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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1385035
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-08-30 
確定日 2022-05-06 
事件の表示 特願2019−13018号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年8月13日出願公開、特開2020−120731号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成31年1月29日の特許出願であって、令和2年10月20日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月25日に意見書および手続補正書が提出されたところ、令和3年5月7日付け(送達日:同年6月1日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年8月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

2 本願発明
令和3年8月30日付け手続補正による特許請求の範囲の補正は、補正前の請求項1〜4のうち請求項1、2、4を削除し、補正前の請求項1を引用する請求項3について、新たに請求項1とするとともに、同じく補正前の請求項1を引用する請求項2をさらに引用する請求項3について、新たに請求項2としたものであって、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とする補正に該当する。

したがって、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年8月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A〜Nは、分説するために当審で付した。)。
「A 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球口と、
B 状態を制御する状態制御手段と、
C 演出を実行する演出実行手段と、
D 前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
E 大当りを認識可能な状態となった後、特定期間が経過すると大当り待機状態に制御され、当該大当り待機状態において、遊技球が前記特定入球口に入球すると大当り遊技が開始される一方、前記特定期間において、遊技球が前記特定入球口に入球しても前記大当り遊技が開始されないようになっており、
F 前記演出には、特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出とがあり、
G 前記特定期間では、前記特定演出が実行され、
H 前記大当り待機状態に制御された後、特別期間にわたって前記特別演出が実行され、
I 前記特定演出は、複数種類あり、
J 前記特定期間において実行される特定演出の種類によって、前記大当り遊技の種類、及び前記大当り遊技の終了後の遊技状態の少なくとも一方が示唆され
K 前記複数種類の特定演出には、それぞれ演出時間が定められており、
L 前記特定期間は、当該特定期間において実行される特定演出の演出時間に応じた長さであり、
M 前記特定演出は、前記特定期間専用の演出である
N 遊技機。」

3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概ね次のとおりである。
進歩性)この出願の請求項1〜4に係る発明は、その出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1.特開2018−140092号公報
2.特開2015−223371号公報

進歩性について
(1)引用文献1について
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1(特開2018−140092号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 記載事項
(ア)「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機における大当り時の演出は、上述したとおり、オープニング演出、大当り演出、エンディング演出の順で実行されるのが一般的であり、遊技機で遊技を開始してから初めて大当りに当選した場合と確率変動状態時のように大当り遊技後にすぐに大当りに当選した場合とのいずれにおいても同様の演出が行われる。
しかしながら、このような演出では、大当り遊技の遊技性についてよく知らない遊技者にとっては、よく知らない状態で大当り遊技を進めることになり、充分に大当り遊技を興趣できない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、大当り遊技の興趣を高める遊技機を提供するものである。」

(イ)「【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0010】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、図1、図2、図4、図7、図10及び図11を用いて説明する。図1は、遊技機10の正面図である。図2は、図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。図4は、遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。図7は、遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。図10は、ラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と大当り遊技開始時の演出表示との第一の関係を示すタイミングチャートである。図11は、ラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と大当り遊技開始時の演出表示との第二の関係を示すタイミングチャートである。
・・・
【0014】
大当り遊技の開始の契機とされる所定条件の具体的内容は制限されない。その所定条件の一例として、遊技球の所定領域の通過が例示できる。当該所定領域は、遊技球が転動する遊技領域50a内の一部の領域であればよい。これにより、遊技者は、遊技球を所定領域に通過させなければ、大当り遊技を開始することができないため、大当り遊技の開始時の遊技性を高め、遊技者の興趣を喚起することができる。
但し、当該所定条件はこのような例に限定されない。例えば、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後から所定時間の経過が当該所定条件とされてもよいし、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後の遊技者の所定操作(プッシュボタン37の押下)の検出が当該所定条件とされてもよい。」

(ウ)「【0024】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯され得る。
【0025】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。」

(エ)「【0040】
普通ゲート63は、第2始動口59の上方右側に配置されている。普通ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW41が配設されている。遊技球の通過がカウントスイッチSW41で検知された場合の少なくとも一部において、普通図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
特定ゲート64は、普通ゲート63の下方右側に配置されている。特定ゲート64の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW42が配設されている。遊技球の通過がカウントスイッチSW42で検知された場合の少なくとも一部において、後述するラウンド数選択を実行する抽選条件が成立する。
カウントスイッチSW41及びSW42による遊技球の通過検知は、賞球の払出条件とされてもよいし、されなくてもよい。
また、普通ゲート63又は特定ゲート64は、通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよいし、そうでなくてもよい。普通ゲート63又は特定ゲート64を通過することも、本明細書では「入球」と称する場合がある。」

(オ)「【0047】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図6では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、図6に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0048】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0049】
図7には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
【0050】
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確率変動(確変)状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄を変動表示させると共に、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0051】
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0052】
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、特図保留制御部121と、当否判定部122と、特図選択部123と、リーチ抽選部124と、変動パターン決定部125と、を有する。
・・・
【0056】
特図選択部123は、当否判定部122による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。具体的には、特図選択部123は、当否判定部122によって乱数M1が当選と判定された場合、乱数抽選を行うことによって、当選を示す第1特別図柄(以降、第1当選特図と表記する場合もある)を選択し、乱数M2が当選と判定された場合、当選を示す第2特別図柄(以降、第2当選特図と表記する場合もある)を選択する。以降、第1当選特図及び第2当選特図を当選特図と総称する場合もある。一方、当否判定部122によって落選が判定された場合、特図選択部123は、ハズレを示す第1特別図柄又は第2特別図柄(ハズレ図柄)を決定する。
特図選択部123により選択された第1特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示され、特図選択部123により選択された第2特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。」

(カ)「【0066】
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、ラウンド数選択部145と、カウント部146と、を有している。」

(キ)「【0074】
図8は、当選を示す特別図柄(当選特図)とラウンド数候補との組合せの例を示す図である。
本実施形態では、図8に示されるように、特図選択部123により選択される第1当選特図は、特図A、特図B及び特図Cの3つの当選特図タイプに分類され、特図A及び特図Bが確変特図であり、特図Cが非確変特図である。第2当選特図は、特図a、特図b、特図c、特図d及び特図eの5つの当選特図タイプに分類され、特図a、特図b、特図c及び特図dが確変特図であり、特図eが非確変特図である。
更に、本実施形態では、当選特図のタイプごとに、選択され得るラウンド数候補が予め決められている。具体的には、特図Aが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の16回であり、特図B又は特図Cが選択されている場合、ラウンド数候補は12回、8回及び4回の3つである。また、特図a及び特図bが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の16回であり、特図cが選択されている場合、ラウンド数候補は16回、12回、8回及び4回の4つであり、特図dが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の4回であり、特図eが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の4回である。
図8に示されるラウンド数は、実質的に大入賞口への入賞を許容するラウンド遊技の回数であってもよい。この場合、ラウンド数選択部145は、図8に示されるラウンド数とは異なる(それよりも多い)ラウンド数を選択し、大当り制御部141が実質的に図8に示されるラウンド数となるようにラウンド遊技時間などの情報を特別電役制御部142に伝送してもよい。」

(ク)「【0080】
本実施形態では、遊技球が特定ゲート64を通過することが当該所定条件とされる。本実施形態では、遊技球の特定ゲート64の通過は、カウントスイッチSW42により検知することができる。即ち、カウントスイッチSW42は遊技球の所定領域の通過を検出する検出手段と呼ぶことができる。
加えて、本実施形態では、上述したとおり、当選特図の停止表示後の当該所定条件が成立し得ない成立不可能期間が設けられている。本実施形態では、当該所定条件が遊技球の特定ゲート64の通過であるため、その成立不可能期間はゲート無効期間と呼ぶことができる。つまり、ゲート無効期間内に遊技球が特定ゲート64を通過したとしても、当該所定条件の成立とはみなされない。
本実施形態では、通常遊技状態における当選特図の停止表示時のゲート無効期間が、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態における当選特図の停止表示時のゲート無効期間よりも長くなっている。
これにより、通常遊技状態での大当りの当選は遊技者にとって初当りの可能性があるため、ゲート無効期間を長くし大当り遊技開始までの時間を長くとることで、大当り遊技の遊技性を十分に報知することができる。逆に、そうでない場合には、ゲート無効期間を短くし大当り遊技開始までの時間を短くして早めに大当り遊技を開始させることで、遊技者にとって冗長な時間を省き、遊技者の興趣が低下するのを防ぐことができる。
・・・
【0082】
大当り遊技に関する制御として、大当り制御部141は、大当り遊技のオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。
本実施形態におけるオープニング演出には、大当り遊技のタイトル表示、大当り遊技の説明、ラウンド数候補のパネル表示、ラウンド数候補の選択予告表示、操作誘導表示、選択ラウンド数のパネル表示などが含まれる。これらオープニング演出の詳細については後述する。
大当り制御部141は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数(ラウンド回数)を少なくとも含むコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力することで、当該選択ラウンド数のパネル表示に係る演出を演出制御部210に実行させることができる。
なお、上述のようなオープニング演出はあくまで例示であり、オープニング演出の内容は制限されない。」

(ケ)「【0088】
<大当り遊技時の演出表示について>
以下、本実施形態における大当り遊技時の演出表示について図9を用いて説明する。図9は、特図1大当り遊技開始時の演出表示の流れを示す図である。
演出制御部210は、当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後、第二表示領域812に出力させている演出図柄群の変動表示を、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せで確定停止させる。これにより、大当り遊技に当選したことが遊技者に報知される。その後、演出制御部210は、大当り遊技のオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して受信し、大当り遊技のオープニング演出に係る表示をメイン表示部81に出力する。
・・・
【0092】
演出制御部210は、全てのラウンド数候補のパネル表示を出力し終えると、ラウンド数候補の選択予告表示をメイン表示部81に出力する。ラウンド数候補の選択予告表示は、複数のラウンド数候補の中からこれから選択されることを動的に示す表示である。本実施形態では、全てのラウンド数候補のパネル表示を含みかつ各パネル表示が順次強調表示される態様で出力される。このような表示態様からラウンド数候補のルーレット表示RTと表記され得る。但し、ラウンド数候補の選択予告表示は、このような例に限定されない。例えば、ラウンド数候補の選択予告表示は、ラウンド数候補のパネル表示が候補ごとに順次切り替わる変動表示の態様で出力されてもよい。
・・・
【0094】
オープニング演出の最後として、演出制御部210は、選択ラウンド数のパネル表示をメイン表示部81に出力する。選択ラウンド数のパネル表示は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数を示す表示である。そのため、演出制御部210は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数を少なくとも含むコマンドを情報伝送部190を介して受信し、受信されたコマンドに含まれるラウンド数の情報に基づいて選択ラウンド数のパネル表示を出力する。
図9における選択ラウンド数のパネル表示STは、ラウンド数候補のルーレット表示RTにおいて、いずれか一つのラウンド数候補のパネル表示の強調表示が確定された状態の表示となっている。具体的には、当該パネル表示STは、ラウンド数16回が選択されたことを示す表示となっている。
このように、演出制御部210は、当選特図の停止表示後、所定条件の成立(遊技球の特定ゲート64の通過)を契機に、大当り遊技の内容を報知する演出を実行することが好ましい。演出により報知される大当り遊技の内容は、本実施形態のようにラウンド数や獲得可能賞球数であってもよいし、他の情報であってもよい。
【0095】
更に、演出制御部210は、オープニング演出において、選択された一種の大当り遊技(ラウンド数候補)に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数、及び確変期待度を当該パネル表示STにより報知した後、その大当り遊技の終了前に、確変状態となり得るか否かを報知する。この報知態様は制限されない。例えば、演出制御部210は、確変状態となり得るか否かを特定可能な表示を出力させる。
確変状態となり得るか否かの報知は、確変状態となること又は確変状態とならないことが確定されたか否かの報知と、条件付きで確変状態となるか又は完全に確変状態となり得ないかの報知とを含む。
本実施形態では、特図選択部123により選択された当選特図が確変特図か非確変特図かにより確変状態となるか否かが確定されるため、大当り制御部141は、オープニング演出に関するコマンドに確変状態となるか否かを示すフラグを含めて演出制御部210に送信することができる。この場合、演出制御部210は、オープニング演出を開始してから大当り遊技を終了させるまでの間に、確変状態となることが確定されたか否かを報知することができる。確変状態付与の条件として、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球することが求められている場合には、演出制御部210は、当該Vゾーンに遊技球が入球しないと確変状態となるか否かが確定しないため、大当り遊技の終了前に、確変状態となり得るか否か(条件付きで確変状態となるか完全に確変状態となり得ないか)を報知すればよい。
【0096】
このように、本実施形態では、演出制御部210は、大当り遊技開始時に、ラウンド数選択部145により選択された一種の大当り遊技のラウンド数又は獲得可能賞球数と共に、その一種の大当り遊技に対応付けられた確変期待度を報知する演出を行う。これにより、大当り遊技の開始時の遊技者の高揚感を高めることができると共に、大当り遊技の特典をいち早く把握できるため、腰を据えて大当り遊技を楽しむことができる。
更に、演出制御部210は、その報知演出後その大当り遊技の終了前に、確変状態となり得るか否かを報知する演出を行う。これにより、これから確変状態となることを期待している遊技者に対して、いち早く確変状態となり得るか否かの情報を与えることができ、遊技者の興趣を喚起することができる。」

(コ)「【0100】
図10の例では、通常遊技状態における大当り当選時の大当り遊技開始時が示されており、ゲート無効期間は、当選特図の停止表示後、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せの確定停止から30秒間に設定されている。例えば、大当り制御部141は、オープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力するタイミングからゲート無効期間を開始させることができる。
一方で、演出制御部210は、そのコマンドを情報伝送部190を介して受信した後、そのゲート無効期間(30秒)の間に、上述したオープニング演出を実行する。具体的には、大当り遊技のタイトル表示を7秒出力し、大当り遊技の説明表示を10秒出力し、ラウンド数候補(複数種の大当り遊技)のパネル表示の個別出力(PN1、PN2、PN3及びPN4)を10秒出力し、ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力する。
このようにして、初当りの可能性の高い大当り当選時には、ゲート無効期間を長く(30秒に設定)することで、大当り遊技の説明表示及びラウンド数候補のパネル表示の個別出力に係る演出を行うことができ、遊技者に大当り遊技の遊技性を十分に報知することができる。
【0101】
ゲート無効期間が経過すると、演出制御部210は、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDを所定時間(3秒)出力する。結果、遊技者がこの出力に従うことで当該所定条件が成立し易くなる。本実施形態では、遊技球が特定ゲート64を通過し易くなる。
このときゲート有効期間となっているため、大当り制御部141は、カウントスイッチSW42からの信号により遊技球の特定ゲート64通過を検知すると、所定条件の成立と判断して、ラウンド数選択部145にラウンド抽選を実行させる。
演出制御部210は、そのラウンド抽選の結果として選択されたラウンド数の情報を含むコマンドを情報伝送部190を介して受信し、選択ラウンド数のパネル表示STを出力する。そのパネル表示STには、選択された一種の大当り遊技に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数及び確変期待度が示されている。
以降、演出制御部210は、ラウンド演出を実行する。また、そのとき、大当り制御部141は、その選択されたラウンド数などを含む制御情報を特別電役制御部142に伝送することで、特別電動役物65の連続作動を開始させる(大当り遊技を開始させる)。
ここで、演出制御部210は、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDの出力開始を、オープニング演出に関するコマンドを受信してから所定時間(30秒)経過で判断してもよいし、大当り制御部141から情報伝送部190を介して出力されるコマンドの受信で判断してもよい。いずれの方法においても、ゲート有効期間と操作誘導表示の出力タイミングとを同期させることができる。但し、ゲート有効期間と操作誘導表示の出力期間とは完全に一致している必要はなく、ゲート有効期間の少なくとも一部において操作誘導表示の出力がなされていればよい。
・・・
【0103】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84の移動制御を実行することができ、さらに図5では図示していないが、装飾可動体の移動制御を実行することができてもよい。」

(サ)「【0116】
ここで、第二ゲート無効期間は、第一ゲート無効期間よりも長くなっている。第二ゲート無効期間は、初当りの遊技者に大当り遊技の遊技性を十分に説明できるようなオープニング演出の長さに設定される(例えば、図10に示される30秒)。一方、第一ゲート無効期間は、いわゆる連荘中であり遊技者が既に把握している内容を省いて早めに大当り遊技を開始できるような長さに設定される(例えば、図11に示される10秒)。
但し、ゲート無効期間の種類は二つに制限されるわけではない。例えば、ステップS304のYES判定でセットされる第一ゲート無効期間とステップS308のYES判定でセットされる第一ゲート無効期間とでが異なる長さとされてもよい。また、上述の所定回数を複数設けることで、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態の終了後から特別図柄変動ゲームの実行回数が多くなるにつれて段階的に長くなるようなゲート無効期間が設けられてもよい。)
・・・
【0118】
続いて、大当り制御部141は、特定ゲートタイマを起動する(ステップS316)。大当り制御部141は、起動された特定ゲートタイマを用いてゲート無効期間の経過を監視し、ゲート有効期間が到来するまで、ステップS320以降の処理を行わず待機する(ステップS318)。具体的には、大当り制御部141は、特定ゲートタイマを用いて起動後からの経過時間が所定時間(ゲート無効期間、例えば30秒又は10秒)となると、ステップS320以降を実行する。
この特定ゲートタイマは、例えば、起動後からゲート無効期間の経過時に割り込みを発生させてもよいし、単に起動後からの経過時間を計測してもよい。
【0119】
大当り制御部141は、ゲート無効期間が経過しゲート有効期間が到来すると、その旨のコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210へ送信する(ステップS320)。この場合、演出制御部210は、このコマンドの受信を契機に、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDを出力することができる。
なお、演出制御部210がステップS314で伝送されるコマンドの受信からの経過時間でゲート無効期間かゲート有効期間かを判別する場合には、ステップS320の処理は不要となる。
・・・
【0122】
<変形例>
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の本実施形態は、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等されることを許容する。
【0123】
上述の実施形態では、ラウンド数選択部145により選択された一種の大当り遊技(ラウンド数)に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数及び確変期待度が大当り遊技開始時に報知されたが、ラウンド数又は獲得可能賞球数か、確変期待度かのいずれか一方が報知されればよい。いずれか一方でも遊技者の高揚感を高めることができ、大当り遊技開始時の興趣を喚起可能である。なお、大当り開始時のこのような情報の報知はなくてもよい。」

イ 図面の図示内容
(シ)「【図8】


(ス)「【図10】


ウ 認定事項
(セ)
【0066】に「遊技状態制御部140は、大当り制御部141・・・を有している。」と記載され、
【0100】に「通常遊技状態における大当り当選時の大当り遊技開始時が示されており、ゲート無効期間は、・・・大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せの確定停止から30秒間に設定されている。」と記載され、
【0118】に「・・・ゲート無効期間の経過を監視し、ゲート有効期間が到来するまで、ステップS320以降の処理を行わず待機する・・・。具体的には、大当り制御部141は、特定ゲートタイマを用いて起動後からの経過時間が所定時間(ゲート無効期間、例えば30秒・・・)となると、ステップS320以降を実行する。」と記載され、
【0119】に「大当り制御部141は、ゲート無効期間が経過しゲート有効期間が到来すると、その旨のコマンドを・・・演出制御部210へ送信する(ステップS320)。」と記載されていることから、引用文献1には、次の技術事項が記載されていると認められる。
「遊技状態制御部140が有している大当り制御部141は、
通常遊技状態における大当り当選時の大当り遊技開始時に、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せが確定停止されてから30秒経過するまでの期間をゲート無効期間として設定し、ゲート無効期間が経過しゲート有効期間が到来すると、その旨のコマンドを演出制御部210へ送信し、起動後からの経過時間がゲート無効期間を経過するまでは、ゲート有効期間が到来した旨のコマンドを演出制御部210へ送信することを待機させること。」

エ 上記アの記載事項、上記イの図示内容、及び、上記ウの認定事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a〜nは、本願発明のA〜Nに対応させて当審判合議体にて付与した。)。
「a
普通ゲート63の下方右側に配置され、通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する特定ゲート64(【0040】)と、メイン制御基板100、サブ制御基板200(【0047】)と、


遊技盤50に配設されている演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)と、前枠20の上枠部32に配設されている一対のスピーカ33と、前枠20の光透過性のカバーの内部に配設されている照明装置35(【0024】、【0025】、【0103】)とを備え、


メイン制御基板100は、
遊技を統括的に制御し、
特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120、大当り遊技を制御する機能、確率変動(確変)状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する遊技状態制御部140を有し(【0048】〜【0050】)、
特図遊技制御部120は、当否判定部122による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する特図選択部123を有し(【0052】、【0056】)、


サブ制御基板200は、演出制御部210を備え、
演出制御部210は、演出表示装置80による特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する表示演出、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出について制御し(【0049】〜【0051】、【0103】)、


特図選択部123により選択される第1当選特図は、特図A、特図B及び特図Cの3つの当選特図タイプに分類され、特図A及び特図Bが確変特図であり、特図Cが非確変特図であり、第2当選特図は、特図a、特図b、特図c、特図d及び特図eの5つの当選特図タイプに分類され、特図a、特図b、特図c及び特図dが確変特図であり、特図eが非確変特図であり(【0074】、図8)、
演出制御部210は、当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後、第二表示領域812に出力させている演出図柄群の変動表示を、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せで確定停止させ、これにより、大当り遊技に当選したことを遊技者に報知し(【0088】)、
遊技状態制御部140が有している大当り制御部141は、
通常遊技状態における大当り当選時の大当り遊技開始時に、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せが確定停止されてから30秒経過するまでの期間をゲート無効期間として設定し、ゲート無効期間が経過しゲート有効期間が到来すると、その旨のコマンドを演出制御部210へ送信し、起動後からの経過時間がゲート無効期間を経過するまでは、ゲート有効期間が到来した旨のコマンドを演出制御部210へ送信することを待機させ(認定事項(セ))、
ゲート無効期間において、遊技球が特定ゲート64を通過したとしても、大当り遊技の開始の契機とされる所定条件の成立とはみなされず(【0014】、【0080】)、
ゲート有効期間に、遊技球の特定ゲート64通過を検知すると、所定条件の成立と判断して、大当り遊技を開始させ(【0014】、【0101】)、


オープニング演出には、大当り遊技のタイトル表示、大当り遊技の説明表示、ラウンド数候補のパネル表示、全てのラウンド数候補のパネル表示を含みかつ各パネル表示が順次強調表示される態様で出力されるラウンド数候補のルーレット表示RT、操作誘導表示、及び、選択ラウンド数のパネル表示STが含まれ(【0082】、【0092】、【0094】)、

g、k、l、m
演出制御部210は、通常遊技状態における大当り当選時の大当り遊技開始時のゲート無効期間(30秒)の間に、オープニング演出のうち、大当り遊技のタイトル表示を7秒出力し、大当り遊技の説明表示を10秒出力し、ラウンド数候補のパネル表示の個別出力(PN1、PN2、PN3及びPN4)を10秒出力し、ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力し(【0100】、図10)、


演出制御部210は、ゲート無効期間が経過すると、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDを所定時間(3秒)出力することで、ゲート有効期間と操作誘導表示の出力タイミングとを同期させることができ(【0101】)、


特図選択部123により選択された当選特図が、確変特図か非確変特図かにより確変状態となるか否かが確定され、
演出制御部210は、オープニング演出において、確変期待度を当該パネル表示STにより報知した後、オープニング演出を開始してから大当り遊技を終了させるまでの間に、確変状態となることが確定されたか否かを報知することができる(【0095】)


遊技機10(【0010】)。」

(2)引用文献2について
同じく、原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2(特開2015−223371号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている

ア 記載事項
(ア)「【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。」

(イ)「【0141】
次に実施例1の変形例(以下、変形例1という。)について説明する。この変形例1では、図2の代わりに図23を用いる点と、図7の代わりに図24を用いる点、図8および図9の代わりに図25および図26を用いる点と、図17の代わりに図27を用いる点と、図18の代わりに図28を用いる点と、図4および図19を用いない点が実施例1と異なる。その他の点に関しては実施例1と同様である。以下、変形例1に関し、実施例1との相違点を中心に説明する。
・・・
【0146】
変形例1においても、図25および図26に示すように、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、第1特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄が「第1通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常A)」と、「第2通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常B)」と、「第1確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変A)」と、「第2確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変B)」とのうち何れかに決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄が「通常A」と、「通常B」と、「確変A」と、「確変B」と、「第3確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変C)」とのうち何れかに決定される。また、変形例1においても、第1当否判定および第2当否判定の双方について、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りの場合、当該大当りが確変大当りとなる確率が「60%」とされ、通常大当りとなる確率が「40%」とされる。」

(ウ)「【実施例3】
【0191】
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3では、図23の代わりに図41を用いる点と、図24の代わりに図42を用いる点、図27の代わりに図43を用いる点と、図28の代わりに図44を用いる点が変形例1と異なる。その他の点に関しては変形例1と同様である。以下、実施例3に関し、変形例1との相違点を中心に説明する。
【0192】
図41に示すように、実施例3の遊技盤10は、普通図柄作動ゲート16および第2始動口17bが右打ち領域11Rに配置されている点が変形例1の遊技盤10と異なる。また、開始ゲート86において遊技球が通過する部位の横幅は普通図柄作動ゲート16において遊技球が通過する部位の横幅よりも大きくされ(例えば、2倍の大きさ)、右打ち領域11Rに遊技球を発射すると、高い確率で遊技球が開始ゲート86を通過する。なお、実施例3の第2始動口17bは前述の変形例5の第2始動口17bと同様である。
【0193】
次に図42を用いて、実施例3の特別図柄の変動遊技の特徴を説明する。実施例3の遊技機においても、S15に至るまでの処理は変形例1と同様である。実施例3では、大当り遊技の待機状態となると(S15)、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を設定する(S15d)。そして、この有効化される時期が到来すると開始ゲートスイッチ86sによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生する。このゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート86を通過すると(S21)、役物連続作動装置の作動を開始させる処理(S24)を行う。そして、普図時短フラグがセット(ON)されている場合には、普図時短フラグを解除(OFFに設定)する処理(S26)を行った後、大当り遊技が開始される(S28)。
【0194】
実施例3の特別図柄遊技処理(S300)は、図43に示すように、開始ゲートスイッチ86sを有効化する時期を設定する処理(S360)が追加されている点が、変形例1の特別図柄遊技処理(S300)と異なる。具体的には、大当り図柄が停止表示され(S352;YES)、条件装置作動フラグがセット(ONに設定)され(S353)、更に、S354の処理を実行すると、開始ゲートスイッチを有効化する時期を設定する(S360)。つまり、実施例3では条件装置作動フラグがセット(ONに設定)されると、直ちに開始ゲートスイッチ86が有効化されるのではなく、条件装置作動フラグをセット(ONに設定)した後、所定時間(例えば、20秒)が通過したときに開始ゲートスイッチ86が有効化される。このため、条件装置作動フラグをセット(ONに設定)した後、所定時間が経過する前に遊技球が開始ゲートスイッチ86を通過しても、開始ゲートスイッチ86による検知は無効とされ、大当り遊技が開始されることはない。なお、S370以降の処理に関しては変形例1の特別図柄遊技処理と同様である。」

(エ)「【0198】
ここで、実施例3では開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を所定の時期(例えば、大当り図柄が停止表示されてから20秒が経過した後)としたが、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期にバラツキを持たせてもよい。例えば、図45(a)の変形例6に示すように、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期(大当り遊技開始からの経過時間)を設定する処理(図43のS360の処理を参照)において乱数抽選を行い、当該時期を複数の候補から選択してもよい。また、図45(b)の変形例7に示すように、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を設定する処理(図43のS360の処理を参照)において、停止表示された大当り図柄の種類に基づき当該時期を決定してもよい。この場合、例えば、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を、大当り図柄の種類によって異なる期間に設定してもよい(例えば、大当り図柄が通常Aであれば「大当り遊技開始から6秒後」、確変Bであれば「大当り遊技開始から10秒後」等)。この場合、遊技を更に多様化でき、遊技興趣を向上させることが更に容易である。
【0199】
なお、変形例6や変形例7において、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期が決定された場合、当該時期を非報知としてもよいが、報知することとしてもよい。例えば、当該決定された時期を特定するデータを主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に送信し、サブ制御部220A(サブ制御基板220)が当該受信したデータに基づいて、演出表示装置27やスピーカSP1〜SP4で、当該決定された時期を報知する演出を行ってもよい。例えば、「5秒間、第2始動口17bを狙え」とか、「チャンスタイム5秒間」等と演出表示装置27の表示画面27aに表示したり、スピーカSP1〜SP4で発声してもよい。」

イ 図面の図示内容
(オ)「【図42】



(カ)「【図45】



ウ 認定事項
(キ)
【0193】に「実施例3では、大当り遊技の待機状態となると(S15)、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を設定する(S15d)。そして、この有効化される時期が到来すると開始ゲートスイッチ86sによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生する。このゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート86を通過すると(S21)、役物連続作動装置の作動を開始させる処理(S24)を行う。」と記載され、
【0194】に「実施例3の特別図柄遊技処理(S300)は、・・・開始ゲートスイッチ86sを有効化する時期を設定する処理(S360)が追加されている・・・大当り図柄が停止表示され・・・ると、開始ゲートスイッチを有効化する時期を設定する(S360)。」と記載されていることから、引用文献2には、次の技術事項が記載されていると認められる。
「大当り図柄が停止表示されると、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期が設定され、この有効化される時期が到来すると開始ゲートスイッチ86sによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生され、このゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート86を通過すると、役物連続作動装置の作動が開始される処理が行われること。」

(ク)
【0193】には、実施例3として、「大当り遊技の待機状態となると(S15)、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を設定する(S15d)。」ことが記載されている。
そして、【0198】には、実施例3の変形例7として、「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期にバラツキを持たせてもよい。」ことが記載されている。
上記(キ)より、引用文献2には、実施例3について「開始ゲートスイッチ86sが有効化される」までの経過時間の開始点が、「大当り図柄が停止表示され」る時であることが記載されている。
そうすると、実施例3の変形例7における「開始ゲートスイッチ86sが有効化される」までの経過時間の開始点は、「大当り図柄が停止表示され」る時であることになる。
この場合、【0198】に記載された「大当り遊技開始から6秒後」、「大当り遊技開始から10秒後」は、それぞれ、「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」、「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」を意味するといえる。
したがって、引用文献2には、次の技術事項が記載されている。
「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期(大当り図柄が停止表示されてからの経過時間)を設定する処理において、大当り図柄の種類によって異なる期間に設定する(例えば、大当り図柄が通常Aであれば「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」、確変Bであれば「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」等)ことで、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期にバラツキを持たせること。」

エ 上記アの記載事項、上記イの図示内容、及び、上記ウの認定事項を総合すると、引用文献2には、次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2に記載された技術事項」という。)。
「右打ち領域11Rに遊技球を発射すると、高い確率で遊技球が通過する開始ゲート86(【0192】)を備え、
第1当否判定の結果が大当りの場合、第1特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄が「第1通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常A)」と、「第2通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常B)」と、「第1確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変A)」と、「第2確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変B)」とのうち何れかに決定され、また、第2当否判定の結果が大当りの場合、第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄が「通常A」と、「通常B」と、「確変A」と、「確変B」と、「第3確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変C)」とのうち何れかに決定され(【0146】)、
大当り図柄が停止表示されると、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期が設定され、この有効化される時期が到来すると開始ゲートスイッチ86sによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生され、このゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート86を通過すると、役物連続作動装置の作動が開始される処理が行われ(認定事項(キ))、
開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期(大当り図柄が停止表示されてからの経過時間)を設定する処理において、大当り図柄の種類によって異なる期間に設定する(例えば、大当り図柄が通常Aであれば「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」、確変Bであれば「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」等)ことで、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期にバラツキを持たせ(認定事項(ク))、
サブ制御基板220は、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期が決定された場合、演出表示装置27やスピーカSP1〜SP4で、当該決定された時期を報知する演出を行う(【0199】)
遊技機1(【0021】)。」

(3)対比
本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)
引用発明の「通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する特定ゲート64」は、本願発明の「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球口」に相当する。
したがって、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。

(b)
引用発明の「大当り遊技」状態、「確率変動(確変)状態」、「変短状態」及び「通常遊技状態」は、本願発明の「状態」に相当する。
したがって、引用発明の「大当り遊技を制御する機能、確率変動(確変)状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する遊技状態制御部140」は、本願発明の「状態を制御する状態制御手段」に相当する。
よって、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。

(c)
引用発明の「演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)」、「一対のスピーカ33」及び「照明装置35」は、本願発明の「演出を実行する演出実行手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当する。

(d)
引用発明の「演出表示装置80による特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する表示演出、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出について制御」する「演出制御部210」は、本願発明の「演出実行手段を制御する演出制御手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。

(e)
引用発明の「大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せ」の「確定停止」は、「大当り遊技に当選したことを遊技者に報知」するものであるから、引用発明の「確定停止」状態は、本願発明の「大当りを認識可能な状態」に相当する。
そうすると、引用発明の「大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せが確定停止されてから」は、本願発明の「大当りを認識可能な状態となった後」に相当する。

そして、引用発明の「ゲート無効期間」は、本願発明の「特定期間」に相当し、引用発明の「ゲート有効期間」は、「ゲート有効期間に、遊技球が特定ゲート64を通過すると、所定条件の成立と判断し、大当り遊技を開始させ」ることからみて、「遊技球が特定ゲート64を通過する」まで「大当り遊技を開始させ」ない待機状態といえるから、本願発明の「大当り待機状態」に相当する。
そうすると、引用発明の「ゲート無効期間が経過しゲート有効期間が到来する」ことは、本願発明の「特定期間が経過すると大当り待機状態に制御され大当りを認識可能な状態となった後」ることに相当する。

また、引用発明の「ゲート有効期間に、遊技球の特定ゲート64通過を検知すると、所定条件の成立と判断して、大当り遊技を開始させ」ることは、本願発明の「大当り待機状態において、遊技球が特定入球口に入球すると大当り遊技が開始される」ことに相当する。

さらに、引用発明の「ゲート無効期間において、遊技球が特定ゲート64を通過したとしても、大当り遊技の開始の契機とされる所定条件の成立とはみなさ」ないことは、「大当り遊技」を開始させないことであるから、本願発明の「特定期間において、遊技球が特定入球口に入球しても大当り遊技が開始されないようになって」いることに相当する。

したがって、引用発明の構成eは、本願発明の構成Eに相当する。

(f)
引用発明の「オープニング演出」のうち、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」は、本願発明の「特定演出」に相当する。
そして、引用発明の「オープニング演出」のうち「操作誘導表示」は、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」とは異なる演出であるから、本願発明の「特定演出とは異なる特別演出」に相当する。
したがって、引用発明の構成fの「ラウンド数候補のルーレット表示RT」と「操作誘導表示が含まれ」る「オープニング演出」は、本願発明の構成Fの「特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出とがあ」る「演出」に相当する。
よって、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fに相当する。

(g)
上記(e)から、引用発明の「ゲート無効期間」は、本願発明の「特定期間」に相当し、上記(f)から、引用発明の「オープニング演出」のうち、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」は、本願発明の「特定演出」に相当する。
そうすると、引用発明の構成g、k、l、mの「ゲート無効期間(30秒)の間に、オープニング演出のうち、」「ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力」することは、本願発明の構成Gの「特定期間では、特定演出が実行され」ることに相当する。
したがって、引用発明の構成g、k、l、mは、本願発明の構成Gに相当する構成を含む。

(h)
引用発明において、「ゲート無効期間が経過すると」、構成eより、「ゲート有効期間が到来」するものであり、上記(e)より、引用発明の「ゲート有効期間」は、本願発明の「大当り待機状態」に相当するものであることからみて、引用発明の「ゲート無効期間が経過する」ことは、本願発明の「大当り待機状態に制御された後」に相当する。
また、引用発明における「所定時間(3秒)」は、本願発明における「特別期間」に相当し、引用発明における「操作誘導表示(「右打ち」表示)GD」は、上記(f)より、本願発明における「特別演出」に相当することからみて、引用発明の「操作誘導表示(「右打ち」表示)GDを所定時間(3秒)出力することで、ゲート有効期間と操作誘導表示の出力タイミングとを同期させる」ことは、本願発明の「特別期間にわたって前記特別演出が実行され」ることに相当する。
したがって、引用発明の構成hは、本願発明の構成Hに相当する。

(j)
一方、本願発明の「大当り遊技の種類、及び大当り遊技の終了後の遊技状態の少なくとも一方が示唆され」ることには、「大当り遊技の種類」が「示唆され」ること、「大当り遊技の終了後の遊技状態」「が示唆され」ることの少なくとも一方を含むものである。

そうすると、引用発明における構成jの「確変状態となることが確定されたか否かを報知すること」と、本願発明の構成Jの「特定期間において実行される特定演出の種類によって、大当り遊技の種類、及び大当り遊技の終了後の遊技状態の少なくとも一方が示唆され」ることとは、「大当り遊技の終了後の遊技状態」「が示唆され」ることで共通する。

(k)
引用発明の「ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力」することは、本願発明の「演出時間が定められて」いることに相当する。
したがって、引用発明の構成g、k、l、mと、本願発明の構成Kとは、「特定演出には、演出時間が定められて」いる点で共通する。


(l)
引用発明の構成g、k、l、mの「ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力」することと、本願発明の構成Lの「特定期間は、当該特定期間において実行される特定演出の演出時間に応じた長さであ」ることとは、「特定期間において、所定演出時間の特定演出が実行」されることで共通する。

(m)
引用発明における「ゲート無効期間の間に」実行される「ラウンド数候補のルーレット表示RT」は、「ゲート無効期間の間に」のみ実行される演出であることが、引用文献1の記載全体をみても明らかであるから、本願発明の「特定期間専用の演出である」「特定演出」に相当する。
したがって、引用発明の構成g、k、l、mは、本願発明の構成Mに相当する構成を含む。

(n)
引用発明の「遊技機10」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の構成nは、本願発明の構成Nに相当する。

上記(a)〜(n)によれば、本願発明と引用発明は、
「A 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球口と、
B 状態を制御する状態制御手段と、
C 演出を実行する演出実行手段と、
D 前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
E 大当りを認識可能な状態となった後、特定期間が経過すると大当り待機状態に制御され、当該大当り待機状態において、遊技球が前記特定入球口に入球すると大当り遊技が開始される一方、前記特定期間において、遊技球が前記特定入球口に入球しても前記大当り遊技が開始されないようになっており、
F 前記演出には、特定演出と、前記特定演出とは異なる特別演出とがあり、
G 前記特定期間では、前記特定演出が実行され、
H 前記大当り待機状態に制御された後、特別期間にわたって前記特別演出が実行され、
J´大当り遊技の終了後の遊技状態が示唆され、
K´前記特定演出には、演出時間が定められており、
L´前記特定期間において所定演出時間の特定演出が実行され、
M 前記特定演出は、前記特定期間専用の演出である
N 遊技機。」の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1(構成I)]
特定演出に関し、本願発明は、特定演出が複数種類あるのに対して、引用発明は、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」が複数種類ない点。

[相違点2(構成J)]
特定演出に関し、本願発明は、特定期間において実行される特定演出の種類によって、大当り遊技の種類、及び大当り遊技の終了後の遊技状態の少なくとも一方が示唆されるのに対して、引用発明は、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」が複数種類ないから、そのような構成を備えない点。

[相違点3(構成K)]
演出時間が定められている特定演出に関し、本願発明は、複数種類の特定演出にそれぞれ演出時間が定められているのに対して、引用発明は、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」が複数種類ないため、複数種類の「ラウンド数候補のルーレット表示RT」にそれぞれ演出時間が定められていない点。

[相違点4(構成L)]
「所定演出時間の特定演出が実行され」る「特定期間」に関して、
本願発明は、「特定期間は、当該特定期間において実行される特定演出の演出時間に応じた長さであ」るのに対して、
引用発明は、「ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力」するが、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」が「出力」される「3秒」は、固定値であって複数種類ないから、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」を含む「ゲート無効期間」が、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」の出力時間に応じた長さでない点。

(4)当審判合議体の判断
ア 相違点1〜4について
上記相違点1〜4は、「特定演出」が複数種類あることについて関連する構成であるのでまとめて検討する。
まず、引用発明は、「当否判定の結果に基づいて」「確変特図」、「非確変特図」の「特別図柄を選択」し(構成b、e)、その後、「当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示され」(構成e)、その後、「ゲート無効期間(30秒)の間に、オープニング演出のうち、」「3秒出力」される「ルーレット表示RT」がなされる(構成g、k、l、m)ものである。

次に、本願発明と引用文献2に記載された技術事項とを対比する。
引用文献2に記載された技術事項の「開始ゲートスイッチ86sが」、「有効化される時期が到来する」までの期間は、本願発明の「特定期間」に相当する。
また、引用文献2に記載された技術事項の「大当り図柄が停止表示され、有効化される時期が到来すると開始ゲートスイッチ86sによる遊技球の検知が有効化されるゲート有効期間が発生され、ゲート有効期間内に遊技球が開始ゲート86を通過すると、役物連続作動装置の作動が開始される」ことは、本願発明の「大当りを認識可能な状態となった後、特定期間が経過すると大当り待機状態に制御され、当該大当り待機状態において、遊技球が前記特定入球口に入球すると大当り遊技が開始される」ことに相当する。
ところで、引用文献2に記載された技術事項の「決定された」「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期(大当り図柄が停止表示されてからの経過時間)」は、「通常A」が決定された場合「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」となり、「確変B」が決定された場合「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」となり、大当りの種類が「通常」であるか、「確変」であるかにより、異なる時期となるものである。そして、引用文献2に記載された技術事項は、その異なる時期が到達するまでの期間において、それぞれ、「決定された」「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を報知する演出」を行うものである。
そうすると、引用文献2に記載された技術事項の「決定された」「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を報知する演出」は、「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期」が、「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」であることを報知する演出と、「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」であることを報知する演出の複数の演出からなることから、本願発明の構成G、Iの「特定期間」に「実行され」る、「複数種類あ」る「特定演出」に相当する。
また、引用文献2に記載された技術事項の「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期」が「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」であることを報知する演出を行う場合は、「大当り遊技」終了後の遊技状態が「通常」遊技状態となることを示し、「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期」が「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」であることを報知する演出を行う場合は、「大当り遊技」終了後の遊技状態が「確変」遊技状態となることを示すことから、引用文献2に記載された技術事項は、本願発明の構成Jの「特定期間において実行される特定演出の種類によって、」「大当り遊技の終了後の遊技状態」「が示唆され」る構成を備えるものである。
また、引用文献2に記載された技術事項は、大当り図柄が通常Aであれば、「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期」が「大当り図柄が停止表示されてから6秒後」であることを報知する演出を「大当り図柄が停止表示されてから6秒」の間に行い、大当り図柄が確変Bであれば「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期」が「大当り図柄が停止表示されてから10秒後」であることを報知する演出を「大当り図柄が停止表示されてから10秒」の間に行うものである。
したがって、引用文献2に記載された技術事項は、本願発明の上記相違点1〜2に係る構成を備えるものである。

そして、引用発明の「特図選択部123」は、構成b、jより、「当否判定部122による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択」し、特図選択部123により選択された当選特図が、確変特図か非確変特図かにより確変状態となるか否かが確定され、演出制御部210は、オープニング演出を開始してから大当り遊技を終了させるまでの間に、確く、変状態となることが確定されたか否かを報知することができる」ことから、引用発明と引用文献2に記載された技術事項とは、当否判定の結果に基づいて特図を選択することで、大当り遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態であるのか、非確変遊技状態であるのかを決定し、その後、所定の演出を行う点で共通するものである。
また、引用文献1には、「本発明は、・・・大当り遊技の興趣を高める遊技機を提供する・・・」こと(【0005】)、及び、「選択ラウンド数のパネル表示ST」で「大当り遊技に対応付けられた確変期待度を報知する演出を行う」こと「により、大当り遊技の開始時の遊技者の高揚感を高めることができると共に、大当り遊技の特典をいち早く把握できるため、腰を据えて大当り遊技を楽しむことができる。」(【0096】)ことが記載され、また、引用文献2には、「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を、大当り図柄の種類によって異なる期間に設定してもよい・・・。この場合、遊技を更に多様化でき、遊技興趣を向上させることが更に容易である。」(【0198】)ことが記載されている。上記記載から、引用発明の「選択ラウンド数のパネル表示ST」演出と、引用文献2に記載された技術事項の「決定された時期を報知する演出」とは、遊技の興趣を向上させるために、大当り遊技終了後の遊技状態が、確変状態であるのか、通常状態であるかについての内容の示唆を、大当り遊技の開始前に開始する演出である点で共通する。

ところで、引用文献1の【0095】の「本実施形態では、特図選択部123により選択された当選特図が確変特図か非確変特図かにより確変状態となるか否かが確定されるため、大当り制御部141は、オープニング演出に関するコマンドに確変状態となるか否かを示すフラグを含めて演出制御部210に送信することができる。この場合、演出制御部210は、オープニング演出を開始してから大当り遊技を終了させるまでの間に、確変状態となることが確定されたか否かを報知することができる。」との記載から、引用文献1には、オープニング演出を開始した後であれば、当選特図に応じて、確変状態に確定されたか否かを報知することが可能であることが示されている。
また、引用文献1の【0123】の「上述の実施形態では、ラウンド数選択部145により選択された一種の大当り遊技(ラウンド数)に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数及び確変期待度が大当り遊技開始時に報知されたが、ラウンド数又は獲得可能賞球数か、確変期待度かのいずれか一方が報知されればよい。いずれか一方でも遊技者の高揚感を高めることができ、大当り遊技開始時の興趣を喚起可能である。なお、大当り開始時のこのような情報の報知はなくてもよい。」との記載から、引用文献1には、「確変期待度」の報知を行わなくて良い、すなわち、「選択ラウンド数のパネル表示ST」で確定期待度を報知した後、確変状態に確定されたか否かを報知するという時系列に拘泥されないことが示唆されている。

よって、大当り遊技終了後の遊技状態が、確変状態であるのか、通常状態であるかについての内容の示唆を、大当り遊技の開始前に開始する引用発明の「オープニング演出において、確変期待度を当該パネル表示STにより報知した後、オープニング演出を開始してから大当り遊技を終了させるまでの間に、確変状態となることが確定されたか否かを報知する」演出において、引用文献1の【0123】に記載の上記示唆に基づいて、「選択ラウンド数のパネル表示ST」にて「確変期待度」の「報知」を行わない構成としつつ、引用発明の大当り遊技開始前の「オープニング演出」における「ゲート無効期間」に行われる、「3秒出力」される演出である「ラウンド数候補のルーレット表示RT」に、引用文献2に記載された技術事項の、同じくゲート無効期間に行われる、「大当り図柄」が確変図柄であるか、通常図柄であるかに応じて「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を報知する演出」を適用して、「確変状態となることが確定されたか否か」の「報知」を、「3秒出力」される「ラウンド数候補のルーレット表示RT」の演出時間を、大当り遊技の種類(確変大当り、非確変大当り)に応じて異ならせるとともに、それに応じて「30秒」の「ゲート無効期間」も異ならせることで上記相違点1〜4に係る本願発明の構成に到達することは当業者が容易になし得たものである。

イ 請求人の主張について
令和3年8月30日付けの審判請求書の3.(4)において、次の主張をする。
「引用文献1において、オープニング演出を構成する各種表示のうち、ラウンド数候補(複数種の大当り遊技)のパネル表示、及びラウンド数候補のルーレット表示RTは、本願発明1でいう特定演出のように、大当り遊技の種類を示唆するものといえるかもしれない。以下、ラウンド数候補のパネル表示、及びラウンド数候補のルーレット表示RTをまとめて、「ラウンド数候補の表示」と示す。しかしながら、引用文献1には、段落[0100]、及び段落[0102]等に示される通り、遊技状態に応じてラウンド数候補の表示時間を変化させることが開示されている一方で、これらのラウンド数候補の表示時間を、当選特図の種類(大当り遊技の種類)に応じて変化させることについては、何ら開示及び示唆されていない。つまり、引用文献1は、当選特図の種類にかかわらず、ラウンド数候補の表示時間を一定とした技術を開示しているに過ぎない。すなわち、引用文献1には、特定演出の演出時間に応じて、大当り遊技の種類、及び大当り遊技の終了後の遊技状態の少なくとも一方を示唆することについて、何ら開示及び示唆されていない。
確かに、引用文献2には、大当り遊技の種類に応じて、開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期(大当り遊技開始からの経過時間)を異ならせることが記載されている。しかしながら、引用文献1に開示された遊技機に対し、引用文献2の技術を組み合わせたとしても、大当り遊技の種類に応じて、異なる長さの無効期間(ラウンド開始用ゲートが無効となる期間)を設ける一方、当該無効期間の何れにおいても、大当り遊技の種類に関係なく、ラウンド数候補の表示を常に同じ時間だけ実行させることが想起されるに過ぎない。」

そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記アにおいて検討した内容からみて、引用文献2に記載された技術事項は、本願発明の構成I〜Lを備えるものである。
また、同じく上記アにおいて検討したように、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用する動機付けがある。
したがって、引用発明の「ラウンド数候補のルーレット表示RT」に、引用文献2に記載された技術事項の「大当り図柄」が確変図柄であるか、通常図柄であるかに応じて「開始ゲートスイッチ86sが有効化される時期を報知する演出」を適用して、「ラウンド数候補のルーレット表示RT」の演出時間を大当り遊技の種類(確変大当り、非確変大当り)に応じて異ならせることは当業者が容易になし得たものである。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。

ウ 本願発明の奏する効果について
上記イの検討内容からみて、本願発明により奏される効果は、当業者が、引用発明、引用文献2に記載された技術事項から予測し得た効果の範囲内のものであって、格別なものではない。

(5)まとめ
上記(1)〜(4)より、 本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-02-22 
結審通知日 2022-03-01 
審決日 2022-03-16 
出願番号 P2019-013018
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 ▲吉▼川 康史
特許庁審判官 長崎 洋一
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
代理人 山本 実  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
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