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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  A63F
管理番号 1385083
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-29 
確定日 2022-06-14 
事件の表示 特願2017−246728「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月11日出願公開、特開2019−111100、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年12月22日の出願であって、令和2年6月24日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月19日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年1月7日付けで拒絶の理由(最後)が通知され、同年3月5日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月1日付けで、同年3月5日提出の手続補正書でした補正が却下されるとともに拒絶査定がされ、これに対し、同年10月29日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原審における令和3年9月1日付け補正の却下の決定の当否について
審判請求人は、令和3年10月29日提出の審判請求書の請求の趣旨において、令和3年9月1日にされた補正の却下の決定ならびに査定を取り消すとともに、本願発明は特許すべきものとするとの審決を求める旨の主張をしていることから、令和3年9月1日付け補正の却下の決定の当否について検討する。

[補正の却下の決定の当否の結論]
令和3年9月1日付け補正の却下の決定を取り消す。

[理由]
1 令和3年9月1日付け補正の却下の決定の概要
原審における令和3年9月1日付け補正の却下の決定「以下、単に「補正の却下の決定」という」の概要は、
令和3年3月5日提出の手続補正書における補正(以下、「本件補正」という。)による請求項1についての補正は限定的減縮を目的としているが、引用文献1の予告演出に、引用文献2に記載の発明を適用して、本願発明のように構成することに格別な困難性はなく、本件補正後の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、本件補正は同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により却下する、というものである。
引用文献1:特開2015−171646号公報
引用文献2:特開2004−275533号公報

2 補正の却下の決定により却下された請求項に係る発明
補正の却下の決定によって令和3年3月5日提出の手続補正書による補正は却下されたが、同手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願却下発明」という。)は、次のとおりのものである(A〜Fは、本願却下発明を分説するために当審で付した。)。

(本願却下発明)
「【請求項1】
A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 当否判定結果を報知するための識別図柄、および当該識別図柄よりも後方に位置するように表示される背景画像が表示される表示手段と、
C 前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態にて前記操作手段が操作されることを契機とした前記背景画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備え、
D 前記操作有効期間中にて、前記背景画像は、経時的に変位する変位画像を含み、
E 前記特定演出は、前記操作手段が操作された時点における前記変位画像の位置を基準として当該変位画像の変位に変化が生じるものであることを特徴とする
F 遊技機。」

3 引用文献に記載された事項
(1) 引用文献1
補正の却下の決定において、令和3年3月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでない(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しない)ものである理由として引用された引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した)。

ア 「【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ボタン操作が反映される機会を増やすことで、遊技への参加意欲を向上させることができる遊技機を提供することにある。」

イ 「【0010】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する予告実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(飾図又は演出図柄とも示す)を用いて行われる。また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
・・・
【0012】
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾図が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾図が異なる飾図となる図柄組み合わせや、1列の飾図が他の2列の飾図とは異なる飾図となる図柄組み合わせによって構成される。」

ウ 「【0019】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2に従って説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31と演出表示制御基板32が装着されている。
【0020】
サブ統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板32を制御する。また、演出表示制御基板32は、主制御基板30とサブ統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。」
・・・
【0031】
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0032】
また、統括制御用CPU31aには、押しボタン式の操作ボタンBTが接続されている。この操作ボタンBTは、パチンコ遊技機において、例えば、遊技球を貯留するための球皿ユニットの上面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。そして、統括制御用CPU31aは、操作ボタンBTが操作された際に出力する操作信号を入力することで、操作ボタンBTが操作されたことを認識する。また、操作ボタンBTには、当該操作ボタンBTの操作が有効とされる操作有効期間中に点灯する発光部材(LEDなど)が内蔵されている。このため、発光部材が点灯することにより、操作ボタンBTが点灯する。この発光部材は、発光部材を搭載した発光部材用の基板を介してサブ統括制御基板31に接続されており、統括制御用CPU31aの指示により、点灯及び消灯する。本実施形態では、操作ボタンBTが、遊技者が操作可能な演出用操作手段となる。」

エ 「【0053】
次に、裏ボタン予告について、図4(a),(b)に従って説明する。
裏ボタン予告は、表ボタン予告よりも操作有効期間の設定時期に係る制限が緩い予告であって、その操作有効期間内に操作ボタンBTが操作された場合に限って、ボタン操作直後の特定の開始タイミング(≠降り物予告及び表ボタン予告の開始タイミング)で開始され、所定期間の間、演出表示装置11にて実行される予告演出である。裏ボタン予告の操作有効期間(以下、第2操作有効期間と示す)は、図柄変動ゲームの開始から所定時間(本実施形態では20秒)が経過するまでの間に設定されている。本実施形態における第2操作有効期間は、図柄変動ゲーム中にのみ設定され、大当り遊技中や、図柄変動ゲーム間に設定されるインターバル時間中、図柄変動ゲームが途切れている次回の図柄変動ゲームの開始を待機する待機状態中に設定されるものではない。
・・・
【0060】
そして、第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、図4(b)に示すように、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像を表示する内容で裏ボタン予告が実行される。本実施形態における裏ボタン予告は、降り物予告や表ボタン予告のように、特定の演出の開始前に予告演出を出現させて間接的に大当り期待度を示唆する演出ではなく、大当り期待度を直接的に示唆する演出であるため、操作有効期間の設定時期に係る制限が緩い。
・・・
【0067】
次に、裏ボタン予告を実行させるための制御内容について説明する。
統括制御用CPU31aは、降り物予告及び表ボタン予告の実行を決定したか否かを問わず、第2操作有効期間を、図柄変動ゲームの開始時から設定し、第2操作有効期間の計時を開始する。この計時は、統括制御用RAM31cに「20秒」を設定し、制御周期毎(2ms毎)に当該制御周期分の時間を減算することによって行う。
【0068】
また、統括制御用CPU31aは、表ボタン予告の実行時とは異なり、第2操作有効期間が設定されていることを遊技者に報知しない。すなわち、統括制御用CPU31aは、発光部材を点灯させないとともに、報知画像も演出表示装置11に表示させないために、これらの制御に係る各種コマンドを操作ボタンBTの発光部材及び演出表示制御基板32に出力しない。
・・・
【0071】
また、第2操作有効期間内に操作信号を入力した統括制御用CPU31aは、指示された変動パターンの種類に従って、図6に示すような予告パターン決定テーブルからいずれか1つの予告パターンを決定する。予告パターン決定テーブルでは、いずれか1つの予告パターンを選択可能となるように、変動パターンの種類毎に、所定個数ずつ乱数の取り得る数値が対応付けられている。
【0072】
以下、予告パターン及び予告パターンに定められた予告内容について、図5に従って説明する。
本実施形態における予告パターンには、予告パターンY1〜Y8で示す8種類が設定されており、各予告パターンには、ひよこHの数及びひよこHが着ているTシャツの色が対応付けられている。
・・・
【0076】
このような振分とすることで、登場するひよこHの数が「3羽」である場合には、リーチ以上が確定する。これにより、ひよこHの数としては、「1羽」<「3羽」の順に大当り期待度が高い内容とされている。また、Tシャツの色としては、「白」<「赤」<「星柄」<「虎柄」の順に大当り期待度が高い内容とされており、特に「虎柄」に関しては、大当り変動用の変動パターンが選択された場合のみ選択可としていることで、大当り確定を報知する内容となっている。」

そして、上記記載事項ア〜エを総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a〜fは、本願却下発明のA〜Fに対応させて当審にて付与した。段落番号は、引用文献1における引用箇所を示す。)。

(引用発明)
「a 操作ボタンBTは、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設され(【0032】)、

b 遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設され、演出表示装置11には、複数列(3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示され、演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出し、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(飾図)を用いて行われ(【0010】)、
演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾図が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成され、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾図が異なる飾図となる図柄組み合わせや、1列の飾図が他の2列の飾図とは異なる飾図となる図柄組み合わせによって構成され(【0012】)、

cd 機裏側には、サブ統括制御基板31と演出表示制御基板32が装着され(【0019】)、
サブ統括制御基板31は、演出表示制御基板32を制御し、演出表示制御基板32は、演出表示装置11の表示態様を制御し(【0020】)、
サブ統括制御基板31には、統括制御用CPU31aが設けられ(【0031】)、
裏ボタン予告は、その操作有効期間内に操作ボタンBTが操作された場合に限って、ボタン操作直後の特定の開始タイミングで開始され、所定期間の間、演出表示装置11にて実行される予告演出であり、裏ボタン予告の操作有効期間(以下、第2操作有効期間と示す)は、図柄変動ゲームの開始から所定時間(20秒)が経過するまでの間に設定され、第2操作有効期間は、図柄変動ゲーム中にのみ設定され(【0053】)、
統括制御用CPU31aは、第2操作有効期間が設定されていることを遊技者に報知せず、発光部材を点灯させないとともに、報知画像も演出表示装置11に表示させず(【0068】)、
第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像を表示する内容で裏ボタン予告が実行され、裏ボタン予告は、大当り期待度を直接的に示唆する演出であり(【0060】)、
裏ボタン予告を実行させるための制御内容については(【0067】)、
第2操作有効期間内に操作信号を入力した統括制御用CPU31aは、指示された変動パターンの種類に従って、予告パターン決定テーブルからいずれか1つの予告パターンを決定し(【0071】)、
予告パターンには、予告パターンY1〜Y8で示す8種類が設定されており、各予告パターンには、ひよこHの数及びひよこHが着ているTシャツの色が対応付けられ(【0072】)、
ひよこHの数としては、「1羽」<「3羽」の順に大当り期待度が高い内容とされ、Tシャツの色としては、「白」<「赤」<「星柄」<「虎柄」の順に大当り期待度が高い内容とされている(【0076】)、

f パチンコ遊技機(【0010】)。」

(2) 引用文献2
補正の却下の決定において、令和3年3月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでない(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しない)ものである理由として引用された引用文献2には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した)。

ア 「【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような大当たりの可能性が高いリーチ変動パターンが表示されても、遊技者は単にこの表示を眺めているだけで遊技に介入することはできず、面白味に欠けていた。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、遊技者による所定操作に応じて演出パターンの表示が変化することにより、遊技者の意志を反映した演出表示ができる興趣あふれる弾球遊技機を提供することを目的とする。」

イ 「【0015】
このパチンコ機PMには遊技機の外郭保持枠をなす外枠1と、この外枠1と開閉自在に軸支された前枠2(図示略)が設けられている。そして、前枠2は、ガラス扉3(図示略)、球受け皿4と、打球ハンドル5と、操作スイッチ6と、レール7で区画された遊技領域10を備える遊技盤8等から構成されている。
・・・
【0017】
遊技領域10には、賞球の払出条件となる複数の一般入賞口11と、賞球の払出条件となるとともに後述する図柄表示装置20の図柄の変動開始条件となる始動入賞口12と、大入賞口13と、遊技球を回収するアウト口14と、図示しない打球の落下に影響を与える風車や多数の遊技釘等が設けられている。遊技領域10の略中央には、変動図柄(変動パターン)や停止図柄、演出パターン等の画像及び図柄を表示する図柄表示装置20が設けられている。
・・・
【0019】
このような構成のパチンコ機PMにおいて、遊技者が打球ハンドル5を操作すると、球受け皿4から遊技球が1個ずつ打球発射部(不図示)に送られ、操作量に応じた強度で遊技領域10に打球が発射される。発射された打球は上述した入賞口11,12或いはアウト口14に流下し、上述した入賞口11,12に入賞した場合には所定の賞球が球受け皿4に払い出される。また、上述した入賞口11,12のうち始動入賞口12に打球が入賞すると、所定の賞球が球受け皿4に払い出され、図柄表示装置20に表示された図柄が変動を開始する。ここで、詳細は後述するが、本発明においては、図柄表示装置20において所定時間,所定の動画像及び図柄の変動態様を表示が行われた後に、図柄の変動を停止する。このとき、この図柄表示装置20に表示された図柄の停止態様が予め定められた当たり図柄(例えば、1〜9のぞろ目)の場合には大当たりとなり、開放されて入賞が容易となった大入賞口13に打球が入賞すると、遊技者には大量の賞球が払い出される。
【0020】
以上のように構成されたパチンコ機PMに設けられている制御装置について、図を用いて説明する。図2は、この制御装置による制御の概略を示すブロック図である。この制御装置は、CPU,ROM,RAM等の種々の電子部品より構成されている遊技制御手段50によりゲームの制御を行う。
・・・
【0023】
続いて、この遊技制御手段50の制御内容について図2及び図3を用いて以下に説明する。遊技制御手段50は、このゲームの制御のために、通常遊技実行手段60と、特別遊技実行手段70と、高確率遊技設定手段80と、払出制御手段90とを備えている。
【0024】
通常遊技実行手段60は、弾球遊技機の通常遊技を実行・制御するためのものであり、遊技領域10に設けられた各入賞口への入賞に関する処理を行う入賞口入賞処理手段61と、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを決定する特別遊技移行判定手段62とを備えて構成されている。なお、入賞口入賞処理手段61については、従来と変わらないのでここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
特別遊技移行判定手段62は、図柄変動要素取得手段621と、保留球情報記憶手段622と、当たり乱数判定手段623と、演出決定手段624と、操作有効判定手段625と、図柄制御手段626と、演出パターン実行手段627とを備えている。
・・・
【0032】
演出決定手段624は、図柄表示装置20にて表示される、図柄の変動を開始させてから停止表示させるまでの様々な演出を決定するためのものであり、停止図柄決定手段624aと、変動パターン群メモリ624b(図3(a)参照)と、変動パターン選択手段と624cと、演出パターン群メモリ624d(図3(b)参照)と、演出パターン選択手段624eとを備えている。」

ウ 「【0078】
このような演出表示処理S260において、図柄表示装置20に表示される演出パターンについて画面例を用いて説明する。上述した演出パターン群メモリE1〜E4には、例えば図17に示すように複数の演出パターンが各々設定されており、この中から演出パターン選択手段624eにより停止図柄及び演出乱数に応じていずれかの演出パターンが選択される。ここでは、図17中のNO.5に該当する演出パターン(以下、演出パターンAと称する)が選択された場合を想定する。
【0079】
演出パターンAは、図18(a)に画面例を示す第1演出画像A1と、図18(b)に画面例を示す第2演出画像A2とから構成されている。なお、第1演出画像A1は、軽飛行機が画面の右側から左側へと横切るように飛行して消えていく様子を示す画像である。また、第2演出画像A2は、(画面の右側から左側へと向かって飛行していた)軽飛行機が方向転換をして逆に画面の左側から右側へと飛行しながら「30%」というメッセージを表示している様子を示す画像である。このような構成の演出パターンAが選択された場合、まず、図柄表示装置20において第1演出画像A1が表示され、操作有効ランプ6aが点灯する。この操作有効ランプ6aの点灯中に、遊技者が操作スイッチ6を押圧操作すると、操作有効ランプ6aが点滅する。この操作有効ランプ6aの点滅中に、操作スイッチ6aの押圧操作を止めると、第2演出画像A2が表示されるようになっている。
【0080】
すなわち、図柄表示装置20において、単に軽飛行機が飛行しているだけの第1演出画像A1から、遊技者により上記のように所定操作が行われると、軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示しながら飛行する第2演出画像A2に変化する。」

エ 図17より、
「演出パターンとして
第1演出画像A1が軽飛行機の場合、第2演出画像A2には、
NO.1 方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
NO.2 方向転換してメッセージ「90%」を表示
NO.3 方向転換してメッセージ「70%」を表示
NO.4 方向転換してメッセージ「50%」を表示
NO.5 方向転換してメッセージ「30%」を表示
NO.6 方向転換してメッセージ「10%」を表示
NO.7 方向転換してメッセージ「チャンス」を表示
NO.8 方向転換してメッセージ「?」を表示し、
第1演出画像A1がヘリコプターの場合、第2演出画像A2には、
NO.9 方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
NO.10 方向転換してメッセージ「90%」を表示
NO.11 方向転換してメッセージ「50%」を表示
NO.12 方向転換してメッセージ「?」を表示し、
第1演出画像A1がジャンボジェットの場合、第2演出画像A2には、
NO.13 方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
NO.14 方向転換してメッセージ「100%」を表示
NO.15 方向転換してメッセージ「GET!」を表示する」
ことが看取される。

「【図17】



オ 図18より、「図柄の背景として山、雲及び木などが表示される」ことが看取される。

「【図18】



カ 図19及び図20より、「第1演出画像及び第2演出画像の表示は、図柄の前側に表示される」ことが看取される。

「【図19】


【図20】




そして、上記記載事項ア〜ウ、図面に記載された事項エ〜カを総合すると、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載の事項」という。)が記載されていると認められる(a〜fは、本願却下発明のA〜Fに対応させて当審にて付与した。段落番号等は、引用文献における引用箇所を示す。)。

(引用文献2記載の事項)
「a 操作スイッチ6と、遊技領域10を備える遊技盤8等から構成され(【0015】)、

b 遊技領域10の略中央には、変動図柄(変動パターン)や停止図柄、演出パターン等の画像及び図柄を表示する図柄表示装置20が設けられ(【0017】)、
この図柄表示装置20に表示された図柄の停止態様が予め定められた当たり図柄(1〜9のぞろ目)の場合には大当たりとなり(【0019】)、
図柄の背景として山、雲及び木などが表示され(上記オ)

cde パチンコ機PMに設けられている制御装置は、CPU,ROM,RAM等の種々の電子部品より構成されている遊技制御手段50によりゲームの制御を行い(【0020】)、
遊技制御手段50は、このゲームの制御のために、通常遊技実行手段60と、特別遊技実行手段70と、高確率遊技設定手段80と、払出制御手段90とを備え(【0023】)、
通常遊技実行手段60は、弾球遊技機の通常遊技を実行・制御するためのものであり、遊技領域10に設けられた各入賞口への入賞に関する処理を行う入賞口入賞処理手段61と、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを決定する特別遊技移行判定手段62とを備えて構成され(【0024】)、
特別遊技移行判定手段62は、演出決定手段624を備え(【0025】)、
演出決定手段624は、図柄表示装置20にて表示される、図柄の変動を開始させてから停止表示させるまでの様々な演出を決定するためのものであり(【0032】)、
図柄表示装置20に表示される演出パターンについて、複数の演出パターンが各々設定されており、この中から演出パターン選択手段624eにより停止図柄及び演出乱数に応じていずれかの演出パターンが選択され(【0078】)、
演出パターンとして、第1演出画像A1が軽飛行機の場合、第2演出画像A2には、
NO.1 方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
NO.2 方向転換してメッセージ「90%」を表示
NO.3 方向転換してメッセージ「70%」を表示
NO.4 方向転換してメッセージ「50%」を表示
NO.5 方向転換してメッセージ「30%」を表示
NO.6 方向転換してメッセージ「10%」を表示
NO.7 方向転換してメッセージ「チャンス」を表示
NO.8 方向転換してメッセージ「?」を表示し、
第1演出画像A1がヘリコプターの場合、第2演出画像A2には、
NO.9 方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
NO.10 方向転換してメッセージ「90%」を表示
NO.11 方向転換してメッセージ「50%」を表示
NO.12 方向転換してメッセージ「?」を表示し、
第1演出画像A1がジャンボジェットの場合、第2演出画像A2には、
NO.13 方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
NO.14 方向転換してメッセージ「100%」を表示
NO.15 方向転換してメッセージ「GET!」を表示し(上記エ)、
NO.5に該当する演出パターン(演出パターンA)が選択された場合(【0078】)、
演出パターンAは、第1演出画像A1と、第2演出画像A2とから構成され、第1演出画像A1は、軽飛行機が画面の右側から左側へと横切るように飛行して消えていく様子を示す画像であり、また、第2演出画像A2は、(画面の右側から左側へと向かって飛行していた)軽飛行機が方向転換をして逆に画面の左側から右側へと飛行しながら「30%」というメッセージを表示している様子を示す画像であり(【0079】)、
構成の演出パターンAが選択された場合、まず、図柄表示装置20において第1演出画像A1が表示され、操作有効ランプ6aが点灯し、この操作有効ランプ6aの点灯中に、遊技者が操作スイッチ6を押圧操作すると、操作有効ランプ6aが点滅し、この操作有効ランプ6aの点滅中に、操作スイッチ6aの押圧操作を止めると、第2演出画像A2が表示され(【0079】)、
図柄表示装置20において、単に軽飛行機が飛行しているだけの第1演出画像A1から、遊技者により上記のように所定操作が行われると、軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示しながら飛行する第2演出画像A2に変化し(【0080】)、
第1演出画像及び第2演出画像の表示は、図柄の前側に表示される(上記カ)、

f パチンコ機PM(【0014】)。」

4 対比
本願却下発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(1)(構成A)
引用発明の構成aの「遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設され」た「操作ボタンBT」は、本願却下発明の構成Aの「遊技者が操作可能な操作手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本願却下発明の構成Aに相当する構成を備えるものである。

(2)(構成B)
引用発明の構成bの「演出表示装置11」は本願却下発明の構成Bの「表示手段」に相当する。
また、引用発明の構成bの「飾図」は、「全列の飾図が同一図柄となる図柄組み合わせによって」「確定停止表示される大当り図柄」が「構成され」、「全列の飾図が異なる飾図となる図柄組み合わせや、1列の飾図が他の2列の飾図とは異なる飾図となる図柄組み合わせによって」「確定停止表示されるはずれ図柄」が「構成され」ることから、本願却下発明の構成Bの「当否判定結果を報知するための識別図柄」に相当する。
そうすると、引用発明の構成bの「複数列(3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲーム」「が画像表示され」、「図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(飾図)を用いて行われ」る「演出表示装置11」は、本願却下発明の構成Bの「当否判定結果を報知するための識別図柄」「が表示される表示手段」に相当する。
また、遊技機の演出表示装置の表示において、図柄(識別図柄)よりも後方に単色無地あるいは絵柄等の背景画像を表示することは、何らの例示をするまでもない技術常識である。
してみると、引用発明の構成bは、本願却下発明の構成Bに相当する構成を備えるものである。

(3)(構成C)
引用発明の構成cdの「裏ボタン予告の操作有効期間」(第2操作有効期間)は、「裏ボタン予告」が「その操作有効期間内に」「操作ボタンBT」(操作手段)「が操作された場合に限って、ボタン操作直後の特定の開始タイミングで開始され」るのだから、本願却下発明の構成Cの「操作手段の操作が有効となる操作有効期間」に相当する。
また、引用発明の構成cdの「第2操作有効期間が設定されていることを遊技者に報知せず」「報知画像も演出表示装置11に表示させない」ことは、本願却下発明の構成Cの「操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない」ことに相当することから、引用発明の構成cdの「第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作される」ことは、本願却下発明の構成Cの「操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態にて前記操作手段が操作されること」に相当する。
また、引用発明の構成cdの「第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像を表示する内容で」「実行され」る「裏ボタン予告」は、「予告パターンには、予告パターンY1〜Y8で示す8種類が設定されており、各予告パターンには、ひよこHの数及びひよこHが着ているTシャツの色が対応付けられ」、「ひよこHの数としては、「1羽」<「3羽」の順に大当り期待度が高い内容とされ、Tシャツの色としては、「白」<「赤」<「星柄」<「虎柄」の順に大当り期待度が高い内容とされ」ており、「大当り期待度を直接的に示唆する演出である」ことから、本願却下発明の構成Cの「当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出」に相当する。
そして、引用発明の構成cdの「演出表示制御基板32を制御する」「サブ統括制御基板31」、「演出表示装置11の表示態様を制御する」「演出表示制御基板32」は、いずれも本願却下発明の構成Cの「演出実行手段」に相当するとともに、「サブ統括制御基板31に」「設けられ」て「制御動作を所定の手順で実行する」「統括制御用CPU31a」も本願却下発明の構成Cの「演出実行手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成cdは、本願却下発明の構成Cと、「前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態にて前記操作手段が操作されることを契機とし」「当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備え」る点で共通する。

(4)(構成D)
引用発明の構成cdの「画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像」は本願却下発明の構成Dの「経時的に変位する変位画像」に相当することから、引用発明の構成cdの「第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像を表示する」ことは、本願却下発明の構成Dの「前記操作有効期間中にて、」「画像は、経時的に変位する変位画像を含」むことに相当する。
してみると、引用発明の構成cdは、本願却下発明の構成Dと、「前記操作有効期間中にて、」「画像は、経時的に変位する変位画像を含」む点で共通する。

(5)(構成F)
引用発明の構成fの「パチンコ遊技機」は本願却下発明の構成Fの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成fは、本願却下発明の構成Fに相当する構成を備えるものである。

そうすると、本願却下発明と引用発明の一致点及び相違点はそれぞれ以下のとおりである。
(一致点)
「A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 当否判定結果を報知するための識別図柄、および当該識別図柄よりも後方に位置するように表示される背景画像が表示される表示手段と、
C′前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態にて前記操作手段が操作されることを契機とし、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備え、
D′前記操作有効期間中にて、画像は、経時的に変位する変位画像を含む、
F 遊技機。」

(相違点1)(構成C)
「操作手段が操作されることを契機とした」「当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出」について、本願却下発明は、「操作手段が操作されることを契機とした前記背景画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行する」のに対し、引用発明は「当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出」が「背景画像の一部の変化によ」るものでない点。

(相違点2)(構成D、E)
本願却下発明は、「前記操作有効期間中にて、前記背景画像は、経時的に変位する変位画像を含」み、「特定演出」について「前記特定演出は、前記操作手段が操作された時点における前記変位画像の位置を基準として当該変位画像の変位に変化が生じるものである」のに対し、引用発明はそのようなものでない点。

5 相違点の検討
上記相違点1〜2について検討する。
引用文献2記載の事項は、上記「3 引用文献に記載された事項」「(2) 引用文献2」に示すとおりである。
本願却下発明と引用文献2記載の事項を、分説に従い対比する。

(1)構成A
引用文献2記載の事項の構成aの「操作スイッチ6」は、同構成cdeによれば、「遊技者が」「押圧操作する」ものであるから、本願却下発明の構成Aの「遊技者が操作可能な操作手段」に相当する。
してみると、引用文献2記載の事項の構成aは、本願却下発明の構成Aに相当する構成を備えるものである。

(2)構成B
引用文献2記載の事項の構成bの「図柄表示装置20」は本願却下発明の構成Bの「表示手段」に相当するとともに、引用文献2記載の事項の構成bの「図柄表示装置20に表示された図柄」は、「停止態様が予め定められた当たり図柄(1〜9のぞろ目)の場合には大当たりとな」るのだから、本願却下発明の構成Bの「当否判定結果を報知するための識別図柄」に相当する。
また、引用文献2記載の事項の構成bの「図柄の背景として」「表示され」る「山、雲及び木など」は、本願却下発明の構成Bの「識別図柄よりも後方に位置するように表示される背景画像」に相当する。
してみると、引用文献2記載の事項の構成bは、本願却下発明の構成Bに相当する構成を備えるものである。

(3)(構成C)
ア 本願却下発明の構成Cの「前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態」について、発明の詳細な説明を参酌すると、以下のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。
「【0029】
また、本実施形態では、操作有効期間中であることを示す表示が表示領域911に表示されない。通常、操作手段30の操作が演出に反映される場合には、操作手段30の操作を行うべきタイミングであることを遊技者に示すため、操作手段30の操作を促す画像(操作手段を表す画像等を含む)が表示されるところ、本実施形態の背景演出における操作有効期間中にはこの種の画像が表示されない(図3〜図5参照)。このようにすることで、遊技を楽しむための「隠れ演出」として背景演出を機能させることが可能となる。
【0030】
ただし、操作手段30の操作を促す画像以外の要素(以下、示唆要素と称する)により、操作有効期間中であることを示唆する構成としてもよい。示唆要素は種々のものを例示することができる。例えば、操作手段30に設けた発光部を発光させる、操作手段30を振動させる振動装置を駆動するといった、遊技者の感覚により把握することが可能な変化を操作手段30に生じさせることが挙げられる。また、遊技機1に設けられるスピーカより所定の効果音が出力されることが挙げられる。示唆要素は、操作手段30の操作を促す画像を表示することに比して遊技者が気付きにくい変化等であれば、背景演出の「隠れ演出」としての機能は維持されることになる。」
そうすると、本願却下発明の構成Cの「前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態」とは、操作有効期間中であることが表示手段に示されていなければ、発光部による発光や振動装置の振動等で示唆してもよいと解するのが相当である。

イ 当該理解に基づいて、本願却下発明と引用文献2記載の事項を対比すると、引用文献2記載の事項の構成cdeの「まず、図柄表示装置20において第1演出画像A1が表示され、操作有効ランプ6aが点灯」し「この操作有効ランプ6aの点灯中」は、「図柄表示装置20」(表示手段)では操作有効であることを表示していないのだから、本願却下発明の構成Cの「前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態」に相当する。
また、引用文献2記載の事項の構成cdeの「遊技者が操作スイッチ6を押圧操作する」ことは本願却下発明の構成Cの「前記操作手段が操作されること」に相当する。
また、引用文献2記載の事項の構成cdeにおいて、第1演出画像A1が軽飛行機の場合の第2演出画像A2として、
「方向転換してメッセージ「大当たり」を表示
方向転換してメッセージ「90%」を表示
方向転換してメッセージ「70%」を表示
方向転換してメッセージ「50%」を表示
方向転換してメッセージ「30%」を表示
方向転換してメッセージ「10%」を表示
方向転換してメッセージ「チャンス」を表示
方向転換してメッセージ「?」を表示」することからすると、そのうちのひとつとして、「軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示」することが、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆するものであることは明らかである。
してみると、引用文献2記載の事項の構成cdeの「軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示」することは、本願却下発明の「前記背景画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行すること」と、「画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行する」点で共通する。
また、引用文献2記載の事項の構成cdeの「演出決定手段624」は、「図柄表示装置20」(表示手段)「にて表示される、図柄の変動を開始させてから停止表示させるまでの様々な演出を決定するためのものであ」るのだから、当該「演出決定手段624」が「軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示」すること(画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行すること)を実行していることは明らかであり、本願却下発明の構成Cの「演出実行手段」に相当する。
してみると、引用文献2記載の事項の構成cdeは、本願却下発明の構成Cと、
「前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中であることが前記表示手段に示されていない状態にて前記操作手段が操作されると画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備え」る点で共通する。

(4)(構成D)
引用文献2記載の事項の構成cdeの「軽飛行機が画面の右側から左側へと横切るように飛行して消えていく様子を示す画像」である「第1演出画像A1」は、本願却下発明の構成Dの「経時的に変位する変位画像」に相当する。
また、引用文献2記載の事項の構成cdeの「演出パターンAが選択された場合、まず、図柄表示装置20において第1演出画像A1が表示され、操作有効ランプ6aが点灯し、この操作有効ランプ6aの点灯中に、遊技者が操作スイッチ6を押圧操作すると、操作有効ランプ6aが点滅し、この操作有効ランプ6aの点滅中に、操作スイッチ6aの押圧操作を止めると、第2演出画像A2が表示され」ることは、「まず、図柄表示装置20において第1演出画像A1が表示され、操作有効ランプ6aが点灯し」てから「操作有効ランプ6aの点灯中に、遊技者が操作スイッチ6を押圧操作」して「操作有効ランプ6aが点滅し、この操作有効ランプ6aの点滅中に、操作スイッチ6aの押圧操作を止める」までは「第1演出画像A1」(経時的に変位する変位画像)「が表示」されるのだから、本願却下発明の構成Dの「操作有効期間中にて、前記背景画像は、経時的に変位する変位画像を含」むことと、「操作有効期間中にて、画像は、経時的に変位する変位画像を含」む点で共通する。
してみると、引用文献2記載の事項の構成cdeは、本願却下発明の構成Dと、「前記操作有効期間中にて、画像は、経時的に変位する変位画像を含」む点で共通する。

(5)(構成E)
引用文献2記載の事項の構成cdeの「図柄表示装置20において、単に軽飛行機が飛行しているだけの第1演出画像A1から、」「軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示しながら飛行する第2演出画像A2に変化する」ことは、本願却下発明の構成Eの「当該変位画像の変位に変化が生じる」ことに相当する。
してみると、引用文献2記載の事項の構成cdeは、本願却下発明の構成Eと、「前記特定演出は、当該変位画像の変位に変化が生じるものである」点で共通する。

(6)(構成F)
引用文献2記載の事項の構成fの「パチンコ機PM」は本願却下発明の「遊技機」ことに相当する。
してみると、引用文献2記載の事項の構成fは、本願却下発明の構成Fに相当する構成を備えるものである。

しかし、引用発明においては、
「第2操作有効期間が設定されていることを遊技者に報知せず、発光部材を点灯させないとともに、報知画像も演出表示装置11に表示させず、
第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像を表示する内容で裏ボタン予告が実行され、裏ボタン予告は、大当り期待度を直接的に示唆する演出であり、」
「第2操作有効期間内に操作信号を入力した統括制御用CPU31aは、指示された変動パターンの種類に従って、予告パターン決定テーブルからいずれか1つの予告パターンを決定し、
予告パターンには、予告パターンY1〜Y8で示す8種類が設定されており、各予告パターンには、ひよこHの数及びひよこHが着ているTシャツの色が対応付けられ、
ひよこHの数としては、「1羽」<「3羽」の順に大当り期待度が高い内容とされ、Tシャツの色としては、「白」<「赤」<「星柄」<「虎柄」の順に大当り期待度が高い内容とされている」(構成cd)のであって、引用発明には、「第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像」を「背景画像の一部」とする(相違点1参照)ための動機もなければ、当該「第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像」を、操作ボタンBT(操作手段)が操作された時点におけるひよこH(変位画像)の位置を基準として当該ひよこH(変位画像)の変位に変化が生じるものものとする(相違点2参照)ための動機も存在しない。

次に、引用発明の
「第2操作有効期間が設定されていることを遊技者に報知せず、発光部材を点灯させないとともに、報知画像も演出表示装置11に表示させず、
第2操作有効期間内に操作ボタンBTが操作されると、画像表示部GHの右方から左方に向けて、ひよこHが横切る画像を表示する内容で裏ボタン予告が実行され、裏ボタン予告は、大当り期待度を直接的に示唆する演出であり、」
「第2操作有効期間内に操作信号を入力した統括制御用CPU31aは、指示された変動パターンの種類に従って、予告パターン決定テーブルからいずれか1つの予告パターンを決定し、
予告パターンには、予告パターンY1〜Y8で示す8種類が設定されており、各予告パターンには、ひよこHの数及びひよこHが着ているTシャツの色が対応付けられ、
ひよこHの数としては、「1羽」<「3羽」の順に大当り期待度が高い内容とされ、Tシャツの色としては、「白」<「赤」<「星柄」<「虎柄」の順に大当り期待度が高い内容とされている」演出を、引用文献2記載の事項に示された演出に置換することが、仮に当業者に容易に想到することであるといえるものとして、以下に検討する。
しかし、引用発明に引用文献2記載の事項を適用しても、引用文献2記載の事項の「軽飛行機が方向転換をして「30%」のメッセージを表示」すること(画像の一部の変化により、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出を実行すること)は、「遊技者が操作スイッチ6を押圧操作」して「操作有効ランプ6aが点滅し、この操作有効ランプ6aの点滅中に、操作スイッチ6aの押圧操作を止めると」表示されるものであって、「操作スイッチ6」(操作手段)が操作されることを契機としたものとはならない。
また、引用文献2記載の事項の「軽飛行機が画面の右側から左側へと横切るように飛行して消えていく様子を示す画像」である「第1演出画像A1」(経時的に変位する変位画像)は、図柄の前側に表示されるので、「図柄よりも後方に位置するように表示される背景画像」とはならない。
してみると、引用発明に引用文献2記載の事項を適用できるとしても本願却下発明とはならない。

6 まとめ
したがって、本件補正後の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定によって、特許出願の際独立して特許を受けることができないものではなく、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もない。
よって、本件補正後の請求項1に記載された発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項(独立特許要件)に適合する。

7 むすび
以上のとおりであるので、他の取消事由について検討するまでもなく、令和3年9月1日付け補正の却下の決定は取り消す。

第4 本願発明についての判断
以上のとおり、令和3年9月1日付け補正の却下の決定は取り消されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年3月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。

そして、本願については、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2022-05-31 
出願番号 P2017-246728
審決分類 P 1 8・ 121- WYA (A63F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 ▲吉▼川 康史
特許庁審判官 蔵野 いづみ
石井 哲
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人上野特許事務所  
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