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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F04B
管理番号 1385693
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-01-20 
確定日 2022-06-23 
事件の表示 特願2019−111131「クライオポンプシステム、クライオポンプシステムの運転方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月10日出願公開、特開2019−173756〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
この出願は、平成25年11月20日に出願された特願2013−239757号の一部を平成29年9月11日に新たな特許出願とした特願2017−173743号の一部を令和元年6月14日に新たな特許出願としたものであって、令和2年6月5日付けの拒絶理由の通知に対し、令和2年7月31日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、令和2年10月7日付けで拒絶査定がされ、これに対して令和3年1月20日に拒絶査定不服審判の請求がされ、その審判の請求と同時に手続補正がされ、その後、当審において、令和3年10月22日付けで拒絶理由が通知され、令和3年12月24日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。

第2 本願発明
この出願の請求項に係る発明は、令和3年12月24日に手続補正がされた特許請求の範囲の請求項1〜10に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「低温冷却ステージ及び高温冷却ステージを備えるGM冷凍機と、前記低温冷却ステージにより冷却される低温クライオパネルと、前記高温冷却ステージにより冷却される高温クライオパネルと、を備える少なくとも1つのクライオポンプと、
前記GM冷凍機に供給される作動ガスを圧縮する圧縮機本体を備え、前記圧縮機本体の運転周波数が可変である圧縮機ユニットと、を備え、
前記圧縮機ユニットは、前記圧縮機本体の高圧と低圧との圧力比が1.6から2.5の範囲から選択されるある圧力比で運転され、前記低温クライオパネルは、10Kから14Kの温度領域に冷却され、
前記圧縮機ユニットの圧縮仕事Wに対する前記GM冷凍機の冷却仕事Qの比として表される前記GM冷凍機の冷凍効率ε(=Q/W)が、前記温度領域において異なる冷却温度ごとに異なる圧力比で最大化されることを特徴とするクライオポンプシステム。」

第3 拒絶の理由
令和3年10月22日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)のうち、理由3(進歩性)は、概略、次のとおりのものである。

この出願の請求項1〜12に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2〜引用文献4に記載されているような周知の事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2005−283026号公報
引用文献2:国際公開第2010/038415号
引用文献3:特開2009−275579号公報
引用文献4:特開2002−243294号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明
1.引用文献1の記載及び引用発明
(1)当審拒絶理由で引用された、この出願の前に頒布された刊行物である、前記引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付加した。以下、同様である。)。
ア.「【0005】
このような蓄冷式冷凍機の代表的なものとしては、GM型パルス管冷凍機、GM冷凍機、スターリング冷凍機などがある。
・・・(中略)・・・
【0010】
このような蓄冷式冷凍機における膨張は基本的にはサイモン膨張であり、冷凍部低温端での寒冷発生量(以下では冷凍能力と表現する)は原理的に、膨張前後の圧力差と膨張容積に比例し、冷凍効率(=冷凍能力/消費電力)は膨張前後の圧力比に反比例するので、この冷凍能力と冷凍効率を向上させるためいろいろな改良が提案されている。」

イ.「【発明が解決しようとする課題】
・・・(中略)・・・
【0022】
この特許文献2では、GM型冷凍機回路内の圧力状態の例としては、圧縮機の吐出圧力である高圧側圧力は2MPa前後に、吸入圧力である低圧側圧力は0.5MPa前後に、また圧力調整弁の設定圧力は0.4MPa前後にそれぞれ設定しているので、この冷凍機の冷凍能力に比例する膨張前後の高圧側圧力Ph(=2MPa)と低圧側経路の圧力Pl(=0.5MPa)の圧力差(Ph―Pl)は,(2MPa―0.5MPa)すなわち1.5MPa前後に、冷凍効率に関与する膨張前後の圧力比(Ph/Pl)は,(2MPa/0.5MPa)すなわち4前後となっている。
・・・(中略)・・・
【0026】
従ってこの種の冷凍機の冷凍効率(ηとする)の低下を抑えるためには、原理的には、膨張前後の圧力比を小さくすることが必要で、いま、圧縮機から供給される膨張前の高圧側圧力をPh、膨張後の低圧側圧力をPlとすると、膨張前後の圧力比(Ph/Pl)は出来るだけ小さくする必要がある。
【0027】
一方、この種の冷凍機の冷凍能力(Qとする)を向上させるには、理想気体の場合、原理的には冷凍能力Qは冷媒の膨張仕事に等しく、膨張前の高圧側圧力をPh、膨張後の低圧側圧力をPlとすると、冷凍能力Qは膨張容積Vと膨張前後の圧力差(Ph―Pl)との積、すなわちQ=V(Ph―Pl)となるので、この冷凍能力であるQ=V(Ph―Pl)を増加させるには、膨張容積Vを一定とした場合、膨張前後の圧力差(Ph―Pl)を大きくする必要がある。
【0028】
従って冷凍効率ηを上げ、同時に冷凍能力Qを向上させるためには、圧力比(Ph/Pl)を小さくすると同時に、圧力差(Ph―Pl)を大きくすることが必要で、そのためには出来る限り冷媒の高圧側圧力Phを高くする必要がある。
【0029】
しかしながら従来これらの圧縮部と冷凍部が分離した構成にあるGM型パルス管冷凍機やGM冷凍機では、例えばフロン系冷媒R22などを使用した耐圧性の比較的低い空調用圧縮機を転用したり、冷凍機各部の耐圧性や蓄冷器効率などに課題があり、特許文献1や特許文献2にもあるように、膨張前の高圧側圧力Phは、いずれも2MPa前後にして設計、製作されていた。
【0030】
従って、冷凍能力Q=V(Ph―Pl)を向上させるために、圧力差(Ph―Pl)を大きくなるようにしようとしても、膨張前の高圧側圧力Phが2MPa前後にとどまっているので、圧力差(Ph―Pl)は1.5MPa前後以上となることはなく、この圧力差(Ph―Pl)を増加させることによっては冷凍能力をそれ以上にすることは出来ないという問題があった。
【0031】
また冷凍効率ηについても、高圧側圧力Phが2MPa前後にとどまっていたので、冷凍能力Q=V(Ph―Pl)を確保するために、上記のように圧力差(Ph―Pl)を大きくしようとすると、低圧側圧力Plを小さくせざるを得ず、その結果、低圧側圧力Plが小さくなる分、膨張前後の圧力比(Ph/Pl)は大きくなって、不可逆膨張にともなう非効率性が大きくなり、冷凍効率が低くなるという問題があった。
【0032】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、圧縮部と冷凍部が分離した構成にあるGM型パルス管冷凍機やGM冷凍機などの蓄冷式冷凍機において、冷凍能力と冷凍効率とを同時に向上させることを技術的課題とするものである。」

ウ.「【0053】
前記圧力振動装置11は、GM型パルス管冷凍機10内に充填してあるヘリウムなどの冷媒に圧力振動を発生させるもので、圧縮部21、高圧弁22及び低圧弁23を備えている。」

エ.「【0139】
以上では蓄冷式冷凍機の例としてGM型パルス管冷凍機で説明したが、このGM型パルス管冷凍機と同じように室温部におかれた圧縮部と、低温部におかれ、それぞれ蓄冷器とディスプレーサピストンを内包した多段の膨張室で構成される冷凍部を有し、同時に多段膨張するように構成されるGM冷凍機であっても、本実施形態は適用される。」

オ.「【0140】
GM冷凍機における実施形態について以下に図7、図8の基づき説明する。
【0141】
図7に、2段膨張する構成にあるGM冷凍機における実施形態を示す概略構成図を示し、図8に、同2段膨張する構成にあるGM冷凍機の開閉弁及び各ディスプレーサピストンの作動状況と冷凍部の圧力状況を示す。
【0142】
本実施形態におけるGM冷凍機30は、圧力振動装置11と、冷凍部31と駆動部48を持つ。」

カ.「【0143】
圧力振動装置11は、吐出口21a及び吸入口21bを有する圧縮部21と、圧縮部21の吐出口21a側に連結された高圧弁22と、圧縮部21の吸入口21b側に連結された低圧弁23とを有する。高圧弁22は、高圧配管28aにより圧縮部21の吐出口21aに連結され、低圧弁23は、低圧配管28bにより圧縮部21の吸入口21bに連結されている。高圧弁22及び低圧弁23は、本例においては、ロータリ弁で構成されており、ロータ(図示せず)の回転によって、高圧弁22と低圧弁23とが交互に排他的に開閉する動作を繰り返す。」

キ.「【0144】
冷凍部31は、1段目シリンダ41、2段目シリンダ42、1段目ディスプレーサピストン43、2段目ディスプレーサピストン44、及び駆動機構48を備える。
・・・(中略)・・・
【0151】
1段目シリンダ41の後端面側には室温プレート32が、前端面側(即ち、第1膨張空間35の外周側)には第1コールドステージ33が、2段目シリンダ42の前端面側(即ち、第2膨張空間36の外周側)には第2コールドステージ34が、それぞれ取り付けられている。第1及び第2コールドステージ33、34は、各膨張空間35、36で発生した寒冷を被冷却体に伝達させるものであり、いずれも、熱伝導の良好な銅などの材質で構成される。」

ク.「【0155】
この構成において、圧縮部21から供給された冷媒が、2段に形成された1段目ディスプレーサピストン43,2段目ディスプレーサピストン44の動作と位相差をもたせて開閉動作が行われる高圧弁22及び低圧弁23を介して、1段目蓄冷器45及び2段目蓄冷器46に導かれ、ここで予冷されたのち、1段目ディスプレーサピストン43、2段目ディスプレーサピストン44の膨張仕事に相当した寒冷を発生し再び、蓄冷器45、46を通って蓄冷材を冷やしながら温度上昇し、室温に戻って圧縮部21に回収され、この行程を1サイクルとして周期的に動作し、第1コールドステージ33及び第2コールドステージ34に寒冷を発生させる。
【0156】
またこの構成において、圧縮部21から冷凍部31に供給される冷媒の膨張前の高圧側圧力Phを、従来の特許文献2などで設定されている2MPa前後の値に対し、2.8MPa以上にするとともに、冷凍部31から圧縮部21に回収される冷媒の膨張後の低圧側圧力Plを、1MPa以上に設定するものである。
【0157】
以下に図7、及び図8によって本実施形態の作動について説明する。
【0158】
図7、及び図8に示すこのGM冷凍機30における、圧縮部21から冷凍部31に供給される高圧側圧力Phと、冷凍部31から圧縮部に回収される低圧側圧力Plの圧力は、以下の説明では、特許文献2と冷凍能力に比例する膨張前後の圧力差(Ph−Pl)を同じ1.5MPaにして冷凍効率を比較検討するために、高圧側圧力Phを2.8MPa以上の1例として例えば3MPaとし、低圧側圧力Plを1MPa以上の1例として例えば1.5MPaとする。
【0159】
図8において、高圧弁22、低圧弁23ごとに描画された太実線はその開状態を示し、同細実線はその閉状態を示すものとする。
【0160】
図8に基づいて、本実施形態におけるGM冷凍機30の1サイクル内の動作と圧力状態を説明する。
【0161】
なお図8では、当該GM冷凍機30の1サイクル内の動作は、以下に説明する4つの段階(第1段階A、第2段階B、第3段C、第4段階D)からなり、各段階は、高圧弁22、低圧弁23の開閉状態及び、1段目ディスプレーサピストン43、2段目ディスプレーサピストン44の第1膨張空間35、第2膨張空間36での変位状態に対応して区分される。
・・・(中略)・・・
【0170】
以上のように本実施形態では、高圧側圧力Phを3MPaとし、低圧側圧力Plを1.5MPaとして、第1段階Aから第4段階Dまでの一連の動作を1サイクルとし、これを繰り返すことによりGM冷凍機30の低温熱交換器33,34において極低温を発生するものである。」

ケ.「【0171】
従って、例えば、この実施形態における冷凍能力に比例する圧力差(Ph−Pl)(高圧側圧力Ph:3MPa、低圧側圧力Pl:1.5MPa)を、特許文献2と同じ1.5MPa(高圧側圧力Ph:2MPa、低圧側圧力Pl:0.5MPa)とした時の圧力比(Ph/Pl)を比較すると、特許文献2では圧力比(Ph/Pl)は4となるのに対し、実施形態の例では圧力比(Ph/Pl)は2となって、圧力比が下がった分だけ冷凍効率が向上する。
【0172】
すなわち既述したように蓄冷型冷凍機の理想状態における冷凍能力は、膨張容積Vと膨張前後の圧力差(Ph―Pl)との積で表わされるが、本実施形態におけるGM冷凍機も、特許文献2に代表されるような従来の膨張前の高圧側圧力Phが2MPa前後であったのに対し、この膨張前の高圧側圧力Phを2.8MPa以上に設定することにより、差圧(Ph―Pl)を同じとすれば、圧力比(Ph/Pl)は小さくなり冷凍効率は向上するし、また、圧力比(Ph/Pl)を同じとすれば、膨張前後の圧力差(Ph―Pl)が大きくとれ、冷凍能力を向上させることができる。」

(2)引用文献1の前記ア〜ケの記載及び図面の図示内容を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「1段目シリンダ41、2段目シリンダ42、1段目ディスプレーサピストン43、2段目ディスプレーサピストン44及び駆動機構48を備え、前記1段目シリンダ41の前端面側には第1コールドステージ33が、前記2段目シリンダ42の前端面側には第2コールドステージ34が、それぞれ取り付けられている冷凍部31と、
前記冷凍部31に冷媒を供給する圧縮部21を有する圧力振動装置11と、を持ち、
前記圧縮部21から前記冷凍部31に供給される冷媒の膨脹前の高圧側圧力Phを3MPaとし、前記冷凍部31から前記圧縮部21に回収される冷媒の膨脹後の低圧側圧力Plを1.5MPaとした、2段膨張する構成にあるGM冷凍機30。」

2.引用文献2の記載
当審拒絶理由で引用された、この出願の前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、前記引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。
(1)「[0038] クライオポンプを用いた真空排気システムは、極低温を発生させる冷凍機を搭載したクライオポンプと、その冷凍機に圧縮したヘリウム等のガスを供給する圧縮機とを備えている。圧縮機から高圧のガスを冷凍機に供給し、この高圧のガスを冷凍機内の蓄冷器で予め冷却してから膨張室に充填後、膨張させて低温を発生させ周囲を冷却し、さらに蓄冷器を冷却した後、低圧となったガスを圧縮機に戻すサイクルを繰り返す。この冷凍サイクルにより得られる極低温により気体を凝縮又は吸着させることで真空排気を行っている。」

(2)「[0050] 図1は、本実施形態の真空排気システムで使用する真空排気ポンプの一例を示す構成図である。具体的には、図1に示す真空排気ポンプは、二段の冷却ステージを有する冷凍機を搭載したクライオポンプである。図1において、1はクライオポンプ本体、2は二段式冷凍機、3は圧縮機、4は冷凍機駆動電源、5は冷凍機駆動電源4に内蔵されているインバータである。
[0051] クライオポンプ1に設けられている二段式冷凍機2は、第一冷却ステージ6と、第一冷却ステージ6より低い温度に維持される第二冷却ステージ7とを備えている。第二冷却ステージ7には、第二冷却ステージ7によって極低温に冷却されるクライオパネル8が接続されている。また、第一冷却ステージ6には、第一冷却ステージ6によって極低温に冷却される輻射シールド9が接続されている。輻射シールド9は、第二冷却ステージ7及びクライオパネル8を囲むように構成されている。輻射シールド9の上部開口部には、輻射シールド9を介して第一冷却ステージ6によって極低温に冷却されるルーバ10が設けられている。更に、輻射シールド9の外側を囲んで、ケーシング11が設けられている。」

(3)「[0058] また、第二温度設定・制御器17には、第二冷却ステージ7の目標温度範囲が設定される。ここで、本明細書を通して、目標温度範囲とは第二冷却ステージ7が維持される温度範囲をいう。通常この目標温度範囲としては、ガスを凝縮又は吸着する能力を考慮すると第二冷却ステージ7の温度はある程度低い温度が必要であるが、一方エネルギー消費を低減する観点からは、必要以上に第二ステージを低温にする必要はない。
[0059] そこで、目標温度範囲は、例えば、10から12Kの温度範囲に設定する。」

(4)「[0076] 図3は、本発明の第一の実施形態に関する真空排気システムの構成を例示する説明図である。図3に示す実施形態は、複数の一段の冷却ステージを有する真空排気ポンプが一台の圧縮機で運転される場合に係わるものである。
・・・(中略)・・・
[0084] 冷凍機37a乃至37dの冷凍能力は、冷凍機の作動周波数と、高圧配管内と低圧配管内のガスの圧力差の積に比例する。本実施形態においては、一段の冷却ステージを有する真空排気ポンプとしてはクライオトラップを使用している。そして、図10にあるように一定の冷却能力を、真空排気システム全体としてエネルギー消費を少なく確保する為には、冷凍機の作動周波数を上昇可能な範囲で上げて、高圧配管内と低圧配管内のガスの圧力差を可能な限り小さくすると良い。
[0085] また、圧縮機の性能より、高圧配管内と低圧配管内のガスの圧力差にも上限と下限がある。以下の説明では、上限を1.8MPa(約18気圧)、下限を1.1MPa(約11気圧)として説明する。その際、中心圧力差は1.4MPaとする。
[0086] 繰り返しになるが、真空排気システム全体としてエネルギー消費を少なくする為には、高圧配管と低圧配管内のガスの圧力差を可能な限り小さくすると良い。高圧配管と低圧配管の圧力差を小さくすると、冷凍機の作動周波数を上げることとなる。本実施形態においては、この規範に基づき高圧配管内と低圧配管内とのガスの圧力差を制御する。
[0087] 上記の制御法について、図5及び図6を用いて具体的に説明する。図6は、高圧配管内と低圧配管内のガスの圧力差を低くする方法を説明するための特性図である。
[0088] 本方法においては、0.05MPaずつ高圧配管15a内と低圧配管内のヘリウムの圧力差を冷凍機37a乃至37dの作動周波数が通常作動周波数の範囲内である限り低めてゆく。図6において、A1乃至A3は、高圧配管内と低圧配管内とのヘリウムの圧力差が1.2Mpa、1.25MPa及び1.30MPaのときの、冷凍機の作動周波数の最大値を示している。一方、B1乃至B3はA1乃至A3よりそれぞれ0.05MPa高圧配管内と低圧配管内とのヘリウムの圧力差を下げたときの、冷凍機の作動周波数の最大値を示している。
[0089] A1乃至A3の3つのデータより、最小二乗法により3点を補完した直線 Aを求める。そして、外挿して更に0.05MPa圧力差を減少させても、冷凍機の作動周波数の最大値が許容作動周波数の上限、例えば1分間当たり60回を越えないか否かを確認する。
[0090] 図6においては、0.05MPa差圧を減少させても1分間当たり60回を超えないと判断されるので、圧力差を0.05MPa減少させる。
[0091] その後、制御は図5のフローチャート上のR点に戻る。0.05MPa圧力差を減少させたときに得られるデータが図6のB1乃至B3である(図5のステップS22)。それらが、冷凍機の常用作動周波数内にあることを確認する(ステップS23)。
[0092] その後、B1乃至B3の冷凍機の作動周波数の最大値を補完する直線Bを求める。この直線Bより、更に0.05MPa高圧配管内と低圧配管内とのヘリウムの差圧差を更に0.05MPa減少させると、許容作動周波数である1分間当たり60回を超えてしまうことが分る。コントローラ35は、作動周波数を低くする余地はないと判断する(ステップS24のNo)。コントローラ35は、図6に示すB3の高圧配管内と低圧配管内のヘリウムの圧力差及び冷凍機の作動周波数の最大値の組が、真空排気システム全体として、その消費エネルギーを最小にする運転条件であると判定し、この状態で次回の冷凍機の作動周波数のデータの取得の機会まで運転を継続するように真空排気システムを制御する(ステップS26)。」

(5)「[0118] 次に、本発明の第二の実施形態である複数の2段の冷却ステージを有する真空排気ポンプを一台の圧縮機で運転する場合について、図8に基づいて説明する。ここで、2段の冷却ステージを有する真空排気ポンプとしては、クライオポンプを使用している。
[0119] 図8において、1a乃至1eはクライオポンプ、2a乃至2eは冷凍機、3は圧縮機、15a及び15bはそれぞれ高圧配管及び低圧配管、36a乃至36eはクライオポンプ1a乃至1eのコントローラである。また、32及び33はそれぞれ高圧配管用及び低圧配管用の圧力計、34は圧力計32からの圧力と圧力計33からの圧力との差を求め、圧縮機3の駆動周波数を制御する周波数制御部である。また、35は各クライオポンプのコントローラ36a乃至36eを統括制御するコントローラである。
[0120] 第二の実施形態の制御法は、図5及び図6に記載したものと同様である。ただ異なるのは、クライオポンプが正常作動周波数の範囲内にあるということはが、第一冷却ステージの温度が許容温度範囲内にあり、且つ第二冷却ステージの温度が目標温度範囲内にあることを示している点が異なる。」

3.引用文献3の記載
当審拒絶理由で引用された、この出願の前に頒布された刊行物である、前記引用文献3には、図面とともに、次の記載がある。
(1)「【0025】
クライオポンプ10は、第1の冷却温度レベルに冷却される第1のクライオパネルと、第1の冷却温度レベルよりも低温の第2の冷却温度レベルに冷却される第2のクライオパネルと、を備える。第1のクライオパネルには、第1の冷却温度レベルにおいて蒸気圧が低い気体が凝縮により捕捉されて排気される。例えば基準蒸気圧(例えば10−8Pa)よりも蒸気圧が低い気体が排気される。第2のクライオパネルには、第2の冷却温度レベルにおいて蒸気圧が低い気体が凝縮により捕捉されて排気される。第2のクライオパネルには、蒸気圧が高いために第2の温度レベルにおいても凝縮しない非凝縮性気体を捕捉するために表面に吸着領域が形成される。吸着領域は例えばパネル表面に吸着剤を設けることにより形成される。非凝縮性気体は、第2の温度レベルに冷却された吸着領域に吸着されて排気される。
【0026】
図1に示されるクライオポンプ10は、冷凍機12とパネル構造体14と熱シールド16とを備える。パネル構造体14は複数のクライオパネルを含み、これらのパネルは冷凍機12により冷却される。パネル表面には気体を凝縮または吸着により捕捉して排気するための極低温面が形成される。クライオパネルの表面(例えば裏面)には通常、気体を吸着するための活性炭などの吸着剤が設けられる。」

(2)「【0028】
冷凍機12は、ギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)である。また冷凍機12は2段式の冷凍機であり、第1段シリンダ18、第2段シリンダ20、第1冷却ステージ22、第2冷却ステージ24、及び冷凍機用モータ26を有する。第1段シリンダ18と第2段シリンダ20とは直列に接続されており、互いに連結される第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサ(図示せず)がそれぞれ内蔵されている。第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサの内部には蓄冷材が組み込まれている。・・・(中略)・・・
【0030】
第1冷却ステージ22は、第1段シリンダ18の第2段シリンダ20側の端部すなわち第1段シリンダ18と第2段シリンダ20との連結部に設けられている。また、第2冷却ステージ24は第2段シリンダ20の末端に設けられている。第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24はそれぞれ第1段シリンダ18及び第2段シリンダ20に例えばろう付けで固定される。」

(3)「【0032】
冷凍機12は、圧縮機40から供給される高圧の作動気体(例えばヘリウム等)を内部で膨張させて第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24に寒冷を発生させる。圧縮機40は、圧縮機40は、冷凍機12で膨張した作動気体を回収し再び加圧して冷凍機12に供給する。」

(4)「【0035】
冷凍機12の第1冷却ステージ22には熱シールド16が熱的に接続された状態で固定され、冷凍機12の第2冷却ステージ24にはパネル構造体14が熱的に接続された状態で固定されている。このため、熱シールド16は第1冷却ステージ22と同程度の温度に冷却され、パネル構造体14は第2冷却ステージ24と同程度の温度に冷却される。
・・・(中略)・・・
【0040】
また熱シールド16の開口部31にはバッフル32が設けられている。バッフル32は、パネル構造体14とは熱シールド16の中心軸方向に間隔をおいて設けられている。バッフル32は、熱シールド16の開口部31側の端部に取り付けられており、熱シールド16と同程度の温度に冷却される。バッフル32は、真空チャンバ80側から見たときに例えば同心円状に形成されていてもよいし、あるいは格子状等他の形状に形成されていてもよい。なお、バッフル32と真空チャンバ80との間にはゲートバルブ(図示せず)が設けられている。このゲートバルブは例えばクライオポンプ10を再生するときに閉とされ、クライオポンプ10により真空チャンバ80を排気するときに開とされる。」

(5)「【0053】
また、CPコントローラ100は、圧縮機40の出入口間の差圧(以下では圧縮機差圧ということもある)を目標圧に維持するように圧縮機40で実行される圧縮サイクルの周波数を制御する。例えば、CPコントローラ100は、圧縮機40の出入口間の差圧を一定値とするようにフィードバック制御により圧縮サイクル周波数を制御する。具体的には、CPコントローラ100は、第1圧力センサ43及び第2圧力センサ45の測定値から圧縮機差圧を求める。CPコントローラ100は、圧縮機差圧を目標値に一致させるように圧縮機用モータ60の運転周波数(例えばモータの回転数)を決定して圧縮機用周波数変換器56にモータ運転周波数の指令値を出力する。
【0054】
このような差圧一定制御により、更なる消費電力の低減が実現される。クライオポンプ10及び冷凍機12への熱負荷が小さい場合には、上述のクライオパネル温度制御により冷凍機12での熱サイクル周波数は小さくなる。そうすると、冷凍機12で必要とされる作動気体流量は小さくなるから、圧縮機40の出入口間差圧は拡大しようとする。しかし、本実施形態では圧縮機差圧を一定にするように圧縮機用モータ60の運転周波数が制御され圧縮サイクル周波数が調整される。よって、この場合、圧縮機用モータ60の運転周波数は小さくなる。したがって、典型的なクライオポンプのように圧縮サイクルを常に一定とする場合に比べて、消費電力を低減することができる。」

(6)「【0058】
温度による診断処理は単純な制御アルゴリズムにより実現することができるという利点がある。しかし、正常時の第2段クライオパネル及び第2冷却ステージ24の温度は比較的狭い範囲に保つことが必要とされるため、クライオパネル温度が判定基準温度に到達してからごく短時間のうちにプロセス限界温度にまで到達してしまうおそれがある。例えば、正常時において第2段クライオパネル温度は例えば10K乃至15K程度とされ、プロセス限界温度は例えば20Kである。判定基準温度は例えば15Kから20Kの間に設定される。」

(7)「【0073】
以上の構成のクライオポンプ10による動作を以下に説明する。クライオポンプ10の作動に際しては、まずその作動前に他の適当な粗引きポンプを用いて真空チャンバ80内部を1Pa程度にまで粗引きする。その後クライオポンプ10を作動させる。冷凍機12の駆動により第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24が冷却され、これらに熱的に接続されている熱シールド16、バッフル32、パネル構造体14も冷却される。
【0074】
冷却されたバッフル32は、真空チャンバ80からクライオポンプ10内部へ向かって飛来する気体分子を冷却し、その冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体(例えば水分など)を表面に凝縮させて排気する。バッフル32の冷却温度では蒸気圧が充分に低くならない気体はバッフル32を通過して熱シールド16内部へと進入する。進入した気体分子のうちパネル構造体14の冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体(例えばアルゴンなど)は、パネル構造体14の表面に凝縮されて排気される。その冷却温度でも蒸気圧が充分に低くならない気体(例えば水素など)は、パネル構造体14の表面に接着され冷却されている吸着剤により吸着されて排気される。このようにしてクライオポンプ10は真空チャンバ80内部の真空度を所望のレベルに到達させることができる。」

4.引用文献4の記載
当審拒絶理由で引用された、この出願の前に頒布された刊行物である、前記引用文献4には、図面とともに、次の記載がある。
(1)「【0003】多段蓄冷器式冷凍機を用いたクライオポンプは、図5に示すように、コンプレッサ31と、このコンプレッサ31ヘガス配管32により接続された極低温冷凍機、例えばGM(ギフォード・マクマホン)冷凍機20とからなり、この冷凍機20へ真空容器30(一部のみ示す)を連結する。
【0004】冷凍機20は、第1段冷却ステージ21に第1段クライオパネル23を取付け、第2段冷却ステージ22に第2段クライオパネル24を取り付けている。第2段クライオパネル24上には活性炭等の吸着剤25が載置されている。第2段クライオパネル24の上方にはシェブロン26が配置されている。」

(2)「【0010】この冷凍機には、作動ガスとしてのへリウムガスを圧縮するコンプレッサ61(図5のコンプレッサ31に対応)を含む冷媒回路が接続される。」

(3)「【0021】例えば、クライオポンプ用の2段GM冷凍機の場合、冷却ステージの冷凍温度は、通常運転において第1段冷却ステージ温度が80〜90K、第2段冷却ステージ温度は10〜12Kが要求される。」

5.引用文献5の記載
この出願の前に頒布された刊行物である、特開2000−266416号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
(1)「【0021】[A]第一の実施の形態(図1、図2)
図1は、本発明に係る極低温冷凍装置の一実施の形態における冷媒回路を示す回路図である。この実施の形態における極低温冷凍装置10は、パネルに気体分子を凝縮または吸着して高真空圧を発生させるクライオポンプに適用され、上記パネルを極低温(例えば10〜20K)まで冷却するものであり、圧縮機11を備えた圧縮ユニット12と、冷凍機13とを有して構成される。」

(2)「【0024】上記冷凍機13は、圧縮ユニット12におけるアドソーバ19からの常温高圧冷媒(たとえば約20kg/cm2程度)を導入して断熱膨張を繰り返し、低温端部20を極低温(たとえば約10〜20K)に冷却する。この低温端部20により、クライオポンプの凝縮または吸着用のパネルを冷却する。
【0025】この冷凍機13は、連結配管22Aを介して圧縮ユニット12の冷媒配管15における高圧側経路15Aに接続され、高圧側経路15Aからの上記高圧冷媒が冷凍機13内へ導入される。また、冷凍機13は、連結配管22Bを介して圧縮ユニット12の冷媒配管15における低圧側経路15Bに接続され、冷凍機13にて膨張した低圧冷媒(5〜10kg/cm2程度)が低圧側経路15Bへ導入され、圧縮機11に戻される。」

(3)「【0027】例えば、圧縮ユニット12における高圧側経路15Aを21kg/cm2とし、低圧側経路15Bを5kg/cm2とする冷凍機13を圧縮ユニット12に接続し、メイン圧力調整弁23の設定圧力Aを4kg/cm2に設定したとする。この時には、圧縮ユニット12の低圧側経路15Bがメイン圧力調整弁23の設定圧力Aよりも高いので、メイン圧力調整弁23が開弁せず、圧縮機11にて圧縮された全ての冷媒は冷凍機13へ供給される。」

(4)前記(3)の記載によると、高圧側経路15Aを21kg/cm2とし、低圧側経路15Bの圧力を5kg/cm2とすることが把握でき、両者の圧力差は16kg/cm2であるから、1.568MPaであるといえる。

第5 対比・判断
1.対比
以下、本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「冷凍部31」及び「圧力振動装置11」は、その作用・機能からみて、それぞれ本願発明の「GM冷凍機」及び「圧縮機ユニット」に相当する。また、引用発明の「2段膨張する構成にあるGM冷凍機30」は、「冷凍部31」と、「圧力振動装置11」と、を持つものであり、前記第4 1(1)エの記載を考慮すると、低温部におかれた「冷凍部31」と、室温部におかれた「圧力振動装置11」とからなるシステムと解することができる。すると、引用発明の「2段膨張する構成にあるGM冷凍機30」と、本願発明の「クライオポンプシステム」とは、「GM冷凍機と、」「圧縮ユニットと、を備え」る「システム」である点において共通する。
(2)引用発明の「第1コールドステージ33」及び「第2コールドステージ34」は、それぞれ本願発明の「高温冷却ステージ」及び「低温冷却ステージ」に相当する。すると、引用発明1の「1段目シリンダ41、2段目シリンダ42、1段目ディスプレーサピストン43、2段目ディスプレーサピストン44及び駆動機構48を備え、前記1段目シリンダ41の前端面側には第1コールドステージ33が、前記2段目シリンダ42の前端面側には第2コールドステージ34が、それぞれ取り付けられている冷凍部31」は、本願発明の「低温冷却ステージ及び高温冷却ステージを備えるGM冷凍機」に相当する。
(3)引用発明の「前記冷凍部31に冷媒を供給する圧縮部21」は、本願発明の「前記GM冷凍機に供給される作動ガスを圧縮する圧縮機本体」に相当し、引用発明の「前記冷凍部31に冷媒を供給する圧縮部21を有する圧力振動装置11」と、本願発明の「前記GM冷凍機に供給される作動ガスを圧縮する圧縮機本体を備え、前記圧縮機本体の運転周波数が可変である圧縮機ユニット」とは、「前記GM冷凍機に供給される作動ガスを圧縮する圧縮機本体を備える圧縮機ユニット」である点において共通する。
(4)引用発明の「前記圧縮部21から前記冷凍部31に供給される冷媒の膨脹前の高圧側圧力Ph」及び「前記冷凍部31から前記圧縮部21に回収される冷媒の膨脹後の低圧側圧力Pl」は、それぞれ本願発明の「前記圧縮機本体の高圧」及び「前記圧縮機本体の」「低圧」に相当する。そして、引用発明は、前記高圧側圧力Phを3MPa、前記低圧側圧力Plを1.5MPaとしており、前記高圧側圧力Phと前記低圧側圧力Plとの圧力比が2となるから、引用発明の「前記圧縮部21から前記冷凍部31に供給される冷媒の膨脹前の高圧側圧力Phを3MPaとし、前記冷凍部31から前記圧縮部21に回収される冷媒の膨脹後の低圧側圧力Plを1.5MPaとした」という事項は、本願発明の「前記圧縮機ユニットは、前記圧縮機本体の高圧と低圧との圧力比が1.6から2.5の範囲から選択されるある圧力比で運転され」るという事項に相当する。
(5)そうすると、本願発明と引用発明とは、
「低温冷却ステージ及び高温冷却ステージを備えるGM冷凍機と、
前記GM冷凍機に供給される作動ガスを圧縮する圧縮機本体を備える圧縮機ユニットと、を備え、
前記圧縮機ユニットは、前記圧縮機本体の高圧と低圧との圧力比が1.6から2.5の範囲から選択されるある圧力比で運転されるシステム。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本願発明は、「前記低温冷却ステージにより冷却される低温クライオパネルと、前記高温冷却ステージにより冷却される高温クライオパネルと、を備える少なくとも1つのクライオポンプ」を備える「クライオポンプシステム」であって、「前記低温クライオパネルは、10Kから14Kの温度領域に冷却され」、「前記圧縮機ユニットの圧縮仕事Wに対する前記GM冷凍機の冷却仕事Qの比として表される前記GM冷凍機の冷凍効率ε(=Q/W)が、前記温度領域において異なる冷却温度ごとに異なる圧力比で最大化される」のに対し、引用発明は、クライオポンプを備えるクライオポンプシステムであるかや、第2コールドステージ34が冷却される温度領域が明確でなく、冷凍部31の冷凍効率εが、第2コールドステージ34が冷却される温度領域において異なる冷却温度ごとに異なる圧力比で最大化されるかも明確でない点。

<相違点2>
圧縮機ユニットについて、本願発明は、「前記圧縮機本体の運転周波数が可変である」のに対し、引用発明は、圧縮部21の運転周波数が可変であるか明確でない点。

2.判断
(1)相違点について
以下、<相違点1>及び<相違点2>について検討する。
ア.<相違点1>について
(ア)低温冷却ステージと高温冷却ステージとを備えるGM冷凍機を、該低温冷却ステージにより冷却される低温クライオパネルと該高温冷却ステージにより冷却される高温クライオパネルとを備えるクライオポンプに用い、少なくとも1つのクライオポンプを備えるクライオポンプシステムに用いることは、例えば、引用文献2(前記第4 2(1)及び(2)参照。)、引用文献3(前記第4 3(1)〜(4)及び(7)参照。)及び引用文献4(前記第4 4(1)参照。)に記載されているように、この出願の出願前から周知の事項であり、該クライオポンプシステムにおいて低温クライオパネルが冷却される温度を、10Kから14K程度の温度領域とすることも、例えば、引用文献2(前記第4 2(3)参照。)、引用文献3(前記第4 3(6)参照。)及び引用文献4(前記第4 4(3)参照。)に記載されているように特別なものではない。
(イ)ここで、引用発明は、第1コールドステージ33(高温冷却ステージ)と第2コールドステージ34(低温冷却ステージ)が取り付けられている冷凍部31(GM冷凍機)を持つ2段膨張する構成にあるGM冷凍機30であるものの、該GM冷凍機30が、どのような用途に用いられるシステムであるのか、引用文献1に明示されていないが、前記周知の事項や、引用文献1の段落【0171】(前記第4 1(1)ケ参照。)に、比較対象として記載されている特許文献2(本審決における引用文献5)に、極低温冷凍装置10をクライオポンプに適用することが記載されている(前記第4 5(1)参照。)ことを考慮すると、引用発明はクライオポンプシステムに用いることも意識してされたものといえる。すると、引用発明のGM冷凍機30を、前記周知の事項にならい、冷凍部31の低温冷却ステージにより冷却される低温クライオパネルと、冷凍部31の高温冷却ステージにより冷却される高温クライオパネルとを備えるクライオポンプを備えたクライオポンプシステムに用い、該低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却することに格別の困難性はない。
(ウ)そして、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、引用発明の冷凍部31は、2段の温度に冷却され、クライオポンプに用いられることとなるから、圧力振動装置11の圧縮仕事Wに対する冷凍部31の冷却仕事Qの比として表される冷凍部31の冷凍効率εが、10Kから14Kの温度領域において異なる冷却温度ごとに異なる圧力比(=高圧側圧力Ph/低圧側圧力Pl)で最大化されることは明らかである。すなわち、この出願の明細書の段落【0044】の「図3に示されるように、冷凍効率εはある圧力比において最大値をとる。例えば、作動ガス温度が11Kである場合には、冷凍機の効率εは圧力比Prが約1.9であるとき最大値の約0.028となる。このように、クライオポンプ10用の冷凍機12の第2ステージ16の典型的な温度領域である約8Kから約20Kにおいては、冷凍効率εを最大化する圧力比Prが存在する。」という記載、段落【0046】の「この温度領域においては、図3に示されるように、約1.6から約2.5の圧力比範囲の中で冷凍効率εが最大値をとる。したがって、冷凍機12を最大の冷凍効率εで運転することが可能となる。例えば、温度が9Kである場合、冷凍効率εは圧力比Prが約2.5のとき最大である。また、温度が15Kである場合、冷凍効率εは圧力比Prが約1.6のとき最大である。」という記載、段落【0050】の「ある圧力比Prにおいて冷凍効率εが最大値をとることは、クライオポンプ用の冷凍機12の二段冷却温度に特有である。」という記載、及び図3の図示内容によると、二段の温度に冷却するクライオポンプ用の冷凍機12は、第2ステージ16の異なる冷却温度毎に、異なる圧力比Prにおいて冷凍効率εが最大値をとることが把握でき、また、明細書及び図面の他の記載をみても、二段の温度に冷却するクライオポンプ用の冷凍機12のうち、特別な構成を備えたもののみが前記のような最大値をとる旨の記載はなく、そのように解する事情も特段認められない。すると、二段の温度に冷却するクライオポンプ用の冷凍機であれば、前記のような最大値をとるものと解され、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、引用発明の冷凍部31は、2段の温度に冷却され、クライオポンプに用いられることとなるから、冷凍部31の冷凍効率ε(=Q/W)は、10Kから14Kの温度領域において異なる冷却温度ごとに異なる圧力比で最大化されるものと解される。
(エ)次に、引用発明は、「前記圧縮部21から前記冷凍部31に供給される冷媒の膨脹前の高圧側圧力Phを3MPaとし、前記冷凍部31から前記圧縮部21に回収される冷媒の膨脹後の低圧側圧力Plを1.5MPaとした」ものであるから、高圧側圧力Phと低圧側圧力Plとの圧力比が2で運転されるものであるが、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、この圧力比をどのような値とするかについて、検討する。
引用文献1の前記第4 1(1)ア、イ及びケの記載によると、引用文献1には、GM冷凍機などの蓄冷式冷凍機において、冷凍能力と冷凍効率とを同時に向上させるという技術的課題が記載され、当該課題を解決するために、圧縮機の高圧側圧力Phを高く設定することにより、所望の冷凍能力を得るために必要な、該高圧側圧力Phと圧縮機の低圧側圧力Plとの圧力差を確保しつつ、高圧側圧力Phと低圧側圧力Plとの圧力比を小さくして冷凍効率を向上させることが記載されている。そうすると、引用文献1の記載から、圧力振動装置11を運転する際の前記圧力比は、冷凍効率を向上させるために、小さな値に設計すべきことが把握できる。一方、冷凍効率を向上させつつ(前記圧力比を小さな値にしつつ)、所望の冷凍能力を得るために必要な前記圧力差を確保するためには、高圧側圧力Phを高く設定することとなるが、引用文献1の段落【0029】(前記第4 1(1)イ参照。)には、従来、GM冷凍機として、耐圧性の比較的低い空調用圧縮機を転用していたことや、冷凍機各部の耐圧性の課題があったことを踏まえて高圧側圧力Phを設計、製作していたことが記載されており、この記載を勘案すると、高圧側圧力Phの設定値は圧縮機や冷凍機等の耐圧の影響を受けるものであるから、単に高くすれば良いというものではなく、圧縮機や冷凍機等の耐圧や、該耐圧を高めるためのコスト等も考慮の上、当業者が設計するものといえ、自ずと前記圧力比を小さな値に設計することにも限界があるといえる。
以上を踏まえると、引用文献1の記載から、前記圧力比は、所望の冷凍能力を得るために必要な前記圧力差を前提に、圧縮機や冷凍機等の耐圧、該耐圧を高めるためのコスト等を考慮の上、冷凍効率の向上を図って、最適化されるものであることが把握できる。すると、引用発明のGM冷凍機30において、「前記圧縮部21から前記冷凍部31に供給される冷媒の膨脹前の高圧側圧力Phを3MPaとし、前記冷凍部31から前記圧縮部21に回収される冷媒の膨脹後の低圧側圧力Plを1.5MPaとした」という事項、つまり前記圧力比を2にしたという事項は、所望の冷凍能力を得るために必要な前記圧力差を1.5MPaとしつつ、圧力振動装置11や冷凍部31等の耐圧、該耐圧を高めるためのコスト等を考慮の上、冷凍効率の向上を図って、選択されたものといえる。
そして、前記(イ)に示したように、引用発明はクライオポンプシステムに用いることも意識してされたものであり、かつ、クライオパネルを10Kから14K程度に冷却するクライオポンプシステムにおいても、圧縮機の前記圧力差は、引用発明と同様に、1.5MPa程度で運転され得るものであるから(例えば、引用文献2の前記第4 2(3)〜(5)、引用文献5の前記第4 5(1)〜(4)参照。)、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、引用発明で選択されている前記圧力比2を採用して、圧力振動装置11を運転することに格別の困難性はない。また、仮に、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、前記圧力比の最適化を図るとしても、引用発明で選択されている前記圧力比2を元に最適化を図るものと解され、前記したように、圧力振動装置11や冷凍部31等の耐圧、該耐圧を高めるためのコスト等を考慮の上、冷凍効率の向上を図って、前記圧力比を最適化し、2の近傍の1.6から2.5の範囲の値を選択することに格別の困難性はない。
(オ)そうすると、引用発明において、前記周知の事項に基づいて、本願発明の相違点1に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

イ.<相違点2>について
GM冷凍機に供給する作動ガスを圧縮する圧縮機の運転周波数を可変として、圧縮機の圧力を制御することは、例えば、引用文献2(前記第4 2(5)参照。)及び引用文献3(前記第4 3(5)参照。)に記載されているように、この出願の出願前から周知の事項である。
そして、引用発明は、「前記圧縮部21から前記冷凍部31に供給される冷媒の膨脹前の高圧側圧力Phを3MPaとし、前記冷凍部31から前記圧縮部21に回収される冷媒の膨脹後の低圧側圧力Plを1.5MPaと」するものであり、高圧側圧力Ph及び低圧側圧力Plを所定の値に制御するためには、何らかの圧力制御手段が必要となることは明らかであるから、前記周知の事項に基づいて、圧縮部21の運転周波数を可変に制御し、本願発明の相違点2に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

(2)請求人の主張について
ア.請求人は、令和3年12月24日に提出した意見書(以下、単に「意見書」という。)において、「関連する技術分野において、高圧の限度に関する技術の実情として、GM冷凍機の高圧側の作動ガス圧力は、実際のところ、少なくとも10MPa程度の高い圧力を使用できることが知られています(例えば、特開2014−156952号公報の段落0019、0028によれば、16MPaの高圧を用いることが例示されています)。
引用文献1に例示されるのと同じく1.5MPaの圧力差を維持した場合、高圧側圧力Phを仮に10MPaとすれば、圧力比は約1.18(=10/8.5)となります。また、高圧側圧力Phを仮に16MPaとすれば、圧力比は約1.1(=16/14.5)となります。
引用文献1に開示された技術思想に触れた当業者が、それに従い、高圧側圧力Phを出来る限り高くすることで冷凍効率ηと冷凍能力Qを共に向上させるとすれば、その結果得られる圧力比、すなわち、ご指摘の論理付けにおける圧力比下限である第2の所定値は、上例のような1にごく近い低圧力比とすることが自然です。そして、当業者が引用文献1の技術思想に倣い、冷凍効率ηを高めるには、この第2の所定値を指向して圧力比を低下させるであろうと理解されます。
これはすなわち、引用文献1に記載される「圧力比(Ph/Pl)を出来るだけ小さくする」ことに整合します。
したがって、引用文献1に依拠する限り、請求項1に係る発明のように圧力比範囲の下限を1.6にとどめる具体的な技術上の理由は見出されません。むしろ、そのような下限を定めたならば、それよりも圧力比を下げることによって得られたはずの引用文献1での冷凍効率ηの向上を得られず、引用文献1に開示の技術思想による利点を十分に享受できないか又は相反する結果に終わることになります。
このように、引用文献1には、請求項1に係る発明のように圧力比範囲の下限を設定することへの動機づけは存在せず、阻害要因があります。」(【意見の内容】4(e)参照。)と主張している。
この主張について検討すると、まず、前記(1)ア(エ)に示したように、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、引用発明で選択されている前記圧力比2を採用して、圧力振動装置11を運転することに格別の困難性はないから、本願発明において、「選択されるある圧力比」に下限(1.6)が設定されていることをもって、前記(1)で示した進歩性の判断が左右されるものではない。
以上を前提に、圧力比範囲の下限を設定することの動機づけや阻害要因について、さらに検討を進めると、前記(1)ア(エ)に示したように、引用発明の高圧側圧力Phは、単に高くすれば良いというものではなく、圧縮機や冷凍機等の耐圧や、該耐圧を高めるためのコスト等も考慮の上、当業者が設計するものと解され、引用発明では、これらも考慮の上、該高圧側圧力Phを3MPaとし、前記圧力比を2としていると解される。すると、請求人が主張するように、引用文献1から前記圧力比を低下させることが理解でき、かつ、GM冷凍機の高圧側の作動ガス圧力を10MPa程度の高い圧力とするものが知られていたとしても、耐圧を高めるためのコスト等も勘案すると、引用発明の高圧側圧力Phとして選択されている3MPaを大きく越えて、該高圧側圧力Phを10MPaに設計し、前記圧力比を1にごく近い値にすることが自然であるとはいえず、高圧側圧力Phを大きな値とすることや、前記圧力比を小さな値にすることには、制約があるから、引用発明において、前記圧力比に下限を設定することの動機づけはあるといえ、阻害要因があるとはいえない。
したがって、請求人の前記主張は採用できない。

イ.請求人は、意見書において、「同様に、引用文献1に依拠する限り、圧力比範囲の上限を2.5とする理由もありません。」(【意見の内容】4(e)参照。)と主張し、さらに「これまでの審査経過で審判請求人が述べてきたように、引用文献1は、請求項1に係る発明の契機となった作動ガス(ヘリウムガス)を実在気体として考察することを提示しておりません。引用文献1では、理想気体を仮定した検討が記載されるにすぎません(段落0027)。本願発明者の考察によれば、理想気体を仮定する限り、本願の図3に示される冷凍効率εの極大値は現れません。
請求項1に係る発明の1.6から2.5の圧力比範囲は上述のように、作動ガスが実在気体であることを考慮することで初めて得られたものです。
したがって、請求項1に係る発明による作用効果、上記圧力比範囲から選択されるある圧力比で圧縮機ユニットを運転することによりGM冷凍機を上記温度領域において最大の又はそれに近い冷凍効率εで運転することができ、それにより、クライオポンプシステムの省エネルギー性能を向上することができることについても、引用文献1に開示も示唆もありません。」(【意見の内容】4(f)参照。)と主張している。
この主張について検討すると、まず、前記(1)ア(エ)に示したように、引用発明のGM冷凍機30を前記のようにクライオポンプシステムに用い、低温クライオパネルを10Kから14Kの温度領域に冷却する際、引用発明で選択されている前記圧力比2を採用して、圧力振動装置11を運転することに格別の困難性はないから、本願発明において、「選択されるある圧力比」に1.6から2.5の範囲が定められていることをもって、前記(1)で示した進歩性の判断が左右されるものではない。
以上を前提に、請求人の主張する、本願発明の作動ガス(ヘリウムガス)を実在気体として考察することにより、前記圧力比の範囲である1.6から2.5を得たという点について、さらに検討を進める。確かに、引用文献1には、作動ガスを実在気体として考察する旨の記載はないが、前記第4 1(1)ウ及びエの記載によると、引用発明の冷媒をヘリウムガスとすることが示唆されており、また、GM冷凍機に用いられる冷媒としてヘリウムガスは一般的なものである(例えば、引用文献2の前記第4 2(1)、引用文献3の前記第4 3(3)及び引用文献4の前記第4 4(2)参照。)から、引用発明は冷媒としてヘリウムガスが用いられていると解される。
そして、前記(1)ア(エ)に示したように、引用発明で選択されている前記圧力比2を元に、前記圧力比を最適化するにあたり、冷媒を理想気体に近似して最適化するか、実在気体を用いて最適化するかは、当業者が任意に選択し得るものであって、引用発明において、実在気体であるヘリウムガスを用い、冷凍効率等を考慮の上、前記圧力比を最適化すれば、冷凍効率と前記圧力比との関係は、この出願の図3に示された関係と同様の関係にあり、冷凍効率を最大化する圧力比は1.6から2.5の範囲にあることとなるから、その最大化する圧力比、又はその近傍の圧力比を選択し得るものである。したがって、前記圧力比の範囲を1.6から2.5にすることに格別の困難性はない。
また、請求人が主張する本願発明の作用効果について検討すると、前記(1)ア(エ)に示したように、引用発明は、冷凍効率の向上を図って、前記圧力比を2にしたものであるから、GM冷凍機30を最大、又はそれに近い冷凍効率で運転し得るものといえ、請求人が主張する本願発明の「GM冷凍機を上記温度領域において最大の又はそれに近い冷凍効率εで運転することができ、それにより、クライオポンプシステムの省エネルギー性能を向上することができる」という作用効果は、引用発明及び前記周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、請求人の前記主張は採用できない。

(3)本願発明の作用効果について
本願発明の作用効果は、前記(2)イでも検討したように、引用発明及び前記周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。

3.まとめ
したがって、本願発明は、引用発明及び前記周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、この出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-04-13 
結審通知日 2022-04-19 
審決日 2022-05-06 
出願番号 P2019-111131
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F04B)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 窪田 治彦
特許庁審判官 柿崎 拓
田合 弘幸
発明の名称 クライオポンプシステム、クライオポンプシステムの運転方法  
代理人 森下 賢樹  
代理人 富所 輝観夫  
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