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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06K
管理番号 1386064
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-27 
確定日 2022-06-15 
事件の表示 特願2019−192603「多数の復号可能な証印を処理するための方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 2月 6日出願公開、特開2020− 21511、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年11月14日(パリ条約による優先権主張2012年11月15日(以下、「優先日」という。)、米国、2012年12月14日、米国、2013年1月17日、米国、2013年1月24日、米国)を出願日とする特願2013−235590号の一部を、平成30年5月10日に新たな特許出願とした特願2018−91123号の一部を、令和1年10月23日に新たな特許出願としたものであって、令和2年11月17日付けで拒絶理由が通知され、令和3年2月19日付けで手続補正がされ、令和3年5月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和3年9月27日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、令和3年11月1日付けで前置報告がされ、令和4年2月16日付けで上申書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和3年5月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.本願請求項1−8に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2009−151446号公報
2.特開2006−004037号公報

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正によって、補正前の請求項1の「前記デバイスが、前記表示されたイメージ内の前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力、及び、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序であって、該送信順序が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信する順序を特定するものである、送信順序を示すユーザ入力を受信するステップ」を、補正後の請求項1の「前記デバイスが、前記表示されたイメージ内の前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップであって、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印の選択が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示し、該送信順序が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信する順序を特定するものである、送信順序を示すユーザ入力を受信するステップ」(以下、「構成A」という。)とする補正は、補正前の構成要件である「2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力」と「2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示すユーザ入力」の両方を受信することを、補正により、「2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力」と「2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示すユーザ入力」を兼用した「2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力」のみを受信することに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、補正後の上記構成Aは、当初明細書の段落0028、0029、0054に記載されているから、当初明細書等に記載された事項であり、新規事項を追加するものではない。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1−8に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願請求項1−8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明8」という。)は、令和3年9月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
イメージング・サブシステムが、該イメージング・サブシステムの視野内のオブジェクトのイメージをディスプレイに表示するステップと、
前記イメージング・サブシステムを有するデバイスが、取得されたイメージ内で複数の復号可能な証印の位置を突き止めるステップと、
前記デバイスが、前記位置が突き止められた複数の復号可能な証印を復号化するステップと、
前記デバイスが、前記表示されたイメージ内で、前記複数の復号可能な証印の中の2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を視覚的にマーク付けするステップと、
前記デバイスが、前記表示されたイメージ内の前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップであって、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印の選択が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示し、該送信順序が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信する順序を特定するものである、送信順序を示すユーザ入力を受信するステップと、
前記デバイスが、前記選択されたうまく復号化された復号可能な証印の各々に対応する前記復号化されたメッセージを前記受信された送信順序で前記外部コンピュータに送信するステップと、
を有することを特徴とする方法。」

なお、本願発明2−8は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2009−151446号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付加したものである。以下同様。)

ア 「【0045】
(1.全体構成)
図1に示す光学的情報読取装置1は、バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして構成されるものであり、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいは図略のハウジング内に内装されている。」

イ 「【0056】
このように光学的情報読取装置1を構成することによって、例えば、電源スイッチ41がオンされて所定の自己診断処理等が正常終了し、情報コードCの読み取りが可能な状態になると、照明光Lfの発光を指示する操作スイッチ42(例えばトリガースイッチ)の入力を受け付ける。これにより、作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、制御回路40が同期信号を基準に照明光源21に発光信号を出力するので、当該発光信号を受けた照明光源21は、LEDを発光させて照明光Lfを照射する。
【0057】
すると、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口およびフィルタ25を介して結像レンズ27に入射するため、受光センサ23の受光面23aには、結像レンズ27により情報コードCの像、つまりコード画像が結像される。受光センサ23の各受光素子はこの結像に応じた信号をそれぞれ出力する。受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶されることとなる。なお、本実施形態では、受光センサ23が「受光手段」の一例に相当し、情報コードが記録された読取対象からの反射光を受光するように機能する。また、制御回路40は、「画像生成手段」の一例に相当し、第1の時期(後述する画像取得処理がなされる時期(図2))における受光センサ23による受光結果に基づいて読取対象の第1画像を生成するように機能する。また、制御回路40は、「デコード手段」の一例にも相当し、読取対象の第1画像に含まれる情報コードの画像をデコードするように機能する。」

ウ 「【0059】
(2.読取処理)
図2に示す読取処理は、ROM等に記憶されるプログラムに基づいて制御回路40によって実行されるものであり、例えば、所定の開始操作(トリガスイッチの操作等)をトリガとして開始される。当該処理が開始されると、まずS1の画像取得処理がなされる。この画像取得処理は、上記開始操作がなされた直後(第1の時期)における受光センサ23の受光結果に基づいて(即ち、第1の時期において受光センサ23上に結像される像に基づいて)情報コードの画像を含んだ画像データを上述のようにメモリ35に記憶する。そして、この画像取得処理がなされた後、取得画像(第1の時期に取得された画像(即ち読取対象の第1画像))を液晶表示器46(図1)に表示する処理が行われる(S2)。なお、図11(a)には取得した読取対象の画像の表示例を示している。
本実施形態では、制御回路40及び液晶表示器46が「表示手段」の一例に相当し、読取対象と光学的情報読取装置1との対応関係を示すように機能する。
【0060】
そして、S1にて取得した画像データ内に含まれる情報コードをデコードする処理を行う(S3)。このデコード処理では、画像データ内に含まれる情報コードの全てのデコードを行う。即ち、画像データ内に含まれる情報コードが1つのみである場合にはその情報コードのデコードを行い、画像データ内に2以上の情報コードが含まれる場合にはその複数の情報コードを全てデコードする。そして、各情報コードとそのデコード結果とを対応付けてメモリ35に記憶しておく。なお、画像データに基づいてバーコードや二次元コードのデコードを行う技術は公知であるので詳細は省略するが、概要としては、S1にて取得した画像データを2値化した後、所定の情報処理を施すことによって情報コードとして符号化された文字データ等をデコードし、その内容をメモリ35に記憶している。
【0061】
その後、デコードが正常に行われたか否かを判断する(S4)。デコードが正常に行われなかった場合(情報コードのデコード結果が1つも得られなかった場合)にはS4にてNoに進み、再びS1に戻ってS1以降の処理を繰り返す。なお、デコードが正常に行われなかった場合には、その旨を示す報知出力(例えば「NG」の文字、長いビープ音や赤色光)を、液晶表示装置46、ブザー44やLED43により出力することによって、当該光学的情報読取装置1の使用者に報知してもよい。
【0062】
一方、S4においてデコードが正常に行われたと判断される場合(少なくとも1つのデコード結果が得られた場合)には、S4にてYesに進み、取得した画像データに情報コードが複数含まれているか否かを判断する(S5)。本実施形態では、取得した画像データに含まれる情報コードが1つのみの場合にはS5にてNoに進み、その情報コードのデコード結果を出力し(S12)、他方、取得した画像データに複数の情報コードが含まれる場合にはS5にてYesに進み、S6以降の処理を実施することでいずれかの情報コードを選択するようにしている。
【0063】
S5にてYesに進む場合(即ち、取得した画像データに複数の情報コードが含まれる場合)には、まずS6にて操作検出処理が行われる。この操作検出処理は、S1にて画像が取得された後にユーザによって行われる光学的情報読取装置1の操作方向及び操作量を検出する処理であり、例えば図3のような流れで行われる。図3の例では、まず、当該操作方向検出処理開始直後(第2の時期)における受光センサ23の受光結果に基づいて(即ち、第2の時期において受光センサ23上に結像される像に基づいて)画像データを生成しメモリ35に記憶する処理(画像取得処理)が行われる(S61)。S61にて取得される画像は、S1の画像取得(第1の時期)後においてユーザによって光学的情報読取装置1の移動操作が行われたの受光センサ23による受光結果に基づいて得られる画像であり、「読取対象の第2画像」に相当する。」

エ 「【0073】
次に優先順位設定処理を行う(S7)。この優先順位設定処理は、各領域の優先順位を設定する処理であり、この優先順位は、複数ある情報コードのうちのいずれを選択するか判断する際に判断指標となるものである。この優先順位設定処理は、例えば図4のような流れで行われるものであり、S1にて取得された画像(読取対象の第1画像)を、図8のように複数領域に分割すると共に、それら複数領域の各領域に初期値を割り当て、その後、ユーザによる光学的情報読取装置1の操作方向に基づいてそれら複数領域のうちの一部領域の数値を、一部領域以外に割り当てられる基準値よりも大きく設定するように各領域の数値設定を行うようにしている。」

オ 「【0087】
図2に示すように、S7の処理が終わると、S8にて情報コード選択処理が行われる。この情報コード選択処理は、S7にて設定された各領域のポイント値(優先順位)に基づき、取得画像に複数含まれる情報コードの中からいずれかの情報コードを選択する処理である。具体的には、情報コードの配置領域か否かをポイント値が大きい領域(即ち、より優先順位が高い領域)から順に調べ、よりポイント値が大きい領域に配置される情報コードをデコードすべき情報コードとして選択するように処理を行っている。例えば、図10(a)のように各領域が設定された場合、ポイント値「4」の領域に一部が配置される情報コードがあればその情報コードが選択されることとなる。また、そのような情報コードが存在しない場合、ポイント値「3」の領域に一部が配置される情報コードが存在するか否かを調べ、存在する場合にはその情報コードをデコードすべき情報コードとして選択する。
(中略)
【0090】
その後、S8においてデコードすべき1つの情報コードが選択できたか否かを判断する。情報コードの選択が適切に行われなかった場合(例えば、複数の情報コード全てがポイント値「1」の領域に配置されている場合等)にはS9にてNoに進み、S1以降の処理を繰り返す。一方、S9にて1つの情報コードが選択できた場合にはS9にてYesに進み、S10にて確認画面を表示する処理を行う。
【0091】
本実施形態では、制御回路40及び液晶表示器46が「表示器」として機能しており、S2にて読取対象の第1画像を表示する際に、図11(a)のように当該第1画像の所定位置(図11(a)の例では第一画像の中央部)に識別マークMKを表示させるように表示制御を行っている。そして、S10の処理では、このように表示される識別マークMKを、S8の処理によって選択される情報コードの位置に移動させ、どの情報コードが選択されたかをユーザに視覚的に認識させるようにしている(図12)。なお、制御回路40及び液晶表示器46は、「選択コード表示手段」の一例に相当している。
【0092】
また、図12に示すように、選択された情報コードの位置に識別マークMKを移動させる表示制御に加え、その選択を確定させるか解除するかを判断させる判断情報を表示し、ユーザによる解除操作を受け付けるようにしている。本実施形態では、液晶表示器46に「転送」という表示ボタンBT1と、「キャンセル」という表示ボタンBT2とを表示させており、図示しない操作部を利用してユーザがいずれかの表示ボタンを選択できる構成となっている。「キャンセル」の表示ボタンBT2が選択される場合には、S11にてYesに進みS1以降の処理を再び繰り返すこととなる。一方「転送」の表示ボタンBT1が選択される場合には、S11にてNoに進み、識別マークMKと対応付けられた情報コード(図12の例では図5、図6に示す情報コードQ2)の選択を確定させてその情報コードのデコード結果を出力する(S12)。なお、制御回路40は、「選択解除手段」の一例に相当し、ユーザからの解除操作に基づいて情報コードの選択を解除するように機能する。
【0093】
また、制御回路40は「デコード手段」の一例に相当し、選択された情報コードのデコード結果を出力するように機能する。なお、デコードされたデータ(選択された情報コードの内容)は液晶表示装置46に出力したり、通信インタフェース48を介してホストコンピュータHSTに出力する。」

カ 「図1



キ 「図2



ク 「図12




(2)引用発明
引用文献1の上記記載について検討する。

ア 上記(1)カに摘記した図1の記載から、光学的情報読み取り装置1は、増幅回路31、A/D変換回路及び通信インタフェース48を備えることが読み取れる。
そうすると、上記(1)アの段落0045の「図1に示す光学的情報読取装置1は、バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして構成されるものであり、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。」との記載、及び上記(1)カに摘記した図1の記載から、引用文献1には、“バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして構成され、受光センサ23、増幅回路31、A/D変換回路、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46、及び通信インタフェース48から構成される光学的情報読取装置1”が記載されていると認められる。

イ 上記(1)イの段落0056の「作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、制御回路40が同期信号を基準に照明光源21に発光信号を出力するので、当該発光信号を受けた照明光源21は、LEDを発光させて照明光Lfを照射する。」との記載、同じく段落0057の「すると、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口およびフィルタ25を介して結像レンズ27に入射するため、受光センサ23の受光面23aには、結像レンズ27により情報コードCの像、つまりコード画像が結像される。受光センサ23の各受光素子はこの結像に応じた信号をそれぞれ出力する。受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶されることとなる。」との記載から、引用文献1には、“作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、照明光Lfを照射し、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口を介して結像レンズ27に入射し、受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され、受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶される”ことが記載されていると認められる。

ウ 上記(1)ウの段落0059の「図2に示す読取処理は、ROM等に記憶されるプログラムに基づいて制御回路40によって実行されるものであり」との記載と上記アで検討したことから、引用文献1には、“バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして構成され、受光センサ23、増幅回路31、A/D変換回路、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46、及び通信インタフェース48から構成される光学的情報読取装置1における制御回路40によって実行される読取処理の方法”が記載されていると認められる。

エ 上記(1)ウの段落0059の「図2に示す読取処理は、・・・例えば、所定の開始操作(トリガスイッチの操作等)をトリガとして開始される。当該処理が開始されると、まずS1の画像取得処理がなされる。この画像取得処理は、上記開始操作がなされた直後(第1の時期)における受光センサ23の受光結果に基づいて(即ち、第1の時期において受光センサ23上に結像される像に基づいて)情報コードの画像を含んだ画像データを上述のようにメモリ35に記憶する。」との記載からすると、上記イで検討した“作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで”、“受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され、受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶される”処理は、「S1の画像取得処理」に相当する処理であると認められるから、引用文献1には、“作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、照明光Lfを照射し、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口を介して結像レンズ27に入射し、受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され、受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶される画像取得処理(S1)が実行され”ることが記載されていると認められる。

オ 上記(1)ウの段落0059の「そして、この画像取得処理がなされた後、取得画像(第1の時期に取得された画像(即ち読取対象の第1画像))を液晶表示器46(図1)に表示する処理が行われる(S2)。」との記載から、引用文献1には、“画像取得処理がなされた後、取得画像を液晶表示器46に表示する処理(S2)が行われ”ることが記載されていると認められる。

カ 上記(1)ウの段落0060の「そして、S1にて取得した画像データ内に含まれる情報コードをデコードする処理を行う(S3)。このデコード処理では、画像データ内に含まれる情報コードの全てのデコードを行う。即ち、画像データ内に含まれる情報コードが1つのみである場合にはその情報コードのデコードを行い、画像データ内に2以上の情報コードが含まれる場合にはその複数の情報コードを全てデコードする。」との記載から、引用文献1には、“S1にて取得した画像データ内に含まれる情報コードの全てをデコードする処理(S3)を行”うことが記載されていると認められる。

キ 上記(1)ウの段落0061の「その後、デコードが正常に行われたか否かを判断する(S4)。」との記載から、引用文献1には、“その後、デコードが正常に行われたか否かを判断(S4)”することが記載されていると認められる。

ク 上記(1)ウの段落0062の「S4においてデコードが正常に行われたと判断される場合(少なくとも1つのデコード結果が得られた場合)には、S4にてYesに進み、取得した画像データに情報コードが複数含まれているか否かを判断する(S5)。」との記載から、引用文献1には、“S4においてデコードが正常に行われたと判断される場合(少なくとも1つのデコード結果が得られた場合)には、取得した画像データに情報コードが複数含まれているか否かを判断(S5)”することが記載されていると認められる。

ケ 上記(1)ウの段落0063の「S5にてYesに進む場合(即ち、取得した画像データに複数の情報コードが含まれる場合)には、まずS6にて操作検出処理が行われる。この操作検出処理は、S1にて画像が取得された後にユーザによって行われる光学的情報読取装置1の操作方向及び操作量を検出する処理であり、例えば図3のような流れで行われる。」との記載から、引用文献1には、“取得した画像データに複数の情報コードが含まれる場合には、ユーザによって行われる光学的情報読取装置1の操作方向及び操作量を検出する処理である操作検出処理(S6)が行われ”ることが記載されていると認められる。

コ 上記(1)エの段落0073の「次に優先順位設定処理を行う(S7)。この優先順位設定処理は、各領域の優先順位を設定する処理であり、この優先順位は、複数ある情報コードのうちのいずれを選択するか判断する際に判断指標となるものである。」との記載から、引用文献1には、“次に、各領域の優先順位を設定する優先順位設定処理であって、前記優先順位は、複数ある情報コードのうちのいずれを選択するか判断する際に判断指標となるものである、優先順位設定処理(S7)を行”うことが記載されていると認められる。

サ 上記(1)オの段落0087の「図2に示すように、S7の処理が終わると、S8にて情報コード選択処理が行われる。この情報コード選択処理は、S7にて設定された各領域のポイント値(優先順位)に基づき、取得画像に複数含まれる情報コードの中からいずれかの情報コードを選択する処理である。」との記載から、引用文献1には、“S7の処理が終わると、S7にて設定された各領域のポイント値(優先順位)に基づき、取得画像に複数含まれる情報コードの中からいずれかの情報コードを選択する処理である情報コード選択処理(S8)が行われ”ることが記載されていると認められる。

シ 上記(1)オの段落0090の「その後、S8においてデコードすべき1つの情報コードが選択できたか否かを判断する。情報コードの選択が適切に行われなかった場合(例えば、複数の情報コード全てがポイント値「1」の領域に配置されている場合等)にはS9にてNoに進み、S1以降の処理を繰り返す。一方、S9にて1つの情報コードが選択できた場合にはS9にてYesに進み、S10にて確認画面を表示する処理を行う。」との記載から、引用文献1には、“S8においてデコードすべき1つの情報コードが選択できたか否かを判断し、1つの情報コードが選択できた場合には、確認画面を表示する処理(S10)を行”うことが記載されていると認められる。

ス 上記(1)オの段落0091の「そして、S10の処理では、このように表示される識別マークMKを、S8の処理によって選択される情報コードの位置に移動させ、どの情報コードが選択されたかをユーザに視覚的に認識させるようにしている(図12)。」との記載、同じく段落0092の「本実施形態では、液晶表示器46に「転送」という表示ボタンBT1と、「キャンセル」という表示ボタンBT2とを表示させており、図示しない操作部を利用してユーザがいずれかの表示ボタンを選択できる構成となっている。「キャンセル」の表示ボタンBT2が選択される場合には、S11にてYesに進みS1以降の処理を再び繰り返すこととなる。一方「転送」の表示ボタンBT1が選択される場合には、S11にてNoに進み、識別マークMKと対応付けられた情報コード(図12の例では図5、図6に示す情報コードQ2)の選択を確定させてその情報コードのデコード結果を出力する(S12)。」との記載、同じく段落0093の「デコードされたデータ(選択された情報コードの内容)は液晶表示装置46に出力したり、通信インタフェース48を介してホストコンピュータHSTに出力する。」との記載、及び上記(1)クに摘記した図12の記載から、引用文献1には、“S10の処理では、識別マークMKを、S8の処理によって選択される情報コードの位置に移動させ、どの情報コードが選択されたかをユーザに視覚的に認識させ、液晶表示器46に「転送」という表示ボタンBT1と、「キャンセル」という表示ボタンBT2とを表示させ、ユーザによって「キャンセル」の表示ボタンBT2が選択される場合には、S1以降の処理を再び繰り返す一方、「転送」の表示ボタンBT1が選択される場合には、識別マークMKと対応付けられた情報コードの選択を確定させてその情報コードのデコード結果を通信インタフェース48を介してホストコンピュータHSTに出力(S12)する”ことが記載されていると認められる。

セ 上記ア〜スの検討から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして構成され、受光センサ23、増幅回路31、A/D変換回路、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46、及び通信インタフェース48から構成される光学的情報読取装置1における制御回路40によって実行される読取処理の方法であって、(段落0045、0059、図1、図2)
作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、照明光Lfを照射し、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口を介して結像レンズ27に入射し、受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され、受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶される画像取得処理(S1)が実行され、(段落0056、0057、0059、図2)
前記画像取得処理がなされた後、取得画像を液晶表示器46に表示する処理(S2)が行われ、(段落0059、図2)
S1にて取得した画像データ内に含まれる情報コードの全てをデコードする処理(S3)を行い、(段落0060、図2)
その後、デコードが正常に行われたか否かを判断(S4)し、(段落0061、図2)
S4においてデコードが正常に行われたと判断される場合(少なくとも1つのデコード結果が得られた場合)には、取得した画像データに情報コードが複数含まれているか否かを判断(S5)し、(段落0062、図2)
取得した画像データに複数の情報コードが含まれる場合には、ユーザによって行われる光学的情報読取装置1の操作方向及び操作量を検出する処理である操作検出処理(S6)が行われ、(段落0063、図2)
次に、各領域の優先順位を設定する優先順位設定処理であって、前記優先順位は、複数ある情報コードのうちのいずれを選択するか判断する際に判断指標となるものである、優先順位設定処理(S7)を行い、(段落0073、図2)
S7の処理が終わると、S7にて設定された各領域のポイント値(優先順位)に基づき、取得画像に複数含まれる情報コードの中からいずれかの情報コードを選択する処理である情報コード選択処理(S8)が行われ、(段落0087、図2)
S8においてデコードすべき1つの情報コードが選択できたか否かを判断し、1つの情報コードが選択できた場合には、確認画面を表示する処理(S10)を行い、(段落0090、図2)
S10の処理では、識別マークMKを、S8の処理によって選択される情報コードの位置に移動させ、どの情報コードが選択されたかをユーザに視覚的に認識させ、液晶表示器46に「転送」という表示ボタンBT1と、「キャンセル」という表示ボタンBT2とを表示させ、ユーザによって「キャンセル」の表示ボタンBT2が選択される場合には、S1以降の処理を再び繰り返す一方、「転送」の表示ボタンBT1が選択される場合には、識別マークMKと対応付けられた情報コードの選択を確定させてその情報コードのデコード結果を通信インタフェース48を介してホストコンピュータHSTに出力(S12)する、(段落0091〜0093、図2、図12)
方法。」

2.引用文献2について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2006−004037号公報)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付加したものである。以下同様。)

ア 「【0018】
図2は、一度に読み取られた複数のコードパターンのイメージ表示に対応付けて合成表示される識別マークを説明するための図である。なお、図中、破線で示した矩形領域は、コードパターンCDのイメージ表示領域を示している。
ここで、図2(A)は、デコード対象として任意に選択指定されたコードパターンのイメージ表示に対応付けて合成表示される識別マーク(実線の円形マーク)を示している。図2(B)は、デコード対象として選択されない非選択のコードパターンのイメージ表示に対応付けて合成表示される識別マーク(破線の円形マーク)を示している。図2(C)は、正常にデコードされたコードパターンのイメージ表示に対応付けて合成表示される識別マーク(二重の円形マーク)を示し、(D)は、正常にデコードすることができなかったコードパターンのイメージ表示に対応付けて合成表示される識別マーク(×マーク)を示している。
以下、この実施例の特徴部分を詳述する前に、この実施例のハードウェア上の構成について以下、説明しておく。」

イ 「【0040】
また、上述した図9においては、二重の円形マークで囲まれたコードパターン、つまり、デコード対象として選択指定され、かつ、正常にデコードすることができたコードパターンが1つの場合を例示したが、二重の円形マークで囲まれたコードパターンが複数個表示されている場合において、現在表示されているデコード結果は、この複数個のコードパターンのうち、何れのコードパターンに対応するものかを識別可能とするために、当該コードパターンを囲む二重の円形マークを点滅表示によって明示するようにしてもよい。この場合、切り換え操作に応答して次ぎのデコード結果に切り換え表示させると共に、それに連動して円形マークの点滅表示も切り換えるようにしてもよい。」

ウ 「図2



エ 「図9



オ 上記ア〜エの記載から、引用文献2には、「デコード対象として選択指定され、かつ、正常にデコードすることができたコードパターンのイメージ表示に対応付けて識別マーク(二重の円形マーク)を合成表示する」との技術的事項が記載されている。


第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア(ア)本願明細書の段落0098の「[00112] A1.装置は、プロセッサと、メモリと、復号可能証印のイメージを得るように構成されるイメージング・サブシステムと、ディスプレイと、通信インタフェースとを有し、」との記載、及び同じく段落0098の「A3.(A1)の装置において、前記イメージング・サブシステムが、前記イメージング・サブシステムの視野内に位置するオブジェクトによって反射した光を表すアナログ信号を出力するように構成される二次元イメージ・センサと、前記イメージ・センサから読み出された前記アナログ信号を増幅することによって、増幅されたアナログ信号を出力するように構成される増幅器と、前記増幅されたアナログ信号を、獲得した前記イメージを表すデジタル信号に変換するように構成されるアナログ−デジタル(A/D)コンバータとを含む。」との記載を参酌すると、本願発明1の「イメージング・サブシステム」は、「復号可能証印のイメージを得るように構成される」ものであって、「二次元イメージ・センサ」、「増幅器」及び「アナログ−デジタル(A/D)コンバータ」を含むものであると認められる。
一方、引用発明は、「制御回路40によって実行される読取処理の方法であって」、「作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、照明光Lfを照射し、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口を介して結像レンズ27に入射し、受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され、受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶される画像取得処理(S1)が実行され」るものであるから、引用発明の「受光センサ23」、「増幅回路31」及び「A/D変換回路」を合わせた構成は、「情報コードCの画像を含んだ画像データ」を得るように構成されているといえる。
ここで、引用発明の「情報コードCの画像を含んだ画像データ」は、“復号可能証印のイメージ”に対応するものといえ、また、引用発明の「受光センサ23」、「増幅回路31」及び「A/D変換回路」は、本願発明1の「二次元イメージ・センサ」、「増幅器」及び「アナログ−デジタル(A/D)コンバータ」にそれぞれ相当するといえる。
そうすると、引用発明の「受光センサ23」、「増幅回路31」及び「A/D変換回路」を合わせた構成は、“復号可能証印のイメージを得るように構成され”、かつ、「二次元イメージ・センサ」、「増幅器」及び「アナログ−デジタル(A/D)コンバータ」を含むものである点で、本願発明1の「イメージング・サブシステム」に相当する。
(イ)引用発明の「液晶表示器46」は本願発明1の「ディスプレイ」に相当する。
(ウ)引用発明の「情報コードC」は「読取処理」の対象である点で本願発明1の「オブジェクト」に相当し、引用発明の「情報コードCの画像を含んだ画像データ」は、「液晶表示器46に表示」されるから、本願発明1の「ディスプレイに表示」される「オブジェクトのイメージ」に相当する。
(エ)引用発明は、「情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口を介して結像レンズ27に入射し、受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され」るものであるところ、「読取口を介して結像レンズ27に入射し」、「受光センサ23の受光面23a」に結像される「情報コードCの像」は、受光センサ23の“視野内”の画像であるといえるから、上記(ア)及び(ウ)の検討も踏まえると、引用発明の受光センサ23の“視野内”の「情報コードCの像」は、本願発明1の「イメージング・サブシステムの視野内のオブジェクトのイメージ」に相当する。
(オ)上記(ア)〜(エ)の検討から、引用発明の「作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすることで、照明光Lfを照射し、情報コードCに照射された照明光Lfが反射しその反射光Lrが読取口を介して結像レンズ27に入射し、受光センサ23の受光面23aには、情報コードCの像、つまりコード画像が結像され、受光センサ23から出力される信号データは増幅回路31で増幅された後、A/D変換回路にてデジタル信号に変換され、情報コードCの画像を含んだ画像データとしてメモリ35内に記憶される画像取得処理(S1)」と「前記画像取得処理がなされた後、取得画像を液晶表示器46に表示する処理(S2)」は、本願発明1の「イメージング・サブシステムが、該イメージング・サブシステムの視野内のオブジェクトのイメージをディスプレイに表示するステップ」に相当する。

イ(ア)引用発明の「光学的情報読取装置1」は、「受光センサ23」、「増幅回路31」及び「A/D変換回路」を有するものであるから、上記ア(ア)の検討を踏まえると、本願発明1の「イメージング・サブシステムを有するデバイス」に相当するといえる。
(イ)引用発明の「情報コード」は、「バーコードや二次元コード」が想定されているものであるから、本願発明1の「復号可能な証印」に相当する。
(ウ)引用発明は、「S1にて取得した画像データ内に含まれる情報コードの全てをデコードする」ものであるところ、画像データ内に含まれる複数の情報コードをデコードする際に、それぞれの情報コードの“位置を突き止める”ことは当然行われることである。
(エ)上記(ア)〜(ウ)の検討から、引用発明と本願発明1とは、“前記イメージング・サブシステムを有するデバイスが、取得されたイメージ内で複数の復号可能な証印の位置を突き止めるステップ”を有する点で一致する。

ウ 引用発明は、「S1にて取得した画像データ内に含まれる情報コードの全てをデコードする」ものであるから、上記イの検討も踏まえると、引用発明と本願発明1とは、“前記デバイスが、前記位置が突き止められた複数の復号可能な証印を復号化するステップ”を有する点で一致する。

エ 引用発明は、「取得画像に複数含まれる情報コードの中からいずれかの情報コードを選択する処理である情報コード選択処理(S8)が行われ」、「S8においてデコードすべき1つの情報コードが選択できたか否かを判断し、1つの情報コードが選択できた場合には、確認画面を表示する処理(S10)を行い」、「ユーザによって」「「転送」の表示ボタンBT1が選択される場合には」、「その情報コードのデコード結果を通信インタフェース48を介してホストコンピュータHSTに出力(S12)する」ものであるから、引用発明は、“取得画像に複数含まれる情報コードの中から1つの情報コードを選択して、その情報コードのデコード結果をホストコンピュータHSTに出力する”ものである。
そうすると、引用発明と、「前記デバイスが、前記表示されたイメージ内の前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップであって、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印の選択が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示し、該送信順序が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信する順序を特定するものである、送信順序を示すユーザ入力を受信するステップ」と、「前記デバイスが、前記選択されたうまく復号化された復号可能な証印の各々に対応する前記復号化されたメッセージを前記受信された送信順序で前記外部コンピュータに送信するステップ」とを有する本願発明1とは、後記する点で相違するものの、“前記デバイスが、前記表示されたイメージ内のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップと”、“前記デバイスが、前記選択されたうまく復号化された復号可能な証印の前記復号化されたメッセージを前記外部コンピュータに送信するステップ”とを有する点で共通する。

オ 引用発明の「読取処理の方法」は、上記ア〜エで検討した構成を有する点で、本願発明1の「方法」と共通する。

カ 上記ア〜オの検討から、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
イメージング・サブシステムが、該イメージング・サブシステムの視野内のオブジェクトのイメージをディスプレイに表示するステップと、
前記イメージング・サブシステムを有するデバイスが、取得されたイメージ内で複数の復号可能な証印の位置を突き止めるステップと、
前記デバイスが、前記位置が突き止められた複数の復号可能な証印を復号化するステップと、
前記デバイスが、前記表示されたイメージ内のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップと、
前記デバイスが、前記選択されたうまく復号化された復号可能な証印の前記復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信するステップと、
を有することを特徴とする方法。

(相違点)
(相違点1)本願発明1は、「前記デバイスが、前記表示されたイメージ内で、前記複数の復号可能な証印の中の2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を視覚的にマーク付けするステップ」を有するのに対して、引用発明は、そのようなステップを有していない点。

(相違点2)本願発明1は、表示されたイメージ内の「2つ以上の」復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップであって、「前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印の選択が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示し、該送信順序が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信する順序を特定するものである、送信順序を示すユーザ入力を受信するステップ」を有するのに対して、引用発明は、そのようなステップを有するものではない点。

(相違点3)本願発明1は、前記デバイスが、前記選択された復号可能な証印の「各々に対応する」前記復号化されたメッセージを「前記受信された送信順序で」前記外部コンピュータに送信するのに対して、引用発明はそのようになっていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2及び相違点3について先に検討する。
原査定で引用された引用文献2には、上記第5の2.に記載したとおり、「デコード対象として選択指定され、かつ、正常にデコードすることができたコードパターンのイメージ表示に対応付けて識別マーク(二重の円形マーク)を合成表示する」との技術的事項が記載されているものの、本願発明1の上記相違点2及び3に係る構成である「前記デバイスが、前記表示されたイメージ内の前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印を選択するユーザ入力を受信するステップであって、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印の選択が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する送信順序を示し、該送信順序が、前記2つ以上のうまく復号化された復号可能な証印に対応する復号化されたメッセージを外部コンピュータに送信する順序を特定するものである、送信順序を示すユーザ入力を受信するステップと」、「前記デバイスが、前記選択されたうまく復号化された復号可能な証印の各々に対応する前記復号化されたメッセージを前記受信された送信順序で前記外部コンピュータに送信するステップと」を有する方法を開示するものではない。
また、上記相違点2及び3に係る構成は、本願の優先日前に当該技術分野における周知技術であったとはいえず、また、自明な事項であるともいえない。
したがって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2−8について
本願発明2−8は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明1の上記相違点2及び3に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定について
<理由1(特許法第29条第2項)について>
令和3年9月27日付けの手続補正で補正された請求項1−8は、上記相違点2及び3に係る構成を有するものであり、上記のとおり、本願発明1−8は、上記引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2022-06-03 
出願番号 P2019-192603
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06K)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 田中 秀人
特許庁審判官 須田 勝巳
山澤 宏
発明の名称 多数の復号可能な証印を処理するための方法  
代理人 宮前 徹  
代理人 山本 修  
代理人 上田 忠  
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