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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1386137
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-08-06 
確定日 2022-04-25 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6827834号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6827834号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6827834号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6827834号の請求項1、2に係る特許(以下、「本件特許1、2」という。)についての出願(以下、「本件特許出願」という。)は、平成29年2月10日に出願した特願2017−23314であって、令和3年1月22日にその特許権の設定登録がされ、同年2月10日に特許掲載公報が発行された。
その後、その特許に対し、同年8月6日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、当審において同年11月9日付けで取消理由を通知し、特許権者である株式会社三共は、その指定期間内である令和4年1月13日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)を行い、これに対して、申立人は、同年3月2日に意見書を提出した。

第2 本件訂正請求について
1 請求の趣旨
本件訂正請求の趣旨は、特許第6827834号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求める、というものである。

2 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、次のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すために当審で付した。
(1)訂正事項1
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
「前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なる、遊技機。」と記載されているのを、
「前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、
前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である、遊技機。」に訂正する。

(2)訂正事項2
願書に添付した特許請求の範囲の請求項2において、
「前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、請求項1に記載の遊技機。」と記載されているのを、
「遊技を行うことが可能な遊技機であって、
画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
音を出力する音出力手段と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、遊技機。」に訂正する。

(3)訂正事項3
願書に添付した明細書の【0007】において、
「(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、
画像(たとえば、図11(c)に示す発展アイコン)を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示を行うサブ制御部91)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53,54)と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(たとえば、図11に示す、第1前兆演出および第2前兆演出を実行するサブ制御部91)と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うことが可能である)、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出においては液晶表示器51の中央よりも上部に発展アイコンが表示されるのに対して、第2前兆演出においては液晶表示器51の中央に発展アイコンが表示されるように示唆表示が実行される)、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うときには、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される)、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なる。」と記載されているのを、
「(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、
画像(たとえば、図11(c)に示す発展アイコン)を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示を行うサブ制御部91)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53,54)と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(たとえば、図11に示す、第1前兆演出および第2前兆演出を実行するサブ制御部91)と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うことが可能である)、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出においては液晶表示器51の中央よりも上部に発展アイコンが表示されるのに対して、第2前兆演出においては液晶表示器51の中央に発展アイコンが表示されるように示唆表示が実行される)、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うときには、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される)、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、
前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である。」に訂正する。

(4)訂正事項4
願書に添付した明細書の【0008】において、
「このような構成によれば、第1演出および第2演出のいずれの演出においても示唆表示が実行され、かつ、いずれの演出においても示唆表示が実行されるときに同じ音が出力されるため、興趣の向上を図りつつ、示唆表示が実行されていることを分かりやすくすることができる。また、演出によって、示唆表示において表示される画像の位置が異なるため、遊技の興趣が向上する。
上記(1)に記載の遊技機において、
前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なっていてもよい。」と記載されているのを、
「このような構成によれば、第1演出および第2演出のいずれの演出においても示唆表示が実行され、かつ、いずれの演出においても示唆表示が実行されるときに同じ音が出力されるため、興趣の向上を図りつつ、示唆表示が実行されていることを分かりやすくすることができる。また、演出によって、示唆表示において表示される画像の位置が異なるため、遊技の興趣が向上する。
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
音を出力する音出力手段と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なっていてもよい。」に訂正する。

3 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」ことを限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであると認められる。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」ことを限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
(ア)訂正事項1のうち、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高」いとする訂正について、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)には、以下の記載がある。
「【0170】
サブ制御部91は、AT抽選時コマンドおよび内部当選コマンドに基づいて、ATおよびBBに当選したか否かを判断することができる。ATおよびBBのそれぞれに当選した場合と、BBのみに当選した場合と、ATだけに当選した場合と、ATおよびBBのいずれにも当選しなかった場合とで、異なる確率で前兆演出の実行に関する決定を行う。たとえば、ATおよびBBのそれぞれに当選した場合に、サブ制御部91は、10%の確率で前兆演出を実行しないことに決定し、70%の確率で第1前兆演出を実行することに決定し、20%の確率で第2前兆演出を実行することに決定する。」
「【0172】
また、ATおよびBBのいずれにも当選した場合は、いずれか一方にしか当選しなかった場合に比べて、第2前兆演出よりも第1前兆演出が実行される確率が高い。そのため、前兆演出が実行されるか否かということ以外にも、いずれの前兆演出が実行されるかにも遊技者の注目を集めることができる。」
これらの記載によれば、本件特許明細書には、ATおよびBB(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記特典」に対応する。)に関する期待度は、第1前兆演出(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記第1演出」に対応する。)の方が第2前兆演出(訂正事項1の「前記第2演出」に対応する。)よりも高いことが記載されているといえる。

(イ)訂正事項1のうち、「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」とする訂正について、本件特許明細書には、以下の記載がある。
「【0114】
図11(a)〜(c)を用いて、第1前兆演出について詳細に説明する。第1前兆演出においては、……そして、第3停止したときに、宝箱が開いて、宝箱の中から、連続演出に移行することを示す発展アイコンが出てくるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される。
【0115】
次に、図11(a’)〜(c’)を用いて、第2前兆演出について詳細に説明する。第2前兆演出においては、……そして、第3停止したときに、カーテンが全部開いて、カーテンで覆われていた連続演出に移行することを示す発展アイコンの全体が視認可能となるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54から第1前兆演出において発展アイコンが表示されるときに出力される音と同じアイコン表示音が出力される。……」
「【0127】
[示唆表示において表示されるアイコン(画像)]
示唆表示において表示されるアイコンを詳細に説明する。アイコンの一種である発展アイコンは、緑色の雲の中に発展という文字が描かれた画像である。つまり、発展アイコンは、発展という文字部分と、緑色の雲という形状と色彩とを結合させた意匠部分とから成る。……」
これらの記載によれば、本件特許明細書には、第1前兆演出が実行されるときに表示される発展アイコンの発展という文字(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に対応する。)と、第2前兆演出が実行されるときに表示される発展アイコンの発展という文字(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分に対応する。)とは、同一であることが記載されているといえる。

(ウ)以上のことから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の記載が本件訂正前の請求項1の記載を引用する形式であったものを、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へと書き改めるものである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の記載が本件訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項に書き改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

ウ 本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の記載が本件訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項に書き改めるものであるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正である。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正により、本件特許明細書の【0007】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正することで、明瞭でない記載の釈明をしようとするものであると認められる。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正により、本件特許明細書の【0007】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項1と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

ウ 本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正により、本件特許明細書の【0007】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項1と同様に、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正により、本件特許明細書の【0008】の記載が特許請求の範囲の請求項2の記載と整合が取れなくなったことを是正することで、明瞭でない記載の釈明をしようとするものであると認められる。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正により、本件特許明細書の【0008】の記載が特許請求の範囲の請求項2の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項2と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

ウ 本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正により、本件特許明細書の【0008】の記載が特許請求の範囲の請求項2の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項2と同様に、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(5)一群の請求項
本件訂正請求による訂正前の請求項1、2について、請求項2は請求項1の記載を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して請求項2が訂正されるものであるから、請求項1、2は一群の請求項である。
よって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとに請求をするものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。

(6)小括
上記(1)ないし(5)のとおり、本件訂正請求による訂正事項1ないし4は、特許法第120条の5第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とし、同条第4項の規定に適合し、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。

第3 本件訂正発明
上記第2のとおり、請求項1、2について本件訂正請求が認められるから、本件特許の請求項1、2に係る特許は本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項によりそれぞれ特定される次のとおりのものである(以下、本件特許の請求項1、2に係る発明をそれぞれ「本件訂正発明1」、「本件訂正発明2」という。)。なお、符号1A等は、分説するため当審が付した。分説された本件訂正発明の発明特定事項を、符号に基づき以下、「発明特定事項1A」等という。

「【請求項1】
1A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
1B 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
1C 音を出力する音出力手段と、
1D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
1E 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
1F 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
1G 前記示唆表示手段は、
1G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
1G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
1G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
1H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
1I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
1O 前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、
1P 前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である、
1J 遊技機。

【請求項2】
2A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
2B 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
2C 音を出力する音出力手段と、
2D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
2E 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
2F 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
2G 前記示唆表示手段は、
2G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
2G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
2G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
2H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
2I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
2K 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
2L 前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
2M 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、
2J 遊技機。」

第4 特許異議の申立てについて
1 申立ての理由の概要
申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出し、本件特許に対し次の理由を申し立てている。
(1)理由1
本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記録された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する。
よって、本件特許1は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(2)理由2
本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記録された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
よって、本件特許1は、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。
(3)理由3
本件訂正請求前の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記録された発明及び甲第2号証に開示された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
よって、本件特許2は、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。

<証拠方法>
甲第1号証:天下布武3激アツ&コミカル演出集 2016年9月8日 YouTube動画 URL https://www.youtube.com/watch?v=6X7g-nu89hU
甲第2号証:パチスロ必勝本2016年11月号 p28-p31、平成28年11月1日発行

2 取消理由の概要
請求項1に係る特許に対して令和3年11月9日付けで特許権者に通知した取消理由は、概略、次のとおりである。

進歩性)本件訂正請求前の本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった上記甲1に開示された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

3 令和4年1月13日付け意見書(特許権者提出)の概要
特許権者は、令和4年1月13日付け意見書において、本件訂正発明1は、当審が通知した取消理由を有しないため、取り消されるべきものではない旨を主張している。

4 令和4年3月2日付け意見書(申立人提出)の概要
申立人は、令和4年3月2日付け意見書において、概ね次の主張をしている。
(1)本件訂正発明1は、申立人が既に提出した甲第1号証に記録された発明と、新たに提出する甲第3号証に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
(2)本件訂正発明2は、甲第1号証に記録された発明及び甲第2号証に開示されている技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。

<追加証拠方法>
甲第3号証:パチスロ必勝本DX2016年12月号 p111、平成28年12月1日発行
なお、特許異議申立人が提出した「甲第1号証」、「甲第2号証」、「甲第3号証」を、以下、それぞれ、「甲1」、「甲2」、「甲3」という。

第5 取消理由において通知した請求項1に係る発明の進歩性について
1 甲1及び甲3
(1)甲1
取消理由に引用された甲1には、次の事項が開示されている。

ア 甲1動画の0:00〜0:18の部分を再生すると、
回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」が、ディスプレイを備えること
が把握できる。

0:05


イ 甲1動画の0:18〜2:00の部分を再生すると、
ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「真」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「真・天雅モード」を表示すること、及び、
「真」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成されること
が把握できる。

0:29


0:30


0:35


0:41


ウ 甲1動画の1:26〜1:36の部分を再生すると、
リールが回転すると、ディスプレイが「火遁」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅20」と表示すること
が把握できる。

1:26


1:31


1:32


1:35


エ 甲1動画の2:01〜2:15の部分を再生すると、
リールが回転すると、ディスプレイが「花吹雪の桃」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅100」と表示すること
が把握できる。

2:04


2:09


2:10


2:12


オ 甲1動画の2:16〜2:31の部分を再生すると、
リールが回転すると、ディスプレイが「雷撃の白」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅300」と表示すること
が把握できる。

2:19


2:25


2:26


2:29


カ 甲1動画の2:31〜2:53の部分を再生すると、
リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「熱」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「熱」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「熱」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「当」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「ボーナス確定」と表示すること、及び、
「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成されること
が把握できる。

2:38


2:39


2:41


2:51


キ 甲1動画の3:27〜3:30の部分を再生すると、
ディスプレイが、忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示すること
が把握できる。

3:27


3:30


ク 甲1動画の3:30〜3:33の部分を再生すると、
ディスプレイが、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示すること、及び、
ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラー」のような音階の音が出力されること
が把握できる。

3:33


ケ 甲1動画の3:34〜4:03の部分を再生すると、
リールが回転を始めた後から、ディスプレイが、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示すること
が把握できる。

3:35


3:51


3:56


4:02


コ 甲1動画の4:26〜4:29の部分を再生すると、
ディスプレイが、武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示すること
が把握できる。

4:27


4:29


サ 甲1動画の4:29〜4:31の部分を再生すると、
ディスプレイが、刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示すること、及び、
ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラ」のような音階の音が出力されること
が把握できる。

4:30


シ 甲1動画の4:31〜5:02の部分を再生すると、
リールが回転を始めた後から、ディスプレイが、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示すること
が把握できる。

4:33


4:33


4:34


4:36


5:01


以上のことから、甲1によれば、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が電気通信回線を利用して利用可能となったと認められる。なお、符号ア等を当審で付与し、甲1動画の再生開始からの経過時間を併記した。

「ア 回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」であって(0:00〜0:18)、

イ1 忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示し(3:27〜3:30)、その後、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し(3:30〜3:33)、その後、リールが回転を始めた後から、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示し(3:34〜4:03)、
イ2 武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し(4:26〜4:29)、その後、刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し(4:29〜4:31)、その後、リールが回転を始めた後から、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示する(4:31〜5:02)
イ3 ディスプレイを備え(0:00〜0:18)、

ウ1 ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラー」のような音階の音が出力され(3:30〜3:33)、
ウ2 ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラ」のような音階の音が出力され(4:29〜4:31)、

オ ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「真」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「真・天雅モード」を表示し(0:18〜2:00)、
「真」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成され(0:18〜2:00)、

カ リールが回転すると、ディスプレイが「火遁」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅20」と表示し(1:26〜1:36)、

キ リールが回転すると、ディスプレイが「花吹雪の桃」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅100」と表示し(2:01〜2:15)、

ク リールが回転すると、ディスプレイが「雷撃の白」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅300」と表示し(2:16〜2:31)、

ケ リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「熱」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「熱」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「熱」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「当」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「ボーナス確定」と表示し(2:31〜2:53)、
「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成される(2:31〜2:53)

エ スロットマシンである「天下布武3」(0:00〜0:18)。」

(2)甲3
申立人が令和4年3月2日付け意見書において追加証拠方法として提出し、本件特許出願前に頒布された甲3には、次の事項が記載されている。

ア 甲3の第110頁には、スロットマシンである「天下布武3」が記載されている。



イ 甲3の第111頁左列における「真・天雅モード中の演出について」の「真・天雅モード中の忍術別 上乗せゲーム数期待度」という表を見ると、
演出が「火遁」であるときに、10Gとなる度合いが16.1%、20Gとなる度合いが70.1%、30Gとなる度合いが11.5%、50Gとなる度合いが2.1%、100Gとなる度合いが0.2%であること
が把握できる。
そして、上記のことに基づき、10G×(16.1/100%)+20G×(70.1/100%)+30G×(11.5/100%)+50G×(2.1/100%)+100G×(0.2/100%)を計算すると、
演出が「火遁」であるときに、上乗せゲーム数期待度が約20.3Gであること
も把握できる。



ウ 甲3の第111頁左列における「真・天雅モード中の演出について」の「大量上乗せに期待できる特殊忍術アリ!」という欄を見ると、
演出が「花吹雪の桃」であるときに、上乗せゲーム数期待度が50G以上であり、演出が「雷撃の白」であるときに、上乗せゲーム数期待度が100G以上であること
が把握できる。



エ 以上のことから、甲3には、次の技術事項(以下、「甲3の技術事項」という。)が記載されていたと認められる。なお、符号ア等を当審で付与し、甲3の記載位置を併記した。

「ア1 演出が「火遁」であるときに、10Gとなる度合いが16.1%、20Gとなる度合いが70.1%、30Gとなる度合いが11.5%、50Gとなる度合いが2.1%、100Gとなる度合いが0.2%であり(第111頁左列)、

ア2 演出が「火遁」であるときに、上乗せゲーム数期待度が約20.3Gであり(第111頁左列)、

イ 演出が「花吹雪の桃」であるときに、上乗せゲーム数期待度が50G以上であり、演出が「雷撃の白」であるときに、上乗せゲーム数期待度が100G以上である(第111頁左列)

ウ スロットマシンである「天下布武3」(第110頁)。」

3 対比
本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。なお、本件訂正発明1の発明特定事項1A等に対応させて、見出し(a)等を付与した。

(a)甲1発明の「回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」」が「回転するリールを停止させる」ことによって「遊技を行うことが可能」であることは、技術常識から明らかである。したがって、甲1発明の「回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」」は、本件訂正発明1の「遊技を行うことが可能な遊技機」に相当する。
よって、甲1発明の発明特定事項アは、本件訂正発明1の発明特定事項1Aに相当する構成を含む。

(b)甲1発明の「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」は、いずれも、本件訂正発明1の「画像」に相当する。
また、甲1発明では、「ディスプレイ」が「画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示」するから、甲1発明において「ディスプレイ」が「「対決」という文字を含む画像」を表示することは、「二人の侍が戦い、一人が勝利する映像」(以下、「家臣バトルの映像」という。)が表示されることに関する「示唆表示を実行する」ことであると認められる。さらに、甲1発明では、「ディスプレイ」が「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示する」から、甲1発明において「ディスプレイ」が「「戦」という文字を含む画像」を表示することは、「織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像」(以下、「合戦の映像」という。)が表示されることに関する「示唆表示を実行する」ことであると認められる。そうすると、「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」を表示する甲1発明の「ディスプレイ」は、「画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段」であるといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2、イ3は、本件訂正発明1の発明特定事項1Bと、「画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段」である点で共通する。

(c)甲1発明は、「音が出力される」ものであるところ、そのために「音を出力する音出力手段」を備えることは、技術常識から明らかである。
よって、甲1発明の発明特定事項ウ1、ウ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Cに相当する構成を含む。

(d)甲1発明の発明特定事項イ1における「忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示し、その後、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示」すること(以下、「第一の演出」という。)は、本件訂正発明1の「第1演出」に相当する。そして、甲1発明が「第一の演出」を「実行可能」であることは、明らかである。
また、甲1発明の発明特定事項イ2における「武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し、その後、刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示する」こと(以下、「第二の演出」という。)は、本件訂正発明1の「第2演出」に相当する。そして、甲1発明が「第二の演出」を「実行可能」であることは、明らかである。
また、甲1発明は、本件訂正発明1の「第1演出」及び「第2演出」を「実行」することが可能であるところ、そのために「演出実行手段」を備えることは、技術常識から明らかである。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Dに相当する構成を含む。

(e)甲1発明の「忍者が巻物を掲げる映像」は、本件訂正発明1の「第1態様」に相当する。
また、甲1発明の「第一の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「第1演出」に相当する。ここで、甲1発明の「第一の演出」では、「忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示」するから、「忍者が巻物を掲げる映像」に「関連した展開で進む」ものといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1は、本件訂正発明1の発明特定事項1Eと、「第1演出は、」「第1態様に関連した展開で進む演出」である点で共通する。

(f)甲1発明の「武士のキャラクタが登場する映像」は、本件訂正発明1の「第2態様」に相当する。
また、甲1発明の「第二の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「第2演出」に相当する。ここで、甲1発明の「第二の演出」では、「武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し、その後、刀が刺された天井の映像を表示する」から、すなわち、武士のキャラクタが登場する映像を表示し、武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し、武士のキャラクタが刀を刺した天井の映像を表示するから、武士のキャラクタに関連した展開で進むものである。したがって、甲1発明の「第二の演出」は、「武士のキャラクタが登場する映像」に「関連した展開で進む」ものといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Fと、「第2演出は、」「第2態様に関連した展開で進む演出」である点で共通する。

(g1)甲1発明の「第一の演出」、「忍者が巻物を掲げる映像」及び「「対決」という文字を含む画像」は、上記(d)、(e)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」、「第1態様」及び「画像」に相当する。
また、上記(e)で述べたことから、「忍者が巻物を広げる映像」は、「忍者が巻物を掲げる映像」に「関連した展開」であるところ、甲1発明の「第一の演出」では、「忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示し、その後、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示」するから、甲1発明は、「第1演出中の第1態様に関連した展開で画像を表示」するといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1は、本件訂正発明1の発明特定事項1G1に相当する構成を含む。

(g2)甲1発明の「第二の演出」、「武士のキャラクタが登場する映像」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(d)、(f)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第2演出」、「第2態様」及び「画像」に相当する。
また、上記(f)で述べたことから、「刀が刺された天井の映像」は、「武士のキャラクタが登場する映像」に「関連した展開」であるところ、甲1発明の「第二の演出」では、「刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するから、甲1発明は、「前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示」するといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1G2に相当する構成を含む。

(g3)甲1発明の「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(b)で述べたように、いずれも、本件訂正発明1の「画像」に相当する。
また、甲1発明の「第一の演出」及び「第二の演出」は、上記(d)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」及び「第2演出」に相当する。
ここで、甲1発明は、「第一の演出」では「画面左寄りの巻物に「「対決」という文字を含む画像を重ねて表示」し、「第二の演出」では「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するから、「前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示」するといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1G3に相当する構成を含む。

(h)甲1発明の「「対決」という文字を含む画像」は、上記(b)で述べたように、本件訂正発明1の「画像」に相当する。また、甲1発明の「第一の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「第1演出」に相当する。さらに、甲1発明の「ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、「第一の演出」中に「「対決」という文字を含む画像」が表示されるときであるといえるから、甲1発明の「ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、本件訂正発明1の「前記第1演出中に前記画像が表示されるとき」に相当する。
また、甲1発明では、「第一の演出」中に出力される「「レソミソラー」のような音階の音」は、「リールが回転を始めるまで」に「出力され」る一方、家臣バトルの映像は、「リールが回転を始めた後から」表示される(甲1発明の発明特定事項イ1参照。)。したがって、「「レソミソラー」のような音階の音」は、上記(b)で述べた「「対決」という文字を含む画像」と同様に、家臣バトルの映像が表示されることに関する「示唆表示」であると認められる。そうすると、甲1発明の「「レソミソラー」のような音階の音」は、本件訂正発明1の「示唆表示音」に相当する。
また、甲1発明の「「戦」という文字を含む画像」は、上記(b)で述べたように、本件訂正発明1の「画像」に相当する。また、甲1発明の「第二の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「「第2演出」に相当する。さらに、甲1発明の「ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、「第二の演出」中に「「戦」という文字を含む画像」が表示されるときであるといえるから、甲1発明の「ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、本件訂正発明1の「前記第2演出中に前記画像が表示されるとき」に相当する。
また、甲1発明では、「第二の演出」中に出力される「「レソミソラ」のような音階の音」は、「リールが回転を始めるまで」に「出力される」一方、合戦バトルの映像は、「リールが回転を始めた後から」表示される(甲1発明の発明特定事項イ2参照。)。したがって、「「レソミソラ」のような音階の音」は、上記(b)で述べた「「戦」という文字を含む画像」と同様に、合戦バトルの映像が表示されることに関する「示唆表示」であると認められる。そうすると、甲1発明の「「レソミソラ」のような音階の音」は、本件訂正発明1の「示唆表示音」に相当する。
以上のことから、甲1発明では、「第一の演出」中に「画像が表示されるとき」に「出力され」る「音」は、「「レソミソラー」のような音階の音」であるといえる。また、甲1発明では、「第二の演出」中に「画像が表示されるとき」に「出力され」る「音」は、「「レソミソラ」のような音階の音」であるといえる。
ここで、本件特許明細書の【0196】には、「本実施形態において、音が共通するとは、少なくとも音色および音の高さが同じであればよく、音量を変えるようにしてもよい。」と記載されている。そうすると、甲1発明において、「第一の演出」中に「画像が表示するとき」に「出力され」る「「レソミソラー」のような音階の音」と、「第二の演出」中に「画像が表示するとき」に「出力され」る「「レソミソラ」のような音階の音」とは、「同じ示唆表示音」であるといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項ウ1、ウ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Hに相当する構成を含む。

(i)甲1発明の「第一の演出」及び「「対決」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」及び「画像」に相当する。
そして、甲1発明の「第一の演出」では、「画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示」するときに、「忍者が巻物を広げる映像を表示」しているところ、上記(d)、(g1)で述べたことを踏まえると、甲1発明における「「対決」という文字を含む画像」が表示されるときに演出実行手段によって実行される「第一の演出」の「忍者が巻物を広げる映像を表示」するという表示態様は、本件訂正発明1と同様に、「前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様」であるといえる。
また、甲1発明の「第二の演出」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第2演出」及び「画像」に相当する。
そして、甲1発明の「第二の演出」では、「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するときに、「刀が刺された天井の映像を表示」しているところ、上記(d)、(g2)で述べたことを踏まえると、甲1発明における「「戦」という文字を含む画像」が表示されるときに実行される「第二の演出」の「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するという表示態様は、本件訂正発明1と同様に、「前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様」であるといえる。
ここで、甲1発明における「第一の演出」の表示態様は、「忍者が巻物を広げる映像を表示」するものであり、「第二の演出」の表示態様は、「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するものであるから、甲1発明では、本件訂正発明1と同様に、「前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様」が「前記第1演出と前記第2演出とで異なる」といえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Iに相当する構成を含む。

(p)甲1発明の「第一の演出」及び「「対決」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」及び「画像」に相当する。また、甲1発明の「「対決」という文字」は、本件訂正発明1の「前記画像の文字部分」に相当する。
また、甲1発明の「第二の演出」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第2演出」及び「画像」に相当する。また、甲1発明の「「戦」という文字」は、本件訂正発明1の「前記画像の文字部分」に相当する。
以上のことから、甲1発明の「第一の演出」が実行されるときに「表示」される「「対決」という文字」は、本件訂正発明1の「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当する。また、甲1発明の「第二の演出」が実行されるときに「表示」される「「戦」という文字」は、本件訂正発明1の「前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当する。

(j)甲1発明の「スロットマシンである「天下布武3」」は、上記(a)で述べたように、本件訂正発明1の「遊技機」に相当する。
よって、甲1発明の発明特定事項jは、本件訂正発明1の発明特定事項1Jに相当する構成を含む。

上記(a)ないし(j)からみて、本件訂正発明1と甲1発明とは、
「1A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
1B’ 画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段と、
1C 音を出力する音出力手段と、
1D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
1E’ 前記第1演出は、当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
1F’ 前記第2演出は、当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
1G 前記示唆表示手段は、
1G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
1G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
1G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
1H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
1I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なる、
1J 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

・[相違点1](発明特定事項1B)
本件訂正発明1の「示唆表示手段」と、甲1発明の「ディスプレイ」とは、「画像を表示することで示唆表示を実行する」点で共通するものの、「画像を表示することで」「実行する」「示唆表示」が、
本件訂正発明1では、「特典に関する」ものであるのに対し、
甲1発明では、「家臣バトルの映像」又は「合戦の映像」に関するものである点。

・[相違点2](発明特定事項1E)
本件訂正発明1の「第1演出」と、甲1発明の「第一の演出」とは、「第1態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、
本件訂正発明1では、「第1演出」が「第1態様の表示態様で開始され」るのに対し、
甲1発明では、「第一の演出」(第1演出)が「忍者が巻物を掲げる映像」(第1態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。

・[相違点3](発明特定事項1F)
本件訂正発明1の「第2演出」と、甲1発明の「第二の演出」とは、「第2態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、
本件訂正発明1では、「第2演出」が「第2態様の表示態様で開始され」るのに対し、
甲1発明では、「第二の演出」(第2演出)が「武士のキャラクタが登場する映像」(第2態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。

・[相違点4](発明特定事項1O)
上記相違点1で述べたように、「示唆表示」が、本件訂正発明1では「特典に関する」ものであるのに対し、甲1発明では、「家臣バトルの映像」又は「合戦の映像」に関するものであることに加え、
本件訂正発明1では、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高」いのに対し、
甲1発明では、「家臣バトルの映像」に関する期待度の方が、「合戦の映像」に関する期待度よりも高いか否かが明らかでない点。

・[相違点5](発明特定事項1P)
本件訂正発明1では、「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」のに対し、
甲1発明では、「第一の演出」(第1演出)が実行されるときに「表示」される「「対決」という文字」と、「第二の演出」(第2演出)が実行されるときに「表示」される「「戦」という文字」とは、同一でない点。

4 判断
(1)事案に鑑み、相違点5について検討する。
上記2(2)エで示した甲3の技術事項を見ても、甲1発明の「「対決」という文字」と「「戦」という文字」とを同一にするような技術事項は見いだせない。
また、上記3(b)で述べたように、甲1発明の「「対決」という文字」は、「二人の侍が戦い、一人が勝利する映像」(家臣バトルの映像)に関するものであり、甲1発明の「「戦」という文字」は、「織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像」(「合戦の映像」)に関するものである。すなわち、甲1発明の「「対決」という文字」と「「戦」という文字」とは、異なる映像に関するものである。したがって、甲1発明の「「対決」という文字」と「「戦」という文字」とを同一にすることには、阻害要因があるといえる。
これらのことから、甲1発明において相違点5に係る本件訂正発明1の発明特定事項1Pのようになすことは、当業者が甲3の技術事項に基づいて容易になし得たとはいえない。

(2)申立人は、令和4年3月2日付け意見書において、
甲1の「花吹雪の桃」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分及び「雷撃の白」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分が本件訂正発明1の「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当すること、及び、甲1の「火遁」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分が本件訂正発明1の「前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当するとした上で、
甲1において、「花吹雪の桃」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分及び「雷撃の白」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分と、「火遁」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分とが同一であるから、甲1に本件訂正発明1の発明特定事項1Pが記録されていることを主張する。
しかしながら、甲1の「怪」という文字部分は、いずれも、本件訂正発明1の発明特定事項1Bで特定される「特典に関する示唆表示を実行する」「画像」ではない。また、甲1の「花吹雪の桃」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分及び「雷撃の白」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分と、「火遁」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分とが表示される位置は、本件訂正発明1の発明特定事項1G3で特定される「前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示」されるものではない。したがって、甲1の「怪」という文字部分は、いずれも、本件訂正発明1の発明特定事項1Pにおける「前記画像」に相当するとは認められない。よって、甲1に本件訂正発明1の発明特定事項1Pが記録されていることも認められない。

(3)以上のとおり、本件訂正発明1の発明特定事項1Pが進歩性を有することから、他の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明1は甲1発明及び甲3の技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたとは認められない。

第6 取消理由において通知しなかった申立人の申立ての理由について
申立人は、特許異議申立書において、取消理由において通知した理由の他に、本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲1に記録された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する旨主張したが、本件訂正請求前の請求項1に係る発明と甲1発明とは、上記第5の3で示した相違点1ないし相違点3で相違するから、当該主張を採用できないことは明らかである。
しかしながら、申立人は、特許異議申立書において、取消理由において通知した理由の他に、本件訂正請求前の請求項2に係る発明は、甲1に記録された発明及び甲2に開示されている技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、同法第29条第1項第3号の規定に該当する旨主張し、意見書において、本件訂正発明2は、甲1に記録された発明及び甲2に開示されている技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、同法第29条第2項の規定に該当する旨主張しているので、この主張について以下検討する。

1 甲2
本件特許出願前に頒布された甲2には、次の事項が記載されている。

ア 甲2の第28頁には、スロットマシンである「天下布武3」が記載されている。



イ 甲2の第28頁における「基本的なARTまでの流れ」という図表を見ると、
通常時から、大半は天下ボーナスであるボーナス、または、布武チャレンジ(CZ)に進むことがあり、ボーナスまたは布武チャレンジ(CZ)から、基本仕様が「約+1.7枚/G」のARTに進むことがあること
が把握できる。



ウ 甲2の第28頁における「真・天雅の上乗せポテンシャルも発覚!」の「ボーナス&小役払い出し構成」という表を見ると、
天下ボーナスは、200枚獲得できること
が把握できる。



エ 甲2の第31頁における「ARTフロー」の「真・天雅」という図表を見ると、
真・天雅モードでは、1回あたりの平均上乗せゲーム数が60Gであること
が把握できる。



オ 上記イ及びエから、
真・天雅モードで平均的に上乗せされるゲームは、約100枚獲得できること
が認定できる。

オ 以上のことから、甲2には、次の技術事項(以下、「甲2の技術事項」という。)が記載されていたと認められる。なお、符号ア等を当審で付与し、甲2の記載位置を併記した。

「ア 通常時から、大半は天下ボーナスであるボーナス、または、布武チャレンジ(CZ)に進むことがあり、ボーナスまたは布武チャレンジ(CZ)から、基本仕様が「約+1.7枚/G」のARTに進むことがあり(第28頁)、

イ 天下ボーナスは、200枚獲得でき(第28頁)、

ウ 真・天雅モードでは、1回あたりの平均上乗せゲーム数が60Gであり(第28頁)、

エ 真・天雅モードで平均的に上乗せされるゲームは、約100枚獲得できる(第28頁)

オ スロットマシンである「天下布武3」(第28頁)。」

2 申立人の主張
申立人は、特許異議申立書の第46頁や第48頁において、申立人が主張する甲1’発明における「真・天雅モード」及び「天下ボーナス」は、それぞれ本件特許発明2の「特典」に相当し、
甲1’発明における「「真」という文字を含む文字画像を表示する第1示唆表示」は、「真・天雅モード」に関する表示であり、甲1’発明における「「当」という文字を含む文字画像を表示する第1示唆表示」は、「天下ボーナス」に関する表示であるから、それぞれ「特典に関する表示」であるところ、
甲1’発明における「第1示唆表示」及び甲1’発明における「第2示唆表示」は、「特典に関する表示」であるものの、「特典に対する期待度が互いに異なる表示」であるか否かが不明である点で、本件特許発明2と甲1'発明とは相違するが(相違点)、
甲2には、「真・天雅モード」に移行すると「少なくとも約119枚の獲得が期待できる」こと、及び、「天下ボーナス」では「200枚の獲得が期待できる」こと、すなわち、特典に対する期待度が互いに異なることが開示されているから、
甲1’発明に甲2に開示の技術事項を適用し、上記相違点に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得たものであると主張する。

3 対比・判断
(1)本件訂正発明2と甲1発明とを対比する。

(a、c〜i、j)本件訂正発明2の発明特定事項2A、2Cないし2I及び2Jは、本件訂正発明1の発明特定事項1A、2Cないし1I及び1Jと同じである。したがって、本件訂正発明2と甲1発明との対比のうち、本件訂正発明2の発明特定事項2A、2Cないし2I及び2Jに関する対比は、上記第5の3で示したとおりである。

(b)上記第5の3(b)で述べたように、甲1発明における「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」を表示する甲1発明の「ディスプレイ」は、「画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段」であるといえる。
また、甲1発明の「家臣バトルの映像」及び「合戦の映像」は、いずれも勝利という結果を有するバトル演出であると認められるところ、バトル演出の結果が勝利であるときに特典が付与されることは技術常識である。そうすると、甲1発明の「家臣バトルの映像」及び「合戦の映像」は、「特典に関する」ものといえる。そして、「家臣バトルの映像」に関する「示唆表示」である「「対決」という文字を含む画像」、及び、「合戦の映像」に関する「示唆表示」である「「戦」という文字を含む画像」は、「特典に関する示唆表示」であるといえる。
これに加えて、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」も、いずれも、本件訂正発明2の「画像」に相当する。
また、技術常識を踏まえると、甲1発明の「真・天雅モード」及び「ボーナス」も、いずれも、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「特典」に相当するといえる。
また、甲1発明は、「ディスプレイが画面中央に「真」という文字を含む画像を表示」すると、「その後、ディスプレイが「真・天雅モード」を表示」するものであり、「ディスプレイが画面中央に「当」という文字を含む画像を表示」すると、「その後、ディスプレイが「ボーナス確定」と表示」するものであるから、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、それぞれ、「真・天雅モード」及び「ボーナス」を示唆することである。そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、いずれも、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「示唆演出手段」が「画像を表示することで」「実行する」「特典に関する示唆表示」に相当するといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2、イ3、オ、ケは、本件訂正発明2の発明特定事項2Bに相当する構成を含む。

(k)上記(b)で述べたように、甲1発明における「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」は、いずれも、本件訂正発明2の「前記示唆表示手段が表示する画像」に相当する。
また、甲1発明では、「「真」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成され」、「「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成される」から、甲1発明における「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」は、いずれも、「色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され」るといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項オ、ケは、本件訂正発明2の発明特定事項2Kに相当する構成を含む。

(l)上記(b)で述べたように、甲1発明の「真・天雅モード」及び「ボーナス」は、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「特典」に相当するといえ、また、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、いずれも、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「示唆演出手段」が「画像を表示することで」「実行する」「特典に関する示唆表示」に相当するといえる。そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「示唆表示手段」が「実行可能であ」る「第1示唆表示」及び「第2示唆表示」に相当するといえる。

ここで、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおいて、「前記示唆表示手段」が「実行可能であ」る「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示」の解釈を検討する。
本件訂正発明2における発明特定事項2Lの「前記特典に対する期待度」とは、「前記特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)であると認められる。そして、「第1示唆表示」と「第2示唆表示」は、このような「前記特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)が「互いに異なる」ものであるから、その前提として、実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)を比較すべき「第1示唆表示」の「前記特典」と「第2示唆表示」の「前記特典」は、共通でなくてはならない(「前記特典」が共通でないならば、実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)を「第1示唆表示」と「第2示唆表示」とで、同じか異なるかを評価することができない。)。
また、本件特許明細書の【0166】には、「サブ制御部91は、ボーナス当選したときは第2連続演出よりも高い確率で第1連続演出を実行することに決定し、ボーナス当選しなかったときは第1連続演出よりも高い確率で第2連続演出を実行することに決定する。つまり、第2連続演出が実行されたときよりも、第1連続演出が実行されたときの方が、ボーナスに当選していることに対する期待度が高い。」と記載されている。この記載からは、「第1連続演出」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に対応する。)の「期待度」と「第2連続演出」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に対応する。)の「期待度」は、いずれも、「ボーナス」という共通の「特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)であるといえる。
したがって、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおいて、「前記示唆表示手段」が「実行可能であ」る「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示」とは、共通の「前記特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)が互いに異なる「第1示唆表示と、第2示唆表示」と解するのが相当である。

そうすると、甲1発明の「真・天雅モード」及び「ボーナス」のいずれかを、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典」に相当させることができる。そして、甲1発明の「真・天雅モード」を上記「前記特典」に相当させた場合、甲1発明の「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典に対する期待度」に相当するといえ、一方、甲1発明の「「ボーナス」を上記「前記特典」に相当させた場合、甲1発明の「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典に対する期待度」に相当するといえる。
まず、甲1発明の「真・天雅モード」を上記「前記特典」に相当させた場合における、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)について検討する。
「「真」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に相当する。)すると「真・天雅モード」が実行されると認められるから、「「真」という文字を含む画像を表示」することには、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が存在する。しかしながら、「「当」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に相当する。)しても「真・天雅モード」が実行されるとは認められないから、「「当」という文字を含む画像を表示」することには、そもそも、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)という概念が存在しない。
したがって、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)については、「「真」という文字を含む画像を表示」するときと、「「当」という文字を含む画像を表示」するときとで、「互いに異なる」ということはできない。

次に、甲1発明の「「ボーナス」を上記「前記特典」に相当させた場合における、「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)について検討する。
「「当」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に相当する。)すると「ボーナス」が実行されると認められるから、「「当」という文字を含む画像を表示」することには、「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が存在する。しかしながら、「「真」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に相当する。)しても「ボーナス」が実行されるとは認められないから、「「真」という文字を含む画像を表示」することには、そもそも、「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)という概念が存在しない。
したがって、「ボーナス」に対する期待度については、「「当」という文字を含む画像を表示」するときと、「「真」という文字を含む画像を表示」するときとで、「互いに異なる」ということはできない。

仮に、本件訂正発明2の「第1示唆表示」の「前記特典」と「第2示唆表示」の「前記特典」が共通でないとしても、甲1発明においては、「「真」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に相当する。)すると「真・天雅モード」が実行され、「「当」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に相当する。)すると「ボーナス」が実行されるから、「「真」という文字を含む画像を表示」するときに「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)も、「「当」という文字を含む画像を表示」するときに「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)も、いずれも、100%であると認められる。すなわち、甲1発明は、「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であ」るとは認められない。
このことからも、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、甲1発明の「「当」という文字を含む画像を表示」することからは、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であ」ることが認められない。

よって、甲1発明の発明特定事項オ、ケは、本件発明の発明特定事項2Kと、「前記示唆表示手段は、」「前記特典に対する期待度」を有する「第1示唆表示と、」「前記特典に対する期待度」を有する「第2示唆表示とを実行可能であ」る点で共通する。

(m)上記lで述べたように、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、本件訂正発明2の「第1示唆表示」及び「第2示唆表示」に相当するといえる。
そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」は、それぞれ、本件訂正発明2の「前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像」及び「前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像」に相当するといえる。
ここで、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」は、「植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成され」るものであり、また、甲1発明の「「当」という文字を含む画像」は、「「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成される」ものである。そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」と「「当」という文字を含む画像」とでは、「植物のようなデザインの形状部分」が共通しており、「色彩部分」および「文字部分」が異なるといえる。
よって、甲1発明の発明特定事項オ、ケは、本件訂正発明2の発明特定事項2Mに相当する構成を含む。

上記(a、c〜i、j)ないし(m)からみて、本件訂正発明2と甲1発明とは、
「2A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
2B 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
2C 音を出力する音出力手段と、
2D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
2E’ 前記第1演出は、当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
2F’ 前記第2演出は、当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
2G 前記示唆表示手段は、
2G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
2G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
2G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
2H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
2I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
2K 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
2M 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、
2J 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

・[相違点2−1](発明特定事項2E)
本件訂正発明2の「第1演出」と、甲1発明の「第一の演出」とは、「第1態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、
本件訂正発明2では、「第1演出」が「第1態様の表示態様で開始され」るのに対し、
甲1発明では、「第一の演出」(第1演出)が「忍者が巻物を掲げる映像」(第1態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。

・[相違点2−2](発明特定事項2F)
本件訂正発明2の「第2演出」と、甲1発明の「第二の演出」とは、「第2態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、
本件訂正発明2では、「第2演出」が「第2態様の表示態様で開始され」るのに対し、
甲1発明では、「第二の演出」(第2演出)が「武士のキャラクタが登場する映像」(第2態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。

・[相違点2−3](発明特定事項2L)
本件発明と甲1発明とは、「前記示唆表示手段は、」「前記特典に対する期待度」を有する「第1示唆表示と、」「前記特典に対する期待度」を有する「第2示唆表示とを実行可能であ」る点で共通するものの、
本件訂正発明2では、「第1示唆表示」及び「第2示唆表示」が、「前記特典に対する期待度が互いに異なる」ものであるのに対し、
甲1発明では、「「真」という文字を含む画像を表示」すること(「第1示唆表示」)、及び、甲1発明の「「当」という文字を含む画像を表示」すること(「第2示唆表示」)が、「前記特典に対する期待度が互いに異なる」といえるものではない点。

(2)判断
事案に鑑み、相違点2−3について検討する。

申立人は甲2を提出するものの、甲2に開示されているのは、「真・天雅モード」で上乗せされたゲーム及び「ボーナス」によって獲得できるメダル数に過ぎないから、共通の「特典」(「真・天雅モード」又は「ボーナス」のいずれか)の実行を「期待」できる「度」合いが異なることを開示しない。したがって、甲2は、本件訂正発明2の発明特定事項2Lを開示するものとは認められない。よって、甲1発明に甲2の技術事項を適用しても本件訂正発明2に至ることはできない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した理由及び証拠方法によっては、本件特許の請求項1、2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1、2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機などがある。
【0003】
この種の遊技機として、連続演出において「CHANCE」という文字画像を表示することで、特別役に内部当選していることを期待させるスロットマシンが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5947755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の遊技機においては、連続演出において「CHANCE」という文字画像を表示することで、特別役に当選してボーナスという特典が付与されることを示唆する示唆表示が行われるものの、連続演出以外で示唆表示を実行することについて鑑みられていない。つまり、様々な種類の演出で示唆表示が行われた場合に、その表示が示唆表示であるか否かを遊技者が認識しづらいような態様で示唆表示が行われる可能性がある。
【0006】
この発明はかかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、異なる種類の演出のいずれにおいても示唆表示が行われる場合に、いずれの演出で示唆表示が行われたとしても、遊技者が示唆表示が実行されていることを認識しやすい遊技機の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、
画像(たとえば、図11(c)に示す発展アイコン)を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示を行うサブ制御部91)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53,54)と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(たとえば、図11に示す、第1前兆演出および第2前兆演出を実行するサブ制御部91)と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うことが可能である)、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出においては液晶表示器51の中央よりも上部に発展アイコンが表示されるのに対して、第2前兆演出においては液晶表示器51の中央に発展アイコンが表示されるように示唆表示が実行される)、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うときには、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される)、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、
前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である。
【0008】
このような構成によれば、第1演出および第2演出のいずれの演出においても示唆表示が実行され、かつ、いずれの演出においても示唆表示が実行されるときに同じ音が出力されるため、興趣の向上を図りつつ、示唆表示が実行されていることを分かりやすくすることができる。また、演出によって、示唆表示において表示される画像の位置が異なるため、遊技の興趣が向上する。
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
音を出力する音出力手段と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なっていてもよい。
【0009】
(2) 上記(1)に記載の遊技機において、
前記示唆表示手段が表示する前記画像は、文字部分(たとえば、発展という文字部分)および意匠部分からなる(たとえば、緑色の雲という形状と色彩を結合させた意匠部分)。
【0010】
このような構成によれば、示唆表示手段が表示する画像が文字部分と意匠部分とからなるため、示唆表示が実行されたことが分かり易く、遊技者は一目で示唆表示が実行されたことを認識することができる。
【0011】
(3) 上記(1)に記載の遊技機において、
前記示唆表示手段が表示する前記画像は、意匠部分のみからなる(たとえば、変形例の[特典に関する示唆に用いる画像]欄に記載された特定のキャラクタを示唆表示において表示されるアイコンとする)。
【0012】
このような構成によれば、示唆表示手段が表示する画像が意匠部分のみからなるため、示唆表示が実行されたことが分かり易く、遊技者は一目で示唆表示が実行されたことを認識することができる。
【0013】
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆表示手段は、前記第1演出中と前記第2演出中とで、同じ態様で前記示唆表示を実行する(たとえば、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、いずれの前兆演出においても、同一の発展アイコンが表示される)。
【0014】
このような構成によれば、第1演出および第2演出のいずれの演出においても同じ態様で示唆表示が実行されるため、遊技者はいずれの演出で示唆表示が実行された場合であっても、実行されたものが示唆表示であることを認識しやすい。
【0015】
(5) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中は当該第1演出に関連する第1態様により前記示唆表示を実行し、
前記第2演出中は当該第2演出に関連する第2態様により前記示唆表示を実行する
(変形例の[特典に関する示唆に用いる画像]欄に記載された、宝箱演出においては金貨を表示させる示唆表示を行い、カーテン演出においては雲の形によって特典の付与を示唆する示唆表示を行う)。
【0016】
このような構成によれば、演出に関する態様で示唆表示が実行されるため、演出に沿って示唆表示が実行することができ、遊技の興趣が向上する。
【0017】
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆表示手段は、第1示唆表示(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示)および当該第1示唆表示とは態様が異なる第2示唆表示(たとえば、激熱アイコンを表示する示唆表示)を含む複数種類の示唆表示を実行可能であって、
前記音出力手段は、
前記第1示唆表示の実行に伴って第1音(たとえば、変形例の[特典に関する示唆に用いる画像の種類毎に出力される音]欄に記載された、アイコン表示音A)を出力し、
前記第2示唆表示の実行に伴って第2音(たとえば、変形例の[特典に関する示唆に用いる画像の種類毎に出力される音]欄に記載された、アイコン表示音B)を出力する。
【0018】
示唆表示の種類毎に出力される音が異なるため、遊技の興趣が向上する。
(7) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆表示は複数種類あり(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示と激熱アイコンを表示する示唆表示)、
前記示唆表示の種類に関わらず、当該示唆表示を実行するときに前記音出力手段が出力する音は同じである(たとえば、表示されるアイコンの種類に関わらず、アイコンを表示するときには、同じアイコン表示音が出力される)。
【0019】
このような構成によれば、示唆表示の種類に関わらず同じ音が出力されるため、示唆表示が実行されたことを遊技者が認識しやすい。
【0020】
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆表示を実行するための動画データを記憶する記憶手段(アイコンを表示する動画データを記憶するRAM91c)をさらに備える。
【0021】
このような構成によれば、示唆表示は第1演出および第2演出においても実行可能であり、異なる演出で同じ動画を用いることができるため、データ容量を削減することができる。
【0022】
(9) 上記(1)および(4)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、 前記示唆表示手段は、第1示唆表示(たとえば、図12のWINアイコン)および当該第1示唆表示とは態様が異なる第2示唆表示(たとえば、図12の…アイコン)を含む複数種類の前記示唆表示を実行可能であって、
前記示唆表示手段が表示する前記画像は、形状部分(たとえば、雲のようなデザインの形状)と色彩部分(たとえば、雲の色)とを含む意匠部分に加えて、文字部分(たとえば、雲の中に描かれる文字)を含んで構成され、
前記第1示唆表示と前記第2示唆表示とでは、前記示唆表示手段が表示する前記画像の前記形状部分が共通であり、前記文字部分および前記色彩部分が異なる(図12に示すように、WINアイコンと…アイコンとでは、雲のようなデザインの形状が共通するものの、雲の色と雲の中に描かれる文字とが異なる)。
【0023】
このような構成によれば、態様が異なる示唆表示同士であっても示唆表示手段が表示する画像の形状部分を同じにすることで、示唆表示において表示される画像であることを分かり易くすることができるとともに、文字部分と色部分とが異なるため、示唆表示のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
【0024】
(10) 上記(1)から(9)のいずれかに記載の遊技機において、
前記音出力手段は、
前記第1演出中は第1演出音(たとえば、楽曲A)を出力し、
前記第2演出中は第2演出音(たとえば、楽曲B)を出力する。
【0025】
このような構成によれば、演出の種類に関わらず示唆表示が実行されるときに出力される音は同じであるものの、演出の種類によって音を変えることができるため、遊技の興趣が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図である。
【図2】リールの図柄配列を示す図である。
【図3】入賞役を説明するための図である。
【図4】押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
【図5】移行出目の図柄組合せを説明するための図である。
【図6】遊技状態の遷移を説明するための図である。
【図7】遊技状態の概要を示す図である。
【図8】抽選対象役を説明するための図である。
【図9】AT・CZ抽選テーブルを示す図である。
【図10】AT抽選テーブルを示す図である。
【図11】前兆演出の一例を示す図である。
【図12】各種アイコンの共通部分と相違部分とを示す図である。
【図13】第1連続演出の一例を示す図である。
【図14】第2連続演出の一例を示す図である。
【図15】連続演出決定テーブルを示す図である。
【図16】カットイン演出決定テーブルを示す図である。
【図17】前兆演出決定テーブルを示す図である。
【図18】前兆期間決定テーブルを示す図である。
【図19】アイコン決定テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
【0028】
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。図2は、リールの図柄配列を示す図である。図1(a)に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bに液晶表示器51が設けられ、透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rが視認可能となる。図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
【0029】
図1(a)に示すように、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
【0030】
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11と、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12と、設定されている賭数を報知するための1BETLED14と、2BETLED15と、3BETLED16と、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18と、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19と、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20とが設けられている。
【0031】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、およびコマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。遊技制御基板40は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を制御するメイン制御部41を備える。演出制御基板90は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を制御するサブ制御部91を備える。
【0032】
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、ワークメモリとして使用されるRAM41c、プログラムに従って制御動作を行うメインCPU41aが内蔵されており、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、および精算スイッチ10が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がメイン制御部41に入力される。メイン制御部41は、これら各種スイッチからの検出信号に基づき、これら各種スイッチへの操作を検出する。メイン制御部41からは、遊技用表示部13に含まれる各種表示器を点灯制御あるいは表示制御するための制御信号が遊技用表示部13に出力される。遊技用表示部13に含まれる各種表示器は、メイン制御部41からの制御信号に基づき、点灯あるいは所定情報を表示する。
【0033】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成され、ワークメモリとして使用されるRAM91c、プログラムに従って制御動作を行うサブCPU91aが内蔵されており、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。演出用スイッチ56が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がサブ制御部91に入力される。サブ制御部91は、演出用スイッチ56からの検出信号に基づき、演出用スイッチ56への操作を検出する。サブ制御部91からは、液晶表示器51およびスピーカ53,54のそれぞれを制御するための制御信号が液晶表示器51およびスピーカ53,54のそれぞれに出力される。液晶表示器51は、サブ制御部91からの制御信号に基づき、所定情報を表示する。また、スピーカ53,54は、サブ制御部91からの制御信号に基づき、音声を出力する。なお、図1(b)は、あくまで一例であり、スロットマシン1の内部にはその他の構成も設けられている。
【0034】
[スロットマシンにおけるゲームの概要]
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0035】
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。
【0036】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
【0037】
なお、本実施形態ではリール2L,2C,2Rを回転させるためにスタートスイッチ7を操作することをレバーオンともいう。また、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールといい、また、その停止を第1停止という。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールといい、また、その停止を第2停止といい、3番目に停止するリールを第3停止リールといい、また、その停止を第3停止あるいは最終停止という。
【0038】
また、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
【0039】
[入賞役]
図3は、入賞役を説明するための図である。図3の名称欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せが示されている。付与欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与など)が示されている。
【0040】
BB1,BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1,BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払い出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
【0041】
なお、「/」は、「または」を意味する。たとえば、転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル−リプレイ−ベル」となり、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム−リプレイ−リプレイ/プラム」が停止する。
【0042】
再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作態様(操作手順ともいう)(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。なお変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作態様によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)であってもよい。
【0043】
[抽選対象役]
次に、抽選対象役について説明する。抽選対象役は、スロットマシン1が実行する内部抽選の対象となる役である。スロットマシン1は内部抽選を行うことで、発生を許容する入賞役を決定する。図7の「抽選対象役」欄と「入賞役の組合せ」欄に示すように、内部抽選においては、一の抽選対象役に当選することで、複数の入賞役に同時に当選し得る。具体的には、弱スイカに当選した場合は、右下がりスイカ、上段スイカおよび中段スイカの入賞が許容される。換言すると、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカ、上段スイカおよび中段スイカに同時当選したことになる。
【0044】
[複数の入賞役が同時当選したときのリール制御]
図4を用いて、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明する。図4は、押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。当選役欄には、当選した抽選対象役を示す。押し順欄には、ストップスイッチ8L〜8Rを操作する順番を示す。たとえば、「左中右」とは、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8C、右ストップスイッチ8Rの順で操作して、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順でリールを停止させることを示す。また、「左第1停止」とは、左ストップスイッチ8Lを最初に操作し、それ以降の操作手順は問わないことを意味する。停止する図柄組合せ欄には、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに発生する入賞役を示す。
【0045】
本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(操作手順)に応じて導出される表示結果が異なる役として、押し順役が設けられている。操作態様には、操作順序(ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番、押し順ともいう)と、操作タイミング(各ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作するタイミング)とが含まれる。押し順役には、押し順ベルと、押し順リプレイとが含まれる。
【0046】
図4に示すように、押し順ベルには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4が含まれる。左ベル1〜4のうちのいずれかに当選した場合に、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが入賞するように右下がりベルを構成する図柄組合せが導出され、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルが入賞するように上段ベルを構成する図柄組合せが導出されるか、あるいは図5に示す移行出目が導出される。移行出目は、いわゆるハズレ出目であって、いずれの入賞も発生しない図柄組合せである。移行出目は、ハズレ出目ではあるものの、押し順リプレイに当選した場合にのみ導出が許容され、スロットマシン1が内部抽選においていずれの抽選対象役にも当選しなかった場合には移行出目とは異なるハズレ出目が導出される。ここで、スロットマシン1が内部抽選において抽選対象役にも当選しなかったことを、内部抽選にハズレたともいう。
【0047】
ここで、押し順ベルに当選したゲームで、遊技者にとって有利となる表示結果を導出するための操作手順を正解手順ともいう。押し順ベルにおいては、主役(純増枚数を増加させる役)が入賞する手順、言い換えると移行出目が導出され得ない手順が正解手順である。たとえば、左ベルにおいては左ストップスイッチ8Lを最初に操作する手順が正解手順である。また、移行出目が導出され得る手順は不正解手順ともいう。なお、押し順ベルに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
【0048】
押し順ベルに当選したゲームにおいて、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出されることにより純増枚数が増加する役(右下がりベル,中段ベル)は、主役と称される。一方、押し順ベルに当選したゲームにおいて、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出され得る役(上段ベル)は、副役と称される。
【0049】
図4に示すように、押し順リプレイには、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、およびリプレイGR21〜23が含まれる。リプレイGR1〜6、リプレイ21〜23においては、昇格リプレイ1,2または特殊リプレイといった、遊技者にとって有利となる表示結果を導出するための操作手順が正解手順である。一方、リプレイGR11〜13においては、転落リプレイという遊技者にとって不利となる表示結果を導出しないようにするための操作手順が正解手順である。なお、押し順リプレイに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
【0050】
また、抽選対象役のうち、複数の入賞役に同時当選する同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定できる。
【0051】
[遊技状態]
図6および図7を用いて、スロットマシン1が制御する遊技状態を説明する。図6は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図7は、遊技状態の概要を示す図である。スロットマシン1は、図6に示すとおり、リプレイが所定の当選確率(図7(a)の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、いずれかの遊技状態に制御される(図6の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図7(a)の開始条件・終了条件欄の参照)。
【0052】
RT1〜RT4のうち、RT1およびRT3は共にメダルの払出率が低い遊技者にとって不利な遊技状態である。これに対して、RT0およびRT2は共にメダルの払出率が高い遊技者にとって有利な遊技状態である。特に、RT2はRT0よりもメダルの払出率が高い、遊技者にとってより有利な遊技状態である。RT4はボーナス当選したときに移行する遊技状態である。RT0〜RT4においては、再遊技役以外の抽選対象役である小役に当選する確率は変わらないように設定されている。
【0053】
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT0およびRT2中よりも低く、RT1およびRT3中と同じ確率(図7(a)の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図3を用いて説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図7(b)の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
【0054】
なお、BBが他の抽選対象役と同時当選している場合は、BB以外の抽選対象役が優先的に入賞するようにリール制御される。そのため、RT4において小役または再遊技役に当選する確率が高い場合は、BB入賞が発生しにくく、ボーナスに移行しにくくなる。そこで、RT4においては、再遊技役に当選する確率がRT0またはRT2に比べて低くなるように設定されている(図7(a)参照)。これにより、RT4においては、BBに単独で当選しやすく、いつまでもボーナスに移行できないということが起こりにくくなっている。
【0055】
図6に示すとおり、RT0〜RT3へは、出目によって移行する。入賞役の当選確率を設定するための設定変更を終えた直後の遊技状態はRT3である。RT3からRT1へは移行出目の導出により移行する。移行出目は、図4に示す押し順ベルが当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼしたときに入賞ラインLNに揃う出目である。
【0056】
RT1からRT0へは昇格リプレイの入賞により移行する。RT0からRT2へは特殊リプレイの入賞により移行する。RT2において移行出目が出るとRT1に戻る。また、RT0において移行出目が出るか、または転落リプレイが入賞すると、RT1に戻る。昇格リプレイおよび特殊リプレイは、図4に示すリプレイGR1〜6またはリプレイGR21〜23が当選し、図4に示す押し順で操作したときに入賞する。また、転落リプレイは、図4に示すリプレイGR11〜13が当選し、通常リプレイの入賞条件となるリール以外を第1停止とした場合に入賞する。
【0057】
したがって、遊技者は、現状の有利な遊技状態に留まるか、あるいはより有利な状態へ移行するために、出目に注意を払う必要がある。ところが、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイのいずれが導出されるかが、内部当選状況のみならず、リール2L,2C,2Rの停止順によって変化する。つまり、現状の有利な遊技状態に留まることができるか、より有利な状態へ移行できるか、あるいは不利な遊技状態へ転落するかが、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押順によって決まる。本実施の形態に係るスロットマシンは、遊技者にとって有利となる正解手順を報知する機能を備えている。そのような報知のための演出をナビ演出という。また、ナビ演出が行われる期間をアシストタイム(AT)という。
【0058】
所定の条件が成立するとATに制御される。AT中においては、押し順役に当選したときに当選した押し順役の正解手順が報知される。これにより、押し順ベルに当選した場合は移行出目を導出することなく、右下がりベルまたは中段ベルに入賞することができ、メダルを獲得することができるとともに、払出率の低いRT1に制御されることを防止することができる。また、押し順リプレイに当選したときは、昇格リプレイまたは特殊リプレイに入賞させることができるため、RT2に移行させることができ、RT2においては、転落リプレイへの入賞を回避することができるため、RT2に留まることができる。
【0059】
[遊技状態毎に読みだされる抽選対象役]
図8は、抽選対象役を説明するための図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類ごとに、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率に関わる判定値数を示している。図8に示すように、遊技状態毎に読み出される抽選対象役は異なる。たとえば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
【0060】
ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングに関わらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作順序に関わらず、極めて高い確率で中段ベル入賞が発生し得る。このため、ボーナス中においては、メダル枚数を効率的に増加させることができ、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
【0061】
図8に示されるように、たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
【0062】
抽選対象役のうちボーナス2〜ボーナス6、およびボーナス8〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図7で示されたように、ボーナス2〜ボーナス6、およびボーナス8〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリーの順となり、弱スイカが最も低くなるように、判定値数が定められている。
【0063】
[有利状態]
本実施形態において、制御されるボーナス以外の有利な状態について説明する。本実施形態においては、ボーナス中であるか否かに関わらず、メイン制御部41は、チャレンジゾーン(CZ)、AT、非CZのうちのいずれかに制御する。ここで、非CZとは、CZ、AT、およびボーナスのいずれの状態にも制御されていない通常状態のことを意味する。また、CZとは、ATへの制御に関する有利度合いが通常(非CZ中)よりも高い有利な状態である。ここで、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(押し順、操作タイミング)を遊技者に指示する指示機能に係る性能を持つATに制御される区間やCZに制御される区間を有利区間ともいう。また、有利区間以外のストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(押し順、操作タイミング)を遊技者に指示する指示機能に係る性能を持たない非CZに制御される区間を通常区間ともいう。
【0064】
メイン制御部41は、ATに制御する権利となるATゲームの付与に関するAT抽選を実行する。たとえば、メイン制御部41は、ATゲームを付与するか否か、およびATゲームを付与する場合の付与数(ATゲーム数)をAT抽選で決定する。なお、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されることをAT当選と称し、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されないことを非AT当選と称する。
【0065】
また、メイン制御部41は、CZに制御する権利となるCZゲームの付与に関するCZ抽選を実行する。たとえば、メイン制御部41は、CZゲームを付与するか否か、およびCZゲームを付与する場合の付与数(CZゲーム数)をCZ抽選で決定する。なお、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されることをCZ当選と称し、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されないことを非CZ当選と称する。
【0066】
非CZ中にCZ当選すると次ゲームからCZに制御される。CZ中は、ATへの制御に関する有利度合いが通常(非CZ中)よりも高くなる。具体的には、CZ中においては非CZ中よりもAT当選する確率が高くなったり、AT当選したときに付与されるATゲーム数が多くなったりする。また、CZ中においては、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される。具体的には、押し順ベルに当選したときに、正解手順を報知するナビ演出が実行される。CZ当選時に付与されたCZゲーム数は、CZに1ゲーム制御されるごとに減算され、ATに当選することなくCZゲーム数が0ゲームとなったときにCZへの制御が終了となり、非CZに制御される。CZ中にAT当選した場合は、次ゲームからATに制御される。なお、CZ中に残っているCZゲーム数に上乗せしてCZゲーム数を付与するための上乗せ抽選を行ってもよい。また、CZ中にAT当選した場合であっても、CZへの制御を継続し、CZゲーム数が0ゲームとなったときにATに制御するようにしてもよい。
【0067】
なお、CZは、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される点で遊技者にとって有利であればよく、ATへの制御に関する有利度合いは通常と同じであってもよい。もちろん、CZは、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行され、かつATへの制御に関する有利度合いが通常よりも高くなる点で遊技者にとって有利であってもよい。また、CZは一つに限らず複数種類設けられていてもよい。この場合、いずれのCZにおいても、ATへの制御に関する有利度合いが通常よりも高くなるが、その有利度合いをCZの種類に応じて異ならせてもよい。
【0068】
非CZ中またはCZ中にAT当選した場合にATに制御される。AT中は、遊技者にとって有利となる正解手順を報知するためのナビ演出が行われる。AT当選時に付与されたATゲーム数は、ATに1ゲーム制御されるごとに減算され、ATゲーム数が0ゲームとなったときにATへの制御が終了となり、非CZに制御される。なお、AT中に残っているATゲーム数に上乗せしてATゲーム数を付与するための上乗せ抽選を行ってもよい。なお、ATは一つに限らず複数種類設けられていてもよい。この場合、ATへの制御に関する有利度合いをATの種類に応じて異ならせてもよい。具体的には、上乗せ抽選に当選する確率を異ならせたり、上乗せ抽選に当選したときに得られるATゲーム数を異ならせたりしてもよい。
【0069】
ただし、RT0〜3であって、非CZ中にボーナスと同時にATまたはCZに当選した場合は、ボーナス状態に移行したときにATまたはCZに制御され始める。たとえば、RT0中にボーナスに当選するとともにCZに当選し、当該ゲームでボーナスに入賞しなかった場合は、次ゲームからRT4かつ非CZに制御される。その後、ボーナスに入賞したゲームの次ゲームからボーナスかつCZに制御される。RT4かつ非CZに制御される区間を待機区間ともいい、待機区間中はAT抽選もCZ抽選も行われない。
【0070】
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
【0071】
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、入賞の発生を許容するか否かを決定するための内部抽選がメイン制御部41によって行われる。たとえば、メイン制御部41が備える乱数回路(図示省略)は、所定範囲(1〜65536)に属する判定値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が抽選対象役ごとに予め定められた所定範囲に属する判定値に該当すれば、該当した抽選対象役の当選を決定する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAM41cの所定領域に設定される。たとえば、図8に示すように、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BBの当選フラグについては、当選したBBが入賞するまで持ち越される一方、BB以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
【0072】
内部抽選処理が終了すると、内部抽選結果に基づいて、CZ抽選、AT抽選等のCZおよびATに関する抽選を行う。その後、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図4参照)。
【0073】
リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L,8C,8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
【0074】
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図3参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図6で示した状態に制御する。
【0075】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。
【0076】
BB1,BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図6、図7参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0077】
[CZ抽選、AT抽選]
メイン制御部41が実行するCZ抽選、AT抽選を詳細に説明する。図9は、AT・CZ抽選テーブルを示す図である。図10は、AT抽選テーブルを示す図である。図中の当選役は、内部抽選において当選した抽選対象役である。
【0078】
メイン制御部41は、特定の抽選対象役に当選した場合に非CZ中はAT・CZ抽選を行い、CZ中はAT抽選を行う。ここで、AT・CZ抽選とは、ATおよびCZに関する抽選をまとめて実行する抽選を意味する。具体的には、ATゲーム数を付与するか、CZゲーム数を付与するか、あるいは、何も付与しない(はずれ)かを決定する抽選である。
【0079】
非CZ中に中段チェリー、強チェリー、強スイカ、弱チェリーまたは弱スイカに当選した場合は、図9に示したAT・CZ抽選テーブルに示した確率でATまたはCZに当選する。たとえば、中段チェリーに当選した場合は、70%の確率でCZ当選し、30%の確率でAT当選する。ここで、図9に示すように、ATまたはCZのいずれかに当選する確率は、弱チェリーあるいは弱スイカ、強チェリーあるいは強スイカ、中段チェリーの順で高くなるように設定されている。また、AT当選する確率は、弱チェリーあるいは弱スイカ、強チェリーあるいは強スイカ、中段チェリーの順で高くなるように設定されている。また、非CZ中は、ATに比べてCZに当選する確率が高くなるように設定されている。
【0080】
CZ中に中段チェリー、強チェリー、強スイカ、弱チェリーまたは弱スイカに当選した場合は、図10に示したAT抽選テーブルに示した確率でAT当選する。たとえば、中段チェリーに当選した場合は、100%の確率でAT当選する。ここで、図10に示すように、AT当選する確率は、弱チェリーあるいは弱スイカ、強チェリーあるいは強スイカ、中段チェリーの順で高くなるように設定されている。
【0081】
ここで、AT・CZ抽選およびAT抽選を実行する契機となる、弱チェリー、弱スイカ、強チェリー、強スイカまたは中段チェリーに当選した場合は、ボーナスに同時当選している可能性がある(図8参照)。そのため、本実施形態においては、弱チェリー、弱スイカ、強チェリー、強スイカまたは中段チェリーに当選した場合に、遊技者はボーナス、AT、またはCZのうちのいずれかに制御されることに対する期待感が持てるゲーム性になっている。
【0082】
[各種コマンド]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
【0083】
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、押し順コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT・CZ抽選時コマンド、CZ中コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0084】
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。また、内部抽選にハズレた場合は、内部当選コマンドとして、ハズレたことを特定可能なコマンドを送信する。ここで、押し順によって遊技者に有利不利が生じる抽選対象役については、いずれの抽選対象役に当選したかが判定できないようにグループ化されている。
【0085】
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、CZ中またはAT中において、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。たとえば、AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信され、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できない。なお、ナビ演出が行われない非AT中においては予め定められた標準手順(たとえば左第1停止)を特定可能な押し順コマンドが送信される。
【0086】
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
【0087】
AT・CZ抽選時コマンドは、AT・CZ抽選の結果およびATまたはCZの開始タイミングを特定可能なコマンドである。
【0088】
CZ中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがCZ中におけるゲームであるか否か、残りのCZゲーム数を特定可能なコマンドである。
【0089】
AT抽選時コマンドは、AT抽選の結果およびATの開始タイミングを特定可能なコマンドである。
【0090】
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否か、残りのATゲーム数を特定可能なコマンドである。
【0091】
[グループ化コマンド]
内部当選コマンドには、押し順ベルや押し順リプレイなどのナビ対象役が当選したときに送信されるコマンドとして、グループ化コマンドが含まれる。メイン制御部41は、以下の処理を実行することで、サブ制御部91にグループ化コマンドを送信する。
【0092】
まず、各抽選対象役は、役の種類を特定可能な役番号がそれぞれ定められている。たとえば、図7に示すように、左ベル1〜4はそれぞれ「14」〜「17」の役番号、中ベル1〜4はそれぞれ「18」〜「21」の役番号、右ベル1〜4はそれぞれ「22」〜「25」の役番号が定められている。また、リプレイGR1〜6はそれぞれ「32」〜「37」の役番号、リプレイGR11〜13はそれぞれ「38」〜「40」の役番号、リプレイGR21〜23はそれぞれ「41」〜「43」の役番号が定められている。
【0093】
また、各抽選対象役は、同じ機能や役割を有する他の役とともにグループ化されており、グループ番号が定められている。たとえば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4は、操作手順に応じて主役(純増枚数を増加させる役)が入賞する機能を有する押し順ベルであるため、押し順ベルグループとしてまとめられている。つまり、役番号「14」〜「25」に対応する押し順ベルのそれぞれは、押し順ベルグループとしてまとめられている。また、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、およびリプレイGR21〜23は、操作手順に応じて遊技者にとって有利な役(たとえば、昇格リプレイや通常リプレイ、特殊リプレイなど)が入賞する機能を有する押し順リプレイであるため、押し順リプレイグループとしてまとめられている。つまり、役番号「32」〜「43」に対応する押し順リプレイのそれぞれは、押し順リプレイグループとしてまとめられている。
【0094】
メイン制御部41は、内部抽選によっていずれかの抽選対象役に当選したときに、当選役に対応する役番号を特定する。メイン制御部41は、特定した役番号を用いてリール制御などのメイン側の処理を行う。また、メイン制御部41は、特定した役番号に基づき、所属するグループを特定する。そして、メイン制御部41は、特定したグループを特定可能なグループ化コマンドをサブ制御部91に対して送信する。たとえば、メイン制御部41は、特定したグループが押し順ベルグループであれば、押し順ベルグループを特定可能な役番号として「14」の情報をグループ化コマンドに含ませる。あるいは、メイン制御部41は、特定したグループが押し順リプレイグループであれば、押し順リプレイグループを特定可能な役番号として「32」の情報をグループ化コマンドに含ませる。
【0095】
一例を挙げると、メイン制御部41は、内部抽選によって中ベル2が当選した場合、中ベル2に対応する役番号「19」を特定する。メイン制御部41は、特定した役番号「19」を用いてリール制御などのメイン側の処理を行う。また、メイン制御部41は、特定した役番号「19」がどのグループに属する役番号であるかをグループごとに順次判定する。メイン制御部41は、特定した役番号「19」が、押し順ベルグループに対応する役番号「14」〜「25」に属するか否かを判定したときには、役番号「19」が押し順ベルグループに対応する役番号「14」〜「25」に属すると特定する。そして、メイン制御部41は、押し順ベルグループを特定可能な役番号として「14」の情報をグループ化コマンドに含ませて、サブ制御部91にグループ化コマンドを送信する。
【0096】
前述したようなグループ化コマンドは、当選役が属するグループを特定可能なコマンドであるが、具体的な役の種類までは特定できないコマンドである。このため、サブ制御部91は、メイン制御部41からグループ化コマンドを受信したとしても、操作手順(正解手順)までは特定できず、ナビ演出によって正解手順を報知することはできない。
【0097】
そこで、メイン制御部41は、通常区間(非CZ中,非AT中)において内部抽選を実行した場合と、有利区間(CZ中,AT中)において内部抽選を実行した場合とで、それぞれ以下で説明するようにコマンドを送信する。
【0098】
たとえば、メイン制御部41は、通常区間(非CZ中,非AT中)で実行した内部抽選において何らかの役に当選すると、グループ化コマンドをサブ制御部91に送信する一方で、操作手順(正解手順)を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に送信しない。このため、サブ制御部91は、通常区間において、グループ化コマンドに基づき当選役が属するグループを特定できるものの操作手順(正解手順)までは特定できず、ナビ演出によって正解手順を報知することはできない。このように、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたコマンドを手掛かりに、操作手順(正解手順)を報知できないようになっている。よって、不正によってサブ制御部91をコントロールすることで、通常区間であるにも関わらずナビ演出によって操作手順(正解手順)が報知できてしまうことを防止することできる。
【0099】
一方、メイン制御部41は、有利区間(CZ中,AT中)で実行した内部抽選において何らかの役に当選すると、グループ化コマンドをサブ制御部91に送信するとともに、遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行う場合に操作手順(正解手順)を特定可能な押し順コマンドをさらにサブ制御部91に送信する。このため、サブ制御部91は、有利区間において、グループ化コマンドに基づき当選役が属するグループを特定できるとともに、さらに押し順コマンドに基づき操作手順(正解手順)も特定でき、ナビ演出によって正解手順を報知することができる。このように、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたコマンドを手掛かりに、操作手順(正解手順)を報知できるようになっている。このようにして、メイン制御部41は、有利区間における操作手順(正解手順)の報知を管理している。
【0100】
また、前述したように、メイン制御部41は、通常区間および有利区間のいずれであっても、グループ化コマンドをサブ制御部91に送信し、有利区間(CZ中,AT中)である場合に限りさらに押し順コマンドをサブ制御部91に送信すればよいので、グループ化コマンドを送信する点では通常区間と有利区間とで処理を共通化することができる。
【0101】
なお、上述した例に限らず、メイン制御部41は、通常区間においては、グループ化コマンドとともに予め定められた標準手順(たとえば左第1停止)を特定可能な押し順コマンドを送信してもよい。
【0102】
また、上述した例に限らず、メイン制御部41は、有利区間においては、押し順コマンドを送信せずに、グループ化コマンドの代わりに各当選役を個別に特定可能な役番号を含ませたコマンドを送信してもよい。
【0103】
チェリーやスイカなどのレア役についても、グループ化されていてもよく、メイン制御部41は、チェリーやスイカなどが当選したときには、当選役が属するグループを特定可能なグループ化コマンドをサブ制御部91に送信してもよい。
【0104】
たとえば、弱チェリーと弱スイカとは「弱」が付くレア役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱チェリーおよび弱スイカのいずれが当選したときでも同じ弱レア役当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき弱レア役が当選したことを特定できれば弱レア役当選用の演出を実行することができる。同様に、強チェリーと強スイカとは「強」が付くレア役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、強チェリーおよび強スイカのいずれが当選したときでも同じ強レア役当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき強レア役が当選したことを特定できれば強レア役当選用の演出を実行することができる。
【0105】
たとえば、弱チェリーと強チェリーとは「チェリー」役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱チェリーおよび強チェリーのいずれが当選したときでも同じチェリー当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づきチェリー役が当選したことを特定できればチェリー当選用の演出を実行することができる。同様に、弱スイカと強スイカとは「スイカ」役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱スイカおよび強スイカのいずれが当選したときでも同じスイカ当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づきスイカ役が当選したことを特定できればスイカ当選用の演出を実行することができる。
【0106】
たとえば、弱チェリーが弱チェリー1と弱チェリー2とで分かれている場合、弱チェリー1と弱チェリー2とは「弱チェリー」役として同じグループに属していてもよい。また、強チェリーが強チェリー1と強チェリー2とで分かれている場合、強チェリー1と強チェリー2とは「強チェリー」役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱チェリー1および弱チェリー2のいずれが当選したときでも同じ弱チェリー当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき弱チェリー役が当選したことを特定できれば弱チェリー当選用の演出を実行することができる。また、サブ制御部91は、強チェリー1および強チェリー2のいずれが当選したときでも同じ強チェリー当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき強チェリー役が当選したことを特定できれば強チェリー当選用の演出を実行することができる。なお、スイカ役についても、弱スイカ役と強スイカ役とでグループを分けることでチェリー役と同じことが言える。
【0107】
また、ボーナスなどの特別役についても、グループ化されていてもよく、メイン制御部41は、ボーナスなどが当選したときには、当選役が属するグループを特定可能なグループ化コマンドをサブ制御部91に送信してもよい。たとえば、全てのボーナスを一つにまとめてグループ化して、いずれのボーナスが当選したときでも共通のグループ化コマンドを送信してもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91がボーナスの種類に応じて異なる演出やナビ演出を実行するものであれば、ボーナスの種類に応じてボーナスをグループ化して、ボーナスの種類が特定可能なグループ化コマンドを送信してもよい。
【0108】
サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、およびリールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。以下、サブ制御部91が実行する各種演出を具体的に説明する。
【0109】
[CZ中の演出]
サブ制御部91は、CZ中にAT抽選が行われた場合に、ATに当選したこと、またはボーナスに当選したことを示唆する演出を実行する。具体的には、1〜3ゲームに亘って実行される前兆演出および2〜4ゲームに亘って実行される連続演出のうちの少なくともいずれか一方を実行する。
【0110】
前兆演出は、毎ゲーム、ATまたはボーナスといった遊技者にとって有利な特典に関する示唆をするための画像(以下、アイコンともいう)を表示する示唆表示が行われる演出である。前兆演出は、キャラクタが登場して宝箱を開くことで示唆表示を行う宝箱演出(第1前兆演出ともいう)と、カーテンを開けることで示唆表示を行うカーテン演出(第2前兆演出ともいう)とを含む。
【0111】
本実施形態においては、複数ゲームに亘って前兆演出を実行する場合には、毎ゲーム示唆表示が行われる前兆演出が実行される。また、複数ゲームに亘って前兆演出を実行する場合に、毎ゲーム同じ種類の前兆演出を実行する。これにより、同じ前兆演出が複数回繰り返されることになるため、前兆演出が連続して行われていることがわかりやすくなる。なお、複数ゲームに亘って前兆演出を実行する場合に、毎ゲーム同じ種類の前兆演出を実行するのではなく、毎ゲームごとに前兆演出の種類を変えるようにしてもよい。このようにすることで、何度も同じ前兆演出が行われることがなくなるため、遊技者は、その前兆演出に見飽きてしまうということを防止することができる。
【0112】
連続演出は、予め定められた期間(ゲーム数)実行され、その最後にATまたはボーナスといった遊技者にとって有利な特典が付与されたか否かを報知する演出である。連続演出は、味方キャラクタ(図13中の戦士キャラクタ)と敵キャラクタ(図13に示す悪魔キャラクタ)とが戦い、戦いの結果によって特典が付与されたか否かを報知するバトル演出(第1連続演出ともいう)と、キャラクタが城を目指し、城に到着するというミッションを達成できたか否かによって特典が付与されたか否かを報知するミッション演出(第2連続演出ともいう)とを含む。
【0113】
[前兆演出]
前兆演出中に実行される演出を、図11を用いて具体的に説明する。図11は、前兆演出の一例を示す図である。図11中の左側に示した図11(a),(b),(c)は宝箱演出である第1前兆演出の一例を示す図である。図11中の右側に示した図11(a’),(b’),(c’)はカーテン演出である第2前兆演出の一例を示す図である。図11に示した第1前兆演出と第2前兆演出とのうち、いずれの演出も、連続演出が実行される場合において当該連続演出の前に行われる演出である。
【0114】
図11(a)〜(c)を用いて、第1前兆演出について詳細に説明する。第1前兆演出においては、図11(a)に示すように、レバーオンがされると、3種類の宝箱A〜Cの画像が液晶表示器51に表示される。このとき、第1前兆演出に関連したBGMとして楽曲Aがスピーカ53,54から出力されはじめ、第1前兆演出が終了するまで出力され続ける。その後、第1停止すると、図11(b)に示すように、キャラクタが登場して、キャラクタが宝箱A〜Cのうちいずれかを選択する画像が液晶表示器51に表示される。そして、第3停止したときに、宝箱が開いて、宝箱の中から、連続演出に移行することを示す発展アイコンが出てくるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される。
【0115】
次に、図11(a’)〜(c’)を用いて、第2前兆演出について詳細に説明する。第2前兆演出においては、図11(a’)に示すように、レバーオンがされると、カーテンが閉まっている様子を表す画像が液晶表示器51に表示される。このとき、第2前兆演出に関連したBGMとして楽曲Bがスピーカ53,54から出力されはじめ、第2前兆演出が終了するまで出力され続ける。その後、第1停止すると、図11(b’)に示すように、カーテンが少し開いている様子を表す画像が液晶表示器51に表示される。そして、第3停止したときに、カーテンが全部開いて、カーテンで覆われていた連続演出に移行することを示す発展アイコンの全体が視認可能となるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54から第1前兆演出において発展アイコンが表示されるときに出力される音と同じアイコン表示音が出力される。つまり、第3停止したときに、発展アイコンを表示させる示唆表示が行われる。
【0116】
ここで、連続演出は、ボーナスに当選しているときの方が高い確率で実行される(図15参照)。つまり、発展アイコンが連続演出に移行することを示すということは、発展アイコンはボーナスという特典が付与されていることを示唆するアイコンともいえ、発展アイコンが表示されることで、特典に関する示唆が行われているともいえる。
【0117】
図11(c)および(c’)に示すように、示唆表示が行われるときには第1前兆演出であるか第2前兆演出であるかに関わらず、アイコン表示音がスピーカ53,54から出力される。つまり、第1前兆演出であっても、第2前兆演出であっても、示唆表示が行われることに伴ってスピーカ53,54から出力される音はアイコン表示音という共通の音であるため、遊技者は、示唆表示が行われたことを容易に認識することができる。また、示唆表示を、異なる種類の演出のいずれの演出においても行うことができるため、示唆表示を行う演出として様々な演出を実行することができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
【0118】
図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出のように、特典に関する示唆をするためのアイコン画像以外にもキャラクタや宝箱といった他の画像が表示されているような演出においては、第2前兆演出のように、カーテンを開けて特典に関する示唆をするためのアイコン画像だけを遊技者に見せるような演出に比べて、特典に関する示唆をするためのアイコン画像は小さい。具体的には、液晶表示器51の表示領域に対して、アイコン画像が表示される特定領域が占める割合が、第1前兆演出においては1/2未満であるのに対して、第2前兆演出においては1/2以上である。なお、液晶表示器51の表示領域に対して特定領域に占める割合は一例であって、所定の値を基準にすればよい。
【0119】
このように、第1前兆演出において表示される発展アイコンの大きさと、第2前兆演出において表示される発展アイコンの大きさとを異ならせることができるため、様々な演出において特典に関する示唆をするための画像を用いることができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
【0120】
なお、第1前兆演出において、特典に関する示唆をするためのアイコン画像以外にも、表示されるキャラクタの種類によっても特典に関する示唆をするようにし、第1前兆演出において表示されるアイコン画像の大きさを、第2前兆演出において表示されるアイコン画像に比べて小さくするようにしてもよい。このようにすることで、複数種類の画像によって特典に関する示唆を行うような第1前兆演出においては、第2前兆演出と共通する画像以外の画像にも遊技者を注目させることができる。
【0121】
図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出において発展アイコンが表示される位置は液晶表示器51の中央よりも上部であるのに対して、第2前兆演出において発展アイコンが表示される位置は液晶表示器51の中央である。このように、第1前兆演出において発展アイコンが表示される位置と、第2前兆演出において発展アイコンが表示される位置とを異ならせることができるため、様々な演出において特典に関する示唆をするための画像を用いることができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
【0122】
たとえば、第1前兆演出のように、特典に関する示唆をするためのアイコン画像以外にもキャラクタや宝箱といった他の画像が表示されているような演出においては、他の画像と被らない位置に特典に関する示唆をするための発展アイコンを表示する。これに対して、第2前兆演出のように、カーテンを開けて特典に関する示唆をするためのアイコン画像だけを遊技者に見せるような演出においては、特典に関する示唆をするためのアイコン画像に遊技者の注目を集めるために中央の目立つ位置に特典に関する示唆をするための発展アイコンを表示することができる。
【0123】
図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出であっても、第2前兆演出であっても、示唆表示が行われるタイミングは、いずれの演出においても第3停止したときである。つまり、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの前兆演出においても示唆表示は第3停止を契機に行われる。そのため、遊技者は第3停止という所定の契機により行われる表示が特典に関する示唆をするための示唆表示であることを認識することができ、異なる2以上の演出のいずれにおいても示唆表示が行われるような場合に、遊技者は、示唆表示が行われたことを容易に認識することができる。また、遊技者は第3停止という所定の契機で示唆表示が行われることを認識することができ、その結果、所定の契機における液晶表示器51の表示に対して期待感を持つことができる。
【0124】
図11に示すように、第1前兆演出中は楽曲Aがスピーカ53,54から出力され、第 2前兆演出中は楽曲Bがスピーカ53,54から出力される。一方、示唆表示が行われるときには第1前兆演出であるか第2前兆演出であるかに関わらず、アイコン表示音がスピーカ53,54から出力される。このように、演出の種類に関わらず示唆表示が実行されるときに出力される音は同じであるものの、演出の種類によって音を変えることができる ため、遊技の興趣が向上する。
【0125】
なお、本実施形態において、楽曲Aおよび楽曲B(BGMともいう)は前兆演出が終了するまで出力されるものとした。つまり、アイコン表示音は、BGMと重なるように出力されるものとした。このとき、アイコン表示音の音量が、BGMの音量よりも大きくなるようにアイコン表示音を出力してもよい。音量を大きくする方法としては、BGMの音量を変えずにアイコン表示音をBGMの音量よりも大きな音量にするようにしてもよく、また、BGMの音量を小さくすることで、アイコン表示音の音量を大きくするようにしてもよい。このようにすることで、アイコン表示音の音を遊技者に認識させやすくすることができる。BGMの音量を小さくした場合には、アイコン表示音の出力を止めたときに、もとの音量に戻すようにしてもよい。
【0126】
また、アイコン表示音を出力するときに、BGMの出力を止めるようにしてもよい。つまり、アイコンを表示する場合に、BGMからアイコン表示音に音を切替えるようにしてもよい。このようにすることで、アイコン表示音の音を遊技者に認識させやすくすることができるとともに、前兆演出の結果が表示されたこと、あるいは、前兆演出が終了することを遊技者に認識させやすくすることができる。
【0127】
[示唆表示において表示されるアイコン(画像)]
示唆表示において表示されるアイコンを詳細に説明する。アイコンの一種である発展アイコンは、緑色の雲の中に発展という文字が描かれた画像である。つまり、発展アイコンは、発展という文字部分と、緑色の雲という形状と色彩とを結合させた意匠部分とから成る。このように、アイコンが文字部分と意匠部分とからなるため、アイコンが分かり易く、一目で示唆表示が行われたことを認識することができる。
【0128】
なお、本実施形態において、意匠部分とは、緑色の雲という形状と色彩とを結合させた部分であるとしたが、文字と認識できる部分以外の、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせる部分であればよい。
【0129】
図11においては、示唆表示において表示されるアイコンの一例として、発展アイコンを例示した。しかし、前兆演出中に行われる示唆表示において表示されるアイコンの種類は発展アイコンに限られず、複数種類設けられている。ここで、図12を用いて、前兆演出中に行われる示唆表示において表示されるアイコンの種類を説明する。図12は、各種アイコンの共通部分と相違部分とを示す図である。図12(a)は、各種アイコンの共通部分を示す図である。図12(b)は、各種アイコンの相違部分を示す図である。
【0130】
複数種類あるアイコンとしては、図12(b)に示すように、発展アイコン以外に、WINアイコン、激熱アイコン、CHANCEアイコン、…アイコン、および??アイコンが設けられている。ここで、これらのアイコンのうち、いずれのアイコンを表示させるかは、ボーナスまたはATといった遊技者にとって有利な特典が付与されているか否かによって、異なるため(図19参照)、これらのアイコンを表示させることで、特典に関する示唆が行われるともいえる。
【0131】
図11(c)および(c’)に示すように、アイコンは、雲のようなデザインの形状と、雲の中に描かれる文字と、雲の色とから構成されている。図12(a)に示すように、複数種類ある各アイコンは、それぞれ形状が等しく、いずれのアイコンの形状も雲のようなデザインの形状をしている。また、図12(b)に示すように、複数種類ある各アイコンは、それぞれ、雲の中に描かれる文字と雲の色とが異なる。たとえば、激熱アイコンは、赤色の雲の中に激熱という文字が描かれたアイコンであって、CHANCEアイコンは、黄色の雲の中にCHANCEという文字が描かれたアイコンである。
【0132】
このように、示唆表示において表示されるアイコンを複数種類設けて、実行態様の異なる複数種類の示唆表示が実行される場合に、各アイコンの形状部分を同じにすることで、異なる種類の示唆表示が実行された場合であっても、示唆表示において表示されるアイコンであることを分かり易くすることができ、示唆表示が行われたことを遊技者は容易に認識することができる。また、各アイコンの文字部分と色部分とを異ならせることにより、示唆表示の実行態様のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
【0133】
なお、本実施形態において、各種アイコンについて、一の文字には、一の色が対応付けられているが、色と文字とを対応付けなくてもよい。たとえば、発展という文字が描かれたアイコンとして、雲の色が緑色のアイコン、虹色のアイコン、および赤色のアイコンの複数種類を設けてもよい。このように、文字と色との組合せを変えて、複数種類のアイコンを設けるようにしてもよい。このような場合は、アイコンのデータとして、形状に関するデータと、文字に関するデータと、色に関するデータと、3つ用意し、各データを組み合わせて一つのアイコンデータを作るようにしてもよい。このようにすることで、アイコンデータのデータ容量を減らすことができるとともに、複数種類のアイコンを表示することができる。
【0134】
また、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、いずれの前兆演出においても、発展アイコン等が表示され得る。つまり、同じ態様で示唆表示が実行されることがある。このように、いずれの前兆演出においても同じ態様で示唆表示が実行されるため、遊技者はいずれの前兆演出で示唆表示が行われた場合であっても、行われたものが示唆表示であることを認識しやすい。
【0135】
また、発展アイコン、激熱アイコン、CHANCEアイコン、…アイコン、??アイコンのいずれのアイコンであっても、アイコンを表示するときにスピーカ53,54から出力される音は共通するアイコン表示音である。つまり、示唆表示の種類に関わらず、示唆表示を実行するときにスピーカ53,54から出力される音は同じアイコン表示音である。そのため、示唆表示の種類に関わらず、同じアイコン表示音が出力されるため、示唆表示が実行されたことを遊技者が認識しやすい。
【0136】
[連続演出]
連続演出中に実行される演出を、図13および図14を用いて具体的に説明する。図13は、バトル演出である第1連続演出の一例を示す図である。図14は、ミッション演出である第2連続演出の一例を示す図である。
【0137】
図13を用いて、第1連続演出について詳細に説明する。第1連続演出は4ゲームに亘って実行されるバトル演出である。第1連続演出においては、図13(a)に示すように、レバーオンがされると、「バトル開始」という文字が液晶表示器51に表示される。このとき、第1連続演出に関連したBGMとして楽曲Cがスピーカ53,54から出力されはじめ、第1連続演出が終了するまで出力され続ける。そして、所定期間が経過すると図13(b)に示すように、味方キャラクタである戦士キャラクタと敵キャラクタである悪魔キャラクタとが対峙している様子の画像が液晶表示器51に表示される。その後、図13(c)に示すように、戦士キャラクタと悪魔キャラクタとが戦う様子の画像が液晶表示器51に表示され、2ゲーム目以降においても、戦士キャラクタと悪魔キャラクタとが戦う様子の画像が液晶表示器51に表示され続ける。
【0138】
第1連続演出が始まってから3ゲーム目の第3停止されたときは、図13(d)および(d’)に示すように、カットイン演出が行われる場合と、行われない場合とがある。カットイン演出とは、現在実行している演出に被せて、異なる演出画像を突如として表示させる演出である。第1連続演出においては、図13(d)に示すように、「チャンス!」という文字と戦士キャラクタとからなる画像(カットイン画像ともいう)を現在実行している演出に被せるように表示させる演出をカットイン演出という。
【0139】
図13(d)に示すように、カットイン演出が行われるときには、スピーカ53,54からチャンス音が出力される。一方、図13(d’)に示すように、カットイン演出が行われない場合は、チャンス音は出力されない。3ゲーム目の第3停止がされた後、4ゲーム目のレバーオンが行われると、再度、戦士キャラクタと悪魔キャラクタとが戦う様子の画像が液晶表示器51に表示される。
【0140】
4ゲーム目の第3停止がされたときに、ボーナスまたはATのうち少なくともいずれかの特典が付与されている場合には、図13(e)に示すように、戦士キャラクタが勝利したことを示す「WIN」という文字画像とともに、戦士キャラクタがピースしている画像が表示される。戦士キャラクタが勝利した様子の画像が表示されるときには、スピーカ53,54から勝利したことを表すWIN音が出力される。
【0141】
一方、ボーナスおよびATの、いずれの特典も付与されていない場合には、4ゲーム目の第3停止がされたときに、図13(e’)に示すように、戦士キャラクタが敗北した様子の画像が表示されるとともに、背景も暗くなる。戦士キャラクタが敗北した様子の画像が表示されるときには、スピーカ53,54から敗北したことを表すLOSE音が出力される。
【0142】
次に図14を用いて、第2連続演出について詳細に説明する。第2連続演出は2ゲームに亘って実行されるミッション演出である。第2連続演出においては、図14(a)に示すように、レバーオンがされると、「城に辿り着け」というミッションを示す文字が液晶表示器51に表示される。このとき、第2連続演出に関連したBGMとして楽曲Dがスピーカ53,54から出力されはじめ、第2連続演出が終了するまで出力され続ける。そして、所定期間が経過すると図14(b)に示すように、キャラクタが道を進んでいる様子の画像が液晶表示器51に表示される。
【0143】
第2連続演出が始まったゲーム(1ゲーム目)において第3停止されたときに、図14(c)に示すように、二手に分かれた道が表示されるとともに、二手に分かれた道のうちどちらの道を進むべきかを問う「どっちだ?」という文字が液晶表示器51に表示される。
【0144】
2ゲーム目を開始するためにレバーオンしたときは、図14(d)および(d’)に示すように、カットイン演出が行われる場合と、行われない場合とがある。第2連続演出においては、図14(d)に示すように、「右だ!」という文字とキャラクタとからなる画像がカットイン画像である。
【0145】
2ゲーム目のレバーオンが行われた後、第1停止されると、再度、図14(b)に示すような、キャラクタが道を進んでいる様子の画像が液晶表示器51に表示される。
【0146】
2ゲーム目の第3停止がされたときに、ボーナスまたはATのうち少なくともいずれかの特典が付与されている場合には、図14(e)に示すように、キャラクタが城に到着してミッションを達成したことを示す「WIN」という文字画像とともに、キャラクタが万歳をしている画像が表示される。ミッションを達成した様子の画像が表示されるときには、スピーカ53,54から第1連続演出において戦士キャラクタが勝利した様子の画像が表示されるときに出力される音と同じWIN音が出力される。
【0147】
一方、ボーナスおよびATのうち、いずれの特典も付与されていない場合には、2ゲーム目の第3停止がされたときに、図14(e’)に示すように、ミッションを達成できなかった様子を示す画像が表示されるとともに、第1連続演出において戦士キャラクタが敗北した様子の画像を表示するときと同様、背景が暗くなる。ミッションを達成しなかった様子を示す画像が表示されるときには、スピーカ53,54から第1連続演出において戦士キャラクタが敗北した様子の画像が表示されるときに出力される音と同じLOSE音が出力される。
【0148】
ここで、カットイン演出は、ボーナス当選しているときの方が高い確率で実行される(図16参照)。そのため、カットイン演出は、カットイン画像(図13(d)および図14(d)に示すキャラクタと文字とからなる画像)を表示させることで、ボーナスという遊技者にとって有利な特典に関する示唆を行う演出ともいえる。
【0149】
また、第1連続演出および第2連続演出のいずれにおいても、図13(e)および図14(e)に示すように、ボーナスまたはATに当選したときに「WIN」という文字画像が表示される。また、第1連続演出および第2連続演出のいずれにおいても、図13(e’)および図14(e’)に示すように、ボーナスおよびATのいずれにも当選していないときに液晶表示器51に表示される画像の背景が暗くなる。そのため、「WIN」という文字画像を表示させることや画像の背景を暗くすることで、ボーナスやATという遊技者にとって有利な特典に関する示唆が行われるともいえる。
【0150】
図13(e)および図14(e)に示すように、第1連続演出および第2連続演出のいずれにおいても、「WIN」という文字画像は、液晶表示器51の右下という同じ位置に同じ大きさで表示される。つまり、第1連続演出であっても、第2連続演出であっても、「WIN」という文字画像が表示される位置は共通しているため、遊技者は、特典に関する示唆が行われたことを容易に認識することができる。また、異なる種類の演出のいずれの演出においても、「WIN」という文字画像を表示することで特典に関する示唆を行うことができるため、「WIN」という文字画像を表示する演出として様々な演出を実行することができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
【0151】
また、図13(d)および図14(d)に示すように、第1連続演出においてカットイン画像が表示されるタイミングは、第3停止されたときであるのに対して、第2連続演出においてカットイン画像が表示されるタイミングは、レバーオンがされたときである。つまり、カットイン演出は、第1連続演出中は第3停止を契機に行われるのに対して、第2連続演出中はレバーオンを契機に行われる。また、第1連続演出においても第2連続演出においても、カットイン画像が表示されるときには、共通のチャンス音がスピーカ53,54から出力される。
【0152】
つまり、第1連続演出であっても、第2連続演出であっても、カットイン演出が行われることに伴ってスピーカ53,54から出力される音はチャンス音という共通の音であるため、遊技者は、カットイン演出が行われたことを容易に認識することができる。また、カットイン演出を、異なる種類の演出のいずれの演出においても行うことができるため、カットイン演出を行う演出として様々な演出を実行することができ、その結果、遊技の興趣が向上する。また、第1連続演出においてカットイン画像を表示する契機と、第2連続演出においてカットイン画像を表示する契機とを異ならせることができるため、演出の長さや内容に合わせて特典に関する示唆をするための画像を表示させることができ、その結果、様々な演出に特典に関する示唆をするための画像を用いることができ遊技の興趣が向上する。
【0153】
また、戦士キャラクタが表示されるカットイン演出およびキャラクタが表示されるカットイン演出のいずれにおいても、カットイン演出が実行されるときには、同じチャンス音が出力される。そのため、カットイン演出の種類に関わらず同じ音が出力されるため、カットイン演出が実行されたことを遊技者が認識しやすい。
【0154】
また、図13(d)および図14(d)に示すように、カットイン画像は文字部分とキャラクタという意匠部分とからなる。このように、カットイン演出に用いるカットイン画像が文字部分と意匠部分とからなるため、カットイン演出が実行されたことが分かりやすく、遊技者は一目でカットイン演出が実行されたことを認識することができる。
【0155】
また、図13(e)および図14(e)に示すように、第1連続演出中と第2連続演出中とで、いずれの連続演出においても、同一の「WIN」という文字画像が表示され得る。つまり、同じ態様で特典に関する示唆が行われる。このように、いずれの連続演出においても同じ態様で特典に関する示唆が実行されるため、遊技者はいずれの連続演出で特典に関する示唆が行われた場合であっても、行われたものが特典に関する示唆であることを認識しやすい。
【0156】
また、図13(d)および図14(d)に示すように、第1連続演出中と第2連続演出中とで、カットイン演出の演出態様は、第1連続演出においては第1連続演出中に表示される戦士キャラクタが表示されるのに対して、第2連続演出においては第2連続演出中に表示されるキャラクタが表示される点で異なる。つまり、第1連続演出中は第1連続演出に関する態様でカットイン演出が行われ、第2連続演出中は第2連続演出に関する態様でカットイン演出が行われる。このように、演出に関する態様でカットイン演出を実行することで、演出に沿ってカットイン演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
【0157】
図13および図14に示すように、第1連続演出中は楽曲Cがスピーカ53,54から出力され、第2連続演出中は楽曲Dがスピーカ53,54から出力される。一方、「WIN」という文字画像が表示されるときは第1連続演出であるか第2連続演出であるかに関わらず、WIN表示音がスピーカ53,54から出力される。このように、演出の種類に関わらず特典に関する示唆が行われるときに出力される音は同じであるものの、演出の種類によって音を変えることができるため、遊技の興趣が向上する。
【0158】
なお、本実施形態において、楽曲Cおよび楽曲D(BGMともいう)は連続演出が終了するまで出力されるものとした。つまり、チャンス音、WIN音、LOSE音は、BGMと重なるように出力されるものとした。しかし、連続演出の途中で出力されるチャンス音については、チャンス音の音量がBGMの音量よりも大きくなるように出力し、連続演出の最後に出力されるWIN音およびLOSE音については、これらの音が出力されるときにBGMの出力を止めるようにしてもよい。つまり演出の途中で特典に関する示唆の実行に伴って音を出力する場合には演出中に常時出力されている音を停止させないようにし、演出の最後に特典に関する示唆の実行に伴って音を出力する場合には演出中に常時出力されている音から異なる音に切り替えるようにしてもよい。
【0159】
音量を大きくする方法としては、BGMの音量を変えずにチャンス音をBGMの音量よりも大きな音量にするようにしてもよく、また、BGMの音量を小さくすることで、チャンス音の音量を大きくするようにしてもよい。このようにすることで、チャンス音の音を遊技者に認識させやすくすることができる。また、BGMの出力を止めることなく、チャンス音を出力することで、連続演出が終わってしまったのではないかと思わせることなく、カットイン演出を実行することができるとともに、チャンス音の音を遊技者に認識させやすくすることができる。BGMの音量を小さくした場合には、チャンス音の出力を止めたとき、または、カットイン演出が終了したタイミングで、もとの音量に戻すようにしてもよい。
【0160】
また、演出の最後に、WIN音やLOSE音のような特典に関連した音を出力する場合に、BGMから特典に関連した音に切替えるようにしてもよい。このようにすることで、特典に関連した音を遊技者に認識させやすくすることができるとともに、演出が終了することを遊技者に認識させやすくすることができる。
【0161】
なお、特典に関連した音(WIN音、LOSE音等)を出力するときに、BGMを止めるのではなく、特典に関連した音の音量の方がBGMの音量よりも大きくなるようにしてもよい。
【0162】
[CZ中の演出の決定方法]
図11,13,14に示した、サブ制御部91がCZ中に実行する各演出の実行方法について説明する。本実施形態においては、AT抽選は、ボーナスと同時に当選する抽選対象役(具体的には中段チェリー、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱チェリー)に当選したときに実行される(図8、図10参照)。そのため、AT抽選が行われたときに、ATおよびボーナスのいずれにも当選しない場合と、ATだけに当選する場合と、ボーナスだけに当選する場合と、ATおよびボーナスの双方に当選する場合とが考えられる。サブ制御部91は、ATおよびボーナスのうちのいずれかに当選したこと、または、ATおよびボーナスのいずれにも当選していないことを前兆演出および連続演出を実行することにより報知する。つまり、前兆演出および連続演出は、ATおよびボーナスといった遊技者にとって特典が付与されたことを報知する報知演出の一例ともいえる。
【0163】
サブ制御部91は、CZ中にAT抽選が行われたときに、連続演出の実行の有無と、連続演出の内容と、前兆演出の実行の有無と、前兆演出の内容とを決定する。そして、決定した内容に従って、複数ゲームに亘って演出を実行する。連続演出の内容として、サブ制御部91は、第1連続演出および第2連続演出のうちのいずれの連続演出を実行するかと、カットイン演出を実行するか否かを決定する。前兆演出の内容として、サブ制御部91は、第1前兆演出および第2前兆演出のうちのいずれの前兆演出を実行するかと、前兆演出を何ゲーム(何回)実行するかと、各前兆演出で表示するアイコンとを決定する。
【0164】
サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されるCZ中コマンドおよびAT抽選時コマンドに基づいて、CZ中にAT抽選が行われたことを判断することができる。そして、内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドに基づいてATおよびボーナスのうちのいずれかに当選していることを判断することができる。サブ制御部91は、内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドに基づいて、連続演出の実行の有無と、連続演出の内容と、前兆演出の実行の有無と、前兆演出の内容とを決定する。
【0165】
[連続演出の決定]
図15および図16を用いて、連続演出の実行の有無および連続演出の内容の決定方法について説明する。図15は、連続演出決定テーブルを示す図である。図16はカットイン演出決定テーブルを示す図である。サブ制御部91は、AT抽選時コマンドを受信したときには、図15に示した連続演出決定テーブルに示した確率で連続演出を実行しないか、第1連続演出を実行するか、または第2連続演出を実行するかを決定する。
【0166】
サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいてボーナス(BB)当選したか否かを判断することができ、ボーナス当選したときは必ず連続演出を実行する。一方、ボーナス当選しなかったときは、サブ制御部91は、70%の確率で連続演出を実行しないことに決定する。また、サブ制御部91は、ボーナス当選したときは第2連続演出よりも高い確率で第1連続演出を実行することに決定し、ボーナス当選しなかったときは第1連続演出よりも高い確率で第2連続演出を実行することに決定する。つまり、第2連続演出が実行されたときよりも、第1連続演出が実行されたときの方が、ボーナスに当選していることに対する期待度が高い。そのため、連続演出が実行されるか否かということ以外にも、いずれの連続演出が実行されるかにも遊技者の注目を集めることができる。
【0167】
また、第1連続演出と第2連続演出とを比べると、第2連続演出の方が第1連続演出に比べて実行される期間が長い。このように、ボーナスに当選している可能性が第1連続演出に比べて低い第2連続演出の期間を第1連続演出に比べて短くすることで、期待感の低い演出が長く行われることを防止することができる。
【0168】
また、連続演出を実行することに決定した場合に、サブ制御部91は、連続演出中にカットイン演出を実行するか否かを図16に示したカットイン演出決定テーブルに示した確率に従って決定する。たとえば、ボーナス当選している場合には、80%の確率でカットイン演出を実行することに決定し、20%の確率でカットイン演出を実行することに決定する。図16に示すように、ボーナスに当選している場合は、高い確率でカットイン演出が行われる。そのため、連続演出中にカットイン演出が実行されるか否かに、遊技者を注目させることができる。
【0169】
[前兆演出の決定]
図17から図19を用いて、前兆演出の実行の有無および前兆演出の内容の決定方法について説明する。図17は、前兆演出決定テーブルを示す図である。図18は前兆期間決定テーブルを示す図である。図19はアイコン決定テーブルを示す図である。サブ制御部91は、連続演出に関する決定をした後、図17に示した前兆演出決定テーブルに示した確率で前兆演出を実行しないか、第1前兆演出を実行するか、または第2前兆演出を実行するかを決定する。
【0170】
サブ制御部91は、AT抽選時コマンドおよび内部当選コマンドに基づいて、ATおよびBBに当選したか否かを判断することができる。ATおよびBBのそれぞれに当選した場合と、BBのみに当選した場合と、ATだけに当選した場合と、ATおよびBBのいずれにも当選しなかった場合とで、異なる確率で前兆演出の実行に関する決定を行う。たとえば、ATおよびBBのそれぞれに当選した場合に、サブ制御部91は、10%の確率で前兆演出を実行しないことに決定し、70%の確率で第1前兆演出を実行することに決定し、20%の確率で第2前兆演出を実行することに決定する。
【0171】
図17に示すように、ATおよびBBのいずれかに当選した場合は、ATおよびBBのいずれにも当選しなかった場合に比べて、高い確率で第1前兆演出および第2前兆演出のいずれかを実行することに決定する。これにより、前兆演出そのものが実行されるか否かに遊技者の注目を集めることができる。
【0172】
また、ATおよびBBのいずれにも当選した場合は、いずれか一方にしか当選しなかった場合に比べて、第2前兆演出よりも第1前兆演出が実行される確率が高い。そのため、前兆演出が実行されるか否かということ以外にも、いずれの前兆演出が実行されるかにも遊技者の注目を集めることができる。
【0173】
前兆演出を実行することに決定した場合に、サブ制御部91は、前兆演出を何ゲーム(何回)実行するかを図18に示した前兆期間決定テーブルに示した確率に従って決定する。たとえば、ATおよびBBのいずれにも当選している場合には、10%の確率で1ゲームに決定し、30%の確率で2ゲームに決定し、60%の確率で3ゲームに決定する。図18に示すように、ATおよびBBのいずれにも当選していない場合は、ATおよびBBのいずれかに当選している場合に比べて、高い確率で前兆期間として1ゲームが選択される。また、BBに当選している場合は、ATに当選している場合に比べて高い確率で2ゲーム以上となり、特に3ゲームとなる確率がATに当選している場合に比べて高い。そのため、前兆演出が実行される期間にも注目させることができる。
【0174】
サブ制御部91は、連続演出を実行するか否か、前兆演出の期間、付与されている特典の種類に基づいて前兆演出中に表示するアイコンの種類を決定する。本実施形態において、連続演出を実行しない場合は、図19(a)〜(c)に示したアイコン決定テーブルを用いて前兆演出中に表示するアイコンを決定する。一方、前兆演出を実行する場合は、図19(d)〜(f)に示したアイコン決定テーブルを用いて前兆演出中に表示するアイコンを決定する。図19(a)〜(c)および図19(d)〜(f)のいずれのアイコン決定テーブルを用いるかは前兆演出を実行する期間に基づいて決定する。たとえば、連続演出を実行しないことと、前兆期間を2ゲームにすることとを決定した場合は、図19(b)に示した第2表示アイコン決定テーブルに従って、前兆演出において表示するアイコンを決定する。
【0175】
図中の表示アイコン欄に記載の、「…」、「WIN」、「??」、「CHANCE」、「発展」および「激熱」はそれぞれ前兆演出中の第3停止時に表示されるアイコンを指すものである。また、前兆演出を複数ゲーム行う場合の、各ゲーム中に表示されるアイコンは、一番左に記載されたアイコンを1ゲーム目の第3停止時に表示されるアイコンとし、矢印を介して次に記載のアイコンが2ゲーム目の第3停止時に表示されるアイコンとして示されている。たとえば、「??」→「??」→「…」は1ゲーム目の第3停止時に??アイコンが表示され、2ゲーム目の第3停止時に??アイコンが表示され、3ゲーム目の第3停止時に…アイコンが表示されることを示している。
【0176】
たとえば、連続演出を実行しないことと、前兆演出を2ゲーム行うこととが決定している場合にAT当選しているときは、サブ制御部91は、1ゲーム目に??アイコンを表示し、2ゲーム目にWINアイコンを表示することに30%の確率で決定し、1ゲーム目にCHANCEアイコンを表示し、2ゲーム目にWINアイコンを表示することに70%の確率で決定する。
【0177】
図19(a)〜(c)と図19(d)〜(f)を比較して分かるように、連続演出を実行する場合には、前兆演出が実行される最終ゲームにおいては発展アイコンが表示される。また、図19(a)〜(c)に示すように、前兆演出が実行される最終ゲームにおいて、ATに当選しているときはWINアイコンが表示される。一方、ATおよびBBのいずれにも当選していない場合は、…アイコンが表示される。つまり、WINアイコンは特典の付与を示すアイコンであって、…アイコンは特典が付与されていないことを示すアイコンである。
【0178】
図19(b),(c),(e),(f)に示すように、CHANCEアイコンが表示される確率は、はずれの場合に比べて、ATおよびBBのうちの少なくともいずれかに当選している場合の方が高い。これにより、CHANCEアイコンが表示されることに対して遊技者を期待させることができる。
【0179】
図19(e),(f)に示すように、ATおよびBBのうち、いずれにも当選していないはずれの場合は、激熱アイコンは表示されない。つまり、激熱アイコンの表示は、ATおよびBBのうちの少なくともいずれかに当選していることを示す。また、激熱アイコンが表示される確率は、図19(e),(f)に示すように、ATおよびBBの両方に当選している場合の方が、一方だけに当選している場合に比べて高い。これにより、激熱アイコンが表示されることに対して遊技者を期待させることができる。
【0180】
このように、アイコンの種類によって、ATおよびBBといった特典に関する示唆が行われる。そのため、アイコンの種類に遊技者を注目させることができる。
【0181】
[サブ制御部が記憶するデータ]
サブ制御部91は、連続演出に関するデータとして、「WIN」とういう文字を輝かせる動画データ(図13(e)、図14(e)参照)、背景を暗くする画像データ(図13(e’)、図14(e’)参照)およびカットイン演出において用いる動画データ(図13(d)、図14(d)参照)をRAM91cに記憶している。また、連続演出に関するその他のデータとして、特典が付与されているか否かに関わらず共通する演出の動画データ(図13(a)〜(d’)、図14(a)〜(d’)参照)と、特典が付与されているか否かに応じて異なる演出の動画データ(図13(e),(e’)、図14(e),(e’)参照)をそれぞれ記憶している。
【0182】
サブ制御部91は、図15および図16のテーブルに従って決定した演出の内容を、RAM91cに記憶している各種動画データを組み合わせることにより図13および図14に示した連続演出を実行する。たとえば、特典が付与されている場合に第1連続演出においてカットイン演出を実行すると決定した場合は、特典が付与されているか否かに関わらず共通する第1連続演出の動画データ、第1連続演出において用いるカットイン演出の動画データ、特典が付与されている場合特有の第1連続演出の動画データおよび「WIN」とういう文字を輝かせる動画データをそれぞれ、所定のタイミングで用いる。
【0183】
このように、第1連続演出であるか第2連続演出であるかに関わらず実行される「WIN」という文字画像を表示するための動画データを備えることにより、この動画データを異なる演出で共通して用いることができるため、データ容量を削減することができる。また、特典が付与されているか否かに関わらず共通して用いる動画データ、特典が付与されているか否かに応じて異なる演出の動画データ、連続演出の種類に関わらず共通して用いる動画データを別々にRAM91cに記憶し、組み合わせて用いることにより、記憶する動画データの容量を減らしながらも多様な演出を行うことができるスロットマシンである遊技機を提供できる。
【0184】
サブ制御部91は、連続演出と同様に前兆演出についても、表示するアイコンの種類に関わらず共通する動画データと、アイコンを表示する動画データとをRAM91cに記憶しており、アイコンを表示する動画データをアイコンの種類ごとにRAM91cに記憶している。
【0185】
サブ制御部91は、前兆演出の種類に基づいて、アイコンを表示する動画データを表示させる領域と動画データの表示サイズとを決定する。たとえば、第1前兆演出においてアイコンを表示する場合は、第2前兆演出においてアイコンを表示する場合に比べて表示サイズを小さくするとともに、液晶表示器51の中央ではなく、中央よりも上方にアイコンを表示するように動画データを出力する。
【0186】
このように、第1前兆演出であるか第2前兆演出であるかに関わらず実行されるアイコンを表示するための動画データを備えることにより、この動画データを異なる演出で共通して用いることができるため、データ容量を削減することができる。また、表示するアイコンの種類に関わらず共通する動画データと、アイコンを表示する動画データとを別々にRAM91cに記憶し、組み合わせて用いることにより、記憶する動画データの容量を減らしながらも多様な演出を行うことができるスロットマシンである遊技機を提供できる。
【0187】
なお、本実施形態においては、動画データについて、共通して用いるデータと、個別に用いるデータとを分けて記憶することを例に挙げたが、画像データ、音データ等についても、各演出で共通して用いるデータと、各演出で個別に用いるデータとを分けて記憶してもよい。
【0188】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態のその他の変形例を説明する。
【0189】
[異なる演出で特典に関する示唆に用いる画像を表示する場合の共通事項]
本実施形態においては、第1前兆演出中と第2前兆演出において、特典に関する示唆に用いる画像であるアイコンを表示する場合に、表示する際の音、アイコンの態様、表示する契機をそれぞれ共通にするものを例に挙げた。また、第1連続演出中と第2連続演出中において、特典に関する示唆に用いる画像であるカットイン画像を表示する場合に、表示する際の音、表示する大きさ、表示する位置をそれぞれ共通にするものを例に挙げた。また、第1連続演出中と第2連続演出中において、特典に関する示唆に用いる画像である「WIN」という文字画像を表示する場合に、表示する際の音、表示する大きさ、表示する位置、表示するタイミング、画像の態様をそれぞれ共通にするものを例に挙げた。しかし、異なる演出中において、特典に関する示唆に用いる画像を表示する場合に、表示するときの音、表示の態様、表示する位置、表示する契機および画像の大きさのうちの少なくとも一つが各演出で共通していればよい。
【0190】
[特典に関する示唆に用いる画像]
本実施形態においては、示唆表示において表示されるアイコンは「発展アイコン」のように、文字部分を構成要素としたが、文字部分を含まない、意匠部分のみからなるアイコンであってもよい。たとえば、特定のキャラクタを示唆表示において表示されるアイコンとしてもよい。また、連続演出においても、「WIN」という文字画像を表示させるようにしたが、キャラクタがVサインを出しているような意匠部分のみからなる画像を第1連続演出と第2連続演出とで表示してもよい。また、カットイン演出についても同様に、特定のキャラクタという意匠部分のみからなる画像をカットイン画像として表示してもよい。このように、特典に関する示唆に用いる画像が意匠部分のみからなるため、画像が分かり易く、遊技者は一目で特典に関する示唆が行われたことを認識することができる。
【0191】
また、本実施形態において、前兆演出において用いたCHANCEアイコンや激熱アイコンを連続演出中のカットイン画像として用いてもよい。また、連続演出中の「WIN」という文字画像の代わりに、前兆演出において用いるWINアイコンを用いてもよい。また、LOSE音が出力される図13(e’)および図14(e’)において、前兆演出において用いる…アイコンを表示させてもよい。このように、特典に関する示唆に用いる画像が文字部分と意匠部分とからなるため、画像が分かり易く、遊技者は一目で特典に関する示唆が行われたことを認識することができる。
【0192】
本実施形態においては、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、いずれの前兆演出においても、同一のアイコンが表示される、同じ態様で示唆表示が実行される場合を示した。しかし、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、それぞれ、各演出に関連した態様で示唆表示を実行するようにしてもよい。たとえば、第1前兆演出のように宝箱を開けるような場合には、金貨を表示させることで、特典が付与されていることを示唆するようにしてもよい。一方、第2前兆演出のようにカーテンを開けるような場合には、雲の形によって、特典が付与されていることを示唆するようにしてもよい。このような場合でありても、示唆表示を実行するときの音、表示位置、および表示タイミングのうちのいずれか一つでも共通していれば、遊技者は示唆表示であることを認識しやすい。このように、演出に関する態様で示唆表示を実行することで、演出に沿って示唆表示を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
【0193】
また、本実施形態においては、第1連続演出中と第2連続演出中とで、いずれの連続演出においても、同一の「WIN」という文字画像が表示される、特典に関する示唆を行う際に用いる画像が同じ態様である場合を例に示した。しかし、第1連続演出中と第2連続演出中とで異なるようにしてもよい。たとえば、第1連続演出中はバトル演出に関連して「勝利」という文字画像が表示され、第2連続演出中はミッション演出に関連して「到着」という文字画像が表示されるようにしてもよい。このように、演出に関する態様で示唆表示を実行することで、特典に関する示唆を画像を用いて演出に沿って実行することができ、遊技の興趣が向上する。
【0194】
また、本実施形態においては、第1連続演出中と第2連続演出中とで、カットイン画像の態様を異なるようにする例を示した。しかし、第1連続演出中と第2連続演出中とで、カットイン画像の態様を同じにしてもよい。たとえば、特定のキャラクタの画像をカットイン画像とした場合に、いずれの連続演出であっても、特定のキャラクタの画像をカットイン画像として用いてもよい。このように、演出の種類に関わらず同じ態様でカットイン演出が行われるため、遊技者はいずれの演出でカットイン演出が実行された場合であっても、実行されたものがカットイン演出であることを認識しやすい。
【0195】
また、本実施形態においては、特典に関する示唆に用いる画像として、カットイン画像やWINという文字画像やアイコンを例に挙げたがこれに限ったものではない。たとえば、ナビ演出中に表示されるストップスイッチ8L,8C,8Rのような導出操作手段の操作態様を示す画像であってもよい。ナビが押し順リプレイまたは押し順ベルに当選したときに実行されるような場合、ナビ演出が実行されることはメダルの払出しまたはリプレイゲームという特典が付与されたことを示唆することである。つまり、ナビ演出中に表示される、ストップスイッチ8L,8C,8Rのような導出操作手段の操作態様を特定可能な画像を表示することによって、メダルの払出しまたはリプレイゲームという特典が付与されたことが示唆される。ナビ演出中に複数種類の演出を実行することができる遊技機において、いずれの演出中であっても、操作手段の操作態様を特定可能な画像が表示される場合に、画像を表示するときの音、画像を表示する契機、画像を表示する位置、画像の大きさのうちの少なくとも一つが同じであればよい。また、押し順ベルに当選したときと、押し順リプレイに当選したときとで、画像を表示するときの態様(音、表示する画像の態様、位置、大きさを含む)を変えるようにしてもよい。
【0196】
[スピーカから出力される音]
本実施形態において、音が共通するとは、少なくとも音色および音の高さが同じであればよく、音量を変えるようにしてもよい。たとえば、第1連続演出中と第2連続演出中とで出力されるアイコン表示音は少なくとも音色および音の高さが同じであればよい。遊技者が音量の調整をすることができるような遊技機においては、第1前兆演出が実行されるときと、第2前兆演出が実行されるときとで、音量が異なるように設定される場合がある。このような場合であっても、示唆表示が行われるときに出力される音の音色と音の高さとを共通にすることで、示唆表示が行われていることを認識することができる。
【0197】
[特典に関する示唆に用いる画像の種類毎に出力される音]
本実施形態において、WINアイコン、発展アイコン、激熱アイコン、CHANCEアイコン、…アイコン、??アイコンのいずれのアイコンが表示される場合であっても、スピーカ53,54から同じアイコン表示音が出力されるものとしたが、表示されるアイコンの種類によって、スピーカ53,54から出力される音を変えるようにしてもよい。具体的には、発展アイコンを表示するときには、アイコン表示音Aを出力し、激熱アイコンを表示するときは、アイコン表示音Bを出力するようにしてもよい。このように、示唆表示の種類毎に出力される音が異なるため、多様な演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
【0198】
また、連続演出中においては、「WIN」という文字画像が表示されるときにWIN音が出力されるとした。しかし、ボーナスまたはATのいずれにも当選しなかった場合に実行される図13(e’)および図14(e’)の演出においても、「LOSE」という文字画像を表示させてもよい。この場合に、「WIN」という文字画像が表示される場合も「LOSE」という文字画像が表示される場合も、いずれの場合であっても、同一の音が出力されるようにしてもよい。このようにすることで、特典に関する示唆が行われたことを遊技者が認識しやすい。
【0199】
また、カットイン演出においても、複数種類のカットイン画像のうちのいずれかを表示することができるようにし、カットイン画像が表示されたことに伴って出力される音をカットイン画像の種類毎に異なるようにしてもよい。ただし、第1連続演出と第2連続演出とで、同じ種類のカットイン画像が表示される場合には、同じ音がスピーカ53,54から出力される。たとえば、キャラクタAが表示されるカットイン画像とキャラクタBが表示されるカットイン画像を備え、キャラクタAのカットイン画像が表示される場合にはチャンス音Aが出力され、キャラクタBのカットイン画像が表示される場合にはチャンス音Bが出力されるようにしてもよい。このように、カットイン画像の種類毎に出力される音が異なるため、多様な演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
【0200】
[BGMについて]
なお、本実施形態において、第1前兆演出中、第2前兆演出中、第1連続演出中および第2連続演出中とでBGMを異ならせることとしたが、全ての演出で同じBGMを出力してもよい。また、BGMではなく、キャラクタがしゃべるような演出において、キャラクタの音声を変えるようにしてもよい。
【0201】
[特典に関する示唆に用いる画像を表示する契機]
なお、本実施形態において、特典に関する示唆に用いる画像を表示する契機を第3停止されたときや、レバーオンという操作がされたときとしたが、連続演出や前兆演出が開始してから所定期間経過したことを契機としてもよい。また、演出用スイッチ56への操作を促す演出を行うとともに、演出用スイッチ56が操作されたことを契機に特典に関する示唆に用いる画像を表示してもよい。たとえば、特典に関する期待度が第2演出よりも高い第1演出においては、演出用スイッチ56のように、遊技の進行に関わらない操作手段への操作を契機に特典に関する示唆に用いる画像を表示し、第2演出においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rのように、遊技の進行に関わる操作手段への操作を契機に特典に関する示唆に用いる画像を表示してもよい。
【0202】
[第1演出および第2演出]
本実施形態において、第1演出として第1前兆演出および第1連続演出、第2演出として第2前兆演出および第2連続演出を例に挙げたが、これに限ったものではない。たとえば、前兆演出中と連続演出中とで、共通のアイコンを表示するようにしてもよい。具体的には、前兆演出中に用いられるATに当選したことを示すWINアイコン、…アイコン、CHANCEアイコン、激熱アイコンをそれぞれ連続演出中に用いてもよい。
【0203】
また、本実施形態において、第1演出と第2演出とは、それぞれ、第1連続演出と第2連続演出のようにボーナスという同じ特典に関する示唆を行う演出としたが、第1演出と第2演出とが示唆する特典はそれぞれ異なるようなものであってもよい。たとえば、第1演出においては特典としてボーナスに当選したことを画像を表示することで示唆し、第2演出においては特典としてCZに当選したことを画像を表示することで示唆してもよい。
【0204】
本実施形態において、特典に関する示唆として、ATに当選したこと、BBに当選したこと、ATおよびBBのいずれにも当選したことをそれぞれ示唆するものとした。しかし、CZに当選したことや、付与されたCZゲーム数を示唆するようにしてもよい。また、ATに当選したことや、付与されたATゲーム数を示唆するようにしてもよい。
【0205】
また、非CZ中にATまたはCZに当選した場合に次ゲームからATまたはCZに制御し、ATやCZのような遊技者にとって有利な状態に制御されていることを報知するようなスロットマシンにおいては、ATまたはCZに移行したタイミングでATまたはCZのうちいずれに移行したかを示唆する演出をしてもよい。
【0206】
[画像を表示する位置]
本実施形態において、画像を表示する位置が共通するとは、図13(e)および図14(e)に示すように、画像の大きさも共通する例を示したが、画像の大きさが異なっていても、画像の中央が同じ位置になるように配置されていれば、同じ位置とする。
【0207】
[遊技機]
実施形態において、遊技機の例として入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
【0208】
また、前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンを説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンを説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
【0209】
また、いわゆるパチンコ遊技機であってもよい。パチンコ遊技機の遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置が設けられている。遊技球が所定の入賞口に入賞すると、特別変動表示装置が特別第1特別図柄および第2特別図柄のうち少なくとも一方を変動表示させると共に、演出表示装置では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち少なくとも一方の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行われる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示及びその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。演出表示装置は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出表示装置では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、例えば「左」、「中」、「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
【0210】
パチンコ遊技機は、遊技球が所定の入賞口に入賞したが、所定の開始条件(大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する可変表示が終了しているとき)が成立していないときには、所定の上限数の範囲内(たとえば、4個)で保留記憶情報として記憶する。ここで、保留記憶情報とは、たとえば、特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御するか否か等を特定するための情報である。
【0211】
パチンコ遊技機は、遊技の進行を制御するメイン制御部と、演出の制御を実行するサブ制御部とを備える。パチンコ遊技機は、打球(遊技球)を発射させる打球操作ハンドルとは別に、画面操作用スイッチ(画面操作用スイッチ205に対応)、スティックコントローラ、トリガボタン(演出用スイッチ56に対応)を備える。パチンコ遊技機のサブ制御部は、当該画面操作用スイッチ、スティックコントローラ、トリガボタンの操作を検出することができるように、画面操作用スイッチ、スティックコントローラ、トリガボタンは、サブ制御部に電気的に接続されている。
【0212】
液晶表示装置(LCD)には、図11、図13、図14で説明した演出が、大当り状態に移行することを示唆する演出として行われる。大当り状態に制御することが決定したことを示唆する画像を表示する契機としては、可変表示が開始してから所定期間経過したことを契機としてもよく、また、画面操作用スイッチ、スティックコントローラ、トリガボタンといった操作手段を操作したことを契機としてもよい。
【0213】
異なる複数種類の演出のいずれにおいても、大当り状態に制御するという特典が付与されたことを示唆する画像を表示する場合に、画像を表示するときに出力されるときの音、画像を表示する契機、画像を表示する位置、および画像の大きさのうちの少なくとも一つが共通していればよい。
【0214】
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
【0215】
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
【0216】
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
【0217】
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
【0218】
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
【0219】
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
【0220】
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
【0221】
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
【0222】
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
【0223】
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
【0224】
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
【0225】
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
【0226】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0227】
[実施の形態および変形例のまとめ]
上記実施の形態および変形例に記載した遊技機は、以下のような構成を備えるものである。
【0228】
遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、 画像(たとえば、図11(c)に示す発展アイコン)を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示を行うサブ制御部91)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53,54)と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(たとえば、図11に示す、第1前兆演出および第2前兆演出を実行するサブ制御部91)とを備え、
前記示唆表示手段は、前記第1演出中と前記第2演出中とのうち、いずれの演出中であっても前記示唆表示を実行可能であって(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うことが可能である)、
前記第1演出中に前記示唆表示が実行されるときと、前記第2演出中に前記示唆表示が実行されるときとで、前記音出力手段によって同じ音が出力される(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うときには、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される)。
【0229】
前記示唆表示手段が表示する前記画像は、文字部分(たとえば、発展という文字部分)および意匠部分からなる(たとえば、緑色の雲という形状と色彩を結合させた意匠部分)。
【0230】
前記示唆表示手段は、前記第1演出中に前記示唆表示を実行する場合と、前記第2演出中に前記示唆表示を実行する場合とで、前記画像を同じ位置に表示することで当該示唆表示を実行する(たとえば、図13(e)および図14(e)に示すように、第1連続演出および第2連続演出のいずれにおいても、「WIN」という文字画像は、液晶表示器51の右下という同じ位置に表示される)。
【0231】
前記示唆表示手段は、前記第1演出中に前記示唆表示を実行する場合と、前記第2演出中に前記示唆表示を実行する場合とで、同じ契機で当該示唆表示を実行する(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出であっても、第2前兆演出であっても、いずれの演出においても第3停止したときに示唆表示が行われる)。
【0232】
前記示唆表示手段は、前記第1演出中に前記示唆表示を実行する場合と、前記第2演出中に前記示唆表示を実行する場合とで、前記画像の大きさを異ならせて表示することで当該示唆表示を実行する(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出において表示される発展アイコンの大きさと、第2前兆演出において表示される発展アイコンの大きさとを異ならせて示唆表示が実行される)。
【0233】
前記示唆表示手段は、前記第1演出中に前記示唆表示を実行する場合と、前記第2演出中に前記示唆表示を実行する場合とで、前記画像を異なる位置に表示することで当該示唆表示を実行する(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出においては液晶表示器51の中央よりも上部に発展アイコンが表示されるのに対して、第2前兆演出においては液晶表示器51の中央に発展アイコンが表示されるように示唆表示が実行される)。
【0234】
前記示唆表示手段は、前記第1演出中に前記示唆表示を実行する場合と、前記第2演出中に前記示唆表示を実行する場合とで、異なる契機で当該示唆表示を実行する(たとえば、図13(d)および図14(d)に示すように、カットイン演出は、第1連続演出中は第3停止を契機に行われるのに対して、第2連続演出中はレバーオンを契機に行われる)。
【0235】
前記示唆表示手段が表示する前記画像は、意匠部分のみからなる(たとえば、変形例の[特典に関する示唆に用いる画像]欄に記載された特定のキャラクタを示唆表示において表示されるアイコンとする)。
【0236】
前記示唆表示手段は、前記第1演出中と前記第2演出中とで、同じ態様で前記示唆表示を実行する(たとえば、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、いずれの前兆演出においても、同一の発展アイコンが表示される)。
【0237】
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中は当該第1演出に関連する第1態様により前記示唆表示を実行し、
前記第2演出中は当該第2演出に関連する第2態様により前記示唆表示を実行する(変形例の[特典に関する示唆に用いる画像]欄に記載された、宝箱演出においては金貨を表示させる示唆表示を行い、カーテン演出においては雲の形によって特典の付与を示唆する示唆表示を行う)。
【0238】
前記示唆表示手段は、第1示唆表示(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示)および当該第1示唆表示とは態様が異なる第2示唆表示(たとえば、激熱アイコンを表示する示唆表示)を含む複数種類の示唆表示を実行可能であって、
前記音出力手段は、
前記第1示唆表示の実行に伴って第1音(たとえば、変形例の[特典に関する示唆に用いる画像の種類毎に出力される音]欄に記載された、アイコン表示音A)を出力し、
前記第2示唆表示の実行に伴って第2音(たとえば、変形例の[特典に関する示唆に用いる画像の種類毎に出力される音]欄に記載された、アイコン表示音B)を出力する。
【0239】
前記示唆表示は複数種類あり(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示と激熱アイコンを表示する示唆表示)、
前記示唆表示の種類に関わらず、当該示唆表示を実行するときに前記音出力手段が出力する音は同じである(たとえば、表示されるアイコンの種類に関わらず、アイコンを表示するときには、同じアイコン表示音が出力される)。
【0240】
前記示唆表示を実行するための動画データを記憶する記憶手段(アイコンを表示する動画データ記憶するRAM91c)をさらに備える。
【0241】
前記示唆表示手段は、第1示唆表示(たとえば、図12のWINアイコン)および当該第1示唆表示とは態様が異なる第2示唆表示(たとえば、図12の…アイコン)を含む複数種類の前記示唆表示を実行可能であって、
前記示唆表示手段が表示する前記画像は、形状部分(たとえば、雲のようなデザインの形状)と色彩部分(たとえば、雲の色)とを含む意匠部分に加えて、文字部分(たとえば、雲の中に描かれる文字)を含んで構成され、
前記第1示唆表示と前記第2示唆表示とでは、前記示唆表示手段が表示する前記画像の前記形状部分が共通であり、前記文字部分および前記色彩部分が異なる(図12に示すように、WINアイコンと…アイコンとでは、雲のようなデザインの形状が共通するものの、雲の色と雲の中に描かれる文字とが異なる)。
【0242】
前記音出力手段は、
前記第1演出中は第1演出音(たとえば、楽曲A)を出力し、
前記第2演出中は第2演出音(たとえば、楽曲B)を出力する。
【符号の説明】
【0243】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、41a メインCPU、41b ROM、41c RAM、42 乱数回路、43 パルス発振器、51 液晶表示器、56 演出用スイッチ、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a サブCPU、91b ROM、91c RAM。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
音を出力する音出力手段と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、
前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である、遊技機。
【請求項2】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、
音を出力する音出力手段と、
第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、
前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、
前記示唆表示手段は、
前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、
前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、
前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、
前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、
前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、
前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、
前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照
異議決定日 2022-04-13 
出願番号 P2017-023314
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A63F)
P 1 651・ 113- YAA (A63F)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 澤田 真治
太田 恒明
登録日 2021-01-22 
登録番号 6827834
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
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