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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01B 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01B |
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管理番号 | 1386894 |
総通号数 | 8 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-08-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-04-27 |
確定日 | 2022-08-02 |
事件の表示 | 特願2016−176713「展延性導電性組成物および三次元プリント配線板の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月15日出願公開、特開2018− 41692、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成28年9月9日の出願であって、令和2年9月9日付けで拒絶理由通知がされ、同年11月9日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされ、令和3年1月28日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年4月27日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、令和4年4月27日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月17日付けで手続補正がされたものである。 第2 本願発明 本願請求項1〜6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明6」という。)は、令和4年5月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 熱可塑性樹脂からなるバインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤および硬化剤を含有することを特徴とする導電性組成物であって、上記導電性粒子が球状導電性粒子を含み、前記導電性粒子が銀粉であり、かつ前記球状導電性粒子の真球度が0.7以上であり、前記球状導電性粒子の含有量が導電性粒子全体に対し、30質量%以上であり、前記バインダ樹脂がフェノキシ樹脂、ウレタン樹脂およびポリビニルアセタール樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする展延性導電性組成物。」 なお、本願発明2〜5は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明6は、請求項1から5のいずれかに記載の展延性導電性組成物を含む三次元プリント配線板の製造方法の発明である。 第3 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2016−071171号公報には、次の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下、同様である。)。 「【発明が解決しようとする課題】 【0011】 本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、その主たる目的は、十分な導電性を有しつつ、現像時間が短時間であっても良好な細線現像性を維持するとともに、基材に対し優れた密着性、耐久性を有し、かつ経時安定性に優れた感光性導電ペーストを提供するものである。」 「【0038】 本発明の導電性ペーストにおいては、感光性有機バインダー(A)と反応し得る硬化剤としてブロックイソシアネート化合物(G)を配合してもよい。」 「【0081】 実施例1 感光性有機バインダー(A)としてダイセル・オルネクス社製(ACA)Z254F(固形分濃度が55wt%)を1273部(固形部換算700部(溶剤(E)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを573部含む))、ダイセル・オルネクス社製(ACA)Z320(固形分濃度が39wt%)を1590部(固形部換算620部(溶剤(E)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを970部含む))、導電性粉体(B)として球状銀粉(D50=2.0μm)を9,300部、光重合性化合物(C)として共栄社化学(株)製 ライトエステルHOA(N)を60部、共栄社化学(株)製 HOA−MS(N)を160部、光重合開始剤(D)としてBASF社製イルガキュア379EGを20部、塩基性物質(F)として東京化成工業(株)製トリエチルアミンを200部、ブロックイソシアネート(G)としてバクセンデン製BI7960を100部、硬化触媒としてKS1260を1部、レベリング剤として共栄社化学(株)製のAC−300HFを40部、添加剤として楠本化成(株)製 ディスパロン4200−10を20部、およびナカライ(株)製 ヒドロキノンを0.5部配合し、チルド三本ロール混練り機に3回通して分散した。その後、得られた導電性ペーストをPET基材、ITO膜(日東電工社製 V150)に対してそれぞれ所定のパターンに印刷後、90℃×10分間熱風乾燥機にて乾燥し、導電性薄膜を得た。その後、本導電性薄膜を用いて露光、現像、最終乾燥を行い、比抵抗、密着性、鉛筆硬度などの基本物性を測定し、現像性の評価を行った。ペーストおよびペースト塗膜、現像性の評価結果を表1に示した。 ・・・ 【0083】 なお、表1において、感光性有機バインダー、導電性粉体、光重合性化合物、光重合開始剤、有機溶剤、塩基性物質、ブロックイソシアネート、その他配合物は以下のものを用いた。 【0084】 感光性有機バインダー(A)はいずれもカルボキシル基を有するアクリル系共重合体である。 感光性有機バインダA(1):ダイセル・オルネクス社製(ACA)Z254F(重量平均分子量:21000、酸価 1250eq/ton、固形分濃度55.0wt%) 感光性有機バインダA(2):ダイセル・オルネクス社製(ACA)Z300(重量平均分子量:22000、酸価 2020eq/ton、固形分濃度47.0wt%) 感光性有機バインダA(3):ダイセル・オルネクス社製(ACA)Z320(重量平均分子量:23000、酸価 2400eq/ton、39.0wt%) 感光性有機バインダA(4):ダイセルオルネクス社製(ACA)Z200M(重量平均分子量:13000、酸価 2000eq/ton、固形分濃度49.0wt%) 感光性有機バインダA(5):ダイセルオルネクス社製IRR793(重量平均分子量:31000、酸価 1300eq/ton、固形分濃度50.0wt%) 導電性粉体B(1):球状銀粉(D50:1.5μm) 導電性粉体B(2):球状銀粉(D50:2.0μm) 光重合性化合物(C)はいずれも不飽和二重結合を有する低分子化合物である。 光重合性化合物C(1):共栄社化学(株)製 ライトエステルHOA(N)(化学名:2−ヒドロキシエチルアクリレート、酸価 0eq/ton) 光重合性化合物C(2):共栄社化学(株)製 HOA−MS(N)(化学名:2−アクリロイロキシエチル-コハク酸、酸価 4630eq/ton) 光重合性化合物C(3):共栄社化学(株)製 ライトアクリレートHOA−HH(N)(化学名:2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、酸価 3700eq/ton) 光重合性化合物C(4):共栄社化学(株)製 ライトアクリレート9EG−A(化学名:PEG400#ジアクリレート、酸価 5eq/ton) 光重合開始剤D(1):BASF社製イルガキュアOXE−02(オキシムエステル系光重合開始剤) 光重合開始剤D(2):BASF社製イルガキュア907(アミノアルキルフェノン系光重合開始剤)光重合開始剤D(3):BASF社製イルガキュア379EG(アミノアルキルフェノン系光重合開始剤) 光重合開始剤D(4):BASF社製イルガキュアOXE−01(オキシムエステル系光重合開始剤) 光重合開始剤D(5):BASF社製TPO(アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤) 有機溶剤E(1):東邦化学(株)製ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(ハイソルブDPM) 有機溶剤E(2):東邦化学(株)製プロピレングリコールモノメチルエーテル(ハイソルブPM) 有機溶剤E(3):ジメチルエステル系溶媒 塩基性物質F(1):東京化成工業株式会社製 トリエチルアミン (沸点90℃、分子量101.19) 塩基性物質F(2):東京化成工業株式会社製 トリブチルアミン (沸点216℃、分子量185.35) 塩基性物質F(3):東京化成工業株式会社製 N−メチルモルホリン (沸点115℃、分子量101.15) ブロックイソシアネートG(1):バクセンデン製BI7982 ブロックイソシアネートG(2):バクセンデン製BI7960 硬化触媒:共同薬品(株)製KS1260 レベリング剤:共栄社化学(株)製 AC−300HF 添加剤1:楠本化成(株)製 ディスパロン4200−10 添加剤2:BYK製 Antiterra203 添加剤3:ナカライ(株)製 ヒドロキノン 【0085】 【表1】 」 (2)以上によれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「感光性有機バインダー(A)としてダイセル・オルネクス社製(ACA)Z254F(固形分濃度が55wt%)を1273部(固形部換算700部(溶剤(E)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを573部含む))、ダイセル・オルネクス社製(ACA)Z320(固形分濃度が39wt%)を1590部(固形部換算620部(溶剤(E)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを970部含む))、導電性粉体(B)として球状銀粉(D50=2.0μm)を9,300部、光重合性化合物(C)として共栄社化学(株)製 ライトエステルHOA(N)を60部、共栄社化学(株)製 HOA−MS(N)を160部、光重合開始剤(D)としてBASF社製イルガキュア379EGを20部、塩基性物質(F)として東京化成工業(株)製トリエチルアミンを200部、ブロックイソシアネート(G)としてバクセンデン製BI7960を100部、硬化触媒としてKS1260を1部、レベリング剤として共栄社化学(株)製のAC−300HFを40部、添加剤として楠本化成(株)製 ディスパロン4200−10を20部、およびナカライ(株)製 ヒドロキノンを0.5部配合して得られた導電性ペーストであって、 前記感光性有機バインダー(A)はいずれもカルボキシル基を有するアクリル系共重合体であり、前記ブロックイソシアネート(G)は硬化剤である導電性ペースト。」 2 引用文献2について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2005−008930号公報)には、次の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、金属粉末に関し、特に導電ペーストや磁性材などに使用される金属粉末に関するものである。」 「【0025】 本願発明者は、真球度とタップ密度との相関関係を調べる実験を行なった。その結果を表2に示す。 【0026】 【表2】 」 3 引用文献3について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2012−246433号公報)には、次の事項が記載されている。 「【実施例】 【0089】 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中、「部」、「%」は、それぞれ「重量部」、「重量%」を、水酸基価はKOHmg/g、エポキシ当量はg/eqを、それぞれ意味する。 【0090】 [銀粉1] DOWAエレクトロニクス社製球状銀粉(タップ密度5.2g/cm3、D50粒子径0.9μm、アスペクト比1.2、比表面積0.94m2/g)を銀粉Aとした。 【0091】 [銀粉2] 福田金属社製社製球状銀粉(タップ密度5.1g/cm3、D50粒子径1.4μm、アスペクト比1.1、比表面積1.50m2/g)を銀粉Bとした。 【0092】 [銀粉3] 福田金属社製社製球状銀粉(タップ密度4.2g/cm3、D50粒子径1.3μm、アスペクト比1.3、比表面積0.93m2/g)を銀粉Cとした。 ・・・ 【0095】 [銀粉6] METALOR社製フレーク銀粉(タップ密度2.8g/cm3、D50粒子径1.2μm、アスペクト比1.2、比表面積1.50m2/g)を銀粉Fとした。 【0096】 [銀粉7] Johnson Matthey社製球状銀粉(タップ密度3.2g/cm3、D50粒子径0.9μm、アスペクト比1.3、比表面積3.00m2/g)を銀粉Gとした。 【0097】 [銀粉8] DOWAエレクトロニクス社製球状銀粉(タップ密度3.7g/cm3、D50粒子径0.9μm、アスペクト比1.2、比表面積1.33m2/g)を銀粉Hとした。 【0098】 [銀粉9] 三井金属社製球状銀粉(タップ密度0.9g/cm3、D50粒子径5.1μm、アスペクト比1.4、比表面積1.91m2/g)を銀粉Iとした。」 4 引用文献4について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2015−124252号公報)には、次の事項が記載されている。 「【0040】 先ず、加熱硬化型導電性ペーストの構成成分として、以下の材料を準備した。 <導電性粉末> ・導電性粉末A:球状銀粉末(DOWAエレクトロニクス株式会社製、D50=0.9μm、アスペクト比1.2)をオクタデカニルコハク酸で表面処理したもの。 ・・・ ・導電性粉末D:球状銀粉末(DOWAエレクトロニクス株式会社製、D50=0.9μm、アスペクト比1.2)。」 5 引用文献5について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特開昭56−120185号公報)には、次の事項が記載されている。 「本発明は、加熱して曲げ加工等の成形を行っても配線に破断が生じないような印刷回路基板の配線法に関する。」(1ページ左下欄11〜13行) 第4 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「カルボキシル基を有するアクリル系共重合体である」「感光性有機バインダー(A)」と、本願発明1の「熱可塑性樹脂からなるバインダ樹脂」とは、バインダ樹脂である点で共通する。 イ 引用発明の「導電性粉体(B)」は「球状銀粉」からなるものであるから、本願発明1の「銀粉」である「導電性粒子」に相当する。 また、引用発明の「導電性粉体(B)」は「球状銀粉」からなるものであるから、球状導電性粒子を含み、当該球状導電性粒子の含有量は、「導電性粉体(B)」全体に対し、100質量%であるから、30質量%以上であるといえる。 したがって、引用発明の「球状銀粉」からなる「導電性粉体(B)」は、本願発明1、球状導電性粒子を含み」、「前記球状導電性粒子の含有量が導電性粒子全体に対し、30質量%以上である」「導電性粒子」に相当する。 ウ 引用発明の「有機溶剤(E)」、「硬化剤である」「ブロックイソシアネート(G)」は、それぞれ、本願発明1の「有機溶剤」、「硬化剤」に相当する。 エ 引用発明の「導電性ペースト」は、本願発明1の「導電性組成物」に対応する。 オ 以上から、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「バインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤および硬化剤を含有する導電性組成物であって、上記導電性粒子が球状導電性粒子を含み、前記導電性粒子が銀粉であり、前記球状導電性粒子の含有量が導電性粒子全体に対し、30質量%以上である導電性組成物。」 <相違点> 相違点1:バインダ樹脂について、本願発明1は、「熱可塑性」であるのに対し、引用発明は、熱可塑性であるかどうか不明である点。 相違点2:本願発明1は、「球状導電性粒子の真球度が0.7以上」であるのに対し、引用発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 相違点3:本願発明1は、「バインダ樹脂がフェノキシ樹脂、ウレタン樹脂およびポリビニルアセタール樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である」であるのに対し、引用発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 相違点4:本願発明1は、「展延性」であるのに対し、引用発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点についての判断 ア 本願明細書の【0011】には、「本発明では、真球度の高い導電性粒子を用いることにより、展延時に高い伸び率を得ることができる。」と記載されているから、「真球度」に関する相違点2と、「展延性」に関する相違点4とは関連しているので一緒に検討する。 イ 本願明細書の【0005】の記載によれば、本願発明1が解決しようとする課題は、「従来の三次元形状を有する回路シートやプリント基板、および立体成形品の有する問題点を解消し、回路パターンを有する積層体が熱・圧力による変形・成形が行われる工程においても回路パターンに割れ・剥がれが生じない展延性導電性組成物を提供すること」である。 一方、引用文献1の【0011】(上記第3 1(1)参照。)の記載によれば、引用発明が解決しようとする課題は、「十分な導電性を有しつつ、現像時間が短時間であっても良好な細線現像性を維持するとともに、基材に対し優れた密着性、耐久性を有し、かつ経時安定性に優れた感光性導電ペーストを提供する」ことである。 そうすると、本願発明1と引用発明とは、課題が異なるものであり、また、引用文献1には、回路パターンを有する積層体が熱・圧力による変形・成形が行われる工程においても回路パターンに割れ・剥がれが生じない展延性導電性組成物を提供するために、真球度の高い導電性粒子を用いることは、記載も示唆もされていない。 また、引用文献2〜5にも、回路パターンを有する積層体が熱・圧力による変形・成形が行われる工程においても回路パターンに割れ・剥がれが生じない展延性導電性組成物を提供するために、真球度の高い導電性粒子を用いることは、記載も示唆もされていない。 したがって、引用発明の「球状銀粉」の「導電性粉体(B)」について、導電性粒子の真球度を高くして、展延性の「導電性ペースト」とする動機付けがあるとはいえない。 よって、引用発明及び周知技術に基づいて、相違点2及び相違点4に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 ウ 小括 よって、その他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。 2 本願発明2〜6について 本願発明2〜5は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明6は、請求項1から5のいずれかに記載の展延性導電性組成物を含む三次元プリント配線板の製造方法の発明であり、いずれも相違点2、4に係る本願発明1の構成を有しているから、本願発明1と同様の理由により、本願発明2〜6は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は、請求項1〜7に係る発明について、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2〜5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許を受けることができないというものである。 しかし、令和4年5月17日付け手続補正書により補正された本願発明1〜6は、いずれも相違点2、4に係る本願発明1の構成を有するものとなっており、上記第4で検討したとおり、本願発明1〜6は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものではないから、原査定の理由を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由(特許法第36条第6項第1号)について 当審では、請求項1、3〜7に係る発明は、導電性粒子全体に対する球状導電性粒子の含有量が特定されておらず、必ずしも本願発明が解決しようとする課題を解決できるとはいえないから、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知したが、令和4年5月17日付けの手続補正書による補正によって、請求項1に「前記球状導電性粒子の含有量が導電性粒子全体に対し、30質量%以上であり」との事項が追加された結果、この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由及び当審からの拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2022-07-19 |
出願番号 | P2016-176713 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01B)
P 1 8・ 537- WY (H01B) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
恩田 春香 |
特許庁審判官 |
河本 充雄 棚田 一也 |
発明の名称 | 展延性導電性組成物および三次元プリント配線板の製造方法 |