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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A01G 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A01G 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A01G 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する A01G 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A01G 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A01G |
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管理番号 | 1384008 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-12-03 |
確定日 | 2022-03-07 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6733074号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6733074号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6733074号(以下「本件特許」という。)は、令和1年5月16日に国際出願として出願され、令和2年7月10日にその特許権の設定登録がされ、その後、令和3年12月3日に本件訂正審判が請求されたものである。 2 訂正の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲の通り訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の 「前記フレームに鉛直軸回りに回動自在で、昇降自在に支持され、」を、 「前記フレームに鉛直軸回りに回動自在、且つ昇降自在で、前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在に支持され、」と訂正する。 請求項1を引用する訂正後の請求項2、3、5についても同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1の 「前記保持部材は前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を前記単位苗床の前記側面側から前記単位苗床の幅方向に保持して前記苗床から分離させる」を 「前記保持部材は前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない開放した側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を、前記保持部材と向き合う前記単位苗床の前記開放した側面の幅方向両側から保持して前記苗床から分離させ、そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し(2−1)、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え(2−2)、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単位苗床を幅方向に挟み込んで保持し(2−3)、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させる(2−4)」と訂正する。 請求項1を引用する訂正後の請求項2、3、5についても同様に訂正する。 (上記「(2−1)」〜「(2−4)」は、請求人が訂正事項2を分説するために付したものである。) (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を 「前記拘束部材は前記フレームに、前記保持部材による前記単位苗床の分離の方向に交差する方向にスライド自在に支持され、前記保持部材による前記単位苗床の分離時に、この分離させられる単位苗床以外の部分の位置に移動させられることを特徴とする請求項2に記載の苗の移植装置。」と訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を 「前記把持爪を支持した一対の支持材が互いに距離を置き、前記本体部に、互いに線対称状態に回転可能に軸支され、前記一対の支持材はいずれかの向きに回転したときに前記一対の把持爪が互いに接近し、前記一対の支持材が復帰したときに前記一対の把持爪が互いに遠ざかることを特徴とする請求項1に記載の苗の移植装置。」と訂正する。 (6)訂正事項6(訂正事項6−1〜6−5) 明細書の段落【0008】を 「請求項1に記載の苗の移植装置は、個別に苗が植えられ、互いに分離し得る単位苗床が平面上、二方向に配列して構成された苗床を支持し、フレームに支持された苗トレイと、 前記フレームに支持され、前記苗トレイ上の前記単位苗床の移植先となり、前記単位苗床が納まる孔が形成された水耕パネルと、 前記フレームに鉛直軸回りに回動自在で、昇降自在、且つ昇降自在で、前記苗トレイ側への前身と前記苗トレイからの後退が自在に支持され、前記苗トレイ上の単位苗床を前記苗床から分離させて保持し、前記水耕パネルの前記孔内に前記保持している単位苗床を挿入し、離脱させる保持部材とを備え(6−1)、 前記保持部材が、前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない開放した側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を、前記保持部材と向き合う前記単位苗床の前記開放した側面の幅方向両側から保持して前記苗床から分離させ、そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し(6−2)、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え(6−3)、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単位苗床を幅方向に挟み込んで保持し(6−4)、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させる(6−5)ことを構成要件とする。」と訂正する。 (上記「(6−1)」〜「(6−5)」は、請求人が訂正事項6を分説するために付したものである。) (7)訂正事項7 明細書の段落【0010】を 「苗床7は保持部材5に保持される前には図2に示すように各単位苗床71の苗に水分を供給する役目を持つ容器状等の苗トレイ3上に配置されている。単位苗床71が移植先の水耕パネル4上に移動させられるときには、苗トレイ3は保持部材5が一度に保持する目標の移植単位となる1個、もしくは複数個の単位苗床71以外の残りの単位苗床71を元の位置に留める働きもする。」と訂正する。 (8)訂正事項8 明細書の段落【0012】を 「単位苗床71が苗トレイ3上で保持部材5に保持されるときに、保持される単位苗床71は他の(残りの)単位苗床71(苗床7)から分離させられる。保持部材5による単位苗床71の保持(把持)は具体的には、図6−(a)の状態から(b)に示すようにアーム8に支持される本体部51に開閉自在に支持される一対の把持爪52、52の閉鎖操作によりなされる(請求項1)。」と訂正する。 (9)訂正事項9 明細書の段落【0013】を 「保持部材5は苗トレイ3上で保持した単位苗床71を保持したまま、鉛直軸回りにいずれかの向きに回転(回動)すると共に、鉛直方向に(鉛直軸に沿って)降下し、水耕パネル4上で保持している単位苗床71を水耕パネル4に形成された孔41内に挿入し、保持している単位苗床71を切り離す。保持部材5による単位苗床71の切り離し(離脱)は図6−(b)の状態から(a)に示すように上記一対の把持爪52、52の開放操作によりなされる(請求項1)。保持部材5の降下とその後の上昇は例えばアーム8に回動自在に支持された鉛直軸となるロッド9が伸縮することにより、またはアーム8に対してロッド9が昇降することにより操作される。」と訂正する。 (10)訂正事項10 明細書の段落【0020】を 「一対の把持爪52、52の閉鎖により単位苗床71を保持する場合(請求項1)で言えば、図7、図8に示すように単位苗床71が隣接しない側面(正面)側から、保持部材5が目標の単位苗床71に向かって直線運動(前進)して接近し、開放している(距離を置いている)一対の把持爪52、52が隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。そのまま、図9に示すように一対の把持爪52、52が閉鎖(互いに接近)することにより保持すべき単位苗床71を幅方向に保持(把持)する状況になる。以下、「単位苗床71の幅方向」は単位苗床71が例えば直方体である場合に、単位苗床71の、単位苗床71が隣接しない側面に直交する面が対向する方向を意味する。但し、単位苗床71の形状は直方体に限らず、多角柱状、円柱状等、任意の形状に形成される。」と訂正する。 (11)訂正事項11 明細書の段落【0029】を 「保持部材5は具体的にはフレーム2に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8に支持される本体部51と、本体部51に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪52、52を備える(請求項1)。「鉛直軸回りに回動自在」とは、例えば前記したロッド9の軸回りに、モータ等の駆動装置の動作により本体部51が正負の向きに回転することを言う。」と訂正する。 3 当審の判断 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正事項1のうち、訂正前の「保持部材」の「フレーム」に対する「支持」の態様について、「鉛直軸回りに回転自在で、昇降自在に」であったものを、「鉛直軸回りに回転自在、且つ昇降自在で、」と訂正することは、「鉛直軸回りに回転自在」であることと「昇降自在」であることとの両方の態様を備えることを強調するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項1のうち、同じく「前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在」であることを加える訂正は、上記態様について、「前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在」なものに限定を加える訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項1は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の追加について 本件特許明細書の段落【0011】に、「フレーム2に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8等に支持される保持部材5」と記載され、段落【0014】に、「保持部材5が単位苗床71を保持する前の状態からの、保持部材5の苗トレイ3上の目標となる単位苗床71への移動(前進)、及び保持部材5による目標の単位苗床71の保持の動作はアーム8等に内蔵された、またはアーム8等に接続されたコントローラからの指令に基づいて操作される。更に単位苗床71を保持したままの保持部材5の水耕パネル4への移動(後退と回転及び降下)、並びに水耕パネル4上での単位苗床71の切り離しと苗トレイ3への復帰(回転と上昇)の動作もコントローラからの指令に基づいて操作される。」と記載されていることからみて、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の「保持部材」により保持する「単位苗床」の「隣接しない側面」について、該側面が「開放した」ものに限定を加え、該側面の「保持部材」との位置関係について「前記保持部材と向き合う」ものに限定を加え、「保持部材」が「単位苗床」を「幅方向に保持」して「分離させ」ることについて、「幅方向両側から保持」することに限定を加え、 そして、該分離させた後の手順について、 「そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単位苗床を幅方向に挟み込んで保持し、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させ」るとの限定を加えるものである。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項2は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の追加について 請求人が分説する(2−1)〜(2−4)に分けて検討する。 (ア)(2−1) 本件特許明細書の段落【0016】に、「請求項1における「苗トレイ上の、苗床の最も外周側に配列し、単位苗床が隣接しない側面を有する単位苗床」とは、二方向に配列している単位苗床71からなる苗床7のいずれかの側の、最も外周側に配列(位置)し、単位苗床71が隣接していない側面がある単位苗床71を指す。「単位苗床が隣接しない側面」は開放した側面とも言い換えられる。」と記載され、段落【0019】に、「「単位苗床71の、単位苗床71が隣接しない側面」は保持部材5が単位苗床71を保持しようとするときに保持部材5と単位苗床71が互いに向き合う(対向する)面であるため、以下では「単位苗床71の正面」と言うことがある。」と記載され、段落【0030】には、「一対の把持爪52、52は保持部材5が保持すべき単位苗床71の保持時に、図7に示すように単位苗床71の開放した側面(正面)側から単位苗床71の幅方向両側位置、すなわち図8に示すように単位苗床71の幅方向に隣接している単位苗床71の、隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。一対の把持爪52、52はそのまま、単位苗床71毎に(1個ずつ)幅方向に挟み込み、苗床7(苗トレイ3)から離脱させる。」と記載されていることからみて、訂正事項(2−1)は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (イ)(2−2) 本件訂正前の請求項4に、「前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の苗の移植装置。」と記載されていることからみて、訂正事項2−2は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (ウ)(2−3) 本件特許明細書の段落【0019】に、「保持部材5は図9に示す単位苗床71の保持に先立ち、図7に示すように保持すべき単位苗床71に対向したまま接近する。」と記載され、段落【0020】に、「一対の把持爪52、52の閉鎖により単位苗床71を保持する場合(請求項4)で言えば、図7、図8に示すように単位苗床71が隣接しない側面(正面)側から、保持部材5が目標の単位苗床71に向かって直線運動(前進)して接近し、開放している(距離を置いている)一対の把持爪52、52が隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。そのまま、図9に示すように一対の把持爪52、52が閉鎖(互いに接近)することにより保持すべき単位苗床71を幅方向に保持(把持)する状況になる。」と記載されていることからみて、訂正事項2−3は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (エ)(2−4) 本件特許明細書の段落【0030】に、「一対の把持爪52、52は保持部材5が保持すべき単位苗床71の保持時に、図7に示すように単位苗床71の開放した側面(正面)側から単位苗床71の幅方向両側位置、すなわち図8に示すように単位苗床71の幅方向に隣接している単位苗床71の、隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。一対の把持爪52、52はそのまま、単位苗床71毎に(1個ずつ)幅方向に挟み込み、苗床7(苗トレイ3)から離脱させる。」と記載され、段落【0081】に、「一対の把持爪52、52が単位苗床71を保持した図2の状態からは、保持部材5は保持した単位苗床71を苗トレイ3上の苗床7から分離させるために、苗床7に対し、保持部材5が単位苗床71と対向する方向後方側へ直線運動(後退)し、保持部材5が保持した単位苗床71を他の単位苗床71から分離させる。」と記載されていることからみて、訂正事項2−4は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (オ)新規事項の追加のまとめ 以上のとおり、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合する。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項3の「前記保持部材による単位苗床の分離時に」との記載の「単位苗床」について、「前記」を加えることで、訂正前の「単位苗床」が、それ以前に記載された「単位苗床」であることを示すことにより、該「単位苗床」を明瞭とする訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項3は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、請求項3に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の追加について 訂正事項3は、「単位苗床」について、その前に記載された「単位苗床」を意味することを明確にした訂正であるから、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないことは明らかである。 よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合する。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、請求項4の記載を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることは明らかであるから、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項5は、請求項4の記載を引用し、さらに請求項4は、請求項1乃至3のいずれか1項の記載を引用していたところ、上記(4)の訂正事項4に係る訂正により、請求項4の記載が削除され、さらに上記(2)の訂正事項2の(2−2)に係る訂正により、請求項1に訂正前の請求項4の記載が加えられたことにより、訂正後の請求項5は、実質的に請求項2または請求項3の記載を引用しないものとなったことからみて、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項5は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項5に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 よって、訂正事項5は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の有無について 上記アのとおり、訂正後の請求項5は、実質的に請求項2または請求項3の記載を引用しないものとなったものであるから、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項に適合する。 (6)訂正事項6 訂正事項6は、訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、訂正前の明細書の段落【0008】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させる訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであるから、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (7)訂正事項7 明細書の段落【0010】に記載された「複数個の単位苗床71以外の残りの単位苗床71を元に位置に留める働きもする。」における「元に位置」は、「元の位置」の誤記であることが明らかであるから、訂正事項7の「元に位置」を「元の位置」に訂正することは、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 そして、当該訂正事項7は、上記のとおり誤記の訂正を目的としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、よって、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (8)訂正事項8〜11 訂正事項8〜11は、上記(4)の訂正事項4に係る請求項4の記載の削除、及び上記(2)の訂正事項2(2−2)に係る該請求項4の記載を請求項1に加える訂正に伴って、訂正前の明細書の段落【0012】、【0013】、【0020】、【0029】のそれぞれに記載された「請求項4」を、「請求項1」とすることにより、訂正後の請求項1の記載に整合させる訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、よって、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (9)独立特許要件について 上記(1)、(2)及び(5)で検討したとおり、訂正事項1、2及び5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、上記(7)で検討したとおり、訂正事項7に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし3、5に記載された事項により特定される請求項1ないし3、5に係る発明(以下「訂正後発明1」等という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、当該要件について検討すると、訂正後発明1ないし3、5が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。 したがって、訂正後発明1ないし3、5は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、請求項1ないし3、5についての訂正事項(1)、(2)、(5)及び(7)に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 なお、上記(4)で検討した訂正事項4に係る訂正についても、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定される請求項4に係る発明(以下「訂正後発明4」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後発明4は、訂正事項4に係る訂正により削除されているので、当該要件の判断の対象ではなくなった。 4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】苗の移植装置 【技術分野】 【0001】 本発明は種から発芽した野菜や果物その他の苗、または苗木が個別に植えられた単位苗床を支持している苗トレイから、苗間距離をより大きく確保する水耕パネルに移し換える(移植する)ために使用される苗の移植装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 種の状態で撒かれ、発芽した苗が植えられていた苗床では、苗は苗単位で分割されながら、水平二方向に区分された(配列した)単位苗床毎に植えられている。この関係で苗床を支持している苗トレイから、隣接する苗間距離を大きく確保できる水耕パネルへ移し換える場合、苗は単位苗床毎に保持された状態で、別の位置に配置された水耕パネルに移動(移植)させられる(特許文献1〜4参照)。 【0003】 苗床は単位苗床が二方向に接触した状態で配列している。このため、単位苗床毎の水耕パネルへの移動(移植)時には、苗床から突出している苗を保持(把持)することにより(特許文献1、2)、または単位苗床を保持(把持)具で保持することにより移動させられる(特許文献3、4)。ここで、単位苗床から発芽したばかりの苗を直接、保持することは苗を傷付ける可能性が高いため、苗への損傷を回避する上では単位苗床を保持する方法(特許文献3、4)が適切と言える。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開平11−103703号公報(段落0015〜0030、図11〜図17) 【特許文献2】特開2004−242652号公報(段落0011〜0014、図1、図5〜図9) 【特許文献3】特開2016−7199号公報(段落0012〜0028、図4、図10〜図13) 【特許文献4】特開2017−85988号公報(段落0019〜0051、図1、図7〜図22) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 但し、単位苗床を保持する方法(特許文献3、4)では多数の単位苗床から構成される苗床を支持している植物ホルダ(苗トレイ)等の下方に配置された、植物ホルダよりサイズの大きい栽培用パレット(水耕パネル)等に単位苗床を移動させているため(特許文献3の段落0034、特許文献4の段落0046)、単位苗床は植物ホルダ等に形成された孔を通過することになる。単位苗床が植物ホルダ等の孔を通過するときには、単位苗床が外周側から中心側へ圧縮される状態になり、苗も孔を通過するため、苗が単位苗床の平面積程度以上に大きく生長しているような場合には苗を傷付ける可能性がある。 【0006】 特許文献3、4ではまた、単位苗床に孔を通過させる関係で、植物ホルダ等の孔を通じ、植物ホルダ等の下方から保持具を差し込み、一対の開閉する爪で単位苗床を保持(把持)する必要がある。一対の爪は単位苗床を保持したまま、単位苗床が孔を通過し終えるだけの力で単位苗床を下方へ引き寄せなければならない。ここで、単位苗床を保持したまま、単位苗床を孔から引き出すには一対の爪から単位苗床が離脱しない程度の力で単位苗床を把持しなければならない。この一対の爪による単位苗床の把持状態は単位苗床に植えられている苗の根を損傷させる可能性もある。 【0007】 本発明は上記背景より、単位苗床の移植に伴って苗を傷付ける可能性の低い苗の移植装置を提案するものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1に記載の苗の移植装置は、個別に苗が植えられ、互いに分離し得る単位苗床が平面上、二方向に配列して構成された苗床を支持し、フレームに支持された苗トレイと、 前記フレームに支持され、前記苗トレイ上の前記単位苗床の移植先となり、前記単位苗床が納まる孔が形成された水耕パネルと、 前記フレームに鉛直軸回りに回動自在、且つ昇降自在で、前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在に支持され、前記苗トレイ上の単位苗床を前記苗床から分離させて保持し、前記水耕パネルの前記孔内に前記保持している単位苗床を挿入し、離脱させる保持部材とを備え、 前記保持部材が、前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない開放した側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を、前記保持部材と向き合う前記単位苗床の前記開放した側面の幅方向両側から保持して前記苗床から分離させ、そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単立苗床の幅方向両側立置の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単立苗床を幅方向に挟み込んで保持し、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させることを構成要件とする。 【0009】 単位苗床71は図8、図9に示すように平面上、二方向に互いに隣接しながら配列することにより苗床7を構成する。「平面上」は平面図で見たときの意味である。請求項1における「互いに分離し得る」とは、二方向に隣接する単位苗床71、71同士が完全に分離している場合と、隣接する単位苗床71、71間に切れ目が入れられた状態で暫定的に連結され、保持部材5による保持時に分離可能な場合があることを意味する。後者の場合、連結状態は保持部材5が保持すべき目標の単位苗床71を幅方向に挟み込んで保持し、他の(残りの)単位苗床71から引き抜くときに切り離される。「目標の」は「保持の対象となること」の意味である。 【0010】 苗床7は保持部材5に保持される前には図2に示すように各単位苗床71の苗に水分を供給する役目を持つ容器状等の苗トレイ3上に配置されている。単位苗床71が移植先の水耕パネル4上に移動させられるときには、苗トレイ3は保持部材5が一度に保持する目標の移植単位となる1個、もしくは複数個の単位苗床71以外の残りの単位苗床71を元の位置に留める働きもする。 【0011】 苗トレイ3と水耕パネル4は両者を支持しながら、移植装置1を支持するフレーム2の異なる位置に配置される。苗トレイ3上の1個、もしくは複数個の単位苗床71はフレーム2に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8等に支持される保持部材5に保持されたまま、鉛直軸回りの回転運動により水耕パネル4上に移動させられる。1個の単位苗床71は1個の保持部材5に保持され、複数個の単位苗床71は複数個の保持部材5に保持される。 【0012】 単位苗床71が苗トレイ3上で保持部材5に保持されるときに、保持される単位苗床71は他の(残りの)単位苗床71(苗床7)から分離させられる。保持部材5による単位苗床71の保持(把持)は具体的には、図6−(a)の状態から(b)に示すようにアーム8に支持される本体部51に開閉自在に支持される一対の把持爪52、52の閉鎖操作によりなされる(請求項1)。 【0013】 保持部材5は苗トレイ3上で保持した単位苗床71を保持したまま、鉛直軸回りにいずれかの向きに回転(回動)すると共に、鉛直方向に(鉛直軸に沿って)降下し、水耕パネル4上で保持している単位苗床71を水耕パネル4に形成された孔41内に挿入し、保持している単位苗床71を切り離す。保持部材5による単位苗床71の切り離し(離脱)は図6−(b)の状態から(a)に示すように上記一対の把持爪52、52の開放操作によりなされる(請求項1)。保持部材5の降下とその後の上昇は例えばアーム8に回動自在に支持された鉛直軸となるロッド9が伸縮することにより、またはアーム8に対してロッド9が昇降することにより操作される。 【0014】 保持部材5が単位苗床71を保持する前の状態からの、保持部材5の苗トレイ3上の目標となる単位苗床71への移動(前進)、及び保持部材5による目標の単位苗床71の保持の動作はアーム8等に内蔵された、またはアーム8等に接続されたコントローラからの指令に基づいて操作される。更に単位苗床71を保持したままの保持部材5の水耕パネル4への移動(後退と回転及び降下)、並びに水耕パネル4上での単位苗床71の切り離しと苗トレイ3への復帰(回転と上昇)の動作もコントローラからの指令に基づいて操作される。 【0015】 保持部材5は、保持部材5が保持している単位苗床71を水耕パネル4の孔41内へ挿入した後、苗トレイ3の高さ(レベル)まで上昇すると共に、鉛直軸回りに、例えば降下時と逆向きに回転(回動)して苗トレイ3上の単位苗床71を保持した位置にまで復帰する。引き続き、次に保持すべき単位苗床71に対向し、上記一対の把持爪52、52が単位苗床71を幅方向に保持する態勢に移行する。 【0016】 請求項1における「苗トレイ上の、苗床の最も外周側に配列し、単位苗床が隣接しない側面を有する単位苗床」とは、二方向に配列している単位苗床71からなる苗床7のいずれかの側の、最も外周側に配列(位置)し、単位苗床71が隣接していない側面がある単位苗床71を指す。「単位苗床が隣接しない側面」は開放した側面とも言い換えられる。「側面」は水平方向を向いた面、あるいは鉛直面をなした面を指す。 【0017】 例えば苗床7の縦方向(フレーム2の長さ方向(長辺方向))に配列した4個の単位苗床71が苗床7の横方向(フレーム2の幅方向(短辺方向))にも4組(4行)、配列した場合で言えば、苗床7の横方向両側のいずれか一方に位置する4個の単位苗床71が「苗床の最も外周側に配列し、単位苗床が隣接しない側面を有する単位苗床」に当たる。または苗床7の縦方向両側のいずれか一方に位置する4個の単位苗床71が「苗床の最も外周側に配列し、単位苗床が隣接しない側面を有する単位苗床」に当たる。「いずれか1個、もしくは複数個の単位苗床」とは、苗床7の外周側に位置する列のいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床71を指す。「複数個」は1列の全部を含む。 【0018】 また請求項1における「単位苗床の前記側面側から(保持し)」とは、図7に矢印で示すように苗床7の最も外周側に配列し、単位苗床71が隣接しない側面側から単位苗床71を保持部材5が保持(把持)しようとする操作のために移動(直線運動)を開始する(接近する)ことを言う。このときの保持部材5の移動の方向は例えばフレーム2の長さ方向(長辺方向)である。 【0019】 「単位苗床71を単位苗床71の幅方向に保持し」とは、「単位苗床71が隣接しない側面」を正面に(正面として)見たとき、正面の幅方向(正面に直交等、交差する方向)両側から単位苗床71を保持部材5が保持することを言う。「単位苗床71の、単位苗床71が隣接しない側面」は保持部材5が単位苗床71を保持しようとするときに保持部材5と単位苗床71が互いに向き合う(対向する)面であるため、以下では「単位苗床71の正面」と言うことがある。保持部材5は図9に示す単位苗床71の保持に先立ち、図7に示すように保持すべき単位苗床71に対向したまま接近する。 【0020】 一対の把持爪52、52の閉鎖により単位苗床71を保持する場合(請求項1)で言えば、図7、図8に示すように単位苗床71が隣接しない側面(正面)側から、保持部材5が目標の単位苗床71に向かって直線運動(前進)して接近し、開放している(距離を置いている)一対の把持爪52、52が隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。そのまま、図9に示すように一対の把持爪52、52が閉鎖(互いに接近)することにより保持すべき単位苗床71を幅方向に保持(把持)する状況になる。以下、「単位苗床71の幅方向」は単位苗床71が例えば直方体である場合に、単位苗床71の、単位苗床71が隣接しない側面に直交する面が対向する方向を意味する。但し、単位苗床71の形状は直方体に限らず、多角柱状、円柱状等、任意の形状に形成される。 【0021】 図面では苗トレイ3上で二方向に配列する単位苗床71の配列効率上、単位苗床71を直方体状に形成しているのに対し、単位苗床71の移植先である水耕パネル4の孔41を円形(円柱)状に形成しているが、孔41の平面形状も任意である。図2〜図5では単位苗床71を孔41内に挿入した状態の単位苗床71の形状が孔41の形状に倣って円柱状に変形しているように示されているが、単位苗床71は孔41内に挿入された後も図1に示すように直方体状を維持することもある。 【0022】 保持部材5が単位苗床71を、単位苗床71が隣接しない側面(正面)側から保持することで、苗トレイ3の下面側から単位苗床71を保持する場合のように、苗トレイ3に形成された、苗トレイ3を貫通する孔を単位苗床71を通過させることがない。この結果、孔の通過に起因して単位苗床71に植えられている苗を傷付ける可能性がなくなるか、可能性が大幅に低下する。 【0023】 また保持部材5が単位苗床71を幅方向両側から保持することで、単位苗床71を下面側から保持する場合(特許文献3、4)のように孔の下方から単位苗床71を引き出すだけの力(圧縮力)を単位苗床71に加える必要がないため、保持部材5による単位苗床71の保持力を高く保つ必要がない。保持部材5の保持力を小さくできることで、単位苗床71への圧縮力の付与に起因して単位苗床71内の苗の根を損傷させる可能性も低下させることが可能になる。 【0024】 保持部材5が一度に保持すべき目標の単位苗床71を保持するときには、保持されない残りの単位苗床71が、保持される単位苗床71から容易に分離しないことが想定される。このような状況は、保持部材5による単位苗床71の分離時に、苗トレイ3上の、保持部材5が苗床7から分離させる単位苗床71以外の部分(残りの単位苗床71)を、単位苗床71の前記側面(正面)側から押さえ、元の位置に拘束する、図2、図4、図5に示す拘束部材6を移植装置1が備えることで(請求項2)、回避される。 【0025】 拘束部材6が残りの単位苗床71を拘束することで、保持される単位苗床71の、保持されない残りの単位苗床71からの分離を確実にすることが可能になる。「単位苗床の前記側面側から」とは、図7に示すように保持部材5が保持すべき目標の単位苗床71を保持するときに、上記のように単位苗床71を保持する操作のために移動(直線運動)を開始するときに向き合う側面(正面)側を言う。 【0026】 この保持部材5が単位苗床71を保持する側面側から、拘束部材6が残りの単位苗床71を元の位置に留まらせようと拘束することで、保持部材5が保持すべき単位苗床71を他の単位苗床71から分離させるときには、拘束部材6が他の単位苗床71を押さえている向きと逆向き(保持しようとするときの移動の向き(図7)と逆向き)に、保持部材5が保持した単位苗床71を引き抜けばよい。この場合、単位苗床71の引き抜きの向きと拘束部材6が残りの単位苗床71を押さえ込む向きが同一方向で、互いに逆向きになる。結果として、保持部材5が単位苗床71を引き抜くときの力をその単位苗床71に有効に作用させることになるため、単位苗床71の引き抜きの確実性が高まる。 【0027】 拘束部材6は例えばフレーム2に、保持部材5による単位苗床71の分離の方向に交差する方向にスライド自在に支持され、図8、図9に示すように保持部材5による単位苗床71の分離時に、分離させられる単位苗床71以外の部分(残りの単位苗床71)の位置に移動させられ、その分離させられない(残りの)単位苗床71の移動を拘束する(請求項3)。「単位苗床71の分離の方向」は例えばフレーム2の長さ方向であり、「交差する方向」は主に「分離の方向」に直交する、フレーム2の幅方向である。 【0028】 拘束部材6は保持部材5が保持した単位苗床71を分離させるときに、その単位苗床71に残りの単位苗床71が追従することを防止する。拘束部材6が保持部材5に分離させられない残りの単位苗床71の移動を拘束することで、保持部材5による目標の単位苗床71の分離作業が確実になる。 【0029】 保持部材5は具体的にはフレーム2に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8に支持される本体部51と、本体部51に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪52、52を備える(請求項1)。「鉛直軸回りに回動自在」とは、例えば前記したロッド9の軸回りに、モータ等の駆動装置の動作により本体部51が正負の向きに回転することを言う。 【0030】 本体部51には例えば図6に示すように一対の把持爪52、52を直接、もしくは間接的に開閉させるモータ56等の動力源が収納される。一対の把持爪52、52は保持部材5が保持すべき単位苗床71の保持時に、図7に示すように単位苗床71の開放した側面(正面)側から単位苗床71の幅方向両側位置、すなわち図8に示すように単位苗床71の幅方向に隣接している単位苗床71の、隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。一対の把持爪52、52はそのまま、単位苗床71毎に(1個ずつ)幅方向に挟み込み、苗床7(苗トレイ3)から離脱させる。図示する例ではモータ56は一対の把持爪52、52を間接的に開閉させるために使用されている。 【0031】 一対の把持爪52、52が図7に示す単位苗床71を挟み込む前の状態から、図9に示す挟み込むときの状態まで、本体部51は単位苗床71側へ接近するが、把持爪52、52が単位苗床71を挟み込むときには、本体部51、及び後述の支持材53は単位苗床71の上に位置し、単位苗床71に接触(衝突)することはない。 【0032】 一対の把持爪52、52は例えば図6−(b)に示すように互いに接近(閉鎖)したときに単位苗床71を保持し、(a)に示すように互いに遠ざかった(開放した)ときに単位苗床71を保持部材5から離脱させる。具体的には把持爪52を支持した一対の支持材53、53を互いに距離を置き、本体部51に、互いに線対称状態に回転可能に軸支させることで(請求項5)、一対の支持材53、53を本体部51に対し、水平軸回りにいずれかの向きに回転させたときに一対の把持爪52、52を互いに接近させることが可能である。また一対の支持材53、53を元に位置に復帰(逆向きに回転)させたときに一対の把持爪52、52を互いに遠ざけるように一対の把持爪52、52を操作することが可能である。 【0033】 「線対称状態に」とは、図6−(a)、(b)に示すように本体部51を正面から見たときの縦方向(鉛直方向)の中心線に関して一対の支持材53、53が互いに線対称状態を保つように、の意味である。この他、把持爪を支持した一対の支持材を互いに距離を置いて本体部に正負の向きにスライド(直線運動(平行移動))可能に支持し、一対の支持材間距離を変化させることによっても、接近と離間の操作が可能である。 【0034】 一対の支持材53、53を線対称状態に回転可能に本体部51に軸支させた場合(請求項5)、一対の支持材53、53は例えば図6に示すように本体部51を正面から見たとき、L字形状等に形成され、L字の隅角部が本体部51に軸支される。このことで、一対の支持材53、53は互いに線対称状に揺動(回転運動)し、いずれかの向きに回転したときに一対の把持爪52、52が図6−(b)に示すように互いに接近し、単位苗床71を保持(把持)する。一対の支持材53、53がいずれかの向きに回転した状態から図6−(a)に示すように復帰したときに一対の把持爪52、52が互いに遠ざかることにより単位苗床71を離脱させる。 【0035】 支持材53をL字形状等に形成した場合に、L字の交点(隅角部)を本体部51に軸支させ、L字の長辺の先端に把持爪52を形成、あるいは接続した場合、L字の短辺の先端を力点として支持材53を揺動させるとすれば、軸支位置は支点、把持爪52の先端が作用点になる。 【0036】 この場合、軸支位置(支点)から短辺の先端(力点)までの距離より長辺の先端(作用点)までの距離を大きく取れば、力点の移動距離を拡大して作用点の移動距離にすることができるため、力点での小さい移動量を拡大して一対の把持爪52、52の先端間距離を確保することができる利点がある。例えば一対の支持材53、53がスライド自在に本体部51に支持された場合、支持材53の先端に接続された場合の把持爪52の移動量と支持材53の移動量は等しいが、回転運動を利用すれば、把持爪52の移動量を拡大できることになる。 【発明の効果】 【0037】 移植装置は苗床を支持した苗トレイと単位苗床の移植先となる水耕パネルを支持したフレームに鉛直軸回りに回動自在で、昇降自在に支持され、苗トレイ上の単位苗床を苗床から分離させて保持し、水耕パネルの孔内に単位苗床を挿入し、離脱させる保持部材とを備えている。その上で、保持部材が苗床の最も外周側に配列した単位苗床を単位苗床の正面側から幅方向に保持して苗床から分離させるため、苗トレイの下面側から単位苗床を保持する場合のように、苗トレイに形成された孔を単位苗床を通過させることがない。従って孔の通過に起因して単位苗床に植えられている苗を傷付ける可能性をなくせるか、可能性を大幅に低下させることができる。 【0038】 また保持部材が単位苗床を幅方向両側から保持することで、単位苗床を下面側から保持する場合のように孔から単位苗床を引き出すだけの力(圧縮力)を単位苗床に加える必要がないため、保持部材による単位苗床の保持力を高く保つ必要がない。この結果、単位苗床への圧縮力の付与に起因して単位苗床内の苗の根を損傷させる可能性も低下させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】 移植装置を構成するフレームに支持された複数個の保持部材が単位苗床を水耕パネル上に降下させ、保持部材から離脱させた後の様子を示した斜視図である。 【図2】 図1に示す複数個の保持部材が苗トレイ上へ移動し、保持すべき単位苗床を幅方向両側から保持したときの様子を示した斜視図である。 【図3】 図2に示す複数個の保持部材がフレームの鉛直軸回りに回転し、保持している単位苗床を水耕パネル上へ移動させ、降下させる前の様子を示した斜視図である。 【図4】 図3に示す複数個の保持部材が保持している単位苗床を水耕パネルの孔内に差し込んだときの様子を示した斜視図である。 【図5】 保持部材が苗トレイ上の単位苗床を保持するときに保持部材に保持される単位苗床以外の単位苗床を拘束部材が押さえ、苗トレイ上に留めているときの様子を示した斜視図である。 【図6】 (a)は本体部と本体部に開閉自在に支持された一対の把持爪を備える保持部材の具体例と、一対の把持爪が互いに遠ざかっている(単位苗床を離脱させる)ときの様子を示した立面図、(b)は(a)に示す一対の把持爪が互いに接近している(単位苗床を保持する)ときの様子を示した立面図である。 【図7】 図6に示す保持部材の把持爪が単位苗床を保持するときの保持部材の動き(直線運動)を示した側面図である。 【図8】 図7に示す保持部材の一対の把持爪が単位苗床を挟み込む直前の様子と拘束部材の関係を示した斜視図である。 【図9】 (a)は図8に示す保持部材の一対の把持爪が単位苗床を挟み込んだときの様子を示した平面図、(b)は(a)の側面図である。 【図10】 移植装置を含むフレームの全体を示した斜視図である。 【発明を実施するための形態】 【0040】 図1〜図4は個別に苗が植えられ、互いに分離し得る単位苗床71が平面上、二方向に配列して構成された苗床7を支持した苗トレイ3と、苗トレイ3上の単位苗床71の移植先となる水耕パネル4と、苗トレイ3上の一部の単位苗床71を保持して苗床7から分離させ、水耕パネル4上に降下させる保持部材5を備える移植装置1の全体を示す。 【0041】 苗トレイ3と水耕パネル4は図10に示す立体形状のフレーム2に支持される。移植装置1も移植装置1の本体、あるいは骨格となるフレーム2に支持される。図1〜図4は保持部材5の動きも示している。苗トレイ3と水耕パネル4は例えば連続発泡等の合成樹脂等から製作され、単位苗床71には苗トレイ3上に貯留した水が含浸するよう、発泡ポリウレタン樹脂等のスポンジ状材料が使用される。苗は苗木を含む。 【0042】 保持部材5はフレーム2に鉛直軸回りに回動自在で、且つ昇降自在に支持される。保持部材5は苗トレイ3上の、苗床7の最も外周側に配列し、他の単位苗床71が隣接しない(開放した)側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床71を単位苗床71の前記側面側から単位苗床71の幅方向に保持して苗床7から分離させる。 【0043】 図面では苗トレイ3上の、保持部材5に保持されるべき単位苗床71の、他の単位苗床71が隣接しない側面が水耕パネル4側を向いた側面であることから、この開放した側面を正面と呼称することもある。保持部材5は単位苗床71の分離後、水耕パネル4に形成された孔41内に、保持している単位苗床71を挿入し、保持部材5から離脱させる(移植する)。 【0044】 保持部材5の鉛直軸回りの回動はフレーム2のいずれかの部分に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8が鉛直軸回りに回動(正負の向きに駆動力を受けて回転運動)することにより生じる。保持部材5の鉛直軸に沿った(鉛直方向の)昇降はアーム8に回動自在に支持された、前記鉛直軸、または他の鉛直軸となるロッド9の伸縮、または昇降により生ずる。 【0045】 フレーム2は図10に示すように基本的に水平二方向を向いて配置され、互いに接合される縦材と横材からなる水平枠21と、鉛直方向を向いて水平枠21に接合される縦枠22等から立体的に組み立てられる。水平枠21の長さ方向の一方側に苗トレイ3が支持され、他方側に水耕パネル4が配置される。「水平枠21の長さ方向」、あるいは後述の「フレーム2の長さ方向」はフレーム2の全体(全容)を示す図10におけるフレーム2長さ方向を指し、図1、図3、図4における複数個の保持部材5の並列方向である。「フレーム2の長さ方向」に直交する方向が「フレーム2の幅方向」である。 【0046】 図面では保持部材5による苗トレイ3上の単位苗床71の保持から、水耕パネル4への回動による移動後の、水耕パネル4の孔41への単位苗床71の挿入のための降下の操作が円滑に行えるよう、水平枠21をレベル(高さ)の相違する上段側水平枠211と下段側水平枠212の2段に形成している。この場合、上段側水平枠211上に苗トレイ3が配置され、下段側水平枠212上に水耕パネル4が配置される。但し、必ずしも水平枠21を2段に形成する必要はない。 【0047】 保持部材5は苗トレイ3上の単位苗床71を保持した後、鉛直軸回りに回動し、水耕パネル4上でそのまま鉛直方向に降下することにより水耕パネル4の孔41内に単位苗床71を差し込む。この関係で、水耕パネル4と苗トレイ3が同一レベルに位置していれば、降下による単位苗床71の孔41への挿入ができないため、保持部材5が苗トレイ3上から回動するときに、水耕パネル4の手前で一旦、上昇した後に降下しなければならない。これに対し、水耕パネル4の配置レベル(配置高さ)を苗トレイ3の配置レベル(配置高さ)より下方に位置させることで、保持部材5の水耕パネル4の手前での上昇の動作を省略することができる。 【0048】 保持部材5は図1、図6等に示すようにフレーム2のいずれかの部分に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8に支持される本体部51と、本体部51に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪52、52を備える。一対の把持爪52、52は本体部51に直接、開閉自在に支持されることもあるが、図面では図6−(a)、(b)に示すように直接の操作量を拡大して一対の把持爪52、52の開閉動作に伝達する目的で、支持材53、53を介して把持爪52、52を本体部51に間接的に支持させている。この場合、一対の把持爪52、52は各支持材53に連結(軸支)され、一対の支持材53、53が直接、操作されることにより把持爪52、52が開閉動作する。 【0049】 具体的には把持爪52を支持した一対の支持材53、53を本体部51の幅方向に互いに距離を置き、線対称状態を維持するように本体部51に回転可能に軸支させている。この例では、一対の支持材53、53がいずれかの向きに回転したときに一対の把持爪52、52が互いに接近し、一対の支持材53、53が原位置に復帰した(逆向きに回転した)ときに一対の把持爪52、52が互いに遠ざかる。 【0050】 把持爪52、52が支持材53、53を介して本体部51に間接的に支持されることで、把持爪52、52の動きに遊びを持たせることができるため、把持爪52、52が閉鎖したときに把持爪52、52間に空隙(クリアランス)が生じ易く、単位苗床71を保持する把持力(圧縮力)が緩和される利点がある。 【0051】 図6に示す例の場合、保持部材5を正面から見たときの支持材53の立面形状を長辺部分と短辺部分のあるL字形状にし、長辺部分と短辺部分の交点位置で支持材53を本体部51に軸支させ、長辺部分の先端部に把持爪52を連結し(軸支させ)ている。保持部材5の正面は図6に示すように本体部51に支持材53が支持された側の面を指し、本体部51の正面でもある。 【0052】 また一対の支持材53、53の短辺部分の長さ方向(短辺の軸方向(水平方向))に長孔を形成し、この短辺部分を互いに重ね、重なった長孔に、回転運動するクランク54に軸支された連接棒55を軸支させている。このことで、クランク54の回転運動を連接棒55の上下運動に変換し、この連接棒55の上下運動に伴って一対の支持材53、53をそれぞれの把持爪52、52が図6−(b)に示すように互いに接近する状態と、(a)に示すように遠ざかる状態とを切り換えることができる。クランク54の回転運動は本体部51内に収納されるモータ56等によって操作される。 【0053】 保持部材5を図6に示すように正面から見たときの支持材5の短辺部分を上下させることで、軸支位置の回りに長辺部分を回転(揺動)させる場合、短辺部分の上下動の距離を拡大して長辺部分の回転時の水平方向の移動量として伝達することができる。この結果、クランク54の回転角度、すなわち連接棒55の上下動距離を抑えながら、一対の把持爪52、52の必要な開閉時の移動距離を得ることができる。 【0054】 図6の例では支持材53の、正面から見たときの長辺部分を図7、図8に示すように側面から見たときにもL字形状に形成し、側面で見たときの長辺部分の下端に、保持すべき単位苗床71側へ連続する短辺部分に把持爪52を連結している。この形態にすることで、一対の支持材53、53の側面が互いに側面方向(単位苗床71を挟持する方向)に対向しながら、支持材53、53が本体部51の正面に支持されたときに、一対の把持爪52、52が支持材53の側面方向に互いに対向する(向き合う)ようにしている。 【0055】 結果として一対の把持爪52、52が図7、図8に示すように本体部51から単位苗床71側へ張り出した状態になるため、一対の把持爪52、52が単位苗床71を挟み込んで保持するときに、図8、図9に示すように一対の把持爪52、52のみが保持すべき単位苗床71とそれに幅方向に隣接する単位苗床71との間の境界面(隣接する単位苗床71、71の側面間)に入り込み、本体部51が単位苗床71の正面(開放した側面)に接触せず、単位苗床71を圧縮しないようにしている。図7〜図9では図6に示す支持材53の正面から見たときの短辺部分である下記の昇降部531を省略している。 【0056】 総合すれば、図6等、図示する例では一対の支持材53、53のそれぞれを、互いに対になる側の支持材53と保持部材5の正面の方向に互いに重なる、正面から見たときの短辺部分の昇降部531を含む3部分から構成している。他の2部分は昇降部531の本体部51への軸支位置から前面側(単位苗床71)側へ張り出す、正面から見たときの長辺部分の軸支部532と、軸支部532の下端部から更に前面側へ張り出し、側面から見たときの短辺部分の保持部533である。軸支部532は支持材53を側面から見たときの長辺部分でもある。一対の支持材53、53の互いに重なった昇降部531、531には連接棒55が連結され、昇降部531、531は連接棒55の昇降に伴って昇降する。 【0057】 把持爪52は各保持部533の例えば側面(正面に直交する面)等に連結され、一対の支持材53、53の保持部533、533に支持された一対の把持爪52、52は対になって単位苗床71を幅方向に把持(挟持)することにより保持する。把持爪52が保持部533の側面に軸支されることで、把持爪52の軸支の軸方向と、軸支部532の本体部51への軸支の軸方向は互いに直交する方向になる。 【0058】 一対の把持爪52、52は保持部533、533には把持爪52、52の上端部において軸支されるため、保持部533からは懸垂する状態になる。また一対の把持爪52、52が図6−(a)に示す開放状態にあるときに、把持爪52が保持部533に緩く連結されれば、一対の把持爪52、52が単位苗床71を挟み込むときに単位苗床71に与える保持力(圧縮力)を緩和させ、調整することができる。把持爪52が保持部533に緩く連結されることは、具体的には把持爪52が、保持部533の軸方向(本体部51の正面に直交する方向)の水平軸回りに相対的に回転変位に、または保持部533の軸方向と鉛直軸の回りに相対的に回転変位に連結されることを言う。 【0059】 保持部材5は苗トレイ3上の苗床7の最も外周側に配列し、単位苗床71が隣接しない(開放した)側面(正面)を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床71を保持する。この関係で、苗トレイ3を平面で見たとき、保持部材5が苗床7のいずれの開放した側面(正面)側に配列している単位苗床71を保持するかは任意である。 【0060】 但し、図面では保持部材5の移動量(移動距離)の効率の面より、保持部材5が保持すべき目標の1列の単位苗床71の側面(正面)を苗トレイ3上で水耕パネル4側に向け、フレーム2の幅方向に保持すべき複数個の単位苗床71の列を配列させている。苗トレイ3上の水耕パネル4側を向いた側面(正面)は保持部材5が保持すべき単位苗床71が配列する面であるため、「苗トレイ3の前面」と呼ぶこともある。 【0061】 図面ではまた、アーム8による保持部材5の作業効率の面より鉛直軸回りの90°の回転(回動)によって苗トレイ3上の単位苗床71の保持と水耕パネル4上での単位苗床71の離脱が行えるようにしている。具体的には図4に示すように水耕パネル4上に位置している複数個の保持部材5に保持されている複数個の単位苗床71の列を、苗トレイ3上で保持すべき単位苗床71の列(フレーム2の幅方向)とは直交する方向(フレーム2の長さ方向)に配列させている。この関係で、水耕パネル4への移植時に複数個の保持部材5により離脱させられる複数個の単位苗床71が差し込まれる孔41をフレーム2の長さ方向に距離を置いて配列させている。 【0062】 保持部材5はアーム8に鉛直軸回りに回動自在に支持されることにより基本的には苗トレイ3上と水耕パネル4上との間を回動して移動する。図面では複数個の保持部材5を保持部材5の幅方向に並列させ、隣接する保持部材5、5間距離を制御する制御装置11を介してアーム8に支持させているが、必ずしも複数個の保持部材5が制御装置11に支持される必要はない。 【0063】 例えば保持部材5が図1に示す状態にあるときを制御の開始時点とすれば、水耕パネル4上での保持部材5の鉛直軸回りの回動による苗トレイ3上への移動から、苗トレイ3上での静止、保持すべき単位苗床71側への直線運動(前進)、一対の把持爪52、52の閉鎖による単位苗床71の保持までの一連の操作(動作)はフレーム2のいずれかに設置されるコントローラで制御される。コントローラは上記した制御装置11に内蔵されることもある。 【0064】 コントローラは引き続き、その後の保持部材5の鉛直軸回りの回動による水耕パネル4上への移動、水耕パネル4上での降下と静止、幅方向に並列した複数個の保持部材5、5間の間隔の調整、一対の把持爪52、52の開放による単位苗床71の離脱(移植)の動作、及び水耕パネル4上での上昇と鉛直軸回りの回動と苗トレイ3上での静止状態への復帰までの操作も制御する。 【0065】 コントローラには保持部材5や制御装置11、またはアーム8等に設置されたカメラからの映像の情報が送られる。保持部材5が複数個ある場合、カメラは各保持部材5単位で設置される。コントローラでは各保持部材5が苗トレイ3の位置にあるときでの、一対の把持爪52、52の閉鎖操作による単位苗床71の保持時から、水耕パネル4の位置にあるときでの、一対の把持爪52、52の開放操作による単位苗床71の離脱時を経て苗トレイ3の位置に復帰するまでの操作毎に、それぞれの操作に合致した位置にあるか否かが判断され、この判断に基づいて各操作が制御される。 【0066】 保持部材5による苗トレイ3上での単位苗床71の保持に伴い、苗トレイ3上の単位苗床71の数は減るため、苗トレイ3上では保持部材5による保持の度に(都度)単位苗床71が水耕パネル4の反対側から補給され、苗トレイ3の前面側へ送られる。 【0067】 ここで、図1〜図4に基づき、保持部材5が苗トレイ3上で単位苗床71を保持する状況から水耕パネル4上へ移動し、水耕パネル4の孔41内に単位苗床71を離脱(移植)させた後、苗トレイ3上に復帰するまでの操作手順を説明する。 【0068】 図1は複数個の保持部材5が、フレーム2の長さ方向に間隔を置いて配列した水耕パネル4の複数個の孔41へ複数個の単位苗床71を挿入(移植)を完了させ、一対の把持爪52、52が単位苗床71を離脱させたときの様子を示している。図1では特に一対の把持爪52、52が単位苗床71を離脱させた直後の保持部材5の鉛直方向の上昇後、苗トレイ3への移動(回動と直線運動)に備え、複数個の保持部材5が保持部材5の正面(前面)側へ一定量、前進(直線運動(平行移動))した状態にある。 【0069】 単位苗床71を離脱させたときの一対の把持爪52、52は図6−(a)に示す状態にあり、一対の把持爪52、52間距離は図6−(b)に示す状態の単位苗床71を苗トレイ3上で保持(挟持)し、水耕パネル4へ移動させたときより拡大している。 【0070】 図示する例ではまた、後述のように苗の生長を見込んで複数個の保持部材5が水耕パネル4の孔41内に単位苗床71を挿入したときの幅方向に隣接する保持部材5、5間距離は、保持部材5が苗トレイ3上で単位苗床71を保持するときの隣接する保持部材5、5間距離より拡大している。言い換えれば、苗トレイ3上で単位苗床71を保持するときの隣接する保持部材5、5は互いに接触、もしくは接近しているか、図2に示すように保持部材5、5間の間隔は小さいのに対し、水耕パネル4上に移動したときの保持部材5、5間の間隔は図3に示すように大きくなっている。 【0071】 この関係で、保持部材5が単位苗床71を孔41内に挿入し終え、苗トレイ3への移動に備えて保持部材5の前面側へ前進するとき、または前進する前、もしくは前進した後、隣接する保持部材5、5間距離は縮小され、苗トレイ3上での保持すべき単位苗床71、71間距離に合わせられる。 【0072】 水耕パネル4にフレーム2の長さ方向に間隔を置いて形成された単位苗床71の移植用の孔41、41間距離は単位苗床71の苗の生長を見込み、苗トレイ3上で隣接する単位苗床71、71の中心間(苗間)距離より大きく確保されている。図1のときの複数個の保持部材5は苗トレイ3上で複数個の単位苗床71を保持するときの配列方向(フレーム2の幅方向)より90°回転し、苗トレイ3上の複数個の単位苗床71の配列方向に直交する方向(フレーム2の長さ方向)に幅方向を向けて配列している。 【0073】 図1は各保持部材5が苗トレイ3上で単位苗床71の幅方向に互いに接触(密着)して配列していたときの単位苗床71、71を互いに幅方向に分離(非接触状態に)させた後、単位苗床71を孔41内に挿入してから、各保持部材5の一対の把持爪52、52が開放して各単位苗床71を離脱させた(孔41内に置いてきた)後の状態を示している。図面では4個の保持部材5がその幅方向に、隣接する保持部材5、5間距離が調整(拡縮)自在に並列しているが、保持部材5の並列数は任意である。 【0074】 保持部材5が単位苗床71を苗トレイ3上から保持するときには、図2、図8に示すように単位苗床71の幅方向に隣接する単位苗床71、71(の側面)は互いに接触(密着)している。これに対し、上記のように水耕パネル4の、フレーム2長さ方向に隣接する孔41、41間距離は苗トレイ3上の単位苗床71、71の中心間距離より大きいことから、保持部材5が水耕パネル4上に移動した後に単位苗床71を離脱させるときには、複数個の保持部材5の隣接する保持部材5、5間距離は苗トレイ3から保持するときより離脱時には拡大させられる。 【0075】 また図面では苗トレイ3上の水耕パネル4側にフレーム2の幅方向に配列し、互いに接触している複数個の単位苗床71、71の内、保持部材5による単位苗床71の保持時には図5に示すように保持のし易さの面より、フレーム2の幅方向に配列した1個置き(飛ばし)、または複数個置きの単位苗床71、71を保持部材5が保持している。 【0076】 このように苗トレイ3上にフレーム2の幅方向に配列している1個置き以上の複数個の単位苗床71を複数個の保持部材5が保持する場合には、水耕パネル4の、フレーム2長さ方向に隣接する孔41、41間距離は、必ずしも苗トレイ3上で同時に保持されるべき複数個の隣接する単位苗床71、71の中心間距離より大きくなるとは限らない。 【0077】 但し、図面では水耕パネル4上での単位苗床71の離脱時の隣接する保持部材5、5間距離を、苗トレイ3上での単位苗床71の保持時の隣接する保持部材5、5間距離より大きくしている。このことは、水耕パネル4の、フレーム2長さ方向に隣接する孔41、41間距離を、苗の生長を見越し、十分に余裕を持った大きさにしていることを意味する。 【0078】 図1の状態からは、保持部材5の、把持爪52、52が張り出す側の正面は図2に示すように鉛直軸回りに90°回動して苗トレイ3側を向き、苗トレイ3上の次に保持部材5が保持すべき目標の単位苗床71に向き合う。 【0079】 次の単位苗床71に向き合うまでに、一対の把持爪52、52は単位苗床71の幅に対応した距離(大きさ)まで開放し、そのまま図7、図8に示すように保持部材5が単位苗床71側へ直線運動(前進)することで、図9−(a)に示すように一対の把持爪52、52が単位苗床71の幅方向両側に差し込まれる。このとき、クランク54の回転による連接棒55の上昇により図6−(b)に示すように一対の把持爪52、52間距離は短縮し、単位苗床71を幅方向に保持(把持)する。 【0080】 保持部材5が図2に示す状態の直前の図7に示す状態になったとき、コントローラは「保持部材5の正面に保持すべき単位苗床71が位置していること」と「保持すべき単位苗床71の幅方向両側に一対の把持爪52、52が位置(開放)していること」をカメラの映像から確認する。確認後、コントローラは保持部材5を単位苗床71側へ接近(前進)させると共に、モータ56を駆動させ、クランク54の回転操作により連接棒55を上昇させ、一対の把持爪52、52間距離を短縮させて単位苗床71を保持させる。 【0081】 一対の把持爪52、52が単位苗床71を保持した図2の状態からは、保持部材5は保持した単位苗床71を苗トレイ3上の苗床7から分離させるために、苗床7に対し、保持部材5が単位苗床71と対向する方向後方側へ直線運動(後退)し、保持部材5が保持した単位苗床71を他の単位苗床71から分離させる。その後、アーム8の鉛直軸回りの90°の回動により保持部材5の正面が図3に示すように苗トレイ3上の単位苗床71と向き合う方向(フレーム2の長さ方向)に直交する方向(フレーム2の幅方向)を向き、複数個の保持部材5は水耕パネル4の孔41の配列方向(フレーム2の長さ方向)に並列する。 【0082】 保持部材5が保持した単位苗床71を他の単位苗床71から分離させるときには、保持した単位苗床71が容易に分離するよう、図4、図5に示すように保持部材5が保持しない他の単位苗床71の正面には、この単位苗床71を苗トレイ3上の元の位置に拘束する拘束部材6が接触し、他の単位苗床71を正面側から押さえている。「他の単位苗床71の正面」は単位苗床71が保持部材5に向き合う面であり、苗トレイ3上に配列している苗床7の内、苗床7の最も外周側に配列し、単位苗床71が隣接しない側面(正面)である。 【0083】 拘束部材6は図2、図4、図5に示すようにフレーム2に、保持部材5による単位苗床71の分離の方向(フレーム2の長さ方向)に交差する方向、図示する例ではフレーム2の幅方向に、例えばフレーム2の幅方向にスライド自在に支持される。具体的にはフレーム2の幅方向に架設された案内棒10の軸方向に連続して形成された例えば溝10a内に一部が差し込まれる、あるいは案内棒10の表面に連続して突設された軌道(レール)を摺動自在に把持する等により、案内棒10の軸方向に沿い、拘束部材6がフレーム2の幅方向にスライド自在に支持される。 【0084】 保持部材5による単位苗床71の分離時には、拘束部材6は分離させられる単位苗床71以外の残りの単位苗床71の部分に移動させられ、その保持部材5側の正面を押さえるように制御されている。図2、図4、図5等では拘束部材6を、案内棒10に沿って摺動可能な摺動部61と、摺動部61から懸垂し、単位苗床71の正面に接触するY字形状の拘束部62の2部分から構成しているが、拘束部材6、あるいは拘束部62の形状は任意である。 【0085】 図3に示す状態のとき、フレーム2の長さ方向に配列した水耕パネル4の各孔41の位置に合わせ、複数個の隣接する保持部材5、5間距離は前記のように苗トレイ3上で複数個の単位苗床71を保持したときの保持部材5、5間距離より拡大している。図3は各単位苗床71から苗トレイ3上に貯留し、単位苗床71に含浸していた水が垂れている状況も示している。 【0086】 図3に示す状態になったとき、コントローラは「フレーム2の長さ方向に間隔を置いて配列する孔41、41間距離に、隣接する保持部材5、5が保持している単位苗床71、71の中心間距離が合致していること」と「孔41の上に単位苗床71が位置していること」をカメラの映像から確認する。確認後、コントローラは図4に示すようにロッド9の伸長等により保持部材5を降下させることで、保持部材5が保持している単位苗床71を孔41上に降下させ、単位苗床71を孔41内に挿入させる。 【0087】 保持部材5の降下後、コントローラは図6−(b)に示す状態から(a)に示すようにモータ56を駆動させ、クランク54の回転操作により連接棒55を降下させて一対の把持爪52、52間距離を拡大させ、単位苗床71を保持部材5から離脱させて孔41への単位苗床71の挿入(移植)を完了させる。 【0088】 単位苗床71を把持爪52、52から離脱させたところで、保持部材5はロッド9の収縮等により上昇し、前記のように苗トレイ3への移動に備え、複数個の保持部材5がその正面側へ(フレーム2の幅方向に)一定量、前進しながら、隣接する保持部材5、5間距離が縮小した後、そのまま90°回転することにより図2に示す苗トレイ3上の単位苗床71に向き合った状態に復帰する。 【符号の説明】 【0089】 1……移植装置、 2……フレーム、21……水平枠、211……上段側水平枠、212……下段側水平枠、22……縦枠、 3……苗トレイ、 4……水耕パネル、41……孔、 5……保持部材、51……本体部、52……把持爪、53……支持材、531……昇降部、532……軸支部、533……保持部、54……クランク、55……連接棒、56……モータ、 6……拘束部材、61……摺動部、62……拘束部、 7……苗床、71……単位苗床、 8……アーム、9……ロッド、 10……案内棒、10a……溝、 11……制御装置。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 個別に苗が植えられ、互いに分離し得る単位苗床が平面上、二方向に配列して構成された苗床を支持し、フレームに支持された苗トレイと、 前記フレームに支持され、前記苗トレイ上の前記単位苗床の移植先となり、前記単位苗床が納まる孔が形成された水耕パネルと、 前記フレームに鉛直軸回りに回動自在、且つ昇降自在で、前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在に支持され、前記苗トレイ上の単位苗床を前記苗床から分離させて保持し、前記水耕パネルの前記孔内に前記保持している単位苗床を挿入し、離脱させる保持部材とを備え、 前記保持部材は前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない開放した側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を、前記保持部材と向き合う前記単位苗床の前記開放した側面の幅方向両側から保持して前記苗床から分離させ、そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側位置の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単立苗床を幅方向に挟み込んで保持し、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させることを特徴とする苗の移植装置。 【請求項2】 前記保持部材による前記単位苗床の分離時に、前記苗トレイ上の、前記保持部材が前記苗床から分離させる前記単位苗床以外の部分を、前記単位苗床の前記側面側から押さえ、元の位置に拘束する拘束部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の苗の移植装置。 【請求項3】 前記拘束部材は前記フレームに、前記保持部材による前記単位苗床の分離の方向に交差する方向にスライド自在に支持され、前記保持部材による前記単位苗床の分離時に、この分離させられる単位苗床以外の部分の位置に移動させられることを特徴とする請求項2に記載の苗の移植装置。 【請求項4】(削除) 【請求項5】 前記把持爪を支持した一対の支持材が互いに距離を置き、前記本体部に、互いに線対称状態に回転可能に軸支され、前記一対の支持材はいずれかの向きに回転したときに前記一対の把持爪が互いに接近し、前記一対の支持材が復帰したときに前記一対の把持爪が互いに遠ざかることを特徴とする請求項1に記載の苗の移植装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2022-02-04 |
結審通知日 | 2022-02-09 |
審決日 | 2022-02-24 |
出願番号 | P2020-521844 |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(A01G)
P 1 41・ 855- Y (A01G) P 1 41・ 853- Y (A01G) P 1 41・ 856- Y (A01G) P 1 41・ 852- Y (A01G) P 1 41・ 854- Y (A01G) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
長井 真一 |
特許庁審判官 |
住田 秀弘 奈良田 新一 |
登録日 | 2020-07-10 |
登録番号 | 6733074 |
発明の名称 | 苗の移植装置 |
代理人 | 塩田 康弘 |
代理人 | 塩田 康弘 |