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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1385029
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-08-24 
確定日 2022-05-31 
事件の表示 特願2019−536591「アップリンク制御チャネル伝送方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月12日国際公開、WO2018/126647、令和 2年 1月30日国内公表、特表2020−503807、請求項の数(26)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)7月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年1月6日 中華人民共和国(CN))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年 8月14日 :手続補正書の提出
令和2年 9月 2日付け:拒絶理由通知書
令和2年12月14日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 4月20日付け:拒絶査定
令和3年 8月24日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和3年12月27日 :上申書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年4月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由1(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

理由1:
・請求項1、2、4、10、11、15、16、19、22ないし26に対して、引用文献1

理由2:
・請求項1、2、4、10、11、15、16ないし26に対して、引用文献1
・請求項3、13に対して、引用文献1及び引用文献2

引用文献等一覧
1.LG Electronics,Overall structure of UL control channel for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611840,InternetURL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611840.zip,2016年11月5日アップロード(以下、「引用文献1」という。)
2.Intel Corporation,UL control channel design with long duration[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611995,InternetURL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611995.zip、2016年11月6日アップロード(以下、「引用文献2」という。)

第3 本願発明
本願請求項1ないし26に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明26」という。)は、令和3年8月24日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし26に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
端末により実行されるアップリンク制御チャネル伝送方法であって、
1つの第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び1つの第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成する段階であって、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボルを占有し、NはMより大きい又はMに等しい、段階と、
前記第1のタイムスロット又はサブフレームの前記N個のシンボル内の前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの前記M個のシンボル内の前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルとをネットワーク側デバイスに伝送する段階と
を備え、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、方法。
【請求項2】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1の周波数リソースを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第2の周波数リソースを占有し、前記第1の周波数リソースは、前記第2の周波数リソースと完全に異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの7個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの4つのシンボルを占有し、前記7個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記4つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの10個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記10個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの11個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記11個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの13個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記13個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの6個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記6個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの4つのシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記4つのシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの3つのシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記3つのシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の周波数リソースは、システム周波数帯の2つの端部を占有し、前記第2の周波数リソースは、前記システム周波数帯のすべて又は一部を占有し、又は、前記第2の周波数リソースは、前記第1の周波数リソース以外の前記システム周波数帯の一部を占有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のタイムスロット又はサブフレームは、少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルを有し、
前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルのうちの少なくとも1つにより占有されるシンボルは、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記シンボルと完全に異なる又は部分的に同じであり、又は、
前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルのうちの少なくとも1つにより占有されるシンボルは、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記シンボルと完全に異なる又は部分的に同じである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1の周波数リソースを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第2の周波数リソースを占有し、前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルのうちの前記少なくとも1つは、第3の周波数リソースを占有し、前記第1の周波数リソースは、前記第2の周波数リソースと完全に異なる又は部分的に同じであり、
前記第3の周波数リソースは、前記第1の周波数リソースと完全に異なる又は部分的に同じであり、又は、前記第3の周波数リソースは、前記第2の周波数リソースと完全に異なる又は部分的に同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の周波数リソースは、システム周波数帯のすべて又は一部を占有し、又は、前記第3の周波数リソースは、前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソース以外の前記システム周波数帯の一部を占有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネル、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネル又は前記第3フォーマットのアップリンク制御チャネルは、周波数リソースの少なくとも2つの部分を占有し、周波数リソースの前記少なくとも2つの部分のうち、少なくとも2つは異なる、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルは、具体的には、1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルであり、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの7個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの4つのシンボルを占有し、前記第3フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記7個のシンボル、前記4つのシンボル及び前記1つのシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて完全に異なる又は部分的に同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
アップリンク制御チャネル伝送装置であって、
1つの第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び1つの第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成するように構成される処理モジュールであって、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボルを占有し、NはMより大きい又はMに等しい、処理モジュールと、
前記第1のタイムスロット又はサブフレームの前記N個のシンボル内の前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの前記M個のシンボル内の前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルとをネットワーク側デバイスに伝送するように構成される送受信モジュールと
を備え、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、装置。
【請求項11】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1の周波数リソースを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第2の周波数リソースを占有し、前記第1の周波数リソースは、前記第2の周波数リソースと完全に異なる又は部分的に同じである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のタイムスロット又はサブフレームは、少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルを有し、
前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルのうちの少なくとも1つにより占有されるシンボルは、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記シンボルと完全に異なる又は部分的に同じであり、又は、前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルのうちの少なくとも1つにより占有されるシンボルは、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記シンボルと完全に異なる又は部分的に同じである、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの7個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの4つのシンボルを占有し、前記7個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記4つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの10個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記10個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの11個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記11個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの13個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記13個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの6個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記6個のシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの4つのシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記4つのシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、又は、
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの3つのシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記3つのシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて前記1つのシンボルと完全に異なる、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルは、具体的には、1つの第3フォーマットのアップリンク制御チャネルであり、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの7個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの4つのシンボルを占有し、前記第3フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの1つのシンボルを占有し、前記7個のシンボル、前記4つのシンボル及び前記1つのシンボルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームにおいて完全に異なる又は部分的に同じである、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
アップリンク制御チャネル伝送装置であって、プロセッサと、メモリと、通信インタフェースと、システムバスとを備え、前記メモリ及び前記通信インタフェースは、相互の通信を達成するために前記システムバスを用いることにより前記プロセッサに接続され、前記メモリは、コンピュータ実行可能命令を格納するように構成され、前記通信インタフェースは、別のデバイスと通信するように構成され、前記プロセッサは、前記コンピュータ実行可能命令を実行するように構成され、その結果、前記アップリンク制御チャネル伝送装置は、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行する、アップリンク制御チャネル伝送装置。
【請求項16】
アップリンク制御チャネル受信方法であって、
第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボル内の1つの第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、前記第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボル内の1つの第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを受信する段階であって、NはMより大きい又はMに等しい、段階を備え、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、方法。
【請求項17】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネル、及び、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、同じ端末デバイスにより送信される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネル、及び、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、異なる端末デバイスにより送信される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
アップリンク制御チャネル受信装置であって、
第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボル内の1つの第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、前記第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボル内の1つの第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを受信するように構成される受信モジュールであって、NはMより大きい又はMに等しく、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、受信モジュールを備える装置。
【請求項20】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネル、及び、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、同じ端末デバイスにより送信される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネル、及び、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、異なる端末デバイスにより送信される、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
コンピュータに、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項23】
コンピュータに、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項24】
アップリンク制御チャネル受信装置であって、プロセッサと、メモリと、通信インタフェースと、システムバスとを備え、前記メモリ及び前記通信インタフェースは、相互の通信を達成するために前記システムバスを用いることにより前記プロセッサに接続され、前記メモリは、コンピュータ実行可能命令を格納するように構成され、前記通信インタフェースは、別のデバイスと通信するように構成され、前記プロセッサは、前記コンピュータ実行可能命令を実行するように構成され、その結果、前記アップリンク制御チャネル受信装置は、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法のすべての段階を実行する、アップリンク制御チャネル受信装置。
【請求項25】
コンピュータソフトウェア命令を格納するように構成されるコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータソフトウェア命令は、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するために設計されるプログラムを含む、コンピュータ記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータソフトウェア命令を格納するように構成されるコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータソフトウェア命令は、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法を実行するために設計されるプログラムを含む、コンピュータ記憶媒体。」

第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された、引用文献1(LG Electronics,Overall structure of UL control channel for NR[online](当審訳:NR用UL制御チャネルの全体構造),3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611840,InternetURL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611840.zip,2016年11月5日アップロード)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(1)「3. Classification of NR-PUCCH types
Considering flexible DL/UL configuration, various usage scenarios, different UE conditions under the NR environments, following three types of NR-PUCCH are to be defined.

■ One-symbol NR-PUCCH type
■ Long duration NR-PUCCH type (e.g. one or multiple slot(s))
■ Short duration NR-PUCCH type (e.g. a few symbols smaller than one slot)

In case of one-symbol NR-PUCCH type, it could be employed for dynamic TDD operation with flexible DL/UL configuration and URLLC use case with HARQ latency reduction. In case of long duration NR-PUCCH type which may occupy, for example, one or multiple slots, it could be required to support sufficient UL coverage and large payload UCI transmission. In case of short duration NR-PUCCH which may occupy, for example, a few symbols smaller than one slot, it might be useful to support moderate coverage UE, large payload UCI, and to enable flexible DL/UL configuration.

Based on the above, a UE can be configured with one or multiple NR-PUCCH type(s) by eNB according to usage scenario, UE coverage condition, and UCI type or size. Moreover, considering different coverage condition per UE and various payload size per UCI type, it should be supported that multiple different NR-PUCCH types (for example, one-symbol (or short duration) NR-PUCCH and long duration NR-PUCCH) are coexisted (and multiplexed/transmitted simultaneously with proper handling) within a same time unit (e.g. slot), from both eNB and UE perspective. 」(3ページ2行目ないし3ページ下から4行目)

(当審訳:
3.NR-PUCCHタイプの分類
柔軟なDL/UL構成、様々な利用シーン、NR環境下でのUE条件の違いを考慮し、以下の3種類のNR-PUCCHを定義する。
■ 1シンボルNR-PUCCHタイプ
■ 長時間NR-PUCCHタイプ(例えば、1つの又は複数のスロット(S))
■ 短時間NR-PUCCHタイプ(例えば、1つのスロットよりも小さい数シンボル)

1シンボルNR-PUCCHの場合、DL/ULを柔軟に構成できるダイナミックTDD動作や、HARQ待ち時間を短縮できるURLLCユースケースで採用される可能性がある。長時間NR-PUCCHの場合(例えば、1スロットまたは複数スロットを占有)、十分なULカバレッジと大きなペイロードUCI送信をサポートするために必要となる可能性がある。短時間NR-PUCCHの場合、例えば、1スロットより小さい数シンボルを占有することがあるが、中程度のカバレッジUE、大きなペイロードUCIをサポートし、柔軟なDL/UL構成を可能にすることが有用である場合がある。

以上のように、UEは、使用シナリオ、UEのカバレッジ条件、UCIのタイプやサイズに応じて、eNBによって1つまたは複数のNR-PUCCHタイプに設定されることが可能である。さらに、UEごとに異なるカバレッジ条件とUCIタイプごとの様々なペイロードサイズを考慮すると、eNBとUEの両方の観点から、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)が共存(適切な処理で同時に多重/送信)することがサポートされるべきであり、また、UEから見ると、同じ時間単位(例えば、1シンボル)内で複数のNR-PUCCHタイプが共存する。)

(2)「



(当審訳:
(図略)
図2.NRのULチャネル多重化構造例)

上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記「(1)」には、「長時間NR-PUCCHタイプ(例えば、1つの又は複数のスロット(S))」、「短時間NR-PUCCHタイプ(例えば、一つのスロットよりも小さい数シンボル)」と記載され、また、上記「(1)」には、「UEは、使用シナリオ、UEのカバレッジ条件、UCIのタイプやサイズに応じて、eNBによって1つまたは複数のNR-PUCCHタイプに設定されることが可能である。」と記載されている。
そうすると、引用文献1には、「UEは、eNBによって長期間NR-PUCCHタイプ(例えば、1つの又は複数のスロット(S))、短期間NR-PUCCHタイプ(例えば、一つのスロットよりも小さい数シンボル)に設定される」ことが記載されているといえる。

イ 上記「(1)」には、「eNBとUEの両方の観点から、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)が共存(適切な処理で同時に多重/送信)することがサポートされるべきであり、また、UEから見ると、同じ時間単位(例えば、1シンボル)内で複数のNR-PUCCHタイプが共存する。」と記載されており、上記「(2)」の図2からも、「同じ時間単位内で複数の異なるNR-PUCCCHタイプが共存する」ことが見て取れる。
そうすると、引用文献1には、「UEの観点から、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)が共存(適切な処理で同時に多重/送信)する」ことが記載されているといえる。

ウ 上記「ア」及び「イ」から、引用文献1は、UEは、eNBによって長期間NR-PUCCHタイプ(例えば、1つの又は複数のスロット(S))、または短期間NR-PUCCHタイプ(例えば、一つのスロットよりも小さい数シンボル)に設定され、UEの観点から、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプが共存(適切な処理で同時に多重/送信)することが記載され、NR-PUCCHとは、アップリンク制御チャネルを表すことは技術常識であるから、引用発明1は、「UEにおけるアップリンク制御チャネル送信方法」が記載されている

したがって、以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「UEにおけるアップリンク制御チャネル送信方法であって、
UEは、eNBによって長期間NR-PUCCHタイプ(例えば、1つの又は複数のスロット(S))、短期間NR-PUCCHタイプ(例えば、一つのスロットよりも小さい数シンボル)に設定され、
UEの観点から、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)が共存(適切な処理で同時に多重/送信)する、方法。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された、引用文献2(Intel Corporation,UL control channel design with long duration[online](当審訳:長時間のUL制御チャネルの設計),3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1611995,InternetURL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611995.zip、2016年11月6日アップロード)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(1)「2.1 UL control channel with long duration in time domain
At the RAN1#86bis meeting, it was agreed that for subcarrier spacing of up to 60 kHz with normal CP, one slot has 7 and 14 symbols [1]. If both slot durations are supported in NR, this indicates that for FDD system, UL control channel may span one full slot with 7 or 14 symbols; while for TDD system, in UL data slot where both DL and UL control channel can exist, UL control region size may vary depending on slot duration, DL control region size and GP duration. Figure2 illustrates UL control channel with long duration with variable lengths for slot duration of 7 and 14 symbols, respectively. In the figure, it can be observed that the number of symbols allocated for UL control channel can vary substantially for different slot durations and DL control region sizes.」(2ページ7行目ないし2ページ14行目)

(当審訳:
2.1 時間領域で長時間のUL制御チャネル
RAN1#86bis会議では、通常のCPでサブキャリア間隔が60kHzまでの場合、1スロットは7シンボルと14シンボルであることが合意された。[1]。TDDシステムでは、ULデータ・スロットにDLとULの両方の制御チャネルが存在するため、UL制御領域のサイズはスロット時間、DL制御領域のサイズ、GP時間に応じて変化する。図2は、7シンボルと14シンボルのスロット持続時間において、長さが変化するUL制御チャネルを示す図である。図では、UL制御チャネルに割り当てられるシンボル数が、異なるスロット持続時間およびDL制御領域のサイズに対して大幅に変化し得ることが観察される。)

(2)「



(当審訳:
(図略)
図2 可変長の長期間UL制御チャネル)

上記「(1)」には、「図では、UL制御チャネルに割り当てられるシンボル数が、異なるスロット持続時間およびDL制御領域のサイズに対して大幅に変化し得ることが観察される。」と記載され、上記「(2)」の図2からは、可変長の長期間UL制御チャネルにおいて、4、5、7、11、12、14のシンボル数が割り当てられることが見て取れる。
そうすると、引用文献2には、「可変長の長期間UL制御チャネルにおいて、4、5、7、11、12、14のシンボル数が割り当てられる」という技術事項が記載されている。

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。

ア 引用発明の「UE」は、本願発明1の「端末」に含まれる。そして、引用発明の「UEにおけるアップリンク制御チャネル送信方法」において、UEによりアップリンク制御チャネルの送信が実行、すなわち伝送が実行されることは自明であるから、引用発明の「UEにおけるアップリンク制御チャネル送信方法」は、UEにより実行されるアップリンク制御チャネル伝送方法であるといえる。
そうすると、本願発明1と引用発明は「端末により実行されるアップリンク制御チャネル伝送方法」である点で共通する。

イ 引用発明のUEは、eNBによって長期間NR-PUCCHタイプ、短期間NR-PUCCHタイプに設定され、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)を適切な処理で同時に共存(多重/送信)するものであるから、引用発明において「UEは同じ時間単位内で長期間NR-PUCCH、短期間NR-PUCCHを生成し、送信する」ことは明らかである。また、NR-PUCCHはアップリンク制御チャネルであり、制御チャネルの伝送は、特定のフォーマットを用いて行われることは技術常識である。
そして、引用発明の長期間NR-PUCCH、短期間NR-PUCCHは、長期間NR-PUCCHタイプが1つの又は複数のスロットに設定され、短期間NR-PUCCHタイプが一つのスロットよりも小さい数シンボルに設定されるものであり、一つのスロット内に複数のシンボルが設定されるものであることは、短期間NR-PUCCHタイプが一つのスロットよりも小さい数シンボルに設定されることから明らかであり、また技術常識ともいえるから、長期間NR-PUCCHが短期間NR-PUCCHよりも多くのシンボルが設定される、すなわち、引用発明は、「長期間NR-PUCCHが短期間NR-PUCCHよりも多くのシンボルを占有する」ものであるといえる。ここで、長期間NR-PUCCHが占有するシンボルの個数及び短期間NR-PUCCHが占有するシンボルの個数をそれぞれN個及びM個として表すことは任意であり、NとMの関係には、長期間NR-PUCCHタイプが1つの又は複数のスロットに設定され、短期間NR-PUCCHタイプが一つのスロットよりも小さい数シンボルに設定されるものであるから、NはMより大きいという関係が存在することは自明である。
また、引用発明は、上述のとおり、同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)が共存(適切な処理で同時に多重/送信)するものであるから、長期間NR-PUCCHと短期間NR-PUCCHは同じスロット内でシンボルをそれぞれ占有するものであるといえ、該スロットは時間単位を表すものであるから、該スロットを第1のタイムスロットと称することは任意である。さらに、スロットがサブフレーム内に存在し、スロット又はサブフレーム内にシンボルが存在することは技術常識である。
そうすると、引用発明は「長期間NR-PUCCHが、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボルを占有し、短期間NR-PUCCHは、第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボルを占有し、NはMより大きい段階」を有するものであるから、引用発明の長期間NR-PUCCH、短期間NR-PUCCHを送信する際に用いられるフォーマットは、それぞれ本願発明1の第1フォーマット、第2フォーマットに相当し、引用発明のUEは、「第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成する段階」を有するものであるといえるから、本願発明1と引用発明は、「第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成する段階であって、第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボルを占有し、第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボルを占有し、NはMより大きい、段階」を有する点で共通する。

ウ 引用発明は、上記「イ」でも上述したとおり、「同じ時間単位(例えばスロット)内で複数の異なるNR-PUCCHタイプ(例えば、1シンボル(または短時間)NR-PUCCHと長時間NR-PUCCH)を適切な処理で同時に多重/送信するもの」であり、送信される先、すなわち伝送される先は基地局であること、基地局がネットワーク側デバイスであることは技術常識である。そして、長時間NR-PUCCHと短時間NR-PUCCHは、それぞれ、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボル内の第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボル内の第2フォーマットのアップリンク制御チャネルである。
そうすると、本願発明1と引用発明は、「第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボル内の第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボル内の第2フォーマットのアップリンク制御チャネルとをネットワーク側デバイスに伝送する段階」を有する点で共通する。

以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
「端末により実行されるアップリンク制御チャネル伝送方法であって、
第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成する段階であって、前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボルを占有し、NはMより大きい、段階と、
前記第1のタイムスロット又はサブフレームの前記N個のシンボル内の前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルと、前記第1のタイムスロット又はサブフレームの前記M個のシンボル内の前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルとをネットワーク側デバイスに伝送する段階とを備える、方法」

(相違点1)
第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成する段階について、本願発明1は、「1つの」第1フォーマットのアップリンク制御チャネル及び「1つの」第2フォーマットのアップリンク制御チャネルを生成する段階であるのに対し、引用発明においては、当該発明特定事項が特定されていない点。

(相違点2)
前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルは、第1のタイムスロット又はサブフレームのN個のシンボルを占有し、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルは、前記第1のタイムスロット又はサブフレームのM個のシンボルを占有する段階について、本願発明1においては「NはMに等しい」ことを含むものであるのに対し、引用発明においては、当該発明特定事項が特定されていない点。

(相違点3)
本願発明1は、「前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、」のに対し、引用発明においては、当該発明特定事項が特定されていない点。

したがって、本願発明1と引用発明は、上記相違点で相違するから、本願発明1は引用発明であるとはいえない。

(2)進歩性(特許法第29条第2項)についての判断
事案に鑑み、まず、相違点3について検討する。
相違点3に係る「前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、」という発明特定事項は、引用文献1及び引用文献2には記載も示唆もされていない。さらに、無線通信分野において周知技術であるともいえない。
よって、当業者といえども、引用発明において、上記相違点3に係る「前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。
したがって、上記相違点1及び相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2、4ないし9について
本願発明2、4ないし9は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明2、4ないし9は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明3について
本願発明3は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明3は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明10ないし12、14について
本願発明10ないし12、14は、本願発明1に記載の方法をアップリンク制御チャネル伝送装置として記載したものであって、上記1で説示した相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、本願発明10ないし12、14は,引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明13について
本願発明13は、本願発明10の発明特定事項を全て含むから、本願発明10と同じ理由により、本願発明13は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

6 本願発明15について
本願発明15は、少なくとも本願発明1に記載の方法を実行するアップリンク制御チャネル伝送装置として記載したものであって、上記1で説示した相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、本願発明15は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

7 本願発明16について
本願発明16は、本願発明1の端末により実行されるアップリンク制御チャネル伝送方法によって送信されたアップリンク制御チャネルを受信する方法を記載したものであって、少なくとも上記相違点3に係る本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を含むから、本願発明1と同様の理由により、本願発明16は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
8 本願発明17、18について
本願発明17、18は、本願発明16の発明特定事項を全て含むから、本願発明16と同じ理由により、本願発明17、18は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
9 本願発明19について
本願発明19は、本願発明16に記載の方法をアップリンク制御チャネル受信装置として記載したものであって、少なくとも上記相違点3に係る本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を含むから、本願発明16と同じ理由により、本願発明19は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

10 本願発明20、21について
本願発明20、21は、本願発明19の発明特定事項を全て含むから、本願発明19と同じ理由により、本願発明20、21は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

11 本願発明22について
本願発明22は、少なくとも本願発明1に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして記載したものであって、上記1で説示した相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、本願発明22は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

12 本願発明23について
本願発明23は、少なくとも本願発明16に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして記載したものであって、少なくとも上記相違点3に係る本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を含むから、本願発明16と同じ理由により、本願発明23は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

13 本願発明24について
本願発明24は、少なくとも本願発明16に記載の方法を実行するアップリンク制御チャネル受信装置として記載したものであって、少なくとも上記相違点3に係る本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を含むから、本願発明16と同じ理由により、本願発明24は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

14 本願発明25について
本願発明25は、少なくとも本願発明1に記載の方法をコンピュータに実行させるために設計されるプログラムを格納したコンピュータ記憶媒体として記載したものであって、上記1で説示した相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、本願発明25は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

15 本願発明26について
本願発明26は、少なくとも本願発明16に記載の方法をコンピュータに実行させるために設計されるプログラムを格納したコンピュータ記憶媒体として記載したものであって、少なくとも上記相違点3に係る本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を含むから、本願発明16と同じ理由により、本願発明26は、引用発明であるといえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
1.理由1(特許法第29条第1項第3号)、理由2(特許法第29条第2項)について
令和3年8月24日にされた手続補正により、本願発明1ないし26は少なくとも「前記第1フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記N個のシンボルのすべての位置は、前記第2フォーマットのアップリンク制御チャネルにより占有される前記M個のシンボルのすべての位置とは異なる、」という発明特定事項、又は当該発明特定事項に対応する発明特定事項を備えるものであることから、上記「第5」のとおり、本願発明1、2、4、10、11、15、16、19、22ないし26は、引用発明であるとはいえず、また本願発明1、2、4、10、11、15、16ないし26は、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえず、さらに本願発明3、13は、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-05-10 
出願番号 P2019-536591
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
P 1 8・ 113- WY (H04W)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 本郷 彰
横田 有光
発明の名称 アップリンク制御チャネル伝送方法及び装置  
代理人 龍華国際特許業務法人  

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