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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C12N
管理番号 1384002
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-11-09 
確定日 2022-01-20 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6687532号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6687532号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6687532号は、平成27年3月27日(パリ条約による優先権主張 2014年3月28日 (ES)スペイン)を国際出願日とする特願2016−560431号として特許出願されたものであって、その請求項1〜16に係る発明について、令和2年4月6日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和3年11月9日に本件の訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第6687532号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

2 訂正の内容
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
明細書の段落【0058】、【0098】、【0135】にそれぞれ「表2 1において」と記載されているのを、「表2において」に訂正する。

(2)訂正事項2
明細書の段落【0135】に「ND1 30 遺伝子」と記載されているのを、「ND1 遺伝子」に訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の明細書の段落【0058】には、「(v)表2 1において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト」と記載されている一方で、訂正前の明細書中には表2 1は存在せず、訂正前の明細書の段落【0040】に表1、訂正前の明細書の段落【0044】に表2がそれぞれ記載されている。
したがって、訂正前の明細書の段落【0058】の「表2 1において」が、それぞれ、「表1」または「表2」いずれかの誤りであるといえ、以下、それぞれの可能性を検討する。
まず、「表1」の誤りである可能性を検討すると、訂正前の明細書の段落【0040】には、「表1」について、「D-ループ領域における位置16386および256のCpGのリスト」と記載されていることから、訂正前の明細書の段落【0058】の(v)における「表2 1において」を「表1において」と解した場合、同段落中の(v)の「ND1遺伝子におけるCpGサイト」という記載と整合性がない。
次に、「表2」の誤りである可能性を検討すると、訂正前の明細書の段落【0044】には、「表2」について、「位置3313と3686との間のND1遺伝子におけるCpGサイトのリスト」と記載されており、訂正前の明細書の段落【0058】の(v)における「表2 1において」を「表2において」と解した場合、同段落中の(v)の「ND1遺伝子におけるCpGサイト」という記載と何ら矛盾がない。
したがって、訂正前の明細書の段落【0058】における「表2 1において」は「表2において」の誤りであることが明らかである。
本件訂正前の明細書の段落【0098】、【0135】それぞれにおける「表2 1において」という記載についても同様に、「表2において」の誤りであることが明らかである。
以上より、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1は、訂正前の明細書の段落【0058】、【0098】、【0135】それぞれにおける、誤りである「表2 1において」を正しい記載である「表2において」に訂正し、願書に最初に添付した明細書の段落【0044】に記載された表2を引用する記載に訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1は、誤記を訂正するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲の請求項1〜16に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見出せないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の明細書の段落【0135】には、「表4において示されたND1 30遺伝子におけるCHGサイト」と記載されているが、訂正前の明細書の段落【0052】には、表4について「位置3313と3686との間のND1遺伝子におけるCHGサイトのリスト」と記載されているほか、訂正前の明細書中のいずれの箇所にも、「ND1 30遺伝子」は記載がされていないことから、訂正前の明細書の段落【0135】の「ND1 30遺伝子」は、「ND1遺伝子」の誤りであることが明らかである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に最初に添付した明細書の段落【0052】では、表4について「位置3313と3686との間のND1遺伝子におけるCHGサイトのリスト」と記載されており、訂正事項2は、上記(1)で述べたとおり、表4についての誤りである「ND1 30遺伝子」との記載を、正しい記載である「ND1遺伝子」に訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲の請求項1〜16に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見出せないから、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
発明の名称 (54)【発明の名称】神経変性疾患のミトコンドリアマーカー
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経疾患の診断方法の一部として分類される。
【背景技術】
【0002】
少なからぬの数の神経変性疾患が、変質したミトコンドリア機能によって引き起こされ、または、これに関連づけられる。
【0003】
アルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病(PD)は、このグループ内である。ADおよびPDの病態生理的特徴は、凝集タンパク質の沈着と関連がある。具体的には、ADは、神経原線維のもつれにおける細胞内リン酸化タウ凝集体および老人斑におけるβ−アミロイドペプチドの細胞外凝集体の形成に関連づけられ、PDは、いわゆるレビー小体およびレビーニューライトの主要構成成分を構成する異常なα−シヌクレイン凝集体の形成に関連づけられる。
【0004】
アルツハイマー患者が彼らの脳組織におけるサブユニットND4の減じられたレベルを示すこと、および、パーキンソン患者が黒質におけるND6の減少させられたレベルを示すことが、認められている。さらに、遺伝学的研究は、いくつかのCOX遺伝子における、およびD−ループ領域における、突然変異だけでなく、ADを有する被験者の脳における、およびPDを有する被験者の黒質における、mtDNAの欠失を同定している。
【0005】
種々の方法および戦略が、神経変性疾患の、具体的にはADおよびPDの、発症および発病の診断、予測のための技術において開発されている。そのように、神経変性疾患のための診断方法は、RFLP(制限酵素断片長多型)技法または他の関連技法の採用によるミトコンドリアDNAにおける突然変異の同定に基づいて説明されている。国際公開第98/038334号パンフレットの文書は、COX遺伝子における突然変異の同定に基づいたAD診断の方法を説明する。それはまた、被験者のミトコンドリアDNAサンプルにおける一塩基多型の同定による被験者におけるPD診断の方法を提案する(国際公開第2000/063441号パンフレット)。従来技術の他の文献は、ミトコンドリア転写のプロセスを制御する核タンパク質コード遺伝子における多型の同定に基づいたアルツハイマーまたはパーキンソン病の診断方法を説明する。現在までになされた努力にも関わらず、ADおよびPDといった神経変性疾患についての診断の、さらには、そのような疾患のステージの診断のための、および同疾患の進展を予知するための、信頼できる方法に対するニーズが残されている。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様において、発明は、被験者におけるアルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患の発病のリスクを診断または決定するためのインビトロ法に関し、前記被験者は、ミトコンドリアDNAを含む前記被験者からのサンプルにおいて、D−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを含み、前記メチル化パターンは、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのサイトにおいて決定され、
D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、ND1遺伝子における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはND1遺伝子における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、それは、前記被験者がアルツハイマー病に罹患していること、または前記被験者がアルツハイマー病を発病する高められたリスクを有することを示し、または、
D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはD−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、それは、前記被験者がパーキンソン病に罹患していること、または前記被験者がパーキンソン病を発病する高められたリスクを有することを示す。
【0007】
第2の態様において、発明は、被験者におけるアルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患の予防的治療の施行のための被験者を選択するためのインビトロ法に関し、前記被験者は、ミトコンドリアDNAを含む前記被験者からのサンプルにおいて、D−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを含み、前記メチル化パターンは、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのサイトにおいて決定され、
D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、ND1遺伝子における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはND1遺伝子における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、前記被験者がアルツハイマー病を予防することを目的とした治療を受けるのに適格であることを示し、または、
D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、D−ループ領域の前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはD−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、前記被験者がパーキンソン病を予防することを目的とした治療を受けるのに適格であることを示す。
【0008】
第3の態様において、発明は、被験者におけるアルツハイマー病またはパーキンソン病から選択された神経変性疾患の進行を監視するためのインビトロ法に関し、この方法は、
a)ミトコンドリアDNAを含む前記被験者からのサンプルにおいて、D−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを決定するステップであって、前記メチル化パターンは、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのサイトにおいて決定されるステップと、
b)ステップa)において決定されたメチル化パターンを前記疾患のより早いステージにおいて得られた前記メチル化パターンと比較するステップと
を備え、疾患のより早いステージにおいて決定された前記メチル化パターンに対する、D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、ND1遺伝子における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはND1遺伝子における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、アルツハイマー病の発達を示し、および、
疾患のより早いステージでの前記決定されたメチル化パターンに対する、D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはD−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、パーキンソン病の発達を示す。
【0009】
第4の態様において、発明は、被験者におけるアルツハイマー病の発病のリスクを診断または決定するためのインビトロ法に関し、前記被験者は、前記被験者からのミトコンドリアDNAを備えるサンプルにおいて、NCBIデータベースにおいてアクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドを含み、前記被験者のミトコンドリアDNAの分子の少なくとも60%における、前記多型位置でのヌクレオチドCの検出または前記多型位置でのヌクレオチドCの存在は、前記被験者が前記疾患に罹患していること、または、前記被験者が前記疾患を発病する高められたリスクを有することを示す。
【0010】
第5の態様において、発明は、アルツハイマー病のための予防的治療を施行される被験者を選択するためのインビトロ法に関し、この方法は、前記被験者からのミトコンドリアDNAを含むサンプルにおいて、NCBIデータベースにおいてアクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドを決定することを含み、前記被験者からのミトコンドリアDNA分子の少なくとも60%における、前記多型位置でのヌクレオチドCの検出または前記多型位置でのヌクレオチドCの存在は、前記被験者がアルツハイマー病を予防することを目的とした治療を受けるのに適格であることを示す。
【0011】
第6の態様において、発明は核酸に関し、この核酸は、
(i)ミトコンドリアDNAの領域における少なくとも9つの連続するヌクレオチドを備える核酸であって、前記領域は、
a)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
b)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
c)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
d)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および
e)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備える、核酸と、
(ii)ミトコンドリアDNA領域の領域における少なくとも9つの連続するヌクレオチドを備える核酸であって、前記領域は、
a)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
b)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
c)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
d)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および
e)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備え、前記CpG、CHG、またはCHHサイトにおけるシトシンに対応する位置は、ウラシルである、核酸と、
(iii)(i)または(ii)の核酸と特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドと
によって形成されたグループから選択される。
【0012】
第7の態様において、発明はキットに関し、このキットは、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択されたメチル化サイトを備えるミトコンドリアDNA配列とメチル化に依存した手法で特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを備える。
【0013】
第8の態様において、発明はキットに関し、このキットは、
(i)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
(ii)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
(iii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
(iv)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
(v)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループからの選択されたミトコンドリアDNAにおけるメチル化サイトに対し、位置5’でまたは位置3’で特異的にハイブリダイズすることができる、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを備え、前記位置におけるメチル化されたシトシンは、ウラシル、または、そのハイブリダイゼーション特性においてシトシンとは区別可能な別の塩基に変換されている。
【0014】
最後に第9の態様において、発明は、ミトコンドリアDNAのメチル化パターンを決定するための、および、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された被験者における神経変性疾患の診断を決定するための、第7および第8の発明の態様において定義されたキットの使用に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】ADの病理に関連するケースにおける嗅内皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCpGサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つのOR推定値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:サンプルコントロール、AD:アルツハイマー病。
【図1B】ADの病理に関連するケースにおける嗅内皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCHGサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つのOR推定値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:サンプルコントロール、AD:アルツハイマー病。
【図1C】ADの病理に関連するケースにおける嗅内皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCHHサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つのOR推定値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:サンプルコントロール、AD:アルツハイマー病。
【図2A】ADの病理に関連するケースの嗅内皮質におけるND1のアンプリコンにおけるCpGサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印の場所は、すべての95%信頼区間のまとまりの、差別的にメチル化されたサイトである。C:コントロールサンプル、AD:アルツハイマー病。
【図2B】ADの病理に関連するケースの嗅内皮質におけるND1のアンプリコンにおけるCHGサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印の場所は、すべての95%信頼区間のまとまりの、差別的にメチル化されたサイトである。C:コントロールサンプル、AD:アルツハイマー病。
【図2C】ADの病理に関連するケースの嗅内皮質におけるND1のアンプリコンにおけるCHHサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印の場所は、すべての95%信頼区間のまとまりの、差別的にメチル化されたサイトである。C:コントロールサンプル、AD:アルツハイマー病。
【図3】PDを有する患者における黒質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCpGおよびCpGではない(CHGおよびCHH)サイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’のメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つの推定OR値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:コントロールサンプル、PD:パーキンソン病。
【図4A】3、6、および12か月のAPP/PS1マウスおよび野生マウス(WT)の前頭皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCpGサイトのためのグラフlog2(OR)である。5’から3’による類別されたメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つの推定OR値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:コントロールサンプル、WT:野生、TG:トランスジェニック。
【図4B】3、6、および12か月のAPP/PS1マウスおよび野生マウス(WT)の前頭皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCHGサイトのためのグラフlog2(OR)である。5’から3’による類別されたメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つの推定OR値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:コントロールサンプル、WT:野生、TG:トランスジェニック。
【図5A】3、6、および12か月のAPP/PS1マウスの前頭皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCGサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’による類別されたメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つの推定OR値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:コントロールサンプル、TG:トランスジェニック。
【図5B】3、6、および12か月のAPP/PS1マウスの前頭皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCHGサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’による類別されたメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つの推定OR値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:コントロールサンプル、TG:トランスジェニック。
【図5C】3、6、および12か月のAPP/PS1マウスの前頭皮質におけるD−ループのアンプリコンにおけるCHHサイトのためのグラフLog2(OR)である。5’から3’による類別されたメチル化サイトがX軸に表される。ダイヤ印のサイトは、差別的にメチル化されたサイトである(FDR<0.05)。点は、各サイトにつき1つの推定OR値であり、帯は、すべての95%信頼区間のまとまりの帯である。C:コントロールサンプル、TG:トランスジェニック。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の著者は、被験者からのミトコンドリアDNAのサンプルにおけるメチル化パターンの決定に基づいて神経変性疾患を診断するための方法を開発している。発明者は、実施例において論証されるごとく、健康な被験者と比較された場合、ADまたはPDに罹患している被験者におけるD−ループ領域およびND1遺伝子におけるメチル化パターンには、驚くべきことにバリエーションが存在する、ということを見出した。さらに発明者は、これらの疾患の発病に関連づけられた差別的なメチル化パターンを発見した。
発明の第1の方法
発明の第1の特徴は、被験者におけるアルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患を発病するリスクを診断または決定するためのインビトロ法(以下、発明の第1の方法)に関し、この方法は、ミトコンドリアDNAを備える前記被験者からのサンプルにおいてD−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを決定することを含み、前記メチル化パターンは、
(i)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
(ii)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
(iii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
(iv)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
(v)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのサイトにおいて決定され、D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、ND1遺伝子における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはND1遺伝子における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化が存在し、それは、前記被験者がアルツハイマー病に罹患していること、または前記被験者がアルツハイマー病を発病する高められたリスクにあることを示し、または、D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはD−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化が存在し、それは、前記被験者がパーキンソン病に罹患していること、または前記被験者がパーキンソン病を発病する高められたリスクにあることを示す。
【0017】
本明細書において使用される「診断」という用語は、被験者における可能な疾患を決定および/または同定しようとするプロセス、すなわち診断手順、ならびにこのプロセスを通じて到達した意見、すなわち診断意見、の両方を言う。そのようなものとして、それはまた、治療および予後についての医学的決定がなされるのを可能にする別個および別々のカテゴリに個人のステータスを分類しようとする試みとしても理解され得る。当業者によって理解されるように、そのような診断は、そうであることが好ましいとはいえ、診断される被験者の100%について正しいわけではない。しかしながら用語は、被験者の統計学的に有意な部分が、疾患、発明の文脈では特にアルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患、に罹患している、またはその疾病素質がある、と同定され得ることを要求する。当業者は、異なる周知の統計学的評価ツールを使用して、たとえば、信頼区間を決定すること、p値を決定すること、スチューデントのt検定、マン・ホイットニー検定、等により、一部が統計学的に有意であるかどうかを決定し得る(Dowdy Wearden,1983を参照)。好ましい信頼区間は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。p値は、好ましくは、0.05、0.025、0.001であるか、またはより低い。
【0018】
本明細書において使用される「神経変性疾患を発病するリスク」という表現は、神経変性疾患の発病に対する被験者の疾病素質、罹病性、または傾向のことを言う。神経変性疾患を発病するリスクは一般的に、高いもしくは低いリスク、または、より高いもしくはより低いリスクが存在することを暗示する。そのように被験者は、神経変性疾患、特にアルツハイマー病またはパーキンソン病、を発病する高いリスクを有し、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または少なくとも100%の、この疾患を発病する可能性を有する。同様に、神経変性疾患、特にアルツハイマー病またはパーキンソン病、を発病する低いリスクにある被験者は、少なくとも0%、または少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも3%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも49%からの、疾患を発病する少なくとも1つの確率を有する被験者である。
【0019】
一般的に、「リスクを予測する」、「リスク予測」、等の表現は、高いにせよ低いにせよ、アルツハイマー病またはパーキンソン病から選択された神経変性疾患を発病する、患者が有するリスクのことを言う。当業者によって理解されるように、予測(またはリスク)は、好ましいとはいえ、評価される被験者の100%について正しいものである必要はないが、そうであることは好ましい。しかしながら用語は、被験者の統計学的に有意な部分がより高い確率で、特定の結果を有するものと同定され得ることを要求する。当業者は、評定のためのいくつかの周知の統計学的ツール、たとえば、信頼区間の決定、p値の決定、交差検証分類係数、等を使用して(より詳細には、“Statistics for research”Dowdy and Wearden,John Wiley & Sons,New York,1983)、一部が統計学的に有意であるかどうかを困難なく決定し得る。好ましい信頼区間は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。p値は、好ましくは、0.1、0.05、0.02、0.01であるか、またはより低い。
【0020】
本明細書において使用される「神経変性疾患」という用語は、運動、感覚、および認知系におけるニューロンの選択的および対称的消失によって特徴づけられる、慢性および進行性のプロセスを含む。
【0021】
「アルツハイマー病」または「老人性認知症」またはADという用語は、老人斑や神経突起のもつれの出現と、臨床的には記憶の進行性欠損、錯乱、行動問題、身の回りの世話についての無能力、漸進的な身体的劣化、および最終的には死となって顕われる、進行性のニューロン消失とによって特徴づけられる、特定の変性脳疾患に関連づけられた、精神的な障害のことを言う。好ましい実施形態において、ブラークステージングによる任意のステージでのアルツハイマー病は、
−ステージI〜II:神経原線維のもつれの存在によって影響を受ける脳部位が、脳の経嗅内野領域に対応する、
−ステージIII〜IV:影響を受ける脳部位が、海馬といった辺縁系領域の部位にも拡大する、
−ステージV〜VI:影響を受ける脳部位が、新皮質領域をも含む、
である。
【0022】
神経病理学的ステージによるこの分類は、既存の疾患の臨床的進展と相互に関連し、記憶の衰えと嗅内皮質および海馬における神経原線維変化および神経突起斑形成との間の並行が存在する(ステージIからIV)。また、等皮質でのこれらの変化の存在(ステージVおよびVI)は、臨床的に深刻な変調と相互に関連する。経嗅内野状態(I〜II)は、疾患の臨床的に無症状の期間に対応する。辺縁系状態(III〜IV)は、臨床的に初期のADに対応する。新皮質状態は、完全に発病したADに対応する。
【0023】
本明細書において使用される「パーキンソン病」、または「特発性パーキンソニズム」、または「震顫麻痺」、またはPDという用語は、運動制御、振戦、筋強剛、歩くこと、座ること、食べること、話すこと、等といったすべての種類の運動における寡動、ならびに姿勢保持反射障害の問題を含む、慢性変性疾患のことを言う。疾患の症状は、黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの選択的変性に明確に関連づけられる。ドーパミン系の脱落は、いわゆるレビー小体におけるα−シヌクレイン凝集を含むさまざまな細胞学的変化を引き起こす線条体ニューロンの結果的な消失を含む。「黒質」は、視床の下の中脳の上部に位置する基底核の核であり、その色をニューロメラニンから得る。好ましい実施形態において、PDは、ブラークステージングによるステージ、
−ステージI:影響を受ける部位が、背側運動核および/または中間網様体である、
−ステージII:影響を受ける部位が、青斑核および縫線核に拡大する、
−ステージIII:影響を受ける部位が、中脳、特に、黒質緻密部に拡大する、
−ステージIV:影響を受ける部位が、前内側側頭中間皮質および不等皮質の経嗅内野領域に拡大する、
−ステージV:影響を受ける部位が、島皮質、帯状回皮質、および側頭回に拡大する、
−ステージVI:影響を受ける部位が、皮質の前頭および頭頂の部位に拡大する、
のいずれかにおけるものである。
【0024】
本明細書において使用される「被験者」という用語は、人、たとえば、人類、非人類霊長類(たとえば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル類)、トリ、サカナ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマといった家畜、イヌおよびネコといったペット、哺乳動物、マウス、ラット、およびモルモットといった齧歯動物を含む実験動物のことを言う。用語は、特定の年齢または性別を表さない。発明の特定の実施形態において、被験者は哺乳動物である。発明の好ましい実施形態において、被験者はヒトである。
【0025】
本明細書において使用される「ミトコンドリアDNAを備えるサンプル」という表現は、メチル化パターンを検出するのに適したミトコンドリアからの遺伝物質が存在する被験者から得られうる任意のサンプルのことを言う。
【0026】
本明細書において使用される「ミトコンドリアDNA」または「mtDNA」という用語は、生存生物のミトコンドリアの中に位置する遺伝物質のことを言う。それは、閉環状二本鎖分子である。ヒトにおいてそれは、H鎖とL鎖との間に分散させられた少数の遺伝子を含む16,569塩基対からなる。ミトコンドリアDNAは、37の遺伝子、すなわち、2のリボソームRNA、22の転写RNA、および酸化的リン酸化に関与する13のタンパク質をコードする。
【0027】
発明の特定の実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプルは、固体組織バイオプシーまたは生物流体から選択される。サンプルは、当業者に知られている従来の方法によって得られうる。
【0028】
より一層特定の実施形態において、生物流体は、末梢血または脳脊髄液から選択される。
より一層特定の実施形態において、前記固体組織は、脳組織である。
発明の好ましい実施形態において、被験者を診断することが所望される場合、またはPDを発病するリスクを決定することが所望される場合、前記サンプルは、黒質から得られた脳組織サンプルである。
【0029】
本方法にしたがってメチル化パターンを決定することが所望される材料、すなわちmtDNAが、好ましくは固体組織または生物流体におけるものである場合、それはサンプルからの従来の核酸抽出に進み、この核酸抽出はこのための任意の適切な技法を使用する。発明の好ましい実施形態において、発明の実現に適したDNAフラクションは、35のトータルDNAである。DNA抽出は、限定ではないが、密度勾配遠心法、エタノールとともに水溶性フェノールまたはクロロホルムを使用した二段階での抽出、カラムクロマトグラフィ、市販のキット、たとえば、「Q−Biogene fast DNA(登録商標) Kits」もしくは「QIAamp(登録商標) DNA Blood Mini Kit」(Qiagen,Hilden,Germany)、「G−Spin IIp」(Intron Biotechnology,Korea)、または「Bio 101 Fast Prep System」(Qbiogene(登録商標),Madrid,Spain)を使用した、DNAがそれ自身を、ガラスおよび/または珪酸塩、たとえば、プレパラートまたは結晶皿としての珪藻土に結合させる能力に基づいた方法、または米国特許第5,057,426号明細書、米国特許第4,923,978号明細書、および欧州特許出願公開第0512767号明細書において説明された方法を含む、当業者に知られている方法を使用して実行され得る(Sambrook et al.,2001.″Molecular Cloning:A Laboratory Manual″,3rd ed,Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY,Vol.1−3)。
【0030】
所望される場合、本方法は、ミトコンドリアフラクションがあらかじめ分離されていて、後続してそのDNAが分離された、サンプルにおいて実行され得る。ミトコンドリアフラクションの分離は、任意の知られている細胞フラクショネーション方法を使用して実行され得る。そのような方法は、(たとえば、フィコールまたはパーコールの)密度勾配を応用することによる分画遠心法が後に続く、膜の物理的破砕、超音波の印加、圧力印加、または酵素技法を含む技法による、従来の細胞破砕を備える。それらはまた、市販のキット、たとえば、「Qproteome Mitochondrial isolation kit」(Qiagen,Hilden,Germany)、または「Mitochondrial isolation kit for cultured cells」(Thermo Scientific,USA)を使用し得る。これらのキットは、同一の基本原理、すなわち、ミトコンドリアフラクションを分離または濃縮するための、細胞溶解および分画遠心法に基づく。
【0031】
発明の第1の方法は、ミトコンドリアDNAを備える被験者からのサンプルにおいてメチル化パターンを決定することを含む。本明細書において使用される「DNAメチル化」という用語は、DNAのシトシンヌクレオチド(C)またはアデニン(A)へのメチル基(−CH3)の付加を含む生化学プロセスのことを言う。シトシンの5位でのDNAメチル化は、遺伝子抑制の特異的効果を有し、検査された脊椎動物のすべてにおいて見出されている。
【0032】
本明細書において使用される「メチル化パターン」という用語は、1つ以上のヌクレオチドのメチル化の存在または欠如のことを言うが、これに限定されない。このように、前記1つ以上のヌクレオチドは、単一の核酸分子に含まれる。
【0033】
前記1つ以上のヌクレオチドは、メチル化されることもされないこともできる。単一のヌクレオチドを考慮しただけの場合、「メチル化ステータス」という用語もまた使用され得る。2つ以上の核酸分子が考慮された場合、メチル化パターンは定量化され得る。
【0034】
本明細書において使用される「D−ループ」または「コントロール領域」という用語は、H鎖の短いセグメントである7S DNAの合成のためにH鎖複製中に生み出される、電子顕微鏡下で可視の、およそ1100塩基対を含むノンコーディングmtDNAの領域のことを言う。
【0035】
本明細書において使用される「ND1」、または「NADHデヒドロゲナーゼ1」、または「ND1mt」という用語は、タンパク質NADHデヒドロゲナーゼ1またはND1をコードするミトコンドリアゲノムの中に局在する遺伝子のことを言う。ヒトのND1遺伝子配列は、ジェンバンクデータベース(2014年1月2日版)に、アクセッション番号NC_012920、SEQ ID NO 1の下で寄託されている。ND1タンパク質は、ミトコンドリアの中で活性化され、酸化的リン酸化のプロセスに含まれる、複合体Iと呼ばれる酵素複合体の一部である。
【0036】
本明細書において使用される「CpGサイト」という用語は、塩基の直線的な配列においてその長さに沿ってシトシンヌクレオチドの後にグアニンヌクレオチドが続くDNA領域、特にミトコンドリアDNA領域のことを言う。「CpG」は、「C−リン酸−G」、すなわち、リン酸のみによって隔てられたシトシンおよびグアニンのための省略形であり、リン酸は、DNAにおける任意の2つのヌクレオシドを共に結合する。「CpG」という用語は、この直線的な配列をグアニンおよびシトシンのCG塩基対合と区別するために使用される。CpGジヌクレオチドにおけるシトシンは、メチル化されて5−メチルシトシンを形成し得る。
【0037】
本明細書において使用される「CHGサイト」という用語は、シトシンヌクレオチドおよびグアニンヌクレオチドがアデニン、シトシン、またはチミンであり得る可変ヌクレオチド(H)によって隔てられているDNA領域、特にミトコンドリアDNA領域のことを言う。CHGサイトのシトシンは、メチル化されて5−メチルシトシンを形成し得る。
【0038】
本明細書において使用される「CHHサイト」という用語は、シトシンヌクレオチドの後にアデニン、シトシン、またはチミンであり得る第1および第2の可変ヌクレオチド(H)が続くDNA領域、特にミトコンドリアDNAの領域のことを言う。CHGサイトのシトシンは、メチル化されて5−メチルシトシンを形成し得る。
【0039】
特定の実施形態において、発明の第1の方法は、ミトコンドリアDNAを備える被験者のサンプルにおいて、表1において示されたサイトから選択されたD−ループ領域のCpGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0040】
【表1】

本明細書において使用される「CpGサイトにおけるメチル化パターンの決定」という用語は、特定のCpGサイトのメチル化ステータスの決定のことを言う。CpGサイトのメチル化パターンの決定は、当業者に知られている複数のプロセスによって行われ得る。
【0041】
特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表1において示されたサイトから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCpGサイトのメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表1から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、または少なくとも16個のCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0042】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第1の方法は、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてのメチル化パターンを決定することを備える。
【0043】
別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表2において示されたND1遺伝子のCpGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0044】
【表2】

別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表2において示されたND1遺伝子から選択されたCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表2から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、または少なくとも6つのCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0045】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第1の方法は、表2において示されたND1遺伝子のCpGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0046】
別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、ミトコンドリアDNAを備える被験者のサンプルにおいて、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0047】
【表3】

本明細書において使用される「CHGサイトにおけるメチル化パターンの決定」という用語は、特定のCHGサイトのメチル化ステータスの決定のことを言う。
【0048】
CHGサイトのメチル化パターンの決定は、当業者に知られている複数のプロセスによって行われ得る。
【0049】
特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表3において示されたサイトから選択されたD−ループ領域の少なくとも1つのCHGサイトのメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表3から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、または少なくとも14個の、または少なくとも15個のCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0050】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第1の方法は、表3において示されたD−ループ領域のCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0051】
別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、ミトコンドリアDNAを備える被験者のサンプルにおいて、表4において示されたND1遺伝子のCHGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0052】
【表4】

別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表4において示されたサイトから選択されたND1遺伝子における少なくとも1つのCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表4から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、または少なくとも6つのCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0053】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第1の方法は、表4において示されたND1遺伝子のCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0054】
別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、ミトコンドリアDNAを備える被験者のサンプルにおいて、表5において示されたCHHサイトから選択されたD−ループ領域のCHHサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0055】
【表5】

本明細書において使用される「CHHサイトにおけるメチル化パターンの決定」という用語は、特定のCHHサイトのメチル化ステータスを決定することを言う。CHGサイトのメチル化パターンの決定は、当業者に知られている複数のプロセスによって行われ得る。
【0056】
別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表5において示されたものから選択されたD−ループ領域の少なくとも1つのCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表5から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、少なくとも16個の、少なくとも17個の、少なくとも18個の、少なくとも19個の、少なくとも20個の、少なくとも21個の、少なくとも22個の、少なくとも23個の、少なくとも24個の、少なくとも25個の、少なくとも26個の、少なくとも27個の、少なくとも28個の、少なくとも29個の、少なくとも30個の、少なくとも31個の、少なくとも32個の、少なくとも33個の、少なくとも34個の、少なくとも35個の、少なくとも36個の、少なくとも37個の、少なくとも38個の、少なくとも39個の、少なくとも40個の、少なくとも41個の、少なくとも42個の、または少なくとも43個のCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0057】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第1の方法は、表5上に示されたD−ループ領域におけるCHHサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0058】
実施形態の好ましい方法において、発明の第1の方法は、
(i)表1において示されたD−ループ領域のCpGサイトのすべて、および表2において示されたND1遺伝子のすべてのCpGサイトにおける、メチル化のパターンの決定、
(ii)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表3において示されたD−ループ領域のCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(iii)表1において示されたD−ループ領域のCpGサイトのすべて、および表4において示されたND1遺伝子のすべてのCHGサイトにおける、メチル化パターンの決定、
(iv)表1において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイトにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトにおける、メチル化パターンの決定、
(v)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、および表3上に示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(vi)表2において示されたNDI遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、および表4において示されたNDI遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(vii)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、および表5において示されたD−ループ領域のCHHサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(viii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべて、および表4において示されたND1遺伝子のすべてのCHGサイトにおける、メチル化パターンの決定、
(ix)表3において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHGサイトにおけるメチル化パターンの決定、および/または
(x)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、および表5におけるD−ループ領域におけるCHHサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、発明の第1の方法に係る、少なくとも1つのCpGサイト、少なくとも1つのCHGサイト、および/または少なくとも1つのCHHサイトにおけるメチル化パターンの決定は、全血サンプルにおいて実行され、そのケースでは、決定が直接的になされ得る。他の実施形態では、最初の段階として、ミトコンドリアDNAを含むサンプル、好ましくはトータルDNAのサンプルが、生物流体(たとえば、全血、脳脊髄液)中に存在する細胞から抽出され、そのようなケースでは、これらのサンプルから抽出されたトータル核酸が、後の解析のための適切な作業材料を表す。トータルDNAまたはミトコンドリアDNAの分離は、(先に引用された)当業者に知られている従来の方法によって行われ得る。ミトコンドリアDNAを含む核酸を分離し、(必要であれば)増幅した後、1つ以上のCpGサイト、1つ以上のCHGサイト、および/または1つ以上のCHHサイトのメチル化パターンが決定される。当業者は、本明細書において説明される、被験者のミトコンドリアDNAにおけるCpG、CHG、および/またはCHHサイトの1つまたはいくつかにおいて存在するメチル化パターンの解析は、そのようなサイトにおいて存在するメチル化パターンを測定できる任意の方法または技法によって実行され得る、ということを容易に認識するだろう。
【0060】
別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、メチル化特異的PCR(MSP)、濃縮に基づいた方法(たとえば、MeDIP、MBD−seq、およびMethylCap)、バイサルファイトシークエンシング、およびバイサルファイトに基づいた方法(たとえば、RRBs、Infinium、GoldenGate、Cobra、MSP、MethyLight)を通じて、および制限消化による方法(たとえば、MRE−seq、またはHELP trial)、パイロシークエンシング、または、メチル化されたDNAのCpG、CHG、および/またはCHHサイトの差別的変換、差別的制限、差別的重みからなるグループから選択された技法によって、前記CpG、CHG、および/またはCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0061】
発明の特定のおよび好ましい実施形態において、D−ループ領域における1つ以上のCpG、CHG、および/またはCHHサイト、および/または、ND1遺伝子における1つ以上のCpGおよび/またはCHGサイトのメチル化パターンは、パイロシークエンシングによって決定される。簡潔には、この技法は、DNA合成中の放出されたピロリン酸塩(PPi)の合成と検出によるシークエンシングの原理に基づく。この技法は、合成プロセス中に核酸配列を検出するための一連の4つの酵素、すなわち、DNAポリメラーゼ、ATPスルフリラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼと、基質として使用されるアデノシン5’ホスホ硫酸(APS)およびルシフェリンを用いる。
【0062】
ミトコンドリアDNAにおけるメチル化パターンを決定するために、すべての非メチル化シトシン塩基が、ウラシル塩基、または、塩基対合挙動の観点でシトシンとは異なる別の塩基で変更される一方で、5メチルシトシンの塩基が変化しないままであるよう、前記サンプルを化学的に処理することが必要である。本明細書において使用される「変更する」という用語は、非メチル化シトシンをメチル化されたシトシンと区別するであろう別のヌクレオチドへの、非メチル化シトシンの変換を意味する。ミトコンドリアDNAを含むサンプルにおける、メチル化ではなく非メチル化シトシン塩基の変換は、変換薬剤を用いて実行される。本明細書において使用される「変換薬剤」または「変換試薬」という用語は、非メチル化シトシンを、ウラシル、または、ハイブリダイゼーション特性の観点でシトシンとは差別的に検出可能な別の塩基へと変換することができる試薬のことを言う。変換薬剤は、好ましくは、バイサルファイトまたは亜硫酸水素塩といった重硫酸塩である。しかしながら、非メチル化シトシンを同様に変更するが、メチル化されたシトシンはしない他の薬剤、たとえば、亜硫酸水素塩もまた、発明のこの方法において使用され得る。反応は、標準的な手順にしたがって行われる(Frommer et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:1827−1831、Olek,1996,Nucleic Acids Res.24:5064−6、欧州特許第1394172号明細書)。酵素によって、たとえば、メチル化特異的シチジンデアミナーゼを使用して、変換を実行することもまた、可能である。
【0063】
発明の第1の方法の好ましい実施形態において、ミトコンドリアDNAを含むサンプルは、非メチル化シトシンをウラシルまたはハイブリダイゼーション特性の観点でシトシンとは検出可能に異なる別の塩基へと変換することができる試薬により、処理されている。より好ましい実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプルは、適切な市販のキット、たとえば、「EZ Methylation Kit」(Zymo Research,Ecogen;Barcelona,Spain)を使用してバイサルファイトにより処理される。
【0064】
ミトコンドリアDNAを含むサンプルがバイサルファイトによって処理されると、表1から5において示された1つ以上のCpG、CHG、および/またはCHHサイトを含むD−ループ領域および/またはND1遺伝子は、非メチル化配列(CpGサイトのシトシンがウラシルへと変換されている)をメチル化された配列(CpGサイトにおけるシトシンがシトシンとして残っている)と区別するプライマーを使用して増幅され得る。多くの増幅方法は、たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、リガーゼ連鎖反応ポリメラーゼ35、ギャップ−LCR、修復連鎖反応、3SR、およびNASBAといった、酵素連鎖反応に依拠する。さらに、鎖変位増幅(SDA)、転写介在増幅(TMA)、およびQβ−増幅、等が存在するが、これは単なる例示的なリストである。核酸増幅の方法は、Sambrook et al.,2001(先に引用)において説明されている。他の増幅方法は、バイサルファイト処理と対立遺伝子特異的PCR(たとえば、米国特許第5,137,806号明細書、米国特許第5,595,890号明細書、米国特許第5,639,611号明細書を参照)を組み合わせた、米国特許第5,786,146号明細書において説明されているメチル化特異的PCR方法(MSP)を含む。ウラシルはTaqポリメラーゼによりチミンとして認識されるので、PCRによると、結果として生じる産物は、開始テンプレートにおいて5−メチルシトシンDNAが存在する位置でのみシトシンを含む。
【0065】
発明の好ましい実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプル、好ましくはトータルDNAのサンプルが、バイサルファイトによって処理されると、1つ以上のCpG、CHG、および/またはCHHサイト(単数または複数)を含む領域は、メチル化された配列に特異的でないプライマーを使用して増幅され得る。たとえば、プライマーの好ましい配列は、CpGジヌクレオチドを備えるヌクレオチド配列に対応しない。
【0066】
増幅産物は、従来技術における標準的な手順にしたがって検出される。増幅された核酸は、当業者に知られ、たとえば、Sambrook et al.,2001(先に引用)において説明される方法により、決定され得る。ターゲットの核酸が検出される前の追加の精製ステップ、たとえば、沈殿ステップもまた存在し得る。検出方法は、二本鎖DNAにインターカレートし、その後にその蛍光性を変化させる、臭化エチジウムのような特定の染料の結合またはインターリーブを含み得るが、これに限定されないことができる。精製された核酸はまた、オプションで制限消化の後に電気泳動法により切り離され得、後に表示され得る。特定の配列へのオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションと後続のハイブリッド検出とを利用する、プローブに基づいたアッセイもまた存在する。当業者に知られているさらなるステップの後にターゲットの核酸をシークエンシングすることもまた、可能である。他の方法は、特定のプローブが結合され、相補的配列が結合した場合に信号を生成する、シリコンチップとともに、さまざまな核酸配列を使用する。
【0067】
発明の好ましい実施形態において、(たとえば、D−ループ領域における、またはND1遺伝子における)メチル化パターンを決定することが所望される関心の領域の増幅後、前記配列においてバイサルファイトによる処理後の変更されたCpG、CHG、および/またはCHHサイトを決定するために、パイロシークエンシングが使用される。サイトの各々におけるシトシン/チミンのための推論が、配列の伸長ステップ中に組み込まれるシトシンおよびチミンの量に基づいて量的に決定され得る。
【0068】
あるいは、D−ループ領域における少なくとも1つのCpG、CHG、および/またはCHHサイトの、またはサイトのND1遺伝子の少なくとも1つのCpGおよび/またはCHGサイトにおける、メチル化パターンは、制限酵素消化とサザンブロット解析とによって確認され得る。使用され得るエンドヌクレアーゼメチル化感受性制限酵素の例は、たとえば、Smal、SacII、EagI、MspI、HpaII、BstUI、およびBssHIIを含む。
【0069】
本明細書において使用される「ハイパーメチル化」という用語は、1つ以上のヌクレオチド、好ましくはCpG、CHG、および/またはCHHサイトからのシトシンが、参照サンプルと比較してメチル化されている、変質したメチル化パターンのことを言う。前記参照サンプルは、好ましくは、ADまたはPDから選択された神経変性疾患に罹患していない被験者から得られたミトコンドリアDNAを含むサンプルである。特に用語は、ミトコンドリアDNAの配列における、表1において示されたD−ループ領域における1つ以上のCpGサイト、表2において示されたND1遺伝子における1つ以上のCpGサイト、表3において示されたD−ループ領域における1つ以上のCHGサイト、表4において示されたND1遺伝子における1つ以上のCHGサイト、および/または表5において示されたD−ループ領域における1つ以上のCHHサイトにおける、参照サンプルにおける前記1つ以上のサイトにおいて存在する5−メチルシトシンの相対的な量と比較された場合の、より多数の5−メチルシトシンのことを言う。
【0070】
本明細書において使用される「ハイポメチル化」という用語は、1つ以上のヌクレオチド、好ましくはCpG、CHG、および/またはCHHサイトにおけるシトシンが、参照サンプルと比較してメチル化されていない、変質したメチル化パターンのことを言う。「参照サンプル」という用語は、ADまたはPDから選択された神経変性疾患に罹患していない被験者から得られたミトコンドリアDNAを含むサンプルのことを言う。特に前記用語は、ミトコンドリアDNAの配列における、表1において示されたD−ループ領域における1つ以上のCpGサイト、表2において示されたND1遺伝子の1つ以上のCpGサイト、表3において示されたD−ループ領域における1つ以上のCHGサイト、表4において示されたND1遺伝子における1つ以上のCHGサイト、および/または表5において示されたD−ループ領域における1つ以上のCHHサイトにおける、参照サンプルにおける前記1つ以上のCpGサイト、1つ以上のCHGサイト、および/または1つ以上のCHHサイトにおいて存在する5−メチルシトシンの相対的な量と比較された場合の、少数の5−メチルシトシンのことを言う。
【0071】
発明の好ましい実施形態において、ミトコンドリアDNAを含む前記参照サンプルは、組織サンプル、または生物流体、好ましくは被験者の血液サンプルもしくは脳脊髄液から選択される。好ましい実施形態において、前記参照サンプルは、トータルDNAである。これらのサンプルを得るための方法、ならびに、サンプルのトータルDNAまたはミトコンドリアDNAを分離する方法は、上に詳述されている。さらに一層好ましい実施形態において、参照サンプルは、年齢が一致した被験者からのミトコンドリアDNAを含むサンプルである。
【0072】
この第1の方法において、発明は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患の発病の診断またはリスクに関連する、いくつかの特定のCpG、CHH、およびCHGサイトを提供する。したがって、
−表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/または
−表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、被験者がアルツハイマー病に罹患していること、または被験者がアルツハイマー病を発病する高いリスクにあることを示し、または、
−表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/または
−表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、被験者がパーキンソン病に罹患していること、または被験者がパーキンソン病を発病する高いリスクにあることを示す。
【0073】
特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表1、3、および5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイト、すべてのCHGサイト、およびすべてのCHHサイトのメチル化パターンと、表2および4において示されたND1遺伝子のすべてのCpGサイトおよびすべてのCHGサイトのメチル化パターンとを決定することを含む。
【0074】
本発明の著者は、D−ループ領域におけるCpG、CHG、およびCHHサイトにおけるメチル化の度合は、ステージI〜IIにおけるアルツハイマー病に罹患している被験者のほうがステージIII〜IVにおける疾患に罹患している被験者よりも高い、ということを見出した。
【0075】
特定の実施形態において、参照パターンに対するメチル化パターンが、アルツハイマー病のステージI〜IIであると診断された被験者からのミトコンドリアDNAを含むサンプルにおいて観察された場合には、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、または表3において示されたD−ループ領域における前記CHGサイトの1つにおけるハイポメチル化は、被験者がアルツハイマー病のステージIII〜IVに罹患していることを示す。
発明の第2の方法
第2の態様において、発明は、被験者におけるアルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患の予防的治療を施行される被験者を選択するためのインビトロ法(以下、発明の第2の方法)に関し、この方法は、ミトコンドリアDNAを含む前記被験者のサンプルにおいてD−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを決定することを含み、前記メチル化パターンは、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのサイトにおいて決定され、
D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、ND1遺伝子における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはND1遺伝子における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、前記被験者がアルツハイマー病を予防することを目的とした治療を受ける候補であることを示し、または、
D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはD−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、それは、前記被験者がパーキンソン病を予防することを目的とした治療を受ける候補であることを示す。
【0076】
本明細書において使用される「予防的治療」という用語は、その症状の発症を予防するまたは遅らせるための、予防または疾患を予防するための防止策の併用、ならびに、その臨床症状の減少または緩和のことを言う。特に用語は、アルツハイマーおよびパーキンソン病から選択された神経変性疾患に関連づけられた臨床症状を遅らせるまたは軽減するための、予防または発生を予防するための策のセットのことを言う。被験者への治療の施与に関連づけられた所望の臨床成果は、疾患の病理学的ステージの安定化、疾患の進行を遅らせること、または被験者の生理学的状態の改善を含むが、これに限定されない。
【0077】
アルツハイマー病の症状の発症を予防することまたは遅らせることを目的とした適切な予防的治療は、ドネペジル塩酸塩(アリセプト)、リバスチグミン(エクセロン)、およびガランタミン(レミニール)といった、コリンエステラーゼ阻害薬、または拮抗薬のN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)を含むが、これに限定されない。パーキンソン病の症状の発症を予防することまたは遅らせることを目的とした治療は、L−ドパ、トルカポン(タスマール)およびエンタカポン(コムタン)といったカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)の阻害薬、セレギリン(エルデプリル)およびラサギリン(アジレクト)といったモノアミン酸化酵素B(MAOB)、およびプラミペキソール、ロチゴチン、およびロピニロールといったドーパミンアゴニストを含むが、これに限定されない。
【0078】
本明細書において使用される「選択」という用語は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患の予防的治療の施行のために被験者を選定する行為のことを言う。
【0079】
「被験者」、「神経変性疾患」、「アルツハイマー病」、「パーキンソン病」、「サンプル」、「ミトコンドリアDNA」、「D−ループ領域」、「ND1遺伝子」、「CpGサイト」、「CHGサイト」、「CHHサイト」、「メチル化パターン」、「ハイパーメチル化」、および「ハイポメチル化」という用語は、発明の第1の方法の文脈において詳細に説明されており、発明の第2の方法において同一の意味で使用される。
【0080】
発明の第2の方法の特定の実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプルは、固体組織のバイオプシーまたは生物流体から選択される。サンプルは、当業者に知られている従来の方法によって得られうる。
【0081】
より一層特定の実施形態において、生物流体は、末梢血または脳脊髄液から選択される。
【0082】
より一層特定の実施形態において、前記固体組織は、脳組織である。発明の好ましい実施形態において、パーキンソン病の予防的治療を施行される被験者を選択することが所望される場合、前記サンプルは、黒質から得られた脳組織サンプルである。
【0083】
特定の実施形態において、発明の第2の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0084】
特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表1において示されたものから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCpGサイトにおけるメチル化パターンの決定を含む。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表1から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、または少なくとも16個のCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0085】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第2の方法は、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0086】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、ミトコンドリアDNAを備える被験者のサンプルにおいて、表2において示されたND1遺伝子のCpGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0087】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表2において示されたサイトから選択されたND1遺伝子におけるCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表2から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、または少なくとも6つのCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0088】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第2の方法は、表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてのメチル化パターンを決定することを含む。
【0089】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0090】
特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表3において示されたサイトから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表3から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、または少なくとも14個の、または少なくとも15個のCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0091】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第2の方法は、表3において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHGサイトのメチル化パターンを決定することを含む。
【0092】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンの決定を含む。
【0093】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表4において示されたサイトから選択されたND1遺伝子における少なくとも1つのCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表4から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、または少なくとも6つのCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0094】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第2の方法は、表4において示されたND1遺伝子のCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0095】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0096】
別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表5において示されたものから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表5から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、少なくとも16個の、少なくとも17個の、少なくとも18個の、少なくとも19個の、少なくとも20個の、少なくとも21個の、少なくとも22個の、少なくとも23個の、少なくとも24個の、少なくとも25個の、少なくとも26個の、少なくとも27個の、少なくとも28個の、少なくとも29個の、少なくとも30個の、少なくとも31個の、少なくとも32個の、少なくとも33個の、少なくとも34個の、少なくとも35個の、少なくとも36個の、少なくとも37個の、少なくとも38個の、少なくとも39個の、少なくとも40個の、少なくとも41個の、少なくとも42個の、または少なくとも43個のCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0097】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第2の方法は、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0098】
実施形態の好ましい方法において、発明の第2の方法は、
(i)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(ii)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(iii)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(iv)表1において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイトにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトにおける、メチル化パターンの決定、
(v)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、および表3において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHGサイトにおける、メチル化パターンの決定、
(vi)表2において示されたNDI遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、および表4において示されたNDI遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(vii)表2において示されたND1遺伝子におけるすべてのCpGサイトにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトにおける、メチル化パターンの決定、
(viii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおける、および表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
(ix)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンの決定、および/または
(x)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定を含む。
【0099】
ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおけるメチル化パターンを決定するための適切な方法は、発明の第1の方法の文脈において詳細に説明されている。
【0100】
特定の実施形態において、発明の第2の方法は、メチル化特異的PCR、濃縮に基づいた方法(たとえば、MeDIP、MBD−seq、およびMethylCap)、バイサルファイトシークエンシング、およびバイサルファイトに基づいた方法(たとえば、RRBs、Infinium、GoldenGate、Cobra、MSP、MethyLight)、および制限消化のための方法(たとえば、MRE−seq、またはHELP trial)、パイロシークエンシング、アッセイChIP−on−chip、または、メチル化されたDNAのCpG、CHG、および/またはCHHサイトの差別的変換、差別的制限、差別的重みからなるグループから選択された技法によって、前記CpG、CHG、および/またはCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0101】
発明の特定のおよび好ましい実施形態において、D−ループ領域における1つ以上のCpG、CHG、および/またはCHHサイト、および/または、ND1遺伝子における1つ以上のCpGまたはCHHサイトの、メチル化パターンは、発明の第2の方法によると、パイロシークエンシングによって決定される。
【0102】
発明の第2の方法によると、
−表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−および/または表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、被験者がアルツハイマー病を予防することを目的とした治療を受ける候補であることを示し、または、
−表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−および/または表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、被験者がパーキンソン病を予防することを目的とした治療を受ける候補であることを示す。
【0103】
特定の実施形態において、発明の第2の方法は、表1、3、および5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイト、すべてのCHGサイト、およびCHHサイトのすべてのメチル化パターンと、表2および4において示されたND1遺伝子におけるすべてのCpGサイトおよびCHGサイトのすべてのメチル化パターンとを決定することを含む。
発明の第3の方法
第3の特徴において、発明は、被験者におけるアルツハイマーまたはパーキンソン病から選択された神経変性疾患の進行を監視するためのインビトロ法(以下、発明の第3の方法)に関し、この方法は、
(a)ミトコンドリアDNAを含む前記被験者からのサンプルにおける、D−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンの決定であって、前記メチル化パターンは、
(i)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
(ii)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
(iii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
(iv)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
(v)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択された少なくとも1つのサイトで決定されることと、
(b)ステップa)において決定されたメチル化パターンを前記疾患のより早いステージにおいて得られた前記メチル化パターンと比較することとを含み、疾患のより早いステージで決定された前記メチル化パターンに対する、D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、D−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、ND1遺伝子の前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはND1遺伝子における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化のケースでは、アルツハイマー病の発達を示し、疾患のより早いステージで決定された前記メチル化パターンに対する、D−ループ領域における前記CpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、D−ループ領域における前記CHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、および/またはD−ループ領域における前記CHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化が存在し、パーキンソン病の発達を示す。
【0104】
「予後を決定する」と同等である「進行を監視する」という用語は、疾患であると診断された被験者における前記疾患の進行を決定することを言う。特に用語は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された神経変性疾患であると診断された被験者における前記疾患の進行を決定することを言う。当業者が知っている通り、被験者における疾患の評価を決定するためのいくつかの適切なパラメータが存在し、たとえば、ADおよびPDから選択された神経変性疾患の評価は、全生存の決定によって決定され得る。
【0105】
特定の実施形態において、研究対象の被験者は、ADのステージI〜IIであると診断されている。
【0106】
別の特定の実施形態において、研究対象の被験者は、ステージIII〜VにおけるPDであると診断されている。
【0107】
本明細書において使用される「全生存」という用語は、アルツハイマーおよびパーキンソン病から選択された神経変性疾患の診断または治療時から、定義された時間期間後に生存する患者のパーセンテージのことを言う。
【0108】
「被験者」、「神経変性疾患」、「アルツハイマー病」、「パーキンソン病」、「サンプル」、「ミトコンドリアDNA」、「D−ループ領域」、「ND1遺伝子」、「CpGサイト」、「CHGサイト」、「CHHサイト」、「メチル化パターン」、「ハイパーメチル化」、および「ハイポメチル化」という用語は、発明の第1の方法の文脈において詳細に説明されており、発明の第3の方法において同一の意味で使用される。
【0109】
発明の第3の方法によると、ADおよびPDから選択された神経変性疾患の予後を決定する第1のステップは、前記神経変性疾患であると診断された被験者からのミトコンドリアDNAを含むサンプルにおいて、表1から5において示されたサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるD−ループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0110】
第2のステップにおいて、発明の第3の方法は、前記第1のステップにおいて得られたメチル化パターンを、疾患のより早いステージにおいて得られた前記メチル化パターンと比較することを含む。したがって、発明の第3の方法は、前記神経変性疾患であると診断された被験者からのミトコンドリアDNAを含むサンプル(第1のサンプル)におけるメチル化パターン、表1から5において示されたCpG、CHG、および/またはCHHサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるDループ領域におけるおよび/またはND1遺伝子におけるメチル化パターンを決定することと、適切な時間期間後に、前記神経変性疾患であると診断された前記被験者のミトコンドリアDNAを含むサンプル(第2のサンプル)において、これらのサイトでのメチル化パターンを決定することとを含む。前記第2のサンプルは、第1のサンプルを得た後、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、1年、2年、3年、4年、5年、10年、またはそれ以上の期間に得られうる。
【0111】
特定の実施形態において、前記第1のサンプルは、ADおよびPDから選択された前記神経変性疾患のための任意の適切な治療を受けていない被験者から得られ、前記第2のサンプルは、疾患の治療が行われている時間期間後に得られる。別の特定の実施形態において、前記第1のサンプルは、前記神経変性疾患のための適切な治療の開始時に得られ、第2のサンプルは、治療の過程中の1つ以上のポイントで得られる。
【0112】
発明の第3の方法によると、
疾患のより早いステージで決定された前記メチル化パターンに対する、
−表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つにおけるハイパーメチル化、
−表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−および/または表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、アルツハイマー病の発達を示し、または、
疾患のより早いステージで決定された前記メチル化パターンに対する、
−表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化、
−および/または表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つにおけるハイポメチル化は、パーキンソン病の発達を示す。
【0113】
本明細書において使用される「アルツハイマー病の発達」という表現は、被験者が、被験者が診断されたステージに対し、疾患のより進展したステージにあることをいう。すなわち、被験者が(その被験者において存在する脳の障害および/または疾患の症状もしくは臨床所見にしたがって)ADのステージI〜IIとして分類された場合、被験者は、被験者がステージIII〜IVもしくはステージV〜VIでの分類から移行する場合、または、被験者がステージIII〜IVとしての分類からADのステージV〜VIとしての分類へと移行する場合、疾患のより発達したステージにあるとみなされる。
【0114】
本明細書において使用される「パーキンソン病の発達」という表現は、被験者が、被験者が診断されたステージに対し、疾患のより進展したステージにあることをいう。すなわち、被験者が(その被験者において存在する脳の障害および/または疾患の症状もしくは臨床所見にしたがって)PDのステージI〜IIとして分類された場合、被験者は、被験者がステージIII〜IVとしてのもしくはステージV〜VIでの分類から移行する場合、または、被験者がステージIII〜IVとしての分類からPDのステージV〜VIとしての分類へと移行する場合、疾患のより発達したステージにあるとみなされる。
【0115】
発明の第3の方法の特定の実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプルは、固体組織のバイオプシーまたは生物流体から選択される。サンプルは、当業者に知られている従来の方法によって得られうる。
【0116】
より一層特定の実施形態において、生物流体は、末梢血または脳脊髄液から選択される。
【0117】
より一層特定の実施形態において、前記固体組織は、脳組織である。
【0118】
発明の好ましい実施形態において、パーキンソン病の進行が監視される場合、前記脳組織サンプルは、黒質から得られる。
【0119】
特定の実施形態において、発明の第3の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0120】
特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表1において示されたサイトから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCpGサイトのメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第1の方法は、表1から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、または少なくとも16個のCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0121】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第3の方法は、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてのメチル化パターンを決定することを備える。
【0122】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを備える。
【0123】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表2において示されたサイトから選択されたND1遺伝子におけるCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0124】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表2から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、または少なくとも6つのCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0125】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第3の方法は、表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0126】
特定の実施形態において、発明の第3の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0127】
特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表3において示されたサイトから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表3から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、または少なくとも14個の、または少なくとも15個のCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0128】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第3の方法は、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0129】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0130】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表4において示されたサイトから選択されたND1遺伝子における少なくとも1つのCHGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表4から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、または少なくとも6つのCpGサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0131】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第3の方法は、表4において示されたND1遺伝子のCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0132】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおいて、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトから選択された少なくとも1つのサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0133】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表5において示されたサイトから選択されたD−ループ領域における少なくとも1つのCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表5から選択された、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、少なくとも16個の、少なくとも17個の、少なくとも18個の、少なくとも19個の、少なくとも20個の、少なくとも21個の、少なくとも22個の、少なくとも23個の、少なくとも24個の、少なくとも25個の、少なくとも26個の、少なくとも27個の、少なくとも28個の、少なくとも29個の、少なくとも30個の、少なくとも31個の、少なくとも32個の、少なくとも33個の、少なくとも34個の、少なくとも35個の、少なくとも36個の、少なくとも37個の、少なくとも38個の、少なくとも39個の、少なくとも40個の、少なくとも41個の、少なくとも42個の、または少なくとも43個のCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0134】
発明のさらに一層特定のおよび好ましい実施形態において、発明の第3の方法は、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトのすべてにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0135】
実施形態の好ましい方法において、発明の第3の方法は、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
ii.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表3において示されたD−ループ領域のすべてのCHGサイトにおける、メチル化パターンの決定、
iii.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトのすべてにおける、および表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
iv.表1において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイトにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトにおける、メチル化パターンの決定、
v.表2において示されたND1遺伝子のすべてのCpGサイトにおける、および表3において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHGサイトにおける、メチル化パターンの決定、
vi.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトのすべてにおける、および表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、
vii.表2において示されたND1遺伝子におけるすべてのCpGサイトにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトにおける、メチル化パターンの決定、
viii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおける、および表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてにおける、メチル化パターンの決定、および/または
ix.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトのすべてにおけるメチル化パターンの決定、
x.表4において示されたND1遺伝子におけるすべてのCHGサイトにおける、および表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトにおける、メチル化パターンの決定を含む。
【0136】
ミトコンドリアDNAを含む被験者のサンプルにおけるメチル化パターンを決定するための適切な方法は、発明の第1の方法の文脈において詳細に説明されている。
【0137】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、メチル化特異的PCR(MSP)、濃縮に基づいた方法(たとえば、MeDIP、MBD−seq、およびMethylCap)、バイサルファイトシークエンシング、およびバイサルファイトに基づいた方法(たとえば、RRBs、Infinium、GoldenGate、Cobra、MSP、MethyLight)を通じて、および制限消化による方法(たとえば、MRE−seq、またはHELP trial)、パイロシークエンシング、または、メチル化されたDNAのCpG、CHG、および/またはCHHサイトの差別的変換、差別的制限、差別的重みからなるグループから選択された技法によって、前記CpG、CHG、および/またはCHHサイトにおけるメチル化パターンを決定することを含む。
【0138】
発明の特定のおよび好ましい実施形態において、D−ループ領域における1つ以上のCpG、CHG、および/またはCHHサイト、および/または、ND1遺伝子における1つ以上のCpGまたはCHHサイトの、メチル化パターンは、発明の第3の方法によると、パイロシークエンシングによって決定される。
【0139】
別の特定の実施形態において、発明の第3の方法は、表1、3、および5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイト、すべてのCHGサイト、およびすべてのCHHサイトのメチル化パターンと、表2および4において示されたND1遺伝子におけるすべてのCpGサイトおよびすべてのCHGサイトのメチル化パターンとを決定することを含む。
発明の第4の方法
本発明の著者は、ミトコンドリアDNAのD−ループ領域における一塩基多型(SNP)であって、SNPが被験者のmtDNA分子の少なくとも60%におけるものである場合にアルツハイマー病の発病に統計的に関連づけられるSNPを発見した。
【0140】
したがって、第4の特徴において、発明は、被験者におけるアルツハイマー病を発病するリスクを診断または決定するためのインビトロ法(以下、発明の第4の方法)に関し、この方法は、前記被験者のミトコンドリアDNAを含むサンプルにおいて、NCBIデータベースにおいてアクセッション番号NC_012920(SEQ ID NO:1)の下で定義された配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドを決定することを含み、前記被験者のミトコンドリアDNA分子の少なくとも60%における、前記多型位置でのヌクレオチドCの検出または前記多型位置でのヌクレオチドCの存在は、前記被験者が前記疾患に罹患していること、または、前記被験者が前記疾患を発病する高められたリスクを有することを示す。
【0141】
「診断」、「リスクを決定する」、「サンプル」、および「ミトコンドリアDNA」という用語は、発明の第1、第2、および第3の方法の文脈において定義されており、発明の第4の方法において同一の意味で使用される。
【0142】
多型位置での特定のヌクレオチドの存在は、サンプル中に存在する全DNA分子に対する、前記多型位置でそのようなヌクレオチドを有するDNA分子のパーセンテージとして定義され得る。発明の第4の方法によると、被験者のmtDNAが、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを提示する場合、その位置で前記ヌクレオチドを提示する分子のパーセンテージが、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、またはそれ以上である場合、前記被験者がアルツハイマー病に罹患していること、または、前記被験者が前記疾患を発病する高められたリスクを有することが考えられる。
【0143】
特定の実施形態において、被験者のMtDNAが、mtDNA分子の60%において、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを提示する場合、前記被験者がアルツハイマー病を有すること、または、前記被験者が疾患を発病する高められたリスクを有することが考えられる。発明の好ましい実施形態において、被験者のMtDNAが、mtDNA分子の71%において、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを提示する場合、前記被験者がアルツハイマー病を有すること、または、前記被験者が前記疾患を発病する高められたリスクを有することが考えられる。
【0144】
発明の別の好ましい実施形態において、被験者からのmtDNAが、mtDNA分子の74%において、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを提示する場合、前記被験者がアルツハイマー病を有すること、または、前記被験者が疾患を発病する高いリスクにあることが考えられる。発明の好ましい実施形態において、被験者のMtDNAが、mtDNA分子の78%において、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを提示する場合、前記被験者がアルツハイマー病を有すること、または、前記被験者が前記疾患を発病する高いリスクにあることが考えられる。
【0145】
当業者が知っている通り、ミトコンドリアDNAを含むサンプルは、ホモプラスミックまたはヘテロプラスミックであり得る。本明細書において使用される「ヘテロプラスミー」または「ヘテロプラスミックミトコンドリアDNA」という用語は、少なくとも2つの異なるミトコンドリア遺伝子型からのDNAの混合からなる被験者のミトコンドリアDNAのことを言う。本明細書において使用される「ホモプラスミア」または「ホモプラスミックミトコンドリアDNA」という用語は、単一のミトコンドリア遺伝子型からの単一のDNA遺伝子型によって形成された被験者のミトコンドリアDNAのことを言う。
【0146】
特定の実施形態では、本発明の文脈において、ミトコンドリアDNAのサンプルは、ホモプラスミックであり、そのケースでは、被験者において存在するすべてのミトコンドリアが同一の遺伝物質を含むので、被験者のすべてのミトコンドリアは、それらのゲノムにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを提示する。ミトコンドリアDNAのサンプルがホモプラスミックである実施形態において、発明の第4の方法は、前記ミトコンドリアDNAサンプルにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519におけるCヌクレオチドを検出することにより、被験者におけるアルツハイマー病を発病するリスクを診断または決定することを可能にし、すなわち、被験者からのホモプラスミックミトコンドリアDNAのサンプルにおける、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドCの検出は、被験者がアルツハイマー病に罹患していること、または、被験者が疾患を発病する高められたリスクを有することを示す。逆に、ホモプラスミックミトコンドリアDNAのサンプルにおける、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドTの検出は、被験者がアルツハイマー病に罹患していないこと、または、被験者が疾患を発病する低いリスクを有することを示す。
【0147】
発明の別の特定のおよび好ましい実施形態では、ミトコンドリアDNAサンプルは、ヘテロプラスミックであり、すなわち、被験者のmtDNAは、その遺伝物質が互いに同一でない2つのミトコンドリア母集団からのものである。本発明によると、ヘテロプラスミーとは、前記被験者の前記ミトコンドリアのうちのあるパーセンテージが、そのゲノムにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でオリゴヌクレオチドCを提示し、前記被験者のミトコンドリアの残りのパーセンテージは、そのゲノムにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でオリゴヌクレオチドTを提示する、という事実のことを言う。
【0148】
当業者は、mtDNA分子の少なくとも60%における多型の存在の同定が、アルツハイマー病の予防的治療の施行のための被験者を選択するために同様に有用であること、被験者のmtDNAがヘテロプラスミーを提示するケースにおいて、被験者のmtDNAがホモプラスミーを提示するケースのごとく分子全体が位置16519でヌクレオチドTまたはヌクレオチドCを提示するケースでは、患者がアルツハイマー病のための予防的治療を受ける候補であることを示す多型を有するmtDNA分子のパーセンテージは、100%または0%のいずれかであることを理解するだろう。そのように、そのmtDNAがヘテロプラスミックである被験者のケースでは、位置16519においてTヌクレオチドを提示するMtDNA分子の母集団と、位置16519においてCヌクレオチドを提示する分子の第2の母集団とが存在するであろう。そのケースでは、位置16519でヌクレオチドCを提示するmtDNA分子のパーセンテージが60%以上である場合、患者がアルツハイマー病の予防的治療のための候補であることが考えられる。
【0149】
ホモプラスミーおよびヘテロプラスミー、および、ヘテロプラスミーのパーセンテージまたは「ヘテロプラスミーの度合」の決定は、当業者によって知られている任意の技法によって決定され得る。ミトコンドリアDNAのサンプルがヘテロプラスティックであるかどうかを決定することを可能にするための技法の非限定的で例示的な例は、mtDNA配列のサザンブロットまたはPCR−RFLPを含むが、これに限定されない。簡潔には、PCR−RFLP技法は、一般にサンプルにおけるSNPの存在は、特異的配列すなわち1つ以上の制限酵素のターゲットの作製または分解に関連づけられる、という事実に基づいている。PCR−RFLP技法によるヘテロプラスミーの検出は、特異的なオリゴヌクレオチドを使用することによる検出されるべき多型を含む遺伝物質領域の増幅の第1の段階の後に、増幅された断片が適切な制限酵素の存在における酵素消化反応に曝される第2のステップが続く。サンプルにおける多型の存在または欠如は、ターゲットに特異的な制限パターンの存在または欠如に関連づけられるので、得られた断片サイズが、サンプルが一意のバンドパターンによって形成されているかを決定し、そのケースでは、サンプルはホモプラスミックである。しかしながら、解析が、2つの異なるミトコンドリアDNA母集団に対応する2つのバンディングパターンの存在を決定する場合には、mtDNAサンプルはヘテロプラスミックである。
【0150】
本明細書において使用される「一塩基多型」または「一塩基多型」または「SNP」という用語は、一塩基(A、C、T、またはG)において生じる核酸のヌクレオチド配列におけるバリエーションのことを言い、あらゆる可能な配列が母集団の1%以上の割合で存在する。これらの多型は、ゲノムにおける一塩基が(たとえば、置換、付加、または欠失によって)変えられた場合に出現する。多型サイトに対する配列の各々のバージョンは、多型サイトの対立遺伝子と呼ばれる。SNPは、代々進化的に安定する傾向にあり、そのようなものとして、母集団における特異的な遺伝子異常を研究するために使用され得る。
【0151】
発明の多型バリアントは、NCBIデータベースにおいて番号NC_012920によって定義されたナンバリングに基づいた、位置16519である。多型バリアントは、前記位置においてCを含む。
【0152】
「SNPの配列決定」または「SNPを検出すること」という用語は、本明細書において同義で使用され、研究下の被験者における特定のSNPの配列の決定のことを言う。SNPの配列を決定することは、当業者に知られているさまざまなプロセスによって行われ得る。
【0153】
発明のいくつかの特定の実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプルは、固体組織のバイオプシーまたは生物流体から選択される。サンプルは、当業者に知られている従来の方法によって得られうる。
【0154】
より一層特定の実施形態において、生物流体は、末梢血または脳脊髄液から選択される。
より一層特定の実施形態において、前記固体組織は、脳組織である。
【0155】
本方法にしたがって前記SNPを決定することが所望される材料が固体組織または生物流体である場合、好ましくは、サンプルからの従来の核酸抽出が存在し、この核酸抽出は、このための任意の適切な技法を使用する。
【0156】
発明の好ましい実施形態において、発明の実現に適したDNAフラクションは、トータルDNAである。DNA抽出は、発明の第1の方法において詳述されているように、当業者に知られている任意の方法を使用して実行され得る。
【0157】
所望される場合、本方法は、あらかじめミトコンドリアフラクションが分離されていて、後続してそのDNAが分離された、サンプルにおいて実行され得る。ミトコンドリアフラクションの分離は、任意の知られている細胞フラクショネーション方法を使用して行われ得、本発明の第1の方法において詳述されている。
【0158】
核酸を分離し、(必要であれば)増幅した後、発明のSNP配列が、SNPまたは多型中に存在するヌクレオチドを決定することができる任意の方法または技法により検出される。たとえば、SNPは、シークエンシング、ミニシークエンシング、ハイブリダイゼーション、制限酵素断片解析、オリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイ、対立遺伝子特異的PCR、またはそれらの組み合わせを行うことにより検出され得る。そのようなものとして、核酸シークエンシング、ハイブリダイゼーション方法、およびアレイテクノロジー(たとえば、BioSciences Aclara、Affymetrix、Agilent Technologies,Inc.、Illumina、等で利用可能なテクノロジー)に限定されるシステムおよび方法もまた、増幅された核酸断片のモビリティシフトに基づいた技法、たとえば、一本鎖高次構造多型(SSCP)、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)、化学ミスマッチ切断(CMC)、制限酵素断片長多型(RFLP)、PCR−RFLP、波分析、等において使用され得る(Methods Mol.Med.2004;108:173−88)。当然のことながらこのリストは、単なる例示であり、決して限定ではない。この分野における熟練者は、そのような検出を達成するのに適した任意の方法を使用し得る。
【0159】
別の特定の実施形態において、前記SNPの配列を決定することは、PCR−RFLPによって行われる。
【0160】
特定の実施形態において、発明の第4の方法は、ADの早いステージを診断するためのインビトロ法に対応する。本明細書において使用される「アルツハイマー病の早いステージ」という用語は、発明の第1の方法の文脈において定義されたブラークスケールによるアルツハイマー病のステージI〜IIのことを言う。
発明の第5の方法
第5の特徴において、発明は、アルツハイマー病の予防的治療の施行のための被験者を選択するためのインビトロ法に対応し、この方法は、前記被験者からのミトコンドリアDNAを含むサンプルにおいて、NCBIデータベースにおいてアクセッション番号NC_012920を有する配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドを決定することを含み、ミトコンドリアDNA分子の少なくとも60%における、前記多型位置でのCヌクレオチドの検出または前記多型位置でのヌクレオチドCの存在は、前記被験者がアルツハイマー病を予防することを目的とした治療を受ける候補であることを示す。
【0161】
「アルツハイマー」、「治療」、「サンプル」、「ミトコンドリアDNA」、および「多型」という用語、ならびに、サンプルを得て多型を検出するための方法は、発明の第1、第2、第3、および第4の方法の文脈において詳述されており、ここでも同一の意味で使用される。
【0162】
発明の第5の方法によると、被験者のmtDNAが、アクセス番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でヌクレオチドCを有する場合、前記位置において前記ヌクレオチドを有するmtDNA分子のパーセンテージが、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、またはそれ以上である場合、被験者がアルツハイマー病を予防することを目的とした治療を施行される候補であると考えられる。特定の実施形態において、被験者のmtDNAが、mtDNA分子の60%において、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16,519でヌクレオチドCを提示する場合、前記被験者はアルツハイマー病の予防的治療を受けるのに適格であると考えられる。
【0163】
当業者は、mtDNA分子の少なくとも60%における多型の存在の同定が、アルツハイマー病の予防的治療を施行される被験者を選択するのに同様に有用であること、被験者のmtDNAが、それがホモプラスミックを提示するケースにおけるごとくヘテロプラスミックを提示すること、を理解するだろう。そのように、そのmtDNAがホモプラスミックである被験者のケースにおけるごとく分子全体が位置16519でヌクレオチドTまたはヌクレオチドCを提示するケースでは、患者がアルツハイマー病のための予防的治療を受ける候補であることを示す多型を有するmtDNA分子のパーセンテージは、100%または0%のいずれかである。そのように、そのmtDNAがヘテロプラスミックである被験者のケースでは、位置16519でTヌクレオチドを提示するMtDNA分子の母集団が存在し、分子の第2の母集団は、位置16519でCヌクレオチドを提示するであろう。そのケースでは、位置16519においてヌクレオチドCを提示するmtDNAの分子のパーセンテージが60%未満またはそれより多い場合、患者がアルツハイマー病の予防的治療のための候補であると考えられるであろう。
【0164】
発明のいくつかの特定の実施形態において、ミトコンドリアDNAを備えるサンプルは、固体組織のバイオプシーまたは生物流体から選択され、サンプルは、当業者に知られている従来の方法によって得られうる。
【0165】
特定の実施形態では、本発明の文脈において、ミトコンドリアDNAのサンプルは、ホモプラスミックであり、そのケースでは、被験者において存在するすべてのミトコンドリアが同一の遺伝物質を含むので、被験者のすべてのミトコンドリアは、それらのゲノムにおいて、アクセッション番号NC_012920の下の配列に係る多型位置16519においてヌクレオチドCを提示する。ミトコンドリアDNAサンプルがホモプラスミックである実施形態において、発明の第5の方法は、前記ミトコンドリアDNAサンプルにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドCの検出により、アルツハイマー病の予防的治療を施行される患者を選択することを可能にし、すなわち、患者からのホモプラスミックミトコンドリアDNAのサンプルにおける、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519でのヌクレオチドCの検出は、被験者がアルツハイマー病の予防的治療を受けるのに適格であることを示す。逆に、患者からのホモプラスミックミトコンドリアDNAのサンプルにおける、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519におけるヌクレオチドTの検出は、前記患者がアルツハイマー病のための予防的治療を受ける候補でないことを示す。
【0166】
発明の別の特定のおよび好ましい実施形態では、ミトコンドリアDNAサンプルは、ヘテロプラスミックであり、すなわち、被験者のmtDNAは、その遺伝物質が互いに同一でない2つのミトコンドリア母集団のものである。本発明によると、ヘテロプラスミーとは、前記被験者のミトコンドリアのうちのあるパーセンテージが、そのゲノムにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519においてオリゴヌクレオチドCを提示し、前記被験者のミトコンドリアの残りのパーセンテージは、そのゲノムにおいて、アクセッション番号NC_012920の下で定義された配列に係る多型位置16519においてオリゴヌクレオチドTを提示する、ということを言う。
【0167】
サンプルがホモプラスミックかヘテロプラスミックかを決定するための、ならびに、サンプルのヘテロプラスミーの度合を決定するための方法は、発明の第4の方法の文脈において詳述されており、参照によりここに組み込まれる。
【0168】
より一層特定の実施形態において、生物流体は、末梢血または脳脊髄液から選択される。
より一層特定の実施形態において、前記固体組織は、脳組織である。
【0169】
本方法にしたがって前記SNPを決定することが所望される材料が固体組織または生物流体である場合、好ましくは、サンプルからの従来の核酸抽出が存在し、この核酸抽出は、このための任意の適切な技法を使用する。発明の好ましい実施形態において、発明の実現に適したDNAフラクションは、トータルDNAである。DNAの抽出は、発明の第1の方法において詳述されているように、当業者に知られている任意の適切な方法を使用して実行され得る。
【0170】
別の特定の実施形態において、前記SNPの配列を決定することは、PCR−RFLPによって行われる。
発明のポリヌクレオチド
別の特徴において、本発明は、核酸に対応し(以下、「発明の第1のポリヌクレオチド」)、この核酸は、mtDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備える。
【0171】
本明細書において使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、長さにおいて14塩基以上のDNAまたはRNA分子のことを言う。発明のポリヌクレオチドは、好ましくは、長さにおいて、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100塩基、またはそれ以上のDNA分子である。
【0172】
特定の実施形態において、発明の第1のポリヌクレオチドは、表1から選択された少なくとも1つのCpGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備える。
【0173】
別の特徴において、本発明は、核酸に関し(以下、「発明の第2のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを含む。
【0174】
特定の実施形態において、発明の第2のポリヌクレオチドは、表2から選択された前記少なくとも1つのCpGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備える。
【0175】
別の特徴において、本発明は、核酸に関し(以下、「発明の第2のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備える。
【0176】
特定の実施形態において、発明の第3のポリヌクレオチドは、表3から選択された前記少なくとも1つのCHGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備える。
【0177】
別の特徴において、本発明は、核酸に関し(以下、「発明の第4のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表4において示されたND1遺伝子のCHGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを含む。
【0178】
特定の実施形態において、発明の第4のポリヌクレオチドは、表4から選択された前記少なくとも1つのCHGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備える。
【0179】
別の特徴において、本発明は、核酸のことを言い(以下35、以下、「発明の第5のポリヌクレオチド」)、この核酸は、mtDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備える。
【0180】
特定の実施形態において、発明の第5のポリヌクレオチドは、表5から選択された前記少なくとも1つのCHHサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備える。
【0181】
別の特徴において、本発明は、核酸に対応し(以下、「発明の第6のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備え、前記CpGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0182】
特定の実施形態において、発明の第6のポリヌクレオチドは、表1から選択された前記少なくとも1つのCpGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備え、前記CpGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0183】
別の態様において、本発明は、核酸のことを言い(以下、「発明の第7のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表2において示されたND1遺伝子のCpGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備え、前記CpGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0184】
特定の実施形態において、発明の第7のポリヌクレオチドは、表2から選択された前記少なくとも1つのCpGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備え、前記CpGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0185】
別の特徴において、本発明は、核酸のことを言い(以下、「発明の第8のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備え、前記CHGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0186】
特定の実施形態において、発明の第8のポリヌクレオチドは、表3から選択された前記少なくとも1つのCHGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備え、前記CHGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0187】
別の特徴において、本発明は、核酸に関し(以下、「発明の第9のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表4において示されたND1遺伝子のCHGサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備え、前記CHGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0188】
特定の実施形態において、発明の第9のポリヌクレオチドは、表4から選択された前記少なくとも1つのCHGサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備え、前記CHGサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0189】
別の特徴において、本発明は、核酸に関し(以下、「発明の第10のポリヌクレオチド」)、この核酸は、ミトコンドリアDNA領域における少なくとも9つの連続するポリヌクレオチドを備え、前記領域は、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトから選択された少なくとも1つのメチル化サイトを備え、前記CHHサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0190】
特定の実施形態において、発明の第10のポリヌクレオチドは、表5から選択された前記少なくとも1つのCHHサイトに対する、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを備え、前記CHHサイトにおけるシトシンの対応する位置は、ウラシルである。
【0191】
別の特徴において、発明は、発明の前記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および第10のポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。
【0192】
本明細書において使用される、「特異的にハイブリダイズする」または「特異的な形式でハイブリダイズすることができる」という表現は、CpG、CHG、またはCHHサイトの配列を特異的に認識するオリゴヌクレオチドのまたはポリヌクレオチドの能力のことを言う。本明細書において使用される場合、「ハイブリダイゼーション」という用語は、相補的塩基間の特異的な対合により単純な二本鎖分子を結果として生じる高い度合の類似性を有する2つの核酸分子または一本鎖分子を組み合わせるプロセスである。一般に、ハイブリダイゼーションは、非常にストリンジェントな条件または適度にストリンジェントな条件下で行われる。
【0193】
当該技術において知られているように、2つの核酸分子間の「類似」は、分子のヌクレオチド配列を第2の分子のヌクレオチド配列と比較することにより決定される。本発明に係るバリアントは、表1から5において示されたサイトから選択された前記少なくとも1つのCpG、CHH、およびCGHサイトの配列と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%類似の、または同一の、ヌクレオチド配列を含む。2つの核酸分子間の同一性の度合は、当業者に広く知られているコンピュータアルゴリズムおよび方法を使用して決定される。2つのアミノ酸配列間の同一性は、好ましくは、BLASTNアルゴリズムによって決定される(BLAST Manual,Altschul et al,1990,NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894,Altschul,S.,et al,J.Mol Biol.215:403−10)。
【0194】
ハイブリダイゼーション反応の「厳格さ」は、当業者によって容易に決定され、一般的には、プローブ長、洗浄温度、および塩濃度に依存した経験的計算である。一般的に、より長いプローブは、適切なアニーリングのために、より高い温度を要求する一方で、より短いプローブは、より低い温度を必要とする。ハイブリダイゼーションは一般的に、相補鎖がそれらの融解温度を下回る環境中に存在する際の変性DNAの再アニーリング能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列との間の所望の相同性の度合が高ければ高いほど、使用され得る相対温度は高い。結果として、より高い相対温度は、よりストリンジェントな反応条件を作り出す傾向にある一方で、より低い温度は、それほどでもなかろう、ということが推測される。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの追加の詳細および説明については、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience Publishers,(1995)を参照。
【0195】
本明細書において使用される「ストリンジェントな条件」または「高ストリンジェンシー条件」という用語は典型的に、(1)低いイオン強度および高い洗浄温度、たとえば、50℃のナトリウムで0.015M塩化ナトリウム/0.0015クエン酸塩/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、を用いるか、(2)ハイブリダイゼーション中、42℃で、750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムとともに、ホルムアミド、たとえば、0.1%ウシ血清アルブミンによる50%(v/v)ホルムアミドのような変性剤/0.1%フィコール/0.1%ポリビニルピロリドン/pH6.5の50mMリン酸ナトリウムバッファを用いるか、または(3)42℃で、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理されたサケ精子DNA(50mg/ml)、0.1%SDS、および10%デキストラン硫酸を用い、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)および50%ホルムアミドにおける42℃での洗浄の後に、55℃でのEDTAを含む0.1×SSCにおける高ストリンジェンシー洗浄が続く。
【0196】
「適度にストリンジェントな条件」は、Sambrook et аl,Molecular Cloning.A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Press,1989によって説明されているように同定され得、上述されたものよりもストリンジェントでない洗浄溶液およびハイブリダイゼーション条件(たとえば、温度、イオン強度、および%SDS)の使用を含む。適度にストリンジェントな条件の例は、約35、37〜50℃での1×SSCにおけるフィルターの洗浄が後に続く、20%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%デキストラン硫酸、および20mg/mlの断片化された変性サケ精子DNAを備える溶液における37℃でのオーバーナイトインキュベーションである。当業者は、プローブ長、等といったファクターを適応させる必要がある場合、温度、イオン強度、等をどのように調節するかを知っているであろう。
発明のキット
別の特徴において、本発明は、キットに関し(以下、発明の第1のキット)、このキットは、
(i)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
(ii)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
(iii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
(iv)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
(v)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択されたメチル化サイトを備えるミトコンドリアDNA配列とメチル化に依存した手法で特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを備える。
【0197】
「CpGサイト」、「CHGサイト」、「CHHサイト」、「D−ループ領域」、および「ND1遺伝子」という用語は、発明の第1の方法の文脈において詳細に説明されており、「特異的な形式でハイブリダイズすることができる」という用語は、発明のポリヌクレオチドの文脈において定義されている。これらの用語は、発明キットの文脈において同一の意味で使用される。
【0198】
好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、
(i)表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
(ii)表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
(iii)表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
(iv)表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
(v)表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
からなるグループから選択されたメチル化サイトを備えるミトコンドリアDNA配列とメチル化に依存して特異的にハイブリダイズすることができる発明キットの一部である。
【0199】
それらは、キットを形成するオリゴヌクレオチドの合計量の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%を構成する。さらなる実施形態において、前記オリゴヌクレオチドは、キットを形成するオリゴヌクレオチドの合計量の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%である。
【0200】
適切なキットは、チューブと、ガラス瓶と、シュリンクラップ包装およびブロー成形機とを含む、適切な容器および包装材料における、本発明に係る使用のためのさまざまな試薬を含む。加えて、発明キットは、キットにおいて見出されるさまざまな構成要素の、同時の、連続の、または別個の使用のためのインストラクションを含み得る。そのようなインストラクションは、印刷材料の形態、または、インストラクションが被験者によって読み出され得るようにそれらを記憶することができる電子媒体、たとえば、電子記憶媒体(磁気ディスク、テープ、等)、光媒体(CD−ROM、DVD)、等の形態におけるものであり得る。加えて、またはあるいは、媒体は、そのようなインストラクションを提供するインターネットアドレスを含み得る。
【0201】
本発明に係る例示的なキットに含まれる適切な材料は、以下の1つ以上、すなわち、PCRを実行する必要なしにトータルDNAまたはmtDNAのいずれかのドメインの特定の配列を増幅することができる試薬、PCR増幅または非PCR(たとえば、制限エンドヌクレアーゼ、オリゴヌクレオチド信号を増幅してメチル化または非メチル化CpG、CHG、および/またはCHHサイトCHH間の判別をよりロバストにする酵素または蛍光化学物質のグループを含むように変更されたものを含む、好ましくはメチル化または非メチル化CpG、CHG、および/またはCHHサイトとハイブリダイズするオリゴヌクレオチド)によって増幅された配列ドメインにおける異なる可能な対立遺伝子を判別するために必要とされる試薬、または、さまざまな増幅産物領域を物理的に切り離すために必要とされる試薬(たとえば、電気泳動における使用のためのアガロースまたはポリアクリルアミドおよびバッファ、HPLCカラム、SSCPゲル、ホルムアミドゲル、またはMALDI−TOFのためのサポートマトリックス)の1つ以上を備える。
【0202】
本明細書において使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、何塩基かの長さを有するDNA分子または短いRNAのことを言う。発明のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも45、または50塩基の長さのDNA分子である。
【0203】
発明のキットにおいて使用される場合、メチル化特異的な手法で、表1において示されたCpGサイトから選択されたD−ループ領域におけるCpGサイトの少なくとも1つの配列とハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトの少なくとも1つの配列とハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトの少なくとも1つの配列とハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトの少なくとも1つの配列とハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、および/または、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトの少なくとも1つの配列とハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、前記CpG、CHG、および/またはCHHサイト(単数または複数)を含む領域を増幅するためのプライマーとして使用される。あるいは、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドは、メチル化または非メチル化されたそのようなCpG、CHG、またはCHHサイトを検出するためのプローブとしても使用され得る。
【0204】
発明の第1のキットの好ましい実施形態は、表1において示されたD−ループ領域におけるすべてのCpGサイトと、表2において示されたND1遺伝子のすべてのCpGサイトと、表3において示されたD−ループ領域のCHGサイトのすべてと、表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトのすべてと、および/または、表5において示されたD−ループ領域におけるすべてのCHHサイトと、特異的にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドを備える。
【0205】
所望される場合、発明の第1のキットは、表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイトがメチル化されている場合に前記CpGサイトの少なくとも1つの配列を備えるバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる第1のオリゴヌクレオチドと、D−ループ領域におけるCpGサイトがメチル化されていない場合に前記CpGサイトの少なくとも1つの配列を備える同一のバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとを備え得、および/または、キットは、表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイトがメチル化されている場合に前記CpGサイトの少なくとも1つの配列を備えるバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる第1のオリゴヌクレオチドと、D−ループ領域のCpGサイトがメチル化されていない場合に前記CpGサイトの少なくとも1つの配列を備える同一のバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとを備え得、および/または、キットは、表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイトがメチル化されている場合に前記CHGサイトの少なくとも1つの配列を備えるバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる第1のオリゴヌクレオチドと、D−ループ領域のCHGサイトがメチル化されていない場合に前記CHGサイトの少なくとも1つの配列を備える同一のバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとを備え得、および/または、キットは、表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイトがメチル化されている場合に前記CHGサイトの少なくとも1つの配列を備えるバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる第1のオリゴヌクレオチドと、D−ループ領域におけるCHGサイトがメチル化されていない場合に前記CHGサイトの少なくとも1つの配列を含む同一のバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとを備え得、および/または、キットは、表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイトがメチル化されている場合に前記CHHサイトの少なくとも1つの配列を備えるバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる第1のオリゴヌクレオチドと、D−ループ領域におけるCHHサイトがメチル化されていない場合に前記CHHサイトの少なくとも1つの配列を備える同一のバイサルファイト処理されたオリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとを備え得る。
【0206】
非メチル化CpGサイトのハイブリダイゼーションのために、非メチル化DNAとハイブリダイズする特異的なプライマーは、好ましくは、CG対においてTを有し、それをメチル化DNAにおいて保持されるCと区別する。Cはセンスプライマーに欠如しているであろうし、Gはアンチセンスプライマーに欠如しているであろう(シトシンは、ウラシルへと変換され、それは、増幅産物においてチミジンとして増幅される)から、プライマーが配列において、相対的に少数のCまたはGを含むことは好ましい。したがって、メチル化CpGサイトとのハイブリダイゼーションのために、メチル化DNAと特異的にハイブリダイズするプライマーは、好ましくは、3’のCG対でCを有する。
【0207】
別の特徴において、発明は、キットに関し(以下、「発明の第2のキット」)、このキットは、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
からなるグループから選択されたミトコンドリアDNAのメチル化サイトに対し5’から3’の位置においてゾーンと特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを備え、前記位置におけるメチル化されたシトシンは、ウラシル、または、そのハイブリダイゼーション特性においてシトシンとは区別可能な別の塩基へと変換されている。
【0208】
好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、発明のキットの一部を形成し、
i.表1において示されたD−ループ領域におけるCpGサイト、
ii.表2において示されたND1遺伝子におけるCpGサイト、
iii.表3において示されたD−ループ領域におけるCHGサイト、
iv.表4において示されたND1遺伝子におけるCHGサイト、および/または
v.表5において示されたD−ループ領域におけるCHHサイト
によって形成されたグループから選択されたミトコンドリアDNAにおけるメチル化サイトに対し領域または位置5’または位置3’と特異的にハイブリダイズすることができる。
【0209】
それらは、キットを形成するオリゴヌクレオチドの合計量の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%を構成する。さらなる実施形態において、前記オリゴヌクレオチドは、キットを構成するオリゴヌクレオチドの合計量の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を構成する。
【0210】
特定の実施形態において、発明の第2のキットはさらに、非メチル化シトシンを、ウラシル、または、ハイブリダイゼーション特性の観点でシトシンとは差別的に検出可能な別の塩基へと変換するための1つ以上の試薬を備える。
【0211】
好ましい実施形態において、非メチル化シトシンを、ウラシル、または、ハイブリダイゼーション特性の観点でシトシンとは検出可能に異なる別の塩基へと変換するための1つ以上の試薬は、バイサルファイト、好ましくは重亜硫酸ナトリウムである。非メチル化シトシンを、ウラシル、または、ハイブリダイゼーション特性の観点でシトシンとは差別的に検出可能な別の塩基へと変換することができる試薬は、メタ重亜硫酸塩、好ましくはメタ重亜硫酸ナトリウムである。
【0212】
「変換試薬」という用語およびその詳細は、発明の診断方法の文脈において詳細に説明され、発明に係るキットの文脈において同一の意味で使用される。
【0213】
特定の実施形態において、発明の第2のキットは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、および/またはSEQ ID NO:5において示された配列から選択された配列を備える少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを備える。
【0214】
別の特徴において、発明は、被験者におけるミトコンドリアDNAのパターンを決定するための、または、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択された被験者における神経変性疾患の診断を決定するための、発明の第1および/または第2のキットの使用のことを言う。
【0215】
発明は、単に例示的なものとして解釈されるべきであり、発明の範囲の限定ではない、以下の実施例によって説明される。
【実施例】
【0216】
[材料および方法]
[研究デザインおよび含まれる被験者]
研究は、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)に関連する病理と、コントロールケースとを含む、44サンプルについて行われた。サンプルは、2レーンに分割されたプレートにおいて処理された。レーン1では、D−ループ、ND1のアンプリコンおよびサンプルが、ADの病理に関連する嗅内皮質のケースおよび対応するコントロールにおいて解析された(表7)。レーン2では、D−ループのアンプリコンが、PDにおける黒質のサンプルおよびその対応するコントロールについて解析された(表7)。各々の患者は、MID(マルチプレックス識別子)とともに使用されたプライマーで識別された(表7および表8)。CpGサイトおよびCpGではないサイト(CHGおよびCHH、ここで、H=A、T、またはC)におけるメチル化が、Rocheのパイロシークエンサ454 GS FLX Titaniumを使用して解析され、同パイロシークエンサは、レーン1において569,684個の配列を生み出し、その長さは、40〜1098塩基対(bp)で変動し、約417bpの平均長を有した。レーン2では、得られた配列の数は513,579個であり、その長さは40〜933bp(466bpの平均長)の範囲に及んだ。各々のMID、アンプリコン、およびレーンについて得られた配列の、それらのそれぞれの参照配列に対するアラインメントが注意され、これらの間の同一性のパーセンテージは、ほぼ100%だった。各々の遺伝子座およびMIDについてのバイサルファイト変換率の平均値および中央値が解析された。
【0217】
非メチル化配列の数は、各々のサイトにおいて同定されたメチル化配列の数を超え、いくつかのメチル化サイトは存在しなかった。アラインメント後のそれらの配列は、少なくとも1つの存在しないメチル化パターンのサイトを有することが見出され、量子化のときに任意のバイアスを避けるために解析から取り除かれた。これは、NCBI BLASTにおいて解析された際にそのアンプリコンがミトコンドリアDNAとほぼ100%の同一性を提示した推定ミトコンドリア偽遺伝子の近似解析を回避する。解析されたほとんどのCpG、CHG、およびCHHサイトは、メチル化されていなかった。しかしながら、異なるメチル化のサイトが同定されることができた。
【0218】
【表6】

【0219】
【表7】


【0220】
【表8】

[ヒトの脳サンプル]
組織サンプルは、Neurological Tissue BankのUniversity of Barcelona−Hospital de BarcelonaおよびBank of Institute of NeuropathologyのHUB−ICO−IDIBELLによって提供された。サンプルの寄付および調達は、両機関の倫理委員会によって統制された。各々の脳の半分は、形態学的および組織学的研究用にホルマリン4%バッファ溶液において維持されたが、もう半分は、生化学的研究用に利用可能であるよう、冠状薄片において処理されて−80℃で凍結された。すべてのコントロールおよび病理的ケースにおける神経病理学的検査が、脳、小脳、および脳幹の30個の画一化された薄片において行われ、それらは、ヘマトキシリンおよびエオシン、およびクリューバー・バレラによって染色されるか、または、グリア線維酸性タンパク質、ミクログリアマーカー、ベーターアミロイド、リン酸化タウ(AT8抗体)、α−シヌクレイン、β−クリスタリン、ユビキチン、およびTDP−43のために免疫組織化学用に処理された。ADおよびPDに関連する病理によるケースは、現在の神経病理学的基準(Braak and Braak 1991,1999;Braak et al,2003,2006)にしたがって分類された。(血管病変を含む)混在した病理によるケースは、この研究から除かれた。コントロールとして使用された脳は、神経学的所見なし、神経学的研究における損傷なしの個体に属した。診療記録が各々のケースについて再調査され、AD(ステージI〜IV)に関連する病理によるケースは、近親者との通話または面接を通じ、彼らが任意の神経または認知の障害の証拠を有したかどうかを尋ね、再評価された。これらの基準を満たすケースのみが、この作業において考慮された。解析されたすべてのケースが表7にまとめられている。
【0221】
嗅内皮質サンプルの平均死後間隔は、コントロールにおいて4.98±1.57時間、ステージI〜IIにおいて7.51±5.13時間、ステージIII〜IVにおいて5.70±2.85時間であり、黒質のサンプルについては、間隔は、コントロールにおいて5.59±2.46時間、PDのケースにおいて9.23±7.07時間だった。
[マウスの脳サンプル]
トランスジェニックマウスAPP/PS1および野生型が、Jackson Laboratory(USA)から得られた。トランスジェニックモデルは、マウス/ヒトキメラAPP(Mo/HuAPP695swe:スウェーデン変異APP)分子とプレセニリン1のヒトバリアント(PS1−DE9)とを発現させ、両発現は、神経系産物のニューロンにおけるものである。動物は、12時間の明暗サイクルと、食料および水への無制限のアクセスとによる、標準的な条件で収容された。設備への収容は、ローカルな倫理委員会によって承認された倫理ガイドライン(European Communities Council Directive 86/609/EEC)にしたがって行われた。
[トータルDNA抽出]
トータルDNAが、DNeasy Blood and Tissue Kit(Qiagen,Madrid,Spain)を製造者のインストラクションにしたがって使用して、嗅内皮質および黒質のヒトのサンプルから分離された(表7)。マウスのトータルDNAサンプルが、同一の手順を使用して前頭皮質から得られた。
[バイサルファイト処理]
300ナノグラムのDNAが、EZ DNA kit methylation Kit(Zymo Research,Ecogen,Barcelona,Spain)を供給者のインストラクションにしたがって使用して、バイサルファイト処理された。バイサルファイト処理されたDNAは、10ng/ulの最終濃度に到達するまで30μlで再懸濁させられた。すべてのサンプルは、異なる市販ロット間でのバイサルフアイト変換率における差を避けるために、同一バッチの試薬を使用して、並行してバイサルファイトにより処理された。
[アンプリコンのためのプライマーFLXの設計−DループおよびND1]
FLX実験用のプライマーは、FLXシークエンサのための技法のインストラクション、Rocheの「Amplicon Fusion Primer Design Guidelines for GS FLX Titanium Series Lib−A Chemistry」にしたがって設計された。指向性プライマー、第5ロットのGS FLXチタニウムプライマーAまたはプライマーB(基本的な配列(キー)の4塩基を含む)と、末端のオリゴヌクレオチドと、3での鋳型のための特異的配列とを含む、アンプリコンのためのプライマーを融解し、第1の終了。さらに、MID配列が、グルーピング/マルチプレクシングおよびシークエンシングステップ後の後続の自動サンプル識別ソフトウェアのためにプライマーA(またはプライマーB)と特異的配列との間に付加された(マルチプレックス識別子)。使用されたプライマーは、以下の構成要素、すなわち、フォワードプライマー(プライマーA−キー−MID−特異的配列の鋳型)の、5’−CGTATCGCCTCCCTCGCGCCA(SEQ ID NO:33)−TCAG−MID−テンプレート特異的配列−3’と、リバースプライマー(プライマーB−キー−MID−テンプレート特異的配列)の、5’−CTATGCGCCTTGCCAGCCCGC(SEQ ID NO:34)−TCAG−MID−テンプレート特異的配列−3’とを含んだ。アンプリコンの各々のためのテンプレート特異的配列は、Dループのダイレクトが5’−TAGGGGTTTTTTGATTATTATTTTT−3’(SEQ ID NO:2)であり、Dループのリバースが5’−ACAAACATTCAATTATTATTATTATATCCT−3’(SEQ ID NO:3)であり、ND1のダイレクトが5’−ATGGTTAATTTTTTATTTTTTATTGTATTT−3’(SEQ ID NO:4)であり、ND1のリバースが5’−TAATTTAAATTTAATACTCACCCTAATCAA−3’(SEQ ID NO:5)である。この研究において使用されたプライマーは、CpGサイトを避けるように設計された。各々の患者に特異的なMID配列が表8に示されている。増幅された領域(D−ループ:16386〜256、ND1:3313〜3686)は、ヒトmtDNAのヌクレオチド位置地図に基づいている(www.mitomap.org)
[アンプリコンライブラリの調製]
D−ループおよびND1のためのアンプリコンのPCRが、Rocheのマニュアル、Amplicon Library Preparation Method Manual(GS FLX Titanium Series)にしたがって行われた。20ナノグラムのバイサルファイト処理されたトータルDNAのためのPCRが使用された。バイサルファイト処理されたDNAの増幅は、反応量25ulにおいて実行される。各々のPCR反応は、1×FastStart 10×Buffer #2、0.05U/ulポリメラーゼのHiFi FastStart Polymerase(Roche)、200nMの各々のdNTP、および200nMの各々の特異的なフォワードおよびリバースプライマーからなった。プライマーは、HPLC purification quality(Sigma−Aldrich,Madrid,Spain)によって合成された。増幅は、サーモサイクラーApplied Biosystems Verity(登録商標)(Applied Biosystems,Madrid,Spain)において行われ、以下の条件、すなわち、3分間94℃の後、15秒間94℃を36サイクル、45秒間(ND1は61℃およびD−ループは62℃の)アニーリング温度、および1分間72℃の後に、8分間72℃の最終伸長ステップが続き、4℃の最終維持温度、を使用した。2マイクロリットルの各々のPCR産物が、1.5%SYBR(登録商標)Safe DNA Gel Stain(Invitrogen,Madrid,Spain)によって染色されたアガロースゲルでチェックされた。
[PCRの精製]
PCR産物の精製が、インストラクションマニュアル、RocheのAmplicon Library Preparation Method Manual(GS FLX Titanium Series)にしたがって、kit Agencourt(登録商標)AMPure(登録商標)XP PCR Purification(Beckman Coulter,Madrid,Spain)を使用して行われた。
[アンプリコンおよびシークエンシングライブラリFLXの定量化]
アンプリコンライブラリおよびFLXシークエンシングプロトコルの残部の定量化および品質制御が、Platform for Genomic Research Institute of Vall d’Hebron(VHIR,Barcelona,Spain)のチームによって行われた。
[差別的にメチル化されたサイトの選択]
CpG、CHG、およびCHHサイトおよびバイサルファイト変換率のアラインメントおよび同定が、HT Analyzer BIQ(Lutsik et al,2011)のソフトウェアを使用して行われた。生データおよびすべての統計解析の品質制御。
【0222】
それらは、統計言語Rおよびバイオコンダクタソフトウェア、http:///www.bioconductor.orgを使用して行った。
【0223】
差別的にメチル化されたサイトの選択は、フィッシャーの正確確率検定の計算、統計的検定、0.05を下回るベンジャミンとホックベルグ法(1995)を使用したp値セットを有する差別的にメチル化されたそれらのサイトを考慮することに基づいた。ヒートマップグラフにおいて表されたb値は、サイトあたりのメチル化および非メチル化配列の全体の合計に対するメチル化配列の比であり(Du et al,2010,BMC Bioinformatics,30;.11:587)、すなわち、βi,j=M/(M OR)であり、ここで、Mは、サイト(i)およびMID(j)でのメチル化配列の数であり、Uは、サイト(i)およびMID(j)での非メチル化配列の数である。
[実施例1:DNAメチル化は、ADの早いステージに関連する病理によるケースでは、D−ループ領域において増加し、ND1遺伝子において減少する]
CpGおよびCpGでないサイト(CHGおよびCHH)におけるメチル化の増加が、ブラークのステージI/IIおよびIII/IVに関連するADの病理によるケースにおいて、D−ループ領域において観察された(図1)。
【0224】
メチル化の度合は、log2グラフ(OR)(図2)において示されているように、コントロールサンプルに対しADに関連する病理のケースにおいて、より高く、ステージIII/IVに対しステージI/IIで、より高い。しかしながら、コントロールとステージIII/IVのADに関連する病理によるケースとの間のCHHサイトのメチル化における差は見出されなかった。
【0225】
ND1解析は、コントロールサンプルと比較して、関連するADの病理のステージI/IIおよびIII/IVによるケースにおける、より少なくメチル化されたいくつかのCpGおよびCHGサイトの存在を明らかにした(log2[0]>0、図3)。差はCHHサイトについて見出されなかった。
[実施例2:DNAメチル化は、PDケースの黒質では、D−ループ領域において減少する]
ADにおいて嗅内皮質において観察されたものとは対照的に、D−ループ領域は、コントロールサンプルに対しPDケースの黒質におけるほとんどすべてのCpGおよびCpGではないサイトにおける、メチル化の喪失を示した(図3)。しかしながら、ADによるように、DNAメチル化のパーセンテージは、全ミトコンドリアDNAの少数部分を表す。
[実施例3:DNAメチル化は、ADのマウスモデルにおいて、D−ループ領域において増加する]
この研究では、年齢6か月のマウスAPP/PS1(ADのマウスモデル)(n=4)および同年齢のコントロールマウス(n=4)が使用された。図4Aにおいて見られ得るように、CpGサイトは、コントロールサンプルに対しマウスモデルの病理から得られたサンプルにおいて、ハイパーメチル化を示した。これらの結果はまた、CHGサイトにおいても見られた(図4Bを参照)。
【0226】
ADの発達としてのメチル化パターンを決定するために、彼らは、3、6、および12か月のマウスAPP/PS1を用いた。3か月では、APP/APS1マウスは、神経突起斑の蓄積の低い度合を有し、それは6か月のAPP/APS1マウスでは増加する。月齢6か月のADモデルマウスは、認知および記憶の失敗を示す。最後に、12か月のAPP/APS1動物は、ADの発達したステージにおいてヒトにおいて観察されるものと同様の症状を示す。
【0227】
D−ループ領域におけるメチル化の度合の解析は、ヒトの脳組織のサンプルにおいて観察されたパターンを立証した。図5において示されているように、CpG、CHG、およびCHHサイトのハイポメチル化の傾向が、ADの早いステージにおけるモデルマウスの前記CpG、CHG、およびCHHサイトに対しADの発達したステージにおけるモデルマウスにおいて観察された(図5A、5B、および5C)。
[実施例4:ミトコンドリアDNAにおける多型位置16519の存在は、アルツハイマー病の発病に関連づけられる]
表9において示された結果は、多型T16519Cの存在がアルツハイマー病に関連づけられることを示す。前記結果は、従来のシークエンシングおよびカイ2乗検定を使用することにより得られた。
【0228】
【表9】

ヘテロプラスミーの存在がいくつかのケースにおいて観察され、サンプルの遺伝子型判定がPCR−RFLPを使用することにより再度行われた。Cの対立遺伝子の存在は、制限酵素HaeIIIのための制限サイトを作製する。SEQ ID NO:30において示された配列の増幅が、オリゴヌクレオチドSEQ ID NO:31およびSEQ ID NO:32を使用して実行された。
【0229】
遺伝子型に依存する以下のバンドパターンが得られた。
遺伝子型T:183bp、318bp
遺伝子型C:61bp、183bp、257
ヘテロプラスミア:61bp、183bp、257bp、319bp
【配列表】




















 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-12-22 
結審通知日 2021-12-27 
審決日 2022-01-11 
出願番号 P2016-560431
審決分類 P 1 41・ 852- Y (C12N)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 上條 肇
特許庁審判官 伊藤 良子
田村 聖子
登録日 2020-04-06 
登録番号 6687532
発明の名称 神経変性疾患のミトコンドリアマーカー  
代理人 特許業務法人にじいろ特許事務所  
代理人 特許業務法人にじいろ特許事務所  
代理人 特許業務法人にじいろ特許事務所  
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