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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01S 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01S |
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管理番号 | 1383692 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-01-15 |
確定日 | 2022-05-09 |
事件の表示 | 特願2018−163174「DFBレーザ用のTOパッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月28日出願公開、特開2019− 50372、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)8月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年9月1日、ドイツ)を出願日とする特許出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和元年 8月 5日付け:拒絶理由通知書 令和元年11月11日 :意見書、手続補正書の提出 令和2年 1月28日付け:拒絶理由通知書 令和2年 4月30日 :意見書、手続補正書の提出 令和2年 9月 4日付け:拒絶査定 令和3年 1月15日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和3年11月12日付け:拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由通知書」という。また、当審拒絶理由通知書において通知された拒絶の理由を「当審拒絶理由」という。) 令和4年 2月16日 :意見書、手続補正書(以下、この手続補正書によりなされた補正を「本件補正」という。)の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和2年9月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1〜17に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明及び引用文献B〜Eに記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.特開2004−47830号公報 B.特開2011−108939号公報 C.特開2011−197360号公報 D.国際公開第2010/140473号 E.特開2016−12601号公報 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 1 本願請求項1〜17に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2〜7に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2004−47830号公報(拒絶査定時の引用文献A) 2.特開2011−108939号公報(拒絶査定時の引用文献B) 3.特開2011−197360号公報(拒絶査定時の引用文献C) 4.国際公開第2010/140473号(拒絶査定時の引用文献D) 5.特開2017−59680号公報(当審において新たに引用した文献) 6.特開2016−115736号公報(当審において新たに引用した文献) 7.特開2003−174108号公報(当審において新たに引用した文献) 2 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 本願請求項15〜17に係る発明は明確でない。 第4 本願発明 本願請求項1〜14に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」〜「本願発明14」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1〜14に記載された事項により特定される発明であり、そのうち、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 TOパッケージであって、熱電冷却機用の実装領域を有するベース部品を備え、前記ベース部品は、光エレクトロニクス素子の接続用の少なくとも2つのフィードスルーを有する、TOパッケージにおいて、 前記ベース部品の床部を起点として支持体が延在しており、 前記支持体には少なくとも2つの導体路が配置されており、これらの導体路はそれぞれ、前記光エレクトロニクス素子の接続用の前記フィードスルーのうちの1つと接続されていて、 前記導体路は曲げられていて、 前記導体路間にアース導体路が配置されており、 前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており、 前記導体路は、サブマウント上に配置されており、前記サブマウントは、前記アース導体路の領域に複数の貫通孔を有しており、少なくとも、これらの貫通孔の側壁が金属化されており、前記貫通孔は5〜90°の円錐角を有する截頭円錐形に形成されていることを特徴とする、TOパッケージ。」 なお、本願発明2〜11は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明12は、本願発明1〜11のいずれかのTOパッケージを製造する方法の発明であり、本願発明13及び14は、本願発明12を減縮した発明である。 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1 当審拒絶理由通知書において引用された引用文献1(特開2004−47830号公報)には、図面とともに、次の記載がある。(下線は、当審で付した。以下同じ。) (1)「【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、半導体レーザなどの光半導体素子が搭載される光半導体用パッケージに関し、さらに詳しくは光ファイバが付属した同軸型モジュールや、光ファイバを接続するためのレセプタクル型アダプタ付きの光半導体素子モジュールに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 近年、光ファイバを介して光信号を伝送する光通信システムにおいては、インターネットの普及に伴なう通信トラフィックの増大に応えるため、光信号の伝送速度の高速化が目覚しく、光送受信器においてもその伝送速度が2.5Gb/sから10Gb/sへと移行しつつあり、現在、40Gb/sの伝送速度の実現に向けて研究開発が進められている。これに伴ない、光送受信器の扱う信号の伝送速度についても、高速化が要求されている。 【0003】 光送受信器は、送信するデータ信号を電気信号から光信号に変換し、送信用の光ファイバを介して光信号を送信するとともに、受信用の光ファイバを介して光信号を受信し、受信した光信号を電気信号として再生するものである。 【0004】 この種の光送受信器に用いられる光半導体用パッケージとしては、キャンパッケージ、箱形パッケージなどがある。キャンパッケージを用いた従来技術としては、特開平6−314857号公報、特開平11−233876号公報などがある。 【0005】 特開平6−314857号公報には、ガラス封止の貫通リードピンを有する単相給電方式の光半導体モジュールに関する開示がある。また特開平11−233876号公報には、金属ステムに、別個の誘電体で封止された一対の離間された信号ピンを設け、差動ドライバの一方の出力を一方の信号ピンを介してレーザダイオードの一方の電極に接続し、差動ドライバの他方の出力をダミー負荷を介し、さらに仮想接地線を介してレーザダイオードの他方の電極に接続して、レーザダイオードを駆動するようにした技術が示されている。 【0006】 上記各公報に示されるような単相のキャンパッケージでは、単相方式であるため、10Gb/s以上の変調信号の伝送を行う際には、フィードスルー(ピンが誘電体に覆われた部分)の前後(ピンが誘電体から空気層に露出した部分)でインピーダンスが不整合となり易く、高周波伝送特性が劣化する問題があり、2.5Gb/s程度の信号伝送までにしか利用されていない。 【0007】 なお、特開平11−233876号公報は、差動ドライバにとっての各負荷インピーダンスを同じにして、高速動作時の安定性を図るものでしかなく、信号ピンおよび信号ピンからレーザダイオードまでの線路も差動線路構成としたものではなく、またダミー用抵抗を外部に配置しており、10Gb/s以上の変調信号の伝送において信号品質が劣化する。また、この従来技術は、レーザダイオードにとってみれば、アノードとカソードにそれぞれ正相と逆相の差動信号が与えられていないため、差動駆動されるものではない。 【0008】 箱形パッケージを用いた従来技術としては、特開2000−164970号公報、特開2000−19473号公報などがある。特開2000−164970号公報には、グランデッドコプレナ基板のフィードスルーとマイクロストリップ基板とを接続する単相給電方式の箱型パッケージあるいはマイクロストリップ基板のフィードスルーとマイクロストリップ基板とを接続する単相給電方式の箱型パッケージに関する開示がある。特開2000−19473号公報には、グランデッドコプレナ基板のフィードスルーとマイクロストリップ基板とを接続する単相給電方式の箱型パッケージあるいはグランデッドコプレナ基板のフィードスルーとグランデッドコプレナ基板とを接続する単相給電方式の箱型パッケージ、さらには同軸コネクタのフィードスルーとマイクロストリップ基板とを接続する単相給電方式の箱型パッケージに関する開示がある。 【0009】 この種の箱形パッケージでは、セラミック基板とその上面に設けられた金属パターンでマイクロストリップ線路を構成し、給電線路を精度良く造れるので、レーザダイオードに供給される入力信号の劣化が小さい。しかし、セラミック基板自体が単位面積当たり高価であること、フィードスルーを構成しようとすると多層セラミックとなること、多層セラミックとリードとを接合する点で、蝋付けなどの工程が必要になり、手間がかかることにより、パッケージが高価となる問題がある。また、セラミックパッケージの使用によって、パッケージが大型化してしまう。」 (2)「【0010】 【発明が解決しようとする課題】 この種の光送受信器の分野では、光通信を、幹線系だけでなく、オフィスや家庭などのアクセス系までの市場に広めるためにも、低コストでかつ10Gb/s以上の光伝送を実現することができる光半導体素子モジュールが強く要望されている。 【0011】 しかし、特開平6−314857号公報や特開平11−233876号公報に記載されるような従来の光半導体素子モジュールに用いられるキャン型のパッケージでは、フィードスルーの前後でインピーダンスが不整合となり易く、高周波伝送特性が劣化するという問題があった。従って、上述のような10Gb/s以上のビットレートの信号伝送に耐えることができない。 【0012】 また、特開2000−164970号公報、特開2000−19473号公報などに記載されるような、セラミックで形成された外部端子の設けられた従来の光半導体素子モジュールに用いられる箱形パッケージでは、10Gb/s以上のビットレートで信号伝送することは可能であるものの、セラミック基板自体が単位面積当たり高価であること、フィードスルーを構成しようとすると多層セラミックとなること、多層セラミックとリードとを接合する点で、蝋付けなどの工程が必要になり、手間がかかること、あるいはパッケージが高価となるなどの問題があった。 【0013】 この発明は上記に鑑みてなされたもので、コストを安く維持できるとともに、高周波伝送特性が良好で、10Gb/s以上の高速動作が可能な光半導体用パッケージを得ることを目的とする。」 (3)「【0026】 【発明の実施の形態】 以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光半導体用パッケージの好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態の光半導体用パッケージは、例えば、ビル内に設置されたサーバ間の接続、異なるビルに設置されたサーバ間の接続などのローカルエリアネットワークに適用される光半導体素子モジュールで使用されるものである。 【0027】 実施の形態1. 図1〜図17に従って、この発明の実施の形態1の光半導体素子モジュールに用いる光半導体用パッケージについて説明する。この実施の形態1の光半導体用パッケージは、安価なキャンパッケージ型のモジュール形態を採用しており、パッケージ内には光半導体素子としてレーザダイオード(以下LDという)が内蔵されている。また、本明細書では、光半導体用パッケージとは、密閉用のキャップ(蓋)がないものも含めた総称であるとする。 ・・・略・・・ 【0046】 つぎに、図5〜図18を用いてキャンパッケージ1の各構成要素について説明する。図5は、キャップ13を外した状態におけるキャンパッケージ1を示す斜視図であり、図6はその平面図である。また、図7は、ステムとピンと台座の配置関係などを示すための図である。なお、図6は、説明の都合上、バイアス給電ピン44a,44bと、モニタ信号ピン43などの配置位置が、図3、図5および図7とは若干異なっている。 【0047】 図5〜図7に示すように、キャンパッケージ1は、複数のピンがマウントされた円板状のステム10と、Agロウ付けなどによってステム10の内壁面に垂直に固定される台形柱状の台座11とから構成される。 【0048】 グランドを構成するステム10には、LD駆動回路100からの差動の変調電気信号(以下差動高周波信号ともいう)が伝送される一対の高周波信号ピン41a,41bと、これら高周波信号ピン41a,41bの両側に配される2本のグランドピン42a,42bと、モニタ用の受光素子(例えばフォトダイオード、以下PDという)50の信号伝送のための1本のモニタ信号ピン43と、LD40に対して外部の直流バイアス電流源からバイアス電流を供給する一対のバイアス給電ピン44a,44bと、モニタ用のPD50を搭載するためのPD用チップキャリア45とがマウントされている。例えば、高周波信号ピン41aから図4に示す正相の電流信号I2が引き抜かれるとともに、周波信号ピン41bに対して図4に示す電流信号I2と逆相の電流信号I1が与えられる。 【0049】 これらの信号ピンのうち、高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルーを構成している。後で詳述するが、これら各ピンは、ガラスなどの材料で構成される誘電体を介してステム10に対し気密封止状態で固定されている。グランドピン42a,42bは、グランドを構成するステム10の外壁面に圧着および溶接によって固着されている。PD用チップキャリア45上にマウントされたPD50は、LD40から後方に出射されるモニタ光をモニタするためのものである。 【0050】 ステム10に対し台座11がほぼ垂直に配設されている。台座11の上面には、マイクロストリップ差動線路基板46,47と、LD用チップキャリア48と、バイアス回路用基板49とが搭載されている。台座11とステム10とは表面全体に導電性のメッキが施されている。マイクロストリップ差動線路基板46,47やLD用チップキャリア48の裏面に形成され接地導体層となる平面導体板(以下ベタグランドと呼ぶ)が、台座11の上面に半田接合され電気的に接続されている。また、台座11は、LD40等から発生する熱の放熱経路になっている。 【0051】 マイクロストリップ差動線路基板46は、セラミック基板51と、セラミック基板51の上面に形成された一対のストリップ差動信号線52a,52bと、セラミック基板51の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されている。ストリップ差動信号線52a,52bの一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bの途中には、互いの信号線に接近するように突出された特性インピーダンスが低い、容量として作用するスタブ54a,54bが形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bは、高周波信号ピン41a,41bとのインピーダンス整合のために、ステム10に近い入力側の部分52d(図6)では、特性インピーダンスが高くなるよう信号線間隔が大きく設定されている。また、ストリップ差動信号線52a,52bは、信号線間隔が徐々に接近する部分と、間隔が接近して平行に配置される出力側部分とを有している。ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、図7に示すように、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されている。 【0052】 マイクロストリップ差動線路基板47は、セラミック基板55と、セラミック基板55の上面に形成された一対のストリップ差動信号線56a,56bと、セラミック基板55の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されている。ストリップ差動信号線56a,56bは、信号線方向を略90度折り曲げるためのコーナーカーブ部を有している。ストリップ差動信号線56a,56bの途中には、インピーダンス整合用の抵抗31a,31b(図4参照)がそれぞれ形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続されている。 【0053】 LD用チップキャリア48は、セラミック基板58と、セラミック基板58の上面に形成された一対のストリップ差動信号線59a,59bと、セラミック基板58の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されるマイクロストリップ差動線路を有し、一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載されている。LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続されている。ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続されている。セラミック基板58は、熱伝導性の良い窒化アルミ(AlN)や炭化シリコン(SiC)などの材料から構成されている。LD40としては、10Gb/sの変調が可能な、例えば分布帰還型のレーザダイオード素子が用いられている。 【0054】 バイアス回路用(セラミック)基板49上には、2本の配線パターン62a,62bと一対のインダクタンス回路(ソレノイド及び共振防止抵抗の並列回路)が形成されている。一方の配線パターン62aには、空芯ソレノイド33aおよび空芯ソレノイド33bの線間容量とインダクタンスとの共振を防止する共振防止抵抗34aが電気的に並列接続されるように配置され、他方の配線パターン62bには、同様に、空芯ソレノイド33bおよび共振防止抵抗34bとが電気的に並列接続されるように配置されている。空芯ソレノイド33aおよび空芯ソレノイド33bは互いの磁界が干渉しないように、各ソレノイド33a,33bの中心軸(の延長線)が交差するように、好ましくは直交するように、離間配置されている。2本の配線パターン62a,62bの一方の各端部は、LD用チップキャリア48のストリップ差動信号線56a,56bとワイヤボンド35a,35bを介して接続されており、配線パターン62a,62bの他方の端部は、ワイヤボンド63a,63bを介してステム10に設けられるバイアス給電ピン44a,44bに接続される。 【0055】 つぎに、キャンパッケージ1の各部の特徴的な構成をより詳細に説明する。まずステム10の構成について詳述する。 【0056】 図4に示したLD駆動回路100の差動トランジスタ103,104から出力される差動高周波信号は、図5および図6に示すように、グランデッドコプレナ差動線路70を介してキャンパッケージ1に入力される。グランデッドコプレナ差動線路70は、基板73上に形成された一対の差動信号線71a,71bと、この一対の差動信号線71a,71bを挟むように差動信号線71a,71bの外側に配置されるグランド72a,72bと、裏面に配置されてグランド72a,72bに接続されるベタグランド(図示せず)とから構成されている。 【0057】 グランデッドコプレナ差動線路70の差動信号線71a,71bは、ステム10に設けられた高周波信号ピン41a,41bに接続固定されている。グランデッドコプレナ差動線路70のグランド線72a,72bは、ステム10に設けられたグランドピン42a,42bに接続固定されている。 【0058】 ステム10は、コバール(Fe−Ni合金)、軟鉄、あるいはCuW(銅タングステン)などの金属で構成され、通常、その上層に半田付けのためにNiや金などのメッキが施されている。例えば、コバールや軟鉄からなるステム10は金属板を金型で打ち抜いて作ることができ、また、CuWからなるステム10はメタルインジェクションモールドで作ることができ、製造が簡単なので、コストが安い。ステム10には、複数の孔74,75,76a,76bが分散して形成されており、これらの孔74,75,76a,76bに、誘電体77,78,79a,79bが挿入される。 【0059】 誘電体77には一対のピン挿入孔80a,80bが形成され、これらのピン挿入孔80a,80bに高周波信号ピン41a,41bが挿入固定される。同様に、誘電体78,79a,79bには、孔(符号は省略)がそれぞれ形成され、これらの各孔にモニタ信号ピン43およびバイアス給電ピン44a,44bが挿入固定される。一対の高周波信号ピン41a,41bが挿入される誘電体77の形状は、この場合長円形状を呈している。これに対応して、誘電体77が挿入される孔74も長円形状を呈している。その他の誘電体78,79a,79bは、円形形状としている。なお、グランドピン42a,42bは、ステム10を貫通されておらず、前述したように、ステム10の外壁面10z(図6、図7)に圧着および溶接によって固着されている。 【0060】 ここで、2本の高周波信号ピン41a,41bは、高周波特性を考慮し、誘電体77の少なくとも一方の外側に突出される部分の長さ(LD40側への突出長)が、モニタ信号ピン43およびバイアス給電ピン44a,44bの同突出長よりも短く設定されており、高周波信号ピン41a,41bを伝送される信号が、誘電体77の外側にでると、即座にマイクロストリップ差動線路基板46の差動信号線52a,52bに乗り移れるようにしている。モニタ信号ピン43およびバイアス給電ピン44a,44bの方は、高周波特性の厳しい制約がないので、ある程度の突出長を確保して、ワイヤボンドの接続作業などを容易にしている。 ・・・略・・・ 【0062】 高周波信号ピン41a,41b、モニタ信号ピン43およびバイアス給電ピン44a,44bと、誘電体77,78,79a,79bとをステム10に挿入固定する際には、誘電体挿入用の孔74,75,76a,76bが形成されたステム10上に誘電体77,78,79a,79bを載置した状態で振動を加えることにより、誘電体77,78,79a,79bを孔74,75,76a,76bに落とし込み、さらに同様にしてピン41a,41b,43,44a,44bを誘電体77,78,79a,79bに形成された孔80a,80bなどに落とし込む。そして、この状態で複数のステム10を図示しないカーボン治具に挿入し、その後、一気に電気炉の中で熱をかけることで誘電体を一時的に溶融し、誘電体およびピンをステム10に固定する。 【0063】 ステム10と、台座11とを別体として製造する場合は、台座11はステム10に対しAgロウ付けなどによって接続固定される。勿論、ステム10と台座11とを一体物として製造するようにしてもよい。 ・・・略・・・ 【0085】 本実施の形態1においては、LD駆動回路100の差動トランジスタ103,104の出力からLD40までのインピーダンスマッチングをとるためこれらの間を全て差動線路で構成してLD40を駆動するようにしており、ステム10を貫通するピンも、長円形状の誘電体77に一対の高周波信号ピン41a,41bを貫通させることで、差動線路を構成する差動ピンとしている。このため、両信号ピン間の電気的結合が高くなり、電界を封じ込めることができ、漏洩による損失を低減することができる。したがって、特に寸法バラツキが生じやすい高周波信号ピン41a,41bにおけるステム10からLD駆動回路100側に露出されている部分(以下、ドライバ側ピン露出領域という)の電界の不連続を従来に比べ抑えることができる。さらに、このドライバ側ピン露出領域には、グランドピン42a,42bが高周波信号ピン41a,41bに並走するように配されているので、この部分のインピーダンスを低くして反射を抑えることができる。 【0086】 また、例えば、単相駆動の場合には、LDを駆動した大電流が接地を経由して駆動回路に帰還するので、接地電位が変動するため、近接して設置された微弱電流を検出する光受信系の電子回路に悪影響がでることがあるが、本実施の形態では、差動線路を用いて、LDをプッシュプル動作しているので、大電流は差動線路を流れ、接地電位の変動が少なくなり、周辺回路への影響がでにくいという利点もある。 【0087】 このように、ドライバ側ピン露出領域を差動線路構成としかつその外側にグランドピン42a,42bを配して、この部分のインピーダンスを従来に比べ低くするようにしたので、この部分とステム内側とのインピーダンス差が従来に比べ小さくなり、また電界の不連続も少なくしたので、通過特性および反射特性を改善することができる。 【0088】 高周波信号ピン41a,41bの周りに配置される誘電体77として、ガラスを使用しているので、ステム10の内側部分(高周波信号ピン41a,41bが誘電体77で囲まれているフィードスルー部分、以下ピン非露出領域ともいう)では、インピーダンスが下がりすぎる傾向がある。このピン非露出領域のインピーダンスを上げるためには、高周波信号ピンの周りに配置される誘電体77の断面積(長円の面積)を大きくすればよいが、これでは小型化、省スペース化の要求を満足させることができない。 【0089】 そこで、2本の高周波信号ピン41a,41bは、誘電体77の外側にでると、即座にマイクロストリップ差動線路基板46の差動信号線52a,52bに乗り移れるように、LD40側への突出長を短くするとともに、マイクロストリップ差動線路基板46のストリップ差動信号線52a,52bのうち、高周波信号ピン41a,41bに接続される、ステム10に近い部分52d(図6参照)の間隔を、例えば、差動線路基板47に近い部分の線路間隔よりも大きくしたり、ピン41a、41bの間隔よりも若干広く設定する等、比較的大きく設定することで、この部分の電気的結合を弱くして、この部分52dを高インピーダンスに設定している。例えば、高周波信号ピン41a,41bのフィードスルー部分が60Ω、ストリップ差動信号線52a,52bにおける間隔の広い52dの部分が150Ω、ストリップ差動信号線52a,52bにおける差動線路基板47に近い間隔の狭い部分が100Ωとなるようにしている。 【0090】 このように、ステム10を出た直後の差動線路部分の線路間隔を大きくして、高インピーダンス部分を故意に作成しており、この高インピーダンス部分とステム内側(ピン非露出領域)の低インピーダンス部分とでインピーダンスを相殺させ、全体的に見てインピーダンスを整合させるようにしている。すなわち、ピン非露出領域(フィードスルー部分)は低インピーダンスであるので、その後にハイインピーダンスを少し作って、全体としてのインピーダンスマッチングをとるようにしている。 【0091】 また、ストリップ差動信号線52a,52bの途中には、インピーダンス整合用の一対のスタブ54a,54bを形成しており、これら一対のスタブ54a,54bによりインピーダンスを下げてストリップ差動信号線56a、56bとのミスマッチングが発生しないようにしている。すなわち、これら一対のスタブ54a,54bにより、ドライバ側ピン露出領域のリアクタンス成分と、ピン非露出領域(フィードスルー部分)のリアクタンス成分を補償して、通過特性および反射特性を改善している。 【0092】 また、この場合、一対のスタブ54a,54bは、外側にではなく、内側に(互いの信号線に接近するように)突出されているので、マイクロストリップ差動線路基板46の小型化に寄与する。なお、小型化が必要ない場合は、図11に示すように、差動線路52a,52bの外側に突出するようにしてもよい。」 (4)「【0115】 なお、上記実施の形態1において、マイクロストリップ差動線路基板46,47の代わりに図17に示すようなグランデッドコプレナ差動線路46bを用いるようにしてもよい。グランデッドコプレナ差動線路46bは、前述したように、基板上に形成された一対の差動信号線と、この一対の差動信号線を挟むように差動信号線の外側に配置されるグランドと、裏面に配置されるベタグランドとから構成されている。」 (5)「【0134】 ところで、上述の実施の形態においては、差動信号を入力するためのステム構成をLD40が搭載されたLDモジュールに適用するようにしたが、上記ステム構成を、電界吸収型光変調器(EA変調器、Electro−absorption Modulator)が搭載されたEAモジュールや、受光素子が搭載されて光信号を受信するPDモジュールに適用するようにしてもよい。勿論、LDの温度調整用のペルチェ素子を用いたものであってもよいことは云うまでもない。」 (6)図5〜7及び図17は次のとおりである。 図5 図6 図7 図17 (7)以上から、引用文献1には、実施の形態1に関する次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。(なお、括弧内は認定の根拠とした段落番号などを示す。以下同じ。) 引用発明 「光半導体用パッケージ(キャンパッケージ)1であって、 キャンパッケージ1は、複数のピンがマウントされた円板状のステム10と、Agロウ付けなどによってステム10の内壁面に垂直に固定される台形柱状の台座11とから構成され(【0047】、図5〜7)、 高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルーを構成し(【0049】)、 ステム10に対し台座11がほぼ垂直に配設され、台座11の上面には、マイクロストリップ差動線路基板46,47と、LD用チップキャリア48とが搭載され、台座11とステム10とは表面全体に導電性のメッキが施され、マイクロストリップ差動線路基板46,47やLD用チップキャリア48の裏面に形成され接地導体層となる平面導体板(ベタグランド)が、台座11の上面に半田接合され電気的に接続され(【0050】)、 マイクロストリップ差動線路基板46は、セラミック基板51と、セラミック基板51の上面に形成された一対のストリップ差動信号線52a,52bと、セラミック基板51の裏面に形成されたベタグランドで構成され、ストリップ差動信号線52a,52bの一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成され(【0051】)、 マイクロストリップ差動線路基板47は、セラミック基板55と、セラミック基板55の上面に形成された一対のストリップ差動信号線56a,56bと、セラミック基板55の裏面に形成されたベタグランドで構成され、ストリップ差動信号線56a,56bは、信号線方向を略90度折り曲げるためのコーナーカーブ部を有しており、ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続され(【0052】)、 LD用チップキャリア48は、セラミック基板58と、セラミック基板58の上面に形成された一対のストリップ差動信号線59a,59bと、セラミック基板58の裏面に形成されたベタグランドで構成されるマイクロストリップ差動線路を有し、一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載され、LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続され、ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続され、LD40としては、10Gb/sの変調が可能な、例えば分布帰還型のレーザダイオード素子が用いられ(【0053】)、 マイクロストリップ差動線路基板46,47の代わりにグランデッドコプレナ差動線路46bを用いるようにしてもよく、グランデッドコプレナ差動線路46bは、基板上に形成された一対の差動信号線と、この一対の差動信号線を挟むように差動信号線の外側に配置されるグランドと、裏面に配置されるベタグランドとから構成され(【0115】、図17)、 LDの温度調整用のペルチェ素子を用いたものであってもよい(【0134】)、 光半導体用パッケージ(キャンパッケージ)1。」 2 引用文献2 当審拒絶理由通知書において周知例として提示された引用文献2(特開2011−108939号公報)には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【発明を実施するための形態】 【0019】 以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図2は本発明のTO-CAN型TOSAモジュールの一例を示す図である。TO-CAN型TOSAモジュール100は、気密封止用の誘電体11(図1参照)、13a、13b(図2参照)と、高周波電気信号やDC電流を通すための複数の配線端子(信号リード線)2a、2b・・・とを備えたステム10上に光半導体光源素子110a等を搭載して構成されている。図示の例では、配線端子2aに高周波電気信号を通している。また、ステム10の底面にはフレキシブルプリント基板(FPC)6が設けられている。ただし、13bで十分な気密封止が確保できる場合、誘電体13aについては気密封止を目的としない材料を選択することも可能である。 【0020】 ステム10に用いられる材料は、発熱源である光半導体光源素子110aから発生する熱を放熱する効率を高めるという観点では、熱伝導率が高い材料であることが求められる。ただし、ステム10を構成する材料として金属系の熱伝導率が高いものを用いると、一般に熱膨張係数も高いものとなる。一方、温度変化によって、高周波電気信号を通すための配線端子2aの周囲に設けられる気密封止用のガラス材料とステムとの間でひずみが生じないように、ステム10と同程度の高い熱膨張係数を有するガラス材料を用いることが求められる。ここで、ステム10の熱伝導率を優先して高い熱膨張係数を持つガラス材料を用いる場合、一般にガラス材料の比誘電率も大きなものになる事に注意する必要がある。配線端子2aのうち、ステム10を通過する部分は、中心導体が封止用の円形ガラスで囲まれた同軸ケーブルみなせるが、同軸ケーブルには、その特性インピーダンスが標準値の50Ωであることが求められる。50Ωのインピーダンスを比誘電率の高いガラスで実現するには、ガラスの直径が1mmを大幅に超える大きさになる。ステムに埋め込まれたガラスの上に素子を置くことは信頼性上不可能であり、ステム内でガラスが大きな面積を占有するような構造は許容できない。 【0021】 これらの観点から、ステム10を2層構成とし、ステムの上層10a(発熱源である光半導体光源素子110a等がペルチェ素子109等を介して間接的に搭載される)を熱伝導率が高い材料で構成し、ステムの下層10bを比誘電率と熱膨張係数が小さいガラス材料にマッチする材料で構成している。例えば、ステム上層10aを熱伝導率が高いSPC(軟鋼、冷間圧延鋼)で構成し、ステム下層10bを熱膨張係数が小さいFe(鉄)−Ni(ニッケル)−Co(コバルト)合金(Kovar、コバール)で構成することができる。 【0022】 ステム上層10aは、配線端子2aの周囲が中空(空気は比誘電率がほぼ最小の1)にされている。一方でステム下層10bは、配線端子2aの周囲の誘電体13bとして比誘電率と熱膨張係数が小さいガラス材料が同軸状に配置されることによりステム10を気密封止している。図2には、ステム10内を貫通して設けられる配線端子2aの周囲の誘電体13a、13bの配置関係が破線を用いて示されている。ステム上層10aの誘電体13aとして用いられる空気の誘電率は、ステム下層10bの誘電体13bとして用いられるガラス材料の誘電率よりも低い。従って、ステム上層10aの誘電体13aの部分、すなわち中空の部分の径は、ステム下層10bの誘電体13bの部分、すなわちガラス材料が設けられた部分の径よりも小さく構成できる。ステム上層10aにおいて、高周波電気信号を通す配線端子2aの周囲を中空、すなわち誘電体として低誘電率の空気を用いると、配線端子2aの周囲の断面積を小さく構成しても特性インピーダンスを50Ωに整合させることができる、すなわちインピーダンスマッチングが取れるため、小型化に貢献できるという点でも好ましい。また、配線端子2aの周囲の断面積を小さく構成できること以外にも、ステム10上に搭載する素子の面積を広く確保できるという利点や配線端子周辺を気密封止したステムにレンズキャップを抵抗溶接する際の応力負荷を低減し、ガラス材料にクラックが入るなどのリスクを低減することができる。尚、本実施例では、高周波配線端子の特性インピーダンスが50Ωとなるように構成した例を示したが、チップや外部駆動回路の構成によって特性インピーダンスが50Ω以外の値となるように設計してもよい。 【0023】 ステム10には上面に突出したノーズ10cがステム10aのプレス加工時に一体形成されている。ノーズ10cはステム上層10aと同じSPC等の金属製の材料で構成することができる。ステム10は底面に設けられたグランドピン(図示せず)によって接地されることでグランド電位に保たれている。ノーズ10cも、このステム10と一体成形されることによってグランド電位に保たれている。ノーズ10cの前面(図示手前側の面)には中継線路基板101が半田によって固定されている。中継線路基板101は、AlN(窒化アルミ)、Al2O3(アルミナ)等のセラミック材料で構成することができる。ノーズ10c前面に固定された中継線路基板101の前面には、高周波変調信号(光半導体光源素子の駆動信号)用の信号リード線2aと接続される中継線路(信号線路)102aと、この中継線路102aの両側に配置される誘電体(誘電体が露出されている部分)80と、誘電体80を挟んで中継線路102aの両側に形成されたグランドパターン102Gとが設けられている。中継線路基板101前面に設けられたグランドパターン102Gは、スルーホールh1、h2、h3・・・を介して中継線路基板101の裏側に配されるノーズ10cとグランド接続されている。さらに中継線路基板101のグランドパターン102Gは、ステム10に近接する領域においてステム10に半田S1、S2によって接続されてステム10と同電位にされることで安定なマイクロ波の伝搬ができるようにグランド強化されている。 【0024】 中継線路基板101上の中継線路102aは、ボンディングワイヤ104を介してサブキャリア基板108上の中継線路(信号線路)102bと接続されている。サブキャリア基板108は、AlN(窒化アルミ)、Al2O3(アルミナ)等のセラミック材料で構成することができる。この中継線路102bの両側には誘電体(誘電体が露出されている部分)81が配置され、誘電体81の周囲には、グランドパターン120Gが構成されている。サブキャリア基板108上の中継線路102bを伝搬するマイクロ波の安定化のために、中継線路基板101のグランドパターン102Gとサブキャリア基板108のグランドパターン120Gとが、ボンディングワイヤ103a、103b(以下、第1のワイヤともいう)によって接続されている。 【0025】 本発明のTO-CAN型TOSAモジュール100は、後述するように、中継線路基板101のグランドパターン102Gとサブキャリア基板108のグランドパターン120Gとを接続するボンディングワイヤ103a、103b(第1のワイヤ)に加えて、ノーズ10cとキャリア105とを接続するボンディングワイヤ103c、103d、103e、103f等(以下、第2のワイヤともいう)を設けたことに特徴がある。この第2のワイヤを設けることにより、Cu−W(銅−タングステン金属化合物)等の金属すなわち導体で構成されたキャリア105のグランドを強化するとともに間接的にサブキャリア基板108のグランドをも強化することができる。第2のワイヤとしては、図示のような線形状のワイヤ以外にも、リボン状のワイヤを用いてもよい。また、第1のワイヤおよび第2のワイヤはそれぞれ、Au(金)等の良導体材料で構成できる。なお、図2の例では、第2のワイヤをノーズ10cおよびキャリア105の背面および天面の両方に設ける場合を例に挙げて説明しているがこれに限定されない。図3および図4を用いて後述するように、背面または天面のいずれか一方に設けてもよい。 【0026】 ステム10上には、冷却素子としてのペルチェ素子109が搭載されており、ペルチェ素子109上には、各種部品を搭載するためのキャリア105が載置されている。このため従来TO-CAN型TOSAモジュール50(図1参照)では、キャリア105は、ペルチェ素子109上に載置されることによってグランド接地されたステム10から絶縁され、電気的にフローティング状態にあった。しかし、本発明のTO-CAN型TOSAモジュール100においては、グランド接地されたステム10と一体に形成されたノーズ10cと接続する第2のワイヤが設けられているので、キャリア105がグランド強化されている。 【0027】 また、キャリア105には、上部に光半導体光源素子110aからの光をコリメート光にするためのレンズ106が搭載され、その下側にサブキャリア基板108を搭載している。サブキャリア基板108には、光半導体光源素子として、レーザダイオードと光変調器部とをモノリシック集積したチップ110aが搭載され、他に光変調器部を駆動制御するための中継線路102b、終端抵抗110b、コンデンサ110c、温度センサとしてのサーミスタ110dなどが搭載されている。レーザダイオードからの光が光変調器部を通過する際に、中継線路102bから変調器部に印加される電気信号に応じた変調信号が光信号に付与(重畳)される。終端抵抗110b、コンデンサ110cなどは、中継線路102bから光変調器部に効率よく高周波電気信号を引き込むようにその抵抗値や容量、配置が設計されている。キャリア105には、さらに、レーザ出力を監視するフォトダイオード(PD)110e、コンデンサ110fなどが搭載され、外部から光デバイスの動作状態をモニタしたり、電源回路の揺らぎ等の影響が光デバイスに及ばないようにしたり出来るように設計されている。なお、ここでは光半導体光源素子110aの構成を外部変調型とした場合について説明したが、レーザダイオードそのものを変調する直接変調型で構成してもよい。」 (2)図1及び図2は次のとおりである。 図1 図2 3 引用文献3 当審拒絶理由通知書において周知例として提示された引用文献3(特開2011−197360号公報)には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【0012】 実施の形態1. 図1は、実施の形態1に係る半導体光変調装置を示す斜視図である。金属ステム1をリードピン2が貫通している。リードピン2はガラス材3を介して金属ステム1に固定されている。金属ステム1及びリードピン2は、例えば銅、鉄、アルミニウム又はステンレスなどの金属からなり、金メッキやニッケルメッキなどを表面に施してもよい。 【0013】 金属ステム1上に支持ブロック4及び温度制御モジュール5が実装されている。温度制御モジュール5にはペルチェ素子5aが設けられ、ペルチェ素子5aは放熱面5bと冷却面5cとの間に挟まれている。温度制御モジュール5の冷却面5c上に支持ブロック6が実装されている。支持ブロック4の側面に誘電体基板7が実装されている。支持ブロック6の側面に誘電体基板8が実装されている。 【0014】 支持ブロック4,6は、例えば銅、鉄、アルミニウム又はステンレスなどの金属からなる。ただし、支持ブロック4,6は、セラミックや樹脂などの絶縁体に金属が被覆された構造でもよい。誘電体基板7,8は、例えばアルミナなどのセラミックやエポキシなどの樹脂からなる。なお、支持ブロック4は、リードピン2の近傍に配置することが好ましい。支持ブロック6は、誘電体基板7の近傍に配置することが好ましい。 【0015】 誘電体基板7上に信号線路9が形成されている。誘電体基板7上に、信号線路9との間隔を一定に保った状態で接地導体10が形成されている。信号線路9と接地導体10がコプレナ線路を構成している。接地導体10は、誘電体基板7に形成されたビア(不図示)を介して支持ブロック4に接続されている。 【0016】 誘電体基板8上に信号線路11及び整合抵抗12が形成されている。誘電体基板8上に、信号線路11との間隔を一定に保った状態で接地導体13が形成されている。信号線路11と接地導体13がコプレナ線路を構成している。接地導体13は誘電体基板8の側面にも形成されている。 【0017】 誘電体基板8上に半導体光変調素子14が実装されている。半導体光変調素子14は、例えばInGaAsP系量子井戸吸収層を用いた電界吸収型光変調器と分布帰還型レーザダイオードとをモノリシックに集積した変調器集積型レーザ(EAM−LD)や、半導体MZ(Mach-Zehnder)光変調器などである。 【0018】 信号線路9の一端とリードピン2はボンディングワイヤ15により接続されている。信号線路9の他端と信号線路11の一端はボンディングワイヤ16により接続されている。接地導体10と接地導体13はボンディングワイヤ16´により接続されている。信号線路11の他端と半導体光変調素子14の信号端子はボンディングワイヤ17により接続されている。半導体光変調素子14と整合抵抗12の一端はボンディングワイヤ18により接続されている。整合抵抗12の他端と支持ブロック6はボンディングワイヤ19により接続されている。」 (2)図1は次のとおりである。 図1 4 引用文献4 当審拒絶理由通知書において周知例として提示された引用文献4(国際公開第2010/140473号)には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「[0012] 実施の形態1. 図1は、本発明に係る半導体光変調装置の実施の形態1の概略構成を示す斜視図である。図1において、金属ステム1には、金属ステム1を貫通するリードピン2が設けられ、リードピン2はガラス材3を介して金属ステム1に固定されている。なお、金属ステム1およびリードピン2の材料は、例えば、銅、鉄、アルミニウムまたはステンレスなどの金属を用いることができ、金メッキやニッケルメッキなどを表面に施すようにしてもよい。 [0013] また、金属ステム1上には、温度制御モジュール4および支持ブロック5が実装されている。ここで、温度制御モジュール4には、ペルチェ素子4bが設けられ、ペルチェ素子4bは放熱面4aと冷却面4cとの間に挟まれている。 [0014] そして、支持ブロック5の側面には誘電体基板6が実装されるとともに、温度制御モジュール4の冷却面4c上には支持ブロック9が実装されている。そして、支持ブロック9側面には誘電体基板10が実装され、誘電体基板10上には半導体光変調素子13が実装されている。なお、半導体光変調素子13としては、例えば、InGaAsP系量子井戸吸収層を用いた電界吸収型光変調器と分布帰還型レーザダイオードとをモノリシックに集積した変調器集積型レーザ(EAM−LD)を用いるようにしてもよいし、LiNbO3マッハツェンダ型光変調器などを用いるようにしてもよい。 [0015] ここで、誘電体基板6上には、信号線路7およびグランド導体8が形成されている。なお、信号線路7は、誘電体基板6の互いに直交する辺に渡って配置することができる。また、グランド導体8は、信号線路7との間隔を一定に保った状態で誘電体基板6上の全面に形成し、コプレナ線路を構成することができる。また、グランド導体8は、誘電体基板6に形成されたスルーホールを介して支持ブロック5と電気的に接続することができる。 [0016] また、誘電体基板10上には、信号導体11およびグランド導体12が形成されている。なお、グランド導体12は、信号導体11と所定の間隔を隔てて誘電体基板10上に形成することができる。また、グランド導体12は、誘電体基板10の側面にも形成するようにしてもよい。」 (2)図1は次のとおりである。 図1 5 引用文献5 当審拒絶理由通知書において周知例として提示された引用文献5(国際公開第2010/140473号)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、差動信号を伝送する配線基板、該配線基板を備える半導体素子パッケージおよび半導体装置に関する。 【背景技術】 【0002】 光伝送を利用することで信号通信は、大幅に高速化され、電気信号の伝送も高速化されている。高速化伝送に適した伝送方式として、差動線路伝送方式が用いられる。差動線路方式は、逆位相の高周波信号を一対の伝送線路によって伝送し、伝送先で2つの信号から電位差を検出する。一対の伝送線路による伝送中にノイズが混入しても、電位差を検出することで、混入したノイズがキャンセルされるので、ノイズ耐性の高い信号伝送が実現できる。 【0003】 一対の差動線路は、誘電体基板上に一定の間隔を空けて平行に配設され、信号が伝送されると、互いに結合して所定のインピーダンスとなるように線路設計される。しかしながら、一対の伝送路の一方端部側と他方端部側とでは、接続される回路や電子部品が異なるので、端部における線路間の間隔を接続先に応じて変更すると、一方端部側と他方端部側とで間隔が異なる場合がある。たとえば、一方端部側での間隔よりも他方端部側での間隔が大きくなる。 ・・・略・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 高周波差動線路の場合は、2本の信号配線(S)に差動信号を伝送させ、その両側に沿って接地配線(G)を設けることで、差動信号を安定して伝送させている。 【0007】 このように、高周波差動線路は、G−S−S−Gと並べて配置する場合が多い。これに対し、G−S−G−S−Gと配置する差動線路もある。一端にG−S−S−Gの差動線路を接続し、他端にG−S−G−S−G配置を有する差動線路を接続する場合は、両端部において配線の配置が異なっているのでそのまま接続することができない。」 6 引用文献6 当審拒絶理由通知書において周知例として提示された引用文献6(特開2016−115736号公報)には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【0012】 図1は、本発明の実施形態である半導体素子パッケージ1の構成を示す斜視図である。半導体素子パッケージ1は、基体2と枠部材3と端子部材4とを備え、基体2の一方主面2aに枠部材3が設けられ、この枠部材3の基体2側には切り欠き3aが形成されている。切り欠き3aは、基体2の一方主面2aと枠部材3との間の間隙となり、端子部材4は間隙となっている切り欠き3aを塞いで設けられている。 【0013】 本実施形態では、半導体素子パッケージ1に収納される半導体素子は、LD(レーザダイオード)、PD(フォトダイオード)などの光半導体素子であるが、基体2と枠部材3と端子部材4とを備える半導体素子パッケージ1に収納可能な半導体素子であれば、センサ素子や撮像素子などその他の半導体素子であってもよい。 ・・・略・・・ 【0023】 図2〜図5は、端子部材4の構成を説明するための斜視図である。図2は、第1誘電体層5の表面に、複数の信号配線導体6と複数の同一面接地導体層7とが設けられた状態を示している。図3は、同一面接地導体層7に接続する貫通導体8を示している。図4は、信号配線導体6と同一面接地導体層7の中央部分を覆うように第2誘電体層9が設けられた状態を示している。図5は、第2誘電体層9上にさらに第3誘電体層10が設けられた状態を示している。図2〜図5では、信号配線導体および誘電体層と、接地電位が付与される接地導体層との区別をわかり易くするために、接地導体層にハッチングを施している。 【0024】 第1誘電体層5は、たとえば誘電体材料であるセラミックス材料からなり、一表面に複数の信号配線導体6と複数の同一面接地導体層7とが設けられる。信号配線導体6は、半導体素子パッケージ1に収納される半導体素子と電気的に接続する一方端部6aおよび外部配線と電気的に接続する他方端部6bとを有している。 【0025】 なお、第1誘電体層5は、信号配線導体6と複数の同一面接地導体層7とが設けられる平坦な表面を有する層状または板状の部分を含んでいればよく、全体の形状は、枠部材3の切り欠き3aの基体2側を塞ぐように形成される。 【0026】 同一面接地導体層7は、信号配線導体6の両側に信号配線導体6と一定の間隔を空けて配置されており、信号配線導体6と同一面接地導体層7とは、概略コプレナー線路の構成を有している。 【0027】 また、信号配線導体6は、それぞれが個別の信号を伝送してもよく、同一面接地導体層7を挟んで隣り合う2本の信号配線導体6によって、互いに逆位相の信号をそれぞれ伝送する差動信号配線であってもよい。差動信号配線は、耐ノイズ性能が高く、高周波信号の伝送に好適である。 【0028】 信号配線導体6の導体幅は、たとえば0.05mm〜1mmであり、信号配線導体6の配線ピッチは、たとえば0.5mm〜5mmであり、信号配線導体6と同一面接地導体層7との間隔は、たとえば0.03mm〜1mmである。同一面接地導体層7の大きさは、信号配線導体6の導体幅、配線ピッチおよび信号配線導体6との間隔に基づいて適宜決定することができる。」 ・・・略・・・ 【0040】 本実施形態では、第2誘電体層9の信号配線導体6および同一面接地導体層7に対向する面とは反対側の面に、側面接地導体層11と電気的に接続する主面接地導体層12が設けられる。主面接地導体層12は、第2誘電体層9の主面にベタパターン状に設けられ、側面に設けられた側面接地導体層11の同一面接地導体層7に接続する一辺に平行な他辺と主面接地導体層12とが接続されている。主面接地導体層12は、側面接地導体層11を介して同一面接地導体層7と導通し、側面接地導体層11および同一面接地導体層と同じ接地電位となる。 【0041】 主面接地導体層12は、第2誘電体層9の主面にベタパターン状に設けられ、第2誘電体層9を介して信号配線導体6を覆っており、信号配線導体6の内層部分において、信号配線導体6と結合する。これにより、信号配線導体6の内層部分では、両隣の同一面接地導体層7および主面接地導体層12と結合した状態で高周波信号が伝送される。 【0042】 図3に示した貫通導体8は、第2誘電体層9を厚み方向に貫通する導体であり、実際には、図3のように同一面接地導体層7上に自立しているものではない。貫通導体8は、第2誘電体層9に埋め込まれた状態となるので、図3ではわかり易いように、第2誘電体層9を図示せず、貫通導体8の位置などを概略的に示している。 【0043】 貫通導体8は、第2誘電体層9を厚み方向に貫通することで、同一面接地導体層7と主面接地導体層12とを電気的に接続する。貫通導体8は、信号配線導体6を間に挟むように各同一面接地導体層7にそれぞれ複数接続するように設けられ、たとえば、信号配線導体6が延びる第1方向に沿って一直線状に設けられる。 【0044】 同一面接地導体層7と主面接地導体層12とを電気的に接続することで、同一面接地導体層7および主面接地導体層12と、これらに接続する側面接地導体層11の接地電位をより安定させることができる。また、信号配線導体6の内層部分において、貫通導体8は信号配線導体6との間で電界が結合する。これにより、信号配線導体6の内層部分では、両隣の同一面接地導体層7、主面接地導体層12および貫通導体8との間で電界が結合した状態で高周波信号が伝送される。 【0045】 貫通導体8は、たとえば、長さは、第2誘電体層9の厚みと同じであり、直径が0.05mm〜1mmであり、ピッチが0.1mm〜2mmである。」 (2)図3及び図4は次のとおりである。 図3 図4 7 引用文献7 当審拒絶理由通知書において周知例として提示された引用文献7(特開2003−174108号公報)には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【0010】 【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る光通信用パッケージの平面図、A−A’線断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ同光通信用パッケージのアダプターの台座部と伝送基板の接合部の拡大平面図、B−B’線断面図、図3(A)〜(E)はそれぞれ同光通信用パッケージの製造方法の説明図である。 【0011】図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る光通信用パッケージ10は、金属製の枠体11と、ボード等に取り付けるための固定用孔12(この実施の形態では4個)を備えた金属製の底体13とをろう付け接合して、内部に光通信用の半導体素子を搭載するためのキャビティ部14を有している。枠体11の一側壁には、キャビティ部14に連通して切り欠いて形成した取付部15が設けられている。この取付部15には、KVや42アロイ等の金属部材からなるアダプター16の側壁部17がAg−Cuろう等の高温ろう材を用いて接合されている。このアダプター16は、側壁部17に一体化され、キャビティ部14に配置される台座部18を有している。また、側壁部17には、同軸コネクター19を接続するための挿通孔20を有している。挿通孔20には、Au−Snろうや、Au−Geろう等からなる低温ろう材で接合された同軸コネクター19を有している。同軸コネクター19は、KVや、42アロイ等の金属部材からなる金属製筒体21の筒内中央部に、金属製筒体21の軸心を合わせて、高融点ガラス等の絶縁部材22で長さ方向の中央部で接合されたコネクター芯線23を有する。 【0012】図2(A)、(B)に示すように、アダプター16の台座部18上には、セラミックからなる伝送基板24を、コネクター芯線23のキャビティ部14内に突出する一方の側部の下側に配置し、一端面部をアダプター16の側壁部17に実質的に隙間を無くして当接させ、底面側をAu−Snろうや、Au−Geろう等からなる低温ろう材25で接合して有している。この伝送基板24は、同軸コネクター19を介して高周波信号を流すときの高周波対応のために、例えば、マイクロストリップ線路、コプレナ線路、グランデッドコプレナ線路等の構造(本実施の形態ではグランデッドコプレナ線路構造で説明)を有した信号用の金属導体パターン26aと、グランド用の金属導体パターン26bを有している。伝送基板24の上面側の中央部に、コネクター芯線23の軸線方向に合わせて設けられた信号用の金属導体パターン26aには、コネクター芯線23の一方の側部がAu−Snろうや、Au−Geろう等からなる低温ろう材で接合されている。また、伝送基板24の上面側には、平面視して信号用の金属導体パターン26aを挟んで両側に絶縁間隔部を設けてグランド用の金属導体パターン26bが設けられ、更に、底面側にも、全面にわたってグランド用の金属導体パターン26cが設けられ、そして、上面と、底面を貫通する貫通孔の壁面に金属導体パターン26dを形成した中空ビア27によって、上面側と、底面側のグランド用の金属導体パターン26b、26cが導通状態に形成されている。 【0013】中空ビア27には、断面視してテーパ部28を有し、テーパ部28に設けられた金属導体パターン26dの表面には、金属薄膜層29を有している。この金属薄膜層29は、Au−Snろうや、Au−Geろう等からなる低温ろう材25が溶融した時のろう流れを阻害するCrや、Ni等からなる金属で形成されている。このろう流れを阻害する金属薄膜層29によって、伝送基板24をアダプター16の台座部18に低温ろう材25で接合しても、中空ビア27から低温ろう材25が伝送基板24の上面側に這い上がるのを防止することができる。そして、信号用の金属導体パターン26aと、グランド用の金属導体パターン26bの上面側は、光通信用の半導体素子とそれぞれボンディングワイヤで接続するのに用いられる。 【0014】中空ビア27のテーパ部28は、アダプター16の台座部18に接合する側の開口径が大きく形成されているのがよい。大きい開口径部から接合時に巻き込まれる気泡が排出されやすくなり、伝送基板24の浮き上がりを防止することができる。また、低温ろう材の這い上がりに対しては、ろう材が這い上がる方向に孔径が小さくなって這い上がり抵抗が大きくなる側に作用するので、更に、這い上がりを防止することができる。」 (2)図2は次のとおりである。 図2 8 引用文献E 原査定において周知例として提示された引用文献E(特開2016−12601号公報)には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【0023】 図1は本発明の一実施形態の配線基板10を示す平面図である。なお、図において、分かりやすくするために導体部分にハッチングを付している。これらハッチングは断面を示すものではない。 【0024】 図1に示すように、配線基板10には、誘電体から成る基板1の表面に、線路導体2が形成されている。線路導体2の両側には、所定間隔を隔てて接地導体3が形成されている。線路導体2および両側の接地導体3は、いわゆるコプレナー線路を形成している。なお、配線基板10のコプレナー線路が形成されている部分の裏面に、第2接地導体(不図示)が形成され、いわゆるグランデッドコプレナー線路とされていてもよい。 【0025】 線路導体2は、例えば蛇行するように配置され、曲線状に屈曲する曲線部Rを有している。線路導体2は、曲線部Rにおいて、曲線の曲がる方向と反対側の側部が一定幅に切り欠かれた切り欠き部2aを有している。典型的な線路導体2の幅は、例えば0.08mmである、また切り欠き部2aの幅は0.01mmである。通常、線路導体2の両側の接地導体3との間隔W1は均等になるように設計される。しかしながら、このことによって線路導体2の曲がる方向と反対側の接地導体3と線路導体2との間隔W2は、曲線部Rでない部分の間隔W1よりも広くなっている。 【0026】 一方、線路導体2の曲線の曲がる方向と同じ方向側の側部には一定幅に突出する形状の突出部2bが設けられている。典型的な突出部2bの突出幅は、例えば0.01mmである。これによって、線路導体2の曲がる方向と同じ方向側の接地導体3と線路導体2との間隔W3は、曲線部Rでない部分の間隔W1よりも狭くなっている。 【0027】 なお、曲線の曲がる方向とは、曲線の曲率中心が存在する側であることを意味し、曲線の曲がる方向と反対側とは、この曲率中心が存在する側とは曲線を跨いで反対側であることを意味する。以降説明においては、曲線の曲がる方向と同じ方向を曲線の内側、曲線の曲がる方向と反対側方向を曲線の外側とも称する。 【0028】 図1に示す例においては、曲線部Rにおける線路導体2の外側の側部が切り欠かれ、線路導体2の内側の側部が突出されている。つまり、線路導体2は、曲線部Rにおいて、全体が曲線部Rの内側方向側に一定距離だけシフトさせたような形状に形成されている。 【0029】 曲線部Rの外側方向における線路導体2と接地導体3との間隔W2を広くし、曲線部Rの内側方向における線路導体2と接地導体3との間隔W3を狭くする手段としては、この他にも様々な形態とすることが可能である。 【0030】 例えば、図2に示す例は、曲線部Rにおいて、曲線部Rの内側方向側の接地導体3が一定幅に突出させた突出部3aとして形成されている。典型的な突出部3aの突出幅は、例えば0.01mmである。これによって、線路導体2の内側方向の線路導体2と接地導体3との間隔を狭くすることができる。 【0031】 一方、曲線部Rにおいて、曲線部Rの外側方向側の接地導体3が一定幅切り欠かれた切り欠き部3bを有する形状に形成されている。典型的な切り欠き部3bの切り欠き幅は、例えば0.01mmである。これによって、線路導体2の外側方向の線路導体2と接地導体3との間隔を広くすることができる。 【0032】 図2に示す例においては、曲線部Rにおいて、曲線部Rの外側方向側に接地導体3全体をシフトさせたような形状に形成されている。これによって、曲線部Rの外側方向側において線路導体2と接地導体3との間隔W2を広くし、曲線部Rの内側方向側において線路導体2と接地導体3との間隔W3を狭くすることができる。 【0033】 また、上述の手段を組み合わせることによって実現してもよい。例えば、図3に示す例においては、曲線部Rにおいて、線路導体2の外側方向側の側部に切り欠き部2aが設けられている。一方、線路導体2の内側方向側の側部に突出部2bを設ける代わりに、内側方向側の接地導体3の側部に突出部3aが設けられている。これによって、曲線部Rの外側方向側において線路導体2と接地導体3との間隔を広くし、曲線部Rの内側方向側において線路導体2と接地導体3との間隔を狭くしている。 【0034】 さらに、線路導体2の両側に切り欠き部2aおよび突出部2bを設け、線路導体2の両側の接地導体3に突出部3aと切り欠き部3bとを設けて実現してもよい。例えば、図4は、曲線部Rにおいて、線路導体2の両側に切り欠き部2aと突出部2bとを設け、同時に、接地導体3に突出部3aと切り欠き部3bとを設けた例を示す。 【0035】 これら、曲線部Rにおいて、線路導体2の外側方向の線路導体2と接地導体3との間隔W2を広くし、内側方向の線路導体2と接地導体3との間隔W3を狭くすることによって、コプレナー線路の反射損失を低くすることができる。」 (2)図1〜図3は次のとおりである。 図1 図2 図3 第6 対比、判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「光半導体用パッケージ(キャンパッケージ)1」は、本願発明1の「TOパッケージ」に相当する。 イ 引用発明において、「高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルーを構成し」、「ストリップ差動信号線52a,52bの一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させるためのパッド53a,53bが形成され」、「ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続され」、「ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続され」、「一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載され、LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続され」ることから、「高周波信号ピン41a,41b」は、「ステム10」に設けられた2つの「フィードスルー」をなしており、各ストリップ差動信号線を介して、「LD40」のカソード、アノードにそれぞれ接続するものであるといえる。 ここで、引用発明において、「マイクロストリップ差動線路基板46,47の代わりにグランデッドコプレナ差動線路46bを用いるようにし」たものは、「マイクロストリップ差動線路基板46,47」における「ストリップ差動信号線52a,52b」、「ストリップ差動信号線56a,56b」を、「一対の差動信号線」及び「この一対の差動信号線を挟むように差動信号線の外側に配置されるグランド」に置き換えたものであるから、上記「高周波信号ピン41a,41b」は、当該「一対の差動信号線」を介して、「LD40」のカソード、アノードにそれぞれ接続することとなる。 そうすると、引用発明の「グランデッドコプレナ差動線路46bを用いるようにし」たものにおける「ステム10」、「LD40」、「高周波信号ピン41a,41b」、「一対の差動信号線」は、それぞれ本願発明1の「ベース部品」、「光エレクトロニクス素子」、「2つのフィードスルー」、「2つの導体路」に相当し、引用発明は、本願発明1の「ベース部品を備え、前記ベース部品は、光エレクトロニクス素子の接続用の少なくとも2つのフィードスルーを有する」との構成、及び、「少なくとも2つの導体路が配置されており、これらの導体路はそれぞれ、前記光エレクトロニクス素子の接続用の前記フィードスルーのうちの1つと接続されていて」との構成を有する。 ウ 引用発明において、「グランデッドコプレナ差動線路46b」の「基板」及び「LD用チップキャリア48」の「セラミック基板58」は、いずれも、一対の差動信号線が配置されることから、本願発明1の「サブマウント」に相当し、引用発明は、本願発明1の「前記導体路は、サブマウント上に配置されており」との構成を有する。 エ 引用発明において、「ステム10に対し台座11がほぼ垂直に配設され、台座11の上面には、マイクロストリップ差動線路基板46,47・・・が搭載され」るところ、「マイクロストリップ差動線路基板46,47の代わりにグランデッドコプレナ差動線路46bを用いるようにし」たものは、「台座11の上面」に、「一対の差動信号線」が配置された「グランデッドコプレナ差動線路46b」が搭載されることとなるから、引用発明の「台座11」は、本願発明1の「支持体」に相当し、引用発明は、本願発明1の「前記ベース部品の床部を起点として支持体が延在しており」との構成、及び、「前記支持体には少なくとも2つの導体路が配置されており」との構成を有する。 オ したがって、本願発明1と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点1、2で相違する。 <一致点> 「TOパッケージであって、ベース部品を備え、前記ベース部品は、光エレクトロニクス素子の接続用の少なくとも2つのフィードスルーを有する、TOパッケージにおいて、 前記ベース部品の床部を起点として支持体が延在しており、 前記支持体には少なくとも2つの導体路が配置されており、これらの導体路はそれぞれ、前記光エレクトロニクス素子の接続用の前記フィードスルーのうちの1つと接続されていて、 前記導体路は、サブマウント上に配置されていることを 特徴とする、TOパッケージ。」 <相違点1> 本願発明1は、「ベース部品」に「熱電冷却機用の実装領域を有する」のに対し、引用発明は、「LDの温度調整用のペルチェ素子を用いたもの」であることから、「熱電冷却機」を備えているといえるものの、「ベース部品」に「熱電冷却機用の実装領域を有する」かどうか不明である点。 <相違点2> 本願発明1は、「前記導体路は曲げられていて、前記導体路間にアース導体路が配置されており、前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており、前記サブマウントは、前記アース導体路の領域に複数の貫通孔を有しており、少なくとも、これらの貫通孔の側壁が金属化されており、前記貫通孔は5〜90°の円錐角を有する截頭円錐形に形成されている」のに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。 (2)判断 事案に鑑みて、相違点2について先に検討する。 ア まず、上記相違点2に係る構成のうち、「前記導体路間にアース導体路が配置されており、」「前記サブマウントは、前記アース導体路の領域に複数の貫通孔を有しており、少なくとも、これらの貫通孔の側壁が金属化されており、前記貫通孔は5〜90°の円錐角を有する截頭円錐形に形成されている」との構成について検討する。 高周波信号を伝送する差動線路において、一対の差動信号線の両外側と当該差動信号線間の双方にグランドを設けることは、例えば引用文献5に「高周波差動線路の場合は、2本の信号配線(S)に差動信号を伝送させ、その両側に沿って接地配線(G)を設けることで、差動信号を安定して伝送させている。・・・高周波差動線路は、G−S−S−Gと並べて配置する場合が多い。これに対し、G−S−G−S−Gと配置する差動線路もある。」(【0006】〜【0007】)と記載されているように周知技術であるところ、引用発明において高周波信号を伝送するグランデッドコプレナ差動線路46bにおいても、当該周知技術に照らして、上記相違点2に係る「導体路間にアース導体路が配置される」構成を採用することは、当業者が適宜なし得たことである。 また、グランデッドコプレナ差動線路においては、接地電位を安定させるために、コプレナ差動信号線と同一面に設けられるグランドと、その裏側に設けられるベタグランドとの間を、側壁が金属化された多数の貫通孔によって電気的に接続することが一般的であり(例えば、引用文献2の【0023】、図2、引用文献4の[0015]、図1、引用文献6の【0026】〜【0027】、【0041】〜【0044】、図3〜4、引用文献7の【0012】〜【0014】、図2を参照。)、上記のように差動信号線間にグランドを設ける際に、当該グランドと基板裏面のベタグランドとの間に、側壁が金属化された貫通孔を複数設けることは、当業者であれば普通に行うことである。 ここで、上記相違点2に係る「5〜90°の円錐角を有する截頭円錐形」との貫通孔の形状について、上記の引用文献7にみられるように、断面視でテーパ状の貫通孔を採用し、上記相違点2に係る貫通孔の構成となすことは、設計事項にすぎず、本願明細書(【0111】〜【0112】等)を参照しても、上記相違点2に係る貫通孔の形状を採用することの技術的意義は認められない。 イ 次に、上記相違点2に係る「前記導体路は曲げられていて」、「前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており」との構成(本件補正により追加された構成)について検討する。 引用発明において、「マイクロストリップ差動線路基板47」の「一対のストリップ差動信号線56a,56b」は、「マイクロストリップ差動線路基板46」の「一対のストリップ差動信号線52a,52b」と「LD用チップキャリア48」の「一対のストリップ差動信号線59a,59b」とを中継するものであるとともに、当該「一対のストリップ差動信号線56a,56b」は、「信号線方向を略90度折り曲げるためのコーナーカーブ部を有して」いる。そうすると、「マイクロストリップ差動線路基板46,47の代わりにグランデッドコプレナ差動線路46bを用いるようにし」た場合の「一対の差動信号線」においても、その配置構成上、信号線方向を折り曲げるためのコーナーカーブ部を設ける必要があるから、上記相違点2に係る「前記導体路は曲げられていて」との構成が備わることになる。 また、上記相違点2に係る「前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており」との特定事項の意味について検討すると、本願の明細書には、「真ん中のアース導体路13のコーナー領域30は傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されている。これにより、鋭利な縁部と、これに伴う信号損失とが回避される。」(【0107】)と記載されていること、同図3には、コーナー領域30の縁部のなす方向が、コーナー領域30以外の領域の縁部のなす方向に対して傾斜している点が示されていることに照らせば、上記特定事項は、アース導体路が曲げられている領域の縁部が、アース導体路が曲げられていない領域の縁部に対して傾斜しており、かつ、アース導体路が曲げられている領域の幅が、アース導体路が曲げられていない領域の幅よりも増大されて形成されていることを意味するものと解される。 他方、引用発明の「一対の差動信号線」は、上述のようにコーナーカーブ部を有するところ、当該「一対の差動信号線」の間にアース導体路を配置するにあたっては、差動信号線のコーナーカーブ部の形状に沿うように、各差動信号線との間に所定の間隔を介してアース導体路を設けることになるから、引用発明において、上記相違点2に係る「前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており」との構成となすことは、当業者が適宜なし得たものであるといえる。 しかしながら、引用発明において、「一対の差動信号線」の間にアース導体路を設ける構成を採用する場合には、コーナーカーブ部の形状に合わせて、アース導波路が曲げられている領域における幅が一様になるようにするのが自然であり、幅を増大させることを要する事情があるともいえないから、上記相違点2に係る「アース導体路が曲げられている領域」につき、「幅を増大されて形成され」るとの構成を採用することまでは、当業者が適宜に採用するものであるとはいえず、当審拒絶理由通知書において提示された引用文献2〜7のいずれに記載された事項であるともいえない。 また、原査定において提示された引用文献Eには、「コプレナー線路の曲線部Rにおいて、線路導体2の外側方向の線路導体2と接地導体3との間隔W2を広くし、内側方向の線路導体2と接地導体3との間隔W3を狭くすることによって、コプレナー線路の反射損失を低くすることができる」(【0035】)点が記載されており、その具体例として、図3には、一対の線路導体2の間に設けられた接地導体3の曲線部Rにおいて、幅が増大されているものが示されている。しかしながら、引用発明において、一対の差動信号線の間にアース導体路を設けるという上記周知技術を適用した場合には、上述のとおり、アース導体路が曲げられている領域における幅が一様になるようにするのが自然であるし、そもそもアース導体路を設けていない引用発明において、アース導体路を設けた上で、さらに引用文献Eの記載を考慮し、当該文献の図3に示された特定の形態のものを採用する理由はない。 そうすると、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成を採用することは、引用文献2〜7及び引用文献Eに記載された事項を参照しても、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 ウ したがって、本願発明1は、相違点1について検討するまでもなく、当業者であっても、引用発明及び引用文献2〜7並びに引用文献Eに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本願発明2〜14について 本願発明2〜11は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明12は、本願発明1〜11のいずれかのTOパッケージを製造する方法の発明であり、本願発明13及び14は、本願発明12を減縮した発明であるところ、本願発明2〜14は、いずれも本願発明1の「前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており」との構成を含むものであるから、本願発明1と同じ理由(上記1参照)により、引用発明及び引用文献2〜7並びに引用文献Eに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第7 原査定について 本件補正により、本願発明1〜14は、「前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており」との構成を有するものとなっており、当業者であっても、原査定において引用された引用文献A〜Eに基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第8 当審拒絶理由について 1 特許法第29条第2項について 本件補正により、本願発明1〜14は、「前記アース導体路が曲げられている領域は、傾斜しており、かつ幅を増大されて形成されており」との構成を有するものとなっており、当業者であっても、当審拒絶理由通知書において引用された引用文献1〜7に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、本件補正により、拒絶の理由は解消した。 2 特許法第36条第6項第2号について 本件補正により、請求項15〜17が削除されたので、拒絶の理由は解消した。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2022-04-14 |
出願番号 | P2018-163174 |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(H01S)
P 1 8・ 121- WY (H01S) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
瀬川 勝久 |
特許庁審判官 |
清水 督史 野村 伸雄 |
発明の名称 | DFBレーザ用のTOパッケージ |
代理人 | 上島 類 |
代理人 | 永島 秀郎 |
代理人 | 前川 純一 |
代理人 | 二宮 浩康 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |