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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G08G
管理番号 1386031
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-07 
確定日 2022-07-12 
事件の表示 特願2019−109781「管理装置、プログラム、システム及び管理方法」拒絶査定不服審判事件〔令和2年12月17日出願公開、特開2020−201832、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和元年6月12日の出願であって、令和3年6月9日付けで拒絶査定がされた。これに対し、令和3年9月7日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明について
1 本願発明
特許請求の範囲の請求項1〜18に係る発明(以下「本願発明1〜18」という。)は、令和3年9月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1〜18に記載された事項により特定される以下のとおりのものであると認める。

「【請求項1】
無人航空機が停止可能な停止場への前記無人航空機の着陸を管理する管理装置であって、
前記停止場のうちの前記無人航空機を着陸させる着陸地点を決定する着陸地点決定部と、
前記無人航空機を前記着陸地点まで誘導する誘導経路を決定する誘導経路決定部と、
前記無人航空機を誘導するための誘導マーカを前記着陸地点に提示させる提示制御部であって、前記無人航空機に対して送信する情報を前記誘導マーカに含め、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させる提示制御部と
を備え、
前記提示制御部は、前記無人航空機に対して送信する情報を、バーコード又はQRコードである前記誘導マーカにコード化し、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させる、管理装置。
【請求項2】
前記停止場と前記無人航空機との距離が予め定められた距離よりも短くなったことに応じて前記無人航空機が前記停止場に近接したと判定する近接判定部
を備え、
前記提示制御部は、前記無人航空機が前記停止場に近接したと判定されたことに応じて、前記誘導マーカを前記着陸地点に提示させる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記提示制御部は、前記無人航空機が前記着陸地点に着陸したことに応じて、前記誘導マーカの提示を終了させる、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記停止場と前記無人航空機との距離を取得する距離取得部
を備え、
前記提示制御部は、前記停止場と前記無人航空機との距離に基づいて、前記誘導マーカのサイズを変更させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記提示制御部は、前記停止場と前記無人航空機との距離が短いほど、前記誘導マーカのサイズを小さくさせる、請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記提示制御部は、前記無人航空機に、前記無人航空機に対応する前記誘導マーカを識別させるための識別情報を含む前記誘導マーカを提示させる、請求項1から5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記提示制御部は、前記停止場に関連する停止場関連情報を含む前記誘導マーカを提示させる、請求項1から6のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記停止場関連情報は、前記停止場に前記無人航空機が着陸できない状況であることを通知する通知情報を含む、請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記提示制御部は、複数の無人航空機のそれぞれを誘導するための複数の前記誘導マーカを、前記複数の無人航空機のそれぞれの着陸地点に提示させる、請求項1から8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記提示制御部は、前記停止場に表示領域が前記停止場の上方向を向くように配置されたディスプレイに、前記表示領域のうちの前記着陸地点に対応する位置に前記誘導マーカを表示させるよう制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記提示制御部は、前記停止場に配置された電子ペーパに、前記電子ペーパのうちの前記着陸地点に対応する位置に前記誘導マーカを表示させるよう制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項12】
前記提示制御部は、前記停止場に向けて光を照射するプロジェクタに、前記着陸地点に前記誘導マーカを表示させるよう制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項13】
前記提示制御部は、第1の面と第2の面とが異なる色を有する複数のボードのそれぞれを回転させることによってマーカを提示する機械式フリップボードに、前記機械式フリップボードのうちの前記着陸地点に対応する位置に前記誘導マーカを表示させるよう制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項14】
前記誘導マーカはバーコードである、請求項10から12のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項15】
前記提示制御部は、前記停止場に配置された複数の発光部を有する発光装置に、前記発光装置の前記着陸地点に対応する位置の複数の発光部を発光させることによって、前記誘導マーカを提示させるよう制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から15のいずれか一項に記載の管理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか一項に記載の管理装置と、
前記無人航空機と
を備えるシステム。
【請求項18】
無人航空機が停止可能な停止場への前記無人航空機の着陸を管理する管理装置によって実行される管理方法であって、
前記停止場のうちの前記無人航空機を着陸させる着陸地点を決定する着陸地点決定段階と、
前記無人航空機を前記着陸地点まで誘導する誘導経路を決定する誘導経路決定段階と、
前記無人航空機を誘導するための誘導マーカを前記着陸地点に提示させる提示制御段階であって、前記無人航空機に対して送信する情報を前記誘導マーカに含め、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させる提示制御段階と
を備え、
前記提示制御段階は、前記無人航空機に対して送信する情報を、バーコード又はQRコードである前記誘導マーカにコード化し、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させる、管理方法。」

2 拒絶査定の理由について
令和3年6月9日付けの拒絶査定の理由は、概略以下のとおりである。

進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又
は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1〜5
・引用文献等 1、2

・請求項 6〜12
・引用文献等 1〜3

・請求項 13
・引用文献等 1〜4

・請求項 14
・引用文献等 1〜3、5

・請求項 15〜17
・引用文献等 1〜3

・請求項 18
・引用文献等 1、2

<引用文献等一覧>
1.特開2019−16030号公報
2.特開2019−31164号公報
3.国際公開第2019/064329号
4.特開2016−95354号公報
5.特表2018−515296号公報

3 当審の判断
(1)本願発明1について
ア 引用文献1
引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0059】
実施形態の管理装置7は、離着陸制御部71(制御部)と、充電制御部72と、無線通信部73と、記憶部74とを備える。離着陸制御部71と充電制御部72は、コンピュータが実行するプログラムによって実現される機能部の一例である。
【0060】
離着陸制御部71は、収納装置6に設けられた検出部等から情報を得る。収納装置6に設けられた検出部は、収納装置6に荷物が配置されている状態にあることを検出する。離着陸制御部71は、この情報により収納装置6の利用状況を検出する。
【0061】
離着陸制御部71は、ドローン2の飛行計画に関する情報をセンター装置50等から得て、対象のドローン2の離発着情報を抽出する。離着陸制御部71は、ドローン2から、その状態に関する情報を得て、ドローン2に対する指令を生成する。例えば、離着陸制御部71は、誘導用位置表示装置9の表示による指標の大きさを調整して、ドローン2に着陸地点の位置を表示する。
【0062】
離着陸制御部71は、無線通信部73を利用してドローン2に通知する。例えば離着陸制御部71は、無線通信部73を利用した無線通信により、ドローン2からの着陸要求を受信して、それに応じた着陸指令を、対象のドローン2に対して通知する。また、離着陸制御部71は、所望の充電可能地点、着陸までの飛行経路、飛行禁止範囲などの情報を、対象のドローン2に通知してもよい。」

(イ)「【0078】
離着陸制御部71は、ドローン2から着陸要求の申告を受け付けて(SA11)、着陸要求の要件を抽出する(SA12)。例えば、離着陸制御部71は、抽出した着陸要求の要件が、施設情報DBに格納された所定の要件を満たすものであるか否かを判定する(SA13)。施設情報DBに格納された所定の要件を満たすものとは、例えば、ドローン2と対象の設備との関係において、充電方式が一致すること、端子の位置が整合すること等を含む。つまり、このSA12の処理において、対象のドローン2に対して、それを充電することが可能な設備を抽出できたことと等価である。
【0079】
SA13の判定の結果、着陸要求の要件が所定の要件を満たすものである場合、離着陸制御部71は、施設情報DBに基づいて着陸要求の要件を満たす着陸可能な場所に空きがあるか否かを判定する(SA14)。
【0080】
SA14の判定の結果、着陸要求の要件を満たした着陸可能な場所に空きがない場合、離着陸制御部71は、上記の利用待機情報に基づいて、緊急に着陸することが必要な要求であるか否かを判定する(SA15)。
【0081】
SA15の判定の結果、緊急に着陸することが必要な場合、離着陸制御部71は、着陸要求の要件を満たす場所を空けるように制御する(SA16)。例えば、離着陸制御部71は、対象の着陸中のドローン2を他の着陸可能地点に移動させるか、一旦離陸させて、上空で待機させる。
【0082】
SA15の判定の結果、緊急に着陸することが必要ではない場合、離着陸制御部71は、着陸要求を発したドローン2の着陸を待機させるように制御する(SA17)。
【0083】
SA14の判定の結果、着陸要求の要件を満たした着陸可能な場所に空きがある場合、SA16の処理を終えた場合、又は、SA17の処理を終えた場合、離着陸制御部71は、対象の地点を蓄陸地点として選択する(SA18)。」

(ウ)「【0088】
図10から図12を参照して、着陸時に表示する誘導表示パターンについて説明する。
図10は、実施形態の誘導表示パターンの一例を説明するための図である。この図10に示すように、誘導表示パターンDBには、パターン識別情報、パターン情報、位置情報等の項目が含まれる。
【0089】
パターン識別情報には、誘導用位置表示装置9に表示する表示パターンを識別するための識別情報が含まれる。パターン情報には、表示パターンを形成するために、各誘導用位置表示装置9の表示を調整するための情報が含まれる。位置情報には、ドローン2の着陸位置を特定するための情報、ドローン2が着陸する過程で通過する位置を特定するための情報などが含まれる。
【0090】
例えば、離着陸制御部71は、着陸許可をドローン2に通知するための「着陸許可」パターンを、PGCを用いて識別する。離着陸制御部71は、「着陸位置(LSP101)」を通知するための「着陸位置」パターンを、PLSP101を用いて識別する。例えば、「着陸位置(LSP101)」は、収納装置6−1に対応する位置であってもよい。離着陸制御部71は、「着陸許可」パターンPGCを表示した後、「着陸位置」パターンPLSP101を表示するまでの間に、ドローン2が経由する位置を通知するための「着陸誘導」パターンを、PLI101を用いて識別する。離着陸制御部71は、ドローン2が着陸した後、「着陸待機」状態にあることを表示するための「着陸待機」パターンを、PBOを用いて表示する。なお、離着陸制御部71は、「着陸誘導」パターンの表示を省略してもよく、或いは、着陸までに複数の「着陸誘導」パターンの表示を行ってもよい。以下の説明において、「着陸許可」パターン、「着陸位置」パターン、「着陸誘導」パターンを纏めて指標という。」

(エ)「【図11】




(オ)「【図12】



イ 引用発明
上記記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「ドローン2から着陸要求の申告を受け付けて(SA11)、対象の地点を着陸位置として選択(SA18)し、
着陸までの飛行経路の情報を、対象のドローン2に通知し、
「着陸位置(LSP101)」は、収納装置6−1に対応する位置であり、「着陸許可」パターンPGCを表示した後、「着陸位置」パターンPLSP101を表示するまでの間に、ドローン2が経由する位置を通知するための「着陸誘導」パターンを形成するために、各誘導用位置表示装置9の表示を調整する離着陸制御部71、
を備える管理装置7。」

ウ 本願発明1と引用発明の対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
・引用発明の「ドローン2」は、その機能、構造から、本願発明1の「無人航空機」に相当し、同様に、「着陸位置」は「停止可能な停止場」に、「着陸までの飛行経路」は「前記着陸地点まで誘導する誘導経路」に、それぞれ相当する。
・引用発明の「管理装置7」は、ドローン2の着陸位置へのドローン2の着陸を管理するものであるから、本願発明1の「無人航空機が停止可能な停止場への前記無人航空機の着陸を管理する管理装置」に相当する。
・引用発明の「ドローン2から着陸要求の申告を受け付けて(SA11)、対象の地点を着陸位置として選択(SA18)」する「離着陸制御部71」の部分は、選択された「着陸位置」が、複数の着陸位置のうちドローン2を着陸させる着陸位置であるから、本願発明1の「前記停止場のうちの前記無人航空機を着陸させる着陸地点を決定する着陸地点決定部」に相当する。
・引用発明の「着陸までの飛行経路の情報を、対象のドローン2に通知」する「離着陸制御部71」の部分は、当然に、ドローン2の着陸位置までの飛行経路を決定する機能を有しているから、本願発明1の「前記無人航空機を前記着陸地点まで誘導する誘導経路を決定する誘導経路決定部」に相当する。
・引用発明の「「着陸位置(LSP101)」は、収納装置6−1に対応する位置であり、「着陸許可」パターンPGCを表示した後、「着陸位置」パターンPLSP101を表示するまでの間に、ドローン2が経由する位置を通知するための「着陸誘導」パターンを形成するために、各誘導用位置表示装置9の表示を調整する」「離着陸制御部71」の部分は、ドローン2を誘導するための各誘導用位置表示装置9を着陸位置に表示させる離着陸制御部71であるから、引用発明の当該事項と、本願発明1の「前記無人航空機を誘導するための誘導マーカを前記着陸地点に提示させる提示制御部であって、前記無人航空機に対して送信する情報を前記誘導マーカに含め、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させる提示制御部」とは、「前記無人航空機を誘導するための誘導マーカを前記着陸地点に提示させる提示制御部」の限りで一致する。

したがって、本願発明1と引用発明とは、
<一致点>
「無人航空機が停止可能な停止場への前記無人航空機の着陸を管理する管理装置であって、
前記停止場のうちの前記無人航空機を着陸させる着陸地点を決定する着陸地点決定部と、
前記無人航空機を前記着陸地点まで誘導する誘導経路を決定する誘導経路決定部と、
前記無人航空機を誘導するための誘導マーカを前記着陸地点に提示させる提示制御部と
を備える、管理装置。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
提示制御部について、本願発明1は、「前記無人航空機に対して送信する情報を前記誘導マーカに含め、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させ」、「前記無人航空機に対して送信する情報を、バーコード又はQRコードである前記誘導マーカにコード化し、前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させる」のに対して、引用発明は、そのように特定されていない点。

エ 当審の判断
上記相違点について検討する。
本願発明1は、発明の詳細な説明の「【0057】
提示制御部220は、誘導経路決定部212によって決定された誘導経路に基づいて、誘導マーカ112を移動させてもよい。例えば、提示制御部220は、誘導経路が、第1のポイント、第2のポイント、及び着陸地点の上空の第3のポイントを含む場合、まず第1のポイントの直下に誘導マーカ112を提示させ、無人航空機300が第1のポイントに移動したことに応じて、誘導マーカ112を第1のポイントから第2のポイントに向かって移動させる。無人航空機300は、誘導マーカ112の移動に伴って、第1のポイントから第2のポイントに移動する。
【0058】
無人航空機300が第2のポイントに移動したことに応じて、提示制御部220は、誘導マーカ112を第2のポイントから第3のポイントに向かって移動させる。無人航空機300は、誘導マーカ112の移動に伴って、第2のポイントから第3のポイントに移動する。このように、提示制御部220は、誘導マーカ112を移動させることによって、誘導経路決定部212が決定した誘導経路に沿って移動するように、無人航空機300を誘導してよい。」の記載を参照すると、誘導マーカが、誘導経路の下方を誘導経路に沿って移動し、その上空を無人航空機が誘導マーカの移動に伴って移動することで、無人航空機が誘導経路を移動するものであるから、本願発明1の「前記誘導経路に基づいて前記誘導マーカを移動させ」ることは、誘導経路の下方を、無人航空機が誘導経路を移動するように、誘導経路に沿って誘導マーカを移動させることである。
一方、引用発明は、「「着陸許可」パターンPGCを表示した後、「着陸位置」パターンPLSP101を表示するまでの間に、ドローン2が経由する位置を通知するための「着陸誘導」パターンを形成する」ものであって、引用文献1の【0090】〜【0103】を参照しても、各誘導用位置表示装置9により、ドローンの降下を誘導しているものであるが、各誘導用位置表示装置9を着陸までの飛行経路に沿って移動するものではない。
引用文献2には、着陸誘導部8が、着陸ルートに対して、ドローン25の位置がどちらの方向にずれているかを判定し、誘導灯11が備えたLEDからの光の点灯、消灯、点灯パターン、色、輝度、またはそれらの組み合わせによって、ずれの方向をドローンに提示することが記載されている(【0063】、【0064】等)が、誘導灯11が備えたLEDを着陸ルートに沿って移動させることは、記載も示唆もない。
引用文献5には、ガイドマークを二次元バーコードとする点が記載されているが、ガイドマークを誘導経路に沿って移動することは、記載も示唆もない。

したがって、引用発明において、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とすることを、当業者が容易に想到し得たとはいえない。

オ 小括
ゆえに、本願発明1は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び引用文献5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本願発明2〜17について
本願発明2〜17は、本願発明1の発明特定事項を全て有し、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討したのと同様の理由により、本願発明2〜17は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び引用文献5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)本願発明18について
本願発明18は、実質的に本願発明1の発明特定事項を全て有する管理方法に係る発明であって、引用文献1には、引用発明に係る管理方法の発明が記載されている。
そうすると、上記(1)で検討したのと同様の理由により、本願発明18は、引用発明に係る管理方法の発明、引用文献2に記載された事項及び引用文献5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。


第3 まとめ
以上のとおり、拒絶査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また他に拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-06-29 
出願番号 P2019-109781
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G08G)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 山本 信平
特許庁審判官 沼生 泰伸
佐々木 正章
発明の名称 管理装置、プログラム、システム及び管理方法  
代理人 龍華国際特許業務法人  

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