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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G05B |
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管理番号 | 1384085 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-03-15 |
確定日 | 2022-02-17 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6757386号発明「プログラマブルロジックコントローラおよびプログラム作成支援装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6757386号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−9〕について訂正することを認める。 特許第6757386号の請求項1−9に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6757386号の請求項1−9に係る特許についての出願は、平成30年10月23日に出願され、令和2年9月1日にその特許権の設定登録がされ、同16日に特許掲載公報が発行された。 その後、その特許について、令和3年3月15日に特許異議申立人松本征二(以下、「申立人」という。)による特許異議の申立てがされ、当審は同年6月30日付けで取消理由を通知し、特許権者はその指定期間内である同年9月1日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)を行った。 そして、当審は、申立人に対して令和3年9月16日付けで本件訂正請求があった旨の通知をし、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、申立人は応答しなかった。 第2 本件訂正請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、特許請求の範囲の請求項1を以下の(1)から(2)へ訂正する、というものである。(下記(2)の下線部は訂正箇所を示す。) (1)訂正前 「ユーザプログラムを記憶するプログラム記憶部と、 前記ユーザプログラムを繰り返し実行するプログラム実行部と、 前記プログラム実行部により参照される記憶領域である複数のデバイスを有するデバイス記憶部と、 前記複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値を時系列に記録するデバイス記録部と、 所定の保存条件が満たされると、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、当該ユーザプログラムとともに、前記プログラム記憶部とは異なるメモリに、外部機器にて再生可能な形式で対応付けて保存する保存部と を有することを特徴とするプログラマブルロジックコントローラ。」 (2)訂正後 「ユーザプログラムとログ設定情報とを記憶するプログラム記憶部と、 前記プログラム記憶部に記憶されたユーザプログラムを繰り返し実行するプログラム実行部と、 前記プログラム実行部により参照される記憶領域である複数のデバイスを有するデバイス記憶部と、 前記プログラム実行部がユーザプログラムを1スキャン実行するごとに、前記複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値を収集し、時系列に記録するデバイス記録部と、 前記ログ設定情報に基づき定められる保存条件が満たされると、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、当該保存条件が満たされたときに前記プログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムとともに、前記プログラム記憶部とは異なるメモリに、外部機器にて再生可能な形式で対応付けて保存する保存部と を有することを特徴とするプログラマブルロジックコントローラ。」 (請求項1の記載を引用する請求項2−9も同様に訂正する。) 訂正前の請求項2−9は、それぞれ、請求項1を引用しているものであって、本件訂正によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1−9に対応する訂正後の請求項1−9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、本件訂正請求は、一群の請求項〔1−9〕に対して請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正の目的について ア 本件訂正に係る訂正事項 本件訂正は以下の(ア)−(エ)の訂正事項を含んでいる(以下、各訂正事項を「訂正事項(ア)」などという。)。 (ア)プログラム記憶部の記憶する項目として、ユーザプログラムと共に「ログ設定情報」を追加し限定すること。 (イ)プログラム実行部が繰り返し実行するユーザプログラムが「プログラム記憶部に記憶された」ものであることを限定すること。 (ウ)デバイス記録部が時系列に記録する複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値について、「前記プログラム実行部がユーザプログラムを1スキャン実行するごとに」、「収集」するものであることを限定すること。 (エ)保存部の保存条件が、「ログ設定情報に基づき定められる」ものであることを限定し、保存するユーザプログラムが「当該保存条件が満たされたときに前記プログラム記憶部に記憶されている」ものであることを限定すること。 イ 本件訂正の目的 上記訂正事項(ア)−(エ)は、いずれも、訂正後の請求項1におけるプログラム記憶部、プログラム実行部、デバイス記録部、及び保存部の各々の発明特定事項をより限定するものであるから、本件訂正の目的は、特許法第120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮に該当する。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないこと 上記訂正事項(ア)−(エ)は、上記のとおり、プログラム記憶部、プログラム実行部、デバイス記録部、及び保存部の各々の発明特定事項をより限定するものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するような事情は認められず、本件訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること ア 上記訂正事項(ア)について 段落【0085】には、「CPU31は、PC2から受信したプロジェクトデータ71とログ設定データ72を記憶装置32に記憶しているものとする。」との記載があり、ログ設定データ72(ログ設定情報)が、プロジェクトデータ71(ユーザプログラム)と共に記憶装置32(プログラム記憶部)に格納されることが示され、図17にはこの内容が図示されている。 イ 上記訂正事項(イ)について 上記アで言及した段落【0085】の記載から、プロジェクタデータ71(ユーザプログラム)が、記憶装置32(プログラム記憶部)に記憶されることが認められる。 ウ 上記訂正事項(ウ)について 段落【0026】には、「PLC1は、入出力リフレッシュ、ラダープログラムの実行およびEND処理を1サイクル(1スキャン)として、このサイクルを周期的、すなわちサイクリックに繰り返し実行する。」との記載が、段落【0107】には、「図19は基本ユニット3のCPU31の機能を示している。・・・この例では記録部81は収集部92aを有している。収集部92aは、所定の収集開始条件が満たされると、デバイス部34に保持されているデバイス値のうち、ログ設定データ72により指定されたデバイス値をデバイス部から読み出すとともに、時刻管理部83aから時刻情報を取得する。・・・」との記載が、段落【0116】には、「S23でCPU31(収集部92a)はデバイス値の取得タイミングが到来したかどうかを判定する。取得タイミングは、たとえば、スキャン周期ごとなどであり(例えば毎スキャンにおけるEND処理において取得する等)、ログ設定データ72により定義されている。取得タイミングが到来すると、CPU31はS24に進む。」との記載が、段落【0117】には、「S24でCPU31(収集部92a)は、ログ設定データ72により指定されたデバイス値をデバイス部34から取得するとともに、時刻管理部83aから時刻情報を取得し、これらをリングバッファ91aに書き込む。」との記載がある。これらの記載からみて、記録部81(デバイス記録部)が有する収集部92aは、デバイス値を、ラダープログラム(ユーザプログラム)を1スキャン実行するごとに収集するものであることが認められる。 エ 上記訂正事項(エ)について 段落【0118】には、「S25でCPU31(収集部92a)は、保存タイミングが到来したかどうかを判定する。保存タイミングとは、リングバッファ91aに保持されている情報をログデータ73に保存するタイミングである。保存タイミングは、たとえば、所定のイベント(例:保存トリガ)が発生したことなどであってもよい。保存タイミングもログ設定データ72により定義されている。・・・」と、段落【0280】には、「図32に関連して説明したように、保存部93は、所定の保存条件が満たされると、デバイス記録部に記録されているデバイス値と、プログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムまたはユーザプログラムの識別情報とを対応付けてメモリ(例:メモリカード36や内部メモリ37)に保存してもよい。また、出力部84は所定の出力条件が満たされると、デバイス記録部に記録されているデバイス値と、プログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムまたは当該ユーザプログラムの識別情報とを外部メモリ(例:メモリカード36)に出力してもよい。・・・」と、記載されている。よって、保存部93がデバイス値をユーザプログラムとともに保存する(段落【0280】)保存条件が「ログ設定情報に基づき定められる」(段落【0118】)ものであり、ユーザプログラムは「当該保存条件が満たされたときに前記プログラム記憶部に記憶されている」(段落【0280】)ものであることが認められる。 オ したがって、上記訂正事項(ア)−(エ)は、いずれも願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、本件訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−9〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1−9に係る発明(以下、請求項1に係る発明を「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1−9に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 ユーザプログラムとログ設定情報とを記憶するプログラム記憶部と、 前記プログラム記憶部に記憶されたユーザプログラムを繰り返し実行するプログラム実行部と、 前記プログラム実行部により参照される記憶領域である複数のデバイスを有するデバイス記憶部と、 前記プログラム実行部がユーザプログラムを1スキャン実行するごとに、前記複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値を収集し、時系列に記録するデバイス記録部と、 前記ログ設定情報に基づき定められる保存条件が満たされると、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、当該保存条件が満たされたときに前記プログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムとともに、前記プログラム記憶部とは異なるメモリに、外部機器にて再生可能な形式で対応付けて保存する保存部と を有することを特徴とするプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項2】 前記ユーザプログラムは複数のプログラム部品から構成されており、 前記複数のプログラム部品を管理するプロジェクトデータの一部として前記ユーザプログラムは前記プログラム記憶部に記憶されており、 前記保存部は、前記ユーザプログラムを含む前記プロジェクトデータを出力するとともに、当該プロジェクトデータの識別情報を保存するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項3】 前記プログラマブルロジックコントローラは、メインユニットと拡張ユニットとを有し、 前記プロジェクトデータは、前記拡張ユニットの設定情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項4】 前記保存部は、さらに、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、当該ユーザプログラムの識別情報と対応付けて、前記メモリに保存するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項5】 前記ユーザプログラムの識別情報は、前記ユーザプログラムが変更されると更新される識別情報であることを特徴とする請求項4に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項6】 前記ユーザプログラムの識別情報は、前記ユーザプログラムから演算される誤り検出符号またはハッシュ値であることを特徴とする請求項5に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のプログラマブルロジックコントローラと接続されるプログラム作成支援装置であって、 表示部と、 前記プログラマブルロジックコントローラの保存部により保存されたユーザプログラムを前記表示部に表示させるとともに、当該保存部により保存されたデバイス値を、当該ユーザプログラムに記述されているデバイスと関連付けて前記表示部の第一の表示領域に再生表示させるログ表示部と、 を有することを特徴とするプログラム作成支援装置。 【請求項8】 前記ログ表示部は、さらに、前記プログラマブルロジックコントローラの保存部により保存された時系列のデバイス値からなる波形を前記表示部の第二の表示領域に再生表示させるとともに、前記第一の表示領域と当該第二の表示領域とで連動した再生表示を行うことを特徴とする請求項7に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項9】 前記プログラム作成支援装置は、前記表示部を介したユーザ入力に基づいて、前記ユーザプログラムを編集する編集部を備えることを特徴とする請求項8に記載のプログラム作成支援装置。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1−9に係る特許に対して、当審が令和3年6月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 本件発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である下記甲第1号証に記載された発明及び下記甲第3号証に記載された技術的事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものである。 また、請求項2−3に係る発明は、下記甲第1号証に記載された発明及び下記甲第3号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 さらに、請求項4−9に係る発明は、下記甲第1号証に記載された発明、下記甲第3号証に記載された技術的事項及び下記甲第6号証ないし甲第8号証に記載の周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、請求項1−9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 甲第1号証:国際公開第2018/073868号 甲第3号証:特開2014−52669号公報 甲第6号証:国際公開第2013/168224号[周知技術を例示する文献。] 甲第7号証:特開2017−37466号公報[同上。] 甲第8号証:特開2015−200971号公報[同上。] 以下、各甲号証を「甲1」などという。 2 甲号証の記載事項、記載発明及び技術的事項 (1)甲1の記載事項 ア 発明の詳細な説明(下線は当審で付した。以下同様。) 「技術分野 [0001] 本発明は、産業機械を制御する制御装置で実行されるシーケンスプログラムのデバッグを支援するデバッグ支援装置およびデバッグ支援方法に関する。 背景技術 [0002] 工場の生産工程の自動化を図るFA(Factory Automation)分野における制御装置は、シーケンスプログラムに記述された演算を繰り返し実行する。近年における制御の高度化に伴い、シーケンスプログラムは、大規模化と演算処理の複雑化が顕著となっている。このため、シーケンスプログラムの最初のステップから最後のステップまでの演算を実行する1回のスキャンの中で、シーケンスプログラムの実行に用いられるメモリ領域である作業領域に一時格納される演算データが頻繁に変更されることがある。 [0003] 特許文献1には、制御プログラムのデバッグ方法に関し、制御プログラムにおける実行位置に対応させて制御対象の入力デバイスおよび出力デバイスのデータを順次記録し、各ステップのデータを含む履歴情報を収集することが開示されている。 ・・・・・ [0004] ・・・・・ 発明の概要 発明が解決しようとする課題 [0005] しかしながら、上記従来の技術によれば、入力デバイスおよび出力デバイスのデータのみが記録されており、入力デバイスおよび出力デバイスに直接関係の無いデバイスのデータの記録がないため、シーケンスプログラムにおける異常の要因であるバグの特定に手間を要し、デバッグの効率化が困難となる。 [0006] 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、デバッグの効率化を可能とするデバッグ支援装置を得ることを目的とする。 ・・・・・ [0011] 実施の形態1. 図1は、本発明の実施の形態1にかかるデバッグ支援装置の基本的な構成を示す図である。デバッグ支援装置は、シーケンスプログラムにおけるバグの特定の際に参照されるデータを提示して、シーケンスプログラムのデバッグを支援する。 [0012] デバッグ支援装置は、エンジニアリングツールプログラムがインストールされたコンピュータ2と、制御装置であるPLC(Programmable Logic Controller)1とを備えて構成されている。ネットワークケーブル3は、PLC1およびコンピュータ2を通信可能に接続する。 [0013] コンピュータ2は、PLC1で実行されるシーケンスプログラムを含むプロジェクトデータを作成して、PLC1へ送信する。PLC1は、シーケンスプログラムを実行することにより、制御対象である機械の駆動を制御する。 [0014] 本実施の形態のPLC1は、シーケンスプログラムを格納する機能部であるプログラム格納部11と、プログラム格納部11から読み出されたシーケンスプログラムを実行する機能部であるプログラム実行部12とを備える。また、本実施の形態のPLC1は、シーケンスプログラムによる演算処理にて扱われる演算データを格納する機能部であるデータ格納部13と、ステップ番号とステップごとの演算データとを記録してログデータを作成する機能部である記録部14とを備える。ステップ番号は、シーケンスプログラムを構成する構成要素における演算処理の実行順序を示す順序情報である。また、本実施の形態のPLC1は、記録部14で生成されたログデータを格納する機能部であるログデータ格納部15を備える。制御部18は、PLC1の各部を制御する機能部である。なお、図1のPLC1内に示す破線は、各機能部と、後述する図2に示すハードウェア構成との対応関係を示している。 [0015] 本実施の形態のコンピュータ2は、エンジニアリングツール部10を備える。エンジニアリングツール部10は、コンピュータ2のハードウェアにてエンジニアリングツールプログラムを実行することで実現される。 [0016] エンジニアリングツール部10は、ログデータ格納部15から読み出されたログデータを基に、ステップ番号と演算データとの関係を示すグラフをグラフ表示画面に表示させる機能部であるグラフ表示処理部16を備える。提示処理部であるグラフ表示処理部16は、順序情報と、ステップごとの演算処理にて扱われる演算データとの関係を提示させる。 [0017] また、エンジニアリングツール部10は、シーケンスプログラムを含むプロジェクトデータを作成する機能部であるプログラム表示編集部17を備える。プログラム表示編集部17は、ユーザによる入力操作にしたがってプログラムコードの編集処理を実行するとともに、シーケンスプログラムを編集画面に表示させる。また、プログラム表示編集部17は、PLC1がシーケンスプログラムを実行している際における演算データをモニタするモニタ機能を備える。制御部19は、エンジニアリングツール部10の各部を制御する機能部である。 [0018] 図2は、PLC1のハードウェア構成を示す図である。PLC1は、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、通信インタフェース23、バスインタフェース24および記憶部25を備える。PLC1の各部は、内部バスB1を介して接続されている。 [0019] 通信インタフェース23は、コンピュータ2との接続インタフェースである。バスインタフェース24は、内部バスB1と拡張バスB2とを連絡するバスブリッジ回路である。制御対象である機械4は、拡張バスB2を介してPCL1に接続されている。機械4は、製造装置、加工装置あるいは設備装置であって、FAシステムに使用されるいずれの装置であっても良い。 [0020] 外部記憶装置である記憶部25は、コンピュータ2から受信されたプロジェクトデータ27およびログデータ28を格納する。記憶部25は、SSD(Solid State Drive)あるいはHDD(Hard Disk Drive)である。プロジェクトデータ27は、シーケンスプログラム27a、制御パラメータ27b、メモリ情報27cおよび接続情報27dを含む。プログラム格納部11およびログデータ格納部15の機能は、記憶部25を使用して実現される。 ・・・・・ [0022] 実施の形態1では、シーケンスプログラム27aは、ラダー言語で記述されている。シーケンスプログラム27aは、ラダー言語以外の言語である構造化ラダー言語あるいはファンクションブロックダイアグラム言語で記述されたものでも良い。 [0023] メモリ22は、RAM(Random Access Memory)である。シーケンスプログラム27aは、メモリ22にロードされる。CPU21は、メモリ22内のプログラム格納領域にてシーケンスプログラム27aを展開して各種処理を実行する。プログラム実行部12、記録部14および制御部18の機能は、CPU21を使用して実現される。 [0024] メモリ22内のデータ格納領域は、各種処理の実行における作業領域26とされる。作業領域26には、メモリ情報27cで規定される複数のデータ領域が確保される。各データ領域は、演算処理にて扱われる演算データを格納する。データ格納部13の機能は、メモリ22を使用して実現される。 [0025] CPU21は、シーケンスプログラム27aのステップごとに、作業領域26から各演算データを読み出し、ログデータ28を作成する。CPU21は、作成されたログデータ28を記憶部25へ書き込む。ログデータ28は、機械4へ入力されるデータ、機械4から出力されるデータ、および機械4の内部データからなる各演算データを含む。 [0026] 図3は、コンピュータ2のハードウェア構成を示す図である。コンピュータ2は、CPU31、RAM32、ROM(Read Only Memory)33、記憶部34、入力部35、表示部36および通信インタフェース37を備える。コンピュータ2の各部は、バスBを介して相互に接続されている。 ・・・・・ [0034] 図5は、コンピュータ2におけるグラフ表示画面の一例を示す図である。グラフ表示処理部16は、ステップごとの各演算データを記録部14にて記録した結果をデータ格納部13から読み出して、グラフ表示のための処理を実行する。 [0035] 図5に示すグラフ表示画面の右側領域には、ラダープログラムの構成要素ごとのグラフが縦方向に並列されている。各グラフの縦軸は演算データを表し、横軸はステップ番号を表している。グラフ表示画面の左側領域には、グラフ上にカーソルが配置されることで指定された時点における各演算データが表示される。 [0036] 図5に示すグラフ表示画面には、構成要素「D20」、「D40」、「D50」および「D100.B」についてのグラフおよび演算データが表示されている。グラフ表示画面は、構成要素ごとに色分けしてグラフおよび演算データを表示しても良い。グラフの横軸に示すステップ番号の範囲は任意に変更可能であっても良い。なお、グラフは、図5に例示する線グラフに限られない。グラフは、順序情報と演算データとの関係を表示可能ないずれのグラフであっても良く、棒グラフ、あるいはその他のグラフであっても良い。 [0037] 図6は、図5に示すグラフ表示画面におけるグラフ表示のためのPLC1およびコンピュータ2における処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態にかかるデバッグ支援方法は、ステップS1からステップS5の工程を含む。ステップS1において、PLC1の記録部14は、シーケンスプログラムの実行が開始された時からのステップごとに、データ格納部13内の各演算データを読み出す。記録工程であるステップS2において、記録部14は、ラダープログラムの構成要素ごとの演算データをステップ番号に対応付けて記録し、ログデータを作成する。ステップS3において、ログデータ格納部15は、記録部14で生成されたログデータを格納する。 [0038] このように、PLC1は、ステップごとの演算データを記録することで、シーケンスプログラムの実行に合わせて、ステップごとの演算データを連続して取得する。PLC1は、シーケンスプログラムの最初のステップから最後のステップまでの全てのステップの演算データを取得しても良く、全てのステップのうち一部のステップの演算データを取得しても良い。一部のステップの演算データを取得する場合とは、あるステップ数おきのステップの演算データを取得し、その他のステップの演算データの取得を省略する場合を含む。ステップごとの演算データを連続して取得する場合とは、全てのステップの演算データを取得する場合と、一部のステップの演算データを取得する場合とを含む。 [0039] ステップS4において、コンピュータ2のグラフ表示処理部16は、ログデータ格納部15からログデータを読み出す。提示処理工程であるステップS5において、グラフ表示処理部16は、読み出されたログデータを基に、構成要素ごとについてのステップ番号と演算データとの関係を表すグラフをグラフ表示画面に表示させる。これにより、グラフ表示処理部16は、順序情報と、ステップごとの演算処理にて扱われる演算データとの関係を、表示部36でのグラフ表示により提示させる。 ・・・・・ [0052] 実施の形態1によると、デバッグ支援装置は、ステップごとの演算データを記録し、グラフにて指定されたステップ番号における演算データを即座に提示する。ユーザは、異常検出のためのシミュレーション機構を別途使用せずに、異常発生時における演算データをシーケンスプログラムとともに確認することができる。また、ユーザは、異常発生時のデータの絞り込みを行わなくても、少ない作業によって異常の要因を即座に確認することができる。ユーザは、スキャンを単位とする演算データが記録される場合に比べて、細かい粒度のログデータから異常の要因を特定することができる。 [0053] デバッグ支援装置は、記録部14にて、ステップごとの演算データを連続して取得する。記録部14は、入力デバイスおよび出力デバイスの演算データのみならず、入力デバイスおよび出力デバイスとは直接関係しない内部デバイスの演算データも取得する。デバッグ支援装置は、入力デバイスおよび出力デバイスのみの断片的なログデータに代えて、入力デバイスおよび出力デバイスのほか内部デバイスの演算データも含む連続的なログデータを記録する。デバッグ支援装置は、連続的かつ細かい粒度で記録されたログデータを基に、ステップ番号および演算データの関係を提示可能とする。ユーザは、ステップ番号および演算データの関係を参照することで、異常が生じた時点における演算データを効率良く確認することができ、シーケンスプログラムのバグを容易に特定することができる。これにより、デバッグ支援装置は、バグの容易な特定によってデバッグの工数を削減可能とし、デバッグを効率化させることができる。」 イ 図面 「[図1] 」 「[図2] 」 「[図3] 」 「[図5] 」 「[図6] 」 ウ 上記ア及びイの記載事項からみて、甲1には以下の事項が記載されていることが認められる。 (ア)段落[0014]の記載からみて、シーケンスプログラム27aは、プログラム格納部11に格納され、プログラム実行部12で実行されるものである。また、シーケンスプログラム27aが繰り返し実行されることは自明な事項である。 (イ)段落[0023]−[0025]の記載からみて、データ格納部13の機能は、メモリ22を使用して実現される([0024])ものであって、メモリ22内の作業領域26は複数のデータ領域が確保され([0024])、シーケンスプログラム27aのステップごとに各演算データを読み出す([0025])ものであることから、データ格納部13は、プログラム実行部12により参照されるメモリ22内にある作業領域26の複数のデータ領域を有することが認められる。 (ウ)段落[0025]、[0037]の記載からみて、シーケンスプログラム27aを1ステップ実行すると、機械4の内部デバイスの演算データを、ステップごとに対応付けて記録し、ログデータを作成することが認められる。 (エ)段落[0020]、[0037]の記載からみて、上記(ウ)のログデータは、記録工程(図6のステップS2)で作成された後、プログラム格納部11とは異なるログデータ格納部15に保存されるものであって、段落[0015]−[0016]、[0037−[0039]の記載からみて、この保存は、コンピュータ2にてグラフ表示により提示可能な形式でされることが認められる。 エ 甲1記載の発明(以下、「甲1発明」という。) したがって、甲1には、以下の甲1発明が記載されている。 「シーケンスプログラム27aを格納するプログラム格納部11と、 前記プログラム格納部11に記憶されたシーケンスプログラム27aを繰り返し実行するプログラム実行部12と、 前記プログラム実行部12により参照される作業領域26の複数のデータ領域を有するデータ格納部13と、 前記プログラム実行部12がシーケンスプログラム27aを1ステップ実行するごとに、前記作業領域26の複数のデータ領域のいずれかに記憶されている演算データを収集し、シーケンスプログラム27aのステップごとに対応付けてログデータを作成する記録部14と、 ログデータが作成された後、ログデータを、前記プログラム格納部11とは異なるログデータ格納部15に、コンピュータ2にてグラフ表示により提示可能な形式で格納する記憶部25と を有するPLC1。」 (2)甲3の記載事項 ア 発明の詳細な説明 「【0002】 プログラマブルロジックコントローラ(以下、PLCと称す)は、FA(Factory Automation)制御システムにおいて広く使用されているシーケンス制御装置であり、ラダープログラムと呼ばれる専用プログラムにしたがって動作する。・・・・・ 【0003】 オペレータは、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)などのプログラム作成支援装置上でラダープログラムを作成し、PCとPLCを接続し、ラダープログラムをPLCの記憶部に記憶させる。PLCの記憶部にはデバイス情報等の各種データも記憶される。・・・・・ 【0004】 ・・・・・PLCの動作を変更したり修正したりするためには、PC上でラダープログラムを修正し、各種パラメータ値を含む設定情報を、再度、PLCの記憶部にロードしなければならない(特許文献1)。以下、PLCの動作を変更したり修正したりするための一連の作業をメンテナンス作業と呼ぶ。 ・・・・・ 【0006】 従来においてメンテナンス作業を実行するためにはPCを現場(PLCが設定されている工場など)に持参し、通信ケーブルを介してPLCにPCを接続する必要があった。PLCは、工場の配電盤などに取り付けられており、通信ケーブルの接続口の設置場所によっては、オペレータが通信ケーブルを接続する作業は必ずしも容易ではなかった。つまり、PCを持参することが面倒であるばかりか、さらに、PCとPLCを接続する作業も煩雑であった。また、PCとPLCとを接続する通信ケーブルに異常があると、それを交換する必要があり、メンテナンス作業の効率を低下させてしまっていた。ときには、多数のPLCに対して同一のメンテナンス作業を実行したい場合があり、この場合、各PLCに対して通信ケーブルの着脱を繰り返さなければならず、煩雑であった。更に言えば、秘匿性の高い工場など、そもそも汎用PCをセキュリティ上の問題で現場に持ち込むことが難しい現場もあった。したがって、汎用PCを用いなくても、より簡易かつ確実な方法でメンテナンス作業を実行できるようにすることが市場から求められている。 【0007】 そこで、本発明は、従来よりも簡易かつ確実な方法でメンテナンス作業を実行できるようにすることを目的とする。 ・・・・・ 【0012】 図1(A)は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)の外観を示す斜視図である。PLCはたんにプログラマブルコントローラと呼ばれることもある。図1において、PLC1は本体2とオペレーションモジュール3とに分離されている。本体2には、リミットスイッチ、センサなどの入力機器と接続するための入力端子群4と、電磁開閉器、ソレノイド、モータ、アクチュエータ、シリンダ、リレー、位置決めシステムなどの出力機器と接続するための出力端子群5とを備えている(図1ではカバーがかかっている)。また、本体2の外側にはモジュールカセット形態のオペレーションモジュール3を収容する収容部6を備えている。つまり、オペレーションモジュール3は、本体2の収容部6に対して取り付けたり、取り外したりすることが可能である。収容部6には、オペレーションモジュール3を位置決めするためのボス8(円筒形状の突起部)と、オペレーションモジュール3の内部の制御部や記憶部と通信するためのコネクタ7が設けられている。オペレーションモジュール3の背面(後面)には、ボス8が嵌合する不図示の穴部が設けられている。また、オペレーションモジュール3の背面には、コネクタ7の接点と接触する端子が設けられている。また、オペレーションモジュール3の側面にはメモリカードを挿入するためのカードスロット13が設けられている。カードスロット13の位置は、オペレーションモジュール3の前面であってもよいし、背面であってもよい。なお、本実施形態ではメモリカードを挿入するためのカードスロット13を設けているが、これを設けない構成でも勿論よい。この場合、オペレーションモジュール3内に、不揮発性の記憶媒体が設けられる。 ・・・・・ 【0019】 オペレーションモジュール3の側面に設けられたカードスロット13には、図2に示すように、メモリカード14が挿入される。メモリカード14には、PCなどのプログラム作成支援装置により作成されたプロジェクトデータ(ラダープログラムや各種のパラメータ)が記憶されたり、PLC1はオペレーションモジュール3からデバイス情報などがセーブされたりする。メモリカード14は、ログラマブルロジックコントローラの本体にロードされる設定情報を記憶した記憶部の一例である。 【0020】 図3は、2つの収容部を本体2に備えたPLC1を示している。これらの複数の収容部は、それぞれ共通の形状と共通の接点とを有している。一方の収容部にはオペレーションモジュール3が取り付けられており、他方の収容部にはシリアル通信モジュール9が取り付けられている。このように収容部6に対して各モジュールは形状およびコネクタに関して互換性がある。そのため、オペレーションモジュール3とシリアル通信モジュール9とを入れ替えて収容部6に取り付けることもできる。これにより、必要な収容部6(スロット)の数を減らすことができ、PLC1の筐体の小型化に資することができる。特に、収容部6が2個あるため、多機能化と筐体小型化とを同時に実現することができる。なお、シリアル通信モジュール9は、PCなどのプログラム作成支援装置や、拡張ユニット、入力機器、出力機器などの被制御機器とシリアル通信するためのコネクタを備えた通信モジュールである。ここでは、2つの収容部を本体2に設けられているが、3つ以上の収容部6が本体2に設けられていてもよい。このように収容部6は、オペレーションモジュール3だけでなく、他の用途のモジュールを取り付けられるように構成されていてもよい。つまり、収容部6を1つだけ備えることができる小型のPLCであっても、本発明を適用できる。たとえば、ラダープログラムを転送可能なプログラムモードでPLC1が作動しているときはオペレーションモジュール3を取り付け、ラダープログラムを実行するランモードでPLC1が作動しているときはシリアル通信モジュール9を取り付けるといった使い方も可能である。なお、モジュールの取り付けと取り外しは、基本的に、PLC1の電源をOFFにしてから実行される。 【0021】 図4は、PLC1の本体2のブロック図である。本体2の内部に設けられたコントローラは、CPUやASICなどの論理回路、メモリなどの記憶装置を備えている。制御部20は、記憶部用ドライバ36を介して記憶部30にアクセスする。つまり、制御部20からのライトコマンドやリードコマンドにしたがって、記憶部用ドライバ36は、記憶部30へ情報を書き出す書き出し部、および、記憶部30から情報を読み出す読み出し部として機能する。記憶部30は、プログラム作成支援装置50から通信部35を介して受信したラダープログラム31やデバイス情報34などの設定情報を保持する保持部として機能する。デバイス情報34は、記憶部30に確保された記憶領域であるデバイス33に記憶される。ログデータ32は、制御部20がラダープログラム31を実行した結果を示すデータである。また、記憶部30は、オペレーションモジュール3からロードされた設定情報を保持する保持部として機能する。 【0022】 制御部20は、本体2に接続されている被制御機器を記憶部30に保持されている設定情報にしたがって制御する被制御機器制御部として機能する。制御部20は、被制御機器の制御機能に加えて、本実施形態に特有の機能を実現する各種の制御部を備えている。データロック制御部21は、たとえば、オペレーションモジュール3のメモリカード14に記憶されているデータの消去、上書き、変更などを許容したり禁止したりするための制御部である。ロード制御部22は、たとえば、オペレーションモジュール3の記憶部に記憶されているラダープログラムやデバイス情報などの設定情報を、本体2の記憶部30にロードする処理を制御する。つまり、ロード制御部22は、オペレーションモジュール3が収容部6に取り付けられているときに、メモリカード14に記憶されている設定情報を本体2に対してロードするためのロード指示が操作部11を通じて入力されると、メモリカード14に記憶されている設定情報を本体2に対してロードするロード制御部として機能する。セキュリティ制御部23は、オペレーションモジュール3に対する特定の操作を禁止する操作禁止機能を制御する制御部である。セーブ制御部24は、記憶部30に記憶されているラダープログラム31、ログデータ32、デバイス情報34などをオペレーションモジュール3の記憶部にセーブする処理を制御する。データクリア制御部25は、記憶部30にラダープログラム31、ログデータ32、デバイス情報34などを部分的または全体的にクリアしたり、オペレーションモジュール3に記憶されているデータやプログラムなどを部分的または全体的にクリアしたりする処理を制御する。プロパティ表示制御部26は、オペレーションモジュール3のメモリカード14に記憶されているプロジェクトデータのプロパティ情報を表示部10に表示するプロパティ表示処理を制御する。 ・・・・・ 【0028】 メモリカード14は、オペレーションモジュール3の記憶部である。メモリカード14に代えて、内蔵型の記憶デバイスが採用されてもよい。内蔵型の記憶デバイスにデータをライトしたり、データをリードしたりするためには、たとえば、オペレーションモジュール3を(PLC1の本体2に接続した状態で)プログラム作成支援装置50などのPCに接続すればよい。オペレーションモジュール3とプログラム作成支援装置50との間の通信インタフェースは、無線(例:IrDA、NFC、ブルートゥース(登録商標)、無線LANなど)であってもよいし有線(例:RS−232CやUSB、イーサネット(登録商標)など)であってもよい。メモリカード14は、オペレーションモジュール3から取り外され、プログラム作成支援装置50のカードリーダ51に取り付けられてもよい。プログラム作成支援装置50はカードリーダ51を通じて、設定情報の一例であるラダープログラム71、デバイス情報74などをメモリカード14に書き込むことができる。デバイス情報74は、記憶部として機能するメモリカード14に確保された記憶領域であるデバイス73に記憶されていてもよい。また、プログラム作成支援装置50はカードリーダ51を通じてメモリカード14からログデータ72やデバイス情報74などの設定情報を読み出すことができる。 ・・・・・ 【0037】 <ロード処理> 図8は、ロード制御部22が実行するロード処理の各工程を示したフローチャートである。ロード処理とは、オペレーションモジュール3から本体2に対して設定情報を書き込む処理のことである。本実施形態では、プログラム作成支援装置50をPLC1に接続しなくても、オペレーションモジュール3から本体2に対して設定情報をロードできる。そのため、簡易かつ確実にPLC1をメンテナンスできるようになる。 ・・・・・ 【0041】 図7(C)は、ロード確認画面の一例を示している。ロード確認画面は、ロードの準備が完了した段階で表示部10に表示される画面であるため、ロード準備完了画面と呼ばれてもよい。ロード確認画面には、メモリカード14に記憶されている設定情報を本体2に対してロードするかどうかを問い合わせるメッセージが含まれていてもよい。図7(C)が示すように、ロード確認画面には、ロード処理が選択されていること、ロードの実行を問い合わせるメッセージ、および設定情報から読み出されたプロジェクト名が含まれていてもよい。なお、プロジェクト名は、オペレータが任意に付与できるものであり、様々なプロジェクトデータを識別するための名称である。ロード確認画面を参照することで、オペレータは意図した設定情報を安全かつ確実にロードできるようになる。つまり、意図していない設定情報がメモリカード14に格納されているときは、オペレータは、ロードを中止できるようになる。 ・・・・・ 【0054】 <セーブ処理> セーブ処理は、PLC1の本体2に保持されている設定情報(例:ラダープログラム31、ログデータ32、デバイス情報34など)をオペレーションモジュール3のメモリカード14に書き出す処理である。これにより、オペレータは、PLC1の動作状態や設定状態をプログラム作成支援装置50などのPCにおいて分析しやすくなる。オペレーションモジュール3に搭載される表示部10もスペースの制約から数十文字を表示できる程度であることが多い。よって、PLC1のログデータ32やデバイス情報を詳細に分析したり、ラダープログラム31を本格的に修正したりすることは、オペレーションモジュール3だけでは難しい。そこで、PLC1の本体2に保持されている設定情報をオペレーションモジュール3に転送し、さらにオペレーションモジュール3またはメモリカード14をPCに接続する。これにより、オペレータは、PC上で本格的な修正や分析を実行できるようになる。 ・・・・・ 【0061】 このように、表示部10は、本体2の記憶部30に保持されている設定情報をオペレーションモジュール3のメモリカード14にセーブするかどうかを問い合わせるメッセージを表示するように構成されている。操作部11は、本体2の記憶部30に保持されている設定情報をオペレーションモジュール3のメモリカード14にセーブするためのセーブ指示を受け付けるように構成されている。セーブ制御部24は、操作部11を通じてセーブ指示が入力されると、メモリカードドライバ37を通じて記憶部30に保持されている設定情報を読み出して、メモリカード14にセーブする。これにより、PLC1の本体2に保持されている設定情報を、プログラム作成支援装置50を本体2に接続せずに、取り出すことが可能になる。これにより、プログラム作成支援装置50などのPC上でより詳細に設定情報を分析しやすくなろう。また、上述したように、セーブとロードを繰り返すことで、PLC1の複製を簡易に作り出すことができるであろう。」 イ 図面 「【図1】 」 「【図4】 」 「【図5】 」 ウ 上記ア、イの記載事項からみて、甲3には以下の事項が記載されていることが認められる。 (ア)PLC1は、本体2とオペレーションモジュール3とに分離することができ、オペレーションモジュール3は、本体2の収容部6に対して取り付けたり、取り外したりすることが可能であること(段落【0012】)。 (イ)オペレーションモジュール3は、PLC1の本体2に収容部6に取り付けることで、PLC1の本体2の記憶部30に保持されている設定情報(例:ラダープログラム31、ログデータ32、デバイス情報34など)をオペレーションモジュール3のメモリカード14に書き出すセーブ処理が行われ(段落【0054】)、また、メモリカード14からPLC1の本体2の記憶部30に書き込むロード処理が行われること(段落【0037】)。 (ウ)プログラム作成支援装置50はカードリーダ51を通じて、設定情報をオペレーションモジュール3のメモリカード14に書き込むことができ、メモリカード14から設定情報を読み出すことができること(段落【0028】)。 エ 甲3記載の技術的事項 したがって、上記ウ(ア)−(ウ)より、甲3には、「ログデータ32」を「ラダープログラム31」とともに、「ラダープログラム31」の格納部である「記憶部30」とは異なる「メモリカード14」に書き込むこと(以下、「甲3記載の技術的事項」という。)が記載されている。 3 当審の判断 (1)本件発明と甲1発明の対比 ア 甲1発明の「シーケンスプログラム27a」は本件発明の「ユーザプログラム」に、以下同様に、「プログラム格納部11」は「プログラム記憶部」に、「プログラム実行部12」は「プログラム実行部」に、「データ格納部13」は「デバイス記憶部」に相当する。そして、甲1発明でシーケンスプログラム27aを「格納」することは、本件発明でユーザプログラムを「記憶」することに相当し、甲1発明のプログラム実行部12により参照される「作業領域26の複数のデータ領域」は本件発明のプログラム実行部により参照される「記憶領域である複数のデバイス」に相当する。 イ 甲1発明の「前記プログラム実行部12がシーケンスプログラム27aを1ステップ実行するごと」と、本件発明の「前記プログラム実行部がユーザプログラムを1スキャン実行するごと」を対比すると、「前記プログラム実行部がユーザプログラムを実行すると」という限りにおいて一致する。また、甲1発明の「前記作業領域26の複数のデータ領域のいずれかに記憶されている演算データ」は、本件発明の「前記複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値」に相当する。そして、甲1発明のシーケンスプログラムのステップは、時間順に実行されるから、甲1発明の「シーケンスプログラム27aのステップごとに対応付けてログデータを作成する記録部14」は、本件発明の「時系列に記録するデバイス記録部」に相当する。 ウ 甲1発明の「プログラム格納部11とは異なるログデータ格納部15」は本件発明の「プログラム記憶部とは異なるメモリ」に相当し、以下同様に、「記憶部25」は「保存部」に、「PLC1」は「プログラマブルロジックコントローラ」に相当する。そして、甲1発明のログデータには、本件発明のデバイス値に相当する演算データが含まれているから、甲1発明において、「ログデータを、」「コンピュータ2にてグラフ表示により提示可能な形式で格納する」ことは、本件発明において、「前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、」「外部機器にて再生可能な形式で」「保存する」ことに相当する。また、甲1発明において、「ログデータが作成された後、」ログデータを格納することと、本件発明において、「ログ設定情報に基づき定められる保存条件が満たされると、」デバイス値を保存することとを対比すると「所定の条件が満たされると、」デバイス値を保存するという限りにおいて一致する。 (2)本件発明と甲1発明の一致点及び相違点 したがって、本件発明と甲1発明は以下の点で一致し、相違する。 ア 一致点 「ユーザプログラムを記憶するプログラム記憶部と、 前記プログラム記憶部に記憶されたユーザプログラムを繰り返し実行するプログラム実行部と、 前記プログラム実行部により参照される記憶領域である複数のデバイスを有するデバイス記憶部と、 前記プログラム実行部がユーザプログラムを実行すると、前記複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値を収集し、時系列に記録するデバイス記録部と、 所定の条件が満たされると、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、前記プログラム記憶部とは異なるメモリに、外部機器にて再生可能な形式で保存する保存部と を有するプログラマブルロジックコントローラ」 イ 相違点 (ア)相違点1 本件発明では、プログラム記憶部に「ログ設定情報」を記憶し、「ログ設定情報に基づき定められる保存条件が満たされると」、デバイス値を、「当該保存条件が満たされたときに前記プログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムとともに」、メモリに、「対応付けて」保存するのに対して、甲1発明では、プログラム記憶部(プログラム格納部11)に本件発明の「ログ設定情報」に相当するものを記憶しておらず、「ログデータが作成された後」、デバイス値(演算データを含むログデータ)を、メモリ(ログデータ格納部15)に保存する点。 (イ)相違点2 デバイス記録部がデバイス値を収集するのが、本件発明は、ユーザプログラムを「1スキャン実行するごと」であるのに対して、甲1発明は、ユーザプログラム(シーケンスプログラム27a)を「1ステップ実行するごと」である点。 (3)相違点の検討 相違点1について検討する。 ア 甲3記載の「メモリカード14」に対して行われる上記2(2)エの甲3記載の技術的事項は、上記2(2)ウ(ア)−(ウ)の記載内容からみて、プログラム作成支援装置50によるラダープログラム31の修正(メンテナンス作業)を支援するために、PLC1とプログラム作成支援装置50間で設定情報を伝達するためのものである。 そして、甲1発明は、シーケンスプログラム(ラダープログラム)のデバッグを支援するために、PLC1とコンピュータ2の間でログデータを伝達するものであるから、甲1発明と甲3記載の技術的事項とは、いずれもラダープログラムの実行により得られるログデータを記録し、それを外部機器で再現することでラダープログラムの修正などのデバッグを実行する点で共通するものである。 また、甲3には、従来のメンテナンス作業において、PCを工場などの現場に持参して、通信ケーブルを介してPLCにPCを接続する必要があるため、PCを持参することが面倒であるうえに、PCとPLCを接続する作業も煩雑である旨の課題が示されており(段落【0006】)、甲3記載の技術的事項は、この課題を解決するために、PLCの設定情報(ラダープログラムやログデータ、デバイス情報のこと。段落【0054】)をメモリカード14に書き出して、メモリカード14を介してPCで設定情報を分析しようとするものである。 甲1発明は、PLC1とコンピュータ2をネットワークケーブル3で接続すること(甲1の図1)を当然の前提としているから、甲3記載の技術的事項が解決しようとする課題を内在しているということができ、甲1発明に甲3記載の技術的事項を適用する動機があるというべきである。 イ しかしながら、上記甲1発明、及び甲3記載の技術的事項は、いずれも、本件発明の上記相違点1に係る「ログ設定情報」に関する事項を含まない。すなわち、「ログ設定情報」を「プログラム記憶部」に記憶すること、及び「ログ設定情報に基づき定められる保存条件が満たされると」、デバイス値を、「その保存条件が満たされたときにプログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムとともに」、メモリに、「対応付けて」保存すること(以下、「ログ設定情報に関する事項」という。)を開示するものではない。 なお、当審は、申立人に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、申立人は、「ログ設定情報に関する事項」に関する新たな証拠を提出する等の応答をしなかった(上記第1)。 ウ したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲3記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 エ そして、請求項2−9は、いずれも請求項1を引用する引用形式請求項であって、請求項2−9に係る発明は、それぞれ、本件発明に対してさらに発明特定事項を追加したものであるから、本件発明と同様に、甲1発明及び甲3記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 小括 よって、取消理由通知に記載した取消理由により、本件請求項1−9に係る特許を取り消すことはできない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 申立人が提出した証拠 申立人が提出した証拠のうち、甲1、甲3、甲6−8は、上記第4の1に示すとおりである。また、甲2、4−5は、以下のとおりである。 甲2:特開2003−76405号公報 甲4:特開2016−224559号公報 甲5:特開2014−52672号公報 2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要 申立人は、特許異議申立書において、本件発明の特許法第29条第2項違反について、以下の主張をした。 主張(1)本件発明は、甲1発明、及び甲2と甲3に記載した周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。(特許異議申立書45−46ページ) 主張(2)本件発明は、甲1発明、及び甲2に係る発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。(特許異議申立書47−49ページ) 3 申立人の主張の検討 上記第4の3で検討したとおり、甲1発明、及び甲3記載の技術的事項は、いずれも、本件発明の上記相違点1に係る「ログ設定情報に関する事項」を開示しない。そして、甲2についてみても、シーケンス制御プログラムの実行履歴を記録することによって、過去の操作を容易に再現する(段落【0014】)ことを目的として、デバイスから得られたデータをプログラムと対応付けて蓄積する(段落【0015】)ことの開示はあるが、デバイスのデータをプログラムと対応付けて蓄積する際に、「ログ設定情報に関する事項」が関与することについて、開示がない。 したがって、甲1−3に係る発明のいずれからも本件発明に至ることはなく、申立人の上記主張(1)、及び(2)は、採用することができない。 また、申立人が提出したその他の各甲号証についてみても、やはり、本件発明の上記相違点1に係る「ログ設定情報に関する事項」の記載はないから、本件発明について当業者が容易に発明をすることができたことの根拠を見出すことができない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1−9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に、本件請求項1−9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ユーザプログラムとログ設定情報とを記憶するプログラム記憶部と、 前記プログラム記憶部に記憶されたユーザプログラムを繰り返し実行するプログラム実行部と、 前記プログラム実行部により参照される記憶領域である複数のデバイスを有するデバイス記憶部と、 前記プログラム実行部がユーザプログラムを1スキャン実行するごとに、前記複数のデバイスのいずれかに記憶されているデバイス値を収集し、時系列に記録するデバイス記録部と、 前記ログ設定情報に基づき定められる保存条件が満たされると、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、当該保存条件が満たされたときに前記プログラム記憶部に記憶されているユーザプログラムとともに、前記プログラム記憶部とは異なるメモリに、外部機器にて再生可能な形式で対応付けて保存する保存部と を有することを特徴とするプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項2】 前記ユーザプログラムは複数のプログラム部品から構成されており、 前記複数のプログラム部品を管理するプロジェクトデータの一部として前記ユーザプログラムは前記プログラム記憶部に記憶されており、 前記保存部は、前記ユーザプログラムを含む前記プロジェクトデータを出力するとともに、当該プロジェクトデータの識別情報を保存するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項3】 前記プログラマブルロジックコントローラは、メインユニットと拡張ユニットとを有し、 前記プロジェクトデータは、前記拡張ユニットの設定情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項4】 前記保存部は、さらに、前記プログラム実行部により前記ユーザプログラムが繰り返し実行される際に参照され、前記デバイス記録部に時系列に記録されたデバイス値を、当該ユーザプログラムの識別情報と対応付けて、前記メモリに保存するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項5】 前記ユーザプログラムの識別情報は、前記ユーザプログラムが変更されると更新される識別情報であることを特徴とする請求項4に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項6】 前記ユーザプログラムの識別情報は、前記ユーザプログラムから演算される誤り検出符号またはハッシュ値であることを特徴とする請求項5に記載のプログラマブルロジックコントローラ。 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のプログラマブルロジックコントローラと接続されるプログラム作成支援装置であって、 表示部と、 前記プログラマブルロジックコントローラの保存部により保存されたユーザプログラムを前記表示部に表示させるとともに、当該保存部により保存されたデバイス値を、当該ユーザプログラムに記述されているデバイスと関連付けて前記表示部の第一の表示領域に再生表示させるログ表示部と、 を有することを特徴とするプログラム作成支援装置。 【請求項8】 前記ログ表示部は、さらに、前記プログラマブルロジックコントローラの保存部により保存された時系列のデバイス値からなる波形を前記表示部の第二の表示領域に再生表示させるとともに、前記第一の表示領域と当該第二の表示領域とで連動した再生表示を行うことを特徴とする請求項7に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項9】 前記プログラム作成支援装置は、前記表示部を介したユーザ入力に基づいて、前記ユーザプログラムを編集する編集部を備えることを特徴とする請求項8に記載のプログラム作成支援装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-02-08 |
出願番号 | P2018-199200 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(G05B)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
刈間 宏信 |
特許庁審判官 |
大山 健 田々井 正吾 |
登録日 | 2020-09-01 |
登録番号 | 6757386 |
権利者 | 株式会社キーエンス |
発明の名称 | プログラマブルロジックコントローラおよびプログラム作成支援装置 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 坂本 隆志 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 特許業務法人第一国際特許事務所 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 坂本 隆志 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 特許業務法人第一国際特許事務所 |