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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A47B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A47B
管理番号 1386088
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-09-30 
確定日 2022-02-10 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6675154号発明「天板昇降式什器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6675154号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−3〕について訂正することを認める。 特許第6675154号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 
理由 特許第6675154号の請求項1ないし3に係る特許についての出願は、平成27年4月30日に出願され、令和2年3月12日にその特許権の設定登録がされ、同年4月1日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、同年9月30日に特許異議申立人 高松直樹により、本件特許の請求項1ないし3に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、同年12月10日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である令和3年2月12日に特許権者より訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人から同年4月12日付けで意見書の提出がされた。
これに対して、令和3年6月11日付けで請求項1〜3の訂正を認めるととともに、請求項1〜3に対して取消理由(決定の予告)を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは何らの応答もない。

そして、上記の取消理由(決定の予告)は妥当なものと認められるので、請求項1〜3に係る特許は、この取消理由によって取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この決定に対する訴えは、この決定の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】天板昇降式什器
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降式の天板を備えたデスク装置、テーブル装置、カウンター装置等の天板昇降式什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等の執務空間においては、執務者に作業エリアを提供するためにデスク装置(デスク)が配設されているのが一般的である。執務者の体格や性別、嗜好によって作業のし易いデスク装置の天板高さは、個々によって大きく異なっている。そこで、天板高さを上下方向に変更可能とした天板昇降式デスクが使用されている。こうした天板昇降式デスクを用いることによって、執務者の要望に応じた天板高さの作業エリアを提供することができ、作業効率を向上するとともに、執務者の体への負荷を低減することができる。
【0003】
天板高さを上下方向に変更するための手段としては、ガススプリングを用いる方法、ギアを用いる方法等が提案されている(例えば、下記特許文献1及び2参照)。これらの方法によれば、比較的簡易的な構造とし、コストを安く抑えることができる。また、執務者の操作性を良好にするために電動式の昇降機構ユニットを用いる方法が多く採用されている(例えば、下記特許文献3から5参照)。この方法によれば、執務者が容易な操作で天板高さを変更できる。
【0004】
また、対向配置及び隣接配置された複数の天板と、各天板の高さを調整可能に支持する脚体と、を備えた昇降テーブルが提案されている。このような昇降テーブルでは、複数の天板で脚体を共通としながら、各天板の高さをそれぞれ調整することができる(下記特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3371959号公報
【特許文献2】特許第3391285号公報
【特許文献3】実用新案登録第3164739号公報
【特許文献4】特開2014−113505号公報
【特許文献5】特開2014−140753号公報
【特許文献6】特開2014−217740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献6に記載の昇降テーブル等の天板昇降式什器では、天板が対向配置されているため、天板に向かう利用者は、互いに対向姿勢となり、互いの視線が気になり作業に集中しにくくなるという問題点がある。
また、視線を遮断するために、複数の天板の間に空間を区画する仕切パネルを配置すると、天井等に設けられた照明装置の照明が仕切パネルで遮断され、天板上で十分な照度を確保できないという問題点もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、個別空間を確保しつつ、天板部上の照度を確保することができる天板昇降式什器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
また、本発明に係る天板昇降式什器は、前記透光性パネル部は、前記中間構造体の上部に着脱可能に装着されていることが好ましい。
【0011】
このように構成された天板昇降式什器では、透光性パネル部を中間構造体の上部に装着して個別空間を確保できるとともに、透光性パネル部を取り外して中間構造体の上方を開放的な空間とすることもできる。
【0014】
また、本発明に係る天板昇降式什器は、前記中間構造体は、鉛直面に沿って配置されたパネル状の部材であってもよい。
【0015】
このように構成された天板昇降式什器では、一対の天板部間に鉛直面に沿って配置されたパネル状の部材により、一方の天板部側の空間と、他方の天板部側の空間とが区画される。よって、全体としてコンパクトな構成としつつ、個別空間を確実に確保することができる。
【0016】
また、本発明に係る天板昇降式什器は、互いに対向配置される一対の天板部と、上下方向に伸縮することで前記天板部を昇降可能に支持するとともに、前記天板部同士を連結する支持体と、前記一対の天板部間に配置された中間構造体と、前記中間構造体の上部に設けられ、透光性を有する透光性パネル部と、を備え、前記支持体は、前記一対の天板部が対向する対向方向と交差する交差方向に離間して、床面上に設けられた一対の基部を有し、前記中間構造体は、前記一対の基部に支持され、昇降動作する各天板部の互いに対向する側を閉塞していてもよい。
【0017】
このように構成された天板昇降式什器では、床面上に交差方向に離間して設けられた一対の基部が中間構造体を支持するため、中間構造体を安定して設置することができる。
また、一対の天板部、一対の基部、中間構造体及び透光性パネル部を、一体にユニット化することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る天板昇降式什器によれば、個別空間を確保しつつ、天板部上の照度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態の変形例1に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第一実施形態の変形例2に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態の変形例3に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態の変形例4に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第一実施形態の変形例5に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第一実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る天板昇降式什器の一例としてデスク装置について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【0025】
図1に示すように、デスク装置10は、天板部20A,20Bと、天板部20A,20Bを支持する脚体(支持体)11と、脚体11に支持された中間仕切パネル(中間構造体)16と、中間仕切パネル16の上部に装着される透光性パネル(透光性パネル部)30,30と、を備えている。
【0026】
天板部20A,20Bは、それぞれ平面視長方形の天板21A,21Bを有している。天板21A,21Bは、平面視した状態で、それぞれの短辺方向において互いに対向している。
ここで、以下の説明において、天板21A,21Bが互いに対向する方向(短辺方向)を対向方向、天板21A,21Bの長手方向に沿った方向を幅方向(交差方向)、デスク装置10が設置される床面Fに直交する方向を上下方向と適宜称する。
【0027】
天板21A,21Bは、幅方向両端部の下面に、対向方向に延びる支持ブラケット23をそれぞれ有している。天板21A,21Bは、これら支持ブラケット23,23を介して、幅方向両端部に位置する脚体11,11の後述する第三筒部13zの上端に連結されている。
【0028】
また、天板21A,21Bの幅方向両側部には、各天板21A,21Bを上下に貫通する配線挿通孔(不図示)が設けられている。配線挿通孔には、配線キャップ21Zが嵌合されている。
【0029】
脚体11は、床面Fに沿って設けられるベース部材(基部)12,12と、各ベース部材12上に設けられて上下方向に延び天板部20A,20Bを支持する支持脚部材13,13と、を有している。この脚体11を介して、天板部20A,20Bは連結されている。
【0030】
ベース部材12,12は、幅方向に沿って間隔を空けて配置され、デスク装置10の幅方向両端部に位置するよう設けられている。各ベース部材12の下面には、対向方向の両端部に床面Fに接地する接地部材12f,12fが設けられている。各接地部材12fは、ベース部材12から下方への突出寸法が調整可能である。これにより、ベース部材12の高さおよび水平レベルを調整できるようになっている。
【0031】
各支持脚部材13は、各ベース部材12に長さ方向(天板21A,21Bの対向方向)に離間して設けられている。各支持脚部材13は、ベース部材12の上面12uに固定された第一筒部13xと、第一筒部13x内に上下方向に移動可能に挿入された第二筒部13yと、第二筒部13y内に上下方向に移動可能に挿入された第三筒部13zと、を有している。第一筒部13x、第二筒部13y、第三筒部13zは、それぞれ角筒状をなしている。各支持脚部材13は、第一筒部13xに対し、第二筒部13y、第三筒部13zが上下方向に沿って出没することで、上下方向の長さが調整可能となっている。
【0032】
さらに、デスク装置10は、支持脚部材13の動作を制御する制御ユニット(不図示。以下同じ。)と、制御ユニットに昇降動作信号を入力するための操作部19と、を備えている。
制御ユニットは、例えば、天板21A,21Bの下面等に固定されている。この制御ユニットには、デスク装置10が配置される執務空間に設けられた商用電源に接続される電源ケーブル(不図示。以下同じ。)が接続されている。
【0033】
操作部19は、天板21A,21Bの下面に設けられている。操作部19は、制御ユニットに、配線ケーブル(不図示。以下同じ。)を介して電気的に接続されている。
利用者が操作部19に対して所定の操作を入力すると、操作部19から配線ケーブルを介し、制御ユニットに操作信号が送信される。制御ユニットは、操作部19から操作信号を受信すると、受信した信号に基づいて支持脚部材13に昇降動作を実行させる指令信号を出力する。各支持脚部材13は、指令信号を受信すると、その指令信号に応じて、例えば各支持脚部材13に内蔵された伸縮駆動装置(不図示)によって伸縮駆動され、これによって天板部20A,20Bの高さの調整がなされる。
【0034】
中間仕切パネル16は、天板部20A,20B間に配置され、鉛直面内に位置している。中間仕切パネル16は、ベース部材12,12の上面12u,12uに設けられたパネル脚16a,16aと、パネル脚16a,16aに支持されたパネル本体16bと、を有している。
【0035】
パネル本体16bは、天板21A,21Bの対向方向に所定の厚みを有し、天板21A,21Bの幅方向に沿って配置されている。パネル本体16bの表面には、布が張設されている。また、パネル本体16bの表面には、板厚方向に凹む凹部16dが複数形成されている。
【0036】
また、パネル本体16bの上面16eには、下方に向かって凹む格納空間部16f,16fが形成されている。格納空間部16f,16fは、天板21A,21Bの幅方向に離間して設けられている。
【0037】
透光性パネル30は、中間仕切パネル16の上部に着脱可能に装着される。透光性パネル30は、アクリル樹脂等、光透過性を有した透過性材料により形成されている。
【0038】
透光性パネル30は、パネル本体16bの格納空間部16fに格納された格納状態と、格納空間部16fから突出した使用状態とで、位置変更可能とされている。
【0039】
例えば、利用者は、格納状態から、透光性パネル30の上部に設けられた板厚方向の貫通孔30hに指をかけて、透光性パネル30を引き上げる。そして、透光性パネル30を所定の高さまで引き上げたところで、パネル本体16bに設けられた板厚方向の貫通孔(不図示。以下同じ。)にピン(不図示。以下同じ。)を挿入する。このピンが透光性パネル30の下面に係合することで、透光性パネル30はこれ以上下方に移動することがなく、所定の高さに維持され、使用状態とされる構成であってもよい。また、ピンを貫通孔から引き抜くと、透光性パネル30が格納空間部16f内を下方に移動して、格納空間部16f内に格納され、格納状態に戻る。
【0040】
上記に示すデスクシステム1Aでは、操作部19を操作して、天板部20A,20Bをそれぞれ所定の高さに設定することができる。そして、天板部20A,20Bの間に配置された中間仕切パネル16により、天板部20A側の空間S1と、天板部20B側の空間S2とが、区画される。
【0041】
このように構成されたデスク装置10では、天板部20A,20B間に配置された中間仕切パネル16及び中間仕切パネル16の上部に設けられた透光性パネル30により、天板部20A側の空間S1と、天板部20B側の空間S2とが区画されるため、個別空間を確保することができる。
また、例えば天井等に設けられた照明装置(不図示。以下同じ。)の照明T(図1参照)は、透光性パネル30を通過して、照明装置が設けられた側の空間とは反対側の空間に到達する。よって、照明が両方の天板部20A,20B上に到達するため、各天板部20A,20B上の照度を確保することができる。
【0042】
また、透光性パネル30を中間仕切パネル16の上部に設ける場合には、透光性パネル30を格納空間部16fから突出させ、使用状態にする。また、透光性パネル30を中間仕切パネル16の上部に設けない場合には、透光性パネル30を格納空間部16fに格納する。よって、使用状態と格納状態とに適宜対応できる。さらに、透光性パネル30を中間仕切パネル16の上部に設けない場合には、透光性パネル30を中間仕切パネル16の内部に格納できるため体裁が良いとともに、中間仕切パネル16の上方を開放的な空間とすることができる。
【0043】
また、天板部20A,20B間に鉛直面に沿って配置されたパネル状の中間仕切パネル16により、天板部20A側の空間S1と、天板部20B側の空間S2とが区画される。よって、全体としてコンパクトな構成としつつ、個別空間を確実に確保することができる。
【0044】
また、床面F上に天板21A,21Bの幅方向に離間して設けられたベース部材12,12が中間仕切パネル16を支持するため、中間仕切パネル16を安定して設置することができる。
また、天板部20A,20B、ベース部材12,12、中間仕切パネル16及び透光性パネル30を、一体にユニット化することができる。
【0045】
(変形例1)
上記に示す変形例1について、主に図2を用いて説明する。
図2は、本発明の第一実施形態の変形例1に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
以下の変形例、他の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図2に示すように、透光性パネル30Aは、中間仕切パネル16の上部に装着される取付部31Aと、光透過性を有した透過性材料により形成されたパネル本体32Aと、を有している。
【0047】
取付部31Aの下面31dには、上方に向かって凹む凹部(不図示。以下同じ。)が形成されている。凹部は、透光性パネル30Aの幅方向に沿って形成されている。この凹部には、中間仕切パネル16の上部が挿入可能とされている。
【0048】
また、取付部31Aの上面31uには、下方に向かって凹む凹部31eが形成されている。凹部31eは、透光性パネル30Aの幅方向に沿って形成されている。この凹部31eに、パネル本体32Aの下部が挿入され、嵌合されている。
【0049】
上記において、透光性パネル30Aを中間仕切パネル16の上部に設ける場合には、透光性パネル30Aの凹部に中間仕切パネル16の上部を嵌め込む。
【0050】
(変形例2)
上記に示す変形例2について、主に図3を用いて説明する。
図3は、本発明の第一実施形態の変形例2に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【0051】
図3に示すように、透光性パネル30Bは、光透過性を有した透過性材料により形成されている。透光性パネル30Bの下部において、幅方向中央側には、下方に向かって突出する突出部31Bが形成されている。
【0052】
中間仕切パネル16Bの上部において、幅方向中央側には、下方に向かって凹む凹部16gが形成されている。凹部16gには、透光性パネル30Bの突出部31Bが挿入可能とされている。
【0053】
上記において、透光性パネル30Bを中間仕切パネル16Bの上部に設ける場合には、透光性パネル30Bの突出部31Bを中間仕切パネル16Bの凹部16gに嵌め込む。
【0054】
(変形例3)
上記に示す変形例3について、主に図4を用いて説明する。
図4は、本発明の第一実施形態の変形例3に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【0055】
図4に示すように、透光性パネル30Cは、光透過性を有した透過性材料により形成されている。透光性パネル30Cの下部において、幅方向中央側には、下方に向かって突出する取付部31C,31Cが設けられている。
【0056】
取付部31C,31Cは、透光性パネル30Cの幅方向に離間して設けられている。各取付部31Cは、上向きコ字状に形成された挟持部32Cと、挟持部32Cの下部から下方に延びる挿入部33Cと、を有している。挟持部32Cの対向する一対の側壁部どうしは、透光性パネル30Cを挟持している。
【0057】
中間仕切パネル16Cの上部において、幅方向両端側には、下方に向かって凹む凹部16h,16hが形成されている。各凹部16hには、それぞれ透光性パネル30の挿入部33Cが挿入可能とされている。
【0058】
上記において、透光性パネル30Cを中間仕切パネル16Cの上部に設ける場合には、透光性パネル30Cの挿入部33Cを中間仕切パネル16Cの凹部16hに嵌め込む。
【0059】
(変形例4)
上記に示す変形例4について、主に図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第一実施形態の変形例4に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【0060】
図5に示すように、透光性パネル30D,30Eは、光透過性を有した透過性材料により形成されている。透光性パネル30D,30Eは、それぞれ上部及び下部が平面状に形成されるとともに、上下方向中間部が湾曲している。透光性パネル30Dは、天板部20A(図1参照)側の空間S1側に向かって湾曲している。透光性パネル30Eは、天板部20B側の空間S2(図1参照)側に向かって湾曲している。
【0061】
中間仕切パネル16Dの上部において、下方に向かって凹む凹部16i,16iが形成されている。凹部16i,16iは、中間仕切パネル16Dの幅方向に離間して形成されている。
【0062】
上記において、透光性パネル30D,30Eを中間仕切パネル16Dの上部に設ける場合には、透光性パネル30D,30Eの下部を中間仕切パネル16Dの凹部16i,16iに嵌め込む。
【0063】
(変形例5)
上記に示す変形例5について、主に図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第一実施形態の変形例5に係る天板昇降式什器の透光性パネル部の構成を示す斜視図である。
【0064】
図6に示すように、透光性パネル部30Fは、光透過性を有した透過性材料により形成されている。透光性パネル部30Fは、中間仕切パネル16Fの上部に形成された貫通部16jに嵌め込まれている。
【0065】
(第二実施形態)
上記に示す第二実施形態について、主に図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第二実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
図7に示すように、デスク装置10Aは、天板部20A,20Bと、脚体(支持体)11と、ベース部材12,12どうしを連結する連結ビーム14と、連結ビーム14に取り付けられた支柱15及び透光性パネル(透光性パネル部)30G,30Gと、支柱15に支持された照明装置40と、を有している。
本実施形態では、連結ビーム14が中間構造体を構成している。
【0066】
連結ビーム14は、門型に形成されている。連結ビーム14は、各ベース部材12の上面12uから立ち上がる連結脚14aと、連結脚14a,14aどうしを連結する横架材14bと、を有している。
【0067】
支柱15は、連結ビーム14の横架材14bに図示しないネジ等により取り付けられている。支柱15は、照明装置40を支持している。
【0068】
照明装置40は、図示しない電球や発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等が設けられた発光部41と、発光部41を覆うカバー部42,42と、を有している。カバー部42,42は、発光部41から天板21A,21Bの対向方向にそれぞれ延びている。
【0069】
透光性パネル30Gは、アクリル樹脂等、光透過性を有した透過性材料により形成されている。透光性パネル30Gは、連結ビーム14の横架材14bの上部に、図示しない取付金具等を介して固定されている。この透光性パネル30Gは、天板21Aと天板21Bとの間に配置され、鉛直面内に位置している。透光性パネル30G,30Gは、天板21A(天板21B)の幅方向に沿って、離間して配置されている。この透光性パネル30G,30G間に、支柱15が配置されている。支柱15に支持された照明装置40は、透光性パネル30Gの上方に配置されている。
また、天板部20A,20Bに沿って椅子Dを適宜設置することもできる。
【0070】
このように構成されたデスク装置10Aでは、上下方向に伸縮することで各天板部20A,20Bを昇降可能に支持する支持脚部材13は、ベース部材12に設けられている。ベース部材12,12どうしは、連結ビーム14で連結されている。照明装置40は、連結ビーム14に取り付けられた支柱15に支持されている。このように、照明装置40は、支柱15及び連結ビーム14を介して、ベース部材12に支持されている。よって、照明装置40は天板部20A,20Bを支持する支持脚部材13とは異なる部材に支持されているため、天板部20A,20Bの昇降にかかわらず照明装置40を安定的に支持することができる。
また、照明装置40は一対の天板部20A,20Bの間に配置されているため、一対の天板部20A,20Bそれぞれを照らすことができる。よって、各天板部20A,20B上の照度を確保することができる。
【0071】
また、連結ビーム14から上方に向かって延びる支柱15が照明装置40を支持するため、照明装置40を高い場所に設けることができる。よって、天板部20A,20B上を上方から照らすことができる。
【0072】
また、天板部20A,20B、ベース部材12,12、支持脚部材13,13…、連結ビーム14、支柱15及び透光性パネル30Gを、一体にユニット化することができる。
【0073】
また、天板部20A,20Bの間に配置された透光性パネル30Gにより、天板部20A側の空間S1と、天板部20B側の空間S2とが、区画される。よって、天板部20A,20Bを利用する利用者それぞれに、個人のスペースである空間部S1,S2を提供することができる。
【0074】
また、照明装置40が透光性パネル30Gの上方に配置されているため、各天板部20A,20Bを透光性パネル30Gの上方から照らすことができる。また、天井等に設けられた照明装置(不図示。以下同じ。)の照明T(図1参照)は、透光性パネル30Gを通過して、照明装置が設けられた側の空間とは反対側の空間に到達する。よって、照明が両方の天板部20A,20B上に到達するため、各天板部20A,20B上の照度を確保することができる。
【0075】
また、連結ビーム14の横架材14bの高さが高い場合には、天板部20A,20Bを利用する利用者は、横架材14bの下方に脚を入れることができるため、デスクシステム1Aの使い勝手を良好にすることができる。
【0076】
(第三実施形態)
上記に示す第三実施形態について、主に図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第三実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【0077】
図8に示すように、デスク装置10Hは、天板部20A,20Bと、脚体(支持体)11と、ベース部材12,12どうしを連結する連結ビーム14と、連結ビーム14に取り付けられた支柱15C,15Cと、支柱15C,15C間に設けられた透光性パネル(透光性パネル部)30Hと、支柱15C,15Cに支持された照明装置40Hを有している。
【0078】
一対の支柱15C,15Cは、連結ビーム14の横架材14bの幅方向の両端部にそれぞれ取り付けられている。一対の支柱15C,15Cの上端部どうしは、上部連結杆15Dにより連結されている。
【0079】
これら一対の支柱15C,15C間には、透光性パネル30Hが取り付けられている。透光性パネル30Hは、図示しないネジ等により支柱15Cに取り付けられている。また、一対の支柱15C,15Cの上部には、天板部20A,20Bの対向方向に連通された空間部SAが形成されている。
【0080】
照明装置40Hは、上部連結杆15Dに設けられた発光部41Hと、上部連結杆15Dから天板部20A,20Bの対向方向にそれぞれ延びるカバー部42H,42Hと、を有している。カバー部42Hは、アクリル樹脂等、光透過性を有した透過性材料により構成されている。これにより、発光部41Hの光線が、カバー部42Hを通過可能とされている。
【0081】
このように構成されたデスク装置10Hでは、照明装置40Hが天板部20A,20Bにおける幅方向にわたって設けられているため、天板部20A,20Bの幅方向にわたって明るさを確保することができる。
【0082】
(第四実施形態)
上記に示す第四実施形態について、主に図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第四実施形態に係る天板昇降式什器の斜視図である。
【0083】
図9に示すように、デスク装置10Iは、天板部20A,20Bと、脚体(支持体)11と、各天板部20A,20Bの上部に設けられた個別仕切パネル(個別仕切パネル部)16Iと、個別仕切パネル16Iの上部に着脱可能に装着された透光性パネル(透光性パネル部)30とを有している。
【0084】
個別仕切パネル16Iは、各天板部20A,20Bの互いに対向する側(利用者が天板部20A,20Bに対向する側と反対側)において、上方に延びるように取り付けられている。
【0085】
このように構成されたデスク装置10Iでは、各天板部20A,20Bに設けられた個別仕切パネル16I及び個別仕切パネル16Iの上部に設けられた透光性パネル30により、天板部20A側の空間S1と、天板部20B側の空間S2とが区画されるため、個別空間を確保することができる。
また、各天板部20A,20Bが脚体11により昇降して、図9に示すように天板部20Aが天板部20Bよりも高い位置に設定されても、天板部20Aに設けられた個別仕切パネル16Iにより、天板部20Aの利用者が天板部20Bの利用者を見下ろすことが抑制される。
また、例えば天井等に設けられた照明装置の照明Tは、透光性パネル30を通過して、照明装置が設けられた側の空間とは反対側の空間に到達する。よって、照明が両方の天板部20A,20B上に到達するため、各天板部20A,20B上の照度を確保することができる。
【0086】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0087】
例えば、上記実施形態では、天板付き什器として、デスク装置10を例示したが、これに限らず、デスク以外の例えばカウンター、テーブル等であってもよい。
【0088】
また、上記に示す実施形態において、中間構造体は、中間仕切パネル16や、連結ビーム14により構成されているが、本発明はこれに限られない。中間構造体は、天板部20A,20B間に配置された収納ボックス(不図示)等であってもよい。
【0089】
また、上記に示す実施形態において、中間仕切パネル16や、連結ビーム14は、ベース部材12に設けられているが、本発明はこれに限られない。中間構造体は、一対の天板部の間に配置されていればよく、床面Fに設置されていてもよい。
【0090】
また、中間構造体は、透光性パネル部と同様に、透光性を有する材料で形成されていてもよい。この場合には、中間構造体と透光性パネル部が一体として一枚の透光性を有する材料で形成されていてもよい。あるいは、透光性を有する中間構造体と透光性パネル部とが別体であって、透光性パネル部が中間構造体の上部に設けられていてもよい。
【0091】
なお、中間構造体の上部に透光性を有しないパネル状の部材を設けて、一方の天板側の空間と他方の天板側の空間とを区画することもできる。当該パネル状の部材が中間構造体に対して着脱可能とされていれば、必要に応じて装着して区画する形態とするとともに、不要な場合には取り外して中間構造体の上方を開放する形態とすることもでき、利便性が高い。
【符号の説明】
【0092】
10…デスク装置(天板昇降式什器)
11…脚体(支持体)
12…ベース部材(基部)
13…支持脚部材
16…中間仕切パネル(中間構造体)
20A,20B…天板部
30…透光性パネル(透光性パネル部)
40…照明装置
F…床面
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置される一対の天板部と、
上下方向に伸縮することで前記天板部を昇降可能に支持するとともに、前記天板部同士を連結する支持体と、
前記一対の天板部間に配置された中間構造体と、
前記中間構造体の上部に設けられ、透光性を有する透光性パネル部と、を備え、
前記支持体は、前記一対の天板部が対向する対向方向と交差する交差方向に離間して、床面上に設けられた一対の基部を有し、
前記中間構造体は、前記一対の基部に支持され、昇降動作する各天板部の互いに対向する側を閉塞していることを特徴とする天板昇降式什器。
【請求項2】
前記透光性パネル部は、前記中間構造体の上部に着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の天板昇降式什器。
【請求項3】
前記中間構造体は、鉛直面に沿って配置されたパネル状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の天板昇降式什器。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-12-20 
出願番号 P2015-093647
審決分類 P 1 651・ 121- ZAA (A47B)
P 1 651・ 537- ZAA (A47B)
最終処分 06   取消
特許庁審判長 住田 秀弘
特許庁審判官 土屋 真理子
長井 真一
登録日 2020-03-12 
登録番号 6675154
権利者 株式会社オカムラ
発明の名称 天板昇降式什器  
代理人 鈴木 三義  
代理人 松沼 泰史  
代理人 鈴木 三義  
代理人 松沼 泰史  

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