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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G07G
管理番号 1387144
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-01 
確定日 2022-07-26 
事件の表示 特願2017− 41920号「チェック装置、及びチェックプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月20日出願公開、特開2018−147252号、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成29年3月6日の出願であって、令和2年8月5日付けで拒絶理由が通知され、同年10月8日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、令和3年2月17日付けで拒絶理由が通知され、同年4月23日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年5月26日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年9月1日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2.原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1、2、4、5
・引用文献等 1、2

・請求項 3、6
・引用文献等 1−3

<引用文献等一覧>
1.特開2015−106380号公報
2.特開2011−76351号公報
3.特開2011−227771号公報

第3.本願発明
本願請求項1〜6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明6」という。)は、令和3年9月1日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、前記電子機器から受信する受信部と、
画像を撮影するカメラと、
前記画像から商品に相当するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部と、
前記商品情報と前記オブジェクトをもとに、前記カメラによる撮影範囲内に存在する商品と前記商品情報に対応する商品との一致をチェックするチェック部と、
前記チェック部によるチェック結果をもとに、商品情報に応じた商品が撮影範囲内に存在しない場合に、顧客に対して商品を前記カメラによる撮影範囲内に入れることを促す第1メッセージを表示させる第1要求、あるいは撮影範囲内に存在する商品に対応する商品情報が受信されていない場合に、前記第1メッセージとは異なる、顧客に対して商品の商品情報を前記電子機器に記憶させる操作を促す第2メッセージを表示させる第2要求を前記電子機器に送信する送信部と
を有するチェック装置。
【請求項2】
前記カメラによる撮影範囲に存在する商品を含む重量の変化を検出する検出部をさらに有し、
前記チェック部は、前記重量の変化に応じてチェックする請求項1記載のチェック装置。
【請求項3】
前記商品情報をもとにチェックの対象としない商品を判別する判別部をさらに有し、
前記チェック部は、前記判別部により判別された商品についてチェックしない請求項1記載のチェック装置。
【請求項4】
コンピュータを、
電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、前記電子機器から受信する受信部と、
カメラにより撮影された画像から商品に相当するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部と、
前記商品情報と前記オブジェクトをもとに、前記カメラによる撮影範囲内に存在する商品と前記商品情報に対応する商品との一致をチェックするチェック部と、
前記チェック部によるチェック結果をもとに、商品情報に応じた商品が撮影範囲内に存在しない場合に、顧客に対して商品を前記カメラによる撮影範囲内に入れることを促す第1メッセージを表示させる第1要求、あるいは撮影範囲内に存在する商品に対応する商品情報が受信されていない場合に、前記第1メッセージとは異なる、顧客に対して商品の商品情報を前記電子機器に記憶させる操作を促す第2メッセージを表示させる第2要求を前記電子機器に送信する送信部として機能させるためのチェックプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
前記カメラによる撮影範囲に存在する商品を含む重量の変化を検出する検出部としてさらに機能させ、
前記チェック部は、前記重量の変化に応じてチェックするように機能させるための請求項4記載のチェックプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
前記商品情報をもとにチェックの対象としない商品を判別する判別部としてさらに機能させ、
前記チェック部は、前記判別部により判別された商品についてチェックするように機能させるための請求項4記載のチェックプログラム。」

第4.引用文献、引用発明等
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同様。)。
・「【請求項1】
顧客による商品名の入力により会計登録を行う会計登録部と、
スケールにより計量される商品重量を処理する重量処理部と、
前記顧客により前記スケールに移動される商品が撮影された商品画像を画像処理する画像処理部と、
前記商品重量及び前記商品画像を前記会計登録された商品と対比して、一致する場合に前記会計登録を確定する会計登録確定部と、を備え、
前記会計登録確定部は、前記撮影された商品画像の中から、前記商品が前記スケールに近接する位置で撮影された特定の商品画像を、前記会計登録された商品と対比する
ことを特徴とするセルフチェックアウト端末。
【請求項2】
前記会計登録確定部は、前記顧客による商品名の入力により前記撮影が開始されてから前記商品が前記スケール付近に移動されるまでの間に撮影された前半画像と、前記スケール付近に移動された商品が前記スケールに載置されるまでの間に撮影された後半画像とを比較して、前記前半画像の商品と前記後半画像の商品が同一である場合に、前記会計登録を確定する
ことを特徴とする請求項1に記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記重量処理部により検知される前記商品重量の変化のタイミングよりも所定時間前の画像を、前記特定の商品画像として選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のセルフチェックアウト端末。
・・・
【請求項5】
前記商品は、バーコードが貼付されていない商品である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項6】
セルフチェックアウト端末における会計登録確定方法において、
顧客による商品名の入力により会計登録を行う会計登録ステップと、
前記顧客によりスケールに移動される商品の商品画像を撮影する撮影ステップと、
前記スケールにより商品重量を計量する計量ステップと、
前記商品重量及び前記商品画像を前記会計登録された商品と対比して、一致する場合に前記会計登録を確定する会計登録確定ステップと、を備え、
前記会計登録確定ステップは、前記撮影された商品画像の中から、前記スケールに近接する位置で撮影された特定の商品画像を、前記会計登録された商品と対比するステップを含む
ことを特徴とする会計登録確定方法。」
・「【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフチェックアウト端末における商品の会計登録処理に関する。」
・「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにセルフレジシステムでは、バーコードが貼付されていない商品の登録につき、カメラによる画像と秤による重量とを、端末に入力された商品種類に基づく情報と照合することで、顧客の端末への入力ミスや不正の防止を図っている。
【0006】
しかし、顧客の入力ミスは防止できても、商品のすり替えを防止するに十分とは言えない。例えば、レジ端末で安価な商品を入力し、かつカメラによる撮影画像でその安価な商品を撮影させておき、秤に乗せる途中で安価な商品を同等な重量の高価な商品にすり替えるような行為を防止することは、簡単にはできない。
【0007】
本願発明は、上記課題に鑑み、商品のすり替えを防止できるセルフチェックアウト端末を提供することを目的とする。」
・「【0019】
また、商品の中には、野菜や果物のようにバーコードが貼付されていない商品(以下、非バーコード商品と称す)もあり、このような非バーコード商品については、顧客がディスプレイ12で該当する商品を指定することで、会計登録を行う。
・「【0024】
また、セルフチェックアウト端末10は、ディスプレイ12で商品名を入力した非バーコード商品については、商品重量の確認に加えて、カメラ23により撮影された商品画像によるチェックを行って、会計登録を確定する。商品画像による確認については、後述する。」
・「【0032】
会計登録部38は、バーコード商品についてはバーコードスキャナ14等で読みこまれたバーコード情報により会計登録を行い、非バーコード商品については顧客によりディスプレイ12に入力された商品名で会計登録を行う。
【0033】
カメラ制御部40は、カメラ23の撮影開始・終了の制御、あるいは画角・明るさ等の撮影条件の制御を行う。画像処理部42は、カメラ23で撮影された画像または画像から商品画像の部分を切出した画像を内部のメモリに記憶する。画像処理部42は、さらに、メモリに記憶された画像から商品部分の輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状を決定し、また色成分から商品の色を決定する。重量処理部44は、スケール24に載置された商品の重量を計測して処理する。
【0034】
会計登録確定部46は、バーコード商品の場合には、バーコードで会計登録された商品の重量情報と重量処理部44で計測された実際の商品の重量を比較して、合致すれば、会計登録を確定する。また、会計登録確定部46は、非バーコード商品の場合には、顧客により入力されて会計登録された商品について、商品重量だけではなく、カメラ23で撮影され画像処理部42で処理された商品画像との照合を行って、一致する場合に会計登録を確定する。特に、会計登録確定部46は、撮影された商品画像の中から、商品がスケール24に近接する位置で撮影された特定の商品画像を、会計登録された商品の商品形態情報と対比して、一致する場合に会計登録を確定する。」
・「【0040】
図7は、会計登録から確定処理までの手順を具体的に説明するフローチャートである。なお、図7は、非バーコード商品の会計登録の処理で、バーコード商品の会計登録は含まない。
【0041】
会計登録部38は、非バーコード商品(バーコードなし商品)が会計登録されたかを判断する(ステップS10)。会計登録部38は、顧客からのタッチ操作入力をディスプレイ12から通知されて、非バーコード商品が会計登録されたことを判断する。会計登録部38は、非バーコード商品が会計登録されるまで(ステップS10No)、ステップS10をループする。
【0042】
会計登録部38は、非バーコード商品が会計登録されたと判断すると(ステップS10Yes)、会計登録部38は、商品情報を取得する(ステップS12)。会計登録部38は、データベースアクセス部32により、ストアサーバ3の商品情報DB3bから、ディスプレイ12で顧客により選択された商品の商品情報を取得する。取得される商品情報には、商品マスタ情報、商品重量情報及び商品形態情報が含まれる。
【0043】
会計登録後に商品撮影を開始する(ステップS14)。カメラ制御部40は、カメラ23の撮影を開始する。図8は、カメラ23により撮影される画面例である。商品として果物を例にするが、商品を持つ顧客の手の部分は省略して示す。また、図8では、顧客によりスケール24まで移動される商品100につき、商品の3つの位置(100a、100b、100c)を1画面にまとめて示す。また、スケール24には商品を入れるための買い物かご110が載置される。」
・「【0045】
画像処理部42は、撮影画像を不図示のメモリに記録していく。図9(A)は、商品撮影開始時の顧客の様子である。顧客は、ディスプレイ12での会計登録後に、テーブル22の上で手に商品100aを持つ。商品撮影開始時の商品100aは、図8では左側に位置する。図9(A−2)は、図8の商品100aを含む破線で囲まれた部分画像R1である。
【0046】
画像処理部42は、商品がスケール24付近に移動したかを判断する(ステップS16)。画像処理部42は、撮影画像を解析して、画面の中でスケール24に対する商品100の位置関係から、商品100がスケール24付近に移動したかを判断する。画像処理部42は、商品がスケール24付近に移動したと判断するまで(ステップS16No)、ステップS16をループする。図9(B)は、商品100をスケール24に移動する途中の顧客の状態である。
【0047】
画像処理部42は、商品100がスケール24付近に移動したと判断すると(ステップS16Yes)、撮影開始からスケール24付近に移動するまでに撮影されて記録された画像を、前半商品画像として区分する。図9(C)は、顧客が商品100をスケール24付近まで移動した様子である。スケール24付近に移動された商品画像100bは、図8では中央に位置する。図9(Cー2)は、図8の商品100bを含む破線で囲まれた部分画像R2である。
【0048】
画像処理部42により商品100がスケール24付近に移動したと判断されると(ステップS16Yes)、画像処理部42は、後半商品撮影を開始する(ステップS18)。カメラ23による撮影は連続して行われているが、画像処理部42は、商品100がスケール24付近に移動した後に撮影されて記録された画像を、後半商品画像として区分する。
【0049】
重量処理部44が、商品100の重量が確定したかを判断する(ステップS20)。重量処理部44が、商品100がスケール24に載置されて重量変動が一定以内に収斂した場合に重量が確定したと判断する。重量処理部44によって商品100の重量が確定したと判断されるまで(ステップS20No)、ステップS20をループする。
【0050】
重量処理部44によって商品100の重量が確定したと判断されると(ステップS20Yes)、カメラ制御部40は、商品撮影を終了する(ステップS22)。図8で、商品100cは、スケール24上の買い物かご110に入れられる直前の状態である。図9(D−2)は、図8の商品100cを含む破線で囲まれた部分画像R3である。商品撮影終了後、商品チェックが開始される。
【0051】
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致するかを判断する(ステップS24)。これは、スケール24に乗せる直前に、低価格商品から同等な重量の高価格商品にすり替えられるのを防止するためである。
【0052】
画像処理部42は、前半商品画像の中から選択した1枚以上の画像(例えば、商品100aの画像)と、後半商品画像の中から選択した1枚以上の画像(例えば、商品100cの画像)について、輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状をそれぞれ決定し、また色成分から商品の色をそれぞれ決定する。会計登録確定部46は、画像処理部42によって決定された前半商品画像と後半商品画像のサイズ・形状・色等を比較して、前半と後半での商品の同一性を判断する。なお、同一性の判断についても、画像処理部42が行ってもよい。
【0053】
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致しないと判断すると(ステップS24No)、ディスプレイ12への表示や音声によって、商品撮影についてリトライを行うよう顧客に指示して(ステップS30)、ステップS14に戻る。なお、前半商品画像と後半商品画像との比較を、抽出した特徴点で比較すると説明したが、抽出した前後半の商品画像の差分をとって、同一性を比較するようにしてもよい。
【0054】
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致すると判断すると(ステップS24Yes)、次に、会計登録確定部46は、商品画像が商品情報と一致するかを判断する(ステップS26)。ステップS10で会計登録された商品が、実際にスケール24に載置されたかを判断するためである。
【0055】
具体的には、まず会計登録確定部46は、会計登録された商品の商品情報をデータベースアクセス部32を介して商品情報DB3bから取得する。会計登録確定部46は、商品情報の商品形態情報を利用する。商品形態情報は、前述のように例えば商品がリンゴの場合には、「色:赤、形状:丸、サイズ:直径80〜120mm」というような内容である。
【0056】
画像処理部42は、照合用の商品画像として、撮影された商品画像の中から、スケール24に商品が近接した位置にある特定の商品画像を照合用画像として選択する。比較用の商品画像としては、スケール24上の買い物かご110に入れられる直前の商品画像が、適しているからである。なぜなら、買い物かご110に入れられるより何秒も前の商品画像であるとその後に商品がすり替えられるおそれがあるし、逆に、買い物かご110に入れられた後の画像であると、当該商品が他の商品と紛れてしまい、画像から当該商品を認定することが難しくなるからである。画像処理部42は、重量処理部44による重量の変動から商品が載置されるタイミングに基づいて、照合用画像を選択する。」
・「【0061】
画像処理部42は、選択してメモリから読み出した照合画像から輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状を決定し、また色成分から商品の色を決定する。ただし、画像処理部42は、商品の大部分を顧客の手が覆ったりあるいはぶれて撮影されたことによって、選択した照合画像が商品サイズ・形状や色の情報を得るに十分でないと判断する場合には、代りにその前後(例えば、0.5秒程度)に撮影された他の画像を照合画像として選択してもよい。
【0062】
会計登録確定部46は、会計登録された商品の商品形態情報の商品サイズ・形状や色と、画像処理部42で決定された照合画像の商品サイズ・形状や色を比較して、一致するかを判断する。
【0063】
会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致しないと判断すると(ステップS26No)、ステップS30に進み、前述のようにリトライ指示をした後、ステップS14に進む。会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致すると判断すると(ステップS26Yes)、会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合するかを判断する(ステップS28)。会計登録確定部46は、重量処理部44から通知される商品重量が商品情報の商品重量情報に規定された重量の範囲内であるかを判断する。
【0064】
会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合しないと判断する(ステップS28No)、ステップS30に進み、前述のようにリトライ指示(ステップS30)をした後、ステップS14に進む。
【0065】
会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合すると判断すると(ステップS28Yes)、会計登録を確定する(ステップS32)。以上で、商品チェックが終了する。精算処理部48は、顧客からのディスプレイ12での終了指示により、バーコード商品も含めて、全ての商品の会計登録が終了したかを判断する(ステップS34)。精算処理部48は、全ての商品の会計登録が終了していないと判断すると(ステップS34No)、ステップS10に戻る。」
・図7には以下の内容が示されている。


これらの事項からみて、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1−1」という。)が記載されていると認められる。
「セルフチェックアウト端末10は、ディスプレイ12で商品名を入力した非バーコード商品については、商品重量の確認に加えて、カメラ23により撮影された商品画像によるチェックを行って、会計登録を確定するものであって、
会計登録部38は、顧客からのタッチ操作入力をディスプレイ12から通知されて、非バーコード商品が会計登録されたことを判断し、会計登録部38は、非バーコード商品が会計登録されたと判断すると、会計登録部38は、データベースアクセス部32により、ストアサーバ3の商品情報DB3bから、ディスプレイ12で顧客により選択された商品の商品情報を取得し、取得される商品情報には、商品マスタ情報、商品重量情報及び商品形態情報が含まれ、
会計登録後に、カメラ制御部40は、カメラ23の撮影を開始し(ステップS14)、
画像処理部42は、商品100がスケール24付近に移動したと判断すると、撮影開始からスケール24付近に移動するまでに撮影されて記録された画像を、前半商品画像として区分し、商品100がスケール24付近に移動した後に撮影されて記録された画像を、後半商品画像として区分し、
重量処理部44によって商品100の重量が確定したと判断されると、カメラ制御部40は、商品撮影を終了し、商品撮影終了後、商品チェックが開始され、
画像処理部42は、前半商品画像の中から選択した1枚以上の画像と、後半商品画像の中から選択した1枚以上の画像について、輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状をそれぞれ決定し、また色成分から商品の色をそれぞれ決定し、
会計登録確定部46は、画像処理部42によって決定された前半商品画像と後半商品画像のサイズ・形状・色等を比較して、前半と後半での商品の同一性を判断し、
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致しないと判断すると、ディスプレイ12への表示や音声によって、商品撮影についてリトライを行うよう顧客に指示して(ステップS30)、ステップS14に戻り、
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致すると判断すると、次に、会計登録確定部46は、商品画像が商品情報と一致するかを判断し、
画像処理部42は、照合用の商品画像として、撮影された商品画像の中から、スケール24に商品が近接した位置にある特定の商品画像を照合用画像として選択し、
画像処理部42は、選択してメモリから読み出した照合画像から輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状を決定し、また色成分から商品の色を決定し、
会計登録確定部46は、会計登録された商品の商品形態情報の商品サイズ・形状や色と、画像処理部42で決定された照合画像の商品サイズ・形状や色を比較して、一致するかを判断し、
会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致しないと判断すると、ステップS30に進み、前述のようにリトライ指示をした後、ステップS14に進み、
会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致すると判断すると、会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合するかを判断し、商品重量が商品情報に適合しないと判断すると、前述のようにリトライ指示(ステップS30)をした後、ステップS14に進み、
会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合すると判断すると、会計登録を確定し、商品チェックが終了する、
セルフチェックアウト端末10。」

また、引用発明1−1のセルフチェックアウト端末10は、コンピュータに機能させるためのチェックプログラムを有していることは明らかであるから、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1−2」という。)も記載されているといえる。
「コンピュータを、
ディスプレイ12で商品名を入力した非バーコード商品については、商品重量の確認に加えて、カメラ23により撮影された商品画像によるチェックを行って、会計登録を確定させるものであって、
会計登録部38は、顧客からのタッチ操作入力をディスプレイ12から通知されて、非バーコード商品が会計登録されたことを判断し、会計登録部38は、非バーコード商品が会計登録されたと判断すると、会計登録部38は、データベースアクセス部32により、ストアサーバ3の商品情報DB3bから、ディスプレイ12で顧客により選択された商品の商品情報を取得し、取得される商品情報には、商品マスタ情報、商品重量情報及び商品形態情報が含まれ、
会計登録後に、カメラ制御部40は、カメラ23の撮影を開始し(ステップS14)、
画像処理部42は、商品100がスケール24付近に移動したと判断すると、撮影開始からスケール24付近に移動するまでに撮影されて記録された画像を、前半商品画像として区分し、商品100がスケール24付近に移動した後に撮影されて記録された画像を、後半商品画像として区分し、
重量処理部44によって商品100の重量が確定したと判断されると、カメラ制御部40は、商品撮影を終了し、商品撮影終了後、商品チェックが開始され、
画像処理部42は、前半商品画像の中から選択した1枚以上の画像と、後半商品画像の中から選択した1枚以上の画像について、輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状をそれぞれ決定し、また色成分から商品の色をそれぞれ決定し、
会計登録確定部46は、画像処理部42によって決定された前半商品画像と後半商品画像のサイズ・形状・色等を比較して、前半と後半での商品の同一性を判断し、
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致しないと判断すると、ディスプレイ12への表示や音声によって、商品撮影についてリトライを行うよう顧客に指示して(ステップS30)、ステップS14に戻り、
会計登録確定部46は、前半商品画像と後半商品画像が一致すると判断すると、次に、会計登録確定部46は、商品画像が商品情報と一致するかを判断し、
画像処理部42は、照合用の商品画像として、撮影された商品画像の中から、スケール24に商品が近接した位置にある特定の商品画像を照合用画像として選択し、
画像処理部42は、選択してメモリから読み出した照合画像から輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状を決定し、また色成分から商品の色を決定し、
会計登録確定部46は、会計登録された商品の商品形態情報の商品サイズ・形状や色と、画像処理部42で決定された照合画像の商品サイズ・形状や色を比較して、一致するかを判断し、
会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致しないと判断すると、ステップS30に進み、前述のようにリトライ指示をした後、ステップS14に進み、
会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致すると判断すると、会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合するかを判断し、商品重量が商品情報に適合しないと判断すると、前述のようにリトライ指示(ステップS30)をした後、ステップS14に進み、
会計登録確定部46は、商品重量が商品情報に適合すると判断すると、会計登録を確定し、商品チェックが終了する、
ように機能させるためのチェックプログラム。」

(2)引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
・「【技術分野】
【0001】
本発明は、商品重量ファイルを備えるセルフチェックアウトシステム、商品重量ファイル更新方法、および商品重量特定プログラムに関する。」
・「【0075】
[ステップS19]セルフチェックアウト端末100は、商品の登録前後の計量値の差分と商品に対応して記録してある重量とが完全に一致するか否かを判定する。判定結果が完全一致であれば、ステップS11にすすみ、セルフチェックアウト端末100は、次の商品の登録、または精算の指示を待つ。判定結果が完全一致でなければ、ステップS20にすすむ。
【0076】
[ステップS20]セルフチェックアウト端末100は、商品の登録前後の計量値の差分と商品に対応して記録してある重量とが許容範囲内で一致するか否かを判定する。判定結果が許容範囲内で一致であれば、ステップS24にすすみ、判定結果が許容範囲内で一致でなければ、ステップS21にすすむ。
【0077】
[ステップS21]セルフチェックアウト端末100は、重量エラーを報知する。
より詳しくは、データ制御部11は、重量エラーの発生を検出し、重量エラー報知用のメッセージデータを表示制御部12に通知する。また、データ制御部11は、通信制御部15を通じて、監視端末に重量エラー発生を通知する。」

(3)引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次の事項が記載されている。
・「【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、顧客自身が操作して一連の会計を完結させるチェックアウト端末およびその制御プログラムに関する。」
・「【0046】
この処理において、先ずCPU250は、タイマ253に予め定められた待ち時間の計時を開始させる(ステップS301)。次に、CPU250は、直前のステップS104の処理にて入力を受け付けた商品コードに対応する重量情報を重量情報ファイル281からRAM252に読み出し(ステップS302)、読み出した重量情報に含まれるチェックフラグFが「0」または「1」のいずれであるかを判定する(ステップS303)。その結果、チェックフラグFの値が「1」である場合(ステップS303の「F=1」)、CPU250は、RAM252に形成された計量値記憶エリア252aを参照し、直前のステップS104の処理において商品コードが入力された後に秤装置301の計量値が増加しているか否かを判定する(ステップS304)。計量値が増加していない場合(ステップS304のNo)、CPU250は、タイマ253が前記待ち時間を計時し終えたか否かを判定する(ステップS305)。タイマ253が待ち時間を計時し終えていない場合(ステップS305のNo)、再び秤装置301の計量値が増加しているか否かを判定する(ステップS304)」

第5.対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
ア.本願発明1と引用発明1−1とを対比すると、後者の「チェックアウト端末10のディスプレイ12」は前者の「電子機器」に、以下同様に、「顧客からのタッチ操作入力」は「顧客の操作」に、「会計登録された」ことは「記憶された」ことに、「ディスプレイ12で顧客により選択された商品」は「顧客が購入予定とする商品」に、「商品情報」は「商品情報」に、「取得」することは「受信」することに、「会計登録部38」は「受信部」に、「商品画像」及び「画像」は「画像」に、「カメラ23」は「カメラ」に、「照合用の商品画像」は「商品に相当するオブジェクト」に、「画像処理部42」は「オブジェクト検出部」に、「商品チェック」は「チェック」に、「会計登録確定部46」は「チェック部」に、「チェックアウト端末10」は「チェック装置」に、それぞれ相当する。
イ.後者の「会計登録部38は、顧客からのタッチ操作入力をディスプレイ12から通知されて、非バーコード商品が会計登録されたことを判断し、会計登録部38は、非バーコード商品が会計登録されたと判断すると、会計登録部38は、データベースアクセス部32により、ストアサーバ3の商品情報DB3bから、ディスプレイ12で顧客により選択された商品の商品情報を取得」するものであるが、後者の「会計登録部38」と前者の「電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、前記電子機器から受信する受信部」とは、上記ア.の相当関係を踏まえると、「電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、受信する受信部」において共通する。
ウ.後者には「カメラ23により撮影された商品画像」とあるから、後者の「カメラ23」は前者の「画像を撮影するカメラ」に相当する。
エ.後者の「画像処理部42は、照合用の商品画像として、撮影された商品画像の中から、スケール24に商品が近接した位置にある特定の商品画像を照合用画像として選択」するから、後者の「画像処理部42」は、上記ア.の相当関係を踏まえると、前者の「前記画像から商品に相当するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部」に相当する。
オ.後者の「画像処理部42は、選択してメモリから読み出した照合画像から輪郭抽出や色成分の抽出を行い、抽出した輪郭から実際の商品サイズや形状を決定し、また色成分から商品の色を決定し、会計登録確定部46は、会計登録された商品の商品形態情報の商品サイズ・形状や色と、画像処理部42で決定された照合画像の商品サイズ・形状や色を比較して、一致するかを判断」しており、照合画像の商品は、カメラの撮影範囲内に存在することは明らかであるから、上記ア.、エ.、の相当関係を踏まえると、後者の「会計登録確定部46」は、前者の「前記商品情報と前記オブジェクトをもとに、前記カメラによる撮影範囲内に存在する商品と前記商品情報に対応する商品との一致をチェックするチェック部」に相当する。
カ.後者の「会計登録確定部46は、会計登録された商品の商品形態情報の商品サイズ・形状や色と、画像処理部42で決定された照合画像の商品サイズ・形状や色を比較して、一致するかを判断し、会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致しないと判断すると、ステップS30に進み、前述のようにリトライ指示をした後、ステップS14に進」むものであって、ステップS30は「ディスプレイ12への表示や音声によって、商品撮影についてリトライを行うよう顧客に指示」するステップであり、ステップS14は、商品の撮影を開始するステップであるから、後者の「会計登録確定部46」と前者の「前記チェック部によるチェック結果をもとに、商品情報に応じた商品が撮影範囲内に存在しない場合に、顧客に対して商品を前記カメラによる撮影範囲内に入れることを促す第1メッセージを表示させる第1要求、あるいは撮影範囲内に存在する商品に対応する商品情報が受信されていない場合に、前記第1メッセージとは異なる、顧客に対して商品の商品情報を前記電子機器に記憶させる操作を促す第2メッセージを表示させる第2要求を前記電子機器に送信する送信部」とは、「前記チェック部によるチェック結果をもとに、顧客に対して操作を促す表示を電子機器に送信する送信部」であることにおいて共通する。
キ.そうすると、両者は、
「電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、受信する受信部と、
画像を撮影するカメラと、
前記画像から商品に相当するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部と、
前記商品情報と前記オブジェクトをもとに、前記カメラによる撮影範囲内に存在する商品と前記商品情報に対応する商品との一致をチェックするチェック部と、
前記チェック部によるチェック結果をもとに、顧客に対して操作を促す表示を電子機器に送信する送信部と、
を有するチェック装置。」の点で一致し、以下の各点で相違する。
<相違点1>
電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、受信する受信部に関して、本願発明1では、商品情報を「前記電子機器」から受信するのに対して、引用発明1−1では、「データベースアクセス部32により、ストアサーバ3の商品情報DB3bから、ディスプレイ12で顧客により選択された商品の商品情報を取得」している点
<相違点2>
前記チェック部によるチェック結果をもとに、顧客に対して操作を促す表示を電子機器に送信する送信部に関して、本願発明1では、前記チェック部によるチェック結果をもとに、「商品情報に応じた商品が撮影範囲内に存在しない場合に、顧客に対して商品を前記カメラによる撮影範囲内に入れることを促す第1メッセージを表示させる第1要求、あるいは撮影範囲内に存在する商品に対応する商品情報が受信されていない場合に、前記第1メッセージとは異なる、顧客に対して商品の商品情報を前記電子機器に記憶させる操作を促す第2メッセージを表示させる第2要求を」前記電子機器に送信する送信部であるのに対して、引用発明1−1では、「会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致しないと判断すると、ステップS30に進み、」「ディスプレイ12への表示や音声によって、商品撮影についてリトライを行うよう顧客に指示した」点。
(2)相違点の判断
事案に鑑み、相違点2について、先に検討する。
引用文献2には、「セルフチェックアウト端末100のデータ制御部11は、重量エラーの発生を検出し、重量エラー報知用のメッセージデータを表示制御部12に通知する技術」(以下、「引用文献2に記載される技術」という。)が記載されている。
引用発明1−1と引用文献2に記載された技術は、ともに、セルフチェックアウト端末における顧客への指示に関するものである点では共通しているが、引用発明1−1のリトライを行うよう顧客に指示することに代えて、あるいはさらにそれに加えて、引用文献2に記載された技術を適用しても、エラー報知用のメッセージデータが表示されるに過ぎず、商品情報に応じた商品が撮影範囲内に存在しない場合に、顧客に対して商品を前記カメラによる撮影範囲内に入れることを促す第1メッセージ、あるいは撮影範囲内に存在する商品に対応する商品情報が受信されていない場合に、顧客に対して商品の商品情報を前記電子機器に記憶させる操作を促す第2メッセージを表示させるという、相違点2に係る本願発明1の構成には至らない。
そして、本願発明1は、「チェック部は、前記商品情報と前記オブジェクトをもとに、前記カメラによる撮影範囲内に存在する商品と前記商品情報に対応する商品との一致をチェックすることにより」、「顧客の操作による購入予定とする商品の登録が確実にできるようにする」(明細書段落【0005】、【0006】を参照のこと。)という格別の作用効果を有する。
また、引用文献3にも、相違点2に係る本願発明1の構成について何ら記載されていない。
したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1−1、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術に基いて、容易に発明をすることができたとはいえない。

2.本願発明2、3について
本願発明2、3は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定して発明を特定するものであるから、本願発明2、3については、本願発明1と同様の理由により、引用発明1−1、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をできたものではない。

3.本願発明4について
(1)対比
ア.本願発明4と引用発明1−2とを対比すると、後者の「コンピュータ」、「チェックプログラム」は前者の「コンピュータ」、「チェックプログラム」に、それぞれ相当する。
後者の「カメラ23により撮影された商品画像」は前者の「カメラにより撮影された画像」に相当する。
それ以外の部分については、本願発明1と引用発明1−1との対比と同様である。
そうすると、両者は、
「コンピュータを
電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、受信する受信部と、
カメラにより撮影された画像から商品に相当するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部と、
前記商品情報と前記オブジェクトをもとに、前記カメラによる撮影範囲内に存在する商品と前記商品情報に対応する商品との一致をチェックするチェック部と、
前記チェック部によるチェック結果をもとに、顧客に対して操作を促す表示を電子機器に送信する送信部として機能させるためのチェックプログラム。」の点で一致し、以下の各点で相違する。
<相違点1’>
電子機器に対する顧客の操作により記憶された顧客が購入予定とする商品に関する商品情報を、受信する受信部に関して、本願発明4では、商品情報を「前記電子機器」から受信するのに対して、引用発明1−2では、「データベースアクセス部32により、ストアサーバ3の商品情報DB3bから、ディスプレイ12で顧客により選択された商品の商品情報を取得」している点
<相違点2’>
前記チェック部によるチェック結果をもとに、顧客に対して操作を促す表示を電子機器に送信する送信部に関して、本願発明4では、前記チェック部によるチェック結果をもとに、「商品情報に応じた商品が撮影範囲内に存在しない場合に、顧客に対して商品を前記カメラによる撮影範囲内に入れることを促す第1メッセージを表示させる第1要求、あるいは撮影範囲内に存在する商品に対応する商品情報が受信されていない場合に、前記第1メッセージとは異なる、顧客に対して商品の商品情報を前記電子機器に記憶させる操作を促す第2メッセージを表示させる第2要求を」前記電子機器に送信する送信部であるのに対して、引用発明1−2では、「会計登録確定部46は、商品画像が商品情報の商品形態情報と一致しないと判断すると、ステップS30に進み、」「ディスプレイ12への表示や音声によって、商品撮影についてリトライを行うよう顧客に指示した」点。
(2)相違点の判断
事案に鑑み、相違点2’について、先に検討する。
相違点2’は、本願発明1と引用発明1−1との相違点2と同様である。
そうすると、相違点2’の本願発明4に係る構成は、上記1.(2)と同様の理由により、当業者であっても、容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、本願発明4についても、上記1.(2)と同様の理由により、引用発明1−2、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

4.本願発明5、6について
本願発明5、6は、本願発明4の発明特定事項を全て含み、さらに限定して発明を特定するものである。
本願発明5、6については、本願発明4と同様の理由により、引用発明1−2、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をできたものではない。

第6.むすび
以上のとおり、本願発明1〜3は、引用発明1−1、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をできたものではない。
また、本願発明4〜6は、引用発明1−2、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をできたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-07-12 
出願番号 P2017-041920
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G07G)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 筑波 茂樹
特許庁審判官 八木 誠
藤井 昇
発明の名称 チェック装置、及びチェックプログラム  
代理人 野河 信久  
代理人 峰 隆司  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 井上 正  
代理人 河野 直樹  

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