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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  G01N
審判 全部申し立て 2項進歩性  G01N
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G01N
管理番号 1384203
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-09-21 
確定日 2022-01-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第6862155号発明「外観検査装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6862155号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6862155号(以下「本件特許」という。)に係る出願(以下「本願」という。)は、平成28年11月24日の出願であって、令和3年4月2日にその請求項1ないし8に係る発明について特許権の設定登録がなされ、令和3年4月21日に特許掲載公報が発行され、その後、請求項1ないし8に係る特許に対して、令和3年9月21日付けで特許異議申立人 平賀博(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされたものである。

第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし8に係る発明(以下「本件発明1」ないし「本件発明8」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
透光性を有する包装フィルムに形成されたポケット内に内容物を収容して、該包装フィルムを所定方向に搬送し、搬送方向における所定の位置で前記ポケットの開口部を塞ぐように前記包装フィルムにカバーフィルムを接着してPTPシートを製造する装置に付設され、前記内容物の外観を検査する外観検査装置であって、
前記カバーフィルムが接着される位置よりも搬送方向上流側の搬送路において、前記包装フィルムの幅方向に設定された第1検査領域と対向するように、前記ポケットの開口部側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケットの開口部側から撮像する第1撮像機構と、
前記第1検査領域と対向するように、前記ポケット開口部の反対側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケット開口部の反対側から照明する第1照明機構と、
前記第1撮像機構と前記第1検査領域との間に位置するように、前記包装フィルムを挟んで前記第1照明機構とは反対側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケットの開口部側から照明する第2照明機構と、
前記第1撮像機構、前記第1照明機構及び前記第2照明機構の動作を制御する制御装置とを備え、
前記第1照明機構は、
前記搬送方向において、前記第1検査領域より上流側及び下流側に、前記第1検査領域に沿って配設され、それぞれ前記第1検査領域に向けたライン状の光を照射する一対の第1照射部と、
前記一対の第1照射部に沿って、該一対の第1照射部と前記第1検査領域との間にそれぞれ配設された一対の第1偏光板とを備え、
前記第2照明機構は、
前記搬送方向において、前記第1検査領域より上流側及び下流側に、前記第1検査領域に沿って配設され、それぞれ前記第1検査領域に向けたライン状の光を照射する一対の第2照射部と、
前記一対の第2照射部と前記第1撮像機構との間にそれぞれ位置するように、前記搬送方向において、前記第1検査領域より上流側及び下流側に、前記第1検査領域に沿ってそれぞれ配設された一対の反射板と、
前記一対の第2照射部と前記一対の反射板との間に、各反射板に沿ってそれぞれ配設され、前記各反射板に向けてそれぞれライン状の光を照射する一対の第3照射部と、
前記一対の反射板と前記第1検査領域との間に、前記各反射板に沿ってそれぞれ配設された一対の第2偏光板とを備えており、
前記一対の反射板は、前記一対の第3照射部から照射された光をそれぞれ前記第1検査領域に向けて反射するように配置され、
前記第2偏光板は、その偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と交差しており、
前記制御装置は、第1照射部から光を照射するタイミングと第2照射部及び第3照射部から光を照射するタイミングとが異なるように、前記第1照明機構及び前記第2照明機構を動作させるとともに、前記各照射部から光を照射させたタイミングで前記第1撮像機構を動作させることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記第1照明機構は、前記第1検査領域に向けて赤色光を照射する第4照射部を更に備えており、
前記制御装置は、前記第1照射部から光を照射するタイミングと、前記第2照射部及び前記第3照射部から光を照射するタイミングと、前記第4照射部から赤色光を照射するタイミングとが異なるように、前記第1照明機構及び前記第2照明機構を動作させるとともに、前記各照射部から光を照射させたタイミングで前記第1撮像機構を動作させることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記第1照明機構は、前記第1検査領域に向けて赤色光及び白色光を選択的に照射する第4照射部を更に備えており、
前記制御装置は、前記第1照射部から光を照射し、前記第4照射部から白色光を照射するタイミングと、前記第2照射部及び前記第3照射部から光を照射するタイミングと、前記第4照射部から赤色光を照射するタイミングとが異なるように、前記第1照明機構及び前記第2照明機構を動作させるとともに、前記各照射部から光を照射させたタイミングで前記第1撮像機構を動作させることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記第4照射部は、赤色光を発する複数の発光部と白色光を発する複数の発光部とを備えており、前記赤色光を発する発光部と前記白色光を発する発光部とが千鳥状に配設されてなることを特徴とする請求項3記載の外観検査装置。
【請求項5】
前記第1撮像機構と前記第1検査領域との間に第3偏光板が配設されるとともに、
前記第2照明機構は、前記一対の第2照射部に沿って、該一対の第2照射部と前記第1検査領域との間にそれぞれ配設された一対の第4偏光板を更に備え、
前記第3偏光板は、その偏光軸が前記第4偏光板の偏光軸と交差していることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの外観検査装置。
【請求項6】
前記一対の第2偏光板と前記一対の第4偏光板とは、その前記上流側同士、及び下流側同士が一体的に形成されていることを特徴とする請求項5記載の外観検査装置。
【請求項7】
前記カバーフィルムが接着される位置と前記第1検査領域との間の搬送路において、前記包装フィルムの幅方向に設定された第2検査領域と対向するように、前記ポケット開口部の反対側に配設され、前記第2検査領域内の前記内容物を前記ポケット開口部の反対側から撮像する第2撮像機構と、
前記第2検査領域と対向するように、前記ポケットの開口部側に配設され、前記第2検査領域内の前記内容物を前記ポケットの開口部側から照明する第3照明機構を更に備えており、
前記第3照明機構は、前記搬送方向において、前記第2検査領域より上流側及び下流側に、前記第2検査領域に沿って配設され、それぞれ前記第2検査領域に向けたライン状の光を照射する一対の第5照射部を有しており、
前記制御装置は、前記第3照明機構を動作させ、前記第5照射部から光を照射させたタイミングで、前記第2撮像機構を動作させることを特徴とする請求項1乃至6記載のいずれかの外観検査装置。
【請求項8】
前記カバーフィルムが接着される位置よりも搬送方向下流側の搬送路において、前記包装フィルムの幅方向に設定された第3検査領域と対向するように、前記ポケット開口部の反対側に配設され、前記第3検査領域内の前記内容物を前記ポケット開口部の反対側から撮像する第3撮像機構と、
前記第3撮像機構と前記第3検査領域との間に配設され、前記第3検査領域内の前記内容物を前記ポケット開口部の反対側から照明する第4照明機構を更に備えており、
前記第4照明機構は、前記搬送方向において、前記第3検査領域より上流側及び下流側に、前記第3検査領域に沿って配設され、それぞれ前記第3検査領域に向けたライン状の赤外光及び可視光を選択的に照射する一対の第6照射部を有しており、
前記制御装置は、赤外光を照射するタイミングと可視光を照射するタイミングとが異なるように、前記第4照明機構の動作を制御するとともに、赤外光及び可視光を照射させたタイミングで前記第3撮像機構を動作させることを特徴とする請求項1乃至7記載のいずれかの外観検査装置。」

第3 異議申立理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証ないし甲第10号証を提出し、以下の異議申立理由(以下「異議申立理由」という。)によって、本件発明1ないし8に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。
<異議申立理由>
1.特許法第29条第2項進歩性)について
甲第1号証:特開2007−271351号公報
甲第2号証:特開2012−13474号公報
甲第3号証:特開平7−151695号公報
甲第4号証:特開2002−139444号公報
甲第5号証:特開2009−103487号公報
甲第6号証:特開2006−292419号公報
甲第7号証:国際公開第2006/123421号
甲第8号証:特開2012−47582号公報
甲第9号証:特開2016−105084号公報
甲第10号証:特開2015−206711号公報

本件発明1は、甲第1ないし3号証に記載された発明と甲第4及び5号証に例示された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明2及び3は、甲第1ないし3号証に記載された発明と甲第4ないし6号証に例示された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明4は、甲第1ないし3号証に記載された発明と甲第4ないし9号証に例示された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明5及び6は、甲第1ないし3号証に記載された発明と甲第4ないし9号証に例示された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明7及び8は、甲第1ないし3号証に記載された発明と甲第4ないし10号証に例示された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
(いずれも、甲第1号証に記載された発明を主発明としている。)
したがって、本件発明1ないし8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
よって、その特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

2.特許法第36条第6項第1号(サポート要件)、特許法第36条第4項第1号実施可能要件)について
本件特許請求の範囲および本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載には不備があり、本件発明1ないし8は、特許法第36条第6項第1号、及び特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対して特許されたものである。
よって、その特許は、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

第4 異議申立理由についての判断
1.甲第1ないし10号証の記載事項及び甲第1ないし10号証から認定される発明及び技術
(1)甲第1号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2007−271351号公報(甲第1号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。(下線は当審が付与した。以下同様。)
ア 「【0001】
本発明は、例えば薬剤等の物品を検査する物品検査装置に関する。」

イ 「【0004】
図3は、包装機100の内部に検査装置を配置した物品検査システムの構成を示している。シート供給部13から供給される包装用シート(以下、単にシートと呼ぶ)12には凹部11−1が一定間隔で二次元的に形成されている。凹部11−1が形成されたシート12は錠剤供給部10へと搬送される。錠剤供給部10は内部に蓄積された各錠剤11を順次搬入されてくるシート12の凹部11−1に1個づつ収納していく。
【0005】
シート12の搬送路に沿ってその下方に透過用光源14が、その上方にカメラ16が対向するように配置されている。また、シート12の搬送路に沿ってその上方に反射用光源15と反射用カメラ17とが並置されている。
【0006】
各凹部11−1に錠剤が収納されたシート2が透過用光源14の位置まで搬送されると、透過用光源14は当該シート2をその下方から照射する。このときの透過光がカメラ17に入射されることにより撮影が行われる。このとき得られる撮影画像に基づいて主として錠剤やカプセルの割れ、欠け、大きさ、長さ、へこみ等を検出することができる。
【0007】
次に、各凹部11−1に錠剤が収納されたシート2が反射用光源15の位置にまで搬送されると、反射用光源15は当該シートを上方から照射する。シート12からの反射光はカメラ17に入射されることにより撮影が行われる。このとき得られる撮影画像に基づいて主として錠剤やカプセルの表面異物や色、文字など透過光では見えない部分の検査を行うことができる。
【0008】
その後、シート2の凹部11−1に収納された錠剤はシート排出部18を介して包装機100の外部に排出される。」

ウ 「【0011】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、高い検出精度を維持したままで省スペースかつ簡単な構成で物品の検査を行うことができる物品検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、帯状のシートに形成された格納部に格納されて前記シートの移動により搬送される物品の良否を検査する物品検査装置であって、前記シートの一側面に沿って所定の間隔をもたせて配置され、前記シートに格納されて搬送される前記物品を照射する透過用光源と、前記シートの他側面に沿って前記透過用光源に対向して配置され、前記シートに格納されて搬送される前記物品を照射する反射用光源と、前記シートと、前記透過用光源との間に配置され、前記反射用光源に対して低い反射率を有し、前記透過用光源に対して低い反射率を有するとともに所定の透過率を有する拡散板と、前記物品を透過した前記透過用光源からの光線と、前記物品を反射した前記反射用光源からの光線とが入射する位置に配置され、前記2つの入射光線に基づいて透過画像と反射画像とを取得する透過/反射画像取得手段と、前記透過/反射画像取得手段により取得された透過画像及び反射画像の少なくとも一方に基づいて前記物品の良否を判定する良否判定手段と、を具備する。」

エ 「【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる物品検査装置の構成を示す図である。ここでは図2と異なる部分のみについて説明する。第1実施形態ではシート12の搬送路を挟んで透過用光源14と反射用光源15とを対向させて配置されている。シート12と透過用光源14との間には拡散部材としての拡散板24が配置されている。さらに、反射用光源15の真上には透過/反射併用カメラ20が配置されている。このような配置により、透過用光源14からの光線は拡散板24及びシート12を透過した後、透過/反射併用カメラ20に入射される。同様にして、反射用光源15からの光線はシート12によって反射された後、透過/反射併用カメラ20に入射される。
【0017】
ここでの拡散板24は、ガラスやアクリル樹脂などで作られた特殊な光拡散板であり、その上面が反射用光源15からの光線を反射して透過/反射併用カメラ20に入射しないように低い反射率を有し、また、拡散板24の下面は、透過用光源14からの光線が反射しないように低い反射率を有し、かつ当該光線がシート12まで到達するように所定の透過率を有することが条件となる。
【0018】
概して拡散板は文字通り光を拡散させる目的で用いるため透明あるいは白色に近い色であるが、ここで用いる拡散板24は、シート12上に格納された錠剤11が明瞭に見えるように黒色系でかつ光の透過性が良いものを用いることとする。このような条件を満たすものの一例としては、例えば、三菱レーヨン社の「アクリライト」の商品名で知られる拡散板(N937(BLACK&WHITE))がある。
【0019】
拡散板24は、透過用光源14が点灯したときには当該光源14からの光線が透過する。また、透過用光源14が消灯したときには暗く見える。このため、透過と反射とを交互にタイミングをとって光らせ、そのときに透過/反射併用カメラ20を同期させて撮像することで、同一位置でかつ透過反射双方の機能をもつ画像取得手段を構成することができる。
【0020】
上記した構成において、シート12の凹部11−1に収納されて順次搬送されてきた錠剤11が透過用光源14の位置に来たときに透過用光源14が順次点灯される。当該光源14からの光線は拡散板24を透過した後、錠剤11を照射する。錠剤11を透過した光線は透過/反射併用カメラ20に入射されて撮影が行われる。また、シート12の凹部11−1に収納されて順次搬送されてきた錠剤11は、反射用光源15の位置に来たときに反射用光源15によっても順次点灯される。当該光源15からの光線は錠剤11によって反射された後、透過/反射併用カメラ20に入射されて撮影が行われる。
【0021】
図2は、透過用光源14と反射用光源15が点灯されるタイミングを示している。図2に示すように、本実施形態では1シート分に対応する時間内でまず透過用光源14が点灯され、次に反射用光源15が点灯されるように制御を行う。このようなタイミング制御によって透過用光源14からの光線に基づく透過画像の取得と、反射用光源15からの光線に基づく反射画像の取得とを一台のカメラ(透過/反射併用カメラ20)で実現することができる。
【0022】
透過/反射併用カメラ20により取得された透過画像及び反射画像は画像バッファ21にいったん格納された後、画像処理部22で所定の画像処理がなされる。良否判定部23では、画像処理された透過画像及び/又は反射画像を用いて錠剤11について良否の判定すなわち欠け錠、割れ錠、異物の付着、また異種の錠剤が混入しているか否かの判定を行い、同時にシート上の異物、毛髪などの検出も行う。
【0023】
なお、図1には示していないが、シーケンス制御部は(光源、カメラの)駆動回路を介してカメラと光源の動作を制御する。カメラは透過用と反射用とを兼用したカメラ20を用いたが、透過用と反射用とで別個のカメラとしてもよい。」

オ 「【図1】



カ 「【図2】



キ 「【図3】



ク 上記「イ、エ、オ及びキ」より、「オ【図1】」の「シート12」も「キ【図3】」のシート12と同様に、「シート12には凹部11−1が一定間隔で二次元的に形成されている。」と読み取れる。

ケ 上記「ア、イ、ウ、オ及びキ」より、甲第1号証には、「シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納して、シート12を搬送し、凹部11−1に別のシートを接着してシート排出部18を介して外部に排出する包装機100において、シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納した後、凹部11−1に別のシートを接着する前にカメラで撮影して、撮影した画像を良否判定部23で判定する検査装置を包装機100の内部に配置した物品検査システム」が見てとれる。

コ 上記「ア ないし ケ」より、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「薬剤等の物品を検査する物品検査システムであって、
シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納して、シート12を搬送し、凹部11−1に別のシートを接着してシート排出部18を介して外部に排出する包装機100において、シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納した後、凹部11−1に別のシートを接着する前にカメラで撮影して、撮影した画像を良否判定部23で判定する検査装置を包装機100の内部に配置した物品検査システムであり、
該検査装置は、
シート12の搬送路を挟んで透過用光源14と反射用光源15とを対向させて配置されており、
シート12と透過用光源14との間には拡散部材としての拡散板24が配置されており、
反射用光源15の真上には透過/反射併用カメラ20が配置されており、
該物品検査システムでは、
シート供給部13から供給されるシート12には凹部11−1が一定間隔で二次元的に形成されており、凹部11−1が形成されたシート12は錠剤供給部10へと搬送され、錠剤供給部10は内部に蓄積された各錠剤11を順次搬入されてくるシート12の凹部11−1に1個づつ収納していき、
シート12の凹部11−1に収納されて順次搬送されてきた錠剤11が透過用光源14の位置に来たときに透過用光源14が順次点灯され、当該光源14からの光線は拡散板24を透過した後、錠剤11を照射し、錠剤11を透過した光線は透過/反射併用カメラ20に入射されて撮影が行われ、
また、シート12の凹部11−1に収納されて順次搬送されてきた錠剤11は、反射用光源15の位置に来たときに反射用光源15によっても順次点灯され、当該光源15からの光線は錠剤11によって反射された後、透過/反射併用カメラ20に入射されて撮影が行われ、
その後、シート2の凹部11−1に収納された錠剤はシート排出部18を介して包装機100の外部に排出され、
透過用光源14と反射用光源15が点灯されるタイミングは、1シート分に対応する時間内でまず透過用光源14が点灯され、次に反射用光源15が点灯されるように制御を行い、透過用光源14からの光線に基づく透過画像の取得と、反射用光源15からの光線に基づく反射画像の取得とを一台のカメラ(透過/反射併用カメラ20)で実現することができ、
シーケンス制御部が、光源及びカメラの駆動回路を介してカメラと光源の動作を制御する、
検査装置及び物品検査システム。」

(2)甲第2号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2012−13474号公報(甲第2号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、チップLEDの封止樹脂部に混入又はその表面に付着した不透光性の異物を検出する検査装置に関する。」

イ 「【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の一具体的な実施の態様につき、図面に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、本例の検査装置1は、検査対象のチップLED50が載置される透明な板状の支持部材5と、この支持部材5より上方に配設され、当該支持部材5上に載置されたチップLED50の表面側の画像を撮像するカメラ6と、支持部材5より上方であり、且つカメラ6の直下に配設された上部照明機構10と、支持部材5を挟んで上部照明機構10と対向するように、支持部材5の下方に配設された下部照明機構7と、カメラ6によって撮像された画像を解析して、撮像したチップLED50の良否を判定する判定部8とを備えている。
【0039】
尚、本例の検査対象物たるチップLED50は、前述の図12に示した形態を有しているものとする。
【0040】
前記支持部材5は、ガラス等、歪みなく光を透過するものであればその材質に制限はなく、また、その形態も剛性の高い板材の他、可撓性のあるシート材であっても良い。
【0041】
前記上部照明機構10は、図1及び2に示すように、第1照明部11と、この下方に連設された第2照明部20とを備えている。
【0042】
第1照明部11は、図2、図4及び5に示すように、椀状をした上本体13、及びこの上本体13の下面に、これと同軸に連設されたリング状の下本体15から構成されるドーム状の本体部12と、本体部12の内部に配設された光源たる複数のLEDランプ19とからなる。
【0043】
前記上本体13は、その内面(凹曲面)13aが反射面となっており、頂部には撮像用の開口14が形成されている。また、前記下本体15の上面には、環状の凹溝16が形成されており、前記LEDランプ19が、その照射方向が上に向くように、前記凹溝16内の底面に、その周方向に沿って等間隔に配設されている。
【0044】
斯くして、この第1照明部11によれば、各LEDランプ19から上方に向けて照射された光が、上本体13の凹曲面13aによって反射され、下本体15の開口部17を通って、その下方に配置されるチップLED50の表面全体を照明する。尚、この第1照明部11による照明は、下方に向けたある程度の指向性を有する間接照明であり、当該第1照明部11は、その下方の円形領域を照明する。
【0045】
前記第2照明部20は、図2及び図6に示すように、上面及び下面に開口部を備え、前記下本体15の下面に、これと同軸に連設されたリング状の本体21と、この本体21に設けられた光源たる複数のLEDランプ23と、本体21の下面に設けられた環状の拡散透光膜24とからなる。
【0046】
前記本体21の下面開口部の内径は、上面開口部の内径よりも大径となっており、その環状をした内部上面に、前記LEDランプ23が、その照射方向が下に向くように、周方向に沿って等間隔に配設されている。
【0047】
斯くして、この第2照明部20によれば、環状に配設された各LEDランプ23からその直下位置を中心とした平面視円形領域内に光が照射され、複数のLEDランプ23全体として、主に、下方の環状領域が高照度領域として照明される。そして、その下方に配置されたチップLED50は、照射される光の内、主に、内側斜め下方に向けて照射される光によって、その表面が照明され、少なくとも、凸曲面部54aの外周部及びこれより外側のチップLED50を含む環状領域が照明される。図8において灰色で示した環状領域が、当該第2照明部20の照明領域であり、上部照明機構10の高さ位置を調整することによって、前記凸曲面部54aの外周部が照明領域に含まれるようにしている。
【0048】
尚、前記拡散透光膜24は、LEDランプ23から照射される光を分散して透過させるもので、前記環状領域内をムラなくほぼ均等な照度で照明するためのものである。
【0049】
また、本体21の上面開口部の内径及び拡散透光膜24の内径は、いずれも前記下本体15の開口部17の内径よりも大径となっており、前記第1照明部11の照明に支障をきたさないようになっている。
【0050】
前記下部照明機構7は、前記支持部材5の下方に該支持部材5と平行に配設され、該支持部材5との対向面が白色の反射面となった板状の部材からなる。この下部照明機構7は、上部照明機構10から照射された光であって、そのまま支持部材5を透過した光、及び支持部材5上のチップLED50と支持部材5とを透過した光を前記反射面で反射して、前記チップLED50の裏面を照明する。
【0051】
前記カメラ6は、前記上本体11の開口14から、その下方のチップLED50の画像を撮像するもので、画像を撮像できるものであればどのようなものでも良く、例えば、エリアセンサカメラやラインセンサカメラを適用することができる。但し、ラインセンサカメラを用いる場合には、チップLED50を所定速度で移動させる必要がある。
【0052】
尚、前記下部照明機構7は、少なくとも前記チップLED50よりも大きい大きさを有している。
【0053】
前記判定部8は、カメラ6によって撮像された画像を解析して、例えば、撮像画像を2値化処理して、チップLED50の封止樹脂54部に異物が存在するか否かを判別する。」

ウ 「【0066】
例えば、下部照明機構7は、これを反射面が白色の反射板から構成したが、これに限られるものではなく、LEDランプなどの光源を用いた照明機構としても良い。この場合、拡散透光膜などを介在させて、拡散光による照明とするのが好ましい。」

エ 「【図1】



オ 「【図2】



カ 上記「ア ないし オ」より、甲第2号証には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
「チップLEDの封止樹脂部に混入又はその表面に付着した不透光性の異物を検出する検査装置において、
検査装置1は、検査対象のチップLED50が載置される透明な板状の支持部材5と、この支持部材5より上方に配設され、当該支持部材5上に載置されたチップLED50の表面側の画像を撮像するカメラ6と、支持部材5より上方であり、且つカメラ6の直下に配設された上部照明機構10と、支持部材5を挟んで上部照明機構10と対向するように、支持部材5の下方に配設された下部照明機構7と、カメラ6によって撮像された画像を解析して、撮像したチップLED50の良否を判定する判定部8とを備えており、
前記上部照明機構10は、第1照明部11と、この下方に連設された第2照明部20とを備えており、
第1照明部11は、椀状をした上本体13、及びこの上本体13の下面に、これと同軸に連設されたリング状の下本体15から構成されるドーム状の本体部12と、本体部12の内部に配設された光源たる複数のLEDランプ19とからなり、
前記上本体13は、その内面(凹曲面)13aが反射面となっており、頂部には撮像用の開口14が形成されている。また、前記下本体15の上面には、環状の凹溝16が形成されており、前記LEDランプ19が、その照射方向が上に向くように、前記凹溝16内の底面に、その周方向に沿って等間隔に配設されており、
斯くして、この第1照明部11によれば、各LEDランプ19から上方に向けて照射された光が、上本体13の凹曲面13aによって反射され、下本体15の開口部17を通って、その下方に配置されるチップLED50の表面全体を照明し、尚、この第1照明部11による照明は、下方に向けたある程度の指向性を有する間接照明であり、当該第1照明部11は、その下方の円形領域を照明するものであり、
前記第2照明部20は、上面及び下面に開口部を備え、前記下本体15の下面に、これと同軸に連設されたリング状の本体21と、この本体21に設けられた光源たる複数のLEDランプ23と、本体21の下面に設けられた環状の拡散透光膜24とからなり、
前記本体21の下面開口部の内径は、上面開口部の内径よりも大径となっており、その環状をした内部上面に、前記LEDランプ23が、その照射方向が下に向くように、周方向に沿って等間隔に配設されており、
斯くして、この第2照明部20によれば、環状に配設された各LEDランプ23からその直下位置を中心とした平面視円形領域内に光が照射され、複数のLEDランプ23全体として、主に、下方の環状領域が高照度領域として照明され、そして、その下方に配置されたチップLED50は、照射される光の内、主に、内側斜め下方に向けて照射される光によって、その表面が照明され、少なくとも、凸曲面部54aの外周部及びこれより外側のチップLED50を含む環状領域が照明され、
前記下部照明機構7は、LEDランプなどの光源を用いた照明機構であって、拡散透光膜などを介在させて、拡散光による照明としたものであり、前記支持部材5の下方に該支持部材5と平行に配設され、前記チップLED50の裏面を照明するものであり、
前記カメラ6は、前記上本体11の開口14から、その下方のチップLED50の画像を撮像するものである、
検査装置。」

(3)甲第3号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開平7−151695号公報(甲第3号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観検査装置に関する。」

イ 「【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例による外観検査装置の要部である撮像ユニットについて説明する。本実施例における撮像ユニット1は、図1に簡略化して示すように、表面用照明系2、裏面用照明系3、撮像系4、及び検査対象のICリードフレームMを載置するための図示せぬ載置台を備えてなっている。
【0009】表面用照明系2は、リング状に形成された散光体10、散光体10の表面に配された第1の偏光子11、及び光源12からの光を散光体10に導光する光ファイバケーブル13により形成されており、光源12からの光が散光体10で均一に分散され、さらに偏光子11を透過することにより偏光化されてICリードフレームMの表面を照明するようになっている。
【0010】裏面用照明系3も基本的には表面用照明系2と同じ構成とされており、ただ、その散光体14が対象物の全体的なシルエット像を形成できるような均一な面照明とされている点、及び散光体14の表面に配されている第2の偏光子15の透過軸が図2に示すように第1の偏光子11の透過軸と直交するようにされている点で異なっている。従って、光ファイバケーブル16で導光された光源17からの光は散光体14で分散された後、第2の偏光子15を透過することにより第1の偏光子11による偏光の偏光面と直交する偏光面を持つ偏光としてICリードフレームMを裏面から照明してそのシルエット像を撮像系4に与えることになる。
【0011】これら両照明系の各光ファイバケーブル13、16には回転円板式のシャッタ18が照明光の照射を遮断するための制御手段として介在されており、このシャッタ18を回転させることにより、各散光体10、14への光源光の供給を選択的に行えるようにされている。具体的には、シャッタ18は、一定の間隔で設けられた複数の透孔18h、18h、……を有しており、回転に応じてこの透孔18h、18h、……の何れかが各光ファイバケーブル13、16の端面に合う状態で各散光体10、14へ光源光の供給がなされ、逆の状態では光源光を遮断するようになっている。また、シャッタ18の回転動作は、後述の検査用カメラ19における電荷の移動制御のタイミングに同調させてなされるようになっている。つまり、電荷の移動の際には必ず何れの照明系でも光源光の供給が遮断状態となるような制御に基づいて作動するようにされている。
【0012】撮像系2(当審注:撮像系4の誤記)は、上述した光センサ用アレイから電荷蓄積用アレイに1フレームごとにまとめて電荷を移す構造のフレームトランスファタイプの固体撮像素子を用いた検査用カメラ19と第3の偏光子20からなっており、その第3の偏光子20の透過軸は第2の偏光子15と同様に第1の偏光子11の透過軸と直交するようにされている(図2)。また、検査用カメラ19には図示せぬ処理手段が接続されており、検査用カメラ19で得られた画像の格納や分析処理を行えるようにされている。
【0013】このような撮像ユニット1によるICリードフレームMの検査は概略以下のようにしてなされる。ICリードフレームMの表面を検査する場合には、表面用照明系2が用いられ、例えばエッチピットのような欠陥部分だけを暗い背景のなかに明るく浮き出させて検査する。即ち、ICリードフレームMの正常な表面部分は、正反射による映像光を与え、これが照明光の偏光性をそのまま保っているので第3の偏光子20で遮断されて暗くなり、一方エッチピットのような欠陥部分は乱反射により自然光化した映像光を与えるので、第3の偏光子20を透過して明るい像として検査用カメラ19に捉えられる。この検査の際に表面用照明系2の照明光がICリードフレームMのリード等の隙間を通って裏面用照明系3にも照射されるが、この照明光は偏光子15により検査用カメラ19の視野外に反射される。従って、裏面用照明系3の像を検査用カメラ19に取り込んで検査精度を低下させるような事態を防止できる。
【0014】ICリードフレームMのリードなどの変形を検査する場合には、裏面用照明系3を用いてシルエット像を形成し、このシルエット像を撮像して検査する。」

ウ 「【図1】



エ 「【図2】



オ 上記「ア ないし エ」より、甲第3号証には次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
「外観検査装置において、
外観検査装置の要部である撮像ユニットは、表面用照明系2、裏面用照明系3、撮像系4、及び検査対象のICリードフレームMを載置するための載置台を備えてなっており
表面用照明系2は、リング状に形成された散光体10、散光体10の表面に配された第1の偏光子11、及び光源12からの光を散光体10に導光する光ファイバケーブル13により形成されており、光源12からの光が散光体10で均一に分散され、さらに偏光子11を透過することにより偏光化されてICリードフレームMの表面を照明するようになっており、
裏面用照明系3は、光ファイバケーブル16で導光された光源17からの光は散光体14で分散された後、第2の偏光子15を透過することにより第1の偏光子11による偏光の偏光面と直交する偏光面を持つ偏光としてICリードフレームMを裏面から照明してそのシルエット像を撮像系4に与えるものであり、
散光体14の表面に配されている第2の偏光子15の透過軸が第1の偏光子11の透過軸と直交するようにされており、
撮像系4は、光センサ用アレイから電荷蓄積用アレイに1フレームごとにまとめて電荷を移す構造のフレームトランスファタイプの固体撮像素子を用いた検査用カメラ19と第3の偏光子20からなっており、その第3の偏光子20の透過軸は第2の偏光子15と同様に第1の偏光子11の透過軸と直交するようにされている、
外観検査装置。」

(4)甲第4号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2002−139444号公報(甲第4号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錠剤を製造する工程あるいはその後の工程において錠剤の外観を検査する検査装置、またはPTPシートに錠剤を包装する工程あるいはその後の工程において錠剤の外観を検査する検査装置、および該検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。」

イ 「【0045】次に、錠剤1(実際には容器フィルム41に充填された錠剤1)の外観検査装置について説明する。図2,5に示すように、外観検査装置は、撮像手段を構成するCCDカメラ11、モニタ25、照明手段としての照明装置12、画像処理装置10などから構成される。
【0046】CCDカメラ11は、1画素単位が一列に並んだラインCCDカメラであり、錠剤1の被検査面の略法線上に、ライン状の撮像範囲が錠剤1の流れ方向と直交する向きになるように配置され、前記各ロールにより錠剤1(PTPフィルム43)が所定量移送されるごとに、ライン状に撮像可能となっている。ここで、1画素単位とは、白黒カメラの場合は1画素を意味し、例えば赤、緑および青の各受光素子を有するカラーCCDカメラの場合は、近隣の各色の画素一つずつを合わせた三つの画素をもって1画素単位とする。ここで、CCDカメラ11と照明装置12との関係について説明すると、図3及び図4に示すように、CCDカメラ11と照明装置12とは、密封フィルム42を貼着した後のPTPフィルム43のポケット部44側において、錠剤1に向かって配置されている。そして、照明装置12から照射されるライン光13が容器フィルム41越しに錠剤1を照らし、CCDカメラ11は、錠剤1から反射した光を当該PTPフィルム43の幅方向に一次元撮像する。
【0047】さて、照明装置12は、CCDカメラ11の撮像範囲内にある錠剤1の周囲の背景物(ここでは密封用フィルム42)を照明すること無く、錠剤1を照明することができるように配置されている。すなわち、図3および図4では照明装置12は、一つのみ表されているが、図2に示すように実際には、CCDカメラ11を挟んで両側の、錠剤1の被検査面に対し略60度の位置および略30度の位置に、合わせて4つ配置されている。各照明装置12は、ライン状であり、錠剤1上におけるCCDカメラ11の撮像範囲にライン光13を照射する。
【0048】光源から照射されるライン光13は、ライン状の光源と直交する平面においては略平行光となっており、ライン状の光源と平行する平面においては拡散光となっている(図6参照)。」

ウ 「【図2】



エ 「【図4】



オ 「【図6】



カ 上記「ア ないし オ」より、甲第4号証には次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。
「PTPシートに錠剤を包装する工程あるいはその後の工程において錠剤の外観を検査する検査装置において、
錠剤1の被検査面の略法線上に、ライン状の撮像範囲が錠剤1の流れ方向と直交する向きになるように配置され、前記各ロールにより錠剤1(PTPフィルム43)が所定量移送されるごとに、ライン状に撮像可能となっている、1画素単位が一列に並んだラインCCDカメラ11と、
各照明装置12は、ライン状であり、錠剤1上におけるCCDカメラ11の撮像範囲にライン光13を照射するものであり、CCDカメラ11を挟んで両側の、錠剤1の被検査面に対し略60度の位置および略30度の位置に、合わせて4つ配置されている、
検査装置。」

キ そして、上記甲4発明には、次の技術(以下「甲4発明開示技術」という。)が開示されていると認められる。
「PTPシートに錠剤を包装する工程あるいはその後の工程において錠剤の外観を検査する検査装置において、CCDカメラを挟んで両側に検査領域にライン光を照射する照明装置を備える技術。」

(5)甲第5号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2009−103487号公報(甲第5号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、錠剤に代表される被充填物を検査するための検査装置を備えるPTP包装機に関する。」

イ 「【0037】
次に、図2〜図4を用いて、前記検査装置31について詳細に説明する。
【0038】
検査装置31は、包装用フィルム2及び錠剤4に対して光を照射するための一対の照射手段32a,32bと、当該光の照射された包装用フィルム2及び錠剤4を撮像するための撮像手段としてのCCDカメラ33と、当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて、錠剤4の有無を判別するための画像処理手段34(図2参照)とを備えている。
【0039】
照射手段32a,32bは、ハロゲンランプ或いは高周波点灯装置を有する蛍光灯等であり、当該錠剤4に対して斜め上方から光を照射するものである。特に、ランプ等の温度や電源電流等を制御して、一定の輝度が維持されるような輝度制御部を有する照明とすれば、照射手段32の輝度のばらつきを考慮しなくても、錠剤4の高精度な検査が可能となる。勿論、LED等を光源として用いることとしてもよい。
【0040】
また、照射手段32aは、第1の偏光フィルタ51aを有しており,照射手段32bは、第1の偏光フィルタ51bを有している。照射手段32a,32bは、第1の偏光フィルタ51a,51bを通して光を照射するようになっており、第1の偏光フィルタ51a,51bの偏光方向はそれぞれ同一方向となっている。」

ウ 「【図2】



エ 「【図3】



オ 「【図4】



カ 上記「イ ないし オ」より、「照射手段32a,32bは、CCDカメラ33を挟んで配置され、CCDカメラ33の撮像領域に対しライン状の光を照射する」ことが見てとれる。

キ 上記「ア ないし カ」より、甲第5号証には次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。
「錠剤に代表される被充填物を検査するための検査装置31において、
検査装置31は、包装用フィルム2及び錠剤4に対して光を照射するための一対の照射手段32a,32bと、当該光の照射された包装用フィルム2及び錠剤4を撮像するための撮像手段としてのCCDカメラ33と、当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて、錠剤4の有無を判別するための画像処理手段34とを備えており、
照射手段32a,32bは、ハロゲンランプ、高周波点灯装置を有する蛍光灯、LED等であり、当該錠剤4に対して斜め上方から光を照射するものであり、照射手段32aは、第1の偏光フィルタ51aを有しており、照射手段32bは、第1の偏光フィルタ51bを有しており、第1の偏光フィルタ51a,51bの偏光方向はそれぞれ同一方向となっており、
照射手段32a,32bは、CCDカメラ33を挟んで配置され、CCDカメラ33の撮像領域に対しライン状の光を照射する、
検査装置31。」

ク そして、上記甲5発明には、次の技術(以下「甲5発明開示技術」という。)が開示されていると認められる。
「錠剤に代表される被充填物を検査するための検査装置において、CCDカメラを挟んで配置され、CCDカメラの撮像領域に対しライン状の光を偏光フィルタを介して照射する2つの照射手段を備える技術。」

(6)甲第6号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2006−292419号公報(甲第6号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、PTPシートの製造に際し、錠剤やカプセル等を透過するほどの比較的強い光を用いて行われる不良検査のための装置、及び、当該不良検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。」

イ 「【0049】
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図3〜5等に基づき、不良検査装置21についてより具体的に説明する。
【0050】
不良検査装置21は、照明手段としての照明装置22、撮像手段としてのカメラ23、画像処理装置24、モニタ25、及びキーボード26等を備えている。
【0051】
まずは、照明装置22について詳細に説明する。本実施形態における照明装置22は、容器フィルム3のポケット部2側に設けられており(図1参照)、面発光が可能となっている。図3に示すように照明装置22は、容器フィルム3に近い側(図の上側)において容器フィルム3と平行に延びる拡散板27を有しているとともに、その内部には、LED実装基板28が設けられている。該LED実装基板28には、第1光源としての第1赤外光LED28a及び第2光源としての第2赤外光LED28bが交互に多数配列されている。そして、両赤外光LED28a、28bが同時に錠剤5及び容器フィルム3に対して光を照射するようになっている。本実施形態では、第1赤外光LED28aは、800nm〜900nmの波長域の赤外光(例えば850nmの赤外光)を照射するようになっている。一方、第2赤外光LED28bは、800nm〜900nm以外の波長域の赤外光(例えば950nmの赤外光)を照射するようになっている。」

ウ 「【0096】
(e)上記実施形態では、光源として赤外光を照射可能な第1赤外光LED28a及び第2赤外光LED28bを採用しているが、可視光(例えば赤色光、青色光、白色光等)を照射可能な光源を採用することとしてもよい。」

エ 「【0100】
(i)上記実施形態では、第1赤外光LED28a及び第2赤外光LED28bから同時に光を照射し、1度の撮像に基づく画像データに基づいて異常を検出しているが、第1赤外光LED28aだけの光を照射したときと、第2赤外光LED28bだけの光を照射したときとで2度に分けて錠剤5を撮像してもよい。」

オ 「【図1】



カ 「【図2】



キ 「【図3】



ク 上記「イ、オ ないし キ」より、「照明装置22は、容器フィルム3の上方にあるカメラ23と反対側である下方からLED実装基板28と拡散板27により面発光を照射する」ことが見てとれる。

ケ 上記「ア ないし ク」より、甲第6号証には次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。
「PTPシートの製造に際し、錠剤やカプセル等を透過するほどの比較的強い光を用いて行われる不良検査のための装置において、
不良検査装置21は、照明手段としての照明装置22、撮像手段としてのカメラ23、画像処理装置24、モニタ25、及びキーボード26等を備えており、
照明装置22は、容器フィルム3のポケット部2側に設けられており、面発光が可能となっており、容器フィルム3に近い側において容器フィルム3と平行に延びる拡散板27を有しているとともに、その内部には、LED実装基板28が設けられ、該LED実装基板28には、第1光源としての第1赤外光LED28a及び第2光源としての第2赤外光LED28bが交互に多数配列されており、両赤外光LED28a、28bが同時に錠剤5及び容器フィルム3に対して光を照射するようになっており、
照明装置22は、容器フィルム3の上方にあるカメラ23と反対側である下方からLED実装基板28と拡散板27により面発光を照射する、
不良検査装置。」

コ そして、上記甲6発明には、次の技術(以下「甲6発明開示技術」という。)が開示されていると認められる。
「PTPシートの製造に際し、錠剤やカプセル等を透過するほどの比較的強い光を用いて行われる不良検査のための装置において、容器フィルム3の上方にあるカメラ23と反対側である下方からLED実装基板28と拡散板27により面発光を照射する照明装置22を備える技術。」

(7)甲第7号証
本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2006/123421号(甲第7号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「[0001] 本発明は、プリント基板などのような検査対象物を検査する際に使用される照明装置に関するものである。」

イ 「発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[0018] この実施の形態における照明装置 100は、基板検査装置 101の内部に組み込まれるもので、図 2や図 3に示すように、対向する一対の支持体 5と、この支持体 5の内側に跨って取り付けられる半円筒状のブラケット 3と、このブラケット 3の上面に着脱可能に取り付けられる細長い直線平面状の照明基板 1と、この照明基板 1に配列されたLED11と、このLED11からの光のうち、検査対象物 7によって反射された光を受光する受光装置であるラインセンサ 6とを具備してなるものである。以下、この照明装置 100の具体的構成について詳細について説明する。
[0019] この照明装置 100に取り付けられる照明基板 1は、それぞれ、図 4などに示すように 、点光源である複数のLED11を実装する基板 10と、この基板 10に取り付けられたLED11とによって構成される。この基板 10は直線平面状に構成され、例えば、短手方向の寸法を約 1cm〜2cmとなるように、また、長手方向の寸法を約 40cm〜50cm とするように構成される。そして、この基板 10には、長手方向に沿って複数列をなすようにLED11が取り付けられる。この LED11は千鳥状、すなわち、同一列における 各LED11の間に隣接する列のLED11が配置して設けられ、しかも、基板 10上に二本の脚端子を浮かせた状態で取り付けられる。このLED11を取り付ける場合、各LED11は、基板 10の短手方向の中央位置が下端となり、しかも、後述するブラケット 3 の円弧と沿うような高さ位置に設定して両端側を高くして取り付けられる。これらの LED11は、列方向を同一色とし、また、隣接する列については、それぞれ異なる色相を有するようにしている。この実施の形態においては、赤色LED11、緑色LED11、赤色LED11、緑色LED11の 4列のLED11を千鳥状に配置している。そして、このようなLED11は、基板 10に設けられたコネクタ装着部 12に接続され、そこに接続されるコネクタを介して図示しない制御部によって点灯・消滅・光量調節などが制御される。 この制御は、各照明基板 1毎に行われ、また、それぞれの照明基板 1内においても各列毎、および、長手方向に沿った所定数の LED毎 (例えば、10個毎)にも行われる。」

ウ 「[図4]



エ 「[図5]



オ 上記「ア ないし エ」より、甲第7号証には次の技術(以下「甲7開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「検査対象物を検査する際に使用される照明装置100において、赤色LED11、緑色LED11、赤色LED11、緑色LED11の 4列のLED11を千鳥状に実装する基板 10により構成された照明基板1を備える技術。」

(8)甲第8号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2012−47582号公報(甲第8号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、近赤外線吸収性能の面分布の測定方法に関する。特に、プラズマディスプレイなど広い面積のディスプレイの前面に配置する近赤外線吸収フィルタについて、近赤外線吸収性能の面均一性が良い製品を製造するのに適した近赤外線吸収性能の面分布測定方法、とそれを用いた近赤外線吸収フィルタの製造方法に関する。」

イ 「【0026】
ここで、図2は、LEDなどで発光波長のスペクトル帯域が互いに異なる複数の発光素子6a、発光素子6bを用いた近赤外線光源5を例示する平面図である。発光素子6aと発光素子6bとは互い違いに千鳥格子状に配置した例でもある。
例えば、発光素子6aには、ピーク発光波長850nmの赤外LEDを用い、発光素子6bにはピーク発光波長950nmの赤外LEDを用いると良い。
なお、赤外線LEDなどの点光源の発光素子を面配置する間隔は、希望の発光輝度(乃至強度)の面均一性が得られるものとすればよい。図6に例示した近赤外線光源5は二種類の発光素子6aと発光素子6bとを千鳥格子状に配置した部分拡大図である。
また、LED素子等の本質的に点光源からの発光強度の面均一性を向上させる為に、光拡散板を発光素子上に配置して光拡散板を透過した光を近赤外線光源5の放射光とするのが好ましい。光拡散板としては、透過型LEDディスプレイでバックライト光源の構成部品として使用されている、公知の光拡散板(光拡散シート)を使用することができる。」

ウ 「【図1】



エ 「【図2】



オ 上記「ア ないし エ」より、甲第8号証には次の技術(以下「甲8開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「近赤外線吸収性能の面分布の測定方法に用いられる近赤外線光源5において、LEDなどで発光波長のスペクトル帯域が互いに異なる複数の発光素子6a、発光素子6bを互い違いに千鳥格子状に配置して光源を形成する技術。」

(9)甲第9号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2016−105084号公報(甲第9号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、農産物、農産物加工品その他食品を検査対象とした食品検査装置に関し、特に、検査対象物に光を照射して、検査対象物の内部情報を含む透過光を受光、撮像して検査対象物中に存在する異物を検知する食品検査装置に関する。」

イ 「【0138】
図24に、本実施の形態で用いる光源1の構成を示す。本実施の形態では、異なる波長の検査光を選択的に照射するために、光源1として、2種類のLEDを千鳥状に配置したLEDパネルを用いている。同図において、第1画像撮像時に点灯する第1波長のLEDを白丸で、第2画像撮像時に点灯する第2波長のLEDを黒丸で示している。」

ウ 「【図24】



エ 上記「ア ないし ウ」より、甲第9号証には次の技術(以下「甲9開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「検査対象物に光を照射して、検査対象物の内部情報を含む透過光を受光、撮像して検査対象物中に存在する異物を検知する食品検査装置の光源1において、2種類のLEDを千鳥状に配置したLEDパネルを用いて光源1を形成する技術。」

(10)甲第10号証
本願の出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2015−206711号公報(甲第10号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、PTPシートのシール不良を検査する検査装置を備えた検査システム、及び、該検査システムを備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。」

イ 「【0048】
主制御装置60は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAMなどを備えた、いわゆるコンピュータシステムとして構成されている。
【0049】
主制御装置60は、例えば上記加熱装置14、ポケット形成装置15、錠剤投入装置16などの各種装置の駆動制御や、フィルム受けロール17などの各種ローラの駆動制御などを司る。
【0050】
これらの駆動制御は、主制御装置60のRAM等に事前に設定された設定データ(各種機構の駆動量のデータなど)に基づき、主制御装置60がPTP包装機11内の各種装置に対し制御信号を出力することにより行われる。
【0051】
また、主制御装置60は、シール前検査部21(各検査装置T1,T2,D,A)、及び、シール後検査部22(各検査装置E,S,H)とそれぞれ電気的に接続されており、これら各種検査装置との間で各種情報を送受信可能に構成されている。主制御装置60により本実施形態における管理手段(所定の装置)が構成され、主制御装置60、シール前検査部21(各検査装置T1,T2,D,A)、及び、シール後検査部22(各検査装置E,S,H)により本実施形態における検査システムが構成される。」

ウ 「【0066】
次に各検査装置T1,T2,D,A,E,S,Hの構成についてより詳しく説明する。
【0067】
第1検査装置T1は、シール前に容器フィルム3のポケット部2突出部側(錠剤5の表面側)から検査を行う透過光式の検査装置である。第1検査装置T1では、照明装置25が容器フィルム3のポケット部2開口部側に配置され、カメラ26が容器フィルム3のポケット部2突出部側に設けられている。そして、照明装置25から照射される光(近赤外光)のうち、容器フィルム3を透過した光を二次元撮像する構成となっている。
【0068】
第2検査装置T2は、シール前に容器フィルム3のポケット部2開口部側(錠剤5の裏面側)から検査を行う透過光式の検査装置である。第2検査装置T2では、照明装置25が容器フィルム3のポケット部2突出部側に配置され、カメラ26が容器フィルム3のポケット部2開口部側に設けられている。そして、照明装置25から照射される光(近赤外光)のうち、容器フィルム3を透過した光を二次元撮像する構成となっている。
【0069】
第1検査装置T1及び第2検査装置T2では、錠剤5の表裏両面側から、それぞれ後述する「錠剤割れ」、「錠剤破片混入」、「欠錠」、「錠剤形状・大きさ違い」、「錠剤欠け」及び「錠剤表面剥離」の検査項目について検査が行われる(図10参照)。尚、図10は、各検査装置T1,T2,D,A,E,S,Hと、これらにより行われる検査項目との対応関係を示した図である。
【0070】
第3検査装置Dは、シール前に容器フィルム3のポケット部2開口部側(錠剤5の裏面側)から検査を行う反射光式の検査装置である。第3検査装置Dでは、照明装置25及びカメラ26が容器フィルム3のポケット部2開口部側に配置されている。そして、照明装置25から照射される光(近赤外光)のうち、錠剤5に反射した光を二次元撮像する構成となっている。
【0071】
第3検査装置Dでは、錠剤5の裏面側から、「錠剤上毛髪」、「錠剤上異物」、「錠剤割れ」、「錠剤破片混入」、「欠錠」、「錠剤形状・大きさ違い」及び「錠剤欠け」の検査項目について検査が行われる。
【0072】
第4検査装置Aは、シール前に容器フィルム3のポケット部2突出部側及び開口部側(錠剤5の表裏面側)から検査を行う透過光式及び反射光式の両機能を備えた検査装置である。第4検査装置Aでは、照明装置25が容器フィルム3のポケット部2突出部側及び開口部側の両側に1つずつ配置され、2つのカメラ26が容器フィルム3のポケット部2開口部側に設けられている。そして、ポケット部2突出部側の照明装置25から照射される光(可視光)のうち、容器フィルム3を透過した光が一方のカメラ26により二次元撮像され、ポケット部2開口部側の照明装置25から照射される光(可視光)のうち、錠剤5に反射した光を他方のカメラ26(カラーCCDカメラ)により二次元撮像する構成となっている。
【0073】
第4検査装置Aでは、「シート上錠剤粉」、「錠剤割れ」、「錠剤破片混入」、「シート上毛髪」、「シート上巨塊異物」、「欠錠」、「錠剤形状・大きさ違い」、「錠剤欠け」及び「錠剤色」の検査項目について検査が行われる。
【0074】
第5検査装置E,第6検査装置S及び第7検査装置Hは、シール後に容器フィルム3(PTPフィルム20)のポケット部2突出部側(錠剤5の表面側)から検査を行う反射光式の検査装置である。第5検査装置E,第6検査装置S及び第7検査装置Hでは、それぞれ照明装置25及びカメラ26が容器フィルム3(PTPフィルム20)のポケット部2突出部側に配置されている。
【0075】
尚、これら検査装置E,S,Hにおける照明装置25は、図5に示すように、所定の光(近赤外光又は可視光)を照射可能な光源28、主として平行光を透過させるための平行光フィルター29、及び、近赤外光又は可視光用のハーフミラー30を有している。
【0076】
これに対し、カメラ26は、PTPフィルム20の平面に対して、略垂直方向から撮像可能となっている。また、照明装置25において、光源28から照射された光は、ハーフミラー30によって反射され、カメラ26の撮像方向と略同一方向から照射されるように構成されている。すなわち、照明装置25は、カメラ26に対して同軸照明が可能となっている。
【0077】
そして、照明装置25から照射される光が、容器フィルム3越しに錠剤5及びカバーフィルム4を照らし、錠剤5及びカバーフィルム4から反射した光が、カメラ26によって二次元撮像されるように構成されている。ここで、第5検査装置E及び第6検査装置Sでは、それぞれ照明装置25から近赤外光が照射される。第7検査装置Hでは、照明装置25から可視光が照射され、錠剤5等に反射した可視光をカメラ26(カラーCCDカメラ)により二次元撮像する構成となっている。」

エ 「【0140】
(d)シール前検査部21やシール後検査部22の構成、各検査装置T1,T2,D,A,E,S,Hの構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、シール前検査部21やシール後検査部22を1つの装置として一体に設けた構成としてもよい。」

オ 「【図3】



カ 上記「ア ないし オ」より、甲第10号証には次の発明(以下「甲10発明」という。)が記載されていると認められる。
「PTPシートのシール不良を検査する検査装置を備えた検査システムにおいて、
主制御装置60は、シール前検査部21(各検査装置T1,T2,D,A)、及び、シール後検査部22(各検査装置E,S,H)とそれぞれ電気的に接続されており、これら各種検査装置との間で各種情報を送受信可能に構成されており、主制御装置60により本実施形態における管理手段(所定の装置)が構成され、主制御装置60、シール前検査部21(各検査装置T1,T2,D,A)、及び、シール後検査部22(各検査装置E,S,H)により本実施形態における検査システムが構成され、
第1検査装置T1は、シール前に容器フィルム3のポケット部2突出部側(錠剤5の表面側)から検査を行う透過光式の検査装置であり、照明装置25が容器フィルム3のポケット部2開口部側に配置され、カメラ26が容器フィルム3のポケット部2突出部側に設けられており、照明装置25から照射される光(近赤外光)のうち、容器フィルム3を透過した光を二次元撮像する構成となっており、
第2検査装置T2は、シール前に容器フィルム3のポケット部2開口部側(錠剤5の裏面側)から検査を行う透過光式の検査装置であり、照明装置25が容器フィルム3のポケット部2突出部側に配置され、カメラ26が容器フィルム3のポケット部2開口部側に設けられており、照明装置25から照射される光(近赤外光)のうち、容器フィルム3を透過した光を二次元撮像する構成となっており、
第3検査装置Dは、シール前に容器フィルム3のポケット部2開口部側(錠剤5の裏面側)から検査を行う反射光式の検査装置であり、照明装置25及びカメラ26が容器フィルム3のポケット部2開口部側に配置されており、照明装置25から照射される光(近赤外光)のうち、錠剤5に反射した光を二次元撮像する構成となっており、
第4検査装置Aは、シール前に容器フィルム3のポケット部2突出部側及び開口部側(錠剤5の表裏面側)から検査を行う透過光式及び反射光式の両機能を備えた検査装置であり、照明装置25が容器フィルム3のポケット部2突出部側及び開口部側の両側に1つずつ配置され、2つのカメラ26が容器フィルム3のポケット部2開口部側に設けられており、ポケット部2突出部側の照明装置25から照射される光(可視光)のうち、容器フィルム3を透過した光が一方のカメラ26により二次元撮像され、ポケット部2開口部側の照明装置25から照射される光(可視光)のうち、錠剤5に反射した光を他方のカメラ26(カラーCCDカメラ)により二次元撮像する構成となっており、
第5検査装置E,第6検査装置S及び第7検査装置Hは、シール後に容器フィルム3(PTPフィルム20)のポケット部2突出部側(錠剤5の表面側)から検査を行う反射光式の検査装置であり、第5検査装置E,第6検査装置S及び第7検査装置Hでは、それぞれ照明装置25及びカメラ26が容器フィルム3(PTPフィルム20)のポケット部2突出部側に配置されており、第5検査装置E及び第6検査装置Sでは、それぞれ照明装置25から近赤外光が照射される。第7検査装置Hでは、照明装置25から可視光が照射され、錠剤5等に反射した可視光をカメラ26(カラーCCDカメラ)により二次元撮像する構成となっている、
検査システム。」

2.特許法第29条第2項進歩性)について
(1)甲1発明と本件発明1との対比・判断について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを比較する。
(ア)甲1発明の「シート供給部13から供給されるシート12」は、透過用光源14で透過画像が取得されるものであるから、本件発明1の「透光性を有する包装フィルム」に相当する。
(イ)甲1発明の「各錠剤11」は、本件発明1の「内容物」に相当する。
(ウ)甲1発明の「シート12」に「一定間隔で二次元的に形成された」「凹部11−1」は、各錠剤11が1個づつ収納されるものであるから、本件発明1の「内容物を収容」する「透光性を有する包装フィルムに形成されたポケット」に相当する。
(エ)甲1発明の「シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納した後、凹部11−1に」「接着」される「別のシート」は、本件発明1の「ポケットの開口部を塞ぐように」「フィルムに」「接着」される「カバーフィルム」に相当する。
(オ)甲1発明の「シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納して、シート12を搬送し、凹部11−1に別のシートを接着してシート排出部18を介して外部に排出する包装機100」は、本件発明1の「透光性を有する包装フィルムに形成されたポケット内に内容物を収容して、該包装フィルムを所定方向に搬送し、搬送方向における所定の位置で前記ポケットの開口部を塞ぐように前記包装フィルムにカバーフィルムを接着してPTPシートを製造する装置」に相当する。
(カ)甲1発明の「検査装置」は、「シート12の搬送路を挟んで透過用光源14と反射用光源15とを対向させて配置されており、シート12と透過用光源14との間には拡散部材としての拡散板24が配置されており、反射用光源15の真上には透過/反射併用カメラ20が配置されており」「シート12の凹部11−1に収納されて順次搬送されてきた錠剤11が透過用光源14の位置に来たときに透過用光源14が順次点灯され、当該光源14からの光線は拡散板24を透過した後、錠剤11を照射し、錠剤11を透過した光線は透過/反射併用カメラ20に入射されて撮影が行われ、」「また、シート12の凹部11−1に収納されて順次搬送されてきた錠剤11は、反射用光源15の位置に来たときに反射用光源15によっても順次点灯され、当該光源15からの光線は錠剤11によって反射された後、透過/反射併用カメラ20に入射されて撮影が行われ」るものであるから、甲1発明の「透過用光源14の位置」及び「反射用光源15の位置」は本件発明1の「第1検査領域」に相当し、甲1発明の「透過/反射併用カメラ20」は本件発明1の「第1検査領域と対向するように、」「ポケットの開口部側に配設され、前記第1検査領域内の」「内容物を前記ポケットの開口部側から撮像する第1撮像機構」に相当し、甲1発明の「透過用光源14」及び「拡散板24」は本件発明1の「前記第1検査領域と対向するように、前記ポケット開口部の反対側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケット開口部の反対側から照明する第1照明機構」に相当し、甲1発明の「反射用光源15」は本件発明1の「第1撮像機構と」「第1検査領域との間に位置するように、」「包装フィルムを挟んで」「第1照明機構とは反対側に配設され、前記第1検査領域内の」「内容物を」「ポケットの開口部側から照明する第2照明機構」に相当する。
(キ)甲1発明の「検査装置」は、「シート12の凹部11−1に各錠剤11を収納した後、凹部11−1に別のシートを接着する前にカメラで撮影して、撮影した画像を良否判定部23で判定する」ものであるから、甲1発明の「透過/反射併用カメラ20」と本件発明1の「第1撮像機構」とは、「前記カバーフィルムが接着される位置よりも搬送方向上流側の搬送路において」「撮像する」点で共通する。
(ク)甲1発明の「検査装置」は、「凹部11−1が一定間隔で二次元的に形成され」た「シート12」の「凹部11−1に1個づつ収納」された「各錠剤11」を「透過/反射併用カメラ20」で撮影し、「撮影した画像を良否判定部23で判定する」ものであるから、甲1発明における搬送された「凹部11−1が一定間隔で二次元的に形成され」た「シート12」の「凹部11−1に1個づつ収納」された「各錠剤11」が「透過/反射併用カメラ20」で撮影される「透過用光源14の位置」及び「反射用光源15の位置」は、本件発明1の「第1検査領域」と「包装フィルムの幅方向に設定された」点で共通する。
(ケ)甲1発明の「光源及びカメラの駆動回路を介してカメラと光源の動作を制御する」「シーケンス制御部」は、本件発明1の「前記第1撮像機構、前記第1照明機構及び前記第2照明機構の動作を制御する制御装置」に相当する。
(コ)甲1発明の「シーケンス制御部」は、「透過用光源14と反射用光源15が点灯されるタイミング」を「1シート分に対応する時間内でまず透過用光源14が点灯され、次に反射用光源15が点灯されるように制御を行い、透過用光源14からの光線に基づく透過画像の取得と、反射用光源15からの光線に基づく反射画像の取得とを一台のカメラ(透過/反射併用カメラ20)で実現することができ」るよう制御を行うものであるから、本件発明1の「制御装置」とは、第1照明機構「から光を照射するタイミングと」第2照明機構「から光を照射するタイミングとが異なるように、前記第1照明機構及び前記第2照明機構を動作させるとともに、前記各」照明機構「から光を照射させたタイミングで前記第1撮像機構を動作させる」点で共通する。
(サ)甲1発明の「薬剤等の物品を検査する物品検査システム」において「包装機100の内部に配置」された「検査装置」は、本件発明1の「内容物の外観を検査する外観検査装置」に相当する。

すると両者は、以下の点で一致する。
「透光性を有する包装フィルムに形成されたポケット内に内容物を収容して、該包装フィルムを所定方向に搬送し、搬送方向における所定の位置で前記ポケットの開口部を塞ぐように前記包装フィルムにカバーフィルムを接着してPTPシートを製造する装置に付設され、前記内容物の外観を検査する外観検査装置であって、
前記カバーフィルムが接着される位置よりも搬送方向上流側の搬送路において、前記包装フィルムの幅方向に設定された第1検査領域と対向するように、前記ポケットの開口部側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケットの開口部側から撮像する第1撮像機構と、
前記第1検査領域と対向するように、前記ポケット開口部の反対側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケット開口部の反対側から照明する第1照明機構と、
前記第1撮像機構と前記第1検査領域との間に位置するように、前記包装フィルムを挟んで前記第1照明機構とは反対側に配設され、前記第1検査領域内の前記内容物を前記ポケットの開口部側から照明する第2照明機構と、
前記第1撮像機構、前記第1照明機構及び前記第2照明機構の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、第1照明機構から光を照射するタイミングと第2照明機構から光を照射するタイミングとが異なるように、前記第1照明機構及び前記第2照明機構を動作させるとともに、前記各照明機構から光を照射させたタイミングで前記第1撮像機構を動作させる、
外観検査装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点>
本件発明1の第1照明機構は、
「前記搬送方向において、前記第1検査領域より上流側及び下流側に、前記第1検査領域に沿って配設され、それぞれ前記第1検査領域に向けたライン状の光を照射する一対の第1照射部と、前記一対の第1照射部に沿って、該一対の第1照射部と前記第1検査領域との間にそれぞれ配設された一対の第1偏光板とを備え」、
また本件発明1の第2照明機構は、
「前記搬送方向において、前記第1検査領域より上流側及び下流側に、前記第1検査領域に沿って配設され、それぞれ前記第1検査領域に向けたライン状の光を照射する一対の第2照射部と、
前記一対の第2照射部と前記第1撮像機構との間にそれぞれ位置するように、前記搬送方向において、前記第1検査領域より上流側及び下流側に、前記第1検査領域に沿ってそれぞれ配設された一対の反射板と、
前記一対の第2照射部と前記一対の反射板との間に、各反射板に沿ってそれぞれ配設され、前記各反射板に向けてそれぞれライン状の光を照射する一対の第3照射部と、
前記一対の反射板と前記第1検査領域との間に、前記各反射板に沿ってそれぞれ配設された一対の第2偏光板とを備えており、
前記一対の反射板は、前記一対の第3照射部から照射された光をそれぞれ前記第1検査領域に向けて反射するように配置され、
前記第2偏光板は、その偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と交差してお」るのに対し、
甲1発明は、透過用光源14と反射用光源15を備えているが、それら光源の具体的構成については透過用光源14に拡散板24があること以外は明示されていない点。

イ 判断
上記相違点について検討する。
(ア)光源を第1検査領域より上流側及び下流側にライン状の光を照射する一対の照射部とする構成について
第1検査領域より上流側及び下流側にライン状の光を照射する一対の照射部を設ける技術は、甲4開示技術及び甲5開示技術により示されている(「1.(4)及び(5)」参照。)ことから、本願出願前に周知の技術である。

(イ)第2照明機構の構成について
甲2発明は検査対象物を上方から撮影する検査装置であり、検査対象物に上方から照明する第1照明部11と第2照明部20を備えている。
第1照明部11と第2照明部20については、上記「1.(2)」より、
「第1照明部11は、椀状をした上本体13、及びこの上本体13の下面に、これと同軸に連設されたリング状の下本体15から構成されるドーム状の本体部12と、本体部12の内部に配設された光源たる複数のLEDランプ19とからなり、
前記上本体13は、その内面(凹曲面)13aが反射面となっており、頂部には撮像用の開口14が形成されている。また、前記下本体15の上面には、環状の凹溝16が形成されており、前記LEDランプ19が、その照射方向が上に向くように、前記凹溝16内の底面に、その周方向に沿って等間隔に配設されており、
斯くして、この第1照明部11によれば、各LEDランプ19から上方に向けて照射された光が、上本体13の凹曲面13aによって反射され、下本体15の開口部17を通って、その下方に配置されるチップLED50の表面全体を照明し、尚、この第1照明部11による照明は、下方に向けたある程度の指向性を有する間接照明であり、当該第1照明部11は、その下方の円形領域を照明するものであり、
前記第2照明部20は、上面及び下面に開口部を備え、前記下本体15の下面に、これと同軸に連設されたリング状の本体21と、この本体21に設けられた光源たる複数のLEDランプ23と、本体21の下面に設けられた環状の拡散透光膜24とからなり、
前記本体21の下面開口部の内径は、上面開口部の内径よりも大径となっており、その環状をした内部上面に、前記LEDランプ23が、その照射方向が下に向くように、周方向に沿って等間隔に配設されており、
斯くして、この第2照明部20によれば、環状に配設された各LEDランプ23からその直下位置を中心とした平面視円形領域内に光が照射され、複数のLEDランプ23全体として、主に、下方の環状領域が高照度領域として照明され、そして、その下方に配置されたチップLED50は、照射される光の内、主に、内側斜め下方に向けて照射される光によって、その表面が照明され、少なくとも、凸曲面部54aの外周部及びこれより外側のチップLED50を含む環状領域が照明され、」るものである。
ゆえに、検査対象物を上方から撮影する検査装置において、検査対象物に上方から照明する照明部として、2つの照射部(第1照明部11と第2照明部20)を備え、一方の照射部(第2照明部20)では、検査対象に直接光を照射し、もう一方の照射部(第1照明部11)では、一方の照射部と撮影するカメラとの間に反射板(凹曲面13a)を設けその反射板に光を照射し、反射板で反射された光を検査対象に照射する構成は、甲2発明として開示されている。

(ウ)第1照明機構の構成について
甲3発明は、検査対象のICリードフレームMを上方の撮像系4で撮影する外観検査装置であり、検査対象のICリードフレームMの裏面から照明する照明部である裏面用照明系3を備えている。
裏面用照明系3については、上記「1.(3)」より、「光ファイバケーブル16で導光された光源17からの光は散光体14で分散された後、第2の偏光子15を透過することにより第1の偏光子11による偏光の偏光面と直交する偏光面を持つ偏光としてICリードフレームMを裏面から照明してそのシルエット像を撮像系4に与えるものであ」る。
ゆえに、検査対象物(ICリードフレームM)を上方から撮影する検査装置において、検査対象物の下方である裏面から照明する照明部として、光源(光源17)からの光を偏光子(第2の偏光子15)を透過させて裏面から照明する構成は、甲3発明として開示されている。

(エ)第2照明機構の反射板と第1検査領域との間に第2偏光板を備える構成について
甲3発明は、検査対象のICリードフレームMを上方の撮像系4で撮影する外観検査装置であり、検査対象のICリードフレームMの表面から照明する照明部である表面用照明系2を備えている。
表面用照明系2については、上記「1.(3)」より、「リング状に形成された散光体10、散光体10の表面に配された第1の偏光子11、及び光源12からの光を散光体10に導光する光ファイバケーブル13により形成されており、光源12からの光が散光体10で均一に分散され、さらに偏光子11を透過することにより偏光化されてICリードフレームMの表面を照明するようになってお」る。
ゆえに、検査対象物(ICリードフレームM)を上方から撮影する検査装置において、検査対象物の上方である表面から照明する照明部として、光源からの光(散光体10で均一に分散された光)を偏光子(第1の偏光子11)を透過させて表面(ICリードフレームMの表面)から照明する構成は、甲3発明として開示されている。
また、検査対象物を上方からCCDカメラで撮影する検査装置において、CCDカメラを挟んで配置され、CCDカメラの撮像領域に対しライン状の光を偏光フィルタを介して照射する技術は、甲5開示技術により示されている(「1.(5)」参照。)ことから、本願出願前に周知の技術である。
しかしながら、検査対象物を上方から撮影する検査装置において、検査対象物を光源から反射板に光を照射し、反射板で反射した光を検査対象物の上方から照射する上方照明機構を用い、検査対象物を下方から偏光板を介した光で照明する下方照明機構からの偏光した光が、上方照明機構の反射板で反射して検査対象物の上方に照射されるのを防ぐために、下方照明機構からの偏光した光が反射板に到達するのを防ぐべく、下方照明機構の偏光板とその偏光軸が交差した偏光板を反射板と検査対象物の間に配置する技術は、甲1ないし6発明、甲7ないし9開示技術、及び甲10発明には開示されておらず(上記「1.(1)ないし(10)」参照。)、本願の出願前において周知の技術であるとも認められない。

そうすると、他の甲号証を参照しても、上記相違点の構成が記載されていないのであるから、甲1発明に、甲第2ないし10号証に開示された事項を組み合わせても、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとはならない。
以上のことから、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲第2ないし10号証に開示された事項を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。

ウ 申立人の特許異議申立書における主張について
申立人は令和3年9月21日付け特許異議申立書の申立ての理由において、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項については、甲第1ないし3号証に記載の発明に基づき、適宜周知技術を勘案することで、当業者であれば容易に想到し得るものである旨主張している。
しかしながら、上記「ア 及び イ」で検討したとおり、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲2及び3発明と、甲第2ないし10号証に開示された事項を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
よって、上記申立人の特許異議申立書における主張は採用することはできない。

エ 小括
以上のとおりであるので、本件発明1を、甲第1ないし3号証に記載された発明と周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)甲1発明と本件発明2ないし8との対比・判断について
本件発明2ないし8は、本件発明1を直接的又は間接的に引用する発明であり、本件発明1の発明特定事項を全て備えた発明である。
したがって、上記「(1)」で検討したとおり、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲第2ないし10号証に開示された事項を採用したとしても当業者が容易になし得るものではないから、本件発明2ないし8においても、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲第2ないし10号証に開示された事項を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
ゆえに、本件発明2ないし8を、甲第1ないし3号証に記載された発明と周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)まとめ
以上のことから、本件発明1ないし8を、甲1発明に甲2及び3発明と周知技術とを適用することで当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、申立人の特許法第29条第2項についての異議申立理由は、理由がない。

3. 特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について
申立人は、本件発明1は、「要件(α);『第2偏光板』が偏光の一致しない光を反射することなく吸収すること」及び「要件(β);『反射板』が反射した光は、偏光が90度変わる事」の2つの要件が含まれていないので、本件明細書【0032】に記載の『内容物の表面に到達する光は、その光量が無視できるほど低くなる』という効果が得られないものも含むことが明らかであることから、この点においてサポート要件に違反する旨主張する。
上記主張について検討する。
本件明細書【0032】には、第1偏光板により偏光した下方照明の光が、まず最初に第2偏光板を通過する際にその偏光軸が交差していることから大幅に減衰されること、その減衰された光が反射板到達後に反射して第2偏光板を再度通過することから減衰されること、その二つの減衰により、反射板からの光は光量が無視できるほど低くなることが開示されている。
第1偏光板で偏光した光が、第1偏光板と偏光軸が交差している第2偏光板を通過する際には、第2偏光板の偏光軸方向に偏光している光しか通過できないことからその光が大幅に減衰されることは、当業者にとって技術常識である。
また、反射板で反射した光は反射した際に偏光を維持した正反射光と偏光がばらける散乱光とに分かれ、それらの光が第2偏光板を再度通過する際には第2偏光板の偏光軸と同じ偏光を持つ正反射光と散乱光の一部のみしか通過できないことからその光が減衰されることは、当業者にとって技術常識である。
したがって、これら技術常識を知見する当業者が、本件発明1が「第1偏光板」を備えた「第1照明機構」、「前記一対の反射板と前記第1検査領域との間に、前記各反射板に沿ってそれぞれ配設された一対の第2偏光板とを備え」た「第2照明機構」、及び「前記第2偏光板は、その偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と交差しており」という発明特定事項を備えることにより、「第1照明機構」から照射された光に基づく「反射板からの光は光量が無視できるほど低くなる」効果を得ることは、当然理解できる。
よって、本件発明1の発明特定事項を備えたものは、本件明細書【0032】に記載の『内容物の表面に到達する光は、その光量が無視できるほど低くなる』という効果が得られるものであり、本件発明1はサポート要件を満たしている。
ゆえに、本件発明1に対応する請求項1の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定された要件を満たしているから、申立人の特許法第36条第6項第1号についての異議申立理由は、理由がない。

4.特許法第36条第4項第1号実施可能要件)について
申立人は、本件発明1において、いかにして、本件明細書【0032】に記載の『内容物の表面に到達する光は、その光量が無視できるほど低くなる』という効果が得られるのかについて、明細書中において当業者が実施可能に開示されていないことから、この点において実施可能要件に違反する旨主張する。
上記主張について検討する。
上記「3.」で検討したとおり、当業者であれば、本件発明1が「第1偏光板」を備えた「第1照明機構」、「前記一対の反射板と前記第1検査領域との間に、前記各反射板に沿ってそれぞれ配設された一対の第2偏光板とを備え」た「第2照明機構」、及び「前記第2偏光板は、その偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と交差しており」という発明特定事項を備えることにより、「第1照明機構」から照射された光に基づく「反射板からの光は光量が無視できるほど低くなる」効果を得ることは、当然理解できる。
よって、上記本件発明1の発明特定事項を備えた外観検査装置1を段落【0060】ないし【0129】に開示する本件明細書は、当業者が本件発明1を実施可能に記載されていると認められる。
ゆえに、本件発明1に対応する明細書の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定された要件を満たしているから、申立人の特許法第36条第4項第1号についての異議申立理由は、理由がない。

5.小括
以上のとおりであるので、上記「第3」の異議申立理由はいずれも理由がない。

第5 むすび
以上のとおり、申立人が特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2022-01-19 
出願番号 P2016-227769
審決分類 P 1 651・ 536- Y (G01N)
P 1 651・ 121- Y (G01N)
P 1 651・ 537- Y (G01N)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 伊藤 幸仙
井上 博之
登録日 2021-04-02 
登録番号 6862155
権利者 第一実業ビスウィル株式会社
発明の名称 外観検査装置  
代理人 村上 智司  
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