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審決分類 |
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G07G 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する G07G 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する G07G 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G07G |
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管理番号 | 1383989 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-09-24 |
確定日 | 2021-12-10 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6928366号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6928366号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜6〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第6928366号の請求項1〜6に係る特許についての出願は、平成29年2月14日に特許出願され、令和3年8月11日にその特許権の設定登録がされ、同年9月24日付けで訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6928366号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜6について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 本件訂正の内容 請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(審決注:下線部分は訂正箇所であり、請求人が訂正特許請求の範囲において示したとおりである。)。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記第1表示部は、前記テーブル部の上面にて前記釣銭機の幅内に対応する位置に配置され、 前記第1商品載置部は、登録後の商品が店員により載置され、顧客が前記第1表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる」 とあるのを、 「前記第2表示部は、前記テーブル部の上面にて前記釣銭機の幅内に対応する位置に配置され、 前記第1商品載置部は、登録後の商品が店員により載置され、顧客が前記第2表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる」 と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2〜6も同様に訂正する)。 第4 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的の適否について ア 訂正前の請求項1には「顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側に設けられ、貨幣の投入または排出が行われる貨幣入出部を有する釣銭機」(以下「記載事項A」という。)、「前記顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側で、前記釣銭機の上方に設けられ、前記第1顧客に対応する第1商品載置部を備え」(以下「記載事項B」という。)、「前記第1表示部は、前記テーブル部の上面にて前記釣銭機の幅内に対応する位置に配置され」(以下「記載事項C」という。)、前記第1商品載置部は、登録後の商品が店員により載置され、顧客が前記第1表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる」(以下「記載事項D」という。)と記載されている。 ここで、「釣銭機」が「顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側に設けられ」ること(「記載事項A」参照)と、「第1表示部」が「釣銭機の幅内に対応する位置に配置され」ること(「記載事項C」参照)とは整合せず、記載事項Aと記載事項Cとの関係が明瞭でない記載となっている。 さらに、「釣銭機」が「顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側に設けられ」(「記載事項A」参照)、かつ、「第1商品載置部」が「前記顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側」に「設けられ」ること(「記載事項B」参照)と、「第1商品載置部」が「顧客が前記第1表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる」こと(「記載事項D」参照)とは整合せず、記載事項A及びBと記載事項Dとの関係が明瞭でない記載となっている。 イ 本件特許の明細書には、以下のとおり記載され、図面には以下のものが図示されている(下線は当審が付した。)。 「【0013】 ・・・ また、釣銭機30は、同図から分かるように、テーブル部72の上面の高さを越えないような高さで設置されている。これにより、例えば顧客がテーブル部72における第1商品載置部に載置された商品を取る際に、釣銭機30が邪魔にならない。 【0014】 精算対応客用表示部40は、精算を行うために釣銭機30を操作する客に向けて精算に関連する情報の表示が行われる表示部である。このため、精算対応客用表示部40は、テーブル部72において、釣銭機30の設置された部分との境界に近い位置にて、釣銭機30を操作する顧客に表示面が向けられるように設けられている。」 「【0020】 また、図1、図2に示されるように、操作ユニット10、精算対応客用表示部40、及びレシート発行部50などは、テーブル部72において前方寄り(顧客の立ち位置側寄り)に配置される。これにより、テーブル部72においては、何も配置されない面部が形成される。そのうえで、図1に示されるように、テーブル部72の面部において、店員の立ち位置側(後ろ側)からみて操作ユニット10に対して左側(操作ユニット10に対応する位置よりも下流側)の領域は、精算を行う顧客に対応する第1商品載置部72−1として利用される。ここで、第1商品載置部72−1は、前方から見た場合、釣銭機30の上方にて、精算を行う顧客向けの表示が行われる精算対応客用表示部40の背面側に位置するように設けられる。 ・・・」 「【0034】 店員Sは、商品登録に際して、第2商品載置部72−2に置かれたトレーに載せられていた商品を手に持ち、手に持った商品の登録を行う。店員Sは、登録が完了した商品については、自分の左側の第1商品載置部72−1のスペースを利用して袋に容れるなどの作業を行う。なお、商品を登録する操作を行う店員Sとは別の店員が商品を袋に容れる作業を担当してもよい。」 「【0036】 ・・・ 顧客C1は、排出された貨幣を釣銭として受け取り、この後に、発行されたレシートを受け取る。また、顧客C1が買い上げた商品は、釣銭機30の後ろ側の第1商品載置部72−1にて袋に容れられた状態で置かれている。そこで、顧客C1は、第1商品載置部72−1に置かれている商品の容れられた袋を引き取ればよい。」 「【0040】 そのうえで、本実施形態のPOSレジスタ1は、テーブル部72について、顧客動線における操作ユニット10よりも下流側に第1商品載置部72−1、顧客動線における操作ユニット10よりも上流側に第2商品載置部72−2が形成されるようにしている。 上記のように形成される第2商品載置部72−2は、テーブル部72における顧客動線の上流側にて、顧客と店員との間において存在する。このため、例えば商品登録を受けようとする顧客は、店員にパン(商品)の載せられたトレーを渡さずに第2商品載置部72−2に置けばよい。店員も、顧客からトレーを手で受け取らなくとも、第2商品載置部72−2に置かれたトレーから商品を持って商品登録操作を行える。このように、第2商品載置部72−2があることで、顧客が商品の登録を受けるにあたって店員にトレーを手渡す手順を省略できる。このように、第2商品載置部72−2があることにより、客捌きの効率をさらに向上させることができる。 また、第1商品載置部72−1があることで、店員は、商品登録を済ませた商品を袋に容れる作業等を第1商品載置部72−1も使用して余裕を持って行うことができる。また、釣銭機30を使用して顧客が精算を行っている間、顧客の購入した商品は袋に容れられた状態で第1商品載置部72−1に置いておくことができるので、顧客は精算を終えてから第1商品載置部72−1に置いてある商品の容れられた袋を引き取ればよい。また、店員も、顧客が精算を終えるのを商品の容れられた袋を手に持って待っている必要もない。このように、第1商品載置部72−1があることによっても、客捌きの効率をさらに向上させることができる。」 「【0057】 <実施形態の総括> (1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、商品を登録する商品登録者(例えば、POSレジスタ1を操作する店員)が操作可能なように設けられる操作受付部12と、商品登録者の側に表示面が向けられるように設けられる第1表示部(例えば、店員用表示部11)と、顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側に設けられる釣銭機30と、前記商品登録者と対面して精算を行う第1顧客に表示面が向けられるように設けられる第2表示部(例えば、精算対応客用表示部40)とを備える商品販売データ処理装置(例えば、POSレジスタ1)である。・・・」 【図1】 ![]() 【図2】 ![]() ウ (ア) 上記イで摘示した段落【0014】、【0057】、図1及び図2から、訂正前の「前記第1表示部は、前記テーブル部の上面にて前記釣銭機の幅内に対応する位置に配置され」(記載事項C)ることにおける「第1表示部」が実質的に「第2表示部」を意図していることは、明らかである。そして、記載事項Cの「第1表示部」を「第2表示部」とすると、記載事項Aと記載事項Cとの関係は明瞭となる。 (イ) 上記イで摘示した内容を総合すると、訂正前の「前記第1商品載置部は、登録後の商品が店員により載置され、顧客が前記第1表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる」(記載事項D)ことにおける「第1表示部」が実質的に「第2表示部」を意図していることは、明らかである。そして、記載事項Dの「第1表示部」を「第2表示部」とすると、記載事項A及びBと記載事項Dとの関係は明瞭となる。 (ウ) したがって、訂正事項1の「前記第2表示部は、前記テーブル部の上面にて前記釣銭機の幅内に対応する位置に配置され、前記第1商品載置部は、登録後の商品が店員により載置され、顧客が前記第2表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる」とする訂正は、明瞭でなかった記載(上記ア)を、本件特許の明細書及び図面を根拠にして明瞭にするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加の有無について 本件特許の願書に添付した明細書及び図面には、上記「(1)イ」の内容が記載及び図示されている。 したがって、上記「(1)ウ」のとおり、訂正事項1による訂正は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について 訂正事項1による訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり(上記(1))、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項1による訂正は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第6項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 商品を登録する商品登録者が操作可能なように設けられる操作受付部と、 前記商品登録者の側に表示面が向けられるように設けられる第1表示部と、 顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側に設けられ、貨幣の投入または排出が行われる貨幣入出部を有する釣銭機と、 前記商品登録者と対面して精算を行う第1顧客に表示面が向けられるように設けられる第2表示部と、 前記顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側で、前記釣銭機の上方に設けられ、前記第1顧客に対応する第1商品載置部を備え、 前記釣銭機は、テーブル部の上面を超えない高さで、前記貨幣入出部が前記第1顧客の立ち位置側の側面に位置するように設けられ、 前記操作受付部、前記第1表示部、及び前記第2表示部は、前記テーブル部における前記第1顧客の立ち位置側寄りに配置され、 前記第2表示部は、前記テーブル部の上面にて前記釣銭機の幅内に対応する位置に配置され、 前記第1商品載置部は、登録後の商品が店員により載置され、顧客が前記第2表示部越しに載置された商品を取ることが可能な領域として、前記釣銭機の幅に対応して設けられる 商品販売データ処理装置。 【請求項2】 前記第2表示部は、 前記顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも下流側において、前記第1表示部よりも低くなるようにして設けられる 請求項1に記載の商品販売データ処理装置。 【請求項3】 前記顧客動線において前記第1表示部に対応する位置よりも上流側に設けられ、商品の登録を受ける第2顧客に対応する第2商品載置部をさらに備える 請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。 【請求項4】 前記釣銭機を使用して精算を行った第1顧客に向けてレシートを発行するレシート発行部をさらに備え、前記レシート発行部は、前記釣銭機の近傍に配置される 請求項1から3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。 【請求項5】 商品の登録を受ける第2顧客に表示面が向けられるように設けられる第3表示部をさらに備える 請求項1から4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。 【請求項6】 精算に関する情報を前記第2表示部に表示させ、商品の登録に関する情報を前記第3表示部に表示させる表示制御部をさらに備える 請求項5に記載の商品販売データ処理装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-11-11 |
結審通知日 | 2021-11-16 |
審決日 | 2021-11-30 |
出願番号 | P2017-025084 |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(G07G)
P 1 41・ 854- Y (G07G) P 1 41・ 841- Y (G07G) P 1 41・ 853- Y (G07G) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
一ノ瀬 覚 |
特許庁審判官 |
八木 誠 畔津 圭介 |
登録日 | 2021-08-11 |
登録番号 | 6928366 |
発明の名称 | 商品販売データ処理装置 |
代理人 | 平野 昌邦 |
代理人 | 平野 昌邦 |
代理人 | 松沼 泰史 |
代理人 | 松沼 泰史 |