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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 H01S 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 H01S |
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管理番号 | 1384031 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-10-28 |
確定日 | 2022-02-10 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6689363号発明「レーザ部品およびその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6689363号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔10−12〕及び〔13−18〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1 手続きの経緯 特許第6689363号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし18に係る特許についての出願は、平成28年8月23日に出願され(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2015年8月27日 ドイツ特許庁)、令和2年4月9日にその特許権の設定登録がされ、令和2年4月28日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和2年10月28日 :特許異議申立人 久門亨(以下「申立人」という。)による特許異議の申立て 令和3年 1月22日付け:取消理由通知書 令和3年 5月25日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 令和3年 7月16日 :特許異議申立人による意見書の提出 令和3年 9月16日付け:取消理由通知書(決定の予告) 令和4年 1月 6日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項10〜12を削除する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項13〜18を削除する。 ウ 本件訂正は、一群の請求項である訂正後の請求項10〜12及び訂正後の請求項13〜18について請求されたものである。 (2)訂正についての当審の判断 訂正事項1及び2について ア 訂正の目的の適否 訂正事項1及び2は、請求項10〜12及び13〜18を削除することで、特許請求の範囲を減縮するものである。 したがって、当該訂正事項1及び2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項1及び2は、請求項10〜12及び13〜18を削除するものであるから、当該訂正事項1及び2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1及び2は、請求項10〜12及び13〜18を削除するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許第6689363号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔10〜12〕及び〔13〜18〕について訂正することを認める。 3 本件訂正後の請求項 本件訂正により訂正された訂正後の請求項10ないし18(以下、それぞれ「訂正発明10」ないし「訂正発明18」という。)は、以下のとおりのものである。 【請求項10】(削除) 【請求項11】(削除) 【請求項12】(削除) 【請求項13】(削除) 【請求項14】(削除) 【請求項15】(削除) 【請求項16】(削除) 【請求項17】(削除) 【請求項18】(削除) 4 特許異議の申立てについての判断 (1)本件発明 上記2で示したように訂正が認められるから、本件請求項10乃至18に係る発明(以下、「本件発明10乃至18」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項10乃至18に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記3参照) (2)異議申立ての理由の概要 申立人は、証拠として、 甲第1号証:特開2009−289775号公報(申立人提出の甲第1号証) 甲第2号証:国際公開第2004/005216号(申立人提出の甲第2号証) 甲第3号証:特開2007−305736号公報(申立人提出の甲第3号証) 甲第4号証:特開2008−186871号公報(申立人提出の甲第4号証) 甲第5号証:特開2012−54527号公報(申立人提出の甲第5号証) 甲第6号証:特開2004−122315号公報(申立人提出の甲第6号証) 甲第7号証:特開2013−235872号公報(申立人提出の甲第7号証) 甲第8号証:特開2008−109055号公報(申立人提出の甲第8号証) 甲第9号証:特表2014−531132号公報(申立人提出の甲第9号証) 甲第10号証:特開平8−116309号公報(申立人提出の甲第10号証) 甲第11号証:特開2002−237644号公報(申立人提出の甲第11号証) を提出し、 訂正前の請求項10、13、14に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明であり、訂正前の請求項11に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、訂正前の請求項15、16に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、 また、訂正前の請求項10、13、14、16に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項11に係る発明は、甲第1号証及び甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項12に係る発明は、甲第1号証、甲第4号証及び甲第6号証〜甲第8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項15に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項17、18に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証、甲第9号証及び甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件発明の請求項10ないし18の特許を取り消すべき旨主張している。 (3)当審の判断 訂正前の請求項10ないし18に係る発明は、訂正の結果削除されたため、特許異議の申立ての対象が存在しないので、この特許異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものである。 したがって、本件特許異議の申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 上面(511)と下面(512)とを有する基部(510)を含む筐体(500、100)を備えるレーザ部品(10、30)であって、 前記筐体(500、100)は、プラスチック材料を含んでおり、 前記基部(510)は、前記プラスチック材料に埋め込まれたリードフレーム(110)を含んでおり、 複数のはんだ付け電気コンタクトパッド(520)が前記基部(510)の前記下面(512)に形成されており、前記はんだ付け電気コンタクトパッドによって前記レーザ部品(10,30)の表面実装が可能となっており、 複数のチップ電気コンタクトパッド(530)が前記基部(510)の前記上面(511)に形成されており、かつ前記はんだ付け電気コンタクトパッド(520)に導電接続されており、 前記はんだ付け電気コンタクトパッド(520)および前記チップ電気コンタクトパッド(530)は、前記リードフレーム(110)領域の表面によって形成されており、 前記筐体(500)は前記基部(510)の上面(511)に接する空洞(540)を有しており、 レーザチップ(550)が前記空洞(540)に配置され、前記チップ電気コンタクトパッド(530)の少なくともいくつかに導電接続されており、 前記空洞(540)は、前記基部(510)上に配置された前記筐体(500、100)の壁部(120)によって境界が定められており、 前記壁部(120)は、前記レーザチップ(550)によって発せられるレーザビームの透過を可能とする切り抜き部(121)を有しており、 前記空洞(540)には埋め込み材料(130)が配置されており、前記埋め込み材料(130)には、前記レーザチップ(550)が少なくとも部分的に埋め込まれており、 前記レーザチップ(550)は、前記レーザチップ(550)の下面(552)に形成された電気コンタクトパッドを有し、 前記レーザチップ(550)は、前記レーザチップ(550)の前記下面(552)が前記チップ電気コンタクトパッド(530)に対向するように、配置され、 前記レーザチップ(550)の前記電気コンタクトパッドは、前記チップ電気コンタクトパッド(530)に導電接続される、 レーザ部品(10、30)。 【請求項2】 前記リードフレーム(110)は平面状に形成されている、 請求項1に記載のレーザ部品(10、30)。 【請求項3】 前記埋め込み材料(130)は、前記切り抜き部(121)にも配置されている、 請求項1または2に記載のレーザ部品(10、30)。 【請求項4】 前記レーザチップ(550)は、端面発光レーザチップとして構成されている、 請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ部品(10、30)。 【請求項5】 前記レーザチップ(550)を駆動するためのドライバ回路(300)が前記空洞(540)に配置されている、 請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ部品(30)。 【請求項6】 前記ドライバ回路(300)は、キャパシタ(310)、およびトランジスタまたは集積回路(320)も含んでいる、 請求項5に記載のレーザ部品(30)。 【請求項7】 レーザ部品(10、30)を製造する方法であって、 プラスチック材料からなる筐体(500、100)を設ける工程であって、 前記筐体(500、100)の基部領域(510)においてリードフレーム(110)が前記プラスチック材料に埋め込まれ、 前記基部(510)の下面(512)において前記プラスチック材料で覆われていない前記リードフレーム(110)領域が、前記レーザ部品(10、30)の表面実装を可能とする複数のはんだ付け電気コンタクトパッド(520)を形成し、 前記基部(510)の上面(511)において前記プラスチック材料で覆われていない前記リードフレーム(110)領域が、前記はんだ付け電気コンタクトパッド(520)に導電接続される複数のチップ電気コンタクトパッド(530)を形成し、 前記筐体(500、100)は、前記基部(510)の前記上面(511)に接する空洞(540)を有して構成される工程と、 レーザチップ(550)を前記空洞(540)に配置する工程であって、前記レーザチップ(550)は、前記チップ電気コンタクトパッド(530)の少なくともいくつかに導電接続される工程と、 埋め込み材料(130)を、前記レーザチップ(550)が少なくとも部分的に前記埋め込み材料(130)に埋め込まれるように、前記空洞(540)に配置する工程と、 を含み、 前記レーザチップ(550)は、前記レーザチップ(550)の下面(552)に形成された電気コンタクトパッドを有し、 前記レーザチップ(550)は、前記レーザチップ(550)の前記下面(552)が前記チップ電気コンタクトパッド(530)に対向するように、配置され、 前記レーザチップ(550)の前記電気コンタクトパッドは、前記チップ電気コンタクトパッド(530)に導電接続される、 方法。 【請求項8】 前記筐体(500、100)は、筐体集合体において複数のさらなる筐体(500、100)と一体に連続して構成され、 前記筐体集合体を分割することで前記筐体(500、100)に個片化する工程をさらに含む、 請求項7に記載の方法。 【請求項9】 前記筐体集合体の分割は、ダイヤモンド研削刃を用いて行われる、 請求項8に記載の方法。 【請求項10】(削除) 【請求項11】(削除) 【請求項12】(削除) 【請求項13】(削除) 【請求項14】(削除) 【請求項15】(削除) 【請求項16】(削除) 【請求項17】(削除) 【請求項18】(削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照 |
異議決定日 | 2022-01-28 |
出願番号 | P2018-506421 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
XA
(H01S)
P 1 652・ 113- XA (H01S) |
最終処分 | 10 決定却下(不適法な申立に |
特許庁審判長 |
瀬川 勝久 |
特許庁審判官 |
松川 直樹 吉野 三寛 |
登録日 | 2020-04-09 |
登録番号 | 6689363 |
権利者 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング |
発明の名称 | レーザ部品およびその製造方法 |
代理人 | 特許業務法人鷲田国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人鷲田国際特許事務所 |