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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01M
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 G01M
管理番号 1385091
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-11-17 
確定日 2022-06-14 
事件の表示 特願2017−125192「クロージャ、ケーブル敷設構造及びクロージャ内部への浸水検出方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月17日出願公開、特開2019− 7888、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願(以下「本願」と記す。)は、平成29年6月27日の出願であって、令和2年4月23日に審査請求がなされ、令和3年2月24日付けで拒絶理由が通知され、同年4月23日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月18日付けで拒絶査定されたところ、同年11月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和3年8月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1ないし6に係る発明は、以下の引用文献1ないし4に記載された発明及び周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2009−92460号公報
2.国際公開第2012/020507号(周知技術を示す文献)
3.特開2017−39460号公報(周知技術を示す文献)
4.特開昭52−89408号公報(周知技術を示す文献)

第3 審判請求時の補正(令和3年11月17日提出の手続補正書による手続補正)について
審判請求時の補正(令和3年11月17日提出の手続補正書による手続補正)、は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正は、特許請求の範囲を補正前の請求項1ないし6から、補正後の請求項1ないし4に補正するものである。
請求項1についての補正は、補正前の請求項1に係る発明を、補正前の請求項2及び3の発明特定事項により限定して減縮したものである。また、請求項2ないし3についての補正は、請求項1の補正に伴い補正前の請求項4及び5を新たな請求項2及び3とし、引用する請求項の項番を修正したものである。そして、請求項4についての補正は、補正前の請求項6に係る発明を、補正前の請求項2及び3の発明特定事項により限定して減縮したものである。
よって、請求項1ないし4についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
さらに、補正後の請求項1ないし4の発明特定事項は、補正前の請求項1ないし6の発明特定事項であり、出願当初明細書の段落【0024】ないし【0050】及び【図1】ないし【図3】に開示されたものであるから、新規事項を追加するものではないといえる。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1ないし4に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願請求項1ないし4に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、令和3年11月17日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される発明であり、そのうち本願発明1及び4は以下のとおりである。(下線は補正箇所を表す。)
「【請求項1】
ケーブル接続部に用いられるクロージャであって、
スリーブと、
前記スリーブの内部に配置され、前記スリーブの内部に浸入した水によって起電力を発生する水電池と、
前記水電池と接続され、前記水電池の起電力によって起動する報知装置と、
を具備し、
前記水電池は前記ケーブル接続部の下部に設置され、前記報知装置は起動すると前記クロージャの外部へ電波を発信する電波発信器であり、
前記水電池は薄いシート状の各部材を積層させた構成であり、
前記電波発信器から発信される電波に前記クロージャを特定可能なID情報を重畳していることを特徴とするクロージャ。」
「【請求項4】
ケーブル接続部に用いられるクロージャの内部への浸水検出方法であって、
前記クロージャは、
スリーブと、
前記スリーブの内部に配置され、前記スリーブの内部に浸入した水によって起電力を発生する水電池と、
前記水電池と接続され、前記水電池の起電力によって起動する報知装置と、
を具備し、
前記水電池は前記ケーブル接続部の下部に設置され、前記報知装置は起動すると前記クロージャの外部へ電波を発信する電波発信器であり、
前記水電池は薄いシート状の各部材を積層させた構成であり、
前記電波発信器から発信される電波に前記クロージャを特定可能なID情報を重畳しており、
前記スリーブの外部から、前記報知装置の起動を把握することで、前記スリーブの内部への浸水の有無を検出することを特徴とするクロージャ内部への浸水検出方法。」

なお、本願発明2ないし3の概要は以下のとおりである。
本願発明2ないし3は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。以下同じ。)
(1)「【0001】
本発明は、無線ICタグを用いて液体の存在や浸水状態を検知するのに用いられる液体検知センサと該センサを用いた光配線函に関する。」

(2)「【0013】
図1により本発明の実施の形態を説明する。図中、1は液体検知センサ、1aはICタグ部、1bはセンサ部、2は基板、3は封止樹脂、4aはICチップ、4bはアンテナ、5は穴、5aは内壁面、6は対電極、6a,6bは電極、7はリード導体を示す。
【0014】
本発明による液体検知センサ1は、ICタグ部1aに設けられたICチップ4a及び通信用のアンテナ4bからなる無線ICタグと、センサ部1bに設けられた一対の電極6a,6bからなる対電極6と、を基板2上に形成し封止樹脂3で気密封止して構成される。対電極6は、少なくとも1組がセンサ部1bに設けられ、基板2と封止樹脂3で形成された穴5の内壁面5aから一部が露出するように一対の電極6a,6bを配設して形成され、リード導体7によりICチップ4aに電気的に接続される。
【0015】
穴5の内壁面5aに形成された対電極6は、水等の導電性のある液体に浸されることにより、電気的に短絡されて導通信号を発生させる。この導通信号によりセンサ部1bが導電性液体に浸されたことを検知、すなわち液体を検出することができる。センサ部1bに設けられた対電極6は、その位置を異ならせて、例えば、図1に示すように長手方向に列状に複数設けることにより、液体のレベルを検出することが可能となる。」

(3)「【0021】
図6は、上述した液体検知センサの検知結果を、無線により読み出す方法を説明する図である。図中、10はICチップの電源、11は送信部、12は受信部、13は制御部、20はリーダ/ライタ、21はアンテナ、22は送信部、23は受信部、24は制御部、30は管理装置を示す。その他の符号は、図1〜図5で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。
【0022】
本発明による液体検知センサ1の無線ICタグは、内蔵電池を有しないパッシブ型のものが用いられ、情報処理を行うICチップ4aとリーダ/ライタ20からの読出しに応答し、データの送受信を行うコイル状のアンテナ4bを有している。アンテナ4bは、リーダ/ライタ20のアンテナ21からの電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、ICチップ4aの電源10に起電力を生じさせ、ICチップ4aを動作状態とする。なお、液体検知センサ1側のアンテナ4bとリーダ/ライタ20のアンテナ21間の離間距離は、10cm〜数mとされる。
【0023】
また、ICチップ4aは、リーダ/ライタ20からの読出しに応答して、データを送信する送信部11と、リーダ/ライタ20からのデータを受信する受信部12、センサ部からの導通信号をデータ信号に変換してデータ処理する制御部13を備えたものとすることができる。さらに、ICチップ4aには、メモリ14を備え、リーダ/ライタ20から送信されたデータを記録し、また、センサ部からの液体検知情報を記録して履歴として残すことができる構成とすることができる。
【0024】
リーダ/ライタ20は、アンテナ21から送出される電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、液体検知センサ1の無線ICタグとの通信を開始するように構成されていて、データの読出し/書込みを行う送信部22を有している。また、液体検知センサ1の無線ICタグでデータ処理された液体検知のデータ、メモリ内に記憶されている履歴データ等を受信するための受信部23を有し、さらに、送信部22および受信部23のデータ処理を行う制御部24を備えている。このリーダ/ライタ20は、これらのデータを一括管理する管理装置30等に送信される。
【0025】
上記のように構成された液体検知センサ1において、例えば、センサ部の対電極6が導電性液体に浸されて(#1及び#2の対電極)、電気的に短絡されて通電可能な状態とされたとする。
ここで、リーダ/ライタ20を駆動させると、アンテナ21から発せられた電波により、液体検知センサ1のアンテナ4bに電波あるいは電磁結合、電磁誘導による起電力を生成し、無線ICタグに電源が供給される。これにより、センサ部の電気的に短絡状態にある#1及び#2の対電極6の導通信号と、#3及び#4の対電極6の非導通信号と、が制御部13で符号化データに変換されてメモリ14に書込まれ、液体レベルの状態を記憶させることができる。
【0026】
また、このとき、リーダ/ライタ20側から、液体検知センサ1のアクセスした時の日時等を送信し、これを液体検知センサ1のメモリ14に書込んで履歴データを作成することができる。
ICチップ4aのメモリ14に書込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データは、アンテナ4bを通じてリーダ/ライタ20に送信され、リーダ/ライタ20のアンテナ21で受信される。リーダ/ライタ20で、受信した符号化データは制御部24でデータ処理されて、管理装置30等の外部装置に送信される。」

(4)「【0027】
図7は、上述した液体検知センサ1を用いて、光接続函(クロージャ)の浸水状態を検出するようにした例を示す図である。図中、1は液体検知センサ、40は光配線函(クロージャ)、41aは下部筐体、41bは上部筐体、42a,42bは端面板、43は光ケーブル、44は光ファイバ心線、44’はセンサ用光ファイバ、45は光ファイバ収納トレイ、46は遠隔浸水検知センサを示す。
【0028】
図7に示すようにクロージャ40は、下部筐体41aと上部筐体41bの両端部に端面板42aと42bを配して閉塞され、水密構造で形成されているものとする。光ケーブル43の所定の光ファイバ心線44は、その接続部、分岐部、余長部等を光ファイバ収納トレイ45により収納、整理される。そして、このクロージャ内に、図1で説明した無線ICタグと対電極からなる液体検知センサ1を配設する。この場合、液体検知センサ1は、そのセンサ部を下側にして垂直に配置するのが望ましい。
【0029】
また、上記構成のクロージャ40で、さらに、光ファイバを用いた遠隔浸水検知センサ46を配し、クロージャ内に浸水が生じたか否かを遠隔地から検知することが可能なシステムとすることもできる。遠隔浸水検知センサ46には、例えば、特許文献3に開示されているような、浸水による膨らむ膨潤材により、センサ用光ファイバ44’を湾曲させて、損失増加を生じさせる構成のものを用いることができる。
【0030】
ここで、クロージャ40内に浸水が生じ、この遠隔浸水検知センサ46の膨潤材が水分を含んで膨潤すると、センサ用光ファイバ44’が湾曲する。この結果、このセンサ用光ファイバ44’の湾曲部分の光損失が増加するので、これを遠隔地からOTDRで計測することにより、浸水が生じたクロージャの地点を含めて検知される。この結果、クロージャ40が設置された場所に係員が出張し、クロージャ40内の浸水状態を確認する。
【0031】
この浸水状態の確認には、クロージャ40を開くことなく、リーダ/ライト20を用いて図6で説明した方法で無線通信で行うことができる。この結果、クロージャ内の浸水が確認され、直ちに補修が必要な状態であればクロージャ40を開いて補修を行い、再度密閉処理を行う。また、その緊急な補修を必要としない程度の浸水であれば、後日に補修するというようにしてもよい。また、遠隔地からはクロージャ内の浸水が検知されたが、リーダ/ライト20による通信で、浸水が確認できない場合は、そのクロージャ40を開かずに、近傍にある他のクロージャの浸水状態の確認を行う。これにより、クロージャ40の無駄な開閉作業の発生を回避し、作業の効率化を図ることができる。」
(当審注:上記【0031】段落の「リーダ/ライト20」は、上記「(3)」の記載を見るに「リーダ/ライタ20」の誤記と認められる。)

(5)「【図1】



(6)「【図6】



(7)「【図7】




上記引用文献1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「無線ICタグを用いて液体の存在や浸水状態を検知するのに用いられる液体検知センサ1を用いた光接続函(クロージャ)40及び光接続函(クロージャ)40の浸水状態を検出する方法において、
クロージャ40は、下部筐体41aと上部筐体41bの両端部に端面板42aと42bを配して閉塞され、水密構造で形成され、光ケーブル43の所定の光ファイバ心線44は、その接続部、分岐部、余長部等を光ファイバ収納トレイ45により収納、整理され、このクロージャ内に、無線ICタグと対電極からなる液体検知センサ1を配設し、さらに、光ファイバを用いた遠隔浸水検知センサ46を配し、クロージャ内に浸水が生じたか否かを遠隔地から検知することが可能であり、
液体検知センサ1は、ICタグ部1aに設けられたICチップ4a及び通信用のアンテナ4bからなる無線ICタグと、センサ部1bに設けられた一対の電極6a,6bからなる対電極6と、を基板2上に形成し封止樹脂3で気密封止して構成され、対電極6は、少なくとも1組がセンサ部1bに設けられ、基板2と封止樹脂3で形成された穴5の内壁面5aから一部が露出するように一対の電極6a,6bを配設して形成され、リード導体7によりICチップ4aに電気的に接続され、穴5の内壁面5aに形成された対電極6は、水等の導電性のある液体に浸されることにより、電気的に短絡されて導通信号を発生させ、この導通信号によりセンサ部1bが導電性液体に浸されたことを検知、すなわち液体を検出することができ、
液体検知センサ1の無線ICタグは、内蔵電池を有しないパッシブ型のものが用いられ、情報処理を行うICチップ4aとリーダ/ライタ20からの読出しに応答し、データの送受信を行うコイル状のアンテナ4bを有しており、アンテナ4bは、リーダ/ライタ20のアンテナ21からの電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、ICチップ4aの電源10に起電力を生じさせ、ICチップ4aを動作状態とし、
上記のように構成された液体検知センサ1において、センサ部の対電極6が導電性液体に浸されて(#1及び#2の対電極)、電気的に短絡されて通電可能な状態とされたときに、リーダ/ライタ20を駆動させると、アンテナ21から発せられた電波により、液体検知センサ1のアンテナ4bに電波あるいは電磁結合、電磁誘導による起電力を生成し、無線ICタグに電源が供給され、センサ部の電気的に短絡状態にある#1及び#2の対電極6の導通信号と、#3及び#4の対電極6の非導通信号と、が制御部13で符号化データに変換されてメモリ14に書込まれ、液体レベルの状態を記憶させることができ、ICチップ4aのメモリ14に書込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データは、アンテナ4bを通じてリーダ/ライタ20に送信され、リーダ/ライタ20のアンテナ21で受信され、
クロージャ40を開くことなく、リーダ/ライタ20を用いて無線通信で浸水状態の確認を行うことができる、
クロージャ40及びその浸水状態を検出する方法。」

2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「[0001] 本発明は、液体漏れ感知システムに関し、特に詳しくは、点滴漏れや採血、人工透析装置から血液を人体へ戻すとき又は血液を人体から採取するときや、脳脊髄液、腹水、胸水等を人体から採取するとき又はそれを体内へ戻すときに各種液体が漏れたときにそれを感知するための医療用の液体漏れ感知システムに関する。」

(2)「[0017] 図3に示すとおり、センサ構造体14は、翼状針12の先端部12aと吸収性部材16を介して対向する位置(図面の上方)に配置されているので、治療中において、翼状針12の先端部12aが挿入されて僅かに隆起する血管部位25から血液や点滴液などの液体26が漏れ出て吸収性部材16の全体又はその周縁の比較的に広い範囲に浸透した場合には、該漏出した液体26が水電池20の外形を形成する繊維不織布シートに浸透し、それを触媒として水電池20がその内部において電気化学反応を生じて起電力が発生する。それにより、発生した起電力によって、リード線21a,21bを介して発信器22に電流が流れて、発信器22が電波を発信する。このように、翼状針12の先端部12aが挿入された血管部位25から液漏れが生じた場合には、それと対向する位置にあるセンサ構造体14が速やかにその液漏れを検知し、外部に知らせることができる。
[0018] 発信器22から外部に発信された電波は、液体漏れ感知システム10よりも遠隔にある場所、例えば、ナースセンター等の集中管理室に設置された受信器15に送信することができる。それにより、例えば、受信器15と集中管理室内又は/及び病院内に設置された警報装置とを直結させることによって、病院内の複数人に液漏れを知らせることができ、液漏れによる医療事故を未然に防ぐことができる。」

(3)「[0033] 本発明にかかる水電池20は、外包シート30によって各構成材料が積層された状態で被包されているので、従来の筒状の水電池20に比べて薄く、かつ、軽量である。また、水電池20に微量の液体(尿、水、血液等の各種液体)のみが供給された場合であっても、各構成材料間に介在された外包シート30を通じて正極活物質33に液体を供給して拡散させることができ、所要の起電力を速やかに生じさせることができる。」

(4)「[図3]



(5)「[図9]



上記引用文献2の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献2には、次の技術(以下「引用文献2開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「液体漏れ感知システムにおいて、
水電池20は、外包シート30によって各構成材料が積層された状態で被包されており、
漏出した液体26が水電池20の外形を形成する繊維不織布シートに浸透し、それを触媒として水電池20がその内部において電気化学反応を生じて起電力が発生し、その発生した起電力によって、リード線21a,21bを介して発信器22に電流が流れて、発信器22が電波を発信することにより、速やかにその液漏れを検知し、外部に知らせる技術。」

3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている。
(1)「【請求項1】
軸方向に往復移動する転舵シャフトと、
前記転舵シャフトを収容するハウジングと、
前記転舵シャフトの両端部にそれぞれ設けられて、当該転舵シャフトと転舵輪とを連結するタイロッドと、
前記ハウジングと前記タイロッドとの間に接続されて、前記ハウジングと前記タイロッドとを封止するブーツと、を備え、
前記ハウジングの内部には、液体が内部に供給されることにより電力を発生させる水電池と、前記水電池を電力の供給源として、信号を送信する送信部と、を備える水センサが配置されるステアリング装置。」

(2)「【0017】
この構成によれば、液体が水電池の内部に供給されたとき、水電池が電力を発生させるので送信部は無線信号を送信することができる。これに対し、液体が水電池の内部に供給されていないときには、送信部は電力を消費しない。このため、液体を検出するために設けられる水センサの電力の消費をより低減することができる。」

上記引用文献3の記載事項を総合勘案すると、引用文献3には、次の技術(以下「引用文献3開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「ハウジングの内部に、液体が内部に供給されることにより電力を発生させる水電池と、前記水電池を電力の供給源として、信号を送信する送信部と、を備える水センサとを備え、
液体が水電池の内部に供給されたとき、水電池が電力を発生させるので送信部が無線信号を送信することができる、技術。」

4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された上記引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「以下この第1図を用いて従来の電波信号装置について説明する。
(1)はアンテナで、遭難に際して救助を求める時に救助信号を電波で送信するものである。このアンテナ(1)から送信された電波を捜索船に設置されたレーダが受信して、救助信号の送信位置が探測される。
(2)は送信機で、救助信号を発振してアンテナ(1)より送信する。
(3)は電源装置で、海水が侵入した時に電圧を誘起して送信機(2)に電力を供給する海水電池で構成されている。
(4)は救命ボートである。救命ボート(4)にはアンテナ(1)、送信機(2)、電源装置(3)が取付けられ、常時は小さく折畳んで船舶内に格納されている。この救命ボート(4)は船舶が遭難した時には第1図のように展張して海面(5)に浮上させ遭難者を収容する。
この電波信号装置は、遭難者が救助を求めて電源装置(3)を海中に投入することにより、海水電池に電圧が誘起し、この電力により送信機(2)が起動して、アンテナ(1)より救助信号をレーダに送信し、海水電池の寿命が きるまで救助信号の送信を継続するものである。」(第1頁右欄第1行−第2頁左上欄第4行)

(2)「第1図



上記引用文献4の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献4には、次の技術(以下「引用文献4開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「海水が侵入した時に電圧を誘起して送信機(2)に電力を供給する海水電池で構成されている電源装置(3)を海中に投入することにより、海水電池に電圧が誘起し、この電力により送信機(2)が起動して、アンテナ(1)より救助信号をレーダに送信する技術。」

5.特開2010−145329号公報について
当審で新たに発見した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2010−145329号公報(以下「引用文献5」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【0001】
本発明は、例えば、地下設置されたクロージャ等の接続箱、マンホール、ハンドホールといった地中箱の内部の浸水検知用の浸水検知センサに関する。」

(2)「【0031】
RFタグ25は、クロージャスリーブ11内に設置されている。
この浸水検知センサ23は、センサ本体22の一対の導線3の一端部3aをクロージャスリーブ11に取り付けられた端子部4に接続することにかえて、一対の導線3の一端部3aをRFタグ25に接続した構成になっている。この浸水検知センサ23は、センサ本体22及びRFタグ25、すなわち浸水検知センサ23全体がクロージャスリーブ11内に収納されている。
この浸水検知センサ23がクロージャスリーブ11内に設けられたクロージャ(浸水検知センサ付きクロージャ)に図中符号24を付す。
【0032】
ここでは、RFタグ25として、クロージャ24の識別情報(例えばクロージャ24の位置特定用の情報)がリーダー26によって読み出し可能に書き込まれたRFIDタグ(RFID:Radio Frequency IDentification)を採用している。以下、RFタグ25をRFIDタグとも言う。以下、リーダー26をRFIDリーダーとも言う。」

(3)「【図3】



上記引用文献5の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献5には、次の技術(以下「引用文献5開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「クロージャ等の接続箱の内部の浸水検知用の浸水検知センサにおいて、
浸水検知センサ23は、センサ本体22及びRFタグ25、すなわち浸水検知センサ23全体がクロージャスリーブ11内に収納されており、
RFタグ25として、クロージャ24の識別情報(例えばクロージャ24の位置特定用の情報)がリーダー26によって読み出し可能に書き込まれたRFIDタグ(RFID:Radio Frequency IDentification)を採用する技術。」

6.特開2013−195063号公報について
当審で新たに発見した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013−195063号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「【0001】
本発明は、気体漏れにより発生する音波又は超音波を検知するセンサを取り付ける方法、そのセンサを用いて配管における気体漏れを監視するシステムに関する。」

(2)「【0021】
≪システムの構成と概要≫
図1は、エア漏れ監視システム1の構成を示す図である。エア漏れ監視システム1は、例えば、発電所や変電所に適用されるものであり、検出部2及び監視装置3を備える。発変電所の構内には、圧縮空気を発生させるエアコンプレッサと、その圧縮空気を利用する電力機器とが設置され、エアコンプレッサから電力機器まで圧縮空気を搬送する配管が張り巡らされている。その配管は、例えば、1本約4mの配管を繋ぎ合わせたものであり、配管全体では数百mに及ぶことがあるので、その接続部分は、4m以内には必ず存在し、数十〜数百箇所になる。なお、接続部分には、図3に示すように、分岐部分、バルブ及び延長部分の3種類がある。
【0022】
そのような発変電所において、検出部2は、配管の各接続部分に設けられ、当該接続部分におけるエア漏れにより発生する超音波を検知し、その超音波に応じた信号(超音波検出信号)を監視装置3に送信する。監視装置3は、構内に設置されるPC(Personal Computer)やサーバ等で実現され、多数の検出部2から超音波検出信号を受信し、その超音波検出信号に基づいてエア漏れの有無を判定し、エア漏れがあれば、その旨をディスプレイに表示する。」

(3)「【0033】
≪データの構成≫
図5は、監視装置3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示す図である。図5(a)は、エア漏れの監視に関連して記憶部35に記憶されるデータの構成を示す。記憶部35には、配管経路図データ35A、検出継続時間データ35B及び配管接続部分データ35Cが記憶される。配管経路図データ35Aは、発変電所の構内における配管の経路を示すものであり、例えば、図4(a)の画面に示すように、配管及びその接続部分が含まれる。検出継続時間データ35Bは、エア漏れが発生していると判定する際に、所定レベル以上の超音波検出信号の継続受信が必要な時間(例えば、30〜60分間)を示す。配管接続部分データ35Cは、発変電所内における配管の各接続部分のデータであり、例えば、接続部分に固定されたセンサ部23に関するデータや、接続部分の部材に関するデータが設定される。
【0034】
図5(b)は、配管接続部分データ35Cの構成を示す。配管接続部分データ35Cは、センサ部ID35C1、センサ部位置35C2、検出開始時刻35C3、漏気フラグ35C4及び部材仕様35C5を含む、接続部分ごとのレコードからなる。センサ部ID35C1は、接続部分を覆う検出部2のセンサ部23に固有のIDを示し、センサ部23から受信するデータ信号に含まれるセンサ部IDに対応する。センサ部位置35C2は、センサ部23の位置データを示し、例えば、発変電所の構内における位置でもよいし、配管経路図上の座標であってもよい。」

上記引用文献6の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献6には、次の技術(以下「引用文献6開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「気体漏れにより発生する音波又は超音波を検知するセンサを取り付ける方法、そのセンサを用いて配管における気体漏れを監視するシステムにおいて、
検出部2は、配管の各接続部分に設けられ、当該接続部分におけるエア漏れにより発生する超音波を検知し、その超音波に応じた信号(超音波検出信号)を監視装置3に送信し、
配管接続部分データ35Cは、発変電所内における配管の各接続部分のデータであり、配管接続部分データ35Cは、センサ部ID35C1、センサ部位置35C2、検出開始時刻35C3、漏気フラグ35C4及び部材仕様35C5を含む、接続部分ごとのレコードからなる、
技術。」

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1を、引用発明1と比較する。
ア 引用発明1の「光ケーブル43」は、本願発明1における「ケーブル」に相当する。
イ 引用発明1における「光接続函(クロージャ)40」は、光ケーブル43を接続する部位に設置される函体であるから、本願発明1における「ケーブル接続部に用いられるクロージャ」に相当する。
ウ 引用発明1では「クロージャ40は、下部筐体41aと上部筐体41bの両端部に端面板42aと42bを配して閉塞され」ることから、「下部筐体41aと上部筐体41b」と「端面板42aと42b」は、本願発明1における「スリーブ」に相当する。
エ 引用発明1における「液体検知センサ1」は、「液体検知センサ1の無線ICタグは、内蔵電池を有しないパッシブ型のものが用いられ、情報処理を行うICチップ4aとリーダ/ライタ20からの読出しに応答し、データの送受信を行うコイル状のアンテナ4bを有しており、アンテナ4bは、リーダ/ライタ20のアンテナ21からの電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、ICチップ4aの電源10に起電力を生じさせ、ICチップ4aを動作状態とし、上記のように構成された液体検知センサ1において、センサ部の対電極6が導電性液体に浸されて(#1及び#2の対電極)、電気的に短絡されて通電可能な状態とされたときに、リーダ/ライタ20を駆動させると、アンテナ21から発せられた電波により、液体検知センサ1のアンテナ4bに電波あるいは電磁結合、電磁誘導による起電力を生成し、無線ICタグに電源が供給され、センサ部の電気的に短絡状態にある#1及び#2の対電極6の導通信号と、#3及び#4の対電極6の非導通信号と、が制御部13で符号化データに変換されてメモリ14に書込まれ、液体レベルの状態を記憶させることができ、ICチップ4aのメモリ14に書込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データは、アンテナ4bを通じてリーダ/ライタ20に送信され」ることから、本願発明1の「報知装置」に相当する。

すると、本願発明1と、引用発明1とは、次の点で一致する。
<一致点>
「ケーブル接続部に用いられるクロージャであって、
スリーブと、
報知装置と、
を具備する、
クロージャ。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点1>
本願発明1は、「前記スリーブの内部に配置され、前記スリーブの内部に浸入した水によって起電力を発生する水電池と、前記水電池と接続され、前記水電池の起電力によって起動する報知装置と、を具備し、前記水電池は前記ケーブル接続部の下部に設置され、前記報知装置は起動すると前記クロージャの外部へ電波を発信する電波発信器であり、前記水電池は薄いシート状の各部材を積層させた構成であり、前記電波発信器から発信される電波に前記クロージャを特定可能なID情報を重畳している」のに対し、引用発明1は、液体検知センサ1が、外部のリーダ/ライタ20のアンテナ21からの電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、起電力を生じさせて、ICチップ4aを動作状態としその動作状態において対電極6が導電性液体に浸されたことをメモリ14に記録し、ICチップ4aのメモリ14に書込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データを、アンテナ4bを通じてリーダ/ライタ20に送信する点。

(2)判断
上記「(1)」で記載した相違点1について判断する。
ア 引用発明1では、リーダ/ライタ20が対象のクロージャ内の液体検知センサ1に起電力を与えて電波発信を行わせることから、測定対象のクロージャは、リーダ/ライタ20が近づけられているクロージャとなる。よって、液体検知センサ1から電波発信されるデータに、クロージャを特定可能なID情報を含ませる必要はない。
イ 引用文献2は、液体のセンサへの接触を外部に知らせる点で引用発明1と同一の技術分野に属する文献であり、引用文献2開示技術(上記「第5 2.」参照。)が開示されている。
ウ 引用文献2開示技術は、水電池20が各構成材料が積層された状態で被包されており、その水電池20に漏出した液体26が浸透すると起電力が生じ、その起電力によって発信器22に電流が流れて電波を発信する技術を開示している。
エ 引用文献2開示技術を引用発明1に適用する場合、引用発明1の液体検知センサ1を、引用文献2開示技術の水電池20と発信器22とを置換して適用することになる。
オ しかしながら、引用文献2開示技術を引用発明1に適用すると、測定対象のクロージャにリーダ/ライタ20を近づけて起電力を与える行為が不要となることから、電波発信されるデータがどのクロージャからのデータであるのか判別できないという新たな課題が生じることとなるから、引用発明1に引用文献2開示技術を適用するには、阻害要因がある。また、たとえ阻害要因とまでいえなくとも、引用発明1に引用文献2開示技術を適用することにより生じる新たな課題のために、さらなる技術を適用することは、当業者が容易になし得たことではない。
カ さらに、上記「第5 3.及び4.」より、引用文献3開示技術及び引用文献4開示技術は水電池が電力を発生させて電波を発信する技術を開示しているが、水電池と電波発信器を用い、電波発信器から発信される電波にクロージャを特定可能なID情報を重畳している技術を開示するものではなく、上記相違点1に係る構成が、本願出願前に周知の技術であるとも認められない。
キ そして、本願発明1は、上記相違点1に係る構成を採用することにより、リーダ/ライタをクロージャに近づけることなく浸水したクロージャを特定しやすくするという格別の効果を奏している。
ク 以上のことから、上記相違点1に係る発明特定事項を引用発明1と、引用文献2ないし4開示技術から当業者が導き出すことはできない。
ケ 仮に、引用文献5及び6について検討しても、上記「第5 5.及び6.」より、引用文献5開示技術は、クロージャ24の識別情報(例えばクロージャ24の位置特定用の情報)がリーダー26によって読み出し可能に書き込まれたRFIDタグの技術を開示し、引用文献6開示技術は、検出部2から監視装置3に送られてくる配管接続部分データ35Cにセンサ部ID35C1が含まれている技術を開示しているが、どの技術も水電池と電波発信器を用い、電波発信器から発信される電波にクロージャを特定可能なID情報を重畳している技術を開示するものではなく、上記相違点1に係る構成が、本願出願前に周知の技術であるとも認められない。
コ 以上のことから、上記相違点1に係る発明特定事項を引用発明1と、引用文献2ないし6開示技術から当業者が導き出すことはできない。

(3)小括
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1と、引用文献2ないし6開示技術に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2ないし3について
本願発明2ないし3も、本願発明1の上記相違点1係る発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1と、引用文献2ないし6開示技術に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明4について
(1)対比
本願発明4を、引用発明1と比較する。
ア 引用発明1の「光ケーブル43」は、本願発明4における「ケーブル」に相当する。
イ 引用発明1における「光接続函(クロージャ)40」は、光ケーブル43を接続する部位に設置される函体であるから、本願発明4における「ケーブル接続部に用いられるクロージャ」に相当する。
ウ 引用発明1では「クロージャ40は、下部筐体41aと上部筐体41bの両端部に端面板42aと42bを配して閉塞され」ることから、「下部筐体41aと上部筐体41b」と「端面板42aと42b」は、本願発明4における「スリーブ」に相当する。
エ 引用発明1における「液体検知センサ1」は、「液体検知センサ1の無線ICタグは、内蔵電池を有しないパッシブ型のものが用いられ、情報処理を行うICチップ4aとリーダ/ライタ20からの読出しに応答し、データの送受信を行うコイル状のアンテナ4bを有しており、アンテナ4bは、リーダ/ライタ20のアンテナ21からの電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、ICチップ4aの電源10に起電力を生じさせ、ICチップ4aを動作状態とし、上記のように構成された液体検知センサ1において、センサ部の対電極6が導電性液体に浸されて(#1及び#2の対電極)、電気的に短絡されて通電可能な状態とされたときに、リーダ/ライタ20を駆動させると、アンテナ21から発せられた電波により、液体検知センサ1のアンテナ4bに電波あるいは電磁結合、電磁誘導による起電力を生成し、無線ICタグに電源が供給され、センサ部の電気的に短絡状態にある#1及び#2の対電極6の導通信号と、#3及び#4の対電極6の非導通信号と、が制御部13で符号化データに変換されてメモリ14に書込まれ、液体レベルの状態を記憶させることができ、ICチップ4aのメモリ14に書込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データは、アンテナ4bを通じてリーダ/ライタ20に送信され」ることから、本願発明4の「報知装置」に相当する。
オ 引用発明1の「光接続函(クロージャ)40の浸水状態を検出する方法」は、本願発明4の「クロージャ内部への浸水検出方法」に相当する。

すると、本願発明4と、引用発明1とは、次の点で一致する。
<一致点>
「ケーブル接続部に用いられるクロージャの内部への浸水検出方法であって、
前記クロージャは、
スリーブと、
報知装置と、
を具備する、
クロージャ内部への浸水検出方法。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点4−1>
本願発明4は、「前記スリーブの内部に配置され、前記スリーブの内部に浸入した水によって起電力を発生する水電池と、前記水電池と接続され、前記水電池の起電力によって起動する報知装置と、を具備し、前記水電池は前記ケーブル接続部の下部に設置され、前記報知装置は起動すると前記クロージャの外部へ電波を発信する電波発信器であり、前記水電池は薄いシート状の各部材を積層させた構成であり、前記電波発信器から発信される電波に前記クロージャを特定可能なID情報を重畳している」のに対し、引用発明1は、液体検知センサ1が、外部のリーダ/ライタ20のアンテナ21からの電波あるいは電磁結合、電磁誘導により、起電力を生じさせて、ICチップ4aを動作状態としその動作状態において対電極6が導電性液体に浸されたことをメモリ14に記録し、ICチップ4aのメモリ14に書込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データを、アンテナ4bを通じてリーダ/ライタ20に送信する点。
<相違点4−2>
本願発明4は、「前記スリーブの外部から、前記報知装置の起動を把握することで、前記スリーブの内部への浸水の有無を検出する」のに対し、引用発明1は、リーダ/ライタ20により液体検知センサ1に起電力を生じさせることにより、液体検知センサ1を動作状態にして液体検知センサ1のメモリ14に書き込まれた液体検知状態あるいは液体レベル状態の符号化データを受信して、液体検知状態あるいは液体レベル状態を検出する点。

(2)判断
事案に鑑み、上記「(1)」で記載した相違点4−1について判断する。
相違点4−1は、上記「1.(1)」の相違点1と同一であり、上記「1.(2)」で検討したのと同様の理由により、上記相違点4−1に係る発明特定事項を引用発明1と、引用文献2ないし6開示技術から当業者が導き出すことはできない。

(3)小括
したがって、上記相違点4−2について検討するまでもなく、本願発明4は、当業者であっても、引用発明1と、引用文献2ないし6開示技術に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定について
上記「第6」で検討したように、本願発明1ないし4は、引用発明1と、引用文献2ないし6開示技術から当業者が容易に発明できたものとはいえないから、拒絶査定において引用された引用文献1ないし4に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-05-30 
出願番号 P2017-125192
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01M)
P 1 8・ 575- WY (G01M)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 伊藤 幸仙
▲高▼見 重雄
発明の名称 クロージャ、ケーブル敷設構造及びクロージャ内部への浸水検出方法  
代理人 井上 誠一  
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