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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01N
管理番号 1387250
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-26 
確定日 2022-08-02 
事件の表示 特願2017−138411「検体分析装置」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月 7日出願公開、特開2019− 20235、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年7月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 3月25日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 5月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 7月 9日付け:拒絶査定
令和 3年10月26日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年7月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1ないし4に係る発明は、以下の引用文献1〜3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2012−233807号公報
2.特開2008−12868号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2014−35762号公報

第3 本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、令和3年10月26日提出の手続補正書により手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。なお、本願発明2及び3は、本願発明1を減縮した発明である。

「 【請求項1】
検体の分析のための測定を行う測定部と、表示部と、制御部とを有する検体分析装置であって、
該制御部は、
該測定部を制御し、該測定部からの測定データを分析する一方、
該表示部に、該測定部に発生している不具合のアラームを表示するアラーム表示領域と、該アラーム表示領域に表示されたアラームを解除する復旧操作を表示する復旧操作表示領域を表示させ、並びに
複数のアラームが発生している場合、それらを解除する複数の復旧操作を優先度が高いものから低いものへと順に表示させ、
該複数の復旧操作が互いに同一の操作を有する復旧操作を含む場合、該同一の操作を有する復旧操作のうちの少なくとも一つの復旧操作から該同一の操作を間引く校正をしてから、該複数の復旧操作を表示させ、
該複数の復旧操作の復旧操作毎の指令ボタンをそれぞれの復旧操作の表示に隣接させ、および
該復旧操作毎の指令ボタンは、そのボタンが押されて復旧操作が実行中の復旧操作の指令ボタン以外は非アクティブになるものである、検体分析装置。」

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。以下同じ。)

(引1ア)
「【要約】
【課題】装置で生じた異常を解除する際のユーザの手間を軽減することができる検体処理装置を提供する。
【解決手段】検体処理装置の表示部にはメニュー画面A1が表示される。測定ユニットにおいてエラーが発生すると、エラーボタンP31が表示され、操作部M1、M2の上部にヘルプダイアログD1が表示される。ヘルプダイアログD1は、検出されたエラー項目を表示するエラーメッセージリストD11と、詳細手順表示ボタンD13を含んでいる。詳細手順表示ボタンD13が押下されると、エラーメッセージリストD11で選択されているエラーを解除するための操作手順が記載された電子マニュアルの該当ページが、メイン領域A20に表示される。これにより、ユーザは、取扱説明書等を別途参照することなく、エラーを解除するための操作手順を知ることができる。
【選択図】図9」

(引1イ)
「【0028】
図1は、検体処理装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体処理装置1は、搬送ユニット2と、測定ユニット31、32と、情報処理ユニット4から構成されている。
・・・
【0030】
搬送ユニット2は、ユーザが右テーブル21に載置した検体ラックLを収容する。また、搬送ユニット2は、右テーブル21に収容している検体ラックLを搬送し、検体容器Tが測定ユニット31、32に供給されるよう、検体ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付ける。さらに、搬送ユニット2は、ラック搬送部23上にある検体ラックLを搬送して、左テーブル22に回収する。
・・・
【0032】
測定ユニット31は、当該ユニットの前方のラック搬送部23上にある検体容器Tに対して処理を行う。すなわち、測定ユニット31は、ラック搬送部23の所定の位置において、ハンド部(図示せず)により検体ラックLから検体容器Tを取り出して測定ユニット31の内部に搬送し、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット31内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット31は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持部に戻す。また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして検体の測定を行う。
・・・
【0035】
情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の動作を制御する。また、情報処理ユニット4は、後述するように、エラーを検出してエラー内容を表示部42に表示し、ユーザの指示に応じて表示部42に電子マニュアル(取扱説明書)を表示する。」

(引1ウ)
「【0044】
図3は、情報処理ユニット4の構成を示す図である。
【0045】
情報処理ユニット4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成されている。本体40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
・・・
【0047】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードディスク404には、測定ユニット31、32から送信された検体のデータを解析して赤血球数、白血球数等の測定結果を生成し、生成した測定結果に基づいて表示部42に表示を行うプログラム等がインストールされている。また、ハードディスク404には、検体処理装置1の電子マニュアルが記憶され、さらに、後述するメニュー画面A1と、ヘルプダイアログD1と、試薬交換ダイアログD2等を表示し、これら画面を介した入力を受け付けるためのプログラム等がインストールされている。」

(引1エ)
「【0074】
図9は、表示領域A21とヘルプダイアログD1が同時に表示されているときの表示部42の表示内容を示す図である。
【0075】
図7に示すように表示領域A21にエラーへの対処方法(操作手順)が表示されている状態で、ユーザによりエラーボタンP31が押下されると、ヘルプダイアログD1が再表示されて、図9に示す状態となる。
【0076】
このように、表示領域A21にエラーへの対処方法(操作手順)が表示されると共に、ヘルプダイアログD1が表示されると、ユーザは表示領域A21を見ながらヘルプダイアログD1に対する操作を行うことができる。たとえば、ユーザは、表示領域A21に記載された電子マニュアルに従って操作を進め、その後、電子マニュアルに、実行ボタンD14を押下することが記載されていると、実行ボタンD14の押下を円滑に進めることができる。これにより、ユーザの操作性が向上され得る。
【0077】
実行ボタンD14が押下されると、CPU401は、RBC検出器つまりの異常から復旧するための復旧動作として、測定ユニットにRBC検出器の自動洗浄を実行させる。この自動洗浄では、RBC検出器に希釈液を所定回数流すことによってRBC検出器内の洗浄が自動的に行われる。」

(引1オ)
「【0094】
図16(b)は、測定ユニット32で複数のエラーが生じ、エラーメッセージリストD11において、“RBC検出器つまり”が選択されている状態を示している。なお、エラーメッセージ表示領域P12には、エラーメッセージリストD11の最上段に表示されているエラー項目が表示される。
【0095】
図16(b)に示すように、エラーメッセージリストD11において“RBC検出器つまり”が選択されていると、ヘルプダイアログD1には、図5と同様、取扱説明書表示ボタンD12と、詳細手順表示ボタンD13と、実行ボタンD14と、閉じるボタンD15が配される。図16(b)の状態で、ユーザにより“バーコード読み取り異常”が選択されると、ヘルプダイアログD1には、図16(a)と同様、取扱説明書表示ボタンD12と、閉じるボタンD15と、確認ボタンD17が配される。図16(b)の状態で、ユーザにより“<精度管理異常>”が選択されると、ヘルプダイアログD1には、図14と同様、取扱説明書表示ボタンD12と、閉じるボタンD15と、詳細データ表示ボタンD16と、確認ボタンD17が表示される。
【0096】
このように、ヘルプダイアログD1に配されるボタンは、取扱説明書表示ボタンD12と閉じるボタンD15を除き、エラーメッセージリストD11で選択されているエラー項目によって変化する。すなわち、エラー項目と表示されるボタンとを対応づける情報が、図3のハードディスク404に記憶されている。これにより、ユーザは、エラーへの対処方法(操作手順)を知りたい場合や、エラーの発生原因となったデータを確認したい場合に、迅速に操作を行うことが可能となる。また、ユーザにとってエラーへの対処方法(操作手順)が必要となると想定される場合には、ヘルプダイアログD1に詳細手順表示ボタンD13が配される。これにより、ユーザは、エラーを解除するために所定の手順を要することを認識することができる。」

(引1カ)
「【0100】
図17は、ヘルプダイアログD1が操作されることにより行われる処理のフローチャートを示す図である。
【0101】
情報処理ユニット4のCPU401は、検体処理装置1内のユニット(測定ユニット31、32、搬送ユニット2)において、エラーが発生したかを監視している(S11)。エラーの発生が検出されると(S11:YES)、処理がS12に進められる。他方、エラーが発生していないと(S11:NO)、シャットダウンが行われるまで(S25:YES)、S11?S25の処理が繰り返される。
【0102】
エラーが発生すると、CPU401は、ヘルプダイアログD1を表示部42に表示する(S12)。ここで、ヘルプダイアログD1に配されたボタンに対するユーザの操作に応じて、以下のように処理が行われる。
【0103】
取扱説明書表示ボタンD12が押下されると(S13:YES)、CPU401は、メイン領域A20に、エラーについて記載された電子マニュアルの該当ページを表示する(S14)。詳細手順表示ボタンD13が押下されると(S15:YES)、CPU401は、メイン領域A20に、エラーへの対処方法(操作手順)が記載された電子マニュアルの該当ページを表示する(S16)。詳細データ表示ボタンD16が押下されると(S17:YES)、CPU401は、メイン領域A20に、精度管理における測定結果の履歴を示すチャートを表示する(S18)。
【0104】
閉じるボタンD15が押下されると(S19:YES)、CPU401は、ヘルプダイアログD1を閉じる(S20)。しかる後、エラーボタンP31が押下されると(S21:YES)、CPU401は、ヘルプダイアログD1を再表示する(S22)。実行ボタンD14または確認ボタンD17が押下されると(S23:YES)、CPU401は、エラーを解除するための処理を実行する(S24)。他方、実行ボタンD14または確認ボタンD17が押下されていないと(S23:NO)、処理がS13に戻される。エラーメッセージリストD11に含まれる全てのエラーが解除されると(S25:YES)、処理がS26に進められる。他方、全てのエラーが解除されていないと(S25:NO)、処理がS13に戻される。」

(引1キ)
「【0107】
また、本実施の形態によれば、ヘルプダイアログD1には、検出された異常(エラー)がエラーメッセージリストD11に表示されると共に、詳細手順表示ボタンD13と実行ボタンD14が配される。これにより、ユーザは、エラーを確認しながら、エラーへの対処方法(操作手順)を表示させ、エラーを解除するための処理を実行させることができる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、ユーザは、検知された異常(エラー)への対処方法(操作手順)が分からない場合、対処方法(操作手順)をメイン領域A20に表示させて確認した後、実行ボタンD14を押下することによりエラーを解除することができる。また、ユーザは、検知されたエラーへの対処方法(操作手順)が分かっている場合、対処方法(操作手順)を表示させることなく、実行ボタンD14を押下することにより、直ちにエラーを解除することができる。これによっても、エラーの解除処理におけるユーザの手間がさらに軽減され得る。」

(引1ク)
「【0112】
また、上記実施の形態では、ユーザが詳細手順表示ボタンD13を押下することにより、メイン領域A20にエラーへの対処方法(操作手順)が記載された電子マニュアルの該当ページを表示させているが、本発明はこれに限られず、詳細手順表示ボタンD13が押されなくても、自動的に電子マニュアルの該当ページをメイン領域A20に表示させてもよい。
【0113】
たとえば、検体処理装置1において検出された異常が一つだけの場合には、ヘルプダイアログD1が表示されるときに、上記異常への対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページを自動的にメイン領域A20に表示させてもよい。具体的には、図4に示すような画面が表示されているときに一つの異常が検出されると、ユーザによって操作が行われなくても、図9に示すように、表示領域A21に対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページが自動的に表示されてもよい。
【0114】
また、検体処理装置1において複数の異常が検出されている場合でも、それら複数の異常の優先順位を決定し、ヘルプダイアログD1が表示されるときに、優先順位が最も高い異常への対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページを自動的にメイン領域A20に表示させてもよい。この場合、優先順位が高い異常が解除されると、メイン領域A20に表示されている電子マニュアルのページを、次に優先順位の高い異常への対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページに自動的に切り替えてもよい。」

(引1ケ)図1


(引1コ)図3


(引1サ)図9


(引1シ)図16(b)


(引1ス)図17


(2)引用文献1に記載された発明

ア (引1ク)(【0112】〜【0114】)には、詳細手順表示ボタンD13が押されなくても、自動的に電子マニュアルの該当ページをメイン領域A20に表示させる場合について記載され、この場合、【0113】には、図9に示される表示を採用できることが記載されている。そこで、複数の異常が検出されている場合(【0114】)の表示部42には、図9から、ヘルプダイアログD1と、ヘルプダイアログD1の隣に、エラーメッセージリストD11で選択されている優先順位が高いエラーへの対処方法(操作手順)が表示されているメイン領域A20とが同時に表示されることが見て取れる。

イ 上記アを含め上記(1)の記載事項及び図面を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、「異常(エラー)」、「異常」、「エラー」の用語については、「エラー」に統一した。

「搬送ユニット2と、測定ユニット31、32と、情報処理ユニット4から構成されている検体処理装置1であって、
搬送ユニット2は、検体容器Tが測定ユニット31、32に供給されるよう、検体ラックLをラック搬送部23の所定位置に位置付け、
測定ユニット31は、ラック搬送部23の所定の位置において、検体ラックLから検体容器Tを取り出して測定ユニット31の内部に搬送し、この検体容器Tに収容された検体を測定ユニット31内で測定し、また、測定ユニット32も、測定ユニット31と同様にして検体の測定を行い、
情報処理ユニット4は、パーソナルコンピュータからなり、本体40と、入力部41と、表示部42から構成され、
情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の動作を制御し、測定ユニット31、32から送信された検体のデータを解析して測定結果を生成し、
情報処理ユニット4のCPU401は、検体処理装置1内のユニット(測定ユニット31、32、搬送ユニット2)において、エラーが発生したかを監視しており、
エラーが発生すると、CPU401は、ヘルプダイアログD1を表示部42に表示し、ヘルプダイアログD1は、検出されたエラー項目を表示するエラーメッセージリストD11を含んでおり、メイン領域A20に、エラーメッセージリストD11で選択されているエラーへの対処方法(操作手順)が記載された電子マニュアルの該当ページを表示し、
ヘルプダイアログD1には、検出されたエラー項目がエラーメッセージリストD11に表示されると共に、実行ボタンD14が配され、
実行ボタンD14が押下されると、CPU401は、測定ユニットにRBC検出器の自動洗浄を実行させるなどのエラーを解除するための処理を実行し、
検体処理装置1において複数のエラーが検出されている場合、それら複数のエラーの優先順位を決定し、ヘルプダイアログD1が表示されるときに、優先順位が最も高いエラーへの対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページを自動的にメイン領域A20に表示させ、この場合、優先順位が高いエラーが解除されると、メイン領域A20に表示されている電子マニュアルのページを、次に優先順位の高いエラーへの対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページに自動的に切り替え、
表示部42には、ヘルプダイアログD1と、ヘルプダイアログD1の隣に、エラーメッセージリストD11で選択されている優先順位が高いエラーへの対処方法(操作手順)が表示されているメイン領域A20とが同時に表示される、
検体処理装置1。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

(引2ア)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された印刷データに基づいて記録を行う記録装置と、記録装置へ供給する印刷データを生成する情報処理装置とで構成される記録システム及び、その記録装置及び情報処理装置、プログラムに関するものである。」

(引2イ)
「【0077】
ここで、表示情報の表示画面例を図6に示す。図6に示す表示画面600では、優先順位の高いエラー・警告情報が、表示部17の上部から順に表示されるように表示している。このエラー・警告情報は、エラー・警告内容及びその解除方法がテキスト列で構成されているが、必要に応じて、解除方法を案内する画像を表示するようにしても良い。」

(引2ウ)図6


3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

(引3ア)
「【請求項1】
作業対象装置で発生する異常の種類に応じて定められ、異常を解消する作業内容の作業内容情報を記憶した記憶手段と、
前記作業内容を提示する提示手段と、
前記作業対象装置で発生した複数種類の異常を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された複数種類の異常の各々に対応する前記作業内容情報により各々示される複数の作業内容において重複内容が存在する場合、前記検出された複数種類の異常の各々に対応する前記作業内容情報により各々示される複数の作業内容を、前記重複内容を1つに削減して特定期間に前記提示手段に対して提示させるように制御する制御手段と、
を含む異常解消作業支援装置。

【請求項2】
前記複数の作業内容の各々に対して作業内容の種別が対応付けられており、
前記制御手段は、前記削減した結果、提示対象として、相互で前記種別が重複する複数の作業内容を有する複数の作業内容が存在する場合、前記提示対象とされた複数の作業内容を、前記種別が重複する複数の作業内容を併合して前記種別毎に前記提示手段に提示させるように制御する請求項1に記載の異常解消作業支援装置。

【請求項3】
前記種別に応じて定められた優先度が前記種別毎に対応付けられており、
前 記制御手段は、前記種別が重複する複数の作業内容を併合した結果、前記提示対象として複数の作業内容が存在する場合、前記提示対象とされた複数の作業内容を、前記種別についての前記優先度の高い方から先に前記提示手段に提示させるように制御する請求項2に記載の異常解消作業支援装置。」

(引3イ)
「【0033】
以下、開示の技術の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では、開示の技術に係る作業対象装置の一例として画像記録装置を例に挙げて説明するが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えばサーバ装置やタブレット端末装置などの情報処理装置であってもよく、異常が発生した際に異常を解決するために何らかの作業を要する装置であれば如何なるものであってもよい。ここで言う「作業」には、ユーザが画像記録装置に対して行う作業の他に、この作業が終了した時点から画像記録装置が特定の状態に至るまでの待機も含む。上記の「特定の状態」とは、例えばユーザが行う作業によりユーザが得ようとする画像記録装置の状態を指す。」

(引3ウ)
「【0105】
ステップ238では、制御部18により、第3データベース50Cにおける最も高い優先度に対応付けられている出力内容情報により示される出力内容がタッチパネル・ディスプレイ62Bに表示される。また、本ステップ238では、制御部18により、第3データベース50Cに未表示の出力内容を示す出力内容情報が存在する場合は次に表示すべき出力内容を示す出力内容情報により示される出力内容もタッチパネル・ディスプレイ62Bに併せて表示される。図27には、本ステップ234においてタッチパネル・ディスプレイ62Bに表示された画面の一例が示されている。図27に示す例では、最も高い優先度に対応付けられている出力内容情報により示される出力内容として、「原因紙を除去して下さい。」とのメッセージ及び「排紙して下さい。」とのメッセージが示されている。また、次に表示すべき出力内容の予告として、「圧胴を回転させて下さい。」とのメッセージが示されている。従って、ユーザに対して現在行わせるべき作業が提示されつつ、次に行わせるべき作業も提示されるので、本構成を有しない場合に比べ、作業が進め易くなる。」

(引3エ)図27


第5 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「測定ユニット31、32」は、「搬送ユニット2」により「供給され」た「検体の測定を行」うことから、「搬送ユニット2と、測定ユニット31、32」は、「検体の測定」のために協働するものである。よって、引用発明の「搬送ユニット2と、測定ユニット31、32」は、本願発明1の「検体の分析のための測定を行う測定部」に相当する。
また、引用発明の「表示部42」、「情報処理ユニット4」及び「検体処理装置1」は、それぞれ、本願発明1の「表示部」、「制御部」及び「検体分析装置」に相当する。
以上のことを踏まえると、引用発明の「搬送ユニット2と、測定ユニット31、32と、」「表示部42」を含む「情報処理ユニット4から構成されている検体処理装置1」は、本願発明1の「検体の分析のための測定を行う測定部と、表示部と、制御部とを有する検体分析装置」に相当する。

イ 引用発明の「情報処理ユニット4は、搬送ユニット2と測定ユニット31、32の動作を制御し、測定ユニット31、32から送信された検体のデータを解析」することは、本願発明1の「該制御部は、該測定部を制御し、該測定部からの測定データを分析する」ことに相当する。

ウ 引用発明の「検体処理装置1内のユニット(測定ユニット31、32、搬送ユニット2)において」「発生した」「エラー」が、本願発明1の「該測定部に発生している不具合」に相当するところ、引用発明の「検体処理装置1内のユニット(測定ユニット31、32、搬送ユニット2)において」「検出されたエラー項目を表示」する「エラーメッセージリストD11」は、本願発明1の「該測定部に発生している不具合のアラームを表示するアラーム表示領域」に相当する。
また、引用発明の「エラーメッセージリストD11で選択されているエラーへの対処方法(操作手順)」が、本願発明1の「該アラーム表示領域に表示されたアラームを解除する復旧操作」に相当するところ、引用発明の「エラーメッセージリストD11で選択されているエラーへの対処方法(操作手順)」「を表示」する「メイン領域A20」は、本願発明1の「該アラーム表示領域に表示されたアラームを解除する復旧操作を表示する復旧操作表示領域」に相当する。
以上のことを踏まえると、引用発明の「情報処理ユニット4のCPU401」が、「表示部42に」、「検体処理装置1内のユニット(測定ユニット31、32、搬送ユニット2)において」「検出されたエラー項目を表示」する「エラーメッセージリストD11」と、「エラーメッセージリストD11で選択されているエラーへの対処方法(操作手順)」「を表示」する「メイン領域A20」を「表示させ」ることは、本願発明1の「該制御部は、」「該表示部に、該測定部に発生している不具合のアラームを表示するアラーム表示領域と、該アラーム表示領域に表示されたアラームを解除する復旧操作を表示する復旧操作表示領域を表示させ」ることに相当する。

エ 引用発明の「複数のエラーが検出されている場合」、「優先順位が最も高いエラーへの対処方法」「を自動的にメイン領域A20に表示させ、」「優先順位が高いエラーが解除されると、」「次に優先順位の高いエラーへの対処方法」「に自動的に切り替える」ことは、優先順位が高い順に、エラーへの対処方法を1つずつ順番に表示させることであるから、本願発明1の「複数のアラームが発生している場合、それらを解除する複数の復旧操作を優先度が高いものから低いものへと順に表示させ」ることに相当する。

オ 引用発明の「測定ユニットにRBC検出器の自動洗浄を実行させるなどのエラーを解除するための処理を実行」する「実行ボタンD14」は、本願発明1の「復旧操作毎の指令ボタン」に相当する。
また、引用発明の「実行ボタンD14」は、「ヘルプダイアログD1に」「配され」、「ヘルプダイアログD1の隣に、エラーメッセージリストD11で選択されている優先順位が高いエラーへの対処方法(操作手順)」「を表示」する「メイン領域A20」が「表示される」ことから、引用発明の「実行ボタンD14」は、「エラーメッセージリストD11で選択されている優先順位が高いエラーへの対処方法(操作手順)」が「表示される」「隣に」「配され」るといえる。
以上のことを踏まえると、引用発明の「エラーメッセージリストD11で選択されている優先順位が高いエラーへの対処方法(操作手順)」「が表示されているメイン領域A20」「の隣に」「表示される」「ヘルプダイアログD1に」、当該「エラーを解除するための処理を実行」する「実行ボタンD14」が「配され」ることは、本願発明1の「該複数の復旧操作の復旧操作毎の指令ボタンをそれぞれの復旧操作の表示に隣接させ」ることに相当する。

カ 引用発明の「実行ボタンD14」は、「実行ボタンD14が押下されると」、「エラーメッセージリストD11で選択されている優先順位が高いエラーへの対処方法(操作手順)」「が表示されている」「エラーを解除するための処理を実行」することと、本願発明1の「該復旧操作毎の指令ボタンは、そのボタンが押されて復旧操作が実行中の復旧操作の指令ボタン以外は非アクティブになる」こととは、「該復旧操作毎の指令ボタンは、そのボタンが押されて復旧操作が実行中になる」点で共通する。

してみると、本願発明1と引用発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。

(一致点)
「 検体の分析のための測定を行う測定部と、表示部と、制御部とを有する検体分析装置であって、
該制御部は、
該測定部を制御し、該測定部からの測定データを分析する一方、
該表示部に、該測定部に発生している不具合のアラームを表示するアラーム表示領域と、該アラーム表示領域に表示されたアラームを解除する復旧操作を表示する復旧操作表示領域を表示させ、並びに
複数のアラームが発生している場合、それらを解除する複数の復旧操作を優先度が高いものから低いものへと順に表示させ、
該複数の復旧操作の復旧操作毎の指令ボタンをそれぞれの復旧操作の表示に隣接させ、および
該復旧操作毎の指令ボタンは、そのボタンが押されて復旧操作が実行中になる、検体分析装置。」

(相違点1)
本願発明1では、「該複数の復旧操作が互いに同一の操作を有する復旧操作を含む場合、該同一の操作を有する復旧操作のうちの少なくとも一つの復旧操作から該同一の操作を間引く校正をしてから、該複数の復旧操作を表示させ」るのに対し、引用発明では、「複数のエラーが検出され」、それぞれの「エラーへの対処方法(操作手順)」が互いに同一の「対処方法(操作手順)」を含む場合の特定はなく、この場合の「対処方法(操作手順)」の「表示」の仕方に関する特定もない点。

(相違点2)
指令ボタンを押されて復旧操作が実行中に、本願発明1では、「復旧操作毎の指令ボタンは、そのボタンが押されて復旧操作が実行中の復旧操作の指令ボタン以外は非アクティブになる」のに対し、引用発明では、(「実行ボタンD14」を押し下げする時点で「実行中の復旧操作の指令ボタン」に相当する「実行ボタンD14」の表示しかなく)実行中の復旧操作の指令ボタン以外の指令ボタンが「非アクティブになる」、すなわち、アクティブであったボタンが非アクティブに変化する、ことがない点。

(2)判断
事案に鑑み相違点2について検討する。

ア 引用発明は、上記(1)で対比したとおり、本願発明1の「複数のアラームが発生している場合、それらを解除する複数の復旧操作を優先度が高いものから低いものへと順に表示させ、」「該複数の復旧操作の復旧操作毎の指令ボタンをそれぞれの復旧操作の表示に隣接させ」ることに相当する構成を備えているといえる。
しかし、引用発明では、1つずつ順に表示される(または複数表示させてもその最も優先順位が高い)エラー項目についての「実行ボタン」がひとつ表示されるだけであり、その他の(未表示、または優先順位が次点以下の)エラーの解除処理については、対応するボタンが(前記「実行ボタン」とは別には)存在しないので、該存在しないことを以て「非アクティブである」とはいえても、「非アクティブになる」すなわち(アクティブから)非アクティブに変化する、とはいえないから、本願発明1と引用発明とは、上記相違点2の点で相違するといえる。

イ そして、上記相違点2に係る本願発明1の構成である、複数のアラームが発生している場合、それらを解除する複数の復旧操作毎の指令ボタンは、そのボタンが押されて復旧操作が実行中の復旧操作の指令ボタン以外は非アクティブになることは、引用文献2及び3(第4の2、3参照)に記載も示唆もなく、また当該構成が周知技術であるといえる証拠も見当たらない。

ウ また、仮に、操作メニュー表示において、複数の操作ボタンのうちの一つの操作ボタンを操作すると他の操作ボタンが非アクティブに変化する程度のことは周知技術(以下「仮の周知技術」という。)であるとしても、引用発明において相違点2の構成とするためには、まず、実行ボタンD14を、表示された複数のエラー項目ごとに複数表示させるように変更するとともに、それらが「それぞれの復旧操作の表示に隣接させ」て表示されるように、復旧操作の表示数も複数とすることを要し、その上で、前記仮の周知技術を適用して、押し下げられた実行ボタンD14以外の実行ボタンD14を「非アクティブ」に変更するようにすることを要するから、併せて引用発明に対し3段階の変更を要することとなり、当業者であっても、このような多段階の変更が容易に想到し得るとはいえない。

エ また、仮に、引用発明において、前記仮の周知技術を適用して、「非アクティブになる」「実行ボタン」を存在させようとすると、引用文献2及び3が、複数のエラーへの対処方法を並べて表示させていることに倣い、引用発明においては、複数の「エラーへの対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページ」を並べて表示するレイアウトへの変更を要するところ、複数の「エラーへの対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページ」を並べて表示する技術を記載した文献は発見されておらず、当業者であっても、引用発明において、複数の「エラーへの対処方法が記載された電子マニュアルの該当ページ」を並べて表示することが前提となる、「非アクティブになる」「実行ボタン」を存在させることへの設計変更が容易に想到し得るとはいえない。

オ したがって、上記相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明及び引用文献2、3に基づいて当業者が容易に想到し得ることではない。

カ そして、本願発明1が奏する「ユーザーは表示部をみて、複数の復旧操作の優先順位を認識でき、しかも、迅速にその優先順位で復旧操作を実行させることができ」(【0008】)、「同じ操作が重複して実行されることを軽減または回避でき、復旧操作の実行時間を短縮することができ」る(【0009】)などの効果は、引用発明及び引用文献2、3から当業者が予測し得ることではない。

(3)小括
したがって、その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2、3に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3は、本願発明1を引用する発明であり、本願発明1の上記相違点2に係る発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、3に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2022-07-19 
出願番号 P2017-138411
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01N)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 樋口 宗彦
▲高▼見 重雄
発明の名称 検体分析装置  
代理人 高島 一  
代理人 當麻 博文  
代理人 戸崎 富哉  
代理人 田村 弥栄子  
代理人 鎌田 光宜  
代理人 赤井 厚子  
代理人 土井 京子  
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