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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1385034
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-08-30 
確定日 2022-05-19 
事件の表示 特願2017−86896「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月22日出願公開、特開2018−183410〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年4月26日に出願された特願2017−86896であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和2年11月11日付け:拒絶理由通知書
令和3年 1月14日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 3月29日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和3年 5月31日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 7月30日付け:令和3年5月31日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和3年 8月30日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和3年8月30日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年8月30日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた始動領域と、
前記始動領域への遊技球の進入により、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する保留記憶手段と、
始動条件の成立により、前記記憶部に記憶された前記保留情報に基づいて、複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
所定の変動時間を計時し、前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示処理を実行する図柄表示手段と、
前記図柄表示部に所定の当たり図柄が表示された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して大入賞口開閉遊技を実行する大入賞口制御手段と、
前記保留情報が取得または記憶された場合に、該保留情報を対象保留情報とする特定演出の実行可否を決定し、前記特定演出の実行を決定した場合に、前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理中のいずれかのタイミングを、前記特定演出の終了タイミングに決定する特定演出決定手段と、
前記特定演出の実行が決定された場合に、少なくとも前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理の開始前から前記終了タイミングまで前記特定演出を実行する特定演出実行手段と、
前記変動時間に亘って前記図柄に対応した装飾図柄を演出表示部に変動表示させ、該図柄に応じた停止態様で停止表示させる変動演出を実行する演出表示手段と、を備え、
前記演出表示手段は、
前記変動演出として、前記装飾図柄とは異なる特殊図柄を前記演出表示部に点滅表示させ、前記図柄の停止表示に応じて所定の発光色で点灯表示させる特殊変動表示を実行可能であるとともに、前記特定演出が実行される場合に、前記特殊変動表示にて前記変動演出を実行可能であるとともに、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行中の前記演出表示部において、当該特定演出に重畳するように特殊画像を表示させ、当該特定演出に関する補助演出を実行可能であり、
前記補助演出の実行中は前記特定演出の実行が継続される遊技機。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年1月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた始動領域と、
前記始動領域への遊技球の進入により、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する保留記憶手段と、
始動条件の成立により、前記記憶部に記憶された前記保留情報に基づいて、複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
所定の変動時間を計時し、前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示処理を実行する図柄表示手段と、
前記図柄表示部に所定の当たり図柄が表示された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して大入賞口開閉遊技を実行する大入賞口制御手段と、
前記保留情報が取得または記憶された場合に、該保留情報を対象保留情報とする特定演出の実行可否を決定し、前記特定演出の実行を決定した場合に、前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理中のいずれかのタイミングを、前記特定演出の終了タイミングに決定する特定演出決定手段と、
前記特定演出の実行が決定された場合に、少なくとも前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理の開始前から前記終了タイミングまで前記特定演出を実行する特定演出実行手段と、
前記変動時間に亘って前記図柄に対応した装飾図柄を演出表示部に変動表示させ、該図柄に応じた停止態様で停止表示させる変動演出を実行する演出表示手段と、を備え、
前記演出表示手段は、
前記変動演出として、前記装飾図柄とは異なる特殊図柄を前記演出表示部に点滅表示させ、前記図柄の停止表示に応じて所定の発光色で点灯表示させる特殊変動表示を実行可能であるとともに、前記特定演出が実行される場合に、前記特殊変動表示にて前記変動演出を実行可能である遊技機。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「特定演出実行手段」について、「前記特定演出を実行中の前記演出表示部において、当該特定演出に重畳するように特殊画像を表示させ、当該特定演出に関する補助演出を実行可能であり、前記補助演出の実行中は前記特定演出の実行が継続される」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号AからMは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「A 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
B 前記遊技領域に設けられた始動領域と、
C 前記始動領域への遊技球の進入により、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する保留記憶手段と、
D 始動条件の成立により、前記記憶部に記憶された前記保留情報に基づいて、複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
E 所定の変動時間を計時し、前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示処理を実行する図柄表示手段と、
F 前記図柄表示部に所定の当たり図柄が表示された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して大入賞口開閉遊技を実行する大入賞口制御手段と、
G 前記保留情報が取得または記憶された場合に、該保留情報を対象保留情報とする特定演出の実行可否を決定し、前記特定演出の実行を決定した場合に、前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理中のいずれかのタイミングを、前記特定演出の終了タイミングに決定する特定演出決定手段と、
H 前記特定演出の実行が決定された場合に、少なくとも前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理の開始前から前記終了タイミングまで前記特定演出を実行する特定演出実行手段と、
I 前記変動時間に亘って前記図柄に対応した装飾図柄を演出表示部に変動表示させ、該図柄に応じた停止態様で停止表示させる変動演出を実行する演出表示手段と、
を備え、
J 前記演出表示手段は、
前記変動演出として、前記装飾図柄とは異なる特殊図柄を前記演出表示部に点滅表示させ、前記図柄の停止表示に応じて所定の発光色で点灯表示させる特殊変動表示を実行可能であるとともに、前記特定演出が実行される場合に、前記特殊変動表示にて前記変動演出を実行可能であるとともに、
K 前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行中の前記演出表示部において、当該特定演出に重畳するように特殊画像を表示させ、当該特定演出に関する補助演出を実行可能であり、
L 前記補助演出の実行中は前記特定演出の実行が継続される
M 遊技機。」

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2017−12516号公報(以下「引用文献1」という。平成29年1月19日出願公開。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審判合議体で付した。以下同様。)。

「【0024】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。」

「【0032】
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、その可変表示の終了時に可変表示結果(確定飾り図柄)を導出表示する。」

「【0053】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
【0054】
大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23(図2参照)によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。」

「【0070】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
・・・
【0077】
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。」

「【0094】
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
【0095】
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入不可能である(この実施の形態では、高ベース状態のときに、第2始動入賞口が開放されやすい)。」

「【0120】
フリーズ演出は、当該フリーズ演出実行時に表示されている演出画面を停止(フリーズ)させる演出である(図32などを参照)。当該フリーズ演出は、実行開始後(ターゲットの始動入賞直後から開始される。)、ターゲットの可変表示開始時又はターゲットの可変表示のリーチ成立時まで継続される(つまり、いずれかのタイミングまで演出画面の停止状態が継続される)。なお、この実施の形態では、フリーズ演出の実行中(停止画面の表示中)に、小図柄によって飾り図柄の可変表示が実行される。これによって、遊技の進行を分かりやすくしている。また、保留表示画像が増加したり(始動入賞時)、保留表示画像が減少したりもする(特図ゲーム実行時)。」

「【0125】
特別図柄の可変表示結果が「確変大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」)が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、この実施の形態では、「確変大当り」のときには、飾り図柄の可変表示において必ずリーチが成立する。
【0126】
特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示結果として、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることもある。」

「【0128】
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定などを行う。
【0129】
遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
【0130】
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理を実行する。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行されることになる。」

「【0152】
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0153】
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンとなったか否かを判定する(ステップS201)。例えば、スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合などに第1始動口スイッチ22Aがオンとなっていると判定すればよい。第1始動口スイッチ22Aがオンとなっている場合(ステップS201;Yes)、第1特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
【0154】
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンとなったか否かを判定する(ステップS204)。例えば、スイッチ処理において第2始動口スイッチ22Bがオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合などに第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定すればよい。第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定した場合(ステップS204;Yes)、第2特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
【0155】
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入する第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
【0156】
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102の所定領域に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。」

「【0177】
図4に戻り、CPU103は、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
【0178】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。図8は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0179】
特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0180】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0181】
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
【0182】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
【0183】
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数(乱数値MR1〜MR3の数値データ)が読み出される。このとき読み出された数値データ(乱数値MR1〜MR3の数値データ)は、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0184】
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
【0185】
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、CPU103は、現在が非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)には、図9(A)に示す第1特図表示結果決定テーブルを参照し、現在が確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)には、図9(B)に示す第2特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を決定する。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図9に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられていればよい。第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブルは、予めROM101に記憶されるなどして用意されている。
【0186】
ステップS239において、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR1を示す数値データに基づいて、確変状態であるか否かに応じて第1特図表示結果決定テーブル又は第2特図表示結果決定テーブルを参照し、参照する第1又は第2特図表示結果決定テーブルにおいて前記乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」又は「ハズレ」を今回の特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)として決定すればよい。乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変状態のときには、第2特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を「大当り」にすると決定し、非確変状態のときには、第1特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
・・・
【0188】
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
【0189】
その後、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブル(図10参照)を参照して大当り種別を決定する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「非確変」、「確変」に割り当てられていればよい。
・・・
【0191】
ステップS242の処理を実行した後には、前で決定した大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
【0192】
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合(大当りフラグがオフ状態のとき)には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(例えば、「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合(大当りフラグがオン状態のとき)には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれか(例えば、「非確変」のときは「3」、「確変」のときは「7」)を確定特別図柄に決定すればよい。
【0193】
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。」

「【0219】
特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する。例えば、ステップS111で初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。
【0220】
遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図又は第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。
【0221】
一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定した確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。例えば、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに所定の駆動信号を供給するなどして、確定特別図柄を表示させるようにすればよい。なお、大当りフラグがオフ状態である場合、遊技制御プロセスタイマに確定特別図柄の表示期間(例えば、後述の当り開始指定コマンド受信待ち時間(例えば、1秒間)に対応する期間)に応じたタイマ値を設定するようにしてもよい。」

「【0224】
特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。
【0225】
大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数をカウントする残回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。その後、当り開始指定コマンド(コマンド中の「XX」には、大当り種別バッファ設定値に基づいて特定される大当り種別に対応する数値(例えば、「非確変」なら「00」、「確変」なら「01」など)が設定される。)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
・・・
【0228】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。
【0229】
この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が0でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。
【0230】
減算後のタイマ値が0である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ初期値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として1ラウンド目を示す「1」を設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。
【0231】
タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
【0232】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。
【0233】
この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理においてカウントスイッチ23がオンしたと判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
【0234】
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が「6」に更新され、大当り開放中処理を終了する。
【0235】
1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。
【0236】
タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
【0237】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。
【0238】
この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が大当り種別に応じた上限値(ここでは「15」)であるか否かを判定する処理や、上限値になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
【0239】
ラウンド数カウンタのカウント値が上限値に達したと判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンド(コマンド中の「XX」には、大当り種別バッファ設定値に基づいて特定される大当り種別に対応する数値(例えば、「非確変」なら「00」、「確変」なら「01」など)が設定される。)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理なども行う。
【0240】
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が「0」であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、ラウンド数カウンタのカウント値を1加算する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。
【0241】
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
【0242】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。
【0243】
1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、時短フラグ、確変フラグ、残回数カウンタなどの状態を設定する。この実施の形態では、大当り種別バッファ設定値に基づいて特定される大当り種別が「確変」のときは、確変フラグ及び時短フラグをオン状態とし、残回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する(図10参照)。一方、大当り種別バッファ設定値に基づいて特定される大当り種別が「非確変」のときは、時短フラグのみをオン状態とし、残回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する(図10参照)。これによって、大当り種別が「確変」のときには、大当り遊技状態後の遊技状態が確変状態及び時短状態になり、大当り種別が「非確変」のときには、大当り遊技状態後の遊技状態が非確変状態及び時短状態になる。時短フラグ、残回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定した後は、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。」

「【0297】
第1始動入賞時コマンドは、第1特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から送信されるので、当該第1特図ゲームの保留の発生時(第1始動入賞発生時)には、第1始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第1始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。第2始動入賞時コマンドは、第2特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から送信されるので、当該第2特図ゲームの保留の発生に対応して、第2始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第2始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。」

「【0330】
次にフリーズ演出処理(ステップS161B)を説明する。図25は、フリーズ演出処理の一例を示すフローチャートである。
【0331】
フリーズ演出処理にて演出制御用CPU120は、今回新たに始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS671)。例えば、第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグ又は第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがオン状態となっているときには、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに新たな一セットの始動入賞時コマンドが格納されているので、新たな始動入賞時コマンドの受信有りと判定する。
・・・
【0334】
新たな始動入賞時コマンドの受信が無い場合(ステップS671;No)、フリーズ演出を実行することはないので、本処理を終了する。
【0335】
新たな始動入賞時コマンドの受信がある場合(ステップS671;Yes)、予告演出B、C実行中フラグ、普図連動演出実行中フラグのいずれかがオンであるかを判定する(ステップS672)。予告演出B、C実行中フラグは、予告演出B又はCの実行中にオンになるフラグで、RAM122に設けられる。
【0336】
上記2つのフラグのうちのいずれか1つでもオンであれば(ステップS672;Yes)、ステップS680に進む。このように、予告演出C又はB、普図連動演出のうちのいずれかの実行期間中では、フリーズ演出の実行が制限(ここでは、禁止)される。
【0337】
上記2つのフラグのいずれもがオフであれば(ステップS672;No)、フリーズ演出についての他の実行制限条件が成立しているか(他の実行制限があるか)を判定する(ステップS673)。例えば、現在飾り図柄の可変表示結果の表示中であったり(例えば、RAM122に可変表示結果を表示しているときにオンとなるフラグを設け、このフラグがオンとなっているときなど)、飾り図柄の可変表示が実行されていなかったり(例えば、演出プロセスフラグが「2」以外のときなど)、処理対象の新たな始動入賞時コマンドに含まれる入賞時判定結果指定コマンドが「判定無し」を指定していたり、フリーズ演出実行フラグがオンであったり、したときには、他の実行制限条件が成立している(他の実行制限有り)と判定する。
・・・
【0339】
実行制限有りの場合(ステッS673;Yes)、フリーズ演出の実行を制限するためステップS680に進む。
【0340】
実行制限無しの場合(ステッS673;No)、フリーズ演出の実行の有無を決定する(ステップS674)。ステップS674では、例えば、図26に示すような決定割合で、フリーズ演出の実行の有無を決定すればよい。
【0341】
例えば、ステップS674において、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるフリーズ演出実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR3に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたフリーズ演出実行決定テーブルを参照して実行の有無を決定する。例えば、前記の決定テーブルとして、第1〜第3フリーズ演出実行決定テーブルが用意されている。第1フリーズ演出実行決定テーブルは、処理対象の新たな始動入賞時コマンド(ターゲット)に含まれる入賞時判定結果指定コマンドが指定する判定結果が「大当り」のときに参照され、第2フリーズ演出実行決定テーブルは、当該判定結果が「リーチハズレ」のときに参照され、第3フリーズ演出実行決定テーブルは、当該判定結果が「非リーチハズレ」のときに参照される。各決定テーブルでは、例えば、乱数値SR3と比較される数値(決定値)が、所定範囲(図26の各決定割合を実現する範囲)で、決定結果となる「実行無し」、「実行有り」に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、参照するテーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR3に合致する決定値に割り当てられた決定結果が「実行無し」であればフリーズ演出を実行しないと決定し、「実行有り」であればフリーズ演出を実行すると決定する。
・・・
【0343】
ステップS674のあと、フリーズ演出を実行すると決定したかを判定し(ステップS675)、実行しないと決定した場合には(ステップS675;No)、ステップS680に進み、実行すると決定した場合には(ステップS675;Yes)、実行するフリーズ演出の実行パターン(フリーズ演出の終了時期)を決定する(ステップS676)。ステップS676では、例えば、図27に示すような決定割合で、フリーズ演出の実行パターンを決定すればよい。
【0344】
例えば、ステップS676において、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるフリーズ演出実行パターン決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR4に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたフリーズ演出実行パターン決定テーブルを参照して実行パターンを決定する。例えば、前記の決定テーブルとして、第1〜第3フリーズ演出実行パターン決定テーブルが用意されている。第1フリーズ演出実行パターン決定テーブルは、処理対象の新たな始動入賞時コマンド(ターゲット)に含まれる入賞時判定結果指定コマンドが指定する判定結果が「大当り」のときに参照され、第2フリーズ演出実行パターン決定テーブルは、当該判定結果が「リーチハズレ」のときに参照され、第3フリーズ演出実行パターン決定テーブルは、当該判定結果が「非リーチハズレ」のときに参照される。各決定テーブルでは、例えば、乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、所定範囲(図27の各決定割合を実現する範囲)で、決定結果となる「FP1−1」、「FP1−2」に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、参照するテーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR4に合致する決定値に割り当てられた決定結果が「FP1−1」であれば実行パターンFP1−1(ターゲットの可変表示開始時にフリーズ演出を終了するパターン、図27参照)でフリーズ演出を実行すると決定し、決定結果が「FP1−2」であれば実行パターンFP1−2(ターゲットの可変表示におけるリーチ成立時にフリーズ演出を終了するパターン、図27参照)でフリーズ演出を実行すると決定する。
・・・
【0346】
ステップS676のあとは、フリーズ演出を実行開始する設定を行い(ステップS677)、フリーズ演出実行フラグをオン状態とし(ステップS678)、上記で決定した決定結果(実行パターン)を、今回処理対象の新たな始動入賞時コマンド(ターゲット)に対応付けて第1又は第2始動入賞時コマンドバッファに格納する(ステップS679)。
【0347】
ステップS677では、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて現在画像表示装置5に表示されている演出画像(飾り図柄の可変表示や背景などの画像)を停止(フリーズ)させるとともに、現在使用パターンとして設定されている演出制御パターンをフリーズ演出用の演出制御パターンに書き換える(停止画像(フリーズ画像)を表示するとともに小図柄の可変表示などを実行するパターンに書き換えるなど)。この書き換えによって、実行予定の予告演出、リーチ演出などの各種演出の実行はキャンセルされることになる。これ以降、後述のステップS172においてフリーズ演出の実行が継続される。なお、フリーズ演出は、フリーズ演出用の音声出力や遊技効果ランプ9の点灯を含んでもよい。」

「【0406】
図32は、実行パターンFP1−1を実行パターンとしたフリーズ演出を実行するときの演出画面例である。
【0407】
フリーズ演出実行前は、図32(A)のように、画像表示装置5の画面中央に「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置され、飾り図柄の可変表示が実行される(図32(A)の下向き矢印参照。なお、他の図においても下向き矢印は可変表示されている飾り図柄や小図柄を示す。)。このとき、星が右から左に移動する背景画像が表示されている。
【0408】
その後、フリーズ演出が実行されると、図32(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面が停止(フリーズ)する。具体的には、飾り図柄の可変表示が一時停止し、さらに、背景の星の動きも停止する。また、他の演出が実行されているときには、当該演出の動きも停止する。停止した画面は、フリーズ演出実行開始のタイミング(停止タイミング)のときの画面である。当該タイミングは、ターゲットの第1保留表示画像の表示開始時、つまり、保留発生時と実質的に同じタイミングであり、このため、遊技者は、保留(始動入賞)の発生によりフリーズ演出が開始されたと認識する。なお、当該停止中には、画面右上の表示エリア5La、5Ca、5Raにて小図柄の可変表示が実行される。当該小図柄の可変表示は、飾り図柄を可変表示させることが出来ない代わりに実行されるものであり、例えば、フリーズ演出の実行が無かったとした場合の飾り図柄の可変表示態様と同じ態様で実行されるものである。また、フリーズ演出実行中であっても、新たな保留が発生したときには、保留表示画像は新たに追加表示される。
【0409】
フリーズ演出が実行中で演出画面がフリーズしているときには、図32(C)に示すように、特図ゲームでの可変表示結果の導出に同期して小図柄で最終停止図柄が導出表示される。その後、ターゲット前までの保留が消化され(ターゲット前までの保留された特図ゲームが実行されたことをいう。)、ターゲットの可変表示が実行されると、図32(D)に示すように、当該可変表示の開始直後にフリーズ解除演出が実行される。フリーズ解除演出は、フリーズ演出が終了したことを報知する演出であり、例えば、「フリーズ解除!」を表示する演出である。なお、フリーズ解除演出の実行時には、小図柄の可変表示が継続される。また、背景なども停止したままである。
・・・
【0411】
フリーズ演出解除後は、図32(E)に示すように、変動パターンなどに従った飾り図柄の可変表示の実行が開始され、背景の星の移動が再開され、さらに各種演出も実行可能となる(つまり、停止(フリーズ)が解除される。)。
【0412】
図33は、実行パターンFP1−2を実行パターンとしたフリーズ演出を実行するときの演出画面例である。
【0413】
フリーズ演出開始後、ターゲットの変動開始までは、実行パターンFP1−1の例と同様の演出画面になる(図33(A)及び(B))。その後、ターゲットの変動が開始してもフリーズ演出がリーチ成立まで実行される(図33(C))。リーチは、小図柄において成立する。その後、フリーズ解除演出が実行され(図33(D))、フリーズが解除される(図33(E))。なお、すでにリーチが成立しているので、変動パターンに従ったリーチ演出が実行される(図33(E))。
・・・
【0416】
なお、飾り図柄の可変表示、小図柄の可変表示、背景画像、リーチ演出の画像、予告演出の画像、普図連動演出の画像、保留表示画像は、それぞれ異なるレイヤー(表示する演出画像以外の部分は透明のレイヤーなど)で重畳表示するようにしてもよい(複数を1つにレイヤーにまとめてもよい。)。特に、普図連動演出、保留表示画像、小図柄の可変表示の表示レイヤーを飾り図柄の可変表示及び背景画像の表示レイヤーと異ならせるとよい。これによって、普図連動演出を飾り図柄の可変表示とは別に制御しやすく、保留表示画像や小図柄の可変表示をフリーズ演出とは別個に制御しやすくなる。」

「【0422】
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい(構成を削除可能である。)。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
・・・
【0458】
(変形例11)
飾り図柄は移動や回転してもよい。フリーズ演出で停止された飾り図柄は、移動した位置にあったり、点滅したり、半透明になったり、回転したりするなど表示態様が変更されてもよい(飾り図柄が導出表示されたのではなくフリーズしていることを報知するため)。また、フリーズ演出では、保留表示画像を小さく表示したりしてもよい(可変表示の進行やターゲットを分かりにくくしてフリーズの演出効果を高めるため。)。また、フリーズ演出では、小図柄や保留表示画像は表示されないようにしてもよい(可変表示の進行やターゲットを分かりにくくしてフリーズの演出効果を高めるため。)。保留表示画像を表示しない場合、新たな始動入賞があっても、当該始動入賞に対応する保留表示画像を新たに表示しなくてよい。フリーズ演出では、小図柄に代えて又は加えて所謂第4図柄を表示するようにしてもよい。小図柄や第4図柄は、フリーズ演出の実行の有無に係わらず常に表示されてもよい。
【0459】
(変形例12)
フリーズ演出の実行期間は一定であってもよいが、上記実施の形態のように長い程ターゲットの大当り期待度が高いものであるとよい。このとき、フリーズ演出の経過時間を分かり易くするため、例えば、フリーズ演出で表示されている停止画像に枠などを設けて、当該枠などの色を経過時間に応じて変化させたり、当該停止画像に視覚効果のエフェクトをかけ経過時間に応じてエフェクトの強弱を変更されたりしてもよい。このように、フリーズ演出で表示されている画像の表示態様を変化させて、遊技の興趣を向上させてもよい。また、フリーズ演出は、複数変動にわたって実行されなくてもよい。フリーズ演出の終了タイミング(又はフリーズ解除演出の実行タイミングなど)のバリエーションは、もっと多くても良い。例えば、擬似連のタイミングなどのリーチ前のタイミングを前記終了タイミングなどとしてもよいし、ターゲットの可変表示の実行前に前記終了タイミングが到来してもよい。このようなときであっても、フリーズ演出の期間が長い程(終了タイミングが後になるほど)、ターゲットの大当り期待度が高いものであるとよい。これによって遊技の興趣が向上する。なお、ターゲット前の可変表示にてフリーズ演出が終了してもよく、このような場合に、フリーズ演出が実行される可変表示の回数に応じてターゲットの大当り期待度が異なるようにしてもよい。」

「【図32】



「【図33】



(イ)上記(ア)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(本件補正発明の構成AからMに概ね対応させて、記号aからmを付した。)。

「a 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤2と(【0024】、【0094】)、
b 遊技領域を流下した遊技球が進入すると、第1始動口スイッチ22Aがオンになる普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)と、遊技球が進入すると、第2始動口スイッチ22Bがオンになる普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)と(【0094】、【0095】)、
遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される遊技制御用マイクロコンピュータ100が搭載された主基板11と(【0070】)、
プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載された演出制御基板12とを備え(【0077】)、
c CPU103は、特別図柄プロセス処理の始動入賞判定処理において(【0152】)、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンとなっている場合で、第1特図保留記憶数が上限値ではないときには始動口バッファ値を、「1」に設定し、第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや第1特図保留記憶数が上限値に達しているときに、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定した場合で、第2特図保留記憶数が上限値ではないときには、始動口バッファ値を「2」に設定し(【0153】、【0154】)、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算し(【0155】)、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数として、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され、抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶し(【0156】)、
d CPU103は、始動入賞判定処理を実行した後の特別図柄通常処理において、第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第2特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出し、読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶され(【0177】、【0179】、【0180】)、第2特図保留記憶数が「0」で第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第1特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出し、読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶され(【0182】、【0183】)、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR1を示す数値データに基づいて、確変状態であるか否かに応じて第1特図表示結果決定テーブル又は第2特図表示結果決定テーブルを参照し、参照する第1又は第2特図表示結果決定テーブルにおいて前記乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」又は「ハズレ」を今回の特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)として決定し(【0186】)、特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合(大当りフラグがオフ状態のとき)には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(例えば、「−」)を確定特別図柄に決定し、特図表示結果が「大当り」であると判定された場合(大当りフラグがオン状態のとき)には、大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれか(例えば、「非確変」のときは「3」、「確変」のときは「7」)を確定特別図柄に決定し(【0192】)、
e CPU103は、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0でないときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示し(【0219】−【0221】)、
f CPU103は、大当りフラグがオン状態である場合で(【0224】、【0225】)、ラウンド遊技の開始タイミングになった場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理が実行され(【0230】)、タイマ値が0になった、又は、大入賞口に進入して検出された遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理が実行され(【0054】、【0234】)、ラウンド数カウンタのカウント値が上限値に達したと判定された場合には、エンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定し(【0239】)、タイマ値が0になった場合には、エンディングを終了し(【0243】)、
g 演出制御用CPU120は(【0331】)、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から(【0297】)新たな始動入賞時コマンドの受信がある場合で(【0335】)、実行制限無しの場合(【0340】)、フリーズ演出実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出し、当該乱数値SR3に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたフリーズ演出実行決定テーブルを参照して実行の有無を決定し(【0341】)、実行すると決定した場合には、実行するフリーズ演出の実行パターン(フリーズ演出の終了時期)を決定するために(【0343】)、フリーズ演出実行パターン決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出し、今回抽出した乱数値SR4に合致する決定値に割り当てられた決定結果が「FP1−1」であれば実行パターンFP1−1(ターゲットの可変表示開始時にフリーズ演出を終了するパターン)でフリーズ演出を実行すると決定し、決定結果が「FP1−2」であれば実行パターンFP1−2(ターゲットの可変表示におけるリーチ成立時にフリーズ演出を終了するパターン)でフリーズ演出を実行すると決定し(【0344】)、現在画像表示装置5に表示されている演出画像(飾り図柄の可変表示や背景などの画像)を停止(フリーズ)させ(【0347】)、
h 実行パターンFP1−1を実行パターンとしたフリーズ演出では(【0406】)、フリーズ演出実行前は、飾り図柄の可変表示が実行され、星が右から左に移動する背景画像が表示され(【0407】)、フリーズ演出が実行されると、飾り図柄の可変表示が一時停止し、背景の星の動きも停止し、停止した画面は、フリーズ演出実行開始のタイミング(停止タイミング)のときの画面であり、当該タイミングは、ターゲットの第1保留表示画像の表示開始時、つまり、保留発生時と実質的に同じタイミングであり(【0408】、図32)、ターゲット前までの保留が消化され、ターゲットの可変表示が実行されると、当該可変表示の開始直後にフリーズ解除演出が実行され(【0409】)、実行パターンFP1−2を実行パターンとしたフリーズ演出では(【0412】)、フリーズ演出開始後、ターゲットの変動開始までは、実行パターンFP1−1と同様の演出画面になり、その後、ターゲットの変動が開始してもフリーズ演出がリーチ成立まで実行されて、フリーズ解除演出が実行され(【0413】、図33)、
i 画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、その可変表示の終了時に可変表示結果(確定飾り図柄)を導出表示し(【0032】)、特別図柄の可変表示結果が「確変大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示され(【0125】)、特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示結果として、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがあり(【0126】)、
j フリーズ演出の実行中に、小図柄によって飾り図柄の可変表示が実行され(【0120】)、当該小図柄の可変表示は、飾り図柄を可変表示させることが出来ない代わりに実行されるものであり、フリーズ演出の実行が無かったとした場合の飾り図柄の可変表示態様と同じ態様で実行され(【0408】)、フリーズ演出では、小図柄に代えて又は加えて第4図柄を表示し、小図柄や第4図柄は、フリーズ演出の実行の有無に係わらず常に表示し(【0458】)、
k、l 飾り図柄の可変表示、小図柄の可変表示、背景画像、リーチ演出の画像、予告演出の画像、普図連動演出の画像、保留表示画像は、それぞれ異なるレイヤー(表示する演出画像以外の部分は透明のレイヤーなど)で重畳表示して、保留表示画像や小図柄の可変表示をフリーズ演出とは別個に制御しやすくし(【0416】)、フリーズ演出の実行期間は長い程ターゲットの大当り期待度が高く、フリーズ演出の経過時間を分かり易くして遊技の興趣を向上させるため、フリーズ演出で表示されている停止画像に枠を設けて、当該枠の色を経過時間に応じて変化させる(【0459】)、
m パチンコ遊技機1(【0024】)。」

イ 引用文献2
(ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許第6024054号公報(平成28年11月9日発行。以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。

「【0481】
次に、本実施の形態によるパチンコ機100において実行される特図変動遊技の演出の具体例について図36〜図46を用いて説明する。なお、図36〜図46に示す遊技状態は、特図低確率状態かつ普図低確率状態(非電サポ状態)である。
【0482】
(実施例1)
図36は、本実施の形態の実施例1による演出の例を時系列で示している。図36および後述する各図では、装飾図柄表示装置208、特図1保留ランプ218、特図1表示装置212、特図2保留ランプ220、特図2表示装置214の相対的な配置関係が図3の図示に対して異ならせて示されている。図36および後述する各図には、装飾図柄表示装置208の左下方に特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220が並んで示され、その下方に特図1表示装置212および特図2表示装置214が並んで示されている。また、特図1表示装置212、特図2表示装置214、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220の消灯部分を白抜きで表し、点灯部分を黒塗りで表している。また、特図1表示装置212または特図2表示装置214において全てのセグメントが白抜きで表された状態は、特図1または特図2の変動表示が行われていることを示している。
【0483】
装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの左下には、正方形状の変動アイコン表示領域870が設けられている。変動アイコン表示領域870では、1つの変動アイコンを表示可能であり、変動アイコンの表示態様によって当該特図変動遊技(当該変動)の当否判定結果を所定の信頼度で予告(当該変動の予告)することが可能である。変動アイコンは、後述する保留アイコン表示領域890に表示される保留アイコンとは異なる表示サイズ(例えば、保留アイコンよりも大きい表示サイズ)で表示されるようにしてもよい。これにより、変動アイコンと保留アイコンとの識別が容易になる場合がある。
【0484】
また、演出表示領域208dの下部であって変動アイコン表示領域870の右側に隣接する横長の領域は、保留アイコン表示領域890である。保留アイコン表示領域890では、1つまたは複数の保留アイコンを表示することが可能である。保留アイコン表示領域890では、保留アイコンの個数によって特図変動遊技の保留数を報知することが可能である。さらに、各保留アイコンの表示態様によって、保留されている特図変動遊技の当否判定結果を所定の信頼度で報知(先読み予告)することが可能である。本実施の形態では、保留アイコン表示領域890は最大4つの保留アイコンを表示可能であり、左から右に向かって、第1領域、第2領域、第3領域、第4領域の4つの領域に大まかに分かれている。第1領域〜第4領域の各領域は、それぞれ1番目〜4番目の保留順位に対応している。すなわち、第1領域には最先の(最も過去に記憶された)保留1に対応する保留アイコンが表示可能となっており、同様に第2領域〜第4領域には2〜4番目の保留2〜4に対応する保留アイコンがそれぞれ表示可能となっている。本実施の形態では、保留アイコン表示領域890の第1領域〜第4領域にそれぞれ数字1〜4が表示されており、表示された数字によって第1領域〜第4領域の位置が明示されているが、第1領域〜第4領域の位置の明示は省略してもよい。また、本実施の形態の保留アイコン表示領域890では、特図1の保留アイコンのみを表示しているが、特図2の保留アイコンを併せて表示してもよい。
【0485】
また、画像表示領域の右下角部(保留アイコン表示領域890の右側)には、第四図柄を表示可能な円形状の第四図柄表示領域912が設けられている。第四図柄は、特図変動遊技が実行中であるか否かを示す図柄である。特図1または特図2変動遊技の実行中は、第四図柄表示領域912が点滅しているかのように白色円形の第四図柄と黒色円形の第四図柄とが交互に表示(以下、「第四図柄の変動表示)という)される。また、第四図柄表示領域912では、特図変動遊技の当否判定結果を報知可能になっている。本実施の形態では、特図変動遊技の当否判定結果が大当りである場合には、第四図柄表示領域912に赤色円形の第四図柄が停止表示され、特図変動遊技の当否判定結果がはずれである場合には、第四図柄表示領域912に青色円形の第四図柄が停止表示されるようになっている。」

(イ)上記(ア)から、引用文献2には次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。

「装飾図柄表示装置208には(【0483】)、第四図柄を表示可能な円形状の第四図柄表示領域912が設けられ、特図1または特図2変動遊技の実行中は、第四図柄表示領域912が点滅しているかのように白色円形の第四図柄と黒色円形の第四図柄とが交互に表示され、特図変動遊技の当否判定結果が大当りである場合には、第四図柄表示領域912に赤色円形の第四図柄が停止表示され、特図変動遊技の当否判定結果がはずれである場合には、第四図柄表示領域912に青色円形の第四図柄が停止表示される(【0485】)パチンコ機100(【0481】)。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)構成Aについて
引用発明の構成aの「遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤2」は、本件補正発明の構成Aの「遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤」に相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する。

(イ)構成Bについて
引用発明の構成bの「第1始動入賞口(第1始動領域)」及び「第2始動入賞口(第2始動領域)」は、「遊技領域を流下した遊技球が進入」するものであって「遊技領域」に設けられていることは明らかであるから、引用発明の構成bの「第1始動入賞口(第1始動領域)」及び「第2始動入賞口(第2始動領域)」は、本件補正発明の構成Bの「前記遊技領域に設けられた始動領域」に相当する。
してみると、引用発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を備える。

(ウ)構成Cについて
引用発明の構成cの「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ」、「特図保留記憶部」は、それぞれ本件補正発明の構成Cの「所定の保留情報」、「記憶部」に相当する。
引用発明の構成cの「始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数として、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され、抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶」することは、本件補正発明の構成Cの「前記始動領域への遊技球の進入により、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成cの「CPU103」は、本件補正発明の構成Cの「保留記憶手段」に相当する機能を備える。
してみると、引用発明の構成b、cは、本件補正発明の構成Cに相当する構成を備える。

(エ)構成Dについて
引用発明の構成cの「第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオン」又は「第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオン」となり、「始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数として、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され、抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされること」は、本件補正発明の構成Dの「始動条件の成立」に相当する。
引用発明の構成dの「第2特図保留記憶部」又は「第1特図保留記憶部」「に記憶されている」「所定の乱数値を示す数値データ」は、本件補正発明の構成Dの「前記記憶部に記憶された前記保留情報」に相当し、引用発明の構成dの「ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(例えば、「−」)」及び「複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄」「(例えば、「非確変」のときは「3」、「確変」のときは「7」)」は、本件補正発明の構成Dの「複数種類の図柄」に相当する。
そうすると、引用発明の構成dの「特別図柄通常処理において、」「第2特図保留記憶部」又は「第1特図保留記憶部」「に記憶されている」「所定の乱数値を示す数値データを読み出し、読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納」し、「特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR1を示す数値データに基づいて」、「「大当り」又は「ハズレ」を今回の特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)として決定し」、「特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合」「には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(例えば、「−」)を確定特別図柄に決定し、特図表示結果が「大当り」であると判定された場合」「には、大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれか(例えば、「非確変」のときは「3」、「確変」のときは「7」)を確定特別図柄に決定」することは、本件補正発明の構成Dの「前記記憶部に記憶された前記保留情報に基づいて、複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成dの「CPU103」は、本件補正発明の構成Dの「図柄決定手段」に相当する機能を備える。
してみると、引用発明の構成c、dは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を備える。

(オ)構成Eについて
引用発明の構成eの「特図変動時間」、「特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄」、「第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4B」は、それぞれ本件補正発明の構成Eの「所定の変動時間」、「前記図柄決定手段によって決定された図柄」、「図柄表示部」に相当する。
してみると、引用発明の構成eの「遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0でないときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示」することは、本件補正発明の構成Eの「所定の変動時間を計時し、前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示処理を実行する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成eの「CPU103」は、本件補正発明の構成Eの「図柄表示手段」に相当する機能を備える。
してみると、引用発明の構成eは、本件補正発明の構成Eに相当する構成を備える。

(カ)構成Fについて
引用発明の「大当りフラグがオン状態のとき」に、「3」又は「7」を「確定特別図柄に決定」し(構成d)、「第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて」「確定特別図柄を停止表示」(構成e)することは、本件補正発明の構成Fの「前記図柄表示部に所定の当たり図柄が表示された場合」に相当する。
引用発明の構成fの「大入賞口」は、「遊技球」が「進入」する場所にあることから、本件補正発明の構成Fの「大入賞口」と同様、「前記遊技領域に設けられ」ることは明らかである。
引用発明の構成fの「大当りフラグがオン状態である場合」(「3」又は「7」を「確定特別図柄に決定」し(構成d)、「第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて」「確定特別図柄を停止表示」(構成e)した場合)に「大入賞口を開放状態とする処理が実行され」ること及び「大入賞口を閉鎖状態に戻す処理が実行され」ることは、本件補正発明の構成Fの「前記図柄表示部に所定の当たり図柄が表示された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御」することに相当することから、引用発明の構成fの「大入賞口を開放状態」又は「閉鎖状態」とする「ラウンド遊技」は、本件補正発明の構成Fの「大入賞口開閉遊技」に相当する。
そして、引用発明の構成fの「CPU103」は、本件補正発明の構成Fの「大入賞口制御手段」に相当する機能を備える。
してみると、引用発明の構成d、e、fは、本件補正発明の構成Fに相当する構成を備える。

(キ)構成Gについて
引用発明の構成gの「第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの保留の発生」とは、すなわち構成cより、「第1始動口スイッチ22A」又は「第2始動口スイッチ22B」が「オン」となり、「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され、抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶され」る処理が実行されることであって、当該「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され」ること、及び、当該「抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶され」ることは、それぞれ本件補正発明の構成Gの「前記保留情報が取得」「され」ること、及び、「前記保留情報が」「記憶され」ることに相当する。してみると、引用発明の構成gの「第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から新たな始動入賞時コマンドの受信がある場合」は、本件補正発明の構成Gの「前記保留情報が取得または記憶された場合」に相当する。
引用発明の構成gの「フリーズ演出」は、本件補正発明の構成Gの「特定演出」に相当し、引用発明の構成gの「新たな始動入賞時コマンドの受信がある場合で、実行制限無しの場合、フリーズ演出実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出し、当該乱数値SR3に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたフリーズ演出実行決定テーブルを参照して実行の有無を決定」することは、本件補正発明の構成Gの「前記保留情報が取得または記憶された場合に、該保留情報を対象保留情報とする特定演出の実行可否を決定」することに相当する。
引用発明の構成gの「ターゲットの可変表示開始時」及び「ターゲットの可変表示におけるリーチ成立時」は、いずれも、本件補正発明の構成Gの「前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理中」に相当することから、引用発明の構成gの「フリーズ演出」を「実行すると決定した場合に」、「ターゲットの可変表示開始時にフリーズ演出を終了する」「実行パターンFP1−1」と「ターゲットの可変表示におけるリーチ成立時にフリーズ演出を終了する」「実行パターンFP1−2」のいずれかを「決定」することは、本件補正発明の構成Gの「前記特定演出の実行を決定した場合に、前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理中のいずれかのタイミングを、前記特定演出の終了タイミングに決定する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成gの「演出制御用CPU120」は、本件補正発明の構成Gの「特定演出決定手段」に相当する機能を備える。
してみると、引用発明の構成c、gは、本件補正発明の構成Gに相当する構成を備える。

(ク)構成Hについて
引用発明の構成hの「ターゲットの可変表示」は、本件補正発明の構成Hの「前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理」に相当し、引用発明の構成hの「ターゲットの」「保留発生時と実質的に同じタイミング」は、「ターゲット前までの保留が消化され」ていない状態であるから、本件補正発明の構成Hの「前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理の開始前」に相当する。
してみると、引用発明の構成hの「フリーズ演出」が、「ターゲットの」「保留発生時と実質的に同じタイミングで」「実行開始」され、「ターゲット前までの保留が消化され」た後、「ターゲットの可変表示が実行される」まで又は「リーチ成立」まで「実行され」ることは、本件補正発明の構成Hの「前記特定演出の実行が決定された場合に、少なくとも前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理の開始前から前記終了タイミングまで前記特定演出を実行する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成gの「演出制御用CPU120」は、「現在画像表示装置5に表示されている演出画像」を「フリーズ」する処理を行うものであり、引用発明の構成hに係る「フリーズ演出」が当該「演出制御用CPU120」により制御されていることは自明であることから、引用発明の構成gの「演出制御用CPU120」は、本件補正発明の構成Hの「特定演出実行手段」に相当する機能を備える。
してみると、引用発明の構成g、hは、本件補正発明の構成Hに相当する構成を備える。

(ケ)構成Iについて
引用発明の構成iの「飾り図柄」、「画像表示装置5の画面」、「可変表示」、「確定飾り図柄」、「画像表示装置5」は、それぞれ本件補正発明の構成Iの「装飾図柄」、「演出表示部」、「変動表示」、「停止態様」、「演出表示手段」に相当する。
ここで、引用発明は、「特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ」(構成e)るものであることから、引用発明の構成iの「第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して」「画像表示装置5の画面上」で「飾り図柄の可変表示を行」うことは、本件補正発明の構成Iの「前記変動時間に亘って前記図柄に対応した装飾図柄を演出表示部に変動表示させ」ることに相当する。
引用発明の構成iにおいて、「特別図柄の可変表示結果が「確変大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示され」、「特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には」、「非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがあ」ることから、引用発明の構成iの「確定飾り図柄が導出表示され」ることは、本件補正発明の構成Iの「該図柄に応じた停止態様で停止表示させる」ことに相当する。
以上のことから、引用発明の構成iの「第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して」「画像表示装置5の画面上で」「飾り図柄の可変表示を行い、その可変表示の終了時に可変表示結果(確定飾り図柄)を導出表示」する演出は、本件補正発明の構成Iの「前記変動時間に亘って前記図柄に対応した装飾図柄を演出表示部に変動表示させ、該図柄に応じた停止態様で停止表示させる変動演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成e、iは、本件補正発明の構成Iに相当する構成を備える。

(コ)構成Jについて
上記(ケ)で説示したとおり、引用発明の「画像表示装置5」、「画像表示装置5の画面」は、それぞれ本件補正発明の構成Jの「前記演出表示手段」、「前記演出表示部」に相当する。
引用発明の構成jの「フリーズ演出の実行の有無に係わらず常に表示」される「第4図柄」は、本件補正発明の構成Jの「前記装飾図柄とは異なる特殊図柄」に相当する。
してみると、引用発明の構成jは、本件補正発明の構成Jと、「前記演出表示手段は、前記変動演出として、前記装飾図柄とは異なる特殊図柄を前記演出表示部に」「表示させる特殊」「表示を実行可能であるとともに、前記特定演出が実行される場合に、前記特殊」「表示にて前記変動演出を実行可能である」点で、共通する。

(サ)構成Kについて
上記(ク)で説示したとおり、引用発明の「演出制御用CPU120」は、本件補正発明の構成Kの「前記特定演出実行手段」に相当する機能を備え、上記(ケ)で説示したとおり、引用発明の「画像表示装置5の画面」は、本件補正発明の構成Kの「前記演出表示部」に相当する。
引用発明の構成k、lの「フリーズ演出で表示されている停止画像に」「設け」られる「枠」は、本件補正発明の構成Kの「特殊画像」に相当し、引用発明の構成k、lの「フリーズ演出の経過時間を分かり易く」するために「当該枠の色を経過時間に応じて変化させる」演出は、本件補正発明の構成Kの「当該特定演出に関する補助演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成k、lは、本件補正発明の構成Kと、「前記特定演出実行手段は、前記特定演出を実行中の前記演出表示部において、」「特殊画像を表示させ、当該特定演出に関する補助演出を実行可能であ」る点で、共通する。

(シ)構成Mについて
引用発明の構成mの「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の構成Mの「遊技機」に相当する。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「A 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
B 前記遊技領域に設けられた始動領域と、
C 前記始動領域への遊技球の進入により、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する保留記憶手段と、
D 始動条件の成立により、前記記憶部に記憶された前記保留情報に基づいて、複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
E 所定の変動時間を計時し、前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示処理を実行する図柄表示手段と、
F 前記図柄表示部に所定の当たり図柄が表示された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して大入賞口開閉遊技を実行する大入賞口制御手段と、
G 前記保留情報が取得または記憶された場合に、該保留情報を対象保留情報とする特定演出の実行可否を決定し、前記特定演出の実行を決定した場合に、前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理中のいずれかのタイミングを、前記特定演出の終了タイミングに決定する特定演出決定手段と、
H 前記特定演出の実行が決定された場合に、少なくとも前記対象保留情報に基づいて実行される前記図柄表示処理の開始前から前記終了タイミングまで前記特定演出を実行する特定演出実行手段と、
I 前記変動時間に亘って前記図柄に対応した装飾図柄を演出表示部に変動表示させ、該図柄に応じた停止態様で停止表示させる変動演出を実行する演出表示手段と、
を備え、
J’前記演出表示手段は、
前記変動演出として、前記装飾図柄とは異なる特殊図柄を前記演出表示部に表示させる特殊表示を実行可能であるとともに、前記特定演出が実行される場合に、前記特殊表示にて前記変動演出を実行可能であるとともに、
K’前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行中の前記演出表示部において、特殊画像を表示させ、当該特定演出に関する補助演出を実行可能である
M 遊技機。」

【相違点1】(構成J)
「前記装飾図柄とは異なる特殊図柄」について、本件補正発明は、「点滅表示させ、前記図柄の停止表示に応じて所定の発光色で点灯表示させる特殊変動表示を実行可能であるとともに、前記特定演出が実行される場合に、前記特殊変動表示にて前記変動演出を実行可能である」のに対し、引用発明は、「フリーズ演出の実行の有無に係わらず」「第4図柄」が「常に表示」されるものの、当該「第4図柄」が「点滅表示させ、前記図柄の停止表示に応じて所定の発光色で点灯表示させる特殊変動表示」を実行するとは特定されていない点。

【相違点2】(構成K)
「特殊画像」の「表示」について、本件補正発明は、「当該特定演出に重畳するように特殊画像を表示させ」るのに対し、引用発明は、「フリーズ演出の経過時間」「に応じて」「色を」「変化させる」「枠」を、「フリーズ演出で表示されている停止画像に」「設け」るものの、どのように「枠」を「設け」るかについては特定されておらず、「当該特定演出に重畳するように」「表示さ」れるか不明である点。

【相違点3】(構成L)
本件補正発明は、「前記補助演出の実行中は前記特定演出の実行が継続される」のに対し、引用発明は、「フリーズ演出の経過時間」「に応じて」「枠の色を」「変化させる」演出の実行中は「フリーズ演出」の実行が継続するとは特定されていない点。

(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
上記(2)イにおいて示した引用文献2記載事項の「装飾図柄表示装置208」、「第四図柄」、「第四図柄表示領域912」は、それぞれ本件補正発明の「前記演出表示手段」、「前記装飾図柄とは異なる特殊図柄」、「前記演出表示部」に相当する。そして、引用文献2記載事項の「第四図柄表示領域912が点滅しているかのように白色円形の第四図柄と黒色円形の第四図柄とが交互に表示され」ることは、本件補正発明の「特殊図柄を前記演出表示部に点滅表示させ」ることに相当し、引用文献2記載事項の「第四図柄」を「赤色」又は「青色」で「停止表示」することは、本件補正発明の「特殊図柄を」「所定の発光色で点灯表示させる」ことに相当する。
そして、パチンコ遊技機の技術分野において、特別図柄表示装置における特別図柄の停止表示に応じて、画像表示装置における装飾図柄、小図柄、第4図柄も停止表示されることは技術常識であることを鑑みると、引用文献2記載事項の「特図変動遊技の当否判定結果が大当り」又は「はずれである場合」に「第四図柄」を「赤色」又は「青色」で「停止表示」することが、本件補正発明と同様、「前記図柄の停止表示に応じ」て行われることは自明である。
してみると、引用文献2記載事項の「特図1または特図2変動遊技の実行中は、第四図柄表示領域912が点滅しているかのように白色円形の第四図柄と黒色円形の第四図柄とが交互に表示され、特図変動遊技の当否判定結果が大当りである場合には、第四図柄表示領域912に赤色円形の第四図柄が停止表示され、特図変動遊技の当否判定結果がはずれである場合には、第四図柄表示領域912に青色円形の第四図柄が停止表示される」ことは、本件補正発明の「前記装飾図柄とは異なる特殊図柄を前記演出表示部に点滅表示させ、前記図柄の停止表示に応じて所定の発光色で点灯表示させる特殊変動表示」に相当する。

引用発明と引用文献2記載事項とは、いずれもパチンコ遊技機である点で技術分野が共通し、画像表示装置における第4図柄の表示制御に関する点で共通することから、引用発明の「フリーズ演出の実行の有無に係わらず」「常に表示」される「第4図柄」に、引用文献2記載事項を適用し、「第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動」中は「第4図柄」を点滅しているかのように表示し、「第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて」「確定特別図柄を停止表示」することに応じて、「第4図柄」を赤色又は青色で停止表示するように構成して、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点2、3について
相違点2、3は、いずれも「補助演出」に関するものであることから、まとめて検討する。
(ア)引用発明(構成k、lを参照)は、「飾り図柄の可変表示、小図柄の可変表示、背景画像、リーチ演出の画像、予告演出の画像、普図連動演出の画像、保留表示画像は、それぞれ異なるレイヤー(表示する演出画像以外の部分は透明のレイヤーなど)で重畳表示して、保留表示画像や小図柄の可変表示をフリーズ演出とは別個に制御しやすく」するものであり、「フリーズ演出の実行期間は長い程ターゲットの大当り期待度が高く」なるものである。これらのことを踏まえると、引用発明の「フリーズ演出で表示されている停止画像に枠を設けて、当該枠の色を経過時間に応じて変化させる」際、「フリーズ演出の経過時間を分かり易くして遊技の興趣を向上させる」という目的を達成すべく、「フリーズ演出の経過時間」「に応じて」(つまり、「大当り期待度」に応じて)「変化」する「枠の色」を目立たせるために、「フリーズ演出で表示されている停止画像」の「レイヤー」よりも優先させて、当該「レイヤー」よりも上側の「レイヤー」として当該「枠」の画像を設けることで、当該「枠」の画像を「フリーズ演出で表示されている停止画像に」「重畳表示」させるように構成して、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(イ)引用発明(構成k、lを参照)の「フリーズ演出の経過時間」「に応じて」「色を」「変化させる」「枠」は、「フリーズ演出で表示されている停止画像に」「設け」られるものであって、かつ、「フリーズ演出の経過時間」(つまり、「大当り期待度」)「を分かり易くして遊技の興趣を向上させる」ためのものであることからすると、当該「枠」が「フリーズ演出」の実行中に「設け」られることは、明らかである。
してみると、引用発明においても、当該「枠」が「設け」られる期間中は、「フリーズ演出」の実行が継続される(本件補正発明の構成Lの「前記補助演出の実行中は前記特定演出の実行が継続される」ことに相当。)と認められる。仮にその点が明らかでないとしても、「フリーズ演出」が終了して「停止画像」が存在しないにも関わらず、当該「枠」だけが残るという不自然な状態となることを避けるべく、引用発明において、当該「枠」が「設け」られる期間中は、「フリーズ演出」の実行が継続されるように構成して、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2記載事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ 請求人の主張について
請求人は、令和3年8月30日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。
「引用文献1に記載の遊技機は、確かに、フリーズ演出中に「予告演出A」を実行し得るものと見受けられるが・・・フリーズ演出と「予告演出A」との間には何ら関係性はなく、引用文献1は、フリーズ演出中に実行中の変動演出の大当たり期待度を示唆する予告演出を実行可能な遊技機を開示しているに過ぎない。
これに対し、本願発明の「補助演出」は「特定演出」に関する演出を実行するものであり、引用文献1に記載の「予告演出A」とは全く異なるものである。」(3.(4)本願発明と引用発明との対比)

そこで、請求人の上記主張について検討する。
本件補正によって、「補助演出」が「当該特定演出に関する補助演出」であると特定された結果、引用文献1に記載された「予告演出A」は、本件補正発明の構成Kの「当該特定演出に関する補助演出」に対応するものではなくなった。しかしながら、上記(3)ア(サ)で説示したとおり、引用発明の構成k、lの「フリーズ演出で表示されている停止画像に」「設け」られる「枠」が、本件補正発明の構成Kの「特殊画像」に相当し、引用発明の構成k、lの「フリーズ演出の経過時間を分かり易く」するために「当該枠の色を経過時間に応じて変化させる」演出が、本件補正発明の構成Kの「当該特定演出に関する補助演出」に相当するものであり、本件補正発明の構成K、Lに関する上記相違点2、3についての判断も、上記イで説示したとおり、引用発明から自明な事項であるか、当業者が容易に想到し得たことである。
なお、令和3年7月30日付けの補正の却下の決定において、「引用文献1において、特に、段落[0303]−[0470]、[図20]−[図47]を参照のこと。」と説示されており、引用発明の構成k、lの根拠となった引用文献1の段落【0416】、【0459】も、上記「段落[0303]−[0470]」に含まれており、請求人は、引用文献1の段落【0416】、【0459】の記載も踏まえて、審判請求書及び手続補正書を提出する機会は与えられていた。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

オ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年8月30日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、同年1月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2017−12516号公報
引用文献2:特許第6024054号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、構成K、Lに係る以下の限定事項を削除したものである。

「前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行中の前記演出表示部において、当該特定演出に重畳するように特殊画像を表示させ、当該特定演出に関する補助演出を実行可能であり、
前記補助演出の実行中は前記特定演出の実行が継続される」

そうすると、本願発明と引用発明とは、前記相違点2、3が存在しないことになり、前記相違点1に係る本願発明の構成については、前記第2の[理由]2(4)アで述べたとおり、引用発明に引用文献2記載事項を適用して、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-03-10 
結審通知日 2022-03-15 
審決日 2022-03-29 
出願番号 P2017-086896
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 北川 創
鷲崎 亮
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人青海特許事務所  
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