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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01M
管理番号 1384306
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-01-20 
確定日 2022-04-08 
異議申立件数
事件の表示 特許第6906891号発明「非水系二次電池用炭素材、及び、リチウムイオン二次電池」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6906891号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6906891号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、平成27年9月2日に出願され、令和3年7月2日に特許権の設定登録がされ、令和3年7月21日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対して、令和4年1月20日に特許異議申立人前田洋志により特許異議の申立てがなされたものである。

第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし8の特許に係る発明(以下、「本件特許発明1」ないし「本件特許発明8」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
複数のリチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な黒鉛粒子(A)が複合化した非水系二次電池用炭素材であって、粉体に対する水銀圧入法により求められる細孔分布におけるモード径が0.1μm以上2μm以下であり、且つ体積基準平均粒子径(d50)が5μm以上40μm以下であり、
0.1μm以上2μm以下の細孔容積が0.2ml/g以上であることを特徴とする非水系二次電池用炭素材。
【請求項2】
かさ密度が0.3g/cm3以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用炭素材。
【請求項3】
タップ密度が0.6g/cm3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系二次電池用炭素材。
【請求項4】
d90/d10が3.5以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
【請求項5】
前記非水系二次電池用炭素材の平均粒径d50が、黒鉛粒子(A)の平均粒径d50の1.5倍以上15倍以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
【請求項6】
前記黒鉛粒子(A)が人造黒鉛粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
【請求項7】
該非水系二次電池用炭素材が、さらに天然黒鉛粒子(B)を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
【請求項8】
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備えるリチウムイオン二次電池であって、該負極が、集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備えるものであり、該活物質層が、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。」

第3 申立理由の概要
請求項1ないし3、6ないし8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、
請求項2及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、
請求項5に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第4号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、
請求項1ないし8に係る特許は第29条第2項の規定に違反してなされたものであるため、同法第113条第2号により取り消されるべきである。

<証拠方法>
甲第1号証:特開2008−181870号公報
甲第2号証:特開2009−4139号公報
甲第3号証:特開平10−182118号公報
甲第4号証:特開2013−8526号公報

第4 甲各号証の記載事項、引用発明
1 甲第1号証
(1)甲第1号証には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様。)。
「【請求項1】
球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化した非水系二次電池用の複合黒鉛粒子であって、該複合黒鉛粒子が次の要件(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)
(a)表面に、該球状黒鉛粒子の少なくとも一部が露出している複合黒鉛粒子を含有する。
(b)表面近傍に、該球状黒鉛粒子の不完全な積層構造を有する複合黒鉛粒子を含有する。
(c)該球状黒鉛粒子のメジアン径をaとし、該複合黒鉛粒子のメジアン径をbとした時、その比c=a/bが0.93以上である。
(d)ラマンR値が0.10以上0.30以下、平均円形度が0.85以上、タップ密度が0.87g/cm3以上1.25g/cm3以下、かつ、BET比表面積が2.5m2/g以上8.0m2/g以下である。
(e)水銀ポロシメーターで測定された0.01μm以上2μm以下の細孔容積が0.05mL/g以上1mL/g以下である。
(f)BET比表面積で規格化した表面に存在するCO基の量が、1.15μmol/m2以上5μmol/m2以下である。
(g)該複合黒鉛粒子を用いて下記(i)の条件でスラリーを調製後、圧延銅箔上にドクターブレード法で塗布して乾燥後、活物質層密度1.70g/cm3にプレスした電極の中央部長手方向に、下記(ii)の組成を有する電解液を高さ5cmから5μL滴下させた時に、該電解液が電極上にて完全に消失するまでの時間の平均値が180秒以下である。
(i)スラリーの調製条件
該複合黒鉛粒子を20.00±0.02g、1質量%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液を20.00±0.02g、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)水性ディスパーションを0.25±0.02g秤り取り、手で攪拌し、その後遊星回転式のミキサー(ハイブリッドミキサー)にて5分間攪拌、30秒脱泡して調製。
(ii)電解液組成
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒(容量比=2:2:3)に、1.0MのLiPF6を含有させ、更にビニレンカーボネート2容量%を添加。
よりなる群から選ばれる何れかを満たすことを特徴とする非水系二次電池用複合黒鉛粒子。」

「【請求項9】
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を有する非水系二次電池であって、該負極が、請求項8記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする非水系二次電池。」

「【0008】
すなわち本発明は、球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化した非水系二次電池用の複合黒鉛粒子であって、該複合黒鉛粒子が、次の要件(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)よりなる群から選ばれる何れかを満たすことを特徴とする非水系二次電池用複合黒鉛粒子を提供するものである。
(a)表面に、該球状黒鉛粒子の少なくとも一部が露出している複合黒鉛粒子を含有する。
(b)表面近傍に、該球状黒鉛粒子の不完全な積層構造を有する複合黒鉛粒子を含有する。
(c)該球状黒鉛粒子のメジアン径をaとし、該複合黒鉛粒子のメジアン径をbとした時、その比c=a/bが0.93以上である。
(d)ラマンR値が0.10以上0.30以下、平均円形度が0.85以上、タップ密度が0.87g/cm3以上1.25g/cm3以下、かつ、BET比表面積が2.5m2/g以上8.0m2/g以下である。
(e)水銀ポロシメーターで測定された0.01μm以上2μm以下の細孔容積が0.05mL/g以上1mL/g以下である。
(f)BET比表面積で規格化した表面に存在するCO基の量が、1.15μmol/m2以上5μmol/m2以下である。
(g)該複合黒鉛粒子を用いて下記(i)の条件でスラリーを調製後、圧延銅箔上にドクターブレード法で塗布して乾燥後、活物質層密度1.70g/cm3にプレスした電極の中央部長手方向に、下記(ii)の組成を有する電解液を高さ5cmから5μL滴下させた時に、該電解液が電極上にて完全に消失するまでの時間の平均値が180秒以下である。
(i)スラリーの調製条件
該複合黒鉛粒子を20.00±0.02g、1質量%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液を20.00±0.02g、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)水性ディスパーションを0.25±0.02g秤り取り、手で攪拌し、その後遊星回転式のミキサー(ハイブリッドミキサー)にて5分間攪拌、30秒脱泡して調製。
(ii)電解液組成
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒(容量比=2:2:3)に、1.0MのLiPF6を含有させ、更にビニレンカーボネート2容量%を添加。」

「【0010】
また本発明は、上記非水系二次電池用複合黒鉛粒子を含有することを特徴とする非水系二次電池用負極材料を提供するものであり、また、上記非水系二次電池用複合黒鉛粒子とは形状又は物性の異なる炭素質粒子、好ましくは、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質被覆黒鉛、樹脂被覆黒鉛及び非晶質炭素よりなる群から選ばれる1種以上の炭素質粒子を更に含有することを特徴とする非水系二次電池用負極材料を提供するものである。
【0011】
また本発明は、集電体及びその上に形成された活物質層を有する負極であって、該活物質層が、上記の非水系二次電池用負極材料を用いて形成されていることを特徴とする非水系二次電池用負極を提供するものである。
また本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を有する非水系二次電池であって、該負極が、上記非水系二次電池用負極であることを特徴とする非水系二次電池を提供するものである。」

「【0016】
本発明の複合黒鉛粒子の原料である炭素質粒子としては、焼成によって黒鉛化が可能な炭素の粒子であれば特に限定はないが、天然黒鉛、人造黒鉛、球形化黒鉛、コークス粉、ニードルコークス粉、樹脂の炭化物粉等が挙げられる。これらのうち、活物質層作成時に活物質層の密度を上げ易いという点から、天然黒鉛を用いることが好ましい。中でも黒鉛を球形化処理した球形化黒鉛が特に好ましい。本発明の球状黒鉛粒子は、湾曲又は屈曲した複数の鱗片状又は鱗状黒鉛からなるものであることが好ましい。」

「【0026】
(イ)「メジアン径」の定義
「メジアン径」は、レーザー散乱式粒度分布測定により求めた体積基準の直径であり、その測定方法は以下の通りである。
界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、黒鉛質複合粒子0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「HORIBA製LA−920」に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準メジアン径として測定したものを、本発明における体積基準メジアン径(以下、「メジアン径」と略記する)DLμmと定義する。」

「【0042】
(5)要件(e)
水銀ポロシメーターで測定された0.01μm以上2μm以下の細孔容積が0.05mL/g以上1mL/g以下である。
(イ)水銀ポロシメーターによる複合黒鉛粒子の細孔容積の測定方法と定義
本発明における複合黒鉛化粒子の水銀ポロシメーターによる細孔容積は、細孔容積測定装置「マイクロメリティックス社製オートポアIV9520」を用い、付属のセルに試料を封入し、減圧下(50μmHg)室温にて10分間の前処理を行なった後、水銀を4.0psia(ポンド平方インチ絶対圧力)〜40000psiaまで多段階に昇圧後、3.0psiaまで多段階に降圧させて測定される水銀圧入量より定義される。更に詳しくはこの時水銀に加えた圧力PからWashburn式(D=−(1/P)4γcosψ)を用いて細孔直径Dを計算して得られた水銀圧入退出曲線より定義される。この時、γは水銀の表面張力、ψは接触角を示す。
【0043】
(ロ)範囲
上記測定方法による、本発明における複合黒鉛粒子の0.01μm以上2μm以下の細孔容積は、0.05mL/g以上が好ましく、0.1mL/g以上がより好ましく、0.2mL/g以上が特に好ましい。また、1mL/g以下が好ましく、0.5mL/g以下がより好ましく、0.4mL/g以下が特に好ましい。該複合黒鉛粒子はその製造過程において、より粉砕・磨砕される事で、0.01μm以上、2μm以下の細孔容積が増える傾向が見られる。この領域の細孔容積が増える事で、粒子内部への電解液の浸透性向上が期待でき、極板内部でのリチウムイオンの移動が円滑になり、結果として電池のサイクル特性向上、充放電時の負荷特性の向上に貢献する。」

「【0061】
[2]非水系二次電池用負極材料
本発明の非水系二次電池用複合黒鉛粒子(以下、「複合黒鉛粒子(A)」と略記する場合がある)は、単独で非水系二次電池用負極材料とすることもできるが、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長性炭素繊維、導電性カーボンブラック、非晶質被覆黒鉛、樹脂被覆黒鉛及び非晶質炭素よりなる群から選ばれる1種以上の、上記複合黒鉛粒子とは形状又は物性の異なる炭素質粒子(以下、「炭素質粒子(B)」と略記する)を更に含有させて非水系二次電池用負極材料とすることも好ましい。」

「【0137】
実施例1
平均粒径100μmの黒鉛粒子を奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型にて、ローター周速度70m/秒で9分間の球形化処理を行い、平均粒径21.7μmの球状黒鉛粒子を得た。
【0138】
この球状黒鉛粒子と、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチとを、100:30の重量比で混合し、予め128℃に加熱されたマチスケータ型撹拌翼を持つニーダーに投入して20分間捏合した。
【0139】
十分に捏合された混合物を、予め108℃に予熱されたモールドプレス機の金型に充填し、5分間放置し混合物の温度が安定したところでプランジャーを押し、2kgf/cm3(0.20MPa)の圧力を加えて成形した。1分間この圧力を保持した後、駆動を止め、圧力低下が収まった後、成形体を取り出した。
【0140】
得られた成形体を耐熱容器である金属製サガーに収納し、間隙に黒鉛質ブリーズを充填した。電気炉で室温から1000℃まで48時間かけて昇温し、1000℃で3時間保持し、脱VM焼成を行った。次に、成形体を黒鉛ルツボに収納し、間隙に黒鉛質ブリーズを充填した。アチソン炉で3000℃に4時間加熱して黒鉛化を行った。
【0141】
得られた黒鉛質の成形体をジョークラッシャで粗砕した後、粉砕羽根回転数を8000回転/分に設定したミルにて微粉砕し、45μm篩いで粗粒子を除き、複合黒鉛粒子を得た。これについて、表面性状、複合黒鉛粒子のメジアン径(b)に対する原料の球状黒鉛粒子のメジアン径(a)の比(c=a/b)、ラマンR値、メジアン径、タップ密度、BET比表面積、平均円形度、粉体空隙量、BET比表面積で規格化したCO基の量、及び85℃3日間高温耐久を行った際のラミネートセルの膨れ量(「高温耐久試験時のセル膨れ量」とする)を前記の測定法で測定した。結果を表1に示す。
【0142】
(i)極板(負極シート)の作製方法及びプレス荷重の測定
この複合黒鉛粒子を負極材料として用い、前述の方法により、活物質層密度1.70±0.03g/cm3の活物質層を有する極板を作製した。すなわち具体的には、上記負極材料20.00±0.02g、1質量%カルボキシメチルセルロース水溶液を20.00±0.02g(固形分換算で0.200g)、及び重量平均分子量27万のスチレン・ブタジエンゴム水性ディスパージョン0.25±0.02g(固形分換算で0.1g)を、キーエンス製ハイブリッドミキサーで5分間撹拌し、30秒脱泡してスラリーを得た。
【0143】
このスラリーを集電体である厚さ18μmの銅箔上に、負極材料が11.0±0.1mg/cm2付着するように、ドクターブレード法で、幅5cmに塗布し、室温で風乾を行った。更に110℃で30分乾燥後、直径20cmのローラを用いてロールプレスして、活物質層の密度を1.70g/cm3になるよう調整し負極シートを得た。この時、ロールプレスをする際のプレス荷重を測定した。
【0144】
(ii)非水系二次電池の作製方法
上記方法で作製した負極シートを4cmx3cmの板状に打ち抜き負極とし、LiCoO2からなる正極を同面積で打ち抜き組み合わせた。負極と正極の間には、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートの混合溶媒(容量比=25:37.5:37.5)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させ、更に添加剤としてビニレンカーボネートを2容積%添加した電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、ラミネート型電池を作製した。」

「【0149】
実施例2
実施例1で粉砕羽根回転数を6000回転/分に設定した以外は実施例1と同様にして複合黒鉛粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0150】
実施例3
平均粒径100μmの黒鉛を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型にてローター周速度65m/秒で12分間球形化処理を行い,平均粒径13.7μmの球状黒鉛粒子を得た。この球状黒鉛粒子と、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチとを、100:30の重量比で用い、粉砕時の粉砕羽根回転数を6000回転/分とした以外は実施例1と同様にして複合黒鉛粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0151】
実施例4
平均粒径100μmの黒鉛を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型にてローター周速度60m/秒で7分間球形化処理を行い、平均粒径17.3μmの球状黒鉛粒子を得た。この球状黒鉛粒子と、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチとを、100:30の重量比で用い、粉砕時の粉砕羽根回転数を6000回転/分とした以外は実施例1と同様にして複合黒鉛粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0152】
実施例5
実施例4で粉砕時の粉砕羽根回転数を8000回転/分とした以外は実施例4と同様にして複合黒鉛粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0153】
実施例6
平均粒径100μmの黒鉛を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型にてローター周速度60m/秒で9分間球形化処理を行い、平均粒径21.5μmの球状黒鉛粒子を得た。これを更にジェットミルで粉砕し、球状黒鉛粒子表面の一次粒子が切平面方向に異方化された球状黒鉛粒子を得た。これを実施例1と同様にして複合黒鉛粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0154】
実施例7
実施例5で作製した複合黒鉛粒子に、実施例1で作成した球状黒鉛粒子を5/5の比率で混合し、これを実施例1と同様にして物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。」

「【0161】
実施例14
実施例1と同様に複合球状黒鉛粒子を得、粉砕時の粉砕羽根回転数2000回転/分に変えた以外は実施例1と同様に行った。上記物性を測定し、次いで、実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0162】
実施例15
実施例3と同様に複合球状黒鉛粒子を得、粉砕時の粉砕羽根回転数2000回転/分に変えた以外は実施例1と同様に行った。上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。
【0163】
実施例16
実施例4と同様に複合球状黒鉛粒子を得、粉砕時の粉砕羽根回転数2500回転に変えた以外は実施例1と同様に行った。上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、「高温耐久試験時のセル膨れ量」、「初期サイクル時の充放電不可逆容量」及び「充放電高負荷特性」を測定した。複合黒鉛粒子の物性とこれらの測定結果を表1に示す。」

「【表1】



表1に記載された「粉体空隙量 mL/g」は、【0042】に記載の「mL/g」を単位とする「複合黒鉛粒子」における「水銀ポロシメーターで測定された0.01μm以上2μm以下の細孔容積」を意味するものと解される。
そこで、表1に「粉体空隙量 mL/g」が「0.231」と記載された実施例1は、【0043】において特に好ましい範囲であるとした、複合黒鉛粒子の0.01μm以上2μm以下の細孔容量が0.2mL/g以上0.4mL/g以下に含まれ、本件特許発明1と対比するのに最もふさわしいので、当該実施例1に着目すると、甲第1号証には、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な非水系二次電池用負極(【0011】)に関して、次の事項が記載されている。
・非水系二次電池用負極は、非水系二次電池用複合黒鉛粒子を含有する非水系二次電池用負極材料を用いて形成されている(【0010】、【0011】)。
・非水系二次電池用複合黒鉛粒子は、球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化したものである(【0008】)。
・表1の「メジアン径」は、体積基準メジアン径のことであるから(【0026】)、表1に「メジアン径 μm」が「17.8」と記載された、実施例1の複合黒鉛粒子における体積基準メジアン径は17.8μmである。
・実施例1の複合黒鉛粒子における水銀ポロシメーターで測定された0.01μm以上2μm以下の細孔容積は、表1に「粉体空隙量 mL/g」が「0.231」と記載されていることから、0.231mL/gである。

(2)引用発明
上記記載事項より、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「リチウムイオンを吸蔵・放出可能な非水系二次電池用負極であって、
非水系二次電池用負極は、非水系二次電池用複合黒鉛粒子を含有する非水系二次電池用負極材料を用いて形成され、
非水系二次電池用複合黒鉛粒子は、球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化したものであり、
非水系二次電池用複合黒鉛粒子の体積基準メジアン径は17.8μmであり、水銀ポロシメーターで測定された0.01μm以上2μm以下の細孔容積は、0.231mL/gである、
非水系二次電池用負極。」

2 甲第2号証
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、高容量で、生産性に優れたリチウム二次電池に関するものである。」

「【0007】
ところが、電池の高容量化のために高密度化した電極においては、非水電解液の浸透速度が遅くなるため、電池を製造する際の電解液注液工程で時間がかかり、電池の生産速度を低下させることがあった。」

「【0016】
また、負極合剤層は、水銀ポロシメーターによる細孔径の最頻値が、0.9μm以上、好ましくは0.92μm以上である。本発明では、前記のように負極合剤層を高密度としつつ、このように負極合剤層の有する細孔径を大きくすることで、電解液の浸透速度を高め、電池の生産性向上を達成している。なお、負極合剤層における細孔径の最頻値は、大きければ大きいほど好ましいが、本発明では負極合剤層の密度を1.7g/cm3以上としている関係上、その細孔径の最頻値の上限値も自ずと制限される。具体的には、例えば、5μm程度が細孔径の最頻値の上限値となる。
【0017】
なお、本明細書でいう負極合剤層の細孔径の最頻値は、水銀ポロシメーター(Micromeritic社製「Poresizer 9310」)を用い、負極を2×4cmに切り出し、これを直接セルに入れて測定することにより求められるLog微分細孔容積分布曲線において、最大ピークにおける細孔径(細孔直径)を意味している。」

「【0023】
本発明に係る負極は、例えば、前記の炭素質材料や後記のバインダなどを含むペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し、これを集電体に塗布し乾燥した後に、プレス処理を施して負極合剤層の厚みや密度を調整する工程を経て作製される。このプレス処理の際に負極合剤層を高密度化するために高いプレス圧を付加すると、負極合剤層中の炭素質材料の変形が生じつつ、充填が進行して負極合剤層の密度が大きくなると共に、負極合剤層の細孔径が小さくなると考えられる。」

「【0085】
【表1】



【0016】の記載より、甲第2号証には、次の技術が記載されている。
「電解液の浸透速度を高めて電池の生産性向上させるために、負極合剤層の水銀ポロシメーターによる細孔径の最頻値を0.9μm以上にする技術。」

3 甲第3号証
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素材料及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくはリチウムイオンをドープ、脱ドープする非水電解質二次電池の負極用として好適な炭素材料及びその製造方法に関するものである。」

「【0019】さらに、メソ黒鉛粉として所定の条件(物性)に適合するように選別してリチウム二次電池用負極用材料とすることにより、リチウム二次電池の性能面、生産面に種々の効果をもたらすことができる。具体的には、まず粉体嵩密度が0.6g/cm3以上のメソ黒鉛粉とすることにより、一定容積内に充填できる活物質(メソ黒鉛粉)の量をより多くすることができ、このため容量のより大きなリチウム二次電池の生産が可能となる。」

「【0036】表3から明らかなように、粉体嵩密度が0.6g/cm3を下回ると初期容量、クーロン効率とも大きく劣っており、0.6g/cm3以上では反対に初期容量、クーロン効率とも非常に高くなることが分かる。これは、実際の電池においては、一定容積の電池管体に充填できる活物質たる黒鉛粉の量如何が製作後の電池の容量を左右する一因となるが、メソ黒鉛粉の場合は、粉体嵩密度が0.6g/cm3を超えるときにその現象が顕著な効果となって現れるものと考えられる。」

「【0041】
【表5】



「【0042】表5から明らかなように、メソ黒鉛粉の粒度分布(10%D、50%D、90%D)が所定の範囲(本発明の要件)にあるときには、放電容量が非常に高くなり、さらにメソ黒鉛粉の比表面積が所定の範囲(本発明の要件である8m2/g以下)にあるときには、クーロン効率も同時に高くなることが分かった。」

4 甲第4号証
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
「【0001】
本発明はリチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池に関する。」

「【0084】
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる電解質は特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、電解質を有機溶剤に溶解させた電解液を用いることにより、非水系リチウムイオン二次電池を製造することができる。」

「【0092】
(実施例1)
細孔体積1.35ml/g、比表面積17.5m2/g、タップ密度0.50g/cm3、平均粒子径5μmの鱗片状天然黒鉛粒子をゴム製の容器に充填、密閉した後、該ゴム製容器を空圧プレス機で、加圧媒体の圧力を1000kgf/cm2で等方性加圧処理を行った。次いで、衝撃型粉砕機を用いて回転数2500rpm、スクリーン0.3μmの条件で解砕し、250メッシュの標準篩を通した。得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、鱗片状黒鉛粒子が凝集し二次粒子を形成していた。得られた鱗片状黒鉛粒子の凝集粒子の細孔体積は1.0ml/gであり、比表面積は16.5m2/gであり、タップ密度は0.75g/cm3であり、平均粒子径は7.5μmであり、アスペクト比は2.5であった。
その後、鱗片状天然黒鉛粒子を改質処理により球形化し、細孔体積0.75ml/g、比表面積9.5m2/g、タップ密度1.0g/cm3、平均粒子径12.0μm、アスペクト比1.5の球形化黒鉛粒子を得た。
得られた鱗片状黒鉛粒子の凝集粒子及び球形化黒鉛粒子をそれぞれ1対1の質量割合で、V型混合機を用いて30分間混合して、リチウムイオン二次電池負極材として用いる鱗片状黒鉛粒子の凝集粒子と球形化黒鉛粒子との混合物(黒鉛粒子)を得た。
上記、得られた黒鉛粒子に、コールタールピッチ(炭素前駆体)を黒鉛粒子量に対して4質量部(低結晶炭素層として50質量部残るため、実質被覆量2質量部)添加し、さらにV型混合機で30分間混合したものを窒素流通下、20℃/時間の昇温速度で850℃まで昇温し、1時間保持した後、自然冷却したものを350メッシュ標準篩で通した。これにより、細孔体積1.0ml/g、比表面積4.3m2/g、タップ密度0.90g/cm3、平均粒子径12.0μm、アスペクト比2.0の低結晶炭素で被覆された本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を得た。」

第5 当審の判断
1 本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化した」「非水系二次電池用複合黒鉛粒子」は、「リチウムイオンを吸蔵・放出可能な非水系二次電池用負極」を形成する「非水系二次電池用負極材料」に含まれるものであるから、リチウムイオンを吸蔵・放出可能である。
したがって、引用発明の「球状黒鉛粒子」「が複合化した」「非水系二次電池用複合黒鉛粒子」は、本件特許発明1の「複数のリチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な黒鉛粒子(A)が複合化した非水系二次電池用炭素材」に相当する。

イ 引用発明の「体積基準メジアン径」は、本件特許発明1の「体積基準平均粒子径(d50)」のことである。
したがって、引用発明の「非水系二次電池用複合黒鉛粒子の体積基準メジアン径は17.8μm」であることは、本件特許発明1の「非水系二次電池用炭素材であって、」「体積基準平均粒子径(d50)が5μm以上40μm以下」であることに含まれる。

ウ 引用発明の「非水系二次電池用複合黒鉛粒子の」「水銀ポロシメーターで測定された」「細孔容積」の分布は、本件特許発明1の「非水系二次電池用炭素材」の「粉体に対する水銀圧入法により求められる細孔分布」に相当する物理量である。
但し、非水系二次電池用炭素材の粉体に対する水銀圧入法により求められる細孔分布が、本件特許発明1は「モード径が0.1μm以上2μm以下」であるのに対して、引用発明はそのような特定がない点で相違する。
また、本件特許発明1は「0.1μm以上2μm以下の細孔容積が0.2ml/g以上である」のに対して、引用発明は「0.01μm以上2μm以下の細孔容積は、0.231mL/gである」点で相違する。

したがって、本件特許発明1と引用発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「複数のリチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な黒鉛粒子(A)が複合化した非水系二次電池用炭素材であって、
体積基準平均粒子径(d50)が5μm以上40μm以下である、
非水系二次電池用炭素材。」

(相違点1)
非水系二次電池用炭素材の粉体に対する水銀圧入法により求められる細孔分布が、本件特許発明1は「モード径が0.1μm以上2μm以下」であるのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
(相違点2)
本件特許発明1は「0.1μm以上2μm以下の細孔容積が0.2ml/g以上である」のに対して、引用発明は「0.01μm以上2μm以下の細孔容積は、0.231mL/gである」点。

(2)判断
上記相違点について検討する。
まず、相違点1について検討する。
甲第2号証には、電解液の浸透速度を高めて電池の生産性向上させるために、負極合剤層の水銀ポロシメーターによる細孔径の最頻値を0.9μm以上にする技術が記載されている(上記「第4 2」)。
しかしながら、甲第2号証に、負極は、炭素質材料やバインダなどを含むペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し、これを集電体に塗布し乾燥した後に、プレス処理を施して作製され、プレス処理の際に負極合剤層を高密度化するために高いプレス圧を付加すると、負極合剤層中の炭素質材料の変形が生じ、充負極合剤層の細孔径が小さくなると考えられると記載されているとおり(【0023】)、負極合剤層の作成過程で炭素質材料が変形するので、「負極合剤層」の細孔径の最頻値が0.9μm以上であったとしても、「炭素質材料」の細孔径の最頻値がどのような値であったかは不明である。
そうすると、甲第2号証に記載された負極合剤層の細孔径の最頻値を0.9μm以上にする技術を引用発明に適用したとしても、「非水系二次電池用複合黒鉛粒子」の細孔分布におけるモード径を0.1μm以上2μm以下にすることを導き出すことはできない。
したがって、上記相違点1に係る構成は、引用発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得たこととはいえない。

また、甲第3号証には、粉体嵩密度が0.6g/cm3以上のメソ黒鉛粉(【0019】)及びメソ黒鉛粉の粒度分布(10%D、50%D、90%D)(【0042】)について記載されているが、メソ黒鉛粉のモード径については記載されていない。同様に、甲第4号証には、平均粒子径5μmの鱗片状天然黒鉛粒子及び平均粒子径12.0μmのリチウムイオン二次電池用負極材(【0092】)について記載されているが、リチウムイオン二次電池用負極材のモード径については記載されていない。そうすると、甲第3号証及び甲第4号証の記載を参酌しても、上記相違点1に係る構成を導き出すことはできない。

よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。

2 本件特許発明3、6ないし8について
本件特許発明3、6ないし8は、本件特許発明1に係る全ての構成を備え、さらに構成を付加したものであるから、本件特許発明1と同様な理由により、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。

3 本件特許発明2、4について
本件特許発明2、4は、本件特許発明1に係る全ての構成を備え、さらに構成を付加したものである。そして、甲第3号証には、上記相違点1に係る構成は記載されていないので、本件特許発明2、4は、本件特許発明1と同様な理由により、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。

4 本件特許発明5について
本件特許発明5は、本件特許発明1に係る全ての構成を備え、さらに構成を付加したものである。そして、甲第4号証には、上記相違点1に係る構成は記載されていないので、本件特許発明5は、本件特許発明1と同様な理由により、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第4号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。

6 まとめ
以上のとおりであるから、本件特許発明1ないし8は、いずれも、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるということができず、同法第113条第2号により取り消すことができない。

第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2022-03-29 
出願番号 P2015-173261
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01M)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 井上 信一
特許庁審判官 畑中 博幸
須原 宏光
登録日 2021-07-02 
登録番号 6906891
権利者 三菱ケミカル株式会社
発明の名称 非水系二次電池用炭素材、及び、リチウムイオン二次電池  
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