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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 B32B 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 B32B 審判 一部申し立て 2項進歩性 B32B |
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管理番号 | 1385160 |
総通号数 | 6 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-06-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-04-30 |
確定日 | 2022-04-04 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6781853号発明「バリア素材」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6781853号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1〜30]について訂正することを認める。 特許第6781853号の請求項1、5、7−9、11−13及び17に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6781853号の請求項1−17に係る特許についての出願は、2018年(平成30年)10月3日(優先権主張 平成29年10月4日)を国際出願日とする特願2019−546749号の一部を令和2年1月30日に新たな特許出願としたものであって、同年10月20日にその特許権の設定登録がされ、同年11月4日に特許掲載公報が発行された。 その後、令和3年4月30日に末吉直子(以下「申立人」という)により、その請求項1、5、7−9、11−13及び17に係る特許について特許異議の申立てがされ、同年9月7日付けで取消理由が通知され、同年11月4日に特許権者より意見書及び訂正請求書(この訂正請求書による訂正請求を「本件訂正請求」といい、訂正そのものを「本件訂正」という。)が提出され、令和4年1月20日に申立人より意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否 1.訂正の内容 本件訂正請求の趣旨は、「特許第6781853号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜30について訂正することを求める。」というものである(下線は、訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し」と記載されているのを、 「基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有する紙基材を有し」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項5、7〜9、11〜17も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「マイカを含有することを特徴とするバリア素材。」と記載されているのを、 「マイカを含有することを特徴とするバリア素材(ただし、前記界面活性剤として、ポリアクリル酸ソーダを除く)。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項5、7〜9、11〜17も同様に訂正する。)。 (3)訂正事項3 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2に「前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生分解性樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載のバリア素材。」と記載されているのを、独立形式に改め、 「基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生分解性樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とするバリア素材。」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3、7〜9、11〜17も同様に訂正する。)。 (4)訂正事項4 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項4に「前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生物由来樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載のバリア素材。」と記載されているのを、独立形式に改め、 「基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生物由来樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とするバリア素材。」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項7〜9、11〜17も同様に訂正する。) (5)訂正事項5 ア.訂正事項5−1 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6に「前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバリア素材。」と記載されているのを、独立形式に改め、 「基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とするバリア素材。」に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項7〜17も同様に訂正する。) イ.訂正事項5−2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6に「前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバリア素材。」とあるうち、請求項2〜4のいずれかを引用するものについて、 「前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のバリア素材。」と記載し、新たに請求項18とする。 ウ.訂正事項5−3 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6に「前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバリア素材。」とあるうち、請求項5を引用するのを、独立形式に改め、 「基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有し、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、塗工層である樹脂層を有するバリア素材。」と記載し、新たに請求項19とする。 (6)訂正事項6 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項7に「温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が100g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバリア素材。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するものについて、 「温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が100g/m2・day以下であることを特徴とする請求項18または19に記載のバリア素材。」と記載し、新たに請求項20とする。 (7)訂正事項7 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項8に「温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が10g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバリア素材。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、または前記請求項6を引用する請求項7を引用するものについて、 「温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が10g/m2・day以下であることを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載のバリア素材。」と記載し、新たに請求項21とする。 (8)訂正事項8 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項9に「下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバリア素材: (1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が3.5g/m2・day以下、 (2)温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下、 (3)温度23℃、相対湿度85%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下。」 とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7を引用するもの、または前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するものについて、 「下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載のバリア素材: (1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が3.5g/m2・day以下、 (2)温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下、 (3)温度23℃、相対湿度85%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下。」 と記載し、新たに請求項22とする。 (9)訂正事項9 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項10に「前記水蒸気バリア層が水蒸気バリア性樹脂および撥水剤を含有することを特徴とする請求項6に記載のバリア素材。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するものについて、 「前記水蒸気バリア層が水蒸気バリア性樹脂および撥水剤を含有することを特徴とする請求項18または19に記載のバリア素材。」と記載し、新たに請求項23とする。 (10)訂正事項10 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項11に「前記紙基材の坪量が、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバリア素材。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、または前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するものについて、 「前記紙基材の坪量が、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項18〜23のいずれかに記載のバリア素材。」と記載し、新たに請求項24とする。 (11)訂正事項11 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項12に「請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した包装材料。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するもの、または前記請求項6〜10のいずれかを引用する請求項11を引用するものについて、 「請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した包装材料。」と記載し、新たに請求項25とする。 (12)訂正事項12 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項13に「請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した袋。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するもの、または前記請求項6〜10のいずれかを引用する請求項11を引用するものについて、 「請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した袋。」と記載し、新たに請求項26とする。 (13)訂正事項13 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項14に「請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した紙器。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するもの、または前記請求項6〜10のいずれかを引用する請求項11を引用するものについて、 「請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した紙器。」と記載し、新たに請求項27とする。 (14)訂正事項14 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項15に「請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した段ボール箱。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するもの、または前記請求項6〜10のいずれかを引用する請求項11を引用するものについて、 「請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した段ボール箱。」と記載し、新たに請求項28とする。 (15)訂正事項15 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項16に「請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用したカップ。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するもの、または前記請求項6〜10のいずれかを引用する請求項11を引用するものについて、 「請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用したカップ。」と記載し、新たに請求項29とする。 (16)訂正事項16 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項17に 「請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した軟包装材。」とあるうち、請求項2〜5のいずれか少なくとも1つを直接的または間接的に引用する請求項6を引用するもの、前記請求項6を引用する請求項7または10を引用するもの、前記請求項6または7を引用する請求項8を引用するもの、前記請求項6〜8のいずれかを引用する請求項9を引用するもの、または前記請求項6〜10のいずれかを引用する請求項11を引用するものについて、 「請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した軟包装材。」と記載し、新たに請求項30とする。 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1 ア.訂正の目的について 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に記載されていた「紙基材」について、本件訂正前の請求項6に記載されていた事項により限定するものであるから、当該訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1は、訂正前の請求項6に記載されているように、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 (2)訂正事項2 ア.訂正の目的について 訂正事項2は、本件訂正前の請求項1に記載されていた「界面活性剤」について、「ポリアクリル酸ソーダを除く」ことで限定するものであるから、当該訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、訂正前の請求項1に係る発明における「界面活性剤」から「ポリアクリル酸ソーダ」を除いたものであるから、新たな技術的事項を追加するものではない。 よって、当該訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 (3)訂正事項3 ア.訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用しない独立形式請求項へ改めるための訂正であって、他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、新たな技術的事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (4)訂正事項4 ア.訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項4が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用しない独立形式請求項へ改めるための訂正であって、他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、新たな技術的事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (5)訂正事項5 ア.訂正の目的について 訂正事項5−1は、訂正前の請求項6が請求項1〜5のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用し、請求項2〜5を引用しない独立形式請求項へ改めるための訂正である。訂正事項5−2は、訂正前の請求項6が請求項1〜5のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項2〜4のいずれかを引用し、請求項1または5を引用しないものとする訂正である。訂正事項5−3は、訂正前の請求項6が請求項1〜5のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項5を引用し、請求項1〜4のいずれかを引用しないものとする訂正である。 したがって、訂正事項5−1〜5−3は、他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項5は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、新たな技術的事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (6)訂正事項6〜16 ア.訂正の目的について 訂正事項6〜16は、他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項6〜16は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、新たな技術的事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 3.一群の請求項について 本件訂正前の請求項1−17は、請求項2−17が、本件訂正請求の対象である請求項1を引用する関係にあるから、本件訂正請求は、一群の請求項1−17について請求されている。 4.独立特許要件について 訂正前の請求項14〜16について、本件特許異議の申立てはされていない。そして、訂正事項1及び2による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、訂正事項1及び2によって訂正された訂正後の請求項14〜16に係る発明について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件が課されることになる。 そこで、独立特許要件について検討する。 後述の「第5 当審の判断」において詳述するように、請求項14〜16に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないものである。 したがって、訂正後の請求項14〜16に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 5.まとめ 上記のとおり、訂正事項1〜16に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに第9項で準用する同法第126条第5項〜第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1〜30]について訂正することを認める。 第3 本件発明 請求項1〜30に係る発明(以下「本件発明1」〜「本件発明30」という。)は、それぞれ、訂正特許請求の範囲の請求項1〜30に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有することを特徴とするバリア素材(ただし、前記界面活性剤として、ポリアクリル酸ソーダを除く)。 【請求項2】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生分解性樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とするバリア素材。 【請求項3】 前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸、または、ポリブチレンサクシネートであることを特徴とする請求項2に記載のバリア素材。 【請求項4】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生物由来樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とするバリア素材。 【請求項5】 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、塗工層である樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載のバリア素材。 【請求項6】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とするバリア素材。 【請求項7】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が100g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項8】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が10g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項9】 下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバリア素材: (1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が3.5g/m2・day以下、 (2)温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下、 (3)温度23℃、相対湿度85%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下。 【請求項10】 前記水蒸気バリア層が水蒸気バリア性樹脂および撥水剤を含有することを特徴とする請求項6に記載のバリア素材。 【請求項11】 前記紙基材の坪量が、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した包装材料。 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した袋。 【請求項14】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した紙器。 【請求項15】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した段ボール箱。 【請求項16】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用したカップ。 【請求項17】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した軟包装材。 【請求項18】 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項19】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有し、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、塗工層である樹脂層を有するバリア素材。 【請求項20】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が100g/m2・day以下であることを特徴とする請求項18または19に記載のバリア素材。 【請求項21】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が10g/m2・day以下であることを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項22】 下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載のバリア素材: (1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が3.5g/m2・day以下、 (2)温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下、 (3)温度23℃、相対湿度85%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下。 【請求項23】 前記水蒸気バリア層が水蒸気バリア性樹脂および撥水剤を含有することを特徴とする請求項18または19に記載のバリア素材。 【請求項24】 前記紙基材の坪量が、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項18〜23のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項25】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した包装材料。 【請求項26】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した袋。 【請求項27】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した紙器。 【請求項28】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した段ボール箱。 【請求項29】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用したカップ。 【請求項30】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した軟包装材。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1.取消理由の概要 訂正前の請求項1、5、7〜9、11〜13、17に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (1)理由1(サポート要件)について 本件特許は、特許請求の範囲の請求項1、5、7〜9、11〜13、17の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 本件発明の課題は、「高バイオマス度でCO2排出量が少なく、さらには、生分解性を有し、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つバリア素材であり、特に食品などの包装材、袋、紙器、段ボール箱、カップなど、包装用途に好適に用いられるバリア素材を提供すること」である(段落0009)。 しかしながら、本件発明は、「生分解性」を有することに加えて、「優れたガスバリア性」及び「優れた水蒸気バリア性」を併せ持つという課題解決手段について特定されていない。 さらに、本件明細書の背景技術の欄(段落0007)には、「ガスバリア性、水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料、例えば、特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア性を有する包装材料の上に、特許文献4の防湿層を設けた場合、良好な水蒸気バリア性は得られるもののガスバリア性が得られなくなる問題があった。」とあり、ガスバリア層上に防湿層を設ける層構成では、ガスバリア性を得られないとしている。 以上から、本件発明は、課題解決手段が特定されないものであることに加えて、問題があり課題を解決することの出来ない層構成を含むものである。 したがって、本件発明は、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求するものである。 (2)理由2(新規性)について 本件特許の請求項1、5、7、8、12に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、5、7、8、12に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (3)理由3(進歩性)について 本件特許の請求項1、5、7−9、11−13、17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、5、7−9、11−13、17に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 [引用文献] 甲第1号証:特開2017−124851号公報(以下「甲1」という。) 第5 当審の判断 1.理由1(サポート要件)について 本件明細書の「発明が解決しようとする課題」の欄には、「そこで、本発明は、高バイオマス度でCO2排出量が少なく、さらには、生分解性を有し、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つバリア素材であり、特に食品などの包装材、袋、紙器、段ボール箱、カップなど、包装用途に好適に用いられるバリア素材を提供することを目的とする。」(段落0009)と記載されている。そして、「CO2排出量が少なく、さらには、生分解性を有」することは、「高バイオマス度」であることに関連した事項であるから、本件発明の課題は、「高バイオマス度」で、「優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つバリア素材」を提供することであると認める。 ここで、訂正後の本件発明は、「水蒸気バリア層」が「基紙」と「ガスバリア層」との間に位置することが特定されることで、「優れたガスバリア性」及び「優れた水蒸気バリア性」を併せ持つという課題を解決するための手段について特定された。 さらに、本件明細書の背景技術の欄(段落0007)には、「ガスバリア性、水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料、例えば、特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア性を有する包装材料の上に、特許文献4の防湿層を設けた場合、良好な水蒸気バリア性は得られるもののガスバリア性が得られなくなる問題があった。」とあり、ガスバリア層上に防湿層を設ける層構成では、ガスバリア性を得られないとしている。そして、訂正後の本件発明は、問題があり課題を解決することの出来ない層構成を含まないものとなった。 したがって、本件発明は、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されているため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求するものではない。 2.理由2(新規性)及び理由3(進歩性)について (1)引用文献の記載及び引用発明 ア.甲1 (ア)甲1には、以下の記載がある。なお、以下、下線は当審が付与した。 「【請求項1】 紙基材上に、水蒸気バリア層、ガスバリア層、シーラント層をこの順に設けた紙製バリア包装材料が、胴部材、底板部材、蓋部材のいずれかの部材に用いられていることを特徴とする紙製容器。」 「【0012】 そこで、本発明は、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ、紙製容器を提供すること目的とする。」 「【0017】 ガスバリア層に用いられるガスバリア性を有する樹脂としては下記に例示するようなポリビニルアルコール(水溶性高分子)であり、紙基材上にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた場合、紙基材中の水分や紙基材を経由して浸透する空気中の水分などにより、水溶性高分子を含有するガスバリア層が劣化する。一方、紙基材上に、耐水性の良好なスチレン・アクリル系合成樹脂を含有する水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた場合、水蒸気バリア層が紙基材中の水分などのガスバリア層への影響(劣化)を防止することができる。」 「【0030】 本発明において、ガスバリア層に平均粒子径3μm以上、且つアスペクト比が10以上の顔料を含有させることが好ましい。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、ガスバリア性の点からにカオリンを使用することが更に好ましい。」 「【0039】 [実施例1] (紙製バリア包装材料の作製) (1)原紙(紙基材)の作成 カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量250g/m2の紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーで平滑処理(速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パス)を行った。 【0040】 (2)水蒸気バリア層用塗工液の調製 大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社、FMT−75、平均粒子径:1.6μm、アスペクト比:1)を顔料配合比で75:25となるように混合、撹拌し、更に防湿ラ テックス(日本ゼオン社製PNT7868)を対顔料100部(固形分)となるように配合して、固形分濃度50%の塗工液Aを得た。尚、使用した顔料の平均粒子径、アスペクト比は以下のようにして測定した。」 「【0043】 (3)ガス(酸素)バリア層用塗工液の調製 ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製した。また大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られた2つの液体を固形分で水溶性高分子:顔料=100:100として固形分濃度が15%となるよう混合し、塗工液Bを得た。 【0044】 (4)水蒸気バリア層、ガス(酸素)バリア層の塗工 得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥)15g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/m2となるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、紙製バリア基材を得た。得られた紙製バリア基材(シーラント層なし)の水蒸気透過度、酸素透過度を表1に示す。」 「【0054】 【表1】 」 (イ)本件特許公報の段落【0012】には、「バイオマス度」とは、石油由来の原料と、生物由来(バイオマス由来)の原料との混合比率を表す指標であり、以下の式で決定されることが記載されている。 「バイオマス度(%)=生物由来原料の乾燥重量(g)/バリア素材の乾燥重量(g)×100」 上記式は、下記の式と等価である。 バイオマス度(%)=生物由来原料の乾燥重量(g/m2)/バリア素材の乾燥重量(g/m2)×100・・・(A) 上記段落【0039】から、紙基材の坪量は、250g/m2であり、紙基材は、対絶乾パルプ重量あたり、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミド(PAM)を0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.35%、歩留剤としてポリアクリルアミド(PAM)を0.08%添加したものであるから、1m2あたりの絶乾パルプ重量は、 250×100/(100+0.1+0.35+0.08)=248.7(g/m2) となる。 上記段落【0039】〜【0040】、【0043】〜【0044】によると、紙基材、水蒸気バリア層(塗工層A)、ガスバリア層(塗工層B)の1m2あたりの乾燥重量は、それぞれ、250g、15g、2.0gとなる。そうすると、紙製バリア基材の1m2あたりの総乾燥重量は、250+15+2.0=267(g) となる。したがって、上記式(A)より、バイオマス度は、 100×248.7/267=93.1(%) となる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、実施例1に着目すると、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設け、前記ガスバリア層にポリビニルアルコールが用いられ、前記ガスバリア層に分散剤としてポリアクリル酸ソーダが添加され、23℃−0%RHにおける酸素透過度が0.4ml/m2・dayであり、且つ全体のバイオマス度が93.1%であり、大粒径エンジニアードカオリンを含有する紙製バリア基材。」 イ.甲第2号証(久司美登,“分散剤”,Journal of the Japan Society of Colour Material,2005年,78〔3〕,p.141〜148。以下「甲2」という。) 甲2には、以下の記載がある。 「1.緒言 顔料分散技術は塗料やインク,化粧品などの色材関連分野において共通の基盤技術であり,さまざまな材料・装置が駆使されるが,その中でも分散剤は無機・有機顔料を媒体中に均一に分散させ安定な分散体を調製するために使用される添加剤であり,分散体(塗料やインク,化粧品など)の出来栄え(着色力・つや・安定性など)を左右する重要なアイテムとなっている。このような分散安定化のための添加剤は古くから知られ,古代エジプトではすでにろうそくのススから墨汁を作る際,着色成分の沈降を防止するためアラビアゴムを添加することが経験的に行われていた。今日ではスス(カーボンブラック)を液中で安定化させているのはアラビアゴムに含まれる鎖状の糖分子,ポリヒアルロン酸であることがわかっている。分散剤とはこのような固液界面を安定化させる界面活性剤であるが,ふつうの界面活性剤と違い,顔料などの固体表面に吸着するための機能が積極的に要求される。本講では分散剤が顔料粒子を安定化する仕組みを概説し,分散剤の選定や設計・合成に際し必要な基本的考え方について述べる。まず,どのような化合物が分散剤となり得るのか例をあげ,これらが分散剤として働く理由を説明した後,分散剤の合成法についても簡単に説明する。」(141ページ左欄1〜20行) ウ.甲第3号証(特開2012−11651号公報。以下「甲3」という。) 甲3には、以下の記載がある。 「【0040】 [実施例3] 板紙原紙(坪量200g/m2)にアクリル系エマルション(製品名:アクリットUW-550CS、大成ファインケミカル)を3.0g/m2となるようにバー塗工を行って乾燥させ、目止め層を形成した。その後、スチレンブタジエン系共重合体ラテックス(製品名:PNT7868、日本ゼオン製)とマイカ(製品名:マイカA21、(株)山口雲母工業所製)をそれぞれ50質量部の割合で混合し、塗工量20g/m2となるようにバー塗工で防湿層を積層させた。更に、実施例1と同様にセルロースナノファイバー分散液を塗工し、バリア層を形成させた。その後、バリア層上に低密度ポリエチレンをラミネートし、第1の熱可塑性樹脂層を積層した。この積層体を用いて等圧法により酸素透過度の測定を行った。更に、実施例1と同様に紙の反対面側に低密度ポリエチレンによる第2の熱可塑性樹脂層を設けた。以上の工程を経てガスバリア性包装材料を得た。」 エ.甲第4号証(小川伸,“英和プラスチック工業辞典”,株式会社工業調査会,1992年5月25日,第5版,p.562−563。以下「甲4」という。 甲4には、以下の記載がある。 「低密度ポリエチレン(LDPE) 密度範囲約0.910〜0.925のポリエチレンをいう.」(563ページ左欄下から5〜4行。) オ.甲第5号証(特開平11−309817号公報。以下「甲5」という。) 甲5には、以下の記載がある。 「【請求項1】紙状物層と、上記紙状物層上に無機層状化合物を有する樹脂組成物層とを備えていることを特徴とする包装用積層紙。」 「【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、無機層状化合物を含む樹脂組成物層をガスバリア層として配することにより、ガスバリア性と共にリサイクル等を容易化できることを見出し、本発明を完成するに至った。」 「【0098】本発明の樹脂組成物層3を他の層、例えば紙状物層1に積層するに当たり、それらの間の各表面に対し、コロナ処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、電子線照射処理、アンカー処理を行ってもよい。図7に示すように、アンカー層2を形成するアンカー処理を行う場合、アンカー層2の素材としては、例えば、ポリエチレンイミン系、アルキルチタネート系、ポリブタジエン系、ウレタン系等特に限定されないが、耐水性の面より、イソシアネート化合物と活性水素化合物とから調製されたウレタン系のアンカー層2が好ましい。」 「【0106】本発明の包装用積層紙では、アンカー層2、特にウレタン系のアンカー層2を用いた場合、樹脂組成物層3は、上記アンカー層2との密着性や接着性を向上するための界面活性剤を含むものが望ましい。上記界面活性剤としては、アンカー層2と樹脂組成物層3との間の密着性や接着性を向上できるものであれば、特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が挙げられる。」 カ.甲第6号証(特開2007−262410号公報。以下「甲6」という。) 甲6には、以下の記載がある。 「【0031】 本発明にかかる樹脂組成物の製造方法は、少なくとも、高水素結合性樹脂と、無機層状化合物と、上記高水素結合性樹脂と架橋反応し得る金属有機化合物とから調製されてなる樹脂組成物を製造するためのものである。また、本発明にかかる積層体の製造方法は、図1に示すような、上記の樹脂組成物からなるバリア層3を少なくとも1層備えた構成を有している積層体を製造するためのものである。該バリア層3は、図1に示すように、例えば基材1上にアンカー層2を介して積層されていてもよく、あるいは、上記基材1上に直接積層されていてもよい。」 「【0085】 さらに、上記樹脂組成物は、バリア層3とアンカー層2との密着性を向上するための界面活性剤を含むことが好ましい。該界面活性剤としては、アンカー層2とバリア層3との間の密着性を向上できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が挙げられる。」 キ.甲第7号証(特開2005−146040号公報。以下「甲7」という。) 甲7には、以下の記載がある。 「【請求項1】 合成樹脂エマルジョン中の固形分100重量部に対して、融点55℃〜70℃、かつ相転移が認められ、その転移点が45℃〜60℃であるパラフィンワックスを主成分とするワックスエマルジョンを固形分として1〜15重量部配合してなる防湿性塗工組成物。」 「【0002】 従来、防湿性を必要とする包装の分野においては、ポリエチレン、ポリプロピレンなど高分子化合物を紙にラミネートし、水蒸気バリアー性および耐水性を付与したものが使用されている。現在、一般的にはポリエチレンをクラフト紙にラミネートしたポリエチレンラミネート紙が使用されている。これらラミネート紙は防湿性に関して十分な機能を発揮し得るものであるが、防湿紙製造工程で発生する損紙、トリミング屑および製袋加工時に発生する損紙、また製品になった後の回収品などは水中離解性が極端に劣るため、再利用化が困難で古紙として回収することができない。これは高分子フィルムが強固な連続皮膜を形成していて、かつ水不溶性であることに起因する。このため、省資源、環境問題の観点から容易に再利用可能な防湿紙の開発が進められている。」 「【0005】 本発明は従来のポリエチレンラミネート紙に近似する常態防湿性および高温防湿性を有するとともに耐ブロッキング性にも優れる水離解性防湿紙の塗工組成物を提供することを目的とする。」 「【0007】 本発明の合成樹脂エマルジョンと特定のワックスを主成分とするワックスエマルジョンからなる組成物を塗工して得られる塗工紙は優れた常態防湿性および高温防湿性を有するとともに水中に容易に離解されるため、リサイクルできる機能をも有する。」 ク.甲第8号証(特開平10−53996号公報。以下「甲8」という。) 甲8には、以下の記載がある。 「【請求項1】 水性バインダーの固形分100重量部に対して、パラフィンワックスエマルションの固形分及び親水性基で変性されたポリオレフィンより成る成分を5〜100重量部添加してなる防湿コート用塗工剤。」 「【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載の防湿コート用塗工剤を塗工又は含浸してなる防湿コート加工紙。」 「【0004】従来、防湿包装用紙としては、古くは2枚のクラフト紙をアスファルトで接着させたターポリン紙があり、また塩化ビニリデン樹脂を塗布した塗工紙とか、ポリエチレン等の熱可塑性フィルムを貼り合わせたラミネート紙などがある。」 「【0010】 【発明が解決しようとする課題】前記のような状況から、本発明は、防湿、防水性に優れ、故紙回収時には容易に離解し、使用時の折り曲げ白化や滑りやブロッキングといったトラブルの発生が防止された被覆を付与することのできるコート剤を提供しようとしてなされたものである。」 (2)対比、判断 ア.本件発明1について (ア)本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「紙基材」は、本件発明1の「基紙」に相当し、以下同様に、「水蒸気バリア層」は「水蒸気バリア層」に、「ガスバリア層」は「ガスバリア層」に、「全体のバイオマス度が93.1%」は「全体のバイオマス度が50%以上」に、「紙製バリア基材」は「バリア素材」に、それぞれ相当する。甲1発明の「紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設け」たものは、本件発明1の「紙基材」に相当する。 甲1発明の「ガスバリア層にポリビニルアルコールが用いられ、前記ガスバリア層に分散剤としてポリアクリル酸ソーダが添加され、23℃−0%RHにおける酸素透過度が0.4ml/m2・dayであ」ることは、標準気圧の条件下で測定されたと解されるから、本件発明1の「ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であ」ること「(ただし、前記界面活性剤として、ポリアクリル酸ソーダを除く)」と、「ガスバリア層が水溶性高分子を含有し、温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であ」る限りで一致する。 (イ)以上を踏まえると、本件発明1と甲1発明とは、以下の<一致点>で一致し、<相違点1>及び<相違点2>で相違する。 <一致点> 基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有する紙基材を有し、前記ガスバリア層が水溶性高分子を含有し、温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であるバリア素材。 <相違点1> 「ガスバリア層が水溶性高分子を含有し、温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であ」ることに関して、本件発明1は、「ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であ」る「(ただし、前記界面活性剤として、ポリアクリル酸ソーダを除く)」のに対して、甲1発明は、ガスバリア層にポリビニルアルコールが用いられ、ガスバリア層に分散剤としてポリアクリル酸ソーダが添加され、23℃−0%RHにおける酸素透過度が0.4ml/m2・dayである点。 <相違点2> 本件発明1は、「バリア素材」が「マイカ」を含有するのに対して、甲1発明は、紙製バリア基材がカオリンを含有する点。 (ウ)<相違点1>について検討する。 甲1の実施例1に開示されているのは、ガスバリア層に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加して、酸素透過度を0.4ml/m2・dayとしたもののみであって、ガスバリア層にポリアクリル酸ソーダ以外の分散剤を採用して、同程度の酸素透過度を得ることは、記載も示唆もされていない。また、このことは、甲2〜8にも記載も示唆もされておらず、周知の事項であるともいえない。 したがって、<相違点1>に係る本件発明1の構成は実質的なものであり、本件発明1は、甲1発明ではなく、甲1発明から当業者が容易に想到し得るものでもない。よって、<相違点2>について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明できたものではない。 イ.本件発明5、7−9、11−17について 本件発明5、7−9、11−17は、本件発明1にさらに技術的事項を追加し限定したものである。 よって、上記ア.に示した理由により、本件発明1は、甲1発明ではないし、甲1発明から当業者が容易に発明することができたものではないから、本件発明1を更に限定した本件発明5、7−9、11−17も、甲1発明ではなく、甲1発明に基いて当業者が容易になし得るものでもない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、請求項1、5、7−9、11−13及び17に係る特許は、取消理由通知書に記載した取消理由及び本件特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。 また、他に請求項1、5、7−9、11−13及び17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有することを特徴とするバリア素材(ただし、前記界面活性剤として、ポリアクリル酸ソーダを除く)。 【請求項2】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生物由来樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とするバリア素材。 【請求項3】 前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸、または、ポリブチレンサクシネートであることを特徴とする請求項2に記載のバリア素材。 【請求項4】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、生物由来樹脂を主成分とする樹脂層を有することを特徴とするバリア素材。 【請求項5】 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、塗工層である樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載のバリア素材。 【請求項6】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とするバリア素材。 【請求項7】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が100g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項8】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が10g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項9】 下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバリア素材: (1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が3.5g/m2・day以下、 (2)温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下、 (3)温度23℃、相対湿度85%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下。 【請求項10】 前記水蒸気バリア層が水蒸気バリア性樹脂および撥水剤を含有することを特徴とする請求項6に記載のバリア素材。 【請求項11】 前記紙基材の坪量が、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した包装材料。 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した袋。 【請求項14】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した紙器。 【請求項15】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した段ボール箱。 【請求項16】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用したカップ。 【請求項17】 請求項1〜11のいずれかに記載のバリア素材を使用した軟包装材。 【請求項18】 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項19】 基紙上にガスバリア層を有する紙基材を有し、 前記ガスバリア層が水溶性高分子および界面活性剤を含有し、 温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が10ml/m2・day・atm以下であり、且つ全体のバイオマス度が50%以上であり、 マイカを含有するバリア素材であって、 前記紙基材が、基紙上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に有し、 前記バリア素材が、紙基材の少なくとも一方の面に、塗工層である樹脂層を有するバリア素材。 【請求項20】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が100g/m2・day以下であることを特徴とする請求項18または19に記載のバリア素材。 【請求項21】 温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が10g/m2・day以下であることを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項22】 下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載のバリア素材: (1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が3.5g/m2・day以下、 (2)温度23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下、 (3)温度23℃、相対湿度85%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下。 【請求項23】 前記水蒸気バリア層が水蒸気バリア性樹脂および撥水剤を含有することを特徴とする請求項18または19に記載のバリア素材。 【請求項24】 前記紙基材の坪量が、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項18〜23のいずれかに記載のバリア素材。 【請求項25】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した包装材料。 【請求項26】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した袋。 【請求項27】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した紙器。 【請求項28】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した段ボール箱。 【請求項29】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用したカップ。 【請求項30】 請求項18〜24のいずれかに記載のバリア素材を使用した軟包装材。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照 |
異議決定日 | 2022-03-23 |
出願番号 | P2020-013491 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YAA
(B32B)
P 1 652・ 113- YAA (B32B) P 1 652・ 537- YAA (B32B) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
藤原 直欣 |
特許庁審判官 |
石井 孝明 矢澤 周一郎 |
登録日 | 2020-10-20 |
登録番号 | 6781853 |
権利者 | 日本製紙株式会社 |
発明の名称 | バリア素材 |
代理人 | 中村 理弘 |
代理人 | 中村 理弘 |
代理人 | 山田 泰之 |
代理人 | 山田 泰之 |