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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1386949
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-05-28 
確定日 2022-07-07 
事件の表示 特願2018−123099「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和2年1月9日出願公開、特開2020−506〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年6月28日の出願であって、令和2年7月31日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月28日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和3年2月16日付け(送達日:同年3月2日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、同年12月8日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和4年2月2日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年2月2日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(なお、符号A等は、分説するため当審が付した。分説された本願発明の発明特定事項を、符号に基づき以下「特定事項A」等という。)。

「A 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、
B 所定の音を出力することが可能な音出力手段と、演出画像を表示する画像表示手段と、を含む演出手段と、
C 前記演出手段を用いて前記判定手段の判定結果に応じた変動演出を実行可能な演出制御手段と、
D 遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、
E 前記演出制御手段は、
F 前記変動演出が実行されていない客待ち状態および前記変動演出の実行中における前記操作手段の操作に基づいて、前記音出力手段から出力される前記所定の音の音量値を複数の音量値の何れかに変更することが可能であり、
G 前記複数の音量値の何れかの音量値へ変更されたことに応じて、変更後の音量値を示唆する報知演出を行い、
H 前記客待ち状態において前記操作手段が操作されて前記音量値が変更された場合と、前記変動演出の実行中において前記操作手段が操作されて前記音量値が変更された場合とで、前記報知演出の実行態様が異なり、
I 前記報知演出は、前記操作手段の操作に応じた音量値での音の出力を含み、
J 前記操作に応じた音量値での音の出力中であっても前記操作手段が新たに操作された場合には、当該新たな操作に応じた前記音量値に変更可能であって、当該新たな操作に応じた音を出力可能であり、
K 前記客待ち状態となってから前記変動演出が実行されずに所定期間が経過すると、客待ち演出を実行することが可能であり、
L 前記客待ち演出の実行中に前記操作手段が操作された場合には当該客待ち演出を終了せずに前記音量値を変更することが可能である、
M ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由は、次のとおりのものである。
進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項1
・引用文献等
引用文献1 特開2017−80336号公報
引用文献2 特開2017−189666号公報

第4 引用文献の記載、引用発明
1 当審拒絶理由で引用文献1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017−80336号公報(平成29年5月18日公開)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。

(1)「【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。尚、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面(前方)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例のパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例のフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。」

(2)「【0026】
遊技盤2には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の画面上では、第1特図の可変表示や第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄(演出図柄)が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。演出表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。演出表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(導出)する。演出表示装置5の画面上には、第1特図保留記憶表示エリア5D、第2特図保留記憶表示エリア5Uが配置されている。第1特図保留記憶表示エリア5Dでは、第1特別図柄を用いた特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われ、第2特図保留記憶表示エリア5Uでは、第2特別図柄を用いた特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。また、演出表示装置5の画面上には、スピーカ8L,8Rから出力される音量を示す音量ゲージGが表示される。この音量ゲージGは、横長の棒グラフを音量に応じた長さで表示することで、音量を示すメータとなっている。」

(3)「【0032】
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。遊技機用枠3の下部に設けられた下皿を形成する部材には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ30が取り付けられている。スティックコントローラ30は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置等)には、トリガボタン31Aが設けられている。トリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を操作手(左手等)で把持した状態において、所定の操作指(人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタン31Aに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ35A(図2を参照)が内蔵されていればよい。スティックコントローラ30の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット32が設けられていればよい。傾倒方向センサユニット32は、透過形フォトセンサ等を含んで構成され、操作棍の傾倒方向(前後左右方向)を検知するものであればよい。尚、下皿におけるスティックコントローラ30の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。」

(4)「【0035】
また、上皿を形成する部材には、スピーカ8L,8Rから出力される音量を調整するための2つの音量調整ボタン41,42が設けられている。この音量調整ボタン41,42は、左右に並んで配置され、右側に配置された音量調整ボタン41を押圧操作するとスピーカ8L,8Rから出力される音量が大きくなり、左側に配置された音量調整ボタン42を押圧操作するとスピーカ8L,8Rから出力される音量が小さくなる。この音量調整ボタン41,42を操作することで、遊技者が適宜音量を調整することができる。尚、上皿を形成する部材の内部において、音量調整ボタン41,42の部分に対応する位置には、音量調整ボタン41,42に対する押圧操作を検出するボタンスイッチユニット43(図2参照)が設けられていればよい。ボタンスイッチユニット43は、音量調整ボタン41に対応する透過形フォトセンサと音量調整ボタン42に対応する透過形フォトセンサとを含んで構成され、これら透過形フォトセンサにてどちらの音量調整ボタンが押圧操作されたかを検知可能であればよい。」

(5)「【0039】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号等を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果LED9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果LED9や装飾用LED等における点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。」

(6)「【0041】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは演出制御コマンドである。
・・・
【0043】
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラム等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作を制御する処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。」

(7)「【0047】
演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、設定されている第1音量段階と第2音量段階とに基づいて実際にスピーカ8L,8Rから出力する音声の音量を制御する。演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、パチンコ遊技機1に電源が投入される前に設定切替スイッチ300の操作によって設定される第1光量段階や、パチンコ遊技機1に電源が投入されてからスティックコントローラ30や光量調整ボタン44,45の操作によって設定される第2光量段階に基づいて実際に遊技効果LED9や装飾用LED等を点灯させる光の光量を制御する。演出制御基板12は、パチンコ遊技機1に電源が投入される前に設定切替スイッチ300の操作によって設定される第1音量段階や、パチンコ遊技機1に電源が投入されてからスティックコントローラ30や音量調整ボタン41,42の操作によって設定される第2音量段階に基づく音量も制御する。これによって、音声制御基板13は、音声信号によって指定された音量で、スピーカ8L,8Rから音声を出力する処理を実行する。つまり、演出制御用CPU120により、設定されている第1音量段階及び第2音量段階に基づいた音量での音声出力制御が行われる。また、演出制御基板12は、LED制御基板14へと伝送する電飾信号により、設定されている第1光量段階と第2光量段階とに基づく光量も指定する。これによって、LED制御基板14は、電飾信号によって指定された光量で、遊技効果LED9や装飾用LED等を点灯させる処理を実行する。つまり、演出制御用CPU120により、設定されている第1光量段階及び第2光量段階に基づく光量での点灯制御が行われる。
・・・
【0049】
このような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L,8Rを制御して前記で設定した音量の音声を出力させたり、LED制御基板14を介して遊技効果LED9や装飾用LED等における前記で設定した光量での点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して演出表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。また、演出制御用CPU120は、演出の実行時等に、トリガセンサ35A、プッシュセンサ35B、傾倒方向センサユニット32からの信号に基づいた演出(つまり、スティックコントローラ30への操作、プッシュボタン31Bへの操作等に応答した演出)を行うことが可能になっている。」

(8)「【0057】
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な有利状態(特定遊技状態ともいう)としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、上記したように、特図ゲームが開始されるとき等に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「ハズレ」となる。尚、本実施例では、可変表示結果が「大当り」となるか否か、つまり、遊技者にとって有利な大当り遊技状態(有利状態)に制御するか否かを、特図ゲームを開始するときに決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの決定を、特図ゲームを開始するときとは異なるタイミング、例えば、始動入賞が発生したときに行うようにしても良い。」

(9)「【0066】
コマンド8CXXHは、表示結果指定コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。表示結果指定コマンドでは、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。」

(10)「【0070】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。」

(11)「【0079】
図7に示すように、S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部等)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
【0080】
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。尚、可変表示結果を「大当り」とするか否か決定するということは、停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということだけではなく、大当り遊技状態に制御すか否か決定するということでもある。」

(12)「【0152】
例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ等)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を演出表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声を出力させること、LED制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果LED9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。
【0153】
このように、タイマ割込み毎に演出制御実行データに基づいて表示制御部123を制御して演出画像を演出表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声を出力させること、LED制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果LED9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御が繰り返し実行されることで、リーチ演出や飾り図柄の可変表示等の演出が実現する。」

(13)「【0165】
尚、演出実行頻度モードの数よりも音量段階の数が多いため、音量段階を変更する操作は、演出実行頻度モードを変更する操作よりも手間がかかる。具体的には、音量段階は、遊技者が設定し得る範囲として13段階(例えば、「2」〜「14」の13段階)あり、遊技者が設定し得る範囲が3段階である演出実行頻度モードと比較して、音量段階の設定操作に手間がかかる。例えば、演出実行頻度モードが「通常頻度モード」である場合に、「低頻度モード」にするときには、スティックコントローラ30を1回傾動操作するだけで良いが、音量段階の初期表示が「10」である場合に、「14」の段階に変更するときには、スティックコントローラ30を4回傾動操作しなければならない。また、光量段階についても、遊技者が設定し得る範囲として4段階(例えば、「45%」、「60%」、「75%」、「100%」の4段階)あり、遊技者が設定し得る範囲が3段階である演出実行頻度モードと比較して、光量段階の設定操作に手間がかかる。本実施例では、後述するように、「通常リセットモード」に設定されている場合には、演出実行頻度モードについては、常にリセットされるが、音量段階及び光量段階の設定については、設定内容によりリセットされるときとリセットされないときとがある。」

(14)「【0214】
尚、本実施例では、演出表示装置5において音量・光量調整画面を表示中である場合に、スティックコントローラ30(操作棍)を傾倒することで音量・光量を変更することができるだけでなく、演出表示装置5において音量・光量調整画面を表示中でない場合であっても、つまり、飾り図柄の可変表示が実行されていない非変動時において音量・光量調整画面が表示されていない状態、可変表示の実行中、大当り遊技中においても、遊技者が音量調整ボタン41,42を押下操作することにより、音量・光量調整画面が表示されていなくともスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更することができ、光量調整ボタン44,45を押下操作することにより、音量・光量調整画面が表示されていなくとも遊技効果LED9が発光する光量を変更することができるようにしてもよい。
【0215】
以上のように、本実施例の音量変更処理においてスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更する場合は、音量・光量調整画面が表示されている状態でスティックコントローラ30の傾倒操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更する場合(音量変更操作処理の実行時)とは異なり、可変表示の実行中、可変表示の非実行時、大当り遊技中等に拘りなく図27に示すような変更後の音量の強調表示が実行されず、変更後の音量にて確認音のみが出力されるようになっている。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更した場合は、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量がいずれの音量に変更されたかを演出表示装置5における表示(変更結果報知表示)等にて報知するようにしても良い。もちろん、本実施例の音量変更処理と同様に、光量変更処理を行ってもよく、当該光量変更処理において遊技効果LED9が発光する光量を光量調整ボタン44,45の押下操作により変更する場合は、音量・光量調整画面が表示されている状態でスティックコントローラ30の傾倒操作により遊技効果LED9が発光する光量を変更する場合とは異なり、可変表示の実行中、可変表示の非実行時、大当り遊技中等に拘りなく変更後の光量の強調表示が実行されず、変更後に確認音のみが出力されるようになっていてもよい。
【0216】
また、可変表示の非実行時に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合は、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量が変更されたことを遊技者が把握しやすいように、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の中央部に表示する一方で、可変表示の実行中に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合は、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の端部(例えば、右上端部)に表示したり、可変表示の非実行時よりも小さく表示することによって、実行中の演出(例えば、可変表示や保留記憶表示、予告演出)が前記変更結果報知表示によりを妨げられないようにしても良い。もちろん、可変表示の非実行時に光量調整ボタン44,45の押下操作により遊技効果LED9が発光する光量を変更した場合、遊技効果LED9が発光する光量が変更されたことを遊技者が把握しやすいように、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の中央部に表示する一方で、可変表示の実行中に光量調整ボタン44,45の押下操作により遊技効果LED9が発光する光量を変更した場合、遊技効果LED9が発光する光量を変更した場合は、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の端部(例えば、右上端部)に表示したり、可変表示の非実行時よりも小さく表示することによって、実行中の演出(例えば、可変表示や保留記憶表示、予告演出)が前記変更結果報知表示によりを妨げられないようにしてもよい。」

(15)「【0289】
例えば、前記実施例では、可変表示が終了してから所定期間(リセット待ち期間)、遊技が行われない状態が継続したときに、デモ画面表示が表示されるようになっているが、可変表示が終了してから所定期間、変動停止直後の演出である表示結果演出を行うようにしても良い。更に、音量調整等が行える調整画面の表示手順も前記実施例に限らずに、その他の態様があっても良い。例えば、図28の変形例に示す流れで各画面が切り替わるようにしても良い。」

(16)「【0298】
尚、音量調整画面(図28(F))の表示中に、遊技者がスティックコントローラ30を傾動する音量調整操作を行うことで、前述したように、音量調整を行うことができる。そして、この音量調整操作を行う度に、設定された音量段階が強調表示されるとともに、設定された音量で確認音が出力されるので、遊技者は強調表示と確認音とにより音量が適宜設定されたことを認識することができる。
【0299】
図28(D)に示すように、デモ画面の表示中に、遊技者が音量調整操作を行うと、確認音が出力されるとともに音量調整画面に切り替わる(図28(F)参照)。尚、ボタンの押下操作を行うと、演出実行頻度の設定画面に切り替わる。また、デモ画面の表示中に、操作がない状態で所定時間(t4)が経過すると、デモ画面が終了するとともに当該デモ画面に表示中の音量調整案内表示も終了し、社名画面に切り替わる(図28(E)参照)。そして、社名画面の表示が開始されてから操作がない状態で所定時間(t6)が経過すると、再びデモ画面に切り替わるようになっており、社名画面とデモ画面とが交互に切り替わるようになっている。尚、所定時間(t4)は30秒程度の時間となっている。また、所定時間(t6)は5秒程度の時間となっている。」

(17)「【0348】
また、前記実施例では、可変表示が行われていないとき(デモ画面の表示中)においてのみ、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bを用いて音量・光量調整画面を表示させて音量や光量の調整(設定変更)が可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音量や光量の調整(設定変更)を、可変表示の実行中においても可能としても良い。尚、この場合にあっては、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bが、可変表示中に実行される演出等に使用されていて、音量や光量の調整(設定変更)に利用できないことが予想されるので、音量調整ボタン41,42や光量調整ボタン等の専用の操作部を操作することで、音量や光量の調整(設定変更)を可変表示中において、遊技者が行えるようにしても良い。このように、可変表示中においても音量や光量の調整(設定変更)を行えるようにする場合にあっては、確認音(特定音)が出力されることで、演出の興趣が低下してしまう可能性があるので、可変表示中に音量の変更操作があった場合には、確認音(特定音)を出力しない、或いは演出の邪魔にならないような所定の低音量にて出力することで、演出の興趣が低下してしまうことを防ぐようにしても良い。また、可変表示中に音量の変更操作があった場合に確認音(特定音)を出力する場合には、演出の音ではなく、確認音(特定音)であることを遊技者が解り易くするために、可変表示中ではないときに音量の変更操作があった場合に出力される確認音(特定音)と同一の確認音(特定音)を出力するようにすることで、確認音(特定音)であると遊技者が容易に判別できるようにすることで、演出の興趣が低下してしまうことを防ぐようにしても良い。」

(18)「【0408】
また、前記実施例では、確認音出力中タイマがカウント中である場合、すなわち、スピーカ8L,8Rから確認音が出力中である場合は、新たな音量の変更操作を受付けてスピーカ8L,8Rから出力する音の音量を更に変更することが不可能である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確認音出力中タイマのカウント中であっても、新たな音量の変更操作を受付けてスピーカ8L,8Rから出力する音の音量を更に変更可能としても良い。尚、確認音出力中タイマのカウント中であっても、新たな音量の変更操作を受付けてスピーカ8L,8Rから出力する音の音量を更に変更可能とする場合は、該新たな音量の変更操作を受付けたことに応じた確認音を、既に出力中の確認音とともにスピーカ8L,8Rから出力しても良く、また、出力中の確認音を中断し、該新たな音量の変更操作を受付けたことに応じた確認音のみをスピーカ8L,8Rから出力しても良い。」

(19)上記(1)ないし(18)からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている(なお、符号a等は、本願発明のA等に概ね対応させて当審で付した。また、引用箇所の段落番号を併記した。)。

「a 遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御するか否か決定する主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103と(【0057】、【0070】、【0079】、【0080】)、
b 音声等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rと、飾り図柄の可変表示等の演出画像を表示する演出表示装置5と(【0026】、【0032】、【0049】)、
c 主基板11から伝送され、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて設定される表示結果指定コマンド等の演出制御コマンドを受信して、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させ、飾り図柄の可変表示等の演出を実現させる演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120と(【0039】、【0041】、【0043】、【0066】、【0152】、【0153】)、
d 遊技者が操作する音量調整ボタン41,42と(【0035】)、を備え、
e 演出制御基板12の演出制御用CPU120は(【0047】)、
f 飾り図柄の可変表示が実行されていない非変動時および可変表示の実行中においても、遊技者が音量調整ボタン41,42を押下操作することにより、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更することができ、音量段階は、遊技者が設定し得る範囲として13段階あり(【0165】、【0214】)、
g、i スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更する場合は、変更後の音量にて確認音を出力し、また、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量がいずれの音量に変更されたかを演出表示装置5における変更結果報知表示にて報知し(【0215】)、
h 可変表示の非実行時に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合は、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量が変更されたことを遊技者が把握しやすいように、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の中央部に表示する一方で、可変表示の実行中に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合は、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の右上端部に表示したり、可変表示の非実行時よりも小さく表示し(【0216】)、
また、可変表示中に音量の変更操作があった場合には、確認音を出力せず(【0348】)、
j 確認音出力中タイマがカウント中、すなわち、スピーカ8L,8Rから確認音が出力中であっても、新たな音量の変更操作を受付けてスピーカ8L,8Rから出力する音の音量を更に変更可能であり、
確認音出力中タイマのカウント中であっても、新たな音量の変更操作を受付けてスピーカ8L,8Rから出力する音の音量を更に変更可能とする場合は、該新たな音量の変更操作を受付けたことに応じた確認音を、スピーカ8L,8Rから出力し(【0408】)、
k 可変表示が終了してから所定期間、遊技が行われない状態が継続したときに、デモ画面表示を表示し(【0289】)、
l デモ画面の表示中に、遊技者が音量調整操作を行うと、音量調整画面に切り替わり、音量調整を行うことができる(【0298】、【0299】)、
m パチンコ遊技機1(【0024】)。」

2 当審拒絶理由で引用文献2として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017−189666号公報(平成29年10月19日公開)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(1)「【0005】
上記課題を解決する遊技機は、大当り抽選において大当りに当選した場合に図柄変動ゲームが実行された後に大当り遊技が生起され、図柄変動ゲームの実行中でなく、且つ、大当り遊技の生起中でない場合に待機状態となり、記憶媒体に記憶された価値に基づいて遊技媒体を遊技に使用可能にする遊技機において、大当りの種類を決定する大当り種決定手段と、演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出実行手段では、のめり込みに関する注意喚起が実行されるようになっているとともに、前記記憶媒体の返却に関する注意喚起が実行されるようになっており、大当りの種類には、第1大当りと、第2大当りと、があり、特定条件が成立する場合、大当りの種類が前記第1大当りと前記第2大当りの何れであっても前記大当り遊技の生起中であるときにのめり込みに関する注意喚起及び前記記憶媒体の返却に関する注意喚起が実行される一方、前記特定条件が成立しない場合、大当りの種類が前記第1大当りと前記第2大当りの何れであっても前記大当り遊技の生起中であるときにのめり込みに関する注意喚起及び前記記憶媒体の返却に関する注意喚起が実行されず、前記待機状態には、第1待機状態と、第2待機状態と、があり、前記第1待機状態であるときにはのめり込みに関する注意喚起が実行されない一方、前記第2待機状態であるときにはのめり込みに関する注意喚起が実行され、前記第1待機状態と前記第2待機状態の何れであるときであっても、前記記憶媒体の返却に関する注意喚起が実行されないことを要旨とする。」

(2)「【0009】
図1には、遊技機としてのパチンコ遊技機10と、遊技場の島設備においてパチンコ遊技機10に併設されるカードユニットCUと、を示している。
カードユニットCUは、記憶媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入返却口CUaが設けられている。また、カードユニットCUでは、プリペイドカードを返却する場合、投入返却口CUaからプリペイドカードが返却される。プリペイドカードには、例えば、遊技に使用可能な価値としてのカード残額や、獲得した獲得価値としての獲得球数が記憶される。」

(3)「【0014】
パチンコ遊技機10は、前枠14の前面側に、遊技者が操作可能な操作ボタンBTを備えている。パチンコ遊技機10は、前枠14の前面側に、遊技者が操作可能な第1音量調整スイッチOS1を備えている。第1音量調整スイッチOS1は、第1音量上昇スイッチOS1aと、第1音量下降スイッチOS1bと、の2つのスイッチによって構成されている。パチンコ遊技機10は、前枠14の前面側に、遊技者が操作可能な第2音量調整スイッチOS2を備えている。第2音量調整スイッチOS2は、第2音量上昇スイッチOS2aと、第2音量下降スイッチOS2bと、の2つのスイッチによって構成されている。」

(4)「【0017】
パチンコ遊技機10は、情報表示パネル22を備えている。情報表示パネル22では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。情報表示パネル22は、第1特別図柄表示部22aを備えている。第1特別図柄表示部22aは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、「第1特別ゲーム」と示す)を表示する。情報表示パネル22は、第2特別図柄表示部22bを備えている。第2特別図柄表示部22bは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、「第2特別ゲーム」と示す)を表示する。以下の説明では、第1特別ゲームと第2特別ゲームを纏めて、単に「特別ゲーム」と示す場合がある。なお、特別ゲームは、特別図柄変動ゲームに相当する。特別図柄は、後述する内部抽選(大当り抽選)の結果を報知するための図柄である。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲームを実行可能に構成されている。」

(4)「【0177】
ここで、本実施形態における待機状態について説明する。
待機状態には、第1待機状態と、第2待機状態と、がある。第1待機状態では、演出表示装置25に演出図柄が表示される。一方、第2待機状態では、演出表示装置25に演出図柄が表示されず、客待ち演出が実行される。また、第1待機状態には、第1前期待機状態と、第1後期待機状態と、がある。第1前期待機状態では、演出表示装置25において演出図柄が確定停止表示される。一方、第1後期待機状態では、演出表示装置25において演出図柄が一旦停止表示される。
・・・
【0179】
また、本実施形態において、第1後期待機状態の終了後には、第2待機状態となる。また、本実施形態において、第2待機状態の終了後には、第1後期待機状態となる。すなわち、第1前期待機状態となった場合、その後、第1後期待機状態と第2待機状態が繰り返される。このように、本実施形態では、第1待機状態の終了後に第2待機状態が開始される。また、本実施形態では、前期の第1待機状態に相当する第1前期待機状態の終了後に、後期の第1待機状態に相当する第1後期待機状態が開始される。」

(5)「【0712】
ここで、図47に基づき、本実施形態における音量調整を行うことが可能な状況について説明する。
図47に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中において、第1音量調整スイッチOS1の操作によって音量を調整可能となっている。このとき、演出表示装置25には、第1メータCMが表示される。また、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中において、第2音量調整スイッチOS2の操作によって音量を調整可能となっている。このとき、演出表示装置25には、第2メータBMが表示される。また、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中において、音量調整器OTの操作によって音量を調整可能となっている。」

(6)「【0717】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、待機状態において、第1音量調整スイッチOS1の操作によって音量を調整可能となっている。このとき、演出表示装置25には、第1メータCMが表示される。また、パチンコ遊技機10では、待機状態において、第2音量調整スイッチOS2の操作によって音量を調整可能となっている。このとき、演出表示装置25には、第2メータBMが表示される。また、パチンコ遊技機10では、待機状態において、音量調整器OTの操作によって音量を調整可能となっている。」

(7)「【0888】
同様に、客待ち演出が実行されているときに、第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても客待ち演出が終了しないように構成してもよい。すなわち、第2待機状態であるときに第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても、第2待機状態が継続されるように構成してもよい。例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示されるように構成してもよい。また、例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示されないようにするなどして、第2音量調整スイッチOS2の操作による音量調整が制限されるように構成してもよい。」

(8)上記(1)ないし(7)からみて、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されている(なお、符号d等は、本願発明のD等に概ね対応させて当審で付した。また、引用箇所の段落番号を併記した。)。

「d 遊技者が操作可能な第2音量調整スイッチOS2を備え(【0014】)、
f 特別図柄変動ゲームの実行中において、第2音量調整スイッチOS2の操作によって音量を調整可能となっており(【0017】、【0712】)、
また、図柄変動ゲームの実行中でなく、且つ、大当り遊技の生起中でない場合に待機状態となり、待機状態において、第2音量調整スイッチOS2の操作によって音量を調整可能となっており、このとき、演出表示装置25には、第2メータBMが表示され(【0005】、【0717】)、
k 前記待機状態には、第1待機状態と、第2待機状態と、があり、第1待機状態の終了後に第2待機状態が開始され、第2待機状態では、客待ち演出が実行され(【0177】、【0179】)、
l 客待ち演出が実行されているときに、第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても客待ち演出が終了しない、すなわち、第2待機状態であるときに第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても、第2待機状態が継続し、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示される(【0888】)、
m パチンコ遊技機10(【0009】)。」

第5 対比
本願発明と引用発明を対比する。

1 引用発明のaの「遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態」は、本願発明の特定事項Aの「遊技者に有利な特別遊技」に相当する。
そうすると、引用発明のaの「遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御するか否か決定する主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103」は、本願発明の特定事項Aの「遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段」の機能を備えているといえる。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Aを備える。

2 引用発明のbの「音声等を再生出力するためのスピーカ8L,8R」及び「飾り図柄の可変表示等の演出画像を表示する演出表示装置5」は、本願発明の特定事項Bの「所定の音を出力することが可能な音出力手段」及び「演出画像を表示する画像表示手段」に相当するから、引用発明は、本願発明の特定事項Bの「音出力手段と」、「画像表示手段と、を含む演出手段」を備えているといえる。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Bを備える。

3 上記2の検討を踏まえると、引用発明のcの「演出表示装置5」及び「スピーカ8L,8R」は、本願発明の特定事項Cの「演出手段」に相当する。
また、引用発明のcの「可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか」は、引用発明のaの「主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103」による「大当り遊技状態に制御するか否か」の「決定」の結果といえるから、本願発明の特定事項Cの「前記判定手段の判定結果」に相当し、引用発明のcの「飾り図柄の可変表示等の演出」は、本願発明の特定事項Cの「変動演出」に相当する。
そうすると、引用発明の「主基板11から伝送され、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて設定される表示結果指定コマンド等の演出制御コマンドを受信して、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させ、飾り図柄の可変表示等の演出を実現させる」ことは、本願発明の特定事項Cの「前記演出手段を用いて前記判定手段の判定結果に応じた変動演出を実行可能」であることに相当する。
以上のことから、引用発明のcの「演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120」は、本願発明の特定事項Cの「演出制御手段」の機能を備えるものである。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Cを備える。
また、引用発明は、本願発明の特定事項Eを備える。

4 引用発明のdの「遊技者が操作する音量調整ボタン41,42」は、本願発明の特定事項Dの「遊技者が操作可能な操作手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Dを備える。

5 引用発明のfの「飾り図柄の可変表示が実行されていない非変動時」及び「可変表示の実行中」は、それぞれ本願発明の特定事項Fの「前記変動演出が実行されていない客待ち状態」及び「前記変動演出の実行中」に相当する。
また、引用発明のfの「遊技者が音量調整ボタン41,42を押下操作すること」は、本願発明の特定事項Fの「前記操作手段」を「操作」することに相当する。
さらに、引用発明のfの「遊技者が音量調整ボタン41,42を押下操作することにより、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更することができ」ることは、本願発明の特定事項Fの「前記操作手段の操作に基づいて、前記音出力手段から出力される前記所定の音の音量値を」「変更することが可能であ」ることに相当する。
そして、引用発明のfの「13段階あ」る「音量段階」は、本願発明の特定事項Fの「複数の音量値」に相当するから、引用発明のfの「スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更することができ、音量段階は、遊技者が設定し得る範囲として13段階あ」ることは、本願発明の特定事項Fの「前記音出力手段から出力される前記所定の音の音量値を複数の音量値の何れかに変更することが可能であ」ることに相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Fを備える。

6 引用発明のg、iの「スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更する場合は、変更後の音量にて確認音を出力」すること、及び、「スピーカ8L,8Rから出力される音の音量がいずれの音量に変更されたかを演出表示装置5における変更結果報知表示にて報知」することは、いずれも本願発明の「前記複数の音量値の何れかの音量値へ変更されたことに応じて、変更後の音量値を示唆する報知演出を行」うことに相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Gを備える。

7 引用発明のhの「可変表示の非実行時に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合」及び「可変表示の実行中に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合」は、それぞれ本願発明の特定事項Hの「前記客待ち状態において前記操作手段が操作されて前記音量値が変更された場合」及び「前記変動演出の実行中において前記操作手段が操作されて前記音量値が変更された場合」に相当する。
そして、引用発明のhは、「可変表示の非実行時に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合は、」「前記変更結果報知表示を演出表示装置5の中央部に表示する一方で、」「可変表示の実行中に音量調整ボタン41,42の押下操作によりスピーカ8L,8Rから出力される音の音量を変更した場合は、前記変更結果報知表示を演出表示装置5の右上端部に表示したり、可変表示の非実行時よりも小さく表示」するものであり、両者の場合で、「変更結果報知表示」の表示態様が異なるものといえる。
また、引用発明は「スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更する場合は、変更後の音量にて確認音を出力」するものであるが(g、i)、「可変表示中に音量の変更操作があった場合には、確認音を出力」しないことから(h)、「可変表示の非実行時」と「可変表示中」とで、「確認音」の「出力」の態様が異なるものといえる。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Hを備える。

8 引用発明のg、iの「変更後の音量」は、本願発明の特定事項Iの「操作に応じた音量値」に相当し、そうすると、引用発明のg、iの「スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更する場合は、変更後の音量にて確認音を出力」することは、本願発明の特定事項Iの「前記操作手段の操作に応じた音量値での音の出力を含」む「前記報知演出」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Iを備える。

9 引用発明のg、iより「スピーカ8L,8Rから出力される音の音量を音量調整ボタン41,42の押下操作により変更する場合は、変更後の音量にて確認音を出力」することから、引用発明のjの「確認音」は、「変更後の音量にて」「出力」されるものである。
そして、上記8より、引用発明の「変更後の音量」は、本願発明の「操作に応じた音量値」に相当するから、引用発明のjの「確認音が出力中であ」ることは、本願発明の特定事項Jの「前記操作に応じた音量値での音の出力中であ」ることに相当する。
そうすると、引用発明のjの「確認音出力中タイマがカウント中、すなわち、」「確認音が出力中であっても、新たな音量の変更操作を受け付けて」「出力する音の音量を更に変更可能であ」ることは、本願発明の特定事項Jの「前記操作に応じた音量値での音の出力中であっても前記操作手段が新たに操作された場合には、当該新たな操作に応じた前記音量値に変更可能であ」ることに相当する。
さらに、引用発明のjの「確認音出力中タイマのカウント中であっても、」「新たな音量の変更操作を受付けたことに応じた確認音を、スピーカ8L,8Rから出力」することは、本願発明の特定事項Jの「前記操作に応じた音量値での音の出力中であっても」「当該新たな操作に応じた音を出力可能であ」ることに相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Jを備える。

10 引用発明のkの「可変表示が終了してから所定期間、遊技が行われない状態が継続」することは、本願発明の特定事項Kの「前記客待ち状態となってから前記変動演出が実行されずに所定期間が経過する」ことに相当し、引用発明の「デモ画面表示を表示」することは、本願発明の特定事項Kの「客待ち演出を実行すること」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Kを備える。

11 引用発明のlの「デモ画面の表示中に、遊技者が音量調整操作を行う」ことは、本願発明の特定事項Lの「前記客待ち演出の実行中に前記操作手段が操作され」ることに相当する。
また、引用発明のlの「音量調整を行うことができる」ことは、本願発明の特定事項Lの「前記音量値を変更することが可能である」ことに相当する。
よって、引用発明のlは、本願発明の特定事項Lと「前記客待ち演出の実行中に前記操作手段が操作された場合には」「前記音量値を変更することが可能である」点で共通する。

12 引用発明のmの「パチンコ遊技機1」は、本願発明の特定事項Mの「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Mを備える。

13 以上のことから、本願発明と引用発明は、
「A 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、
B 所定の音を出力することが可能な音出力手段と、演出画像を表示する画像表示手段と、を含む演出手段と、
C 前記演出手段を用いて前記判定手段の判定結果に応じた変動演出を実行可能な演出制御手段と、
D 遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、
E 前記演出制御手段は、
F 前記変動演出が実行されていない客待ち状態および前記変動演出の実行中における前記操作手段の操作に基づいて、前記音出力手段から出力される前記所定の音の音量値を複数の音量値の何れかに変更することが可能であり、
G 前記複数の音量値の何れかの音量値へ変更されたことに応じて、変更後の音量値を示唆する報知演出を行い、
H 前記客待ち状態において前記操作手段が操作されて前記音量値が変更された場合と、前記変動演出の実行中において前記操作手段が操作されて前記音量値が変更された場合とで、前記報知演出の実行態様が異なり、
I 前記報知演出は、前記操作手段の操作に応じた音量値での音の出力を含み、
J 前記操作に応じた音量値での音の出力中であっても前記操作手段が新たに操作された場合には、当該新たな操作に応じた前記音量値に変更可能であって、当該新たな操作に応じた音を出力可能であり、
K 前記客待ち状態となってから前記変動演出が実行されずに所定期間が経過すると、客待ち演出を実行することが可能であり、
L’前記客待ち演出の実行中に前記操作手段が操作された場合には前記音量値を変更することが可能である、
M 遊技機。」の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点](特定事項L)
「前記客待ち演出の実行中に前記操作手段が操作された場合には」、
本願発明は、「当該客待ち演出を終了せずに前記音量値を変更することが可能である」のに対し、
引用発明は、「音量調整画面に切り替わり、音量調整を行うことができる」点。

第6 判断
1 相違点について
引用文献2記載の事項の「図柄変動ゲームの実行中でなく、且つ、大当り遊技の生起中でない場合に待機状態とな」ることは、本願発明の特定事項Kの「客待ち状態とな」ることに相当する。
そして、引用文献2記載の事項の「待機状態には、第1待機状態と、第2待機状態と、があり、第1待機状態の終了後に第2待機状態が開始され、第2待機状態では、客待ち演出が実行され」ることの「第1待機状態」が「終了」することは、本願発明の特定事項Kの「前記変動演出が実行されずに所定期間が経過する」ことに相当する。
よって、引用文献2記載の事項のkは、本願発明の特定事項Kに相当する。
また、引用文献2記載の事項の「パチンコ遊技機10」は、引用文献2記載の事項のfより「待機状態において、第2音量調整スイッチOS2の操作によって音量を調整可能となっており、このとき、演出表示装置25には、第2メータBMが表示されて」いる。
そして、引用文献2記載の事項のkより「待機状態」には、「第2待機状態」が含まれること、上記引用文献2記載の事項のfの「待機状態」から「第2待機状態」を排除する理由がないことから、引用文献2記載の事項のlの「客待ち演出が実行されているときに、第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても客待ち演出が終了しない、すなわち、第2待機状態であるときに第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても、第2待機状態が継続し、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示される」場合においても、「第2音量調整スイッチOS2の操作によって音量を調整可能」であると認められ、このことは、本願発明の特定事項Lの「前記客待ち演出の実行中に前記操作手段が操作された場合には当該客待ち演出を終了せずに前記音量値を変更することが可能である」ことに相当する。
引用発明も引用文献2記載の事項も、いずれも、客待ち状態および変動演出の実行中における操作手段の操作に基づいて、音出力手段から出力される所定の音の音量値を変更することが可能であり、客待ち状態となってから変動演出が実行されずに所定期間が経過すると、客待ち演出を実行することが可能な遊技機である点で共通するから、引用発明の「デモ画面の表示中に、遊技者が音量調整操作を行うと、音量調整画面に切り替」えることに代えて、引用文献2記載の事項の「客待ち演出が実行されているときに、第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても客待ち演出が終了しない、すなわち、第2待機状態であるときに第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても、第2待機状態が継続し、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示される」ことを適用して、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

2 本願発明の奏する効果について
本願発明の奏する効果は、引用発明及び引用文献2記載の事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。

3 小括
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。

4 請求人の主張について
請求人は、令和4年2月2日提出の意見書における3(2)で、以下のとおり主張する(下線は当審にて付与した。以下同じ。)。

「ただし、段落(0887)、(0888)によれば、上述しましたように、客待ち演出が実行されているときに、音量調整スイッチが操作されたとしても客待ち演出が終了しないように構成してもよい、とも記載されていることから、変形例として、客待ち演出中の音量調整スイッチの操作では客待ち演出を終了させないようにしてもよいことがうかがえます。
そうすると、一見すれば本願発明が成り立つとも思えるのですが、段落(0887)、(0888)には、
「例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第1音量調整スイッチOS1が操作された場合、第1メータCMが表示されないようにして第1音量調整スイッチOS1の操作による音量調整が制限されるように構成してもよい。その他、例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第1音量調整スイッチOS1が操作された場合、注意喚起画像GT3と重複しない位置に第1メータCMが表示されるようにして、第1音量調整スイッチOS1の操作による音量調整が制限されるように構成してもよい。」と記載されており、
「例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示されないようにするなどして、第2音量調整スイッチOS2の操作による音量調整が制限されるように構成してもよい。」と記載されており、
客待ち演出中の音量調整スイッチの操作では客待ち演出を終了させないようにしてもよいことは開示されているといえますが、「音量調整は制限される」と記載されていることから、音量値の変更は許容されていない(開示されていない)、といえます。」
「いずれにしましても、段落(0887)、(0888)には、「音量調整が制限される」といった積極的な開示がある以上、音量値の変更までをも許容するものではないことが明らかである」

ここで、当審において引用文献2記載の事項の認定の根拠とする段落【0888】は、請求人も述べているとおり、引用文献2に記載の実施形態の変形例として記載されたものであり、客待ち演出中の音量調整スイッチの操作では客待ち演出を終了させないようにしてもよいことが記載されている。
また、段落【0887】は、「第1音量調整スイッチOS1」について記載されたものであって、引用文献2記載の事項の「第2音量調整スイッチOS2」について記載されたものではない。
そして、段落【0888】には、「客待ち演出が実行されているときに、第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても客待ち演出が終了しないように構成してもよい。すなわち、第2待機状態であるときに第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても、第2待機状態が継続されるように構成してもよい。例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示されるように構成してもよい。また、例えば、第2待機状態において注意喚起画像GT3が表示されてのめり込みに関する注意喚起が実行されているときに第2音量調整スイッチOS2が操作された場合、第2メータBMが表示されないようにするなどして、第2音量調整スイッチOS2の操作による音量調整が制限されるように構成してもよい。」と記載されていることから、段落【0888】には、「客待ち演出が実行されているときに、第2音量調整スイッチOS2が操作されたとしても客待ち演出が終了しない(第2待機状態が継続される)ように構成してもよい」という前提のもと、一つの例として、「例えば」「第2メータBMが表示されるように構成してもよい」とし、それとは別の例として「また、例えば」「第2メータBMが表示されないようにするなどして」「音量調整が制限されるように構成してもよい」という、音量調整を可能とする変形例と、音量調整が制限される変形例の二つの変形例が並列的に記載されていると解すべきである。
そうすると、段落【0888】には、請求人が主張するように「「音量調整が制限される」といった積極的な開示がある」としても、それは一つの変形例にすぎず、段落【0888】には、音量調整が制限されるという記載のない変形例も記載されているのであるから、上記請求人の主張は採用できない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-04-27 
結審通知日 2022-05-10 
審決日 2022-05-24 
出願番号 P2018-123099
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 古屋野 浩志
特許庁審判官 蔵野 いづみ
北川 創
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人エビス国際特許事務所  

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