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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1386749
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-02-10 
確定日 2022-02-22 
事件の表示 特願2020−544304「マイクロ波プラズマ処理装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月 1日国際公開,WO2021/131097,請求項の数(11)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2020年(令和2年)5月1日(優先権主張 令和元年12月25日)を国際出願日とする出願であって,令和2年8月20付けで手続補正がされ,同年9月25日付けで拒絶理由通知がされ,同年10月30日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされ,同年12月1日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,令和3年2月10日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,同年3月12日付けで前置報告がされ,同年4月12日に審判請求人から前置報告に対する上申がされたものである。

第2 原査定の理由の概要
原査定(令和2年12月1日付け拒絶査定)の理由の概要は次のとおりである。

本願の請求項1〜11に係る発明は,以下の引用文献1,2に記載された発明及び周知技術(引用文献3)に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであり,本願の請求項2〜11に係る発明は,以下の引用文献1,2,5〜8に記載された発明及び周知技術(引用文献3,4)に基づいて,当業者が容易に発明できたもので
あるから,特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2012−089334号公報
2.特開2001−257098号公報
3.特開2007−247014号公報
4.特開2011−084770号公報
5.特開平9−106900号公報
6.特開平3−109726号公報
7.特開2005−019968号公報
8.特開2013−023408号公報

第3 本願発明
本願請求項1〜11に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」〜「本願発明11」という。)は,令和3年2月10日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1〜11に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
容器,
前記容器内に複数のマイクロ波を供給するマイクロ波供給部,及び,
前記容器内に供給される前記複数のマイクロ波の位相を制御することによって,前記容器内に生成されるプラズマを,前記容器内に配置されている基材上において,前記容器内に発生する化学活性種の寿命以上の周期且つ前記基材上の任意の点における前記化学活性種が失活する前に次の前記プラズマが到来するような周期で,周期的に移動させる制御部
を備え,
前記プラズマの直径は,前記基材の直径よりも小さいことを特徴とする
マイクロ波プラズマ処理装置。」

なお,本願発明2〜11は,本願発明1を減縮した発明である。

第4 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2012−089334号公報)には,次の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下,同様である。)。

「【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は,本発明の第1の実施形態に係るマイクロ波プラズマ源を有する表面波プラズマ処理装置の概略構成を示す断面図であり,図2はマイクロ波プラズマ源の構成を示す構成図であり,図3はマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波供給部を模式的に示す平面図,図4はマイクロ波プラズマ源におけるアンテナモジュールに用いられるメインアンプの回路構成の例を示す図,図5はマイクロ波プラズマ源におけるアンテナモジュールに用いられるマイクロ波導入機構を示す断面図,図6はマイクロ波導入機構の給電機構を示す図5のAA′線による横断面図,図7はチューナにおけるスラグと滑り部材を示す図5のBB′線による横断面図である。
【0018】
表面波プラズマ処理装置100は,ウエハに対してプラズマ処理として例えばエッチング処理を施すプラズマエッチング装置として構成されており,気密に構成されたアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属材料からなる略円筒状の接地されたチャンバ1と,チャンバ1内にマイクロ波プラズマを形成するためのマイクロ波プラズマ源2とを有している。チャンバ1の上部には開口部1aが形成されており,マイクロ波プラズマ源2はこの開口部1aからチャンバ1の内部に臨むように設けられている。
【0019】
チャンバ1内には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのサセプタ11が,チャンバ1の底部中央に絶縁部材12a介して立設された筒状の支持部材12により支持された状態で設けられている。サセプタ11および支持部材12を構成する材料としては,表面をアルマイト処理(陽極酸化処理)したアルミニウム等が例示される。
【0020】
また,図示はしていないが,サセプタ11には,ウエハWを静電吸着するための静電チャック,温度制御機構,ウエハWの裏面に熱伝達用のガスを供給するガス流路,およびウエハWを搬送するために昇降する昇降ピン等が必要に応じて設けられている。さらに,サセプタ11には,整合器13を介して高周波バイアス電源14が電気的に接続されている。この高周波バイアス電源14からサセプタ11に高周波電力が供給されることにより,ウエハW側にプラズマ中のイオンが引き込まれる。
【0021】
チャンバ1の底部には排気管15が接続されており,この排気管15には真空ポンプを含む排気装置16が接続されている。そしてこの排気装置16を作動させることによりチャンバ1内が排気され,チャンバ1内が所定の真空度まで高速に減圧することが可能となっている。また,チャンバ1の側壁には,ウエハWの搬入出を行うための搬入出口17と,この搬入出口17を開閉するゲートバルブ18とが設けられている。
【0022】
チャンバ1内のサセプタ11の上方位置には,プラズマエッチングのための処理ガスをウエハWに向けて吐出するシャワープレート20が水平に設けられている。このシャワープレート20は,格子状に形成されたガス流路21と,このガス流路21に形成された多数のガス吐出孔22とを有しており,格子状のガス流路21の間は空間部23となっている。このシャワープレート20のガス流路21にはチャンバ1の外側に延びる配管24が接続されており,この配管24には処理ガス供給源25が接続されている。
【0023】
一方,チャンバ1のシャワープレート20の上方位置には,リング状のプラズマガス導入部材26がチャンバ壁に沿って設けられており,このプラズマガス導入部材26には内周に多数のガス吐出孔が設けられている。このプラズマガス導入部材26には,プラズマガスを供給するプラズマガス供給源27が配管28を介して接続されている。プラズマガスとしてはArガス等の希ガスが好適に用いられる。
【0024】
プラズマガス導入部材26からチャンバ1内に導入されたプラズマガスは,マイクロ波プラズマ源2からチャンバ1内に導入されたマイクロ波によりプラズマ化され,このプラズマがシャワープレート20の空間部23を通過しシャワープレート20のガス吐出孔22から吐出された処理ガスを励起し,処理ガスのプラズマを形成する。
【0025】
マイクロ波プラズマ源2は,チャンバ1の上部に設けられた支持リング29により支持された天板110上に設けられている。支持リング29と天板110との間は気密にシールされている。図2に示すように,マイクロ波プラズマ源2は,複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30と,マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波をチャンバ1に導き,チャンバ1内に放射するためのマイクロ波供給部40とを有している。
【0026】
マイクロ波出力部30は,マイクロ波電源31と,マイクロ波発振器32と,発振されたマイクロ波を増幅するアンプ33と,増幅されたマイクロ波を複数に分配する分配器34とを有している。
【0027】
マイクロ波発振器32は,所定周波数(例えば,2.45GHz)のマイクロ波を例えばPLL発振させる。分配器34では,マイクロ波の損失ができるだけ起こらないように,入力側と出力側のインピーダンス整合を取りながらアンプ33で増幅されたマイクロ波を分配する。なお,マイクロ波の周波数としては,2.45GHzの他に,8.35GHz,5.8GHz,1.98GHz,915MHz等を用いることができる。
【0028】
マイクロ波供給部40は,分配器34で分配されたマイクロ波をチャンバ1内へ導く複数のアンテナモジュール41を有している。各アンテナモジュール41は,分配されたマイクロ波を主に増幅するアンプ部42と,マイクロ波導入機構43とを有している。また,マイクロ波導入機構43は,インピーダンスを整合させるためのチューナ60と,増幅されたマイクロ波をチャンバ1内に放射するアンテナ部45とを有している。そして,各アンテナモジュール41におけるマイクロ波導入機構43のアンテナ部45からチャンバ1内へマイクロ波が放射されるようになっている。図3に示すように,マイクロ波供給部40は,アンテナモジュール41を7個有しており,各アンテナモジュール41のマイクロ波導入機構43が,円周状に6個およびその中心に1個,円形をなす天板110の上に配置されている。天板110は,真空シールおよびマイクロ波透過板として機能し,金属製のフレーム110aと,マイクロ波導入機構43が配置されている部分に嵌め込まれた石英等の誘電体からなる誘電体部材110bとを有している。
【0029】
アンプ部42は,位相器46と,可変ゲインアンプ47と,ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48と,アイソレータ49とを有している。
【0030】
位相器46は,マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており,これを調整することにより放射特性を変調させることができる。例えば,各アンテナモジュール毎に位相を調整することにより指向性を制御してプラズマ分布を変化させることができる。本実施形態では,後述するように,所定のアンテナモジュールの位相を固定し,それに隣接するアンテナモジュールの位相を連続的に変化させることによりマイクロ波の定在波を抑制する。
・・・
【0054】
表面波プラズマ処理装置100における各構成部は,マイクロプロセッサを備えた制御部120により制御されるようになっている。制御部120は表面波プラズマ処理装置100のプロセスシーケンスおよび制御パラメータであるプロセスレシピを記憶した記憶部や,入力手段およびディスプレイ等を備えており,選択されたプロセスレシピに従ってプラズマ処理装置を制御するようになっている。
・・・
【0060】
例えば,図8の斜線で示した3つのマイクロ波導入機構43について,マイクロ波の入力位相を周期的な波形によって変化させ,残りの白抜きのマイクロ波導入機構43については入力位相を0°で固定する。したがって,その際の隣接するマイクロ波導入機構43におけるマイクロ波の入力位相は,周期的な波形をサイン波とすると,図9に示すようになる。そして,隣り合うマイクロ波導入機構43のマイクロ波の入力位相がともに0°のときに定在波の腹になっていた部分は,一方の入力位相が180°ずれたときには節になり,節になっていた部分は腹になる。したがって,このように周期的に入力位相を変化させることにより,定在波の節と腹の位置が連続的に変化して電界強度が平均化され,電界強度の面内均一性を高めることができる。そのため,チャンバ1内での電子密度,すなわちプラズマ密度を均一にして均一なプラズマ処理を行うことができる。
【0061】
この際の,各マイクロ波導入機構43へ入力されるマイクロ波の位相は,各アンテナモジュール41の位相器46により調整される。各位相器46は制御部120により制御される。
【0062】
周期的な波形としてはサイン波に限らず用いることができ,図10(a)に示す三角波,(b)に示す台形波等種々のものを用いることができる。また,完全なサイン波に限らず,たとえば位相が180°付近の時間を長くしたい場合には,(c)に示すように,サイン波を位相180°付近で扁平にしたようなサイン波に準じた波形(サイン波状波形)とすることもできる。矩形波も適用が可能ではあるが,微分値が無限大になる部分があるので好ましくない。
【0063】
実際に図3のような7つのマイクロ波導入機構を配置したプラズマ源を用いて,全てのマイクロ波導入機構のマイクロ波の入力位相を0°にした場合と,外周の6のマイクロ波導入機構のうち3つの入力位相を180°に変えた場合とでチャンバ内の電界分布を把握した。ここでは,チャンバ内の圧力:0.5Torr,マイクロ波パワー:200Wとした。その結果を図11に示す。図11の(a)は全てのマイクロ波導入機構のマイクロ波の入力位相を0°にした場合の電界分布を示すものであり,(b)は外周の3つのマイクロ波導入機構のマイクロ波の入力位相を180°に変えた場合の電界分布を示すものである。図11は,実際には電界強度の大小を色の違いで表しているものをモノクロで表しており,(a)中の薄い円環状の部分がアンテナモジュールにおけるマイクロ波導入機構の周囲の電界強度が高い部分であり定在波の腹に相当する。その中の濃い部分がさらに電界強度の高い部分である。また,隣接するマイクロ波導入機構の間の部分は電界強度が低くなっており,定在波の節に相当する。破線で囲まれた領域は定在波の節に相当する部分である。3つのマイクロ波導入機構の入力位相を180°に変更することにより,(b)に示すように電界分布が大きく変化していることがわかる。(a)において定在波の節に相当する部分であった破線で囲まれた部分は,(b)ではその部分を挟む2つのマイクロ波導入機構のうち一方がマイクロ波の入力位相を180°にした影響で電界強度が強くなっており,定在波の腹に変化している。つまり,全ての入力位相が0°のときには,隣接するマイクロ波導入機構43の間の部分が定在波の節となるが,外周の3つのマイクロ波導入機構43の入力位相を180°に変更することにより,それらの部分が定在波の腹に変わる。このことから,入力位相を周期的に変化させれば,定在波の腹と節の位置が連続的に移動され,電界強度が平均化されることが理解される。したがって,電界によって得られるプラズマの密度も均一化される。」

以上によれば,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「チャンバ1と,
チャンバ1内に設けられている,被処理体であるウエハWを水平に支持するためのサセプタ11と,
チャンバ1内にマイクロ波プラズマを形成するためのマイクロ波プラズマ源2とを有する表面波プラズマ処理装置100であって,
マイクロ波プラズマ源2は,複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30と,マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波をチャンバ1に導き,チャンバ1内に放射するためのマイクロ波供給部40とを有し,
マイクロ波供給部40は,分配器34で分配されたマイクロ波をチャンバ1内へ導く複数のアンテナモジュール41を有している,各アンテナモジュール41は,分配されたマイクロ波を主に増幅するアンプ部42と,マイクロ波導入機構43とを有し,
アンプ部42は,位相器46と,可変ゲインアンプ47と,ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48と,アイソレータ49とを有し,
位相器46は,マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており,
位相器46は制御部120により制御され,
マイクロ波の入力位相を周期的に変化させることにより,定在波の節と腹の位置を連続的に変化させて均一なプラズマ処理を行う表面波プラズマ処理装置100。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2001−257098号公報)には,次の事項が記載されている。

「【0019】また,位相またはFM変調周波数を変化させる周期,時間間隔,繰り返し時間を,当該放電電極で発生させるプラズマ中の活性原子もしくは活性分子もしくはイオンの消滅寿命より短くすることが好ましい。」

「【0026】一方,本発明をたとえばプラズマOFFの間に増加する活性原子または活性分子またはイオンが必要な応用に適用する場合には,位相を変化させる周期,時間間隔,繰り返し時間を,当該活性原子または活性分子またはイオンの発生寿命より長く,かつ10倍以下とすることが好ましく,更に好ましくは2倍以上4倍以下とすることが好ましい。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された引用文献3(特開2007−247014号公報)には,次の事項が記載されている。

「【0023】
ところで,プラズマ発生位置の上流側に原料ガスを供給することにより,プラズマ発生位置からチャンバ10に向かうガスの流れが生じる。プラズマ発生位置で生成された活性種は,このガスの流れに乗って拡散し,管状部材20の開口部18からチャンバ10の内部に吹き出す。またプラズマ自体が拡散して,開口部18からチャンバ10の内部に吹き出す。これにより,内径dの開口部18の周囲にも活性種が放射されるので,外径D(>d)の基板5の周縁部にも活性種を入射させることが可能になる。したがって,マイクロ波で発生させたプラズマサイズdが小さい場合でも,それより広い範囲Dに均一な成膜を行うことができる。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「チャンバ1」は,本願発明1の「容器」に相当する。

イ 引用発明の「マイクロ波供給部40」は,「複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30」から「出力されたマイクロ波をチャンバ1に導き,チャンバ1内に放射する」ものであるから,本願発明1の「前記容器内に複数のマイクロ波を供給するマイクロ波供給部」に相当する。

ウ 引用発明において,「位相器46は,マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており」,「位相器46は制御部120により制御され」るものであり,また,引用発明は,「マイクロ波の入力位相を周期的に変化させる」ものである。
そうすると,引用発明は,「制御部120」によって,「位相器46」を制御することで,「マイクロ波の入力位相を周期的に変化させ」ているといえる。
また,引用発明において,「複数経路に分配して」「出力」された「マイクロ波」は,「チャンバ1」に導かれるものであるから,複数の「マイクロ波」は,「チャンバ1内」に供給されるものであるといえる。
以上によれば,引用発明の「制御部120」と,本願発明1の「制御部」とは,「前記容器内に供給される前記複数のマイクロ波の位相を制御」する「制御部」である点で共通する。

エ 引用発明の「表面波プラズマ処理装置100」は,「チャンバ1内にマイクロ波プラズマを形成する」ものであるから,本願発明1の「マイクロ波プラズマ処理装置」に相当する。

オ 以上から,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。
<一致点>
「容器,
前記容器内に複数のマイクロ波を供給するマイクロ波供給部,及び,
前記容器内に供給される前記複数のマイクロ波の位相を制御する制御部
を備える,
マイクロ波プラズマ処理装置。」

<相違点>
相違点1:「前記容器内に供給される前記複数のマイクロ波の位相を制御することによって,前記容器内に生成されるプラズマ」について,本願発明1は,「前記容器内に配置されている基材上において,前記容器内に発生する化学活性種の寿命以上の周期且つ前記基材上の任意の点における前記化学活性種が失活する前に次の前記プラズマが到来するような周期で,周期的に移動させる」のに対し,引用発明は,そのような構成を備えているかどうか不明な点。
相違点2:本願発明1は,「前記プラズマの直径は,前記基材の直径よりも小さい」のに対し,引用発明は,そのような構成を備えているかどうか不明な点。

(2)相違点についての判断
ア 相違点1について
引用文献2,3のいずれにも,「前記容器内に生成されるプラズマ」を,「前記容器内に配置されている基材上において,前記容器内に発生する化学活性種の寿命以上の周期且つ前記基材上の任意の点における前記化学活性種が失活する前に次の前記プラズマが到来するような周期で,周期的に移動させる」こと,すなわち,相違点1に係る本願発明1の構成は記載も示唆もされていない。
また,相違点1に係る本願発明1の構成が,本願の優先日前において周知技術であったともいえない。
したがって,引用発明において,引用文献2に記載された発明及び周知技術(引用文献3)を適用し,相違点1に係る本願発明1の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

イ 小括
よって,相違点2について判断するまでもなく,本願発明1は,引用文献1,2に記載された発明及び周知技術(引用文献3)に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。

2 本願発明2〜11について
本願発明2〜11は,本願発明1を減縮した発明であり,いずれも相違点1に係る本願発明1の構成を有しており,引用文献2〜8のいずれにも相違点1に係る本願発明1の構成は記載も示唆もされていないから,本願発明2〜11は,引用文献1,2,5〜8に記載された発明及び周知技術(引用文献3,4)に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。

第6 むすび
以上のとおり,本願発明1〜11は,引用文献1,2,5〜8に記載された発明及び周知技術(引用文献3,4)に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-02-04 
出願番号 P2020-544304
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 ▲吉▼澤 雅博
河本 充雄
発明の名称 マイクロ波プラズマ処理装置  
代理人 上田 俊一  
代理人 曾我 道治  
代理人 大宅 一宏  
代理人 吉田 潤一郎  
代理人 梶並 順  
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