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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C09D |
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管理番号 | 1385921 |
総通号数 | 7 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-07-07 |
確定日 | 2022-07-12 |
事件の表示 | 特願2019−151031「融着ネットワークを有する透明導電性フィルムの形成のための金属ナノワイヤーインク」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 5月14日出願公開、特開2020− 73628、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)7月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年8月20日 アメリカ合衆国(US) 2014年7月31日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2017−505219号の一部を令和元年8月21日に新たな特許出願としたものであって、同年同月同日に手続補正がされ、令和2年11月13日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年2月16日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされ、同年3月10日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年7月7日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の理由の概要 原査定(令和3年3月10日付け拒絶査定)の理由の概要は次のとおりである。 本願の請求項1〜8に係る発明は、以下の引用文献1、2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特表2013−517603号公報 2.国際公開第2013/192437号 第3 本願発明 本願請求項1〜8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明8」という。)は、令和3年7月7日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1〜8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 融着金属ナノ構造ネットワークとポリマーポリオールとを含む透明導電性フィルムであって、140ohms/sq以下のシート抵抗および1.2%以下のヘイズを有し、金属重量に対して40重量%〜600重量%のポリマーポリオールを含む、透明導電性フィルム。」 なお、本願発明2〜5は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明6〜8は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電フィルムを含む構造物の発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2013−517603号公報)には、次の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下、同様である。)。 「【請求項1】 複数の導電性ナノ構造体を含む透明導体であって、前記透明導体の曇価が1.5%未満であり、光透過率が90%を超え、シート抵抗が350オーム/スクエア未満である、透明導体。」 「【背景技術】 ・・・ 【0004】 最終用途に応じて、例えば、シート抵抗、光透過性及び曇価を含めて、所定の電気特性及び光学特性を有する透明導体を作り出すことができる。透明導体の製造は、電気性能と光学性能のバランスをとる必要があることが多い。ナノ構造体に基づく透明導体の場合、概して、より高い透過及びより低い曇価は、典型的には、より少ない導電性ナノ構造体に関連し、それはより高いシート抵抗(すなわち、より低い導電性)をもたらす。 【0005】 透明導体の多数の商業的応用例(例えば、タッチパネル及びディスプレイ)は、曇価レベルを2%未満に維持する必要がある。したがって、低曇価透明導体の製造は、かかる低レベルの曇価を達成する際に満足な導電率を維持することが不可能であり得るので、特に困難である。 【発明の概要】 【課題を解決するための手段】 【0006】 (簡単な要約) 曇価が1.5%未満、より典型的には0.5%未満である一方で、高電気伝導率(例えば、350オーム/スクエア未満)を維持する低曇価透明導体、及びその作製方法を本明細書で述べる。 【0007】 一実施形態は、複数の導電性ナノ構造体を含む透明導体であって、透明導体の曇価が1.5%未満であり、シート抵抗が350オーム/スクエア未満である、透明導体を提供する。」 「【0027】 (発明の詳細な説明) 一般に、本明細書に記載の透明導体は、導電性ナノ構造体の導電性薄膜である。透明導体においては、1個以上の導電経路がナノ構造体間の連続した物理的接触によって確立されている。ナノ構造体の導電性ネットワークは、電気的パーコレーション閾値に達する十分なナノ構造体が存在する場合に形成される。したがって、電気的パーコレーション閾値は重要な値であり、その値を超える長距離の接続性を得ることができる。」 「【0098】 適切な粘度調整剤の例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。適切な流体の例としては、水及びイソプロパノールが挙げられる。」 「【0158】 ・・・ (実施例5) 透明導体の調製 実施例1及び2によって調製された銀ナノワイヤの各バッチから、重量で、0.1〜0.2%銀ナノワイヤ、0.2〜0.4%高純度HPMC、及び0.005〜0.025%Triton X−100のDI水溶液を含むようにインク組成物を製剤化した。次いで、インク組成物をガラス基体にスピンコートして薄膜を形成した。より具体的には、試料を速度400から2000rpmで60秒、加速度1000rpm/sでスピンコートした。続いて、膜を50℃で90秒、続いて140℃で90秒焼付けした。 【0159】 充填量、回転速度及び時間を調節することによって、各バッチのインク組成物に基づく一連の薄膜を調製した。 【0160】 (実施例6) 透明導体仕様 各バッチの薄膜の抵抗、透過率及び曇価データを表5〜7に要約する。裸ガラスの曇価及び透過率(0.04%H及び透過率93.4%)を減算しなかった。 【0161】 【表5】 【0162】 【表6】 【0163】 【表7】 膜はすべて曇価が1.5%未満であり、高い透過率及び導電率を維持した。特に、曇価0.4%未満及び抵抗350オーム/sq未満の膜が得られた。」 (2)上記(1)には、以下の事項が記載されているといえる。 ア 【請求項1】には、複数の導電性ナノ構造体を含む透明導体であって、前記透明導体の曇価が1.5%未満であり、光透過率が90%を超え、シート抵抗が350オーム/スクエア未満である、透明導体が記載されている。 イ 【0098】、【0158】によれば、上記アにおける透明導体は、重量で、0.1〜0.2%銀ナノワイヤ、0.2〜0.4%高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいるといえる。 (3)以上によれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「複数の導電性ナノ構造体を含む透明導体であって、重量で、0.1〜0.2%銀ナノワイヤ、0.2〜0.4%高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含み、前記透明導体の曇価が1.5%未満であり、光透過率が90%を超え、シート抵抗が350オーム/スクエア未満である、透明導体。」 2 引用文献2について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(国際公開第2013/192437号)には、次の事項が記載されている(当審注:引用文献2の記載事項は、当審の訳文で示す。)。 ア 「本明細書に記載の結果に基づいて、低温焼結プロセスの機構を調べた。理論によって限定しようと望むものではないが、ハロゲン化物イオンによって、金属イオンの移動を促進する表面コーティングが形成されると考えられる。隣接するナノワイヤが接近している位置では、驚くべきことに焼結プロセスにおいて金属コアが融着し、これは、金属−ハロゲン化物シェル層の形成によって可能となったカチオンの移動により可能となる、焼結による自由エネルギーの低下によって生じると推測される。焼結した金属によって導電経路が形成され、その結果導電率が大幅に低下する。」(明細書11ページ18〜25行) イ 「特許請求の範囲 1.透明導電性コーティングと、前記コーティングを上に支持する基板と、を含む材料であって、 前記コーティングが、融着金属ナノワイヤを含む融着金属ナノワイヤ網目構造を含み、 前記コーティングは、可視光に対する少なくとも約85%の透明度および約100オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する、あるいは、可視光に対する少なくとも約90%の透明度および約250オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する、材料。」 (2)上記(1)イによれば、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「透明導電性コーティングと、前記コーティングを上に支持する基板と、を含む材料であって、 前記コーティングが、融着金属ナノワイヤを含む融着金属ナノワイヤ網目構造を含み、 前記コーティングは、可視光に対する少なくとも約85%の透明度および約100オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する、あるいは、可視光に対する少なくとも約90%の透明度および約250オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する、材料。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 ア 引用発明1の「複数の導電性ナノ構造体」について、引用文献1の上記第4 1(1)の【0027】には、「一般に、本明細書に記載の透明導体は、導電性ナノ構造体の導電性薄膜である。透明導体においては、1個以上の導電経路がナノ構造体間の連続した物理的接触によって確立されている。ナノ構造体の導電性ネットワークは、電気的パーコレーション閾値に達する十分なナノ構造体が存在する場合に形成される。」と記載されているから、引用発明1の「複数の導電性ナノ構造体」は、導電性ネットワークであって、引用発明1の「透明導体」は、導電性ネットワークを含む導電性薄膜、すなわち、導電性ネットワークを含む透明導電性フィルムであるといえる。 イ 本願明細書の【0036】には、「多糖類は、インクの形成のための望ましい性質を有することができるポリマーポリオールのタイプである。多糖類は、多数のヒドロキシル基を有する糖ポリマーまたはそれらの誘導体である。多糖類には、例えば、セルロース系ポリマーおよびキトサン系ポリマーが含まれ、これらのバインダーに基づいた望ましいインクは、以下の実施例において説明される。・・・。特定のセルロース系ポリマーには、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が含まれる。」と記載されているから、本願発明1の「ポリマーポリオール」は、「ヒドロキシプロピルメチルセルロース」を含むものである。 ウ 上記ア及びイによれば、引用発明1の「複数の導電性ナノ構造体」、「高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)」は、それぞれ、本願発明1の「ナノ構造ネットワーク」、「ポリマーポリオール」に相当し、引用発明1の「複数の導電性ナノ構造体」及び「高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)」を含む「透明導体」と、本願発明1の「融着金属ナノ構造ネットワークとポリマーポリオールとを含む透明導電性フィルム」とは、「ナノ構造ネットワークとポリマーポリオールとを含む透明導電性フィルム」である点で共通する。 エ 引用発明1の「シート抵抗」、「オーム/スクエア」は、それぞれ、本願発明1の「シート抵抗」、「ohms/sq」に相当するものの、引用発明1の「シート抵抗」は「350オーム/スクエア未満」であるのに対し、本願発明1の「シート抵抗」は「140ohms/sq以下」であり、本願発明1の「シート抵抗」の範囲は、引用発明1の「シート抵抗」の範囲よりも狭いものであるから、両者は相違している。 オ 引用発明1の「透明導体の曇価」は、本願発明1の「透明導電性フィルム」の「ヘイズ」に相当するものの、引用発明1の「透明導体の曇価」は「1.5%未満」であるのに対し、本願発明1の「透明導電性フィルム」の「ヘイズ」は「1.2%以下」であり、本願発明1の「透明導電性フィルム」の「ヘイズ」の範囲は、引用発明1の「透明導体の曇価」の範囲よりも狭いものであるから、両者は相違している。 カ 引用発明1の「透明導体」は、「重量で、0.1〜0.2%銀ナノワイヤ、0.2〜0.4%高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含」むものであるから、「銀」の重量に対して「高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)」は、0.2/0.2×100重量%〜0.4/0.1×100重量%、すなわち、100重量%〜400重量%含まれている。 それに対し、本願発明1は、「金属重量に対して40重量%〜600重量%のポリマーポリオールを含む」ものであるから、引用発明1の「銀」は、本願発明1の「金属」に相当し、また、上記イで検討したとおり、引用発明1の「高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)」は、本願発明1の「ポリマーポリオール」に相当するものの、引用発明1の「銀」の重量に対する「高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)」の含有量は100重量%〜400重量%であるのに対し、本願発明1の「金属重量」に対する「ポリマーポリオール」の含有量は、「40重量%〜60重量%」であるから、両者は相違している。 キ 以上から、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「ナノ構造ネットワークとポリマーポリオールとを含む透明導電性フィルム。」 <相違点> 相違点1:ナノ構造ネットワークについて、本願発明1は、「融着金属ナノ構造ネットワーク」であるのに対し、引用発明1は、そのような構成を備えていない点 相違点2:シート抵抗について、本願発明1は、「140ohms/sq以下」であるのに対し、引用発明1は、「350オーム/スクエア未満」である点。 相違点3:ヘイズについて、本願発明1は、「1.2%以下」であるのに対し、引用発明1は、「1.5%未満」である点。 相違点4: 本願発明1は、「金属重量に対して40重量%〜600重量%のポリマーポリオールを含む」のに対し、引用発明1は、「銀」の重量に対して100〜400重量%の「高純度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)」を含んでいる点。 (2)相違点についての判断 ア 相違点1について (ア)引用発明2は、上記第4 2(2)で認定したとおり、「透明導電性コーティングと、前記コーティングを上に支持する基板と、を含む材料であって、 前記コーティングが、融着金属ナノワイヤを含む融着金属ナノワイヤ網目構造を含み、 前記コーティングは、可視光に対する少なくとも約85%の透明度および約100オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する、あるいは、可視光に対する少なくとも約90%の透明度および約250オーム/スクエア以下のシート抵抗を有する、材料。」である。 そして、引用文献2の上記第4 2(1)のアの記載によれば、引用発明2は、「融着金属ナノワイヤを含む融着金属ナノワイヤ網目構造」とすることで、隣接するナノワイヤが接近している位置では、焼結プロセスにおいて金属コアが融着し、焼結した金属によって導電経路が形成され、その結果導電率が大幅に低下するものであるといえる。 (イ)一方、引用文献1の上記第4 1(1)の【0004】〜【0007】の記載によれば、引用発明1は、ナノ構造体に基づく透明導体の場合、概して、より高い透過及びより低い曇価は、典型的には、より少ない導電性ナノ構造体に関連し、それはより高いシート抵抗(すなわち、より低い導電性)をもたらし、透明導体の多数の商業的応用例(例えば、タッチパネル及びディスプレイ)は、曇価レベルを2%未満に維持する必要があるものの、低曇価透明導体の製造は、かかる低レベルの曇価を達成する際に満足な導電率を維持することが不可能であり得るとの課題を解決するものであって、複数の導電性ナノ構造体を含む透明導体であって、透明導体の曇価が1.5%未満であり、シート抵抗が350オーム/スクエア未満である、透明導体を提供することで、上記課題を解決しているといえる。 (エ)そうすると、引用発明1においては、ナノ構造体に基づく透明導体の場合、概して、より高い透過及びより低い曇価は、典型的には、より少ない導電性ナノ構造体に関連し、それはより高いシート抵抗(すなわち、より低い導電性)をもたらし、透明導体の多数の商業的応用例(例えば、タッチパネル及びディスプレイ)は、曇価レベルを2%未満に維持する必要があるものの、低曇価透明導体の製造は、かかる低レベルの曇価を達成する際に満足な導電率を維持することが不可能であり得るとの課題を既に解決しているものであるから、更に導電性ナノ構造体の導電率及び曇価を下げようとする動機付けはない。 したがって、引用発明1に、導電率が大幅に低下する引用発明2を適用する動機付けはない。 (オ)また、仮に、引用発明1に、導電率が大幅に低下する引用発明2を適用する動機付けがあるとしても、引用文献1の前記第4 1(1)の【0004】に記載されているように、「ナノ構造体に基づく透明導体の場合、概して、より高い透過及びより低い曇価は、典型的には、より少ない導電性ナノ構造体に関連し、それはより高いシート抵抗(すなわち、より低い導電性)をもたらす」と記載されているように、曇価とシート抵抗はトレードオフの関係にあるから、引用発明1に、引用発明2を適用しても、導電率が大幅に低下すると同時に、「曇価」が1.2%以下になるとはいえない。 したがって、引用発明1に引用発明2を適用したとしても、本願発明1の構成である「140ohms/sq以下のシート抵抗および1.2%以下のヘイズを有」するとの構成は得られない。 (カ)したがって、引用発明1に引用発明2を適用し、相違点1に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 イ 小括 よって、その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用文献1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。 2 本願発明2〜8について 本願発明2〜5は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明6〜8は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電フィルムを含む構造物の発明であり、いずれも相違点1に係る本願発明1の構成を有しているから、本願発明1と同様の理由により、本願発明2〜8は、引用文献1、2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1〜8は、いずれも相違点1に係る本願発明1の構成を有するものとなっており、上記第5で検討したとおり、本願発明1〜8は、引用文献1、2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではないから、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2022-06-27 |
出願番号 | P2019-151031 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(C09D)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
辻本 泰隆 |
特許庁審判官 |
松永 稔 河本 充雄 |
発明の名称 | 融着ネットワークを有する透明導電性フィルムの形成のための金属ナノワイヤーインク |
代理人 | 松谷 道子 |
代理人 | 山本 宗雄 |