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審決分類 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C12M
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  C12M
審判 一部申し立て 2項進歩性  C12M
審判 一部申し立て 1項2号公然実施  C12M
管理番号 1384196
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-09-15 
確定日 2022-01-06 
異議申立件数
事件の表示 特許第6845228号発明「インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイス」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6845228号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6845228号の請求項1に係る特許についての出願は、平成28年5月20日(パリ条約による優先権主張 2015年5月21日 オランダ)を国際出願日とする出願であって、令和3年3月1日に特許の設定登録がされ、同年同月17日に特許掲載公報が発行された。その特許に対し、令和3年9月15日に特許異議申立人青木恵子により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
特許第6845228号の請求項1に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
・細胞培養物を維持するためのスキャフォールド物質が少なくとも部分的に充填された細胞培養チャンバー、及び
・前記スキャフォールド物質に沿って流体流を誘導するための、前記細胞培養チャンバーと連通する流体流路
を備える本体部を含む、
インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイスであって、
前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き;
『スキャフォールド物質』という用語は、3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質を指し、
前記アクセスポートが、前記細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらすために、前記細胞培養チャンバーの直上に提供されること、及び、前記本体部が、前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み、前記制限壁が、少なくとも1つの通路開口部を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。」
(以下、「本件発明」という。)

第3 異議申立の理由
異議申立人が主張する申立の理由は、概略、次のとおりのものである。
1 異議申立理由1(甲第1号証に基づく新規性欠如)
本件発明は、本件特許の優先日前日本国内または外国において頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明であって、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができないから、本件発明に係る特許は、同法113条2号の規定により取り消されるべきものである。

2 異議申立理由2(甲第2号証に基づく新規性欠如)
本件発明は、甲第2号証によって示され、甲第4、5号証によって確認される、本件特許の優先日前に公然実施された発明であって、特許法29条1項2号に該当し、特許を受けることができないから、本件発明に係る特許は、同法113条2号の規定により取り消されるべきものである。

3 異議申立理由3(甲第3号証に基づく新規性欠如)
本件発明は、甲第3号証によって示され、甲第4、5号証によって確認される、本件特許の優先日前に公然実施された発明であって、特許法29条1項2号に該当し、特許を受けることができないから、本件発明に係る特許は、同法113条2号の規定により取り消されるべきものである。

4 異議申立理由4(甲第6及び1号証に基づく進歩性欠如)
本件発明は、甲第6号証に記載された発明及び甲第1号証に記載された発明に基づいてその出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、本件発明に係る特許は、同法113条2号の規定により取り消されるべきものである。

5 異議申立理由5(明確性要件違反)
本件特許請求の範囲の請求項1において、「マイクロ流体デバイス」、「スキャフォールド物質」、「流体流路」、「直接アクセス」、「直上」及び「制限壁」がそれぞれ何を意味するのか明確でなく、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていないから、本件発明に係る特許は、同法113条4号の規定により取り消されるべきものである。

[証拠方法]
甲第1号証: 国際公開第2010/149292号
甲第2号証: OrganoPlate(R) 2-lane in a nutshell. [online]. MIMETAS B.V., [Retrieved on 2021.09.13]. Retrieved from the Internet: (合議体注:丸囲みのRを「(R)」として示す。)
甲第3号証: OrganoPlate(R) 3-lane in a nutshell. [online]. MIMETAS B.V., [Retrieved on 2021.09.13]. Retrieved from the Internet:
甲第4号証: YouTube video OrganoPlate 2-lane/3-lane. December 4,2013,
甲第5号証: YouTube video PrganoPlate 2-lane/3-lane.の4場面の静止画
甲第6号証: Trong Binh Tran et al., Biosensors and Bioelectronics, 2013, vol.50, pp.453-459
(以下、「甲1」、「甲2」等という。)

第4 当合議体の判断
1 証拠の記載事項
(1)甲1の記載事項
甲1には、次の事項が記載されている。なお、以下の翻訳文による摘記は、甲1に対応する日本語出願の公表公報である特表2012−529896号公報の記載に基づくものであり、その段落番号も便宜上そのまま記載した。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的マイクロ流体工学チップおよびそのような生物学的マイクロ流体工学チップを使用する方法に関する。便宜上、生物学的マイクロ流体工学チップを、「バイオチップ」と称することもある。」
イ 「【0012】
生物学的マイクロ流体工学チップ(バイオチップ)を、ウェル内に位置する細胞、胚および幼生の培養および研究に使用することができ、マイクロ流体チャネルを、ウェルに一つまたは複数のマイクロ流体を供給するために使用することができ、ウェルから一つまたは複数のマイクロ流体を取り除くためにも使用することができる。」
ウ 「【0038】
複数のウェルは、端と端をつなげた2つの円錐台形状を縦断面が含む形状を有し、該円錐台形状の細い方の端部が連結され得る。ウェルは、円形または正方形の水平断面を有する「砂時計」形状を有することができる。円錐台形状は、先端が切り取られた円錐またはピラミッド、例えば底部が正方形のピラミッドであってもよい。」
エ 「【0057】
図2は、本発明の態様によるバイオチップ200のウェル202の側面断面図を示している。」
オ 「【0062】
基板の第1の層204と第2の層206との間の境界におけるウェル202の水平断面は、連続的なウェル202がもたらされるように2つの層204、206それぞれにおいて実質的に同じである。ウェル202の先端と先端をつなげた2つの円錐台形状部分は、ウェル202を全体として考えると、「砂時計」形状の縦断面を提供しているとみなされうることを、理解されたい。
【0063】
砂時計形状を有するウェル202を設けることは、ウェル202の内容物の画像化に関して有利となりうる。例えば、この形状を有するウェル202は、バイオチップ200の上方または下方のどちらからも、基板の不必要な領域204、206を見通すことなく、ウェル202の内容物を観察/分析/測定することを可能にし得る。画像化を、典型的には、顕微鏡によって実施することができ、マイクロ流体工学チップを、顕微鏡観察に合わせた等級のガラス層で製造することができる。第1、第2、および第3の層204、206、218の間の境界は、ウェルの内容物の画像化に影響を与えない。他の態様においては、ウェルが全長にわたって一定の断面形状およびサイズを有するように、ウェルの壁が平坦/平面状である。
【0064】
ウェル202は、マイクロ流体チャネル207に流体連通した第1の開口部208を有している。この例では、マイクロ流体チャネル207は、流体の入口である。開口部208は、ウェル202の下面216に隣接している。」
カ 「【0084】
図6は、ゼブラフィッシュの胚604について実験を実施している、使用時の本発明の態様によるバイオチップ300のウェル602の縦断面図を示している。
【0085】
この例では、胚604は、自身の卵膜606によって囲まれ、胚がウェルにおいて動き回ることがないように低融点アガロース608(処理ロボットによってウェルへ注入される)に埋め込まれている。アガロース608は凝固してゲルとなるが、試料を傷めたり、気体/栄養素の交換を妨げたりすることがなく、胚体外の膜(卵膜606)を通じて試験薬物を注入するために好都合でありうる。ゲル608は、生じうる感染の拡散を抑えることもできる。バイオチップ600の各ウェル602は、並列に走るマイクロ流体入口チャネル610を介して所定の緩衝液を安定してまたは絶えず供給されることで、微生物の交差汚染および隣接ウェルへの薬物漏出のリスクを低減する。加えて、プラスチックまたはガラスであってもよくかつ注入のためにウェルの開口部を露出させるべく引っ込めることができるスライド式の蓋を介して、薬物を、ピペット処理ロボットによって投与することができる。」
キ 「【図2】


ク 「【図6】



(2)甲2の記載事項
甲2は、「オルガノプレート(R)2−レーンの簡単な説明」と題する文献であって、次の事項が記載されている。
ア 「チップレイアウト

」(第1頁)
イ 「ウェルレイアウト
ECMチャネル

ゲル注入口(緑色)
細胞を含む、あるいは含まない細胞外マトリックス(ECM)ゲルをECMチャネルに加えるために使用。」(第1頁)
ウ 「オルガノプレート(R)2−レーンでの培養構成例
ゲル中組織

」(第2頁)
エ 「オルガノプレート(R)2−レーン製品仕様書

」(第2頁)

(3)甲3の記載事項
甲3は、「オルガノプレート(R)3−レーンの簡単な説明」と題する文献であって、次の事項が記載されている。
ア 「チップレイアウト

」(第1頁)
イ 「ウェルレイアウト
ECMチャネル

ゲル注入口/出口(緑色)
細胞を含む、あるいは含まない細胞外マトリックス(ECM)ゲルをウェル内へのピペッティングによってゲルチャネルに加えるために使用。」(第1頁)
ウ 「オルガノプレート(R)3−レーンでの培養構成例
ゲル中組織

」(第2頁)
エ 「オルガノプレート(R)3−レーン製品仕様書

」(第2頁)

(4)甲4の開示事項
甲4は、2013年12月4日に電気回線を通じて公衆に利用可能となった動画であって、オルガノプレート(R)2−レーン及び同3−レーンを紹介するものである。

(5)甲5の記載事項
甲5は、甲4の4場面の静止画である。

(6)甲6の記載事項
甲6は、本件第1優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった学術論文であって、次の事項が記載されている。(なお、英語で記載されているので、当審による翻訳文で示す。)
ア 「細胞生存率測定及び薬物毒性スクリーニングのための電気細胞−基板間インピーダンス・センシング(ECIS)を統合したハイドロゲルベースの拡散チップ」(第453頁タイトル)
イ 「本研究では、ハイドロゲルベースの細胞チップと電気的細胞基板インピーダンスセンシング(ECIS)技術を統合した新しい分析法を開発し、ハイスループットなリアルタイム細胞生存率測定法と薬物スクリーニングに適用した。薬物の拡散モデルをシミュレーションするために、我々はハイドロゲルをベースとした組織を模倣する構造体を開発した。この構造体にはマイクロ流路が設けられており、不要な流れがないため、長期的に安定した濃度勾配を生成することができる。勾配線に沿って、4つの個別の微小電極を設置し、薬物の影響下にある細胞の生存率に起因するインピーダンス信号の変化を記録した。細胞のインピーダンス変化を観察することで、チャネルに沿った拡散プロセスで生成される様々な濃度値の刺激に対応する治療法の細胞毒性を推定することに成功した。また、信頼性の高いIC50値や時間−用量関係も得られた。リアルタイムモニタリング機能、非侵襲性、無標識検出、時間短縮、簡単な操作という利点を持つこの統合デバイスは、細胞生存率アッセイや薬剤スクリーニングのためのハイスループット細胞べースオンチッププラットフォームとして有望である。」(第453頁要約)
ウ 「2.2.セルチップの組み立て
PDMS(ポリジメチルシロキサン)モールドを一般的な成形方法で作成し、図2に示すように、2本のマイクロチャネル(35mm×2mm×0.5mm)が並列に連結され、1つの拡散チャンバー(10mm×5mm×2mm)がある構造を作成した。各チャネルとチャンバーには、バブルトラップ付きの入口と出口を作成した。・・・微小電極プラットフォームと完全に組み立てられたセルチップの実像を図2bに示す。」(第454頁右欄第15行〜第456頁左欄第6行)
エ 「

図2(a)条件チャネルを制御チャネルと接続する、拡散チャンバを有する細胞チップの断面図。(b)ECISプラットフォームの実画像と完全な細胞チップ」(第454頁図2)
オ 「2.3.細胞の播種
細胞播種のプロトコールを図3aに示す。(I)細胞播種の前に、チャンバーをL−システインで処理して表面を均ーにし、細胞の接着性を高め、界面インピーダンスを安定させた。大量のL−システイン(10mM)チャンバー内に送り込み、45分間保持した後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS1×)で3回注意深く洗浄した。(II)細胞懸濁液の適切なアリコートを調製し、適切な濃度に希釈した。1日後、細胞はチャンバーの表面に単層を形成し、電極を完全に覆った。PBSで調製した1%アガロースゲルは、一般的な手順に従ったものである。(III)2つのチャネルをブロックし、培地溶液を出口からチャンバーから完全に除去した。(IV)アガロースゲル液をポンプで入れ、空いたスペースを埋めた。細胞層への熱的影響を最小限にするためには、ポンプ内のゲル液が約40℃以下であることが重要である。ゲル化後、蟻動ポンプを起動し、目的の薬液を条件チャネルに、薬液を含まない溶液を制御チャネルに循環させる。マイクロ流路に薬液を循環させるのは、今後の分析・評価のために刺激源の濃度を一定に保つためである。このシステムを再びインキュベーターに設置し、外部のECISシステムに接続して信号を記録した。」(第455頁左欄第7行〜右欄第7行)
カ 「

図3(a)細胞播種およびハイドロゲル形成過程」(第455頁図3)

2 異議申立理由1(甲第1号証に基づく新規性欠如)についての判断
(1)引用発明の認定
甲1は、上記1(1)のア及びイのとおり、ウェル内の細胞の培養に使用することのできる生物学的マイクロ流体工学チップの発明を開示するものであって、その一態様である砂時計型の形状のもの(上記1(1)ウ〜オ、キ)を用いてゼブラフィッシュの胚を培養する具体例(上記1(1)カ、ク)が記載されている。この具体例に基づけば、甲1には次のとおりの発明が記載されていると認めることができる。
「・くびれ部分を有する砂時計型の形状のウェルであって、ゼブラフィッシュの胚を埋め込んだ低融点アガロースゲルが部分的に充填された前記ウェル、及び
・前記ウェルの底面に連通するマイクロ流体入口チャネルと、前記ウェルのくびれ部分に連通するマイクロ流体出口チャネル
を備える生物学的マイクロ流体工学チップであって、
前記低融点アガロースゲルの上方の前記ウェルが、外側上面に向かって開いている、生物学的マイクロ流体工学チップ。」
(以下、「甲1発明」という。)

(2)対比
甲1発明と本件発明とを対比すると、甲1発明の「ゼブラフィッシュの胚」、「低融点アガロースゲル」、「マイクロ流体入口及び出口チャネル」及び「生物学的マイクロ流体工学チップ」は、それぞれ、本件発明の「細胞培養物」、「スキャフォールド物質(3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質)」、「流体流路」、及び「本体部を含む、インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイス」に該当する。
また、甲1発明の「くびれ部分を有する砂時計型の形状のウェル」は、本件発明の「細胞培養チャンバー」、「制限壁(少なくとも1つの通路開口部を含む)」及び「アクセスポート」を合わせた構造に対応するものといえ、甲1発明の「前記低融点アガロースゲルの上方の前記ウェルが、外側上面に向かって開いている」は、本件発明の「前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き」及び「前記アクセスポートが、前記細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらすために、前記細胞培養チャンバーの直上に提供されること」に相当する。
したがって、本件発明と甲1発明とは、次の点で一致するということができる。
「・細胞培養物を維持するためのスキャフォールド物質が少なくとも部分的に充填された細胞培養チャンバー、及び
・前記スキャフォールド物質に沿って流体流を誘導するための、前記細胞培養チャンバーと連通する流体流路
を備える本体部を含む、
インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイスであって、
前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き;
『スキャフォールド物質』という用語は、3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質を指し、
前記アクセスポートが、前記細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらすために、前記細胞培養チャンバーの直上に提供されること、及び、前記制限壁が、少なくとも1つの通路開口部を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。」
しかしながら、次のとおり、甲1発明は、本件発明の「前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質」及び「前記本体部が、前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み」という発明特定事項を有するものとは認めることができない。
すなわち、甲1発明の「くびれ部分を有する砂時計型の形状のウェル」について検討すると、このうち、「低融点アガロースゲルが充填された部分」、「低融点アガロースゲルが充填されていない部分」、及び「くびれ部分」が、それぞれ、本件発明の「細胞培養チャンバー」、「アクセスポート」及び「制限壁」に対応する構造であるといえる。
そして、甲1発明において、「ゼブラフィッシュの胚を埋め込んだ低融点アガロースゲル」が「くびれ部分」よりも上方まで充填されている場合には、「くびれ部分」が、本件発明の「細胞培養チャンバー」に対応する部分に含まれることになるから、甲1発明は、本件発明の「前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み」という発明特定事項を満たしていないことになる。
一方、甲1発明において、「ゼブラフィッシュの胚を埋め込んだ低融点アガロースゲル」が「くびれ部分」よりも下方までしか充填されていない場合には、甲1発明は、本件発明の「前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み」という発明特定事項は満たしている。しかし、甲1発明は「マイクロ流体出口チャネル」が「ウェルのくびれ部分に連通」しているのだから、「くびれ部分」よりも下方までしか充填されていない「低融点アガロースゲル」(本件発明の「スキャフォールド物質」に相当)は、「マイクロ流体出口チャネル」(本件発明の「流体流路」に相当)を「低融点アガロースゲルが充填されていない部分」(本件発明の「アクセスポート」に相当)から分離する役割を果たすことはできず、本件発明の「前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質」という発明特定事項を満たさないことになる。
以上のとおり、本件発明は甲1発明と同一であるということはできないから、異議申立理由1は理由がない。

3 異議申立理由2(甲第2号証に基づく新規性欠如)についての判断
(1)引用発明の認定
甲2は、「オルガノプレート(R)2−レーンの簡単な説明」と題する文献であって、その発行日は不明であるが、本願優先日前に電気回線を通じて公衆に利用可能となった「オルガノプレート(R)2−レーン」を紹介する動画である甲4及びその静止画である甲5と併せみるに、甲2に記載され、甲4及び甲5で紹介された「オルガノプレート(R)2−レーン」は、本願優先日前に公然実施されたものであると認めることができる。そして、上記1(2)ア〜エ、(4)及び(5)によれば、「オルガノプレート(R)2−レーン」は、次のとおりのものであると認めることができる。
「・細胞培養物を維持するためのECMゲルが充填されたECMチャネル、及び
・前記ECMゲルに沿って流体流を誘導するための、前記ECMチャネルと連通する灌流チャネル
を備える本体部を含む、オルガノプレート(R)2−レーンであって、
前記ECMチャネルは、その末端上面に、前記本体部の外側上面へ開いた丸い孔である、ゲル注入口を有しており、その直上に前記ゲル注入口に対応して四角く開口した上面プレートを有し、
前記ECMチャネルと前記灌流チャネルとの連通部分において、前記ECMゲルは、フェーズガイドに沿って固化した結果、灌流チャネルとの障壁を形成していることを特徴とする、オルガノプレート(R)2−レーン。」
(以下、「甲2発明」という。)

(2)対比及び判断
甲2発明と本件発明とを対比すると、甲2発明の「細胞培養物を維持するためのECMゲル」、「ECMチャネル」、「灌流チャネル」、及び「四角く開口した上面プレート」は、それぞれ、本件発明の「細胞培養物を維持するためのスキャフォールド物質(3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質)」、「細胞培養チャンバー」、「流体流路」、及び「アクセスポート」に相当する。また、甲2発明の「オルガノプレート(R)2−レーン」は、その寸法(上記1(2)エ)からみて、本件発明の「インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイス」に相当するといえる。さらに、甲2発明の「前記ECMチャネルは、その末端上面に、前記本体部の外側上面へ開いた丸い孔である、ゲル注入口を有しており、その直上に前記ゲル注入口に対応して四角く開口したトッププレートを有し、」は、本件発明の「前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き」に相当し、甲2発明の「前記ECMゲルは、フェーズガイドに沿って固化した結果、灌流チャネルとの障壁を形成している」ことは、本件発明の「前記スキャフォールド物質」が「前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する」ことに相当する。
したがって、本件発明と甲2発明とは、次の点で一致するということができる。
「・細胞培養物を維持するためのスキャフォールド物質が少なくとも部分的に充填された細胞培養チャンバー、及び
・前記スキャフォールド物質に沿って流体流を誘導するための、前記細胞培養チャンバーと連通する流体流路
を備える本体部を含む、
インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイスであって、
前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き;
『スキャフォールド物質』という用語は、3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質を指し、
前記アクセスポートが、前記細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらすために、前記細胞培養チャンバーの直上に提供されること、マイクロ流体デバイス。」
しかしながら、次のとおり、甲2発明は、本件発明の「制限壁」に相当する構造を有しているとは確認できず、「前記本体部が、前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み、前記制限壁が、少なくとも1つの通路開口部を含むこと」という本件発明の発明特定事項を満たすものとは認めることができない。
すなわち、甲2(上記1(2)ア、イ)には、「ECMチャネル」が黄緑色で示されているところ、いずれにおいても、「ゲル注入口」があるA1位置においては丸い形状となっていることから、「丸い孔」である「ゲル注入口」の直下の「ECMチャネル」部分は、「ゲル注入口」と同じ大きさの丸い断面を有している、言い換えれば、「ゲル注入口」の直下の「ECMチャネル」部分は、円筒形であって、その上面が「ゲル注入口」として開口しているものと推測される。甲2発明を紹介する甲4及び5を参酌しても同様に推測され、少なくとも、甲2発明の「ゲル注入口」の直下の「ECMチャネル」部分が「ゲル注入口」より広い断面積を有しており、本件発明の「制限壁」に相当する構造を有しているとは確認することができない。
そうすると、たとえ甲2発明の「ゲル注入口」が本件発明の「通路開口部」に相当するとしても、甲2発明には、本件発明の「制限壁」に相当する構造を認めることはできない。
したがって、本件発明は甲2発明と同一であるということはできず、異議申立理由2は理由がない。

4 異議申立理由3(甲第3号証に基づく新規性欠如)についての判断
甲3は、上記1(3)のとおり、甲2に記載されたオルガノプレート(R)−2レーンと、レーン数のみが異なるオルガノプレート(R)−3レーンを開示するものである。そして、レーン数の違いは、上記3(1)のとおり、本件発明と対比すべき引用発明の認定に影響を及ぼすものではないから、甲3からも甲2発明と同様の発明が認定されることになる。
そうすると、上記3(2)と同様の理由により、本件発明は甲3に記載された発明であるということはできず、異議申立理由3は理由がない。

5 異議申立理由4(甲第6及び1号証に基づく進歩性欠如)についての判断
(1)引用発明の認定
甲6は、上記1(6)アのとおり、細胞生存率測定及び薬物毒性スクリーニングのためのハイドロゲルベースの拡散チップを開示する学術論文であって、セルチップの組み立て(上記1(6)ウ)及びそれを用いた細胞の播種(上記1(6)エ)の記載に基づくと、次のとおりの発明が記載されていると認められる。
「・細胞培養物を維持するためのアガロースゲルが充填されたチャンバー、及び
・前記アガロースゲルに沿って流体流を誘導するための制御チャネル及び条件チャネル
を備えるPDMSモールド、及びプラットフォームとを含む、
細胞生存率アッセイ及び薬物毒性スクリーニングのための拡散チップであって、
前記チャンバーの上面に、細胞懸濁液を注入するための入口と、注入された細胞懸濁液中の細胞がチャンバー底表面に単層を形成した後に培地を除去するための出口とを備えることを特徴とする、拡散チップ。」
(以下、「甲6発明」という。)

(2)対比
甲6発明と本件発明とを対比すると、甲6発明の「細胞培養物を維持するためのアガロースゲル」、「チャンバー」、「制御チャネル及び条件チャネル」、及び「PDMSモールド、及びプラットフォーム」は、それぞれ、本件発明の「細胞培養物を維持するためのスキャフォールド物質(3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質)」、「細胞培養チャンバー」、「流体流路」、及び「本体部」に相当する。また、甲6発明の「細胞生存率アッセイ及び薬物毒性スクリーニングのための拡散チップ」は、「マイクロ流路」を有するものと記載されていること(上記1(6)イ)やその寸法(上記1(6)ウ)から、本件発明の「インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイス」に相当するといえる。したがって、両発明の一致点及び相違点は、次のとおりのものと認められる。
一致点: ・細胞培養物を維持するためのスキャフォールド物質が少なくとも部分的に充填された細胞培養チャンバー、及び
・前記スキャフォールド物質に沿って流体流を誘導するための、前記細胞培養チャンバーと連通する流体流路
を備える本体部を含む、
インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイスであって、
前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが上面へと開いた開口部を有し;
「スキャフォールド物質」という用語は、3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質を指すことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
相違点: 本件発明は、「アクセスポート」及び「制限壁」を備えており、当該「アクセスポート」の用途や位置に関して、「前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き;」という発明特定事項(a)を有し、「アクセスポート」及び「制限壁」の用途、位置ないし構造に関して、「前記アクセスポートが、前記細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらすために、前記細胞培養チャンバーの直上に提供されること、及び、前記本体部が、前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み、前記制限壁が、少なくとも1つの通路開口部を含む」という発明特定事項(b)を有するのに対して、甲6発明は、「アクセスポート」も「制限壁」も備えておらず、それらに関する本件発明の上記発明特定事項(a)も(b)も有していない点。

(3)判断
上記相違点について検討するに、本件発明と甲6発明とは、「前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが上面へと開いた開口部を有し」という点で共通するものの、本件発明の「開口部」は、上記発明特定事項(a)のとおり、「前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質への直接アクセス」という用途のために、「前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内」という位置に開いているものであるのに対して、甲6発明のそれは、「細胞培養液を注入する」及び「注入された細胞培養液中の細胞がチャンバー底表面に単層を形成した後に培地を除去する」という用途のために、「チャンバーの上面」に直接開いているものである。そして、甲6の記載及び本件優先日当時の技術常識を参酌しても、甲6発明の「開口部」を上述の本件発明の用途のものとする動機はないし、本件発明の「アクセスポート」を付加する動機もない。
したがって、甲6発明に「アクセスポート」を付加して、本件発明の上記発明特定事項(a)を有するものとすることは、当業者といえども、容易になし得たことではない。「アクセスポート」に加えて、甲6発明が備えていない「制限壁」に関しても特定する、本件発明の上記発明特定事項(b)については、なおさらである。
異議申立人は、本件発明と甲6発明との相違点は、甲6と技術分野が同一で同様の用途の甲1に記載された構成を適用することで当業者が容易に推考し得るものである旨主張するが、上記2(2)のとおり、甲1には、本願発明の発明特定事項(a)のうちの「前記流体流路をアクセスポートから分離する流体流障壁を形成する前記スキャフォールド物質」及び発明特定事項(b)のうちの「前記本体部が、前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み」が記載されているとは認められないので、採用することはできない。
以上のとおりであるから、異議申立人が主張する異議申立理由4は理由がない。

6 異議申立理由5(明確性要件違反)についての判断
(1)「マイクロ流体デバイス」について
ア 異議申立人の主張
請求項1の「マイクロ流体デバイス」が何を意味するのか、明確ではない。明細書の段落【0005】に定義はあるが、マイクロスケール、ナノスケールの範囲が明確でない。
イ 判断
「マイクロ」とは、10−6倍を意味し、物の大きさに関しては、通常10−6m、すなわちマイクロメートルスケールのものを意味するのが通常である。実際、明細書には、次の通り、本件発明の「マイクロ流体デバイス」は、上述の通常の意味の「マイクロ」な大きさの流体デバイスを指すものとして定義付けられており、明確である。
「【0043】本明細書で使用する「マイクロ流体デバイス」という用語は、小さなスケール、典型的にはミリメートル未満のスケールに幾何学的に制約された流体の正確な制御及び操作を可能にし、細胞培養物、特に3D細胞培養物の実験に好適な任意のデバイスを指す。」
異議申立人は、明細書の段落【0005】の「マイクロ流体デバイスを用いて、正確に画定された幾何学形状において、流体流をマイクロメートル及びナノリットルスケールで制御できる。マイクロ単位の幾何学的寸法ゆえに、流体流動は層流であり、非常に低量の流体体積の配置が可能である。」の記載を指摘して不明確である旨主張する。当該段落は、背景技術に関する記載であるところ、「マイクロ流体デバイス」を、上述の通常の意味の「マイクロ」な大きさの流体デバイスと解釈して矛盾のないものであって、本件発明の「マイクロ流体デバイス」を不明確にすることはない。

(2)「スキャフォールド物質」について
ア 異議申立人の主張
請求項1において「スキャフォールド物質」は「3次元の空間的関係で生きている細胞を維持することができる任意の物質」と定義され、明細書の段落【0045】には液体、ゲル、固体のいずれでもよい旨記載されているが、不明確で、その範囲が広すぎる。
イ 判断
請求項1では、「「スキャフォールド物質」という用語は、3次元の空間的関係において生細胞を維持することが可能な、任意の物質を指し」と明確に定義付けられており、特許請求の範囲の請求項1において、特許を受けようとする発明が不明確であるとすることはできない。
異議申立人が指摘する明細書の段落【0045】の、液体、ゲル、固体のいずれでもよい旨の記載も、請求項1における上記定義の範囲内のものとして理解すべきで、請求項1の「スキャフォールド物質」を不明確にするものではない。

(3)「流体流路」について
ア 異議申立人の主張
請求項1の「流体流路」は、明細書の段落【0048】に「一定量の流体が流れて通過できる任意の空間、たとえばコンパートメント、チャネル、チャンバー、又はキャビティを指す。」と定義されているから、下水道のダクトや運河も該当し、不明確であり、その範囲が広すぎる。
イ 判断
本件発明は、上記(1)のとおり、マイクロメートルスケールの「流体デバイス」であるのだから、それに含まれる「流体流路」(明細書の段落【0048】で説明されたとおりの、一定量の流体が流れて通過できる任意の空間)の規模も自ずと決まるのであって、不明確ではない。下水道のダクトや運河が該当しないことはいうまでもない。

(4)「直接アクセス」について
ア 異議申立人の主張
請求項1の「直接アクセス」は、「間接アクセス」と区別するために使用されているのか、明確でない。
イ 判断
請求項1には、「前記スキャフォールド物質の上方の前記培養チャンバーが、・・・前記スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き;」と記載されており、「直接アクセス」とは、文言どおり、アクセスポートを通じて培養チャンバーに「直接的にアクセスすること」、例えば、明細書の段落【0011】に記載されたとおり、アクセスポートを通じて培養チャンバーに、直接スキャフォールド物質を提供する、直接細胞を播種または回収する、直接サンプリングすることなどを意味することが明らかである。

(5)「直上」について
ア 異議申立人の主張
請求項1の「直上」(異議申立書には「真上」と記載されているが、「直上」の誤記と認める。)は、わずか上にある場合も該当するのか、不明確である。
イ 判断
請求項1には、「前記アクセスポートが、前記細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらすために、前記細胞培養チャンバーの直上に提供されること」と記載されており、「細胞培養チャンバーに対する遮られない視野をもたらす」という目的を達成できる限度で「直上」に位置するものとして明確である。

(6)「制限壁」について
ア 異議申立人の主張
請求項1の「制限壁」は不明確である。明細書の段落【0019】に「制限壁は、アクセスポート内に適用される物質を培養チャンバーへと誘導する手段を提示する一方で、その下に提供されるスキャフォールド物質及び細胞培養物をある程度保護する。たとえば、アクセスポートは、注入手段、たとえばシリンジ又はピペットの先端部の導入が、制限壁まで可能なような寸法であってもよく、そのことにより、かかる注入手段が培養チャンバー内のスキャフォールド物質の完全性に影響を与えるのを防止する。」とあるが、どのような寸法を選択する必要があるのか不明である。例えば、注射器とピペットは寸法が全く異なるから、制限壁と通路開口部がピペット用の寸法である場合、それより小さい物質(注射器)を使用するとスキャフォールド物質は損傷してしまう。
イ 判断
請求項1には、「前記本体部が、前記アクセスポートと前記培養チャンバーとの間に制限壁を含み、前記制限壁が、少なくとも1つの通路開口部を含む」と記載されており、「制限壁」は「アクセスポートと培養チャンバーの間」に有りさえすればよく、「制限壁」に含まれる「通路開口部」は、請求項1の「培養チャンバーが、・・・スキャフォールド物質への直接アクセスのために、前記本体部の外側上面に提供されるアクセスポート内へと開き」という構成を満たすよう、開口さえしていればよいものと解すべきであって、不明確ではない。
異議申立人が指摘する明細書の段落【0019】は、請求項1において上述のとおりに解される「制限壁」が、「アクセスポート内に適用される物質を培養チャンバーへと誘導」したり、「スキャフォールド物質及び細胞培養物をある程度保護する」という機能を果たすことを説明するにすぎず、「制限壁」の寸法を不明確にするものではない。

(7)小括
このとおり、異議申立人が指摘するいずれの点によっても、請求項1において特許を受けようとする発明が不明確であるとすることはできず、異議申立理由5は理由がない。

第5 むすび
以上のとおり、異議申立人が主張する異議申立理由1〜5によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2021-12-22 
出願番号 P2018-513262
審決分類 P 1 652・ 113- Y (C12M)
P 1 652・ 537- Y (C12M)
P 1 652・ 121- Y (C12M)
P 1 652・ 112- Y (C12M)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 田村 聖子
特許庁審判官 吉森 晃
長井 啓子
登録日 2021-03-01 
登録番号 6845228
権利者 インテクリプト・ベー・フェー
発明の名称 インビトロ3D細胞培養実験のためのマイクロ流体デバイス  
代理人 堀江 健太郎  
代理人 森下 賢樹  
代理人 阿部 達彦  
代理人 村山 靖彦  
代理人 実広 信哉  
代理人 楠田 大輔  

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