ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 C08J 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 取り消して特許、登録 C08J 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 C08J |
---|---|
管理番号 | 1385578 |
総通号数 | 7 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-09-23 |
確定日 | 2022-06-29 |
事件の表示 | 特願2017−537886「均一な誘電特性を有するプレプレグ及びラミネート」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月 7日国際公開、WO2016/053341、平成29年10月26日国内公表、特表2017−531731、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)10月 2日を国際出願日とする出願であって、平成30年10月 3日付けの拒絶理由の通知に対し、平成31年 4月 9日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和 1年 8月21日付けの拒絶理由の通知に対し、令和 2年 2月28日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年 5月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年 9月23日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和 2年 9月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 2年 9月23日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1) 本件補正後の特許の範囲の請求項1の記載 本件補正における特許請求の範囲の補正は、請求項1についての次の補正事項を含む。(下線部は、補正箇所である。) 「少なくとも部分的に硬化した樹脂含浸強化材料部分;ならびに 遊離の樹脂部分 を含んでなるプレプレグであって、ここで樹脂は少なくとも1種の高誘電率粒子状材料を含み、遊離の樹脂部分は誘電率DKwを有し、樹脂含浸強化材料部分は誘電率DKWRを有し、ここで高誘電率材料は、DKWRとDKWが(±)15%より大きく異ならないようにDKWRをDKWと一致させるのに十分な量で樹脂中に導入され、強化材料の誘電率(DKWR)がDKWと同じではなく、全ての誘電率はBereskin試験法かまたはスプリットポスト法により決定され、遊離の樹脂がいずれかの強化表面から少なくとも1ミクロンにある樹脂である、上記プレプレグ。」 (2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正前の、令和 2年 2月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲のうち、請求項1の記載は次のとおりである。 「少なくとも部分的に硬化した樹脂含浸強化材料部分;ならびに 遊離の樹脂部分 を含んでなるプレプレグであって、ここで樹脂は少なくとも1種の高誘電率粒子状材料を含み、遊離の樹脂部分は誘電率DKwを有し、樹脂含浸強化材料部分は誘電率DKWRを有し、ここで高誘電率材料は、DKWRとDKWが(±)15%より大きく異ならないようにDKWRをDKWと一致させるのに十分な量で樹脂中に導入され、強化材料の誘電率(DKWR)がDKWと同じではなく、全ての誘電率はスプリットポスト法により決定され、遊離の樹脂がいずれかの強化表面から少なくとも1ミクロンにある樹脂である、上記プレプレグ。」 2 補正の適否 本件補正のうち、請求項1についての補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するための事項のうち「誘電率」について、本件補正前の請求項1においては、「スプリットポスト法により決定」するものであったところ、「Bereskin試験法かまたはスプリットポスト法により決定」するものと、誘電率の試験法を選択的にするとともに、「Bereskin試験法」も採用できるものとするものであるから、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項について限定を付加するもの、すなわち、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲を減縮を目的とするものではない。 また、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれにもあたらないことは明らかである。 なお、請求人は、審判請求書において、「明りょうでない記載の釈明」を目的とする補正に該当するものである旨主張する(審判請求書 [2] 補正について)。 しかし、本件補正前の請求項1は、上記のとおり、「誘電率」の試験法について「スプリットポスト法により決定」と特定されており、何ら「明りょうでない記載」ではない(そもそも、この点が「明りょうでない記載」であるならば、本件補正後の請求項1における「Bereskin試験法かまたはスプリットポスト法により決定」もまた、「明りょうでない記載」にあたるはずである。)から、本件補正における請求項1の補正は、「明りょうでない記載の釈明」には該当しない。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 3 本件補正についての結び 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件を満たしていないものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 判断 令和 2年 9月23日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし16に係る発明は、令和 2年 2月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定されるものである。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2022-06-16 |
出願番号 | P2017-537886 |
審決分類 |
P
1
8・
536-
WY
(C08J)
P 1 8・ 57- WY (C08J) P 1 8・ 537- WY (C08J) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
加藤 友也 |
特許庁審判官 |
奥田 雄介 植前 充司 |
発明の名称 | 均一な誘電特性を有するプレプレグ及びラミネート |
代理人 | 特許業務法人小田島特許事務所 |