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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1387237
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-20 
確定日 2022-08-02 
事件の表示 特願2019−209649「D2D発見送信のためのリソース割当て」拒絶査定不服審判事件〔令和2年3月19日出願公開、特開2020− 43587、請求項の数(17)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)2月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年5月9日 欧州特許庁)を国際出願日とする特願2016−567003号の一部を令和元年11月20日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年11月20日 上申書の提出
令和2年11月11日付け 拒絶理由通知書
令和3年 1月25日 意見書及び手続補正書の提出
令和3年 6月24日付け 拒絶査定
令和3年10月20日 審判請求書及び手続補正書の提出
令和4年 4月 5日 上申書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年6月24日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項1、3ないし9、及び11ないし17に対して、引用文献1及び2
・請求項2及び10に対して、引用文献1ないし3

引用文献等一覧
1.Ericsson,D2D discovery resource allocation [online],3GPP TSG-RAN WG2 #85bis R2-141258,2014年3月22日アップロード,インターネット (以下、「引用文献1」という。)
2.Samsung,Signaling flows for Type 2B Resource Allocation [online],3GPP TSG-RAN WG2 #85bis R2-141388,2014年3月22日アップロード,インターネット (以下、「引用文献2」という。)
3.Orange,Minimising the impact of D2D on cellular traffic, spectrum and on the QoS of other services [online],3GPP TSG-RAN WG2 #85bis R2-141288,2014年3月21日アップロード,インターネット (以下、「引用文献3」という。)

第3 本願発明
本願の請求項1ないし17に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明17」という。)は、令和3年10月20日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求は、D2D発見アナウンスのための発見送信の回数を含む、受信部と、
前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部と、
前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する送信部と、
を具備する基地局装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースが割り当てられていないRRC_IDLEモードの前記通信装置からRRC接続の要求を受信する、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記通信装置が前記D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースをもはや必要としないことを示す停止メッセージを受信する、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記通信装置が前記D2D発見アナウンスの送信を許可されている場合に、前記受信部は前記リソース要求を含む前記要求メッセージを受信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記リソース要求は、前記D2D発見アナウンスの送信データ量に関する情報を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記D2Dリソースは、複数の時間周波数リソースである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記D2D発見アナウンスは、受信側ユーザー端末の存在を発見するために前記通信装置から送信されるメッセージである、
請求項1から6のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記リソース設定メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージによって通知される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項9】
基地局装置によって実行される通信方法であって、
前記基地局装置が、D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求は、D2D発見アナウンスのための発見送信の回数を含み、
前記基地局装置が、前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択し、
前記基地局装置が、前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する、
通信方法。
【請求項10】
前記基地局装置が、前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースが割り当てられていないRRC_IDLEモードの前記通信装置からRRC接続の要求を受信する、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記基地局装置が、前記通信装置が前記D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースをもはや必要としないことを示す停止メッセージを受信する、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項12】
前記基地局装置が、前記通信装置が前記D2D発見アナウンスの送信を許可されている場合に、前記リソース要求を含む前記要求メッセージを受信する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項13】
前記リソース要求は、前記D2D発見アナウンスの送信データ量に関する情報を含む、
請求項9から12のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項14】
前記D2Dリソースは、複数の時間周波数リソースである、
請求項9から13のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項15】
前記D2D発見アナウンスは、受信側ユーザー端末の存在を発見するために前記通信装置から送信されるメッセージである、
請求項9から14のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項16】
前記リソース設定メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージによって通知される、
請求項9から15のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項17】
D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求は、D2D発見アナウンスのための発見送信の回数を含み、処理と、
前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する処理と、
前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する処理と、
を制御する集積回路。」

第4 引用文献、引用発明及び技術的事項
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献1(Ericsson,D2D discovery resource allocation [online](当審仮訳:D2D発見リソース割当て),3GPP TSG-RAN WG2 #85bis R2-141258,2014年3月22日アップロード,インターネット )には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

「3 In case of Type 2B, only an RRC Connected UE may request resources for transmission of D2D discovery messages from the eNB via RRC and the eNB assigns these resource via RRC.」(第1頁第21行目ないし第23行目)
(当審仮訳:3 タイプ2Bの場合、RRC Connected UEのみがRRCを介してeNBにD2D発見メッセージの送信用のリソースを要求でき、eNBはRRCを介してこれらのリソースを割り当てる。)

上記の「RRC Connected UEのみがRRCを介してeNBにD2D発見メッセージの送信用のリソースを要求でき、eNBはRRCを介してこれらのリソースを割り当てる。」との記載によれば、引用文献1には、D2D発見メッセージの送信用のリソースをRRC Connected UEから要求され、これらのリソースを割り当てるeNBが記載されているといえる。

したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「D2D発見メッセージの送信用のリソースをRRC Connected UEから要求され、これらのリソースを割り当てるeNB。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献2(Samsung,Signaling flows for Type 2B Resource Allocation [online](当審仮訳:タイプ2Bリソース割当てのためのシグナリングフロー),3GPP TSG-RAN WG2 #85bis R2-141388,2014年3月22日アップロード,インターネット )には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。)

「2. UE sends the Discovery Resource Request to eNB. Discovery Resource Request indicates
- Number of discovery messages for which UE wants the discovery resource(s)」(第2頁下から第9行目及び下から第8行目)
(当審仮訳:2. UEは、eNBに発見リソース要求を送信する。発見リソース要求は、次のものを示す。
- UEが発見リソースを必要とする発見メッセージの数)

上記記載によれば、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「UEは、eNBに発見リソース要求を送信し、発見リソース要求は、UEが発見リソースを必要とする発見メッセージの数を示すこと。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献3(Orange,Minimising the impact of D2D on cellular traffic, spectrum and on the QoS of other services [online](当審仮訳:D2Dがセルラートラフィック、スペクトラム、及び他のサービスのQoSに与える影響の最小化),3GPP TSG-RAN WG2 #85bis R2-141288,2014年3月21日アップロード,インターネット )には、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。)

「UE needs to be allowed by the NW to transmit discovery messages in both RRC_IDLE and RRC_CONNECTED modes.」(第1頁下から第7行目及び下から第6行目)
(当審仮訳:UEは、RRC_IDLE及びRRC_CONNECTEDモードの両方で、NWにより発見メッセージの送信を許可される必要がある。)

上記記載によれば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「UEは、RRC_IDLE及びRRC_CONNECTEDモードの両方で、NWにより発見メッセージの送信を許可される必要があること。」

第5 対比及び判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「eNB」は、本願発明1の「基地局装置」に相当する。

イ 引用発明の「D2D発見メッセージの送信」は、「D2D発見メッセージを送信」することでD2D発見のためのアナウンスをしているといえるから、本願発明1の「D2D発見アナウンス」に含まれる。そして、引用発明の「D2D発見メッセージの送信用のリソース」は、D2D発見メッセージというD2D発見アナウンスのための送信用のリソースであり、D2Dリソースであるといえるから、本願発明1の「D2D発見アナウンスのためのD2Dリソース」に含まれる。
また、無線通信技術においてUEから要求されるということは、要求内容を含むメッセージを受信することであることが技術常識であることを勘案すると、引用発明の「eNB」が「リソースをRRC Connected UEから要求され」るということは、「eNB」がリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC Connected UEから受信することであるといえる。そして、当該要求メッセージを受信するためには、当該要求メッセージを受信する受信部が必要であるといえるから、引用発明の「eNB」は、当該要求メッセージを受信する受信部を具備することは明らかである。また、UEは通信装置の一種であるから、引用発明の「RRC Connected UE」は、本願発明1の「RRC_CONNECTEDモードの通信装置」に含まれる。
以上のことから、引用発明の「eNB」が「D2D発見メッセージの送信用のリソースをRRC Connected UEから要求され」るということは、本願発明1の「基地局装置」が「D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信」する「受信部」「を具備する」ことに含まれる。

ウ 引用発明の「これらのリソース」は、「RRC Connected UEから要求され」て「割り当てる」「D2D発見メッセージの送信用のリソース」であり、RRC Connected UEを対象とするD2Dリソースであるといえるから、引用発明の「これらのリソース」は、本願発明1の「前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース」に含まれる。
また、引用発明の「これらのリソースを割り当てる」ことについて、リソースを割り当てる際には、リソースを通知するメッセージを割り当てる対象となる通信装置に送信することが技術常識であり、そのメッセージを「リソース設定メッセージ」と呼称することは任意である。そして、当該メッセージを送信するといえることから、引用発明の「eNB」は、当該メッセージを送信する送信部を具備することは明らかである。
以上のことから、引用発明の「eNB」が「これらのリソースを割り当てる」ことは、本願発明1の「基地局装置」が「前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース」「又は」「特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソース」「を通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する送信部」「を具備する」ことに含まれる。

したがって、上記「ア」ないし「ウ」を総合すれば、本願発明1と引用発明は、以下の点で一致し、また相違する。

<一致点>
「 D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信する受信部と、
前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース又は特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する送信部と、
を具備する基地局装置。」

<相違点1>
「リソース要求」に関して、本願発明1では「D2D発見アナウンスのための発見送信の回数を含む」という発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、当該発明特定事項が特定されていない点。

<相違点2>
本願発明1では「前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部」という発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、当該発明特定事項が特定されていない点。

(2)相違点についての判断
上記相違点について検討するにあたり、事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。
上記相違点2に係る「前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部」という発明特定事項は、引用文献1ないし3には記載も示唆もされておらず、また無線通信の技術分野における周知技術であるともいえない。
よって、引用発明において、上記相違点2に係る「前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部」を具備するものとすることは、当業者といえども容易に想到し得たとはいえない。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3のそれぞれに記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2ないし8について
本願発明2ないし8は、本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3のそれぞれに記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明9について
本願発明9は、基地局装置の発明である本願発明1を基地局装置によって実行される通信方法の発明として記載したものであって、上記「1」で説示した相違点2に対応する「前記基地局装置が、前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択し」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3のそれぞれに記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明10ないし16について
本願発明10ないし16は、本願発明9の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明9と同じ理由により、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3のそれぞれに記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明17について
本願発明17は、基地局装置の発明である本願発明1を対応する集積回路の発明として記載したものであって、上記「1」で説示した相違点2に対応する「前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する処理」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3のそれぞれに記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
本願発明1ないし8は、いずれも「前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部」という発明特定事項を備えるものとなっている。
また、本願発明9ないし16は、いずれも「前記基地局装置が、前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択し」という発明特定事項を備えるものとなっている。
さらに、本願発明17は、「前記要求メッセージに含まれるD2D発見アナウンスのための発見送信の回数に応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する処理」という発明特定事項を備えるものとなっている。
してみれば、上記「第5」の「1」ないし「5」で説示したとおり、本願発明1ないし17は、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3のそれぞれに記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-07-20 
出願番号 P2019-209649
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 本郷 彰
横田 有光
発明の名称 D2D発見送信のためのリソース割当て  
代理人 特許業務法人鷲田国際特許事務所  

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