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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G01D
管理番号 1383990
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-09-28 
確定日 2021-12-07 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6556469号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6556469号の明細書及び特許請求の範囲を、令和3年10月20日付けの手続補正により補正された審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔19〜23〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6556469号の請求項1〜23に係る特許についての出願は、平成27年3月9日に出願され、令和元年7月19日にその特許権の設定登録がされ、令和元年8月7日に特許掲載公報が発行された。
その後、特許権者である日置電機株式会社(以下「請求人」という。)は、令和3年9月28日に本件訂正審判の請求を行った(本件訂正審判に係る訂正を、以下「本件訂正」という。)、なお、同年10月20日付けで審判請求書を対象とする手続補正(自発)がされている。


第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6556469号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項19〜23について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
なお、令和3年10月20日付けで審判請求書の補正がされているところ、当該補正は、請求の理由についての補正であり、当該補正は審判請求書の要旨を変更するものではないから、特許法131条の2第1項の規定に適合する。


第3 本件訂正の内容1 本件訂正前の特許請求の範囲の記載
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項19〜23の記載は、以下のとおりである。

「【請求項19】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行すると共に、前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項20】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録され、かつ前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定する処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項21】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録されると共に、予め規定された操作が行われたときに、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データに基づいて当該測定対象についての当該過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項22】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行し、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1 の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項23】
前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させるときに、前記各測定対象に対して指定された前記測定順序を特定可能な順序表示を対応する当該測定対象の前記測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させる処理の実行手順が記録されている請求項19から22のいずれかに記載の測定データ処理用プログラム。」

2 本件訂正の訂正事項
本件訂正の内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項19に、
「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。」
と記載されているのを、
「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。」
と訂正する(下線部分は、訂正箇所を示す。以下の訂正事項2〜10についても同様である。)。
請求項19を引用する請求項23も同様に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項19に、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。
請求項19を引用する請求項23も同様に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項20に、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。(下線部分は、訂正箇所を示す。)
請求項20を引用する請求項23も同様に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項21に、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該両像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。
請求項21を引用する請求項23も同様に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項22に、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。
請求項22を引用する請求項23も同様に訂正する。

(6)訂正事項6
明細書の段落【0024】に、
「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている。」
と記載されているのを、
「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている。」
と訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0024】に、
「請求項19記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「請求項19記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。

(8)訂正事項8
明細書の段落【0024】に、
「請求項20記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の両像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「請求項20記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。

(9)訂正事項9
明細書の段落【0024】に、
「請求項21記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた両像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「請求項21記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた両像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。

(10)訂正事項10
明細書の段落【0024】に、
「請求項22記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と記載されているのを、
「請求項22記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた両像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」
と訂正する。

第4 当審の判断
1 一群の請求項ごとに訂正審判を請求することについて
訂正前の請求項23は、訂正審判の請求の対象である請求項19の記載を引用する請求項であるから、請求項19と請求項23は一群の請求項である。同様に、請求項20〜22と各請求項の記載を引用する請求項23についても、各々一群の請求項である。これら4つの「一群の請求項」は共通の請求項を有するから、これらの一群の請求項は組み合わされて、1つの一群の請求項となる。
そして、本件訂正は、訂正事項1〜10により、訂正前の請求項19〜23を訂正するものであるから、本件訂正審判は、一群の請求項19〜23に対して請求されているものである。
したがって、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

2 訂正の目的、新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張または変更の存否について
(1) 訂正事項1
ア 訂正の目的について
請求人は、審判請求書6(3)イ(ア)aにおいて、訂正事項1は特許法126条1項ただし書3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である旨主張しているので、以下検討する。
訂正前の請求項19の「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。」において、「撮像データ」と「画像データ」の関係が不明瞭であるため、「撮像データ」をどのようにして「前記画像を前記表示部に表示させる」か不明瞭である。
この点について、訂正後の「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。」の記載において、「当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ」、「記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させる」ものとして、「撮像データ」と「画像」との関係を明確にすることで、発明の構成が技術的に不明瞭となっている記載を正し、その本来の意を明らかにしたものと認められる。
また、請求項19を引用する請求項23についても同様である。
したがって、前記訂正事項1の訂正は、特許法126条1項ただし書き3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当審によるものである。

「【0036】
請求項1記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項19記載の測定データ処理用プログラムによれば、撮像部から出力された撮像データを画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた画像データに基づいて画像を表示部に表示させることにより、測定対象像を描いた画像データを測定作業等に先立って生成する煩雑な作業を行うことなく、撮像部によって各測定対象を撮像するだけで、各測定対象像を含む画像を測定データ処理装置の表示部に容易に表示させることができる。また、測定対象像を描いた画像データを使用するのとは異なり、実際に測定を行う各測定対象を撮像した撮像データを画像データとして使用して画像を表示させることで、特定用表示の表示位置に基づき、次に測定を行う測定対象の位置などを正確かつ容易に把握することができる。」

「【0108】
さらに、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、カメラ21から出力された撮像データD2を「画像データ」として記憶部27に記憶させ、記憶させた「画像データ(撮像データD2)」に基づいて画像31を表示部24に表示させることにより、「測定対象像」を描いた「画像データ」を測定作業等に先立って生成する煩雑な作業を行うことなく、カメラ21によって各ブレーカXを撮像するだけで、「測定対象像」としての各像32を含む画像31を携帯情報端末2の表示部24に容易に表示させることができる。また、「測定対象像」を描いた「画像データ」を使用するのとは異なり、実際に測定を行う各ブレーカXを撮像した撮像データD2を「画像データ」として使用して画像31を表示させることで、「特定用表示」としてのマーカー33の表示位置に基づき、次に測定を行うブレーカXの位置などを正確かつ容易に把握することができる。」

明細書等の上記の箇所には、訂正事項1に係る構成である「前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させる」ことが記載されている。
よって、前記訂正事項1は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであって、明細書等に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
そして、訂正前の特許請求の範囲が実質上拡張し、又は変更されたものとも認められない。
また、請求項19を引用する請求項23についても同様である。
したがって、前記訂正事項1による訂正は、特許法126条5項及び6項の規定に適合するものである。

(2) 訂正事項2〜5
ア 訂正の目的について
請求人は、審判請求書6(3)イ(イ)aにおいて、訂正事項2〜5は特許法126条1項ただし書3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である旨主張しているので、以下検討する。
訂正前の請求項19〜22の各々に記載された「測定順序がそれぞれ指定されている複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」において「・・・複数の当該測定対象」と記載されているが、この記載の前に「測定対象」という用語が記載されていないため、「当該」が表す技術的な意味が不明瞭である。
この点について、訂正後の「測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、」の記載において、技術的な意味が不明瞭な「当該」を削除した「・・・複数の測定対象」とすることにより、発明の構成が技術的に不明瞭となっている記載を正し、その本来の意を明らかにしたものと認められる。
また、請求項19〜22の各請求項を引用する請求項23についても同様である。
したがって、前記訂正事項2〜5の訂正は、特許法126条1項ただし書き3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
前記アのとおり、訂正事項2~5は、訂正前の請求項19〜22の各々に記載された「・・・複数の当該測定対象」のうち技術的な意味が不明瞭な「当該」を削除することにより、発明の構成が技術的に不明瞭となっている記載を正し、その本来の意を明らかにしたものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかであり、明細書等に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
そして、訂正前の特許請求の範囲が実質上拡張し、又は変更されたものとも認められない。
また、請求項19〜22の各請求項を引用する請求項23についても同様である。
したがって、前記訂正事項2〜5による訂正は、特許法126条5項及び6項の規定に適合するものである。

(3) 訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項19に対応する明細書の段落【0024】について、訂正事項1と同様の訂正を行うものである。
したがって、前記(1)アと同様に前記訂正事項6の訂正は、特許法126条1項ただし書き3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
前記(1)イに示した訂正事項1と同様の理由により、訂正事項6は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであって、明細書等に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
そして、訂正前の特許請求の範囲が実質上拡張し、又は変更されたものとも認められない。
したがって、前記訂正事項6による訂正は、特許法126条5項及び6項の規定に適合するものである。

(4) 訂正事項7〜10
ア 訂正の目的について
訂正事項7〜10は、特許請求の範囲の請求項20〜22に対応する明細書の段落【0024】について、訂正事項2〜5と同様の訂正を行うものである。
したがって、前記(2)アと同様に前記訂正事項7〜10の訂正は、特許法126条1項ただし書き3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
前記(2)イに示した訂正事項2〜5と同様の理由により、訂正事項7〜10は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであって、明細書等に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
そして、訂正前の特許請求の範囲が実質上拡張し、又は変更されたものとも認められない。
したがって、前記訂正事項7〜10による訂正は、特許法126条5項及び6項の規定に適合するものである。

3 独立特許要件について
訂正事項1〜10は、特許法126条1項ただし書3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるから、同法126条7項に規定する独立特許要件は課されない。

第5 むすび
以上のとおり、前記訂正事項1〜10は、特許法126条1項ただし書き3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正であるから同条1項の規定に適合し、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、同条5項及び6項の規定に適合する。そして、同条7項の要件は課されない。したがって、請求項19〜23及び明細書に係る訂正は、訂正の要件を満たしている。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】測定データ処理装置、測定システムおよび測定データ処理用プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置によって測定された複数の測定対象についての測定値を順次記録して測定値データを生成する処理を実行可能な測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置および測定装置を備えて構成された測定システム、並びに測定値データを生成する上記の処理を測定データ処理装置の処理部に実行させる測定データ処理用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電源設備等の保守作業に際しては、保守対象が設置されている現場に電力計などの測定装置を携行して保守対象の消費電力等を測定し、その測定結果を報告書に記入して現場から持ち帰って顧客(電源設備の所有者等)に提出したり、測定結果を記入した紙片を持ち帰ってパーソナルコンピュータ等を使用して報告書を作成して顧客に提出したりする業務が広く行われている。しかしながら、手書きの報告書では、机や倚子等が存在しない現場において綺麗な文字で測定結果を報告書に記入するのが困難であるため、報告書を見た者に測定結果を正しく認識させるのが困難となることがある。また、測定結果を記入した紙片を持ち帰ってパーソナルコンピュータ等を使用して報告書を作成する場合においても、現場において綺麗な文字で測定結果を紙片に記入するのが困難であるため、持ち帰った紙片に記入されている測定結果を誤認して測定結果を誤って入力した報告書が作成されるおそれがある。
【0003】
一方、上記のような不都合を解消すべく、特開2007−78523号公報には、測定器(クランプメータ等)に通信機能を付加することにより、測定を行う現場において測定器からPDA(個人用携帯端末)に測定結果を伝送させてPDAにおいて報告書を作成したり、測定結果を記憶させたPDAを持ち帰ってPDAからパーソナルコンピュータ等に測定結果を伝送してパーソナルコンピュータ等において報告書を作成したりすることが可能な移動データ蒐集システム(以下、単に「蒐集システム」ともいう)が開示されている。
【0004】
この蒐集システムによる測定および報告書の作成に際しては、まず、測定器およびPDAを現場に携行して通信ケーブルを用いて相互に接続すると共に、PDAの表示部にシート(報告書の様式)を表示させる。次いで、PDAに表示させたシートにおける任意のセルを選択した後に測定器のホールド釦を操作する。この際には、測定器による測定結果が通信ケーブルを介してPDAに伝送され、その時点において選択されているセルに測定結果の値が入力される。このようなセルの選択およびホールド釦の操作を必要に応じて交互に実行することにより、PDAのシートにおける各セルに保守対象についての測定結果が順次入力される。
【0005】
次いで、測定器からPDAを切り離すと共に、PDAの操作部を操作して各種の情報(測定時の天候等)を入力する。これにより、各セルに入力されている測定結果と相俟って報告書のデータが生成される。この報告書のデータをPDAからプリンターに出力することにより、顧客に提出可能な報告書が完成する。一方、この蒐集システムでは、PDAに記憶されている報告書のデータをICメモリ等(リムーバブルメモリ)を介してパーソナルコンピュータに転送し、パーソナルコンピュータにおいて報告書を編集した後に印刷して提出することもできる。これにより、この蒐集システムでは、測定結果を報告書や紙片に手書き記入することなく、測定器による測定結果を正しく認識させ得る報告書を作成することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−78523号公報(第3−4頁、第1−3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来の蒐集システムには、以下の解決すべき問題点が存在する。すなわち、従来の蒐集システムでは、保守対象の名称、測定内容(測定項目名)および測定結果などを行列形式(表形式)で並べたシートをPDAの表示部に表示させ、そのシートの各セル内に測定結果を順次入力して報告書を作成する構成が採用されている。
【0008】
この場合、一例として、配電盤に搭載された複数のブレーカを測定対象として、これらに印加されている電圧の電圧値を測定して報告書を作成する際に、従来の蒐集システムでは、ブレーカ名、および各ブレーカ毎の電圧値が表形式で並んで記された入力画面に測定値を入力することで報告書が作成される。このため、この蒐集システムの使用に不慣れな者が、複数のブレーカについての電圧値を順次測定して測定値(電圧値)をPDAのシートに入力する際に、測定を行おうとしているブレーカとは相違するブレーカについての測定値を入力するセルを選択した状態で測定器のホールド釦を操作してしまい、結果として、ホールド釦の操作によって測定器からPDAに送信される測定値(電圧値)が、測定を行ったブレーカとは相違するブレーカについての測定値を入力するセルに入力されてしまうおそれがある。
【0009】
したがって、測定対象が複数存在するときには、測定器から送信される測定値が入力されるセルと、測定を行う測定対象との対応関係を正確に把握しつつ、各測定対象についての測定値の入力セルの選択およびホールド釦の操作を慎重に行う必要がある。このため、複数の測定対象についての測定値を記録した報告書を短時間で作成するのが困難になっているという問題点がある。また、例えば、見た目が同じ複数のブレーカを測定対象とするときには、シート上のセルと、測定を行う各ブレーカとの対応関係を把握するのが困難となるため、上記のような測定値の入力ミス(セルの選択ミス)を確実に防止するのが困難となっているという問題点もある。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、複数の測定対象についての測定値を正確かつ容易に記録し得る測定データ処理装置、測定システムおよび測定データ処理用プログラムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定データ処理装置は、測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部と、前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部とを備え、前記処理部は、前記撮像部から出力された前記撮像データを前記画像データとして前記記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させると共に、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行する。
また、請求項6記載の測定データ処理装置は、測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定し、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行する。
また、請求項9記載の測定データ処理装置は、測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部とを備え、前記記憶部は、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データを記憶し、前記処理部は、予め規定された操作が行われたときに前記履歴データに基づいて前記測定対象についての前記過去に測定された測定値を前記表示部に表示させ、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行する。
また、請求項11記載の測定データ処理装置は、測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行し、かつ当該第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する。
【0012】
また、請求項12記載の測定データ処理装置は、請求項1から11のいずれかに記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させるときに、前記各測定対象に対して指定された前記測定順序を特定可能な順序表示を対応する当該測定対象の前記測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させる。
【0013】
また、請求項13記載の測定データ処理装置は、請求項12記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象に対応する前記順序表示を前記特定用表示として、対応する当該測定対象の当該測定順序が最も早い順序ではないときの第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示する。
【0014】
さらに、請求項14記載の測定データ処理装置は、請求項1から13のいずれかに記載の測定データ処理装置において、前記測定対象についての測定処理を実行可能に構成された測定装置から送信される測定値データを受信可能な通信部を備え、前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記通信部によって前記測定値データが受信されたときに、前記測定値の取得が完了したとして前記第2の処理を実行して当該測定値データの値を対応する前記測定対象についての前記測定値として前記測定結果データに記録する。
【0015】
また、請求項15記載の測定データ処理装置は、請求項1から14のいずれかに記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の入力操作が行われたときに、前記測定値の取得が完了したとして前記第2の処理を実行して当該入力操作によって入力された当該測定値を対応する前記測定対象についての前記測定値として前記測定結果データに記録する。
【0016】
また、請求項5記載の測定データ処理装置は、請求項1から4のいずれかに記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する。
また、請求項8載の測定データ処理装置は、請求項6または7記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する。
また、請求項10記載の測定データ処理装置は、請求項9記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する。
【0017】
さらに、請求項16記載の測定データ処理装置は、請求項1から15のいずれかに記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、いずれかの前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、当該測定値の取得が完了したことを特定可能に報知する報知処理を実行する。
【0018】
また、請求項17記載の測定データ処理装置は、請求項16記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記報知処理において、取得が完了した測定値を特定可能な音声メッセージを出力する。
【0019】
さらに、請求項3記載の測定データ処理装置は、請求項1または2記載の測定データ処理装置において、前記処理部は、前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定する。
【0020】
【0021】
さらに、請求項2記載の測定データ処理装置は、請求項1記載の測定データ処理装置において、前記記憶部は、前記各測定対象に対して個別的に付与された識別符号が当該各測定対象に関連付けて記録された第1の関連付けデータ、および当該識別符号が前記測定順序に関連付けて記録された第2の関連付けデータを記憶し、前記処理部は、最初の前記第1の処理の開始に先立ち、前記識別符号を示す識別符号表示が配設された前記各測定対象が前記撮像部によって撮像された前記撮像データを画像解析処理して当該識別符号表示の前記識別符号をそれぞれ特定する処理Aと、特定した前記識別符号が付与されている前記測定対象を前記第1の関連付けデータに基づいて特定する処理Bと、特定した前記識別符号に関連付けられている前記測定順序を前記第2の関連付けデータに基づいて特定する処理Cとを実行する。
【0022】
また、請求項4記載の測定データ処理装置は、請求項1から3のいずれかに記載の測定データ処理装置において、前記記憶部は、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データを記憶し、前記処理部は、予め規定された操作が行われたときに前記履歴データに基づいて前記測定対象についての前記過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる。
また、請求項7記載の測定データ処理装置は、請求項6記載の測定データ処理装置において、前記記憶部は、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データを記憶し、前記処理部は、予め規定された操作が行われたときに前記履歴データに基づいて前記測定対象についての前記過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる。
【0023】
また、請求項18記載の測定システムは、前記各測定対象についての測定を実行可能に構成された測定装置と、請求項1から17のいずれかに記載の測定データ処理装置とを備えて構成されている。
【0024】
また、請求項19記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行すると共に、前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている。
また、請求項20記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録され、かつ前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定する処理の実行手順が記録されている。
また、請求項21記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録されると共に、予め規定された操作が行われたときに、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データに基づいて当該測定対象についての当該過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる処理の実行手順が記録されている。
また、請求項22記載の測定データ処理用プログラムは、測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行し、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録されている。
【0025】
さらに、請求項23記載の測定データ処理用プログラムは、請求項19から22のいずれかに記載の測定データ処理用プログラムにおいて、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させるときに、前記各測定対象に対して指定された前記測定順序を特定可能な順序表示を対応する当該測定対象の前記測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させる処理の実行手順が記録されている。
【発明の効果】
【0026】
請求項1,6,9,11記載の測定データ処理装置では、複数の測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、処理部が、各測定対象のそれぞれの位置に対応して測定対象像が並べられた画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない測定対象のなかで測定順序が最も早い測定対象の測定対象像を特定可能な特定用表示を測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理、およびいずれかの測定対象像に関連付けて特定用表示を表示させている状態で、その測定対象像に対応する測定対象についての測定値の取得が完了したときに、取得した測定値を測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に第1の処理を再び実行する。また、請求項18記載の測定システムでは、各測定対象についての測定を実行可能に構成された測定装置と、上記のような測定データ処理装置とを備えて構成されている。さらに、請求項19〜22記載の測定データ処理用プログラムでは、上記の第1の処理や第2の処理の実行手順が記録されている。
【0027】
したがって、請求項1,6,9,11記載の測定データ処理装置、請求項18記載の測定システム、および請求項19〜22記載の測定データ処理用プログラムによれば、各測定対象についての測定を順次実行する際に、特定用表示がいずれの測定対象像に関連付けられて表示されているかに基づき、いずれの測定対象についての測定を行うべきかを正確かつ容易に把握することができる。これにより、この種の装置を使用した測定作業に不慣れな利用者であっても、各測定対象についての測定値を正確かつ容易に記録して測定結果データを生成することができる。
【0028】
請求項12記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項23記載の測定データ処理用プログラムによれば、画像データに基づいて画像を表示部に表示させるときに、各測定対象に対して指定された測定順序を特定可能な順序表示を対応する測定対象の測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させることにより、順序表示およびその表示位置を参照することで、各順序表示が関連付けられて表示されている測定対象像に対応する測定対象についての測定順序を正確かつ容易に把握することができる。
【0029】
請求項13記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項13記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムによれば、測定値の取得が完了していない測定対象のなかで測定順序が最も早い測定対象に対応する順序表示を特定用表示として、対応する測定対象の測定順序が最も早い順序ではないときの第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示することにより、順序表示とは別個に特定用表示を表示させる構成・処理手順とは異なり、画像に重ねて表示される表示要素の数を少なくすることができるため、過剰に多くの表示要素を画像に重ねて表示させることで各測定対象の測定対象像の視認が困難となる事態を招くことなく、各測定対象についての測定順序、およびこれから測定を行うべき測定対象についての測定対象像を確実かつ容易に把握することができる。
【0030】
請求項14記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項14記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムによれば、第1の処理においていずれかの測定対象像に関連付けて特定用表示を表示させている状態で通信部によって測定値データが受信されたときに、測定値の取得が完了したとして第2の処理を実行することにより、測定装置によって測定された測定値を手動で測定データ処理装置に入力する構成・処理手順とは異なり、測定値の入力ミスを好適に回避することができるだけでなく、各測定対象についての測定値を短時間で容易に記録することができきる。
【0031】
請求項15記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項15記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムによれば、第1の処理においていずれかの測定対象像に関連付けて特定用表示を表示させている状態で測定値の入力操作が行われたときに、測定値の取得が完了したとして第2の処理を実行することにより、測定装置と測定データ処理装置との間の通信が困難な環境下においても、各測定対象についての測定値を正確かつ容易に記録して測定結果データを生成することができる。
【0032】
請求項5,8,10,11記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項22記載の測定データ処理用プログラムによれば、第1の処理においていずれかの測定対象像に関連付けて特定用表示を表示させている状態で測定値の取得が完了している測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された測定対象についての測定値の取得が完了していないものとして第1の処理を再び実行することにより、利用者が、記録された測定値が正常ではないと判断したときに、その測定値が得られた測定対象についての測定だけを何度でもやり直すことができるため、各測定対象についての測定値を一層正確に記録することができる。
【0033】
請求項16記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項16記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムによれば、いずれかの測定対象についての測定値の取得が完了したときに、測定値の取得が完了したことを特定可能に報知する報知処理を実行することにより、測定データ処理装置を操作して、測定値の記録が完了しているか否かを確認しなくても、測定を行った測定対象についての測定値の記録が完了したか否かを容易に把握し、次の測定対象についての測定を迅速に開始することができるため、各測定対象についての測定値の記録を短時間で完了させることができる。
【0034】
請求項17記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項17記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムによれば、報知処理において、取得が完了した測定値を特定可能な音声メッセージを出力することにより、測定データ処理装置からある程度離れた場所(測定データ処理装置の表示部の視認が困難な程度に離れた場所)で測定装置による測定作業を実行しているときであっても、測定データ処理装置において各測定対象についての測定値の記録が完了したか否かを容易に把握することができる。
【0035】
請求項3,6記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項20記載の測定データ処理用プログラムによれば、各測定対象像および画像上における各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を指定する第2の指定操作が行われたときに、第2の指定操作が行われた順序に従って指定された一方に対応する測定対象の測定順序を規定することにより、例えば、利用者以外の者が予め決定した測定順序に従って各測定対象についての測定を順次実行するのと比較して、各測定対象についての測定順序を利用者の好みに応じて任意に指定することができ、しかも、その指定操作が非常に容易であるため、各測定対象についての測定をスムーズに実行することができる。
【0036】
請求項1記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項19記載の測定データ処理用プログラムによれば、撮像部から出力された撮像データを画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた画像データに基づいて画像を表示部に表示させることにより、測定対象像を描いた画像データを測定作業等に先立って生成する煩雑な作業を行うことなく、撮像部によって各測定対象を撮像するだけで、各測定対象像を含む画像を測定データ処理装置の表示部に容易に表示させることができる。また、測定対象像を描いた画像データを使用するのとは異なり、実際に測定を行う各測定対象を撮像した撮像データを画像データとして使用して画像を表示させることで、特定用表示の表示位置に基づき、次に測定を行う測定対象の位置などを正確かつ容易に把握することができる。
【0037】
請求項2記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項2記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムでは、最初の第1の処理の開始に先立ち、識別符号を示す識別符号表示が配設された各測定対象が撮像部によって撮像された撮像データを画像解析処理して識別符号表示の識別符号をそれぞれ特定する処理Aと、特定した識別符号が付与されている測定対象を第1の関連付けデータに基づいて特定する処理Bと、特定した識別符号に関連付けられている測定順序を第2の関連付けデータに基づいて特定する処理Cとを実行する。
【0038】
したがって、請求項2記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項2記載の測定データ処理装置に実行させる各処理の手順が記録された測定データ処理用プログラムによれば、各測定対象に識別符号表示を配設し、第1の関連付けデータおよび第2の関連付けデータを測定データ処理装置に記憶させておくことで、撮像部によって各測定対象を撮像するだけで、各測定対象に対して規定された測定順序などが自動的に特定されるため、この種の装置に不慣れな利用者であっても、各測定対象についての測定値を正確かつ容易に記録して測定結果データを生成することができる。
【0039】
請求項4,7,9記載の測定データ処理装置、そのような測定データ処理装置を備えた測定システム、および請求項21記載の測定データ処理用プログラムによれば、予め規定された操作が行われたときに、履歴データに基づいて測定対象についての過去に測定された測定値を表示部に表示させることにより、例えば、測定された測定値が、想定している値とは異なるときに、過去に測定された測定値を参照することで、その測定値が正常であるか否か等を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】測定システム100の構成を示す構成図である。
【図2】配電盤YにおけるブレーカXa〜Xiの配置の一例について説明するための説明図である。
【図3】ブレーカXa〜Xiの像32a〜32iを含む画像(配電盤Yの画像31:カメラ21によって撮像された撮像データD2の画像)の一例を示す図である。
【図4】測定作業支援画面30aの一例を示す表示画面図である。
【図5】マーカー33−01を像32aに重ねて表示させた状態の測定作業支援画面30aの表示画面図である。
【図6】マーカー33−01〜33−09を像32a〜32iに重ね、かつ測定対象情報表示41内および測定結果表示42内に必要事項を入力した状態の測定作業支援画面30aの表示画面図である。
【図7】1番目の測定対象についての測定を行う際の測定作業支援画面30bの一例を示す表示画面図である。
【図8】2番目の測定対象についての測定を行う際の測定作業支援画面30bの一例を示す表示画面図である。
【図9】配電盤Y(ブレーカXa〜Xi)についての過去の測定値等を表示させた状態の測定結果表示画面30cの一例を示す表示画面図である。
【図10】9番目の測定対象についての測定が完了した際の測定作業支援画面30bの一例を示す表示画面図である。
【図11】ブレーカXa〜XiにコードラベルLa〜Liを貼付した状態の配電盤Yについて説明するための説明図である。
【図12】図11に示す状態のブレーカXa〜Xiの像32a〜32iおよびコードラベルLa〜Liの像34a〜34iを含む画像(配電盤Yの画像31:カメラ21によって撮像された撮像データD2の画像)の一例を示す図である。
【図13】1番目の測定対象についての測定を行う際の測定作業支援画面30dの一例を示す表示画面図である。
【図14】1番目の測定対象についての測定を行う際の測定作業支援画面30eの一例を示す表示画面図である。
【図15】1番目の測定対象についての測定を行う際の測定作業支援画面30fの一例を示す表示画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明に係る測定データ処理装置、測定システムおよび測定データ処理用プログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0042】
図1に示す測定システム100は、「測定システム」の一例であって、測定装置1、携帯情報端末2およびデータサーバ3を備えて構成されている。なお、以下の説明においては、「測定データ処理装置」、「測定システム」および「測定データ処理用プログラム」の発明についての理解を容易とするために、一例として、図2に示す配電盤Yに配設されているブレーカXa〜Xi(以下、これらを区別しないときには「ブレーカX」ともいう)を「測定対象」とし、これらに印加されている電圧の電圧値を測定値として測定するものとする。なお、実際の配電盤Yには、各ブレーカX以外の各種の機器やケーブルが配設されているが、測定システム100を使用した測定作業についての理解を容易とするために、各ブレーカX以外の要素に関する図示および説明を省略する。
【0043】
一方、測定装置1は、「測定装置」の一例であって、図示しない一対のテストリードを介して、測定対象についての電圧値、電流値および抵抗値などの各種の電気的パラメータを測定することができるように構成されている。具体的には、この測定装置1は、図1に示すように、測定部11、通信部12、操作部13、表示部14、スピーカ15、処理部16および記憶部17を備えている。測定部11は、処理部16の制御に従い、テストリードを介して入力される信号に基づき、電圧値、電流値および抵抗値のうちの予め選択された1つを測定して測定値を示す測定値データD0を生成し、生成した測定値データD0を処理部16に出力する。
【0044】
通信部12は、一例として、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)規格などの近距離無線通信規格に準ずる無線通信が可能な通信アダプタで構成されている。この通信部12は、処理部16の制御に従い、携帯情報端末2などの各種無線通信機器との間で測定値データD0などの各種データを送受信する。操作部13は、動作条件(測定条件)の入力操作が可能な操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部16に出力する。表示部14は、処理部16の制御に従い、動作条件設定画面や測定結果表示画面等の各種の表示画面(図示せず)を表示する。スピーカ15は、処理部16の制御に従い、測定装置1の動作状態を報知するブザー音などを出力する。
【0045】
処理部16は、測定装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部16は、測定部11を制御して測定処理を実行させる。また、処理部16は、測定部11から出力される測定値データD0を記憶部17に記憶させる。さらに、処理部16は、測定値データD0に基づいて特定される測定値を表示部14に表示させると共に、測定値データD0の値が予め規定された条件を満たす状態となったときに、その測定値データD0を通信部12から携帯情報端末2等の外部装置に送信させる。記憶部17は、処理部16の演算結果や測定値データD0などを記憶する。なお、電圧値、電流値および抵抗値に代えて(または、それらに加えて)、各種の物理量(電力量や位相などの電気的パラメータ、並びに温度、湿度、輝度(光度)、照度、歪み、雨量および流量等の各種パラメータ)を測定することが可能な「測定装置」を採用して測定システム100を構成することもできる。
【0046】
また、携帯情報端末2は、「測定データ処理装置」に相当し、一例として、測定データ処理用プログラムDpをインストールした既存のタブレット端末やスマートフォンで構成されている。この場合、広義には、「タブレット端末」は「タッチパネル等のポインティングデバイスと表示装置とを備えたPDA(携帯情報端末)」を意味し、「スマートフォン」は「PDA(携帯情報端末)の機能が備わった携帯電話」を意味するが、本明細書では、この広義の「タブレット端末」および広義の「スマートフォン」のうちの「各種プログラムのインストールによって任意の機能を付加したり、端末の操作環境や表示環境等をカスタマイズしたりすることができるもの」を「タブレット端末」や「スマートフォン」という。
【0047】
具体的には、本例の測定システム100では、一例として、携帯情報端末2は、タブレット端末で構成されており、カメラ21、通信部22a,22b、操作部23、表示部24、スピーカ25、処理部26および記憶部27を備えている。なお、実際の携帯情報端末2は、上記の各構成要素21〜27の他に、「タブレット端末」としての機能を実現するための各種の構成要素を備えているが、本願発明についての理解を容易とするために、これらの構成要素についての図示および説明を省略する。
【0048】
カメラ21は、「撮像部」の一例であって、各ブレーカX等の「測定対象」を撮像して撮像データD2(「画像データ」としての「撮像データ」の一例)を生成し、生成した撮像データD2を処理部26に出力する。通信部22aは、一例として、前述した測定装置1の通信部12と同様にしてブルートゥース等の近距離無線通信規格に準ずる無線通信が可能な通信アダプタで構成されている。この通信部22aは、「通信部」の一例であって、処理部26の制御に従い、後述するように測定装置1から送信される測定値データD0などの受信処理、および測定装置1に対する各種の制御信号の送信処理を実行する。通信部22bは、携帯電話回線網などの通信ネットワークNに接続可能に構成されると共に、処理部26の制御に従い、通信ネットワークNを介してデータサーバ3に接続して、測定結果データD3などのデータを送受信する。
【0049】
操作部23は、一例として、表示部24の前面側に配設されたタッチパネルや、携帯情報端末2を「タブレット端末」としての機能させるための各種の操作スイッチを備え、操作に応じた操作信号を処理部26に出力する。表示部24は、一例として液晶表示パネルを備え、処理部26の制御に従い、測定作業支援画面30a(図4〜6)、測定作業支援画面30b(図7,8,10)および測定結果表示画面30c(図9)などの各種の表示画面を表示する。
【0050】
処理部26は、「処理部」の一例であって、携帯情報端末2を総括的に制御する。具体的には、処理部26は、測定データ処理用プログラムDpの記述に従い、カメラ21を制御して各種の「測定対象」を撮像させると共に、カメラ21から出力される撮像データD2を記憶部27に記憶させる。また、処理部26は、配電盤Yの撮像データD2に基づき、ブレーカXa〜Xiの像32a〜32i(「測定対象を示す測定対象像」の一例:以下、区別しないときには「像32」ともいう)を含む画像31(「画像」の一例:図3参照)を表示部24の測定作業支援画面30a、測定作業支援画面30bおよび測定結果表示画面30cなどに表示させる。
【0051】
さらに、処理部26は、例えば図4に示すように測定作業支援画面30aを表示部24に表示させた状態において、後述するように利用者によって指定される各ブレーカXに対して規定された「測定順序」を特定可能なマーカー33−01〜33−20(「順序表示」の一例:以下、区別しないときには「マーカー33」ともいう)を対応する各ブレーカXの像32にそれぞれ関連付けて配電盤Yの画像31に重ねて表示させると共に、後述する測定対象管理用データD1を生成して記憶部27に記憶させる。なお、本例では、測定作業支援画面30a(画像31)を表示部24に表示させる際に、各マーカー33を像32に関連付けて画像31に重ねて表示させる処理が「順序表示を対応する測定対象の測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させる」との処理に相当する。
【0052】
また、処理部26は、後述するように測定作業支援画面30aにおける設定終了ボタン45の操作(測定装置1による各ブレーカXについての測定を開始するときに行われる操作)に対応する操作信号が操作部23から出力されたときに、図7に示すように、測定作業支援画面30aに代えて測定作業支援画面30bを表示部24に表示させる。さらに、処理部26は、測定値の取得が完了していない各ブレーカXのなかで「測定順序」が最も早い1つの像32を特定可能な「特定用表示」を、その像32に関連付けて画像31に重ねて表示させる「第1の処理」を実行する。
【0053】
この場合、本例の測定システム100(携帯情報端末2)では、測定値の取得が完了していない各ブレーカXのなかで「測定順序」が最も早い1つに対応するマーカー33を「特定用表示」として、そのブレーカXについての「測定順序」が最も早い順序ではないときの「第1の表示態様(一例として、点灯表示)」とは異なる「第2の表示態様(一例として、点滅表示)」で表示する構成(マーカー33を「順序表示」および「特定用表示」として兼用する構成)が採用されている。
【0054】
また、処理部26は、測定装置1から送信された測定値データD0が通信部22aによって受信されたときに(「測定値の取得が完了したとき」としての「測定値データが受信されたとき」の一例)、その測定値データD0を記憶部27に記憶させる。さらに、処理部26は、記憶させた測定値データD0の値を、「特定用表示」として表示させているマーカー33(「第2の表示態様(点滅表示)」で表示させているマーカー33)に対応するブレーカXについての測定値として図4に示す測定結果表示42における測定値欄42b−01〜42b−20のうちの対応するセルに数値入力することで測定結果データD3に記録する「第2の処理」を実行する。
【0055】
また、処理部26は、利用者によって「測定結果」のデータサーバ3へのアップロード(送信)を指示されたときに、記憶部27に記憶させている測定結果データD3を通信部22bから通信ネットワークNを介してデータサーバ3に送信して記録させる。また、処理部26は、「測定結果」のダウンロード(受信)を指示する操作が行われたときに、通信部22bを制御してデータサーバ3に通信ネットワークNを介してアクセスし、必要な測定結果データD3を受信させて記憶部27に記憶させる。なお、本例では、データサーバ3に記録された測定結果データD3、すなわち、過去の測定作業によって生成された測定結果データD3が「履歴データ」に相当する。
【0056】
さらに、処理部26は、「測定結果(測定履歴)」の閲覧を指示する操作が行われたときに、記憶部27に記憶されている「履歴データ」としての測定結果データD3に基づき、図9に示す測定結果表示画面30c(「測定対象についての過去に測定された測定値」の一例)を表示部24に表示させる。記憶部27は、「記憶部」の一例であって、測定データ処理用プログラムDp、測定値データD0、測定対象管理用データD1、撮像データD2および測定結果データD3などを記憶する。この場合、測定データ処理用プログラムDpや、各データD1〜D3などを記憶するための「記憶部」は、携帯情報端末2の内蔵メモリで構成された記憶部27に限定されず、携帯情報端末2に装着された各種のリムーバブルメモリを使用することもできる。
【0057】
データサーバ3は、一例として、測定装置1や携帯情報端末2の利用者が各ブレーカXなどの「測定対象」についての測定結果データD3を保管するためのサーバであって、携帯情報端末2から送信された測定結果データD3の受信および記録処理、並びに携帯情報端末2や図示しない電子端末(パーソナルコンピュータ等)に対する測定結果データD3の送信処理を実行する。なお、データサーバ3については、この測定システム100専用のサーバを用意して使用することもできるが、各測定結果データD3などを記録可能な既存のデータサーバをデータサーバ3として使用することもできる。また、データサーバ3を介さずに携帯情報端末2と電子端末(パーソナルコンピュータ等)との間で測定結果データD3を直接送受信する構成を採用することもできる。
【0058】
次に、測定システム100を用いた測定作業(測定結果データの生成処理)について、添付図面を参照して説明する。なお、携帯情報端末2への測定データ処理用プログラムDpのインストール作業や、測定装置1の通信部12および携帯情報端末2の通信部22aの間におけるブルートゥースのペアリング作業については既に完了しているものとする。
【0059】
まず、測定装置1および携帯情報端末2を配電盤Yの設置場所に携行し、携帯情報端末2において測定データ処理用プログラムDpを起動させる。この際には、図示しない初期画面が表示部24に表示されるため、操作部23(タッチパネル)の操作によって「測定対象の撮像」との項目を選択した後に、配電盤Y(各ブレーカX)をカメラ21によって撮像する。これにより、図3に示すように、「測定対象」としてのブレーカXa〜Xiの像32a〜32iが各ブレーカXa〜Xiの位置に対応して並んだ画像31の撮像データD2がカメラ21によって生成されて出力される。また、処理部26は、カメラ21から撮像データD2が出力されたときに、測定データ処理用プログラムDpの記述に従い、図4に示す測定作業支援画面30aを表示部24に表示させる。
【0060】
この測定作業支援画面30aは、後述する各ブレーカXについての測定作業を支援する各種の情報、および各ブレーカXについての測定値(本例では、電圧値)を表示するための画面であって、撮像データD2に基づく画像31の他に、「測定対象」についての諸情報(配電盤Yの設置場所や、測定日時などに関する情報)が表示される測定対象情報表示41、および各ブレーカXの名称、測定値および備考等が表示される測定結果表示42が並んで表示される。また、この測定作業支援画面30aには、「順序表示」としてのマーカー33−01〜33−20が画像31の表示領域の外に並んで表示されると共に、履歴表示ボタン43、キャンセルボタン44および設定終了ボタン45が表示される。
【0061】
この場合、履歴表示ボタン43は、各ブレーカXについて過去に測定作業を行ったことがあるとき(過去に測定した際に生成した測定結果データD3が存在するとき)に、その測定作業において取得した各ブレーカXについての測定値(測定履歴)を表示する測定結果表示画面30c(図9参照)を表示させる機能が付与されている。また、キャンセルボタン44は、測定作業支援画面30aを閉じて前述した初期画面に戻る機能が付与されている。さらに、設定終了ボタン45は、設定作業が完了した際に測定作業支援画面30aを閉じて測定作業支援画面30b(図7参照)を表示部24に表示させる機能が付与されている。
【0062】
なお、本例では、マーカー33−01〜33−20の20個によって20個の「測定対象」の「測定順序」を特定させると共に、測定結果表示42の測定対象名欄42a−01〜42a−20(以下、区別しないときには「測定対象名欄42a」ともいう)、測定値欄42b−01〜42b−20(以下、区別しないときには「測定値欄42b」ともいう)、および備考欄42c−01〜42c−20(以下、区別しないときには「備考欄42c」ともいう)の各20個の欄(同図では、測定対象名欄42a−01〜42a−08、測定値欄42b−01〜42b−08および備考欄42c−01〜42c−08各8個の欄のみを表示)に20個の各「測定対象」についての名称、測定値および備考などが入力される構成が採用されているが、これらの数は、「測定対象」の数に応じて任意の複数個に変更することができる。
【0063】
次いで、各ブレーカXの「測定順序」を決定する。具体的には、まず、操作部23(タッチパネル)を操作することにより、各ブレーカXの像32のうちから、1番目に測定したい「測定対象」に対応する像32を選択し、その像32の表示位置に、「測定順序」が1番目であることを示すマーカー33−01を表示させる。より具体的には、一例として、ブレーカXaを1番目の測定対象に指定したいときには、マーカー33−01を、ブレーカXaの像32aの位置Paまで矢印で示すようにドラッグする(「画像上における測定対象像の表示位置」の一例である位置Paを「いずれか予め規定された一方」として指定する「第2の指定操作」)。これにより、図5に示すように、ブレーカXaの像32aにマーカー33−01が重なって表示された状態となる。
【0064】
また、本例の携帯情報端末2(測定データ処理用プログラムDp)では、マーカー33−01を画像31上のいずれかの位置(本例では、像32a上の位置Pa)に表示させたときに、一例として、1番目の「測定対象」の名称(測定対象名)を入力するための測定対象名欄42a−01に、文字列入力用のカーソル表示が点滅表示される。したがって、利用者は、「1番目の測定対象」であることを示すマーカー33−01を重ねた像32aに対応するブレーカXaの名称(例えば、「メインブレーカ」との文字列)を入力する。また、必要に応じて、ブレーカXaについての備考を備考欄42c−01に入力する。これにより、1番目の「測定対象」についての設定作業が完了し、「画像31における像32aの位置に描画される測定対象が1番目の測定対象であり、その名称が「メインブレーカ」である」との測定対象管理用データD1が処理部26によって生成されて記憶部27に記憶される。
【0065】
次いで、「測定順序」が決まっていない各ブレーカXの像32のうちから、2番目に測定したい「測定対象」に対応する像32を選択し、その像32の表示位置に、「測定順序」が2番目であることを示すマーカー33−02を表示させる。この際に、一例として、ブレーカXbを2番目の測定対象に指定したいときには、マーカー33−02を、ブレーカXbの像32bの位置Pbまで矢印で示すようにドラッグする(「画像上における測定対象像の表示位置」の他の一例である位置Pbを「いずれか予め規定された一方」として指定する「第2の指定操作」)。これにより、ブレーカXbの像32bにマーカー33−02が重なって表示された状態となる(図示せず)。
【0066】
また、マーカー33−02を画像31上のいずれかの位置(本例では、像32b上の位置Pb)に表示させたときには、2番目の「測定対象」の名称(測定対象名)を入力するための測定対象名欄42a−02に、文字列入力用のカーソル表示が点滅表示される。したがって、利用者は、「2番目の測定対象」であることを示すマーカー33−02を重ねた像32bに対応するブレーカXbの名称(例えば、「サブブレーカA−1」との文字列)を入力する。また、必要に応じて、ブレーカXbについての備考を備考欄42c−02に入力する。これにより、2番目の「測定対象」についての設定作業が完了し、「画像31における像32bの位置に描画される測定対象が2番目の測定対象であり、その名称が「サブブレーカA−1」である」との事項が記憶部27に記憶されている測定対象管理用データD1に追記される。
【0067】
この後、測定順序が決まっていない各ブレーカXc〜Xiについても、対応する像32c〜32iの表示位置にマーカー33−03〜33−09を重ねて表示させ、かつ各ブレーカXc〜Xiの名称を測定対象名欄42a−03〜42a−09に入力することにより、3番目から9番目までの「測定対象」についての設定作業が完了する。これにより、図6に示すように、マーカー33−01〜33−09が像32a〜32iに重なって表示され、かつ測定対象名欄42a−01〜42a−09にブレーカXa〜Xiの名称が入力された状態となる。
【0068】
なお、この状態において「測定順序」を変更する際には、マーカー33の位置を任意に変更し、かつ対応する測定対象名欄42aの文字列を変更する。これにより、変更後の「測定順序」に対応する情報で測定対象管理用データD1が上書きされる。この後、各ブレーカX(配電盤Y)の設置場所に関する情報や、後述する一連の測定作業を実行する日時を示す文字列を測定対象情報表示41に入力することにより、各ブレーカXについての測定作業を開始する準備が整う(「各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態」の一例)。
【0069】
一方、測定作業を開始するには、測定装置1の電源を投入して電圧値の測定モードに切り替えると共に、携帯情報端末2の操作部23(タッチパネル)の操作によって設定終了ボタン45を操作する。この際に、処理部26は、図7に示すように、測定作業支援画面30aに代えて測定作業支援画面30bを表示部24に表示させると共に、測定装置1から測定値データD0が送信されたか否か(通信部22aによって測定値データD0が受信されたか否か)の監視を開始する。
【0070】
この測定作業支援画面30bでは、前述した測定作業支援画面30aにおけるキャンセルボタン44および設定終了ボタン45に代わり、「測定順序」等を再設定する際に測定作業支援画面30bに代えて測定作業支援画面30aを表示させるための再設定ボタン46、および測定作業支援画面30aにおいて「測定順序」を規定した各ブレーカXについての測定値の取得が完了したときに操作する測定終了ボタン47が表示される。また、処理部26は、各ブレーカXの像32を含む画像31、指定された「測定順序」を示す各マーカー33、測定対象情報表示41および測定結果表示42を引き続き表示させる。
【0071】
さらに、処理部26は、測定値の取得が完了していないブレーカXのなかで「測定順序」が最も早いブレーカXaの像32aを特定可能な「特定用表示」を像32aに関連付けて画像31に表示させる(「第1の処理」の実行)。この際に、本例の携帯情報端末2(測定データ処理用プログラムDp)では、処理部26が、一例として、「測定順序」が最も早いブレーカXaに対応する「順序表示」としてのマーカー33−01を「特定用表示」として点滅表示させる。
【0072】
この場合、本例の携帯情報端末2(測定データ処理用プログラムDp)では、「測定順序」が最も早い順序ではないブレーカXに対応するマーカー33(図7の例では、「測定順序」が2番目以降であるブレーカXb〜Xiに対応するマーカー33−02〜33−09)を点灯表示(「第1の表示態様」の一例)させると共に、「測定順序」が最も早い順序であるブレーカXに対応するマーカー33(図7の例では、「測定順序」が1番目であるブレーカXaに対応するマーカー33−01)を点滅表示(「第2の表示態様」の一例)させる構成・処理手順が採用されている。
【0073】
また、本例の携帯情報端末2(測定データ処理用プログラムDp)では、「測定値」の取得が完了したブレーカX(「測定順序」が最も早い順序ではないブレーカXの他の一例)に対応するマーカー33(一例として、後述するように、「測定値」の取得が完了したブレーカXaに対応するマーカー33−01:図8参照)を点灯表示(「第1の表示態様」の他の一例)させる構成・処理手順が採用されている。したがって、本例では、いずれかのマーカー33が点滅表示させられているときに、そのマーカー33が関連付けられた像32に対応するブレーカXが、「測定値の取得が完了していないブレーカXのなかで測定順序が最も早いブレーカX」であると特定することが可能となる。
【0074】
さらに、処理部26は、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定値を入力すべき測定値欄42b−01にカーソル表示を表示させると共に、一例として「(1)についての測定作業を開始して下さい。」とのメッセージを示すメッセージ表示部50を測定作業支援画面30bに重ねて表示させると共に、メッセージ表示部50に表示させているメッセージと同じメッセージをスピーカ25から音声メッセージとして出力する。
【0075】
したがって、測定作業支援画面30bのマーカー33や、メッセージ表示部50に表示されたメッセージを見たり、スピーカ25から出力された音声メッセージを聞いたりした利用者は、各ブレーカXについての測定作業を開始する。この際に、本例の測定システム100では、携帯情報端末2の表示部24に表示されている測定作業支援画面30bを参照することにより、これから測定する電圧値が、ブレーカXa〜Xiのいずれについての電圧値として記録されるか(ブレーカXa〜Xiのいずれについての測定を行うべきか)を確実かつ容易に利用者に対して認識させることが可能となっている。
【0076】
具体的には、図7に示す測定作業支援画面30bが表示部24に表示されている本例では、画像31における像32aに重ねられているマーカー33−01が点滅表示されている。このため、利用者は、このマーカー33−01が重ねられている像32aの画像31内における位置に基づき、これから測定を行う「測定対象」が配電盤YにおけるブレーカXaであると認識してテストリードをブレーカXaに接触させる。これに応じて、測定装置1では、測定部11が両テストリード間の電圧値を測定して測定値データD0を処理部16に出力する。また、処理部16は、測定部11から出力された測定値データD0を記憶部17に記憶させると共に、測定値データD0の値の変動量が予め規定された電圧値以下の範囲内となったとき(電圧値が安定したとき)に、その測定値データD0を通信部12から携帯情報端末2に送信させる。
【0077】
一方、携帯情報端末2では、測定装置1から送信された測定値データD0が通信部22aによって受信されたときに、処理部26が、1番目の「測定対象」についての測定値(電圧値)の取得が完了したと判別し(「いずれかの測定対象像に関連付けて特定用表示を表示させている状態でその測定対象像に対応する測定対象についての測定値の取得が完了したとき」との状態の一例)、図8に示すように、その測定値データD0の値を測定値欄42b−01に数値入力して測定結果データD3を生成する(「第2の処理」の実行)。
【0078】
また、処理部26は、測定データ処理用プログラムDpの記述に従い、一例として、「(1)についての測定値は、100.5Vです。(2)についての測定作業を開始して下さい。」とのメッセージを示すメッセージ表示部50を測定作業支援画面30bに重ねて表示させると共に(「報知処理」の一例)、メッセージ表示部50に表示させているメッセージと同じメッセージをスピーカ25から音声メッセージとして出力する(「報知処理」の他の一例)。これにより、メッセージ表示部50に表示されたメッセージを見たり、スピーカ25から出力された音声メッセージを聞いたりした利用者は、測定装置1のテストリードを接触させているブレーカXa(1番目の測定対象)についての測定値の取得が正常に完了したと認識する。
【0079】
また、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定値の取得が完了したときに、処理部26は、「測定順序」が1番目であることを示すマーカー33−01を、他のマーカー33−02〜33−09とは異なる表示色で点灯表示させる(「第2の表示態様」での表示である点滅表示を停止させる)と共に、測定値の取得が完了していないブレーカXb〜Xiのなかで「測定順序」が最も早いブレーカXbの像32bに対応するマーカー33−02を点滅表示させる(「第2の表示態様」での表示の他の一例であって、「第1の処理を再び実行する」との動作の一例)。さらに、処理部26は、ブレーカXbについての測定値を入力すべき測定値欄42b−02にカーソル表示を表示させ、測定装置1から測定値データD0が送信されたか否かの監視を開始する。
【0080】
なお、上記の例とは相違するが、例えば、ブレーカXaについての測定を行った際に、例えば、「(1)についての測定値は、60.2Vです。(2)についての測定作業を開始して下さい。」とのメッセージを示すメッセージ表示部50が表示されると共に、同様の音声メッセージがスピーカ25から出力され、これらのメッセージに基づき、利用者が、取得された測定値(電圧値)が正常ではないと判断したときには、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定を再び実行する(測定し直す)ことができる。
【0081】
例えば、測定値の取得が完了しているブレーカXaについての測定を再び実行する際には、このブレーカXaの像32aの上に重なって表示されているマーカー33−01を指定する操作(マーカー33−01にタッチする操作:「順序表示」を指定することで「順序表示」に対応する「測定対象」を指定する「第1の指定操作」の一例)を行う。この際に、処理部26は、指定されたマーカー33−01に対応するブレーカXaについての測定値の取得が完了していないものとして、上記の「第1の処理」を再び実行する。
【0082】
具体的には、処理部26は、マーカー33−01に対するタッチ操作が行われたときに、図7に示すように、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定値の取得が完了したことで2番目の「測定対象」を特定させるために点滅表示させているマーカー33−02をマーカー33−03〜33−09と同様の表示に戻すと共に、タッチ操作によって指定されたマーカー33−01を点滅表示させ、かつ、測定値欄42b−01に入力されている測定値(本例では、60.2Vとの値)を消去して測定値入力用のカーソルを点滅表示させる。これにより、利用者が、マーカー33−01が重ねられている像32aの画像31内における位置に基づき、これから測定を行う「測定対象」が配電盤YにおけるブレーカXaであると認識してテストリードをブレーカXaに接触させ、測定装置1によってブレーカXaの電圧値が測定されて測定値データD0が携帯情報端末2に送信される。
【0083】
一方、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定値の取得が完了し、図8に示すような測定作業支援画面30bが表示部24に表示されている状態において、この測定作業支援画面30bのマーカー33や、メッセージ表示部50に表示されたメッセージを見た利用者は、次の「測定対象」についての測定を開始する。この際に、本例では、画像31における像32bに重ねられているマーカー33−02が点滅表示されているため、利用者は、このマーカー33−02が重ねられている像32bの画像31内における位置に基づき、これから測定を行う「測定対象」が配電盤YにおけるブレーカXbであると認識してテストリードをブレーカXbに接触させる。
【0084】
これに応じて、測定装置1では、測定部11が両テストリード間の電圧値を測定して測定値データD0を処理部16に出力する。また、処理部16は、測定部11から出力された測定値データD0を記憶部17に記憶させると共に、測定値データD0の値の変動量が予め規定された電圧値以下の範囲内となったとき(電圧値が安定したとき)に、その測定値データD0を通信部12から携帯情報端末2に送信させる。
【0085】
一方、携帯情報端末2では、測定装置1から送信された測定値データD0が通信部22aによって受信されたときに、処理部26が、2番目の「測定対象」についての測定値(電圧値)の取得が完了したと判別し(「いずれかの測定対象像に関連付けて特定用表示を表示させている状態でその測定対象像に対応する測定対象についての測定値の取得が完了したとき」との状態の他の一例)、その測定値データD0の値を測定値欄42b−02に数値入力して測定結果データD3を生成する(「第2の処理」の実行)。
【0086】
また、例えば、上記の1番目および2番目の「測定対象」であるブレーカXa,Xbについての測定値の取得時と同様にして3番目の「測定対象」であるブレーカXcについての測定値が取得され、その測定値が、利用者が想定している測定値とは相違する測定値であったときに、本例の測定システム100では、ブレーカXa〜Xiについての過去の測定値を含む情報(測定履歴)を携帯情報端末2において参照することが可能となっている。
【0087】
具体的には、例えばブレーカXcについての測定値が、想定する値よりもやや低い値(例えば、98.3V)であったときに、履歴表示ボタン43を操作する(「予め規定された操作」の一例)。この際に、ブレーカXa〜Xiについて過去に測定作業が実施されて、その際に生成された測定結果データD3が記憶部27に記憶されているときに、処理部26は、測定結果データD3のタイムスタンプ(すなわち、測定結果データD3が生成された測定作業の実施日時)を特定可能な履歴リスト(図示せず)を表示部24に表示させる。また、過去の測定作業によって生成された測定結果データD3が記憶部27に記憶されていないときには、通信部22bおよび通信ネットワークNを介してデータサーバ3にアクセスし、データサーバ3に保管されている測定結果データD3を受信して記憶部27に記憶させることもできる。したがって、履歴表示ボタン43の操作によって表示されるリストから、任意の1つを選択することにより、過去の測定作業によって生成された測定結果データD3が読み出されて、図9に示す測定結果表示画面30cが表示部24に表示される。
【0088】
この場合、同図に示す測定結果表示画面30cでは、一例として、過去に実施した測定作業時に生成された測定結果データD3に基づいて各ブレーカXについての測定値が測定値欄42b−01〜42b−09にそれぞれ表示されている。また、本例では、3番目の「測定対象」であるブレーカXcについての過去の測定作業時における測定値(測定値欄42b−03に入力されている測定値)がやや低かったため、備考欄42c−03に「測定値低い」との事項が記入されている。
【0089】
したがって、測定結果表示画面30cを参照することで、ブレーカXcについての過去の測定値が今回測定値と同様にやや低い値であり、このブレーカXbについての測定値(電圧値)が低い状態は正常であると認識した利用者は、表示終了ボタン48を操作する。この際には、測定結果表示画面30cに代わり、測定値欄42b−03に「98.3V」との測定値が入力されると共にマーカー33−04が点滅表示させられた測定作業支援画面30b(図示せず)が表示部24に表示される。
【0090】
この後、4番目から9番目の各「測定対象」であるブレーカXd〜Xiについても、上記の測定時と同様の処理を実行する。また、9番目の「測定対象」であるブレーカXiについての測定を完了したとき(ブレーカXiについての測定値の測定値欄42b−09への入力が完了したとき)に、処理部26は、図10に示すように、一例として、「(1)〜(9)についての測定値の記録が完了しました。」とのメッセージを示すメッセージ表示部50を測定作業支援画面30bに重ねて表示させると共に(「報知処理」のさらに他の一例)、メッセージ表示部50に表示させているメッセージと同じメッセージをスピーカ25から音声メッセージとして出力する(「報知処理」のさらに他の一例)。
【0091】
これにより、メッセージ表示部50に表示されたメッセージを見たり、スピーカ25から出力された音声メッセージを聞いたりした利用者は、ブレーカXa〜Xiのすべてについての測定が正常に完了したと認識する。また、利用者が、ブレーカXa〜Xiについての測定を再び行う必要がないと判断したときには、測定終了ボタン47を操作する。これにより、ブレーカXa〜Xiについての各測定値が記録された測定結果データD3が記憶部27に記憶された状態となり、一連の測定作業が終了する。
【0092】
一方、測定装置1において生成された測定値データD0を無線通信等によって携帯情報端末2に送信させ、携帯情報端末2において、受信した測定値データD0の値を「測定対象」についての測定値として取得して測定値欄42bに自動で入力する使用方法を例に挙げて説明したが、本例の測定システム100では、測定装置1によって測定される測定値を、携帯情報端末2の操作によって手動で入力することもできる。
【0093】
一例として、医療施設内や空港施設内のように無線通信の使用を制限されている環境下で上記の測定システム100を利用して測定作業を行うときには、測定装置1から携帯情報端末2に無線通信によって測定値データD0を送信することができない。このため、上記の測定システム100では、測定装置1の通信部12、および携帯情報端末2の通信部22aの双方をオフ状態に設定した状態において携帯情報端末2において測定データ処理用プログラムDpが起動することで、測定装置1によって測定された測定値を携帯情報端末2の操作によって手動で入力する「手動入力モード」で使用することができる。なお、カメラ21によって配電盤Y(各ブレーカX)を撮像する作業や、測定作業支援画面30aを表示させた状態で「測定順序」を指定する操作については前述の例と同様のため、説明を省略する。
【0094】
この「手動入力モード」では、例えば、図7に示すように、マーカー33−01が「特定用表示」として点滅表示させられている測定作業支援画面30b(「第1の処理」が実行されている状態)を見た利用者が測定装置1を操作して、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての電圧値の測定を行う。この際に、本例の測定システム100では、一例として、測定装置1の通信部12がオフ状態のとき、すなわち、「手動入力モード」で測定システム100を使用しているときに、測定部11から出力される測定値データD0の値の変動量が予め規定された電圧値以下の範囲内となったとき(電圧値が安定したとき)に、処理部16が、スピーカ15からブザー音を出力する。これにより、測定装置1による測定を実行している利用者は、ブレーカXaについての測定を完了したと認識する。
【0095】
次いで、測定装置1の表示部14に表示される電圧値を参照しつつ携帯情報端末2を操作することにより、カーソルが表示されている測定値欄42b−01に、「1」「0」「0」「.」「5」「V」との文字を順次入力し、入力した文字列の確定操作を行う(「測定値の入力操作が行われたとき」の一例)。この際に、処理部26は、測定値の取得が完了したとして、入力された文字からなる「100.5V」との値を、ブレーカXaについて測定値として測定結果データD3に記録すると共に(「第2の処理」の他の一例)、図8に示すように測定作業支援画面30bを表示替えする。
【0096】
なお、図8に示す測定作業支援画面30bに表示替えする際に実行される各処理(「報知処理」、およびマーカー33−02を点滅表示させる「第1の処理」など)については、測定値データD0の値を自動入力する前述の構成・処理手順のときと同様のため、説明を省略する。この後、2番目以降の「測定対象」であるブレーカXb,Xc・・についての測定、および測定作業支援画面30bにおける測定結果表示42の測定値欄42b−02,42b−03・・への測定値の入力操作(測定値を示す文字列の入力および確定)などを順次実行する。これにより、図10に示すように、1番目から9番目までのブレーカXa〜Xiについての測定が完了し、測定装置1によって測定された測定値が測定値欄42b−01〜42b−09に入力された状態となる。この後、測定終了ボタン47を操作することにより、一連の測定作業が完了する。
【0097】
また、今回の測定作業によって生成した測定結果データD3をデータサーバ3に保管するときには、処理部26が通信部22bを制御して通信ネットワークNを介してデータサーバ3にアクセスし、記憶部27に記憶されている最新の測定結果データD3を送信させる。これにより、上記の測定作業によって生成された最新の測定結果データD3が配電盤Yに関連付けられた状態でデータサーバ3に保管される。
【0098】
このように、この携帯情報端末2では、各ブレーカXに対して「測定順序」がそれぞれ指定されている状態において、処理部26が、各ブレーカXのそれぞれの位置に対応して像32が並べられた画像31を表示部24に表示させると共に、測定値の取得が完了していないブレーカXのなかで「測定順序」が最も早いブレーカXの像32を特定可能な「特定用表示(本例では、点滅表示させたマーカー33)」を像32に関連付けて画像31に重ねて表示させる「第1の処理」、およびいずれかの像32に関連付けて「特定用表示」としてマーカー33を点滅表示させている状態で、その像32に対応するブレーカXについての測定値の取得が完了したときに、取得した測定値を、そのブレーカXに対応させて測定結果データD3に記録する「第2の処理」を実行すると共に「第1の処理」を再び実行する。また、この測定システム100では、各「測定対象」についての測定を実行可能に構成された測定装置1と、上記のような携帯情報端末2とを備えて構成されている。さらに、この測定データ処理用プログラムDpでは、上記の「第1の処理」や「第2の処理」の実行手順が記録されている。
【0099】
したがって、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、各ブレーカXについての測定を順次実行する際に、「特定用表示」として点滅表示させられているマーカー33がいずれの像32に重なって表示されているかに基づき、いずれのブレーカXについての測定を行うべきかを正確かつ容易に把握することができる。これにより、この種の装置を使用した測定作業に不慣れな利用者であっても、各ブレーカXについての測定値を正確かつ容易に記録して測定結果データD3を生成することができる。
【0100】
また、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、配電盤Yの画像31を表示部24に表示させる際に、各ブレーカXに対して指定された「測定順序」を特定可能な「順序表示(本例では、マーカー33)」を対応するブレーカXの像32にそれぞれ関連付けて画像31に重ねて表示させることにより、「順序表示」としてのマーカー33、およびその表示位置を参照することで、各マーカー33が重なって表示されている像32に対応するブレーカXについての「測定順序」を正確かつ容易に把握することができる。
【0101】
また、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、測定値の取得が完了していない「測定対象」のなかで「測定順序」が最も早い「測定対象」に対応する「順序表示」を「特定用表示」として、対応する「測定対象」の「測定順序」が最も早い順序ではないときの「第1の表示態様(本例では、点灯表示)」とは異なる「第2の表示態様(本例では、点滅表示)」で表示することにより、「順序表示」としてのマーカー33とは別個に「特定用表示」を表示させる構成・処理手順とは異なり、画像31に重ねて表示される表示要素の数を少なくすることができるため、過剰に多くの表示要素を画像31に重ねて表示させることで各ブレーカXの像32の視認が困難となる事態を招くことなく、各ブレーカXについての「測定順序」、およびこれから測定を行うべきブレーカXについての像32を確実かつ容易に把握することができる。
【0102】
さらに、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、「第1の処理」においていずれかの「測定対象像」に関連付けて「特定用表示」を表示させている状態で通信部22aによって測定値データD0が受信されたときに、測定値の取得が完了したとして「第2の処理」を実行することにより、測定装置1によって測定された測定値を手動で携帯情報端末2に入力する構成・処理手順とは異なり、測定値の入力ミスを好適に回避することができるだけでなく、各ブレーカXについての測定値を短時間で容易に記録することができきる。
【0103】
また、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、「第1の処理」においていずれかのブレーカXの像32に関連付けてマーカー33を点滅表示させている状態で測定値の入力操作が行われたときに、測定値の取得が完了したとして「第2の処理」を実行することにより、測定装置1と携帯情報端末2との間の通信が困難な環境下においても、各ブレーカXについての測定値を正確かつ容易に記録して測定結果データD3を生成することができる。
【0104】
さらに、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、「第1の処理」においていずれかの「測定対象像」に関連付けて「特定用表示」を表示させている状態で測定値の取得が完了している「測定対象」を指定する「第1の指定操作」が行われたときに、指定された「測定対象」についての測定値の取得が完了していないものとして「第1の処理」を再び実行することにより、利用者が、記録された測定値が正常ではないと判断したときに、その測定値が得られた「測定対象」についての測定だけを何度でもやり直すことができるため、各「測定対象」についての測定値を一層正確に記録することができる。
【0105】
また、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、いずれかの「測定対象」についての測定値の取得が完了したときに、測定値の取得が完了したことを特定可能に報知する「報知処理(本例では、メッセージの表示および音声メッセージの出力)」を実行することにより、測定結果表示42の測定値欄42bに測定値が入力されたか否かを確認しなくても、測定を行ったブレーカXについての測定値の記録が完了したか否かを容易に把握し、次の「測定対象」についての測定を迅速に開始することができるため、各ブレーカXについての測定値の記録を短時間で完了させることができる。
【0106】
さらに、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、「報知処理」において、取得が完了した測定値を特定可能な音声メッセージを出力することにより、携帯情報端末2からある程度離れた場所(表示部24の視認が困難な程度に離れた場所)で測定装置1による測定作業を実行しているときであっても、携帯情報端末2において各ブレーカXについての測定値の記録が完了したか否かを容易に把握することができる。
【0107】
また、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、画像31上における各「測定対象像」の表示位置を指定する「第2の指定操作(本例では、マーカー33の各像32上へのドラッグ操作)」が行われたときに、「第2の指定操作」が行われた順序に従って指定された表示位置に対応する「測定対象」の「測定順序」を規定することにより、例えば、利用者以外の者が予め決定した「測定順序」に従って各ブレーカXについての測定を順次実行するのと比較して、各ブレーカXについての「測定順序」を利用者の好みに応じて任意に指定することができ、しかも、その指定操作が非常に容易であるため、各ブレーカXについての測定をスムーズに実行することができる。
【0108】
さらに、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、カメラ21から出力された撮像データD2を「画像データ」として記憶部27に記憶させ、記憶させた「画像データ(撮像データD2)」に基づいて画像31を表示部24に表示させることにより、「測定対象像」を描いた「画像データ」を測定作業等に先立って生成する煩雑な作業を行うことなく、カメラ21によって各ブレーカXを撮像するだけで、「測定対象像」としての各像32を含む画像31を携帯情報端末2の表示部24に容易に表示させることができる。また、「測定対象像」を描いた「画像データ」を使用するのとは異なり、実際に測定を行う各ブレーカXを撮像した撮像データD2を「画像データ」として使用して画像31を表示させることで、「特定用表示」としてのマーカー33の表示位置に基づき、次に測定を行うブレーカXの位置などを正確かつ容易に把握することができる。
【0109】
また、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、予め規定された操作(本例では、履歴表示ボタン43の操作)が行われたときに、測定結果データD3に基づいて「測定対象」についての過去に測定された測定値を表示部24に表示させることにより、例えば、測定された測定値が、想定している値とは異なるときに、過去に測定された測定値を参照することで、その測定値が正常であるか否か等を容易に把握することができる。
【0110】
なお、「測定データ処理装置」および「測定システム」の構成や、「測定データ処理用プログラム」の処理内容については、上記の例に限定されない。例えば、「測定対象」としての各ブレーカXの像32を含む画像31における任意の位置(いずれかの像32と重なる位置)にマーカー33を配置することで各ブレーカXについての「測定順序」を手動で設定し、設定した「測定順序」を示すマーカー33を各ブレーカXの像32に対応付けて(像32に重ねて)表示させた状態とする構成・処理手順を例に挙げて説明したが、このような構成・処理手順に代えて(または、このような構成・処理手順に加えて)、各ブレーカX(配電盤Y)をカメラ21によって撮像するだけで、予め規定された「測定順序」に対応するマーカー33(順序表示)を各像32に関連付けて画像31に重ねて表示させる構成・処理手順を採用することもできる。
【0111】
なお、以下の説明において使用する測定システム100(測定装置1および携帯情報端末2)では、携帯情報端末2にインストールされている測定データ処理用プログラムDpが僅かに相違する点を除き、前述した測定システム100(測定装置1および携帯情報端末2)と同様に構成されているため、同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を用いて説明することで重複する説明を省略する。
【0112】
まず、各ブレーカXについての測定の開始に先立ち、図11に示すように、「測定対象」としてのブレーカXa〜Xi(または、配電盤YにおけるブレーカXa〜Xiの近傍)にコードラベルLa〜Liをそれぞれ貼付する。このコードラベルLa〜Li(以下、区別しないときには「コードラベルL」ともいう)は、「識別符号表示」に相当し、一例として、カラービット(登録商標)の規格に従って1枚ずつ相違するユニークなコード(符号)がカラーコード化されて記されている。
【0113】
また、一例として、各ブレーカXへのコードラベルLの貼付作業を並行して携帯情報端末2を操作することにより、図示しない設定用画面を表示部24に表示させた状態において、どのようなコードが記されたコードラベルLをいずれのブレーカXに貼付したかを逐次入力すると共に、各ブレーカXの名称(後に参照する測定作業支援画面30dにおける測定結果表示42の測定対象名欄42a−01〜42a−09に表示される文字列)をそれぞれ入力することによって関連付けデータDa(「第1の関連付けデータ」の一例)を生成する。この場合、例えばブレーカXaにコードラベルLaを貼付する本例では、コードラベルLaに記されているコードが、ブレーカXaに対して個別的に付与される「識別符号」としてブレーカXaに関連付けられると共に、ブレーカXaの名称として入力される「メインブレーカ」との名称がブレーカXaに関連付けられてデータDaに記録され、記憶部27に記憶される。
【0114】
さらに、一例として、各ブレーカXへのコードラベルLの貼付作業、およびコードラベルLのコードと各ブレーカXとの関連付け作業(関連付けデータDaの生成)が完了したときに、携帯情報端末2を操作して、各ブレーカXの「測定順序」を決定する。この際には、ブレーカXa,Xb・・Xiの順で測定を行うように決定されて、各ブレーカXに対して付与された「識別符号」(本例では、各ブレーカXに貼付されたコードラベルLに記されているコード)を、決定した「測定順序」に関連付けて記録した関連付けデータDb(「第2の関連付けデータ」の一例)が生成されて記憶部27に記憶される。
【0115】
次いで、操作部23(タッチパネル)の操作によって「測定対象の撮像」との項目を選択した後に、配電盤Yにおける各ブレーカXをカメラ21によって撮像する。この際には、図12に示すように、「測定対象」としての各ブレーカXの像32、および各ブレーカXに貼付したコードラベルLa〜Liの像34a〜34i(以下、区別しないときには「像34」ともいう)が各ブレーカXの位置に応じて並んだ画像31の撮像データD2がカメラ21から出力される。また、処理部26は、カメラ21から撮像データD2が出力されたときに、測定データ処理用プログラムDpの記述に従い、図13に示す測定作業支援画面30dを表示部24に表示させる。なお、この測定作業支援画面30dにおいて前述した測定作業支援画面30bと同様の表示要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0116】
この際に、処理部26は、測定データ処理用プログラムDpの記述に従い、カメラ21によって撮像された撮像データD2を画像解析処理することにより、撮像された各コードラベルLのコード(像34によって示されるコード:識別符号)をそれぞれ特定する(「処理A」の実行)。次いで、処理部26は、特定したコード(識別符号)が付与されているブレーカXを関連付けデータDaに基づいて特定する(「処理B」の実行)。続いて、処理部26は、特定したコード(識別符号)のブレーカXに関連付けられている「測定順序」を関連付けデータDbに基づいて特定する(「処理C」の実行)。これにより、「最初の第1の処理の開始に先立ち、処理A、処理Bおよび処理Cを実行する」との一連の処理が完了し、各ブレーカXa〜Xiについての「測定順序」が指定された状態となる。
【0117】
次いで、同図に示すように、処理部26は、「処理C」において関連付けデータDbに基づいて特定した「測定順序」を示すマーカー33−01〜33−09(順序表示)を「処理B」において関連付けデータDaに基づいて特定したブレーカXa〜Xiの像32a〜32iに関連付けて画像31に重ねて表示させる処理を実行する。また、処理部26は、関連付けデータDaに記録されている各ブレーカXの名称を測定結果表示42における各測定対象名欄42a−01〜42a−09に表示せる。
【0118】
これにより、ブレーカXa〜Xiの像32a〜32iにマーカー33−01〜33−09がそれぞれ重なって表示され、かつ各マーカー33−01〜33−09の位置の像32a〜32iに対応するブレーカXa〜Xiの名称が測定対象名欄42a−01〜42a−09に表示された状態となり、表示された各マーカー33に基づき、各像32に対応する「測定対象(各ブレーカX)」に対して規定された「測定順序」を特定し、かつ測定対象名欄42a−01〜42a−09に表示された文字列によって各ブレーカXの名称を特定することが可能な状態となる。
【0119】
また、処理部26は、測定値の取得が完了していないブレーカXのなかで「測定順序」が最も早いブレーカXaの像32aを特定可能な「特定用表示」を像32aに関連付けて画像31に表示させる(「第1の処理」の実行)。この際に、本例では、処理部26が、一例として、「測定順序」が最も早いブレーカXaに対応する「順序表示」としてのマーカー33−01を「特定用表示」として点滅表示させる(「第2の表示態様」での表示の他の一例)。さらに、処理部26は、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定値を入力すべき測定値欄42b−01にカーソル表示を表示させると共に、一例として「(1)についての測定作業を開始して下さい。」とのメッセージを示すメッセージ表示部50を測定作業支援画面30dに重ねて表示させる。
【0120】
この後、マーカー33のドラッグ操作によって各ブレーカXについての「測定順序」を決定した前述の例のときと同様にして、測定作業支援画面30dや測定作業支援画面30d上のメッセージ表示部50に表示されたメッセージを見た利用者が、各ブレーカXについての測定を順次実行する。これにより、各ブレーカXa〜Xiについての一連の測定作業が完了し、測定結果データD3が記憶部27に記憶された状態となる。
【0121】
このように、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpでは、最初の「第1の処理」の開始に先立ち、「識別符号」を示すコードラベルLが配設された各ブレーカX(測定対象)がカメラ21によって撮像された撮像データD2を画像解析処理してコードラベルLに記されているコード(識別符号)をそれぞれ特定する「処理A」と、特定した「識別符号」が付与されているブレーカXを関連付けデータDaに基づいて特定する「処理B」と、特定した「識別符号」に関連付けられている「測定順序」を関連付けデータDbに基づいて特定する「処理C」とを実行する。
【0122】
したがって、この携帯情報端末2、測定システム100および測定データ処理用プログラムDpによれば、各ブレーカXにコードラベルLを貼付し、関連付けデータDa,Dbを携帯情報端末2に記憶させておくことで、カメラ21によって各ブレーカXを撮像するだけで、各ブレーカXに対して規定された「測定順序」などが自動的に特定されるため、この種の装置に不慣れな利用者であっても、各ブレーカXについての測定値を正確かつ容易に記録して測定結果データD3を生成することができる。
【0123】
また、「順序表示」としてのマーカー33を「特定用表示」として表示させる際に「第2の表示態様」として「点滅表示」させる構成・処理手順を例に挙げて説明したが、いずれかの「順序表示」を「特定用表示」として表示させる際の「第2の表示態様」はこれに限定されない。例えば、対応する「測定対象」の「測定順序」が最も早い順序ではないときの「第1の表示態様」での表示時とは異なる色や、異なる形状や、異なる大きさに表示する表示態様を「第2の表示態様」とする構成・処理手順を採用することもできる。
【0124】
さらに、「特定用表示」を「順序表示」とは別個に表示させる構成・処理手順を採用することもできる。具体的には、一例として、図14に示す測定作業支援画面30eのように、「順序表示」としてのマーカー33とは別に、測定値の取得が完了していないブレーカXのなかで「測定順序」が最も早いブレーカXを特定可能なカレント表示35(これから測定を行うブレーカXを示す表示:「特定用表示」の他の一例)を対応する「測定対象像(例えば像32a)」に関連付けて画像31に重ねて表示させる処理を「第1の処理」として実行する構成・処理手順を採用することができる。なお、この測定作業支援画面30eや、後述する測定作業支援画面30f(図15参照)において前述した測定作業支援画面30bと同様の表示要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0125】
また、図15に示す測定作業支援画面30fのように、上記の各例において「順序表示」に相当するマーカー33−01〜33−09に代えて(「順序表示」を表示せずに)、一例として、各ブレーカXの名称を示す文字列(測定結果表示42における測定対象名欄42a−01,42a−02・・に入力した文字列)を示すマーカー36−01〜36−09(以下、区別しないときには「マーカー36」ともいう)を各ブレーカXの像32の表示位置に表示させておき、これらのマーカー36のうちのいずれかを「特定用表示」として、「測定順序」が最も早い順序ではないときの「第1の表示態様」とは異なる「第2の表示態様」で表示する構成・処理手順を採用することができる。
【0126】
この場合、「順序表示」に相当する表示が存在しない測定作業支援画面30fの例では、一例として、測定結果表示42内の各「測定対象」に関する表示の順序を任意に指定することで「測定順序」を指定することができる。具体的には、ブレーカXa,Xb・・Xiの順で「測定順序」を指定する際には、ブレーカXa,Xb・・Xiの名称を測定結果表示42内に上から順に入力する。この際には、図4に示す測定作業支援画面30aにおける各マーカー33に代わって、入力された文字列(本例では、各ブレーカの名称)を示すマーカー36が画像31の側方に表示されるため(図示せず)、図5,6を参照しつつ説明した前述の例と同様にして、表示されたマーカー36を各ブレーカXの像32にそれぞれ関連付けて配電盤Yの画像31に重ねて表示させる。この後、設定終了ボタン45(図示せず)を操作することにより、処理部26による最初の「第1の処理」が開始されて、図15に示すように、測定作業支援画面30fが表示部24に表示される。
【0127】
この測定作業支援画面30fでは、測定値の取得が完了していない各ブレーカXのなかで「測定順序」が最も早い1つ(処理開始直後の本例では、「測定順序」が1番のブレーカXa)に対応付けられたマーカー36−01が、「特定用表示」として、ブレーカXaについての「測定順序」が最も早い順序ではないときの「第1の表示態様(一例として、点灯表示)」とは異なる「第2の表示態様(一例として、点滅表示)」で表示される。また、処理部26は、1番目の「測定対象」であるブレーカXaについての測定値を入力すべき測定値欄42b−01にカーソル表示を表示させると共に、一例として「「メインブレーカ」についての測定作業を開始して下さい。」とのメッセージを示すメッセージ表示部50を測定作業支援画面30fに重ねて表示させると共に、メッセージ表示部50に表示させているメッセージと同じメッセージをスピーカ25から音声メッセージとして出力する。
【0128】
したがって、測定作業支援画面30fのマーカー36−01の点滅表示や、メッセージ表示部50に表示されたメッセージを見たり、スピーカ25から出力された音声メッセージを聞いたりした利用者は、各ブレーカXaについての測定作業を開始すべきと認識して必要な作業を速やかに開始する。このため、「順序表示」を「特定用表示」と兼用したり、「順序表示」とは別個に「特定用表示」を表示させたりする上記の各例と同様にして、各ブレーカXについての測定を順次実行する際に、「特定用表示」として点滅表示させられているマーカー36がいずれの像32に重なって表示されているかに基づき、いずれのブレーカXについての測定を行うべきかを正確かつ容易に把握することができる。
【0129】
なお、測定作業支援画面30fにおけるマーカー36の点滅表示のように、「順序表示」ではない表示要素(単体では測定順序を特定することができない表示要素)を「特定用表示」として表示させる構成・処理手順においては、マーカー36の例のように、「測定対象の名称」を示す文字列を示した表示に限定されず、利用者が任意に指定した文字列や、任意の記号および任意の図形を「特定用表示」として表示させることができる(図示せず)。この場合、「利用者が任意に指定した文字列」には、「測定順序とは無関係な数字」がこれに含まれる。
【0130】
さらに、カメラ21によって生成された撮像データD2を「画像データ」として使用して画像31を表示させる構成・処理手順を例に挙げて説明したが、携帯情報端末2に搭載されているカメラ21とは異なるカメラ(外部装置で構成された撮像装置)によってブレーカXa〜Xi等の「測定対象」を撮像した「撮像データ」や、ブレーカXa〜Xi等の「測定対象」の「測定対象像」を描画した画像データを「画像データ」として使用することもできる。
【0131】
この場合、「測定対象」の「測定対象像」を描画した画像データを「画像データ」として使用するときには、「測定順序」の指定に際して「測定対象像」の表示位置を指定する操作(位置Paや位置Pbへのマーカー33のドラッグ操作)を行う前述の例に代えて、「測定対象像」そのものを指定する操作(例えば「測定対象像」にタッチする操作:「測定対象像および画像上における測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方」が「測定対象像」である「第2の指定操作」の一例)を行う構成・処理手順を採用することができる。
【0132】
また、「測定対象」の「測定対象像」を描画した画像データを「画像データ」として使用するときには、例えば、測定値の取得が完了している「測定対象」についての測定(測定値の取得)を再び実行する際に、その「測定対象像」に関連付けられている「順序表示(前述した例におけるマーカー33)」に代えて、「測定対象像」そのものを指定する操作(例えば「測定対象像」にタッチする操作:「測定対象像」を指定することで「測定対象像」の「測定対象」を指定する「第1の指定操作」の一例)を行うことにより、指定された「測定対象像」に対応する「測定対象」についての測定値の取得が完了していないものとして「第1の処理」を再び実行させる構成・処理手順を採用することができる。
【0133】
さらに、測定に際して測定装置1によって測定される測定値の変動量が予め規定された測定値以下の範囲内となったとき(測定値が安定したとき)に、その測定値データD0を測定装置1から携帯情報端末2に送信させる構成・処理手順を例に挙げて説明したが、このような構成・処理手順に代えて、「測定装置」に配設されたホールドボタン等が操作されたときに、その時点における最新の測定値を示す「測定値データ」を「測定装置」から「測定データ処理装置」に送信させる構成・処理手順を採用することもできる。また、測定作業支援画面30a,30b,30d,30eや測定結果表示画面30cにおいて各ブレーカXの名称や測定値を表形式の測定結果表示42に表示させる構成・処理手順を例に挙げて説明したが、各「測定対象」の名称や測定値を、各「測定対象」毎の表示画面にカード形式で表示させる構成・処理手順を採用することもできる。
【0134】
また、携帯情報端末2において測定値の記録が完了したときに携帯情報端末2において「報知処理」を実行する構成・処理手順を例に挙げて説明したが、このような構成・処理手順に代えて(または、このような構成・処理手順に加えて)、「測定データ処理装置」において測定値の記録が完了したときに測定値の取得が完了したことを特定可能に報知する「報知処理」を「測定装置」において実行する構成・処理手順を採用することもできる。具体的には、上記の例における携帯情報端末2において測定値の記録が完了したときに、その旨を示す報知信号を測定装置1に送信し、測定装置1において報知信号が受信されたときに、表示部14にメッセージ表示部50と同様のメッセージを表示させたり、携帯情報端末2のスピーカ25から出力した音声メッセージと同様の音声メッセージをスピーカ15から出力したりすることができる。
【0135】
さらに、「測定対象」である各ブレーカXの設置場所において携帯情報端末2において測定データ処理用プログラムDpを起動させ、測定作業支援画面30aにおける測定結果表示42の測定対象名欄42a−01,42a−02・・などにブレーカXについての諸情報を入力する使用形態を例に挙げて説明したが、「測定対象」についての「履歴データ」が存在するとき(過去の測定結果に関するデータが存在するとき)や、「履歴データ」を記録するための基本情報を記録した「基本データ」が存在するとき(測定結果を記録するための「測定値」が未記録の履歴データが存在するとき)には、測定作業の開始に先立ってこれらのデータを取得し、取得したデータに基づいて測定結果表示42の測定対象名欄42a−01,42a−02・・などに必要な情報を自動的に入力させるような構成・処理手順を採用することもできる。
【符号の説明】
【0136】
100 測定システム
1 測定装置
2 携帯情報端末
3 データサーバ
11 測定部
12,22a,22b 通信部
13,23 操作部
14,24 表示部
15,25 スピーカ
16,26 処理部
17,27 記憶部
21 カメラ
30a,30b,30d,30e,30f 測定作業支援画面
30c 測定結果表示画面
31 画像
32a〜32i,34a〜34i 像
33−01〜33−20,36−01〜36−09 マーカー
35 カレント表示
41 測定対象情報表示
42 測定結果表示
42a−01〜42a−20 測定対象名欄
42b−01〜42b−20 測定値欄
42c−01〜42c−20 備考欄
43 履歴表示ボタン
44 キャンセルボタン
45 設定終了ボタン
46 再設定ボタン
47 測定終了ボタン
48 表示終了ボタン
50 メッセージ表示部
D0 測定値データ
D1 測定対象管理用データ
D2 撮像データ
D3 測定結果データ
Da,Db 関連付けデータ
Dp 測定データ処理用プログラム
La〜Li コードラベル
N 通信ネットワーク
Pa,Pb・・ 位置
Xa〜Xi ブレーカ
Y 配電盤
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、
前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部と、
前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部とを備え、
前記処理部は、前記撮像部から出力された前記撮像データを前記画像データとして前記記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させると共に、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行する測定データ処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記各測定対象に対して個別的に付与された識別符号が当該各測定対象に関連付けて記録された第1の関連付けデータ、および当該識別符号が前記測定順序に関連付けて記録された第2の関連付けデータを記憶し、
前記処理部は、最初の前記第1の処理の開始に先立ち、前記識別符号を示す識別符号表示が配設された前記各測定対象が前記撮像部によって撮像された前記撮像データを画像解析処理して当該識別符号表示の前記識別符号をそれぞれ特定する処理Aと、特定した前記識別符号が付与されている前記測定対象を前記第1の関連付けデータに基づいて特定する処理Bと、特定した前記識別符号に関連付けられている前記測定順序を前記第2の関連付けデータに基づいて特定する処理Cとを実行する請求項1記載の測定データ処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定する請求項1または2のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データを記憶し、
前記処理部は、予め規定された操作が行われたときに前記履歴データに基づいて前記測定対象についての前記過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる請求項1から3のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する請求項1から4のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項6】
測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、
前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部とを備え、
前記処理部は、前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定し、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行する測定データ処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データを記憶し、
前記処理部は、予め規定された操作が行われたときに前記履歴データに基づいて前記測定対象についての前記過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる請求項6記載の測定データ処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する請求項6または7記載の測定データ処理装置。
【請求項9】
測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、
前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部とを備え、
前記記憶部は、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データを記憶し、
前記処理部は、予め規定された操作が行われたときに前記履歴データに基づいて前記測定対象についての前記過去に測定された測定値を前記表示部に表示させ、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行する測定データ処理装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する請求項9記載の測定データ処理装置。
【請求項11】
測定対象を示す測定対象像が複数の当該測定対象のそれぞれの位置に対応して並べられた画像の画像データ、および当該各測定対象についての測定値が記録された測定結果データを記憶する記憶部と、
前記各測定対象に対して測定順序がそれぞれ指定されている状態において、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させると共に、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理を実行する処理部とを備え、
前記処理部は、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて前記測定結果データに記録する第2の処理を実行すると共に前記第1の処理を再び実行し、かつ当該第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行する測定データ処理装置。
【請求項12】
前記処理部は、前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させるときに、前記各測定対象に対して指定された前記測定順序を特定可能な順序表示を対応する当該測定対象の前記測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させる請求項1から11のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象に対応する前記順序表示を前記特定用表示として、対応する当該測定対象の当該測定順序が最も早い順序ではないときの第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示する請求項12記載の測定データ処理装置。
【請求項14】
前記測定対象についての測定処理を実行可能に構成された測定装置から送信される測定値データを受信可能な通信部を備え、
前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記通信部によって前記測定値データが受信されたときに、前記測定値の取得が完了したとして前記第2の処理を実行して当該測定値データの値を対応する前記測定対象についての前記測定値として前記測定結果データに記録する請求項1から13のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項15】
前記処理部は、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の入力操作が行われたときに、前記測定値の取得が完了したとして前記第2の処理を実行して当該入力操作によって入力された当該測定値を対応する前記測定対象についての前記測定値として前記測定結果データに記録する請求項1から14のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項16】
前記処理部は、いずれかの前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに、当該測定値の取得が完了したことを特定可能に報知する報知処理を実行する請求項1から15のいずれかに記載の測定データ処理装置。
【請求項17】
前記処理部は、前記報知処理において、取得が完了した測定値を特定可能な音声メッセージを出力する請求項16記載の測定データ処理装置。
【請求項18】
前記各測定対象についての測定を実行可能に構成された測定装置と、請求項1から17のいずれかに記載の測定データ処理装置とを備えて構成されている測定システム。
【請求項19】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行すると共に、前記各測定対象を撮像して撮像データを出力する撮像部から出力された当該撮像データを前記画像データとして記憶部に記憶させ、記憶させた当該画像データに基づいて前記画像を前記表示部に表示させるように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項20】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録され、かつ前記画像データに基づく前記画像を前記表示部に表示させている状態で前記各測定対象像および当該画像上における当該各測定対象像の表示位置のいずれか予め規定された一方を順次指定する第2の指定操作が行われたときに、当該第2の指定操作が行われた順序に従って指定された当該一方に対応する前記測定対象の前記測定順序を規定する処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項21】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録されると共に、予め規定された操作が行われたときに、前記各測定対象について過去に測定された前記測定値を含む履歴データに基づいて当該測定対象についての当該過去に測定された測定値を前記表示部に表示させる処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項22】
測定順序がそれぞれ指定されている複数の測定対象のそれぞれの位置に対応して当該測定対象を示す測定対象像が並べられた画像の画像データに基づいて当該画像を表示部に表示させると共に、測定値の取得が完了していない前記測定対象のなかで前記測定順序が最も早い当該測定対象の前記測定対象像を特定可能な特定用表示を当該測定対象像に関連付けて表示させる第1の処理と、いずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で当該いずれかの測定対象像に対応する前記測定対象についての前記測定値の取得が完了したときに取得した当該測定値を当該測定対象に対応させて測定結果データに記録する第2の処理とを測定データ処理装置の処理部に実行させる手順が記録されると共に、前記第1の処理および前記第2の処理を実行し、かつ当該第2の処理の完了後に当該第1の処理を再び実行し、前記第1の処理においていずれかの前記測定対象像に関連付けて前記特定用表示を表示させている状態で前記測定値の取得が完了している前記測定対象を指定する第1の指定操作が行われたときに、指定された当該測定対象についての前記測定値の取得が完了していないものとして前記第1の処理を再び実行するように当該各処理の実行手順が記録されている測定データ処理用プログラム。
【請求項23】
前記画像データに基づいて前記画像を表示部に表示させるときに、前記各測定対象に対して指定された前記測定順序を特定可能な順序表示を対応する当該測定対象の前記測定対象像にそれぞれ関連付けて表示させる処理の実行手順が記録されている請求項19から22のいずれかに記載の測定データ処理用プログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-11-05 
結審通知日 2021-11-10 
審決日 2021-11-25 
出願番号 P2015-045883
審決分類 P 1 41・ 853- Y (G01D)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 岡田 吉美
特許庁審判官 居島 一仁
濱野 隆
登録日 2019-07-19 
登録番号 6556469
発明の名称 測定データ処理装置、測定システムおよび測定データ処理用プログラム  
代理人 酒井 伸司  
代理人 酒井 伸司  

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