更新タイミングが、「主制御装置91」(本願補正発明の「前記主制御手段」に相当。)から送信された「変動用コマンドおよび種別コマンド」(本願補正発明の「前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンド」に相当。)の受信に応じた」ものであるか不明である点。 (相違点2)[発明特定事項F、F1、F2] 「第2変化演出」が、本願補正発明では、「所定演出が行われる所定変化演出」と「前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出」を含むのに対して、 引用発明では、上記(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」の一つの演出のみしかなく、「所定演出が行われる所定変化演出」と「前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出」を含まない点。 (相違点3)[発明特定事項G、G1の前半] 「演出実行手段」が「報知演出を開始」する「前記第2変化演出が開始される」「タイミング」が、本願補正発明では「フレーム更新タイミング」であるのに対して、 引用発明では「フレーム更新タイミング」であるか否か不明である点。 (相違点4)[発明特定事項G、G1の後半] 「演出実行手段」が「前記報知演出を終了」するのが、本願補正発明では、「前記第2変化演出における前記保留画像の態様の変化が終了するフレーム更新タイミングとは異なるタイミング」であるのに対して、 引用発明では、「前記第2変化演出における前記保留画像の態様の変化が終了するフレーム更新タイミングとは異なるフレーム更新タイミング」であるか否か不明である点。 (相違点5)[発明特定事項G、G2] 本願補正発明では、「前記通常遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出を所定の割合で実行可能であるが、前記特定遊技状態に制御されているときは、前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出が実行され」ないのに対して、 引用発明では、発明特定事項b4の「低頻度サポートモード」及び「高頻度サポートモード」のそれぞれにおいて、上記(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」が実行されるのか不明であり、さらに、相違点2でみたように、(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」が「特定変化演出」に相当する演出を含んでいない点。 (相違点6)[発明特定事項J] 本願補正発明では、 「前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易」いのに対して、 引用発明では、発明特定事項iによれば、 「図柄表示装置80では、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化して表示され、非報知図柄「○」が報知図柄「◎」または「●」に変化する際、女の子のキャラクタ図柄(変化用図柄)が表示され、当該女の子が保留報知図柄を対応する保留図柄表示エリアDs※に投げる演出を表示することによって図柄表示エリアDs※に表示されている非報知図柄を報知図柄に変化させる」 とされていることから、引用発明の発明特定事項e2の 「スーパーリーチ中で」「保留非報知図柄を保留報知図柄に変化させる場合」の演出は、 「女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示される」演出だけでなく、 「女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「●」が表示される」演出も行われると認められるところ、「報知図柄「◎」」よりも「報知図柄「●」」で表示され易いか不明であり、さらに、相違点2でみたように、(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」が「所定変化演出」に相当する演出を含んでいない点。 (相違点7)[発明特定事項K2、K3] 本願補正発明では、「前記第1変化示唆演出とは示唆態様が異なる第2変化示唆演出を実行して前記特別態様に変化させる場合とがあり」、「前記保留画像が前記特別態様に変化する場合、前記第1変化示唆演出が実行される割合と、前記第2変化示唆演出が実行される割合が異なる」のに対して、 引用発明では、発明特定事項e2の演出とは示唆態様が異なる「第2変化示唆演出」に相当する演出がない点。 (相違点8)[発明特定事項K4] 本願補正発明では、「前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに前記表示手段に表示させる前記第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに前記第2変化演出を実行できない場合、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで前記第2変化演出が実行されるが、前記報知演出は前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行される」のに対して、 引用発明では、発明特定事項d1の「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに、上記(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」における第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」の表示(以下、「報知図柄表示」という。)に係る画像処理が間に合わずに、報知図柄表示を実行できない場合、「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで、報知図柄表示が実行されるか否か、また、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声の出力が、「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行されるか否かが明らかでない点。 (4)判断 ア 相違点1[発明特定事項E1]について 本願補正発明の発明特定事項E1の「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じたフレーム更新タイミング」が、いかなる「フレーム更新タイミング」であるかについて、本願の明細書には、 「【0517】 また、本実施の形態では、所定のコマンド(始動口入賞指定コマンド、特別図柄記憶指定コマンド、変動パターン指定コマンド)の受信に応じたフレーム更新タイミングにおいて発生する変化演出(入賞時変化演出、及び、ノーマル変化パターン01)の実行タイミングは、所定のコマンド(始動口入賞指定コマンド、特別図柄記憶指定コマンド、変動パターン指定コマンド)を受信したフレーム数から2フレーム後となるフレーム更新タイミングとしていたが、2フレーム後に限られず、所定のコマンド(始動口入賞指定コマンド、特別図柄記憶指定コマンド、変動パターン指定コマンド)を受信してから極端に遅くなければ、1フレーム後でも数フレーム後でも良い。」(下線は、当審にて付した。以下同じ。) と記載されていることから、本願補正発明の発明特定事項E1の「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じたフレーム更新タイミング」は、「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドを受信してから、1フレーム後から数フレーム後程度の極端に遅くないフレーム更新タイミング」を意味するものと認められる。 上記(3)(e1)で検討したように、引用発明の発明特定事項e1の「通常変動中の保留変化演出」は、「通常変動中」に行われるものであり、「通常変動」を含む「変動表示」は、「音声側MPU152」が「主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンド」を「受信していると判定した場合に」実行されるものであるところ、「音声側MPU152」が、「主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンド」を「受信していると判定」した後に、どの程度のフレーム更新周期を経てから、発明特定事項e1の「女の子のキャラクタ図柄」の表示を行うかは、当業者が適宜決定しうる設計的事項であり、「女の子のキャラクタ図柄」の表示を極端に遅いタイミングで行うべき特段の事情もないことから、「1フレーム後から数フレーム後程度の極端に遅くないフレーム更新タイミング」に表示を行うことに困難はない。 そして、引用発明において、発明特定事項e1の「女の子のキャラクタ図柄」の表示を行うタイミングを、「音声側MPU152」が、「主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンド」を「受信していると判定」した後の「1フレーム後から数フレーム後程度の極端に遅くないフレーム更新タイミング」とすることは、相違点1に係る本願補正発明の「第1変化演出」を実行する「フレーム更新タイミング」が、「前記主制御手段から送信された前記図柄の変動表示が開始することを示すコマンドの受信に応じた」ものであることに相当する。 したがって、引用発明において、相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 イ 相違点2[発明特定事項F、F1、F2]及び相違点7[発明特定事項K2、K3]について 上記(2)イ(エ)で認定した周知技術1、すなわち 「周知a パチンコ遊技機において、 周知d2−f−f1−f2ーk1−k2 保留画像を通常態様よりも特別遊技を行う可能性が高いことを示す、大当りの期待度が異なる複数の特別態様の保留画像のいずれかに変化させる変化演出として、第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出を含み、 周知k3 第1演出態様による変化演出が実行される場合と第2演出態様による変化演出が実行される場合とで特別態様に変化する割合が異なること」 の周知d2−f−f1−f2ーk1−k2における 「保留画像を通常態様よりも特別遊技を行う可能性が高いことを示す、大当りの期待度が異なる複数の特別態様の保留画像のいずれかに変化させる変化演出」、 「第2演出態様による変化演出」及び 「第1演出態様による変化演出」 は、それぞれ本願補正発明の発明特定事項F、F1、F2の 「第2変化演出」、 「所定演出が行われる所定変化演出」及び 「前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出」 に相当する。 したがって、周知技術1は、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項F、F1、F2の 「前記第2変化演出には、 F1 所定演出が行われる所定変化演出と、 F2 前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出と、を含み、」 に相当する事項を含む。 周知技術1の「第1演出態様による変化演出」及び「第2演出態様による変化演出」は、それぞれ相違点7に係る本願補正発明の発明特定事項K1、K2における「第1変化示唆演出」及び「第2変化示唆演出」に相当する。 周知技術1の 「周知k3 第1演出態様による変化演出が実行される場合と第2演出態様による変化演出が実行される場合とで特別態様に変化する割合が異なる」 ように構成すると、一般に、特別態様に変化する場合に、第1演出態様による変化演出が実行される割合と第2演出態様による変化演出が実行される割合が異なるものとなると認められることから、上記事項は、相違点7に係る本願補正発明の 「K3 前記保留画像が前記特別態様に変化する場合、前記第1変化示唆演出が実行される割合と、前記第2変化示唆演出が実行される割合が異な」ることに相当する。 したがって、周知技術1は、相違点7に係る本願発明の発明特定事項K2、K3に相当する事項を含む。 引用発明と周知技術1は、いずれも示唆演出を経て保留の図柄が変化するパチンコ遊技機である点で技術分野が共通し、示唆演出を経て保留の図柄が変化することで遊技の興趣を向上するという内在する課題が共通することから、引用発明と周知技術1に接した当業者であれば、引用発明において、周知技術1を考慮して、上記(3)(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」を、第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出を含むものとし、第1演出態様による変化演出が実行される場合と第2演出態様による変化演出が実行される場合とで特別態様に変化する割合が異なるものとして、相違点2及び相違点7に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 ウ 相違点3[発明特定事項G、G1の前半]について 上記(2)ウ(オ)で周知技術2として認定した 「遊技機の画像と音声を用いた演出において、フレーム更新タイミングで音声を出力すること」 は、本願補正発明の発明特定事項G、G1の「前記演出実行手段は」、「フレーム更新タイミングで前記報知演出を開始し」 に相当するものである。 引用発明における発明特定事項e2の「実行図柄表示エリアDs0に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され」るとの演出において、周知技術2を適用し、「報知図柄「◎」が表示される」フレーム更新タイミングに、「保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され」るよう構成して、相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、周知技術2に基づいて当業者が容易に想到できたことである。 エ 相違点4[発明特定事項G、G1の後半]について 上記(2)エで引用文献等9開示事項として認定した 「図柄の態様の変化とは異なるタイミングで効果音の出力を終了すること」 は、本願補正発明の 「G 前記演出実行手段は、」 「前記第2変化演出における前記保留画像の態様の変化が終了するフレーム更新タイミングとは異なるタイミングで前記報知演出を終了」することに相当するものである。 引用発明と引用文献等9開示事項はいずれも、リーチ中に図柄を変化させるとともに効果音を出力するパチンコ遊技機における演出であることから、引用発明の発明特定事項e2の演出において、引用文献等9開示事項と上記周知技術2を適用して、「第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示される」フレーム更新タイミングとは異なるタイミングで、「保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声」の出力を終了するよう構成して、相違点4に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 オ 相違点5[発明特定事項G、G2]について 引用発明は、「サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定され」るものであり(発明特定事項b4)、高頻度サポートモード(特定遊技状態)における短い変動表示時間では、上記(3)(e2)で述べた発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」を実行する時間が少ないところ、このような事情を踏まえて、上記(2)オで示した「パチンコ遊技機において、時短の制御がなされている期間中に先読み予告演出を実行しない」との周知技術3を考慮すれば、引用発明において、発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」を、低頻度サポートモードである状況では、実行可能とし、高頻度サポートモードである状況においては、実行しないこととすることは当業者が適宜なし得たことである。その際に、上記イで検討したように、引用発明において、周知技術1を考慮して、発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」を、第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出を含むものとし、第2演出態様による変化演出により、保留表示が複数の特別態様のうち、より大当りの期待度が高い特別態様に変化しやすく、第1演出態様による変化演出が実行される場合と第2演出態様による変化演出が実行される場合とで特別態様に変化する割合が異なるものとする場合においても、自ずと第1演出態様による変化演出(特定変化演出)及び第2演出態様による変化演出(所定変化演出)において高頻度サポートモード(特定遊技状態)でも実行されないことは明らかである。 してみると、引用発明において、相違点5に係る発明特定事項のようになすことは当業者が周知技術3に基づいて適宜なし得たことである。 カ 相違点6[発明特定事項J]について (ア)引用文献2に記載の技術と本願補正発明の発明特定事項J 引用文献2に記載の技術の「第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき」「特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすい」ことは、本願発明の発明特定事項Jの 「前記第2変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易く、」 に相当する。 (イ)引用発明に引用文献2に記載の技術を適用すること 引用発明の発明特定事項e2の「第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示される」演出は、「スーパーリーチ中」に行われるものであるから、変動中に行われる演出である。また、引用文献2に記載の技術の「第2先読み演出パターンで」「特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示され」る演出は、「予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい」ことから、変動中に行われてもよい演出である。 そうすると、引用発明と引用文献2に記載の技術は、いずれも示唆演出を経て保留の図柄が変化するパチンコ遊技機である点で技術分野が共通し、変動中に、示唆演出を経て保留表示を通常態様から第1特別態様または第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化して表示することによって、遊技興趣を高めるという内在する課題が共通することから、引用発明と引用文献2に記載の技術に接した当業者であれば、引用発明の発明特定事項e2の「第3保留図柄表示エリアDs3に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示される」演出につき、引用文献2に記載の技術における「第2先読み演出パターン」のように、「予告対象の変動表示に対応する保留表示が」、「特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意の」「タイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示され」、「特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすい」演出として構成することは、当業者が容易に想到できたことである。 その際に、上記イで検討したように、引用発明において、周知技術1を考慮して、発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」を、第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出を含むものとし、第1演出態様による変化演出が実行される場合と第2演出態様による変化演出が実行される場合とで特別態様に変化する割合が異なるものとする場合においては、「スーパーリーチ中の保留変化演出」に含まれる第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出のそれぞれは、「特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示され」、「特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすい」演出となる。 (ウ)本願補正発明の発明特定事項Jについて そして、本願補正発明の発明特定事項J 「前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出においては、 前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易く、」 について、令和3年10月4日提出の意見書の「[2]補正の根拠の説明」「(1)特許請求の範囲について」には、「当初明細書の段落0512〜0514等に記載された事項に基づ」くことが記載されているところ、【0513】には、 「このような特殊アイコンを設ける場合は、青キャラアイコンよりも大当たり当選期待度が低いことから、ノーマル変化パターン02、キャラ作用変化パターン01、及び、図柄作用変化パターン01(所定のコマンド(変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、演出図柄指定コマンド、特別図柄記憶指定コマンド)受信後の所定のフレーム更新タイミングにおいて発生する変化演出)では、特殊アイコンに変化しないようにすることが望ましい。」 と記載され、令和3年12月9日提出の意見書の「[2]補正の根拠の説明」「(1)特許請求の範囲について」には、 「所定変化演出」は、「キャラ作用変化パターン01」等が相当し、「特定変化演出」は、「図柄作用変化パターン01」等が相当します。」 と記載されていることから、本願補正発明の発明特定事項Jは、 「前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出及び前記特定変化演出」において、「前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易」いもの(以下、「発明特定事項Jに含まれる事項J*」という。)を含むことは明らかである。 (エ)引用発明に引用文献2に記載の技術を適用したものと本願補正発明の発明特定事項J 引用発明において、周知技術1を考慮して、発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」を、第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出を含むものとした場合の「スーパーリーチ中の保留変化演出」は、(イ)で検討したように、「スーパーリーチ中の保留変化演出」に含まれる第1演出態様による変化演出及び第2演出態様による変化演出のそれぞれが、「特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示され」、「特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやす」く、このことは、「発明特定事項Jに含まれる事項J*」に対応し、「発明特定事項Jに含まれる事項J*」は、(ウ)で検討したように、本願補正発明の発明特定事項Jに含まれる。 してみると、引用発明において、相違点6に係る発明特定事項のようになすことは当業者が周知技術1及び引用文献2に記載の技術に基づいて適宜なし得たことである。 キ 相違点8[発明特定事項K4]について 上記(2)ク(ウ)で検討したように、 「演出画像を表示装置に表示する遊技機において、特に視覚的な演出を行うための表示制御や聴覚的な演出を行うための音声制御を分離して行う場合、表示制御の処理が、音声制御の処理と比較して格段に負担が重いのが普通であり、処理の負荷の増加等によって一定時間内に1フレーム分の画像データの読み込みが終了しなかった場合には、いわゆる「処理落ち」の状態となって、画像表示が遅くなったり、映像と音声のズレが発生してしまうことになる」 ことが技術常識であるところ、引用発明は、発明特定事項aによれば、「音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93とが搭載された遊技機であって」、「音声ランプ制御装置92は、音声ランプ制御基板151を備え」、発明特定事項c1によれば、「表示制御装置93は、表示制御基板161を備え」るものであるから、視覚的な演出を行うための表示制御や聴覚的な演出を行うための音声制御を分離して行うものである。 したがって、引用発明において、処理の負荷の増加等によって一定時間内に1フレーム分の画像データの読み込みが終了しなかった場合、すなわち、発明特定事項d1の「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに、引用発明の発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」における報知図柄表示に係る画像処理が間に合わずに、報知図柄表示を実行できない場合、「処理落ち」の状態となって、画像表示が遅くなり、映像と音声のズレが発生することは当然に予想されることである。 そうすると、上記ウで検討したように、発明特定事項e2の「実行図柄表示エリアDs0に女の子のキャラクタ図柄が投げた報知図柄「◎」が表示されると共に、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され」るとの演出において、「報知図柄「◎」が表示される」フレーム更新タイミングに、「保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声が出力され」るよう構成したものにおいても、自ずと発明特定事項d1の「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに、引用発明の発明特定事項e2の「スーパーリーチ中の保留変化演出」における報知図柄表示に係る画像処理が間に合わずに、報知図柄表示を実行できない場合、「処理落ち」の状態となって、画像表示が遅くなり、映像と音声のズレが発生すること、すなわち、「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで報知図柄表示が実行されるが、保留報知図柄「◎」に対応する「チャリリン」という音声の出力は、「シフト時コマンド」及び「変動用コマンドおよび種別コマンド」の受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行されることは、技術常識から自明であり、仮にそうでないとしても、技術常識に基づいて当業者が適宜なし得たことである。 ケ 請求人の主張について 請求人は、令和3年12月9日提出の意見書の「2.本願発明が特許されるべき理由」「[3]特許法第29条第2項違反について」「(2)本願発明と引用文献の対比」において、本願補正発明の発明特定事項K4 「前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに前記表示手段に表示させる前記第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに前記第2変化演出を実行できない場合、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで前記第2変化演出が実行されるが、前記報知演出は前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行される」 を相違点とし(上記相違点8と同じ)、 「本願発明では、上記相違点を備えたことで、第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに第2変化演出が実行できない場合であっても、報知演出によって変化演出の実行に気付かせることができるため、変化演出を見逃し難くなって遊技の興趣を向上させることが可能となります。」 と主張する。 また、本願の明細書の【0510】には、本願補正発明の発明特定事項K4について、 「以上のように、画像制御部145(VDP)において処理落ちが発生しても、アイコン発生(変化)報知音の出力は本来のタイミングで開始するようにしているので、アイコンの表示よりも先にアイコン発生(変化)報知音が出力されることとなり、余所見等により画像表示装置を見ていなかった遊技者もアイコンが表示される前に音によりアイコンの発生(変化)に気付くことができ、発生(変化)することを見逃し難くなり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。」 と記載されている。 請求人の主張及び本願補正発明の発明特定事項K4に基づく効果について検討する。上記「ク 相違点8について」で検討したように、技術常識を踏まえると、引用発明において、表示制御に処理落ちが発生しても、表示制御とは別に行われる音声制御によって、「チャリリン」という音声が出力されるため、遊技者に変化演出の実行に気付かせることができ、同様の効果が奏されると認められる。 そうすると、本願補正発明の発明特定事項K4に基づく効果は、本願補正発明に特有の格別の効果とはいえないから、請求人の主張を採用することができない。 コ まとめ よって、本願補正発明は、引用発明、引用文献2ないし引用文献4に記載の周知技術1、引用文献5ないし引用文献8に記載の周知技術2、引用文献等9開示事項、引用文献10に記載の周知技術3、引用文献2に記載の技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)むすび 本願補正発明は、引用発明、引用文献2ないし引用文献4に記載の周知技術1、引用文献5ないし引用文献8に記載の周知技術2、引用文献等9開示事項、引用文献10に記載の周知技術3、引用文献2に記載の技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。 よって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]「1 補正の内容」において「(補正前)」として記載のとおりのものである。 2 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由は、概略、 (進歩性)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1.特開2017−93775号公報 引用文献2.特開2016−101270号公報 引用文献3.特開2013−90804号公報 引用文献4.特開2008−197254号公報 引用文献5.特開2016−54753号公報 引用文献等6.[ぱちんこ 必殺仕事人5 豪剣 試打#01]新規演出・変更点特集![パチンコ新台],YouTube[video][online],2017年10月12日,特に4:45頃〜4:51頃を参照。[検索日:2020年5月22日],URL,https://www.youtube.com/watch?v=InoCvMjFXj0 引用文献7.特開2017−202408号公報 引用文献8.特開2015−144717号公報 引用文献9.特開2017−80204号公報 引用文献10.特開2017−184873号公報 というものである。 3 引用文献1 当審拒絶理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2[理由]「2−4 独立特許要件について」「(2)引用文献1」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2[理由]「2−4 独立特許要件について」で検討した本願補正発明の発明特定事項である以下の限定事項(1)〜(4)を削除したものである。 (1)本件補正前の請求項1における「第2変化演出」について、 「所定演出が行われる所定変化演出と、 前記所定演出とは異なる特定演出が行われる特定変化演出と、を含」むことを限定する。 (2)本件補正前の請求項1において、「前記通常遊技状態に制御されているときは、」「所定の割合で実行可能であるが、前記特定遊技状態に制御されているときは、」「実行され」ないとされていた「前記第2変化演出」を、「前記第2変化演出のうちの前記特定変化演出」に補正する。 (3)本件補正前の請求項1において、「前記保留画像を前記第1特別態様よりも前記第2特別態様で表示させ易」いとされていた「前記第2変化演出」を、「前記第2変化演出のうちの前記所定変化演出」に補正する。 (4)本件補正前の請求項1の「第2変化演出」について、 「前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングまでに前記表示手段に表示させる前記第2変化演出に係る画像処理が間に合わずに前記第2変化演出を実行できない場合、 前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングよりも後のタイミングで前記第2変化演出が実行されるが、前記報知演出は前記保留している前記権利の数が変化するときに前記主制御手段から送信されたコマンドの受信後の所定のフレーム更新タイミングで実行されること」 を限定する。 したがって、本願発明は、本願補正発明から、相違点2に係る構成、相違点8に係る構成、相違点5に係る構成の一部及び相違点6に係る構成の一部を削除したものである。 そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2[理由]「2−4 独立特許要件について」の「(4)判断」に記載したとおり、引用発明、引用文献2ないし引用文献4に記載の周知技術1、引用文献5ないし引用文献8に記載の周知技術2、引用文献等9開示事項、引用文献10に記載の周知技術3、引用文献2に記載の技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明できたものであるところ、本願発明も、引用発明、引用文献2ないし引用文献4に記載の周知技術1、引用文献5ないし引用文献8に記載の周知技術2、引用文献等9開示事項、引用文献10に記載の周知技術3及び引用文献2に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 |
審理終結日 | 2022-02-08 |
結審通知日 | 2022-02-15 |
審決日 | 2022-03-01 |
出願番号 | P2018-063876 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A63F)
|
最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
鉄 豊郎 |
特許庁審判官 |
北川 創 鷲崎 亮 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 特許業務法人 エビス国際特許事務所 |