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審決分類 |
審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 B01J 審判 一部申し立て 判示事項別分類コード:857 B01J 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 B01J 審判 一部申し立て 2項進歩性 B01J 審判 一部申し立て 4項(134条6項)独立特許用件 B01J |
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管理番号 | 1385189 |
総通号数 | 6 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-06-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-07-05 |
確定日 | 2022-03-18 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6810408号発明「触媒担持体及びその調製方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6810408号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜6〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6810408号の請求項1〜11に係る特許についての出願は、平成29年2月17日に特許出願され、令和2年12月15日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月6日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、請求項1〜5に係る特許に対して、同年7月5日に特許異議申立人金田綾香(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年9月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年11月26日に特許権者により意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対し、申立人に意見を求めたが、期間内に何らの応答もなされなかったものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求は、本件特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであって、その具体的な訂正事項は次のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1〜5を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項6に 「少なくとも前記触媒部を含む層を2層以上備える、請求項1〜5の何れかに記載の触媒担持体。」と記載されているのを、 「支持体表面に触媒部を有する触媒担持体であって、 前記支持体は、Al、Si、及びZrの内の何れか1種以上の元素を含むセラミックス粒子であり、 前記触媒部は、Fe、Co、及びNiの内の何れか一種以上の元素と、S元素とを含み、且つ、 少なくとも前記触媒部を含む層を2層以上備える、 繊維状炭素ナノ構造体(コイル状炭素繊維を除く。)合成用の触媒担持体。」 と訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、及び拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1〜5を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項6において、同請求項1を引用する部分のみを独立形式に書き下して引用関係を解消するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3 独立特許要件について 訂正事項2は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正を含むところ、訂正前の請求項6に対しては、特許異議の申立てがされていないから、当該請求項6に関係する訂正事項2については、さらに独立特許要件について検討する必要がある。 そこで、この点について検討すると、訂正前の請求項6に係る発明は、拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、本件訂正後の請求項6に係る発明は、訂正前の請求項6に係る発明において、引用する請求項1〜5のいずれかの特定事項を請求項1の特定事項のみに限定するものであり、新たな拒絶理由が生じるものではないから、訂正後の請求項6に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。 4 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において読み替えて準用する同法第126条第5項から第7項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1〜6〕について訂正することを認める。 第3 特許異議申立てについての判断 申立人による特許異議の申立ては、請求項1〜5に係る特許についてのみされたものであるが、前記「第2 訂正の適否についての判断」で述べたように、本件訂正請求により、請求項1〜5は削除されたため、特許異議の申立ての対象となる請求項が存在しないものとなった。 したがって、本件特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであることから、特許法第120条の8第1項において準用する特許法第135条の規定により、却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(削除) 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】(削除) 【請求項5】(削除) 【請求項6】 支持体表面に触媒部を有する触媒担持体であって、 前記支持体は、Al、Si、及びZrの内の何れか1種以上の元素を含むセラミックス粒子であり、 前記触媒部は、Fe、Co、及びNiの内の何れか一種以上の元素と、S元素とを含み、且つ、 少なくとも前記触媒部を含む層を2層以上備える、 繊維状炭素ナノ構造体(コイル状炭素繊維を除く。)合成用の触媒担持体。 【請求項7】 調製器内に対象粒子を充填する工程(1)と、 前記調製器内に、Fe、Co、及びNiの内の1種以上の元素とS元素とを含有する触媒原料気体を供給して、加熱環境下で、Fe、Co、及びNiの内の1種以上の元素とS元素とを含む触媒部を前記対象粒子表面上に形成する工程(2)と、 を含む、繊維状炭素ナノ構造体(コイル状炭素繊維を除く。)合成用の触媒担持体の調製方法。 【請求項8】 前記触媒原料気体が、Fe含有分子及び硫黄含有分子を含む、請求項7に記載の触媒担持体の調製方法。 【請求項9】 前記調製器内に、Al、Si、及びMgの内の何れか1種以上の元素を含む担体原料気体を供給することを更に含む、請求項7又は8に記載の触媒担持体の調製方法。 【請求項10】 前記担体原料気体がAl含有分子を含む、請求項9に記載の触媒担持体の調製方法。 【請求項11】 前記工程(2)を経た前記触媒担持体を、酸素元素含有ガスを含む雰囲気下でアニーリングする工程(3)を含む、請求項7〜10の何れかに記載の触媒担持体の調製方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-03-07 |
出願番号 | P2017-028207 |
審決分類 |
P
1
652・
537-
XA
(B01J)
P 1 652・ 856- XA (B01J) P 1 652・ 121- XA (B01J) P 1 652・ 851- XA (B01J) P 1 652・ 857- XA (B01J) |
最終処分 | 10 決定却下(不適法な申立に |
特許庁審判長 |
宮澤 尚之 |
特許庁審判官 |
後藤 政博 大光 太朗 |
登録日 | 2020-12-15 |
登録番号 | 6810408 |
権利者 | 学校法人早稲田大学 日本ゼオン株式会社 |
発明の名称 | 触媒担持体及びその調製方法 |
代理人 | 杉村 光嗣 |
代理人 | 杉村 光嗣 |
代理人 | 寺嶋 勇太 |
代理人 | 結城 仁美 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 塚中 哲雄 |
代理人 | 結城 仁美 |
代理人 | 杉村 光嗣 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 結城 仁美 |
代理人 | 寺嶋 勇太 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 塚中 哲雄 |
代理人 | 結城 仁美 |
代理人 | 塚中 哲雄 |
代理人 | 塚中 哲雄 |
代理人 | 杉村 光嗣 |