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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06K
管理番号 1383901
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-07-06 
確定日 2022-04-12 
事件の表示 特願2016−227121「情報伝達方法、情報伝達システム及び送信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月31日出願公開,特開2018− 84921,請求項の数(6)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成28年11月22日の出願であって,令和2年9月17日付けで拒絶理由通知がされ,令和2年11月24日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出され,令和3年3月25日付けで拒絶査定(原査定)がされた。これに対し,令和3年7月6日に拒絶査定不服審判の請求がされ,令和3年12月17日付けで当審より拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,令和4年2月16日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和3年3月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1−9に係る発明は,以下の引用文献Aに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧
A.特開2004−240922号公報


第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願の請求項1,3−6,8に係る発明は,以下の引用文献1−2に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2004−240922号公報(引用文献A)
2.特開2006−139349号公報


第4 本願発明
本願請求項1ないし6に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は,令和4年2月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりのものである。

「【請求項1】
送信装置から、撮影部を備えた受信装置に情報を伝達する情報伝達方法であって、
前記送信装置は、
環境条件に応じて、コード画像の出力形態を決定し、
伝達対象情報を、コード画像にコード化可能な容量で分割したデータの一連のコード画像を生成し、
前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力し、
前記受信装置は、
前記撮影部で、順次、撮影した画像からコード画像を抽出し、
前記抽出したコード画像をデコードして特定したデータを結合して、前記伝達対象情報を復元することを特徴とする情報伝達方法。
【請求項2】
前記環境条件として、前記受信装置における通信性能を用いることを特徴とする請求項1又は1に記載の情報伝達方法。
【請求項3】
前記通信性能を、前記送信装置と前記受信装置との距離を用いて算出することを特徴とする請求項2に記載の情報伝達方法。
【請求項4】
前記コード画像は、複数のカラー配置の組合せにより構成されたカラーコード画像であって、
前記受信装置は、
撮影画像において、基準色表示領域を特定し、
前記基準色表示領域における基準色と、予め記憶している基準色に関する情報とを用いて色補正変換情報を生成し、
前記色補正変換情報を用いて、前記コード画像をデコードすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の情報伝達方法。
【請求項5】
送信装置と、撮影部を備えた受信装置とを備えた情報伝達システムであって、
前記送信装置は、
環境条件に応じて、コード画像の出力形態を決定する形態決定部と、
伝達対象情報を、コード画像にコード化可能な容量で分割したデータの一連のコード画像を生成するコード生成部と、
前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力する出力部とを備え、
前記受信装置は、
前記撮影部で、順次、撮影した画像からコード画像を抽出し、
前記抽出したコード画像をデコードして特定したデータを結合して、前記伝達対象情報を復元するデコード部を備えることを特徴とする情報伝達システム。
【請求項6】
情報を受信する受信装置に前記情報を送信する送信装置であって、
環境条件に応じて、コード画像の出力形態を決定する形態決定部と、
伝達対象情報を、コード画像にコード化可能な容量で分割したデータの一連のコード画像を生成するコード生成部と、
前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力する出力部とを備えることを特徴とする送信装置。」


第5 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
ア 引用文献Aと同一であって,当審拒絶理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審により付与。以下同じ。)

A 「【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
[第1の実施の形態]
まず、本発明を適用した第1の実施の形態における構成を説明する。
図1は、本第1の実施の形態におけるシンボル表示システム100のシステム構成を示す概念図である。図1に示すように、シンボル表示システム100は、携帯電話,携帯端末,携帯通信端末等からなる表示端末1と、バーコード,2次元コード等のシンボルを読み取るためのスキャナ2とを備えて構成されている。表示端末1と、スキャナ2とは、100kbps〜4Mbps程度の通信速度で情報端末間のデータ転送を行うことが可能なIrDA(Infrared Data Association)、携帯電話用の赤外線通信規格であるIrMC(Infrared Mobile Communications)、赤外線オブジェクト交換プロトコルであるIrOBEX(IrDA Object Exchange)、小規模な装置で赤外線通信を活用可能とするためのIrDA Lite等の規格に準じて、データ通信が可能な構成となっている。
【0017】
次に、図2を参照して表示端末1について説明する。図2は、表示端末1の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置1は、CPU11、表示装置12、入力装置13、無線通信装置14、RAM15、記憶装置16、近距離通信装置17等から構成され、各部はバス18により接続されている。

・・・中略・・・
【0034】
次に、図6を参照してスキャナ2について説明する。図6は、スキャナ2の機能的構成を示すブロック図である。図6に示すように、スキャナ2は、CPU21、表示装置22、入力装置23、読取装置24、RAM25、記憶装置26、近距離通信装置27等から構成され、各部は、バス28により接続されている。
なお、スキャナ2の構成部分については、上述した表示端末1の各構成部分と略同様の構成によってなるため、対応する構成部分については同列の符号を付し、詳細な説明を省略する。以下では、スキャナ2に特徴的な構成部分につき説明する。
例えば、近距離通信装置27は、図2に示す表示端末1の近距離通信装置17と同様の構成を有するものである。」

B 「【0074】
[第3の実施の形態]
次に、図11〜図12を参照して本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。なお、本第3の実施の形態は、上述した第1の実施の形態における表示システム100と同一のシステム構成によってなるため、システム構成及び各装置の詳細な図示及び説明については省略する。以下、本第3の実施の形態に特徴的な部分につき説明する。
【0075】
表示端末1のCPU11は、本第3の実施の形態に特徴的な処理として、記憶装置16に格納されるシンボル分割表示処理プログラムに従って、生成されるシンボルが表示装置のサイズに適合しない場合にシンボルを分割して表示するシンボル分割表示処理(図11参照)を実行する。以下、シンボル分割表示処理について説明する。
【0076】
図11は、表示端末1のCPU11により実行されるシンボル分割表示処理を示すフローチャートである。図11に示すように、CPU11は、シンボルを生成するための元のデータとなるシンボルデータ(例えば、「Barcode Scanner」)を生成する(ステップS41)。次いで、CPU11は、近距離通信装置17を制御して、スキャナ2との間でIrDA通信を行い、スキャナ性能情報を受信する(ステップS42)。また、CPU11は、受信したスキャナ性能情報をRAM15内のスキャナ性能メモリ52に記憶させる。
【0077】
続いて、CPU11は、表示性能情報から表示可能なシンボルの「TYPE」を取得すると共に、スキャナ性能情報から読取可能なシンボルの「TYPE」を取得して、共通の規格のシンボルを決定する(ステップS43)。ここで、例えば、表示端末1と、スキャナ2に共通するシンボルの規格が「Code 128」である場合、好適なシンボルとして「Code 128」が決定される。
【0078】
続いて、CPU31(審判注:「CPU11」の誤記と認められる。)は、スキャナ性能情報から「RESOLUTION」を取得して、1セルを何ドットで構成するかを決定し、解像度の合わせこみを行う(ステップS44)。すなわち、スキャナ性能情報の「RESOLUTION」から「0.03INCH」を取得して、1セルを3ドットに決定する。また、CPU31(審判注:「CPU11」の誤記と認められる。)は、表示性能情報から表示装置12の表示サイズ「WIDETH/HEIGHT」を取得し、ステップS36で決定したドット数に基づいて、表示可能なセルサイズを算出し、算出されたセルサイズに基づいて、シンボルのセル構成を決定する(ステップS45)。
【0079】
さらに、CPU11は、表示性能情報から「Code 128」の「LENGTH」を取得して、表示可能な桁数と、シンボルデータの桁数を比較して、生成するシンボルが表示装置12に表示可能なサイズであるか否かを判断する。ここで、「Code 128」の「LENGTH」は「10(桁)」であり、シンボルデータ「Barcode Scanner」のLENGTHは15桁であるため、CPU11は、表示装置12が表示可能な桁数にシンボルを分割して生成する。すなわち、CPU11は、シンボルデータを複数のデータに分割し、分割したシンボルデータに基づいてシンボルをそれぞれ生成する(ステップS46)。
【0080】
図12を参照して、CPU11により分割して生成されたシンボルについて説明する。図12に示すように、CPU11は、例えば、シンボルデータにスペースが含まれる場合、スペースでシンボルデータの分割を行い(例えば、「Barcode」と「Scanner」)、分割されたシンボルデータに対応するシンボルをそれぞれ生成する。図12(A)は、分割前のシンボルデータ「Barcode Scanner」に基づいて生成されたシンボルを示す図である。図12(B)は、分割されたシンボルデータの前半部分「Barcode」に基づいて生成されたシンボルを示す図であり、図12(C)は、分割されたシンボルデータの後半部分「Scanner」に基づいて生成されたシンボルを示す図である。なお、シンボルデータの分割位置は、スペースの位置に限らず、表示装置12の表示サイズ、表示可能な桁数等に応じて種々の位置で分割される構成であって良い。また、分割数についても、2分割に限らず複数のデータに分割可能である。
【0081】
次いで、図11に戻り、CPU11は、表示装置12の輝度調整を行い(ステップS47)、分割して生成したシンボルの表示を行う(ステップS48)。次いで、CPU11は、表示したシンボルがシンボルデータの最後のデータであるか否かを判断し(ステップS49)、表示したシンボルが最後のデータでない場合(ステップS46)に移行して、残りのシンボルデータについてシンボルを生成し、ステップS47〜S49の処理を繰り返して実行する。
【0082】
また、表示したシンボルがシンボルデータの最後の部分である場合(ステップS49)、CPU11は、本シンボル分割表示処理を終了する。なお、スキャナ2は、表示端末1の表示装置12に表示されたシンボルを順次読み取り、それぞれのデータをRAM25内に記憶し、最後のデータを読み取った後に、分割されたシンボルを1つのシンボルとしてデータの合成を行う。
【0083】
以上のように、本第3の実施の形態によれば、表示端末1は、表示性能情報に基づいて、生成されるシンボルが表示装置12に表示可能なサイズであるか否かを判断し、シンボルが表示可能なサイズでない場合、表示可能なサイズにシンボルデータを分割してシンボルを生成し、分割されたシンボルを順番に表示装置12に表示させる。また、スキャナ2は、表示装置12に分割して表示されたシンボルを順次読み取り、読み取ったデータをRAM25に記憶させ、最後のデータを読み取り後、1つのシンボルとしてデータの合成を行う。
【0084】
したがって、表示端末1により生成されたシンボルが表示装置12の表示サイズに適合しない場合、表示装置12に表示可能となるサイズにシンボルを分割して表示させることができるため、例えば、小型の表示装置を備える携帯端末等であっても、スキャナ2の読み取りに好適なシンボルを表示させることができる。」

C 「【図1】



D 「【図2】



E 「【図6】



F 「【図11】



G 上記Aの段落【0016】には,“第1の実施の形態として,表示端末1と,バーコード,2次元コード等のシンボルを読み取るためのスキャナ2とを備えて構成されているシンボル表示システム100”が記載されている。
また,上記Aの段落【0017】には,“表示端末1は,CPU11,表示装置12,近距離通信装置17等から構成されている”ことが記載され,さらに,段落【0034】には,“スキャナ2は,読取装置24,RAM25,近距離通信装置27等から構成される”ことが記載されている。
そして,上記Bの段落【0074】には,「第3の実施の形態は、上述した第1の実施の形態における表示システム100と同一のシステム構成によってなる」ことが記載され,さらに,段落【0083】には,“第3の実施の形態によって,表示端末1でシンボルを分割表示し,スキャナ2でシンボルを順次読み取り合成する方法”が記載されているといえる。
してみると,引用文献1には,“CPU11,表示装置12,近距離通信装置17等からなる表示端末1と,バーコード,2次元コード等のシンボルを読み取るための,読取装置24,RAM25,近距離通信装置27等からなるスキャナ2とを備えて構成されているシンボル表示システム100における,表示端末1でシンボルを分割表示し,スキャナ2でシンボルを順次読み取り合成する方法”が記載されているといえる。

H 上記Bの段落【0076】−【0081】及び図11(上記D)には,表示端末1でのシンボルの分割表示の処理として,
“表示端末1のCPU11は,シンボルを生成するための元のデータとなる「Barcode Scanner」のシンボルデータを生成し,
CPU11は,近距離通信装置17を制御して,スキャナ2との間でIrDA通信を行い,スキャナ性能情報を受信し,
CPU11は,表示性能情報から表示可能なシンボルの「TYPE」を取得すると共に,スキャナ性能情報から読取可能なシンボルの「TYPE」を取得して,共通の規格のシンボルとして「Code 128」を決定し,
CPU11は,解像度の合わせこみとして,スキャナ性能情報の「RESOLUTION」から「0.03INCH」を取得して,1セルを3ドットに決定し,
CPU11は,表示性能情報から表示端末1の表示装置12の表示サイズ「WIDETH/HEIGHT」を取得し,決定したドット数に基づいて,表示可能なセルサイズを算出し,算出されたセルサイズに基づいて,シンボルのセル構成を決定し,
CPU11は,表示性能情報から「Code 128」の「LENGTH」として「10(桁)」を取得して,表示可能な桁数と,シンボルデータである「Barcode Scanner」のLENGTHの15桁を比較して,生成するシンボルが表示装置12に表示可能なサイズであるか否かを判断することで,CPU11は,表示装置12が表示可能な桁数にシンボルを分割して生成し,
CPU11は,表示装置12の輝度調整を行い,分割して生成したシンボルの表示を行い,
CPU11は,表示したシンボルがシンボルデータの最後のデータであるか否かを判断し,
CPU11は,表示したシンボルが最後のデータでない場合,残りのシンボルデータについてシンボルの生成とシンボルの表示を繰り返して実行する”ことが記載されている。

I 上記Bの段落【0082】には,「スキャナ2は、表示端末1の表示装置12に表示されたシンボルを順次読み取り、それぞれのデータをRAM25内に記憶し、最後のデータを読み取った後に、分割されたシンボルを1つのシンボルとしてデータの合成を行う」ことが記載されている。

イ 上記AないしIの記載内容(特に,下線部を参照)からすると,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。

「CPU11,表示装置12,近距離通信装置17等からなる表示端末1と,バーコード,2次元コード等のシンボルを読み取るための,読取装置24,RAM25,近距離通信装置27等からなるスキャナ2とを備えて構成されているシンボル表示システム100における,表示端末1でシンボルを分割表示し,スキャナ2でシンボルを順次読み取り合成する方法であって,
表示端末1のCPU11は,シンボルを生成するための元のデータとなる「Barcode Scanner」のシンボルデータを生成し,
CPU11は,近距離通信装置17を制御して,スキャナ2との間でIrDA通信を行い,スキャナ性能情報を受信し,
CPU11は,表示性能情報から表示可能なシンボルの「TYPE」を取得すると共に,スキャナ性能情報から読取可能なシンボルの「TYPE」を取得して,共通の規格のシンボルとして「Code 128」を決定し,
CPU11は,解像度の合わせこみとして,スキャナ性能情報の「RESOLUTION」から「0.03INCH」を取得して,1セルを3ドットに決定し,
CPU11は,表示性能情報から表示端末1の表示装置12の表示サイズ「WIDETH/HEIGHT」を取得し,決定したドット数に基づいて,表示可能なセルサイズを算出し,算出されたセルサイズに基づいて,シンボルのセル構成を決定し,
CPU11は,表示性能情報から「Code 128」の「LENGTH」として「10(桁)」を取得して,表示可能な桁数と,シンボルデータである「Barcode Scanner」のLENGTHの15桁を比較して,生成するシンボルが表示装置12に表示可能なサイズであるか否かを判断することで,CPU11は,表示装置12が表示可能な桁数にシンボルを分割して生成し,
CPU11は,表示装置12の輝度調整を行い,分割して生成したシンボルの表示を行い,
CPU11は,表示したシンボルがシンボルデータの最後のデータであるか否かを判断し,
CPU11は,表示したシンボルが最後のデータでない場合,残りのシンボルデータについてシンボルの生成とシンボルの表示を繰り返して実行する,
スキャナ2は,表示端末1の表示装置12に表示されたシンボルを順次読み取り,それぞれのデータをRAM25内に記憶し,最後のデータを読み取った後に,分割されたシンボルを1つのシンボルとしてデータの合成を行う,
表示端末1でシンボルを分割表示し,スキャナ2でシンボルを順次読み取り合成する方法。」

2 引用文献2について
当審拒絶理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0007】
2台のデジタルカメラの一方を送信機、他方を受信機として用い、画像データのような大容量の情報を分割し、分割した情報をそれぞれ二次元バーコードに変換して順次、伝送する一実施の形態を説明する。

・・・中略・・・

【0011】
二次元バーコード3には、伝送する情報の他に、全コードの総数を表す総コード数、何番目のコードかを表すコード番号、ファイル名などのヘッダー情報を付加する。

・・・中略・・・

【0020】
一実施の形態の二次元バーコード3には、全コードの総数を表す総コード数と何番目のコードかを表すコード番号を含むヘッダー情報を付加しており、また受信カメラ3では受信停止の操作があるまで繰り返しコードを受信するので、最初のコードから受信できなくても、途中のコードから受信開始しても問題はない。例えば、総コード数が150個、受信開始コードが55番目であった場合には、55〜150までのコードを受信し、次に1から54までのコードを受信すればよい。
【0021】
二次元バーコード3を受信するたびに、そのコードが総コード数の中の何番目のコードであるか認識できるので、総コード数のすべてのコードを受信できたか否かは容易に判断できる。総コード数のすべてのコードを受信したと判断したときは、受信カメラ2のモニター2aに受信完了のメッセージを表示する。ユーザーは、受信カメラ2に受信完了メッセージが表示されたら送信カメラ1のシャッターボタン1bを押し、コードの送信すなわち情報の伝送を停止する。」


第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「シンボルデータ」,「シンボル」は,各々,本願発明1の「情報」,「コード画像」に相当する。
そして,引用発明の「表示端末1」は,「シンボルデータ」を「シンボル」として表示するものであって,そして,引用発明の「スキャナ2」は,「読取装置24」でこの「シンボル」を読み取るものと認められるから,「表示端末1」から「スキャナ2」に「シンボルデータ」が伝達されているといえる。
してみると,引用発明の「表示端末1」,「読取装置24」を備えた「スキャナ2」は,各々,本願発明1の「送信装置」,「撮影部を備えた受信装置」に相当し,引用発明の「表示端末1でシンボルを分割表示し,スキャナ2でシンボルを順次読み取り合成する方法」は,本願発明1の「送信装置から、撮影部を備えた受信装置に情報を伝達する情報伝達方法」に相当する。

イ 引用発明の「表示端末1」の「CPU11」は,「近距離通信装置17を制御して,スキャナ2との間でIrDA通信を行い,スキャナ性能情報を受信し」,「解像度の合わせこみとして,スキャナ性能情報の「RESOLUTION」から「0.03INCH」を取得して,1セルを3ドットに決定」するものであって,ここで,「セル」は引用発明の「シンボル」のセルであることは明らかであって,「1セルを3ドット」に決定することは「シンボル」の出力形態といえる。
一方,本願の明細書の段落【0016】には,本願発明1の「環境条件」に関して,「本実施形態では、環境条件として、情報受信装置30の撮影部の分解能と、情報送信装置20から情報受信装置30までの距離とを用いる」と記載されている(下線は,当審で付与した。)。
してみると,引用発明の「RESOLUTION」は,本願発明1の「環境条件」に相当し,本願発明1と引用発明とは,“前記送信装置は,環境条件に応じて,コード画像の出力形態を決定”する点で一致する。

ウ また,引用発明の「表示端末1」の「CPU11」は,「表示性能情報から「Code 128」の「LENGTH」として「10(桁)」を取得して,表示可能な桁数と,シンボルデータである「Barcode Scanner」のLENGTHの15桁を比較して,生成するシンボルが表示装置12に表示可能なサイズであるか否かを判断することで,CPU11は,表示装置12が表示可能な桁数にシンボルを分割して生成」するものである。
してみると,引用発明の「シンボルデータである「Barcode Scanner」」,「表示可能な桁数」は,各々,本願発明1の「伝達対象情報」,「コード画像にコード化可能な容量」に相当し,本願発明1と引用発明とは,“伝達対象情報を,コード画像にコード化可能な容量で分割したデータの一連のコード画像を生成”する点で一致する。

エ そして,引用発明の「表示端末1」の「CPU11」は,「表示装置12の輝度調整を行い,分割して生成したシンボルの表示を行い」,「表示したシンボルがシンボルデータの最後のデータであるか否かを判断し」,「表示したシンボルが最後のデータでない場合,残りのシンボルデータについてシンボルを生成し,シンボルの表示を繰り返して実行する」ものである。また,この「シンボルの表示」は,上記イで検討した「1セルを3ドット」という“出力形態”で表示,すなわち“出力”されているものと認められ,また,当該“出力”は,所定の“第1の表示領域”に,所定の“第1の切換時間”で行われているといえる。
してみると,引用発明の「表示装置12」は,本願発明1の「表示部」に相当し,本願発明1と引用発明とは,後記の点で相違するものの,“前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を,前記送信装置の表示部の第1の表示領域に,第1の切換時間で, 前記出力形態で順次,出力”する点では共通する。

オ 引用発明の「スキャナ2」は,「表示端末1の表示装置12に表示されたシンボルを順次読み取り,それぞれのデータをRAM25内に記憶し,最後のデータを読み取った後に,分割されたシンボルを1つのシンボルとしてデータの合成を行う」ものである。
してみると,本願発明1の「受信装置」と引用発明の「スキャナ2」とは,“前記受信装置は,前記撮影部で,順次,撮影した画像からコード画像を抽出し,前記抽出したコード画像をデコードして特定したデータを結合して,前記伝達対象情報を復元する”点で一致する。

したがって,本願発明1と引用発明との間には,以下の一致点と相違点とがある。

〈一致点〉
「送信装置から,撮影部を備えた受信装置に情報を伝達する情報伝達方法であって,
前記送信装置は,
環境条件に応じて,コード画像の出力形態を決定し,
伝達対象情報を,コード画像にコード化可能な容量で分割したデータの一連のコード画像を生成し,
前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を,前記送信装置の表示部の第1の表示領域に,第1の切換時間で,前記出力形態で順次,出力し,
前記受信装置は,
前記撮影部で,順次,撮影した画像からコード画像を抽出し,
前記抽出したコード画像をデコードして特定したデータを結合して,前記伝達対象情報を復元することを特徴とする情報伝達方法。」

〈相違点〉
「順次,出力」することが,本願発明1では,「前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力」するものであるのに対して,引用発明では,そのような異なる2つの「表示領域」に,異なる2つの「切換時間」で,順次,出力するものではない点。

(2)相違点についての判断
引用文献2には,「大容量の情報を分割し,分割した情報をそれぞれ二次元バーコードに変換して順次,伝送する際に,二次元バーコードに,伝送する情報の他に,全コードの総数を表す総コード数,何番目のコードかを表すコード番号,ファイル名などのヘッダー情報を付加することで,二次元バーコードを受信するたびに,そのコードが総コード数の中の何番目のコードであるか認識でき,総コード数のすべてのコードを受信できたか否かは容易に判断できること」は記載されているが,一連のコード画像を,異なる2つの「表示領域」に,異なる2つの「切換時間」で,順次,出力することは記載されていない。
また,本願発明1の上記相違点の構成が周知の技術であるとも認められない。
したがって,本願発明1は,当業者であっても引用発明,及び引用文献2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし4について
本願発明2ないし4は,本願発明1を更に限定したものであるので,同様に,当業者であっても引用発明,及び引用文献2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明5について
本願発明5は,本願発明1の「情報伝達方法」を「情報伝達システム」の観点から記載したものであって,本願発明1の上記相違点の発明特定事項と対応する「前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力する出力部」を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明,及び引用文献2に基づいて,容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明6について
本願発明6は,本願発明5の「情報伝達システム」を「送信装置」の観点から記載したものであって,本願発明5と同様に,本願発明1の上記相違点の発明特定事項と対応する「前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力する出力部」を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明,及び引用文献2に基づいて,容易に発明をすることができたものとはいえない。


第7 原査定について
令和4年2月16日付けの補正により,補正後の請求項1は,「前記伝達対象情報の分割により生成した前記一連のコード画像を、前記送信装置の表示部の第1のコード表示領域に、第1の切換時間で、前記出力形態で順次、出力するとともに、前記一連のコード画像を、前記表示部の前記第1のコード表示領域とは異なる第2のコード表示領域に、前記第1の切換時間とは異なる第2の切換時間で、前記出力形態で順次、出力」するという技術的事項を有するものとなった。該技術的事項は,原査定における引用文献Aには記載されておらず,本願出願日前における周知技術でもないので,本願発明1ないし6は,当業者であっても,原査定における引用文献Aに基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。


第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-03-25 
出願番号 P2016-227121
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06K)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 田中 秀人
特許庁審判官 山澤 宏
須田 勝巳
発明の名称 情報伝達方法、情報伝達システム及び送信装置  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
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