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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1387361
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-12-03 
確定日 2022-07-26 
事件の表示 特願2017−226226「異常予兆報知システム、方法、及び、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和元年 6月20日出願公開、特開2019− 96155、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 3月31日:拒絶理由通知書(起案日)
令和3年 4月22日:意見書、手続補正書の提出
令和3年10月12日:拒絶査定(原査定)(起案日)
令和3年12月 3日:審判請求書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年10月12日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1〜12に係る発明は、以下の引用文献1、2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2017−40976号公報
引用文献2:特開2015−118416号公報

第3 本願発明
本願請求項1〜12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明12」という。)は、令和3年4月22日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1〜12に記載された事項により特定されるものであり、本願発明1は以下のとおりである。

「【請求項1】
生産ラインに設置された設備の稼働に関する情報に基づいて、前記設備に異常が発生する異常発生時期を推定する異常発生時期推定部と、
前記設備の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報に基づいて、前記設備の異常を解消するのに必要となる異常解消期間を推定する異常解消期間推定部と、
前記設備の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前に設定する、報知時期設定部と、
前記報知時期に前記設備の異常の予兆を報知する報知部と、
を備えた、
異常予兆報知システム。」

なお、本願発明2〜12の概要は以下のとおりである。
本願発明2〜10は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明11は、本願発明1の「異常予兆報知システム」を「コンピュータのCPU」が行う「異常予兆報知方法」としたものであり、本願発明1とはカテゴリ表現が異なる本願発明1に対応する方法の発明である。
本願発明12は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の各部をステップに変更して、コンピュータに実行させるためのプログラムとした発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2017−40976号公報)には、第2実施形態について次の事項が記載されている。下線は、当審において付与した。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、機器に対する復旧作業の推奨タイミングを決定する情報管理方法に関する。」
「【0008】
本発明によれば、機器に対する復旧作業に係る期間と機器の稼働予定期間との関係を通知することができる。」
「【0039】
(中略)本実施形態に係る情報管理装置101は、第1実施形態に係る情報管理装置101の構成要素に加え、復旧時間管理部601(以降、復旧管理部601)及びタイミング変更部602を備える。」
「【0041】
復旧管理部601が復旧作業の所要時間を管理する方法について、図7を用いて詳細に説明する。図7は、復旧管理部601が管理する、復旧作業内容と復旧作業の所要時間との関係を表すテーブルである。各ID701に対して、不具合からの復旧作業内容702とその復旧作業を実施するのに予想される所要時間703とが対応付けられている。
【0042】
行704は、機器において不具合が発生した場合に、ユーザーが予め準備された代替機器と不具合の発生した機器とを交換する作業を行い、それに1時間程度の作業時間を要すると予想されることを示す。行705は、機器が備える部品Aにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫として持っている部品Aと機器の部品Aとを交換する作業を行い、それに1時間程度の作業時間を要すると予想されることを示す。行706は、機器が備える部品Bにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫として持っている部品Bと機器の部品Bとを交換する作業を行い、それに12時間程度の作業時間を要すると予想されることを示す。行707は、機器が備える部品Aにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫のない部品Aを発注し、納品後の部品Aと機器の部品Aとを交換する作業を行い、それに1週間程度の期間を要すると予想されることを示す。
【0043】
図7で説明したように、本実施形態における復旧管理部601が管理する、機器に対する復旧作業の所要時間は、機器に対する復旧作業の内容に応じて定まる。これにより情報管理装置101は、復旧作業の所要時間を、部品の在庫状況などに応じて管理することができる。ただしこれに限らず、復旧作業の所要時間は、例えば不具合の要因に応じて定まるものとしてもよいし、機器の設置状態に応じて定まるものとしてもよく、一意の値に設定されていてもよい。また、同じ作業内容に対応する所要時間が、不具合の発生タイミングの時期や時間帯に応じて異なっていてもよい。復旧作業の所要時間に関する情報は、例えば想定される復旧作業に対してユーザーが予め情報管理装置101へと登録しておくようにしても良いし、クラウドなどのネットワーク上の在庫管理システム等と連携して、復旧管理部601が動的に生成しても良い。」
「【0046】
S403では、レベル予測部104が、S201において予定管理部103又は復旧管理部601が取得した稼働予定情報に基づいて、不具合予測部102が予測した不具合に対する復旧作業の可否を判定する。予測される不具合の発生タイミングが、復旧作業ができない稼働予定の期間に当たると判定された場合には、S404へと進み、レベル予測部104は不具合のレベルが高いと判定する。一方、不具合のタイミングが、復旧作業ができる稼働予定の期間に当たると判定された場合には、S1001へと進む。
【0047】
S1001では、レベル予測部104が、復旧管理部601が管理する復旧作業の所要時間に関する情報に基づいて、機器の不具合に対する復旧作業が完了するまでの未復旧期間と機器の稼働予定期間とが重複する、重複期間が存在するか否かを判定する。」
「【0049】
不具合予測情報505は、不具合予測部102が予測した不具合のタイミングなどを表す。レベル予測部104は、復旧管理部601が管理する情報に基づいて、予測された不具合に対する復旧作業の所要時間を判定する。図9の例では、不具合予測情報505の不具合に対する復旧作業の所要時間は12時間であると判定される。」
「【0052】
図5で説明したように、本実施形態における通知部105は、レベル予測部104による判定結果に基づく情報を出力する。具体的には、本実施形態におけるレベル予測部104は、機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複する重複期間の長さを判定する。そして通知部105は、レベル予測部104が判定した重複期間の長さに基づく情報を出力する。」
「【0054】
次に、タイミング変更部602がレベル予測部104による判定結果に基づいて、通知部105による出力のタイミングを制御する方法について、図10を用いて詳細に説明する。図10は、機器の状態に関するパラメータが時間の経過に伴って遷移する様子を示している。グラフの縦軸901は、機器の状態に関するパラメータの値を示す。このパラメータの具体例は、不具合予測の対象機器が液晶プロジェクタである場合における、投影ランプの明るさなどである。グラフの横軸902は、機器の稼働に係る経過時間を表す。機器状態パラメータの遷移軌跡903において、実線部は実際に測定された機器状態パラメータを示し、破線部は予測される機器状態パラメータを示す。パラメータの遷移の予測は、例えば不具合予測部102が統計情報などに基づいて行う。
【0055】
閾値904は不具合発生の判断に関する閾値であり、不具合予測部102は、機器状態パラメータが閾値904を下回ると推定されるタイミングを、機器の不具合が発生する不具合タイミング906であると予測する。閾値904は、例えば機器の仕様として予め定められた値でも良いし、不具合予測部102が過去の機器状態パラメータと不具合発生の履歴に基づいて算出した値でもよい。稼働予定期間908は、稼働予定情報に基づく、機器が稼働する予定の期間を表す。
【0056】
本実施形態におけるレベル予測部104は、不具合予測部102が予測する不具合タイミング906と予定管理部103が管理する稼働予定期間908とに基づいて、機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複するか否かを判定する。これらの期間が重複しない場合、タイミング変更部602は、通知部105が情報を出力する通知予定タイミング907を、不具合予測部102により機器状態パラメータが閾値905を下回ると推定されるタイミングとなるよう制御する。閾値905は、不具合の通知に関する閾値であり、例えば不具合予測部102に対して予め設定された値でも良いし、不具合予測部102が過去の機器状態パラメータと不具合発生の履歴に基づいて算出した値でも良い。
【0057】
一方、機器の稼動予定期間と未復旧期間とが重複する場合、タイミング変更部602は、通知部105が情報を出力する通知タイミング910を、稼働予定期間908の開始タイミングよりも期間909だけ前となるよう制御する。期間909は、例えば不具合タイミング906に対応する不具合に対する復旧作業の所要時間とする。こうすることで、ユーザーは通知タイミング910に部品交換などの不具合の予防作業を開始し、稼働予定期間908の開始前にその作業を完了させることができる。」



イ 引用発明
上記アによれば、上記引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「実際に測定された機器の状態に関するパラメータと統計情報とに基づいて機器状態パラメータの遷移を予測し(【0054】)、当該機器状態パラメータが不具合発生の判断に関する閾値904を下回ると推定されるタイミングを、機器の不具合が発生する不具合タイミング906であると予測する不具合予測部102と(【0055】、図10)、
復旧作業内容と復旧作業の所要時間との関係を表すテーブルを管理する復旧管理部601と(【0041】、図7)、
復旧管理部601が管理する情報に基づいて、予測された不具合に対する復旧作業の所要時間を判定し(【0049】)、不具合予測部102が予測する不具合タイミング906と、予定管理部103が管理する稼働予定期間908とに基づいて、機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複するか否かを判定するレベル予測部104と(【0047】、【0056】)、
不具合予測の閾値905を下回る不具合予測結果タイミング907は、不具合の閾値904を下回る不具合タイミング906より前の時間に設定され(図10)、
機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複しない場合、通知部105が情報を出力する通知予定タイミング907を、不具合予測部102により機器状態パラメータが不具合の通知に関する閾値905を下回ると推定されるタイミングとなるよう制御し、一方、機器の稼動予定期間と未復旧期間とが重複する場合、通知部105が情報を出力する通知タイミング910を、稼働予定期間908の開始タイミングよりも期間909だけ前となるよう制御するものであり、例えば、期間909は、不具合タイミング906に対応する不具合に対する復旧作業の所要時間である、タイミング変更部602と(【0056】、【0057】、図10)、
レベル予測部104が判定した重複期間の長さに基づく情報を出力する通知部105と(【0052】)、
を備え、
前記期間909は、不具合タイミング906に対応する不具合に対する復旧作業の所要時間とすることで、ユーザーは通知タイミング910に部品交換などの不具合の予防作業を開始し、稼働予定期間908の開始前にその作業を完了させることができ(【0057】)、
前記テーブルは、機器が備える部品Aにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫として持っている部品Aと機器の部品Aとを交換する作業を行い、それに1時間程度の作業時間を要すると予想されることを示す行705と、機器が備える部品Bにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫として持っている部品Bと機器の部品Bとを交換する作業を行い、それに12時間程度の作業時間を要すると予想されることを示す行706と、機器が備える部品Aにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫のない部品Aを発注し、納品後の部品Aと機器の部品Aとを交換する作業を行い、それに1週間程度の期間を要すると予想されることを示す行707を含む(【0042】)、
情報管理装置101(【0039】)。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2015−118416号公報)には、次の技術的事項が記載されている。
(引用文献2に記載された技術的事項)
「【0059】
例えば選択した作業単位が配管のスプールの場合、配管の長さ、外径、および重量から基準となる作業量を計算する。定性的には、配管の長さが長いほど、外径が大きいほど、重量が重いほど作業量が大きくなため、ここでは、基準作業量=A・配管長さ+B・外径+C・重量という計算式で作業量を計算した。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「機器」と本願発明1の「生産ラインに設置された設備」とは、「機器」である点で共通し、引用発明の「実際に測定された機器の状態に関するパラメータ」と本願発明1の「生産ラインに設置された設備の稼働に関する情報」とは、「機器の稼働に関する情報」である点で共通し、引用発明の「機器状態パラメータが不具合発生の判断に関する閾値904を下回ると推定されるタイミング」である「機器の不具合が発生する不具合タイミング906」と、本願発明1の「設備に異常が発生する異常発生時期」とは、「機器に異常が発生する異常発生時期」である点で共通するから、引用発明の「実際に測定された機器の状態に関するパラメータと統計情報とに基づいて機器状態パラメータの遷移を予測し、当該機器状態パラメータが不具合発生の判断に関する閾値904を下回ると推定されるタイミングを、機器の不具合が発生する不具合タイミング906であると予測する不具合予測部102」と、本願発明1の「生産ラインに設置された設備の稼働に関する情報に基づいて、前記設備に異常が発生する異常発生時期を推定する異常発生時期推定部」とは、「機器の稼働に関する情報に基づいて、前記機器に異常が発生する異常発生時期を推定する異常発生時期推定部」である点で共通する。
イ 引用発明の「復旧作業内容と復旧作業の所要時間との関係を表すテーブル」は、「機器が備える部品Aにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫として持っている部品Aと機器の部品Aとを交換する作業」や、「機器が備える部品Bにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫として持っている部品Bと機器の部品Bとを交換する作業」や、「機器が備える部品Aにおいて不具合が発生した場合に、ユーザーが在庫のない部品Aを発注し、納品後の部品Aと機器の部品Aとを交換する作業」という復旧作業内容に関する情報を有し、復旧作業情報に対応して必要な復旧作業の所要時間の情報を有するものであり、復旧作業内容に関する情報は、「機器の異常を解消するのに必要となる部品に関する、在庫の有無という特性情報」といえ、復旧作業の所要時間は、「異常解消期間」といえる。
したがって、引用発明の復旧作業内容に関する情報と、本願発明1の「前記設備の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報」とは、「前記機器の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報」である点で共通する。
ウ 引用発明の「レベル予測部104」は、「復旧管理部601が管理する情報に基づいて、予測された不具合に対する復旧作業の所要時間を判定」し、ここで、「復旧管理部601が管理する情報」は、「復旧作業内容と復旧作業の所要時間との関係を表すテーブル」であり、不具合とは復旧作業内容のことであるから、引用発明の「レベル予測部104」において、「復旧作業内容と復旧作業の所要時間との関係を表すテーブル」と復旧作業内容に関する情報に基づいて、復旧作業の所要時間を判定する手段と、本願発明1の「前記設備の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報に基づいて、前記設備の異常を解消するのに必要となる異常解消期間を推定する異常解消期間推定部」とは、「前記機器の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報に基づいて、前記機器の異常を解消するのに必要となる異常解消期間を推定する異常解消期間推定部」である点で共通する。
エ 引用発明の「機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複しない場合」に着目すると、引用発明の「タイミング変更部602」は、「通知部105が情報を出力する通知予定タイミング907を、不具合予測部102により機器状態パラメータが不具合の通知に関する閾値905を下回ると推定されるタイミングとなる」ように制御するから、引用発明の「閾値905を下回ると推定されるタイミング」で通知することと、本願発明1の「設備の異常の予兆を報知する」こととは、「機器の異常の予兆を報知する」点で共通し、引用発明の「通知予定タイミング907」と、本願発明1の「設備の異常の予兆を報知する」「報知時期」とは、「機器の異常の予兆を報知する」「報知時期」である点で共通する。
そして、タイミング変更部602は、その報知時期を、機器状態パラメータと閾値905とにより設定するから、「報知時期を設定する報知時期設定部」といえる。
したがって、引用発明の「機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複しない場合」に着目すると、引用発明の「機器の稼働予定期間と未復旧期間とが重複しない場合、通知部105が情報を出力する通知予定タイミング907を、不具合予測部102により機器状態パラメータが不具合の通知に関する閾値905を下回ると推定されるタイミングとなるよう制御」し、「不具合予測の閾値905を下回る不具合予測結果タイミング907は、不具合の閾値904を下回る不具合タイミング906より前の時間に設定」する「タイミング変更部」と、本願発明1の「前記設備の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前に設定する、報知時期設定部」とは、「前記機器の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期の以前に設定する、報知時期設定部」である点で一致する。
オ 引用発明の「レベル予測部104が判定した重複期間の長さに基づく情報を出力する通知部105」と、本願発明1の「前記報知時期に前記設備の異常の予兆を報知する報知部」は、前記の通り報知時期が異なるものの、「前記報知時期に前記機器の異常の予兆を報知する報知部」である点で一致する。
カ 引用発明の「情報管理装置101」は、上記の通り異常の予兆を報知するから、本願発明1と同様の「異常予兆報知システム」であるといえる。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「機器の稼働に関する情報に基づいて、前記機器に異常が発生する異常発生時期を推定する異常発生時期推定部と、
前記機器の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報に基づいて、前記機器の異常を解消するのに必要となる異常解消期間を推定する異常解消期間推定部と、
前記機器の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期の以前に設定する、報知時期設定部と、
前記報知時期に前記機器の異常の予兆を報知する報知部と、
を備えた、
異常予兆報知システム。」

(相違点1)
「機器」が、本願発明1では「生産ラインに設置された設備」であるのに対し、引用発明では「生産ラインに設置された設備」ではない点。
(相違点2)
報知時期設定部が設定する異常の予兆を報知する報知時期が、本願発明1では「前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前」であるのに対し、引用発明では、前記異常発生時期の以前」ではあるが、さらに「異常解消期間を遡った時期の以前」とは特定されていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討する。
引用発明は「前記機器の異常を解消するのに必要となる部品に関する特性情報に基づいて、前記機器の異常を解消するのに必要となる異常解消期間を推定する異常解消期間推定部」を備えるものの、推定された異常解消期間は、通知部が情報を出力する通知タイミングを異常発生時期から遡った時期の以前に設定するために用いられるものではなく、稼働予定期間908の開始タイミングよりも遡った時期の設定に用いられるものである。
よって、引用発明のタイミング変更部が、通知部が情報を出力する通知タイミングを、「前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前に設定する」ことは、引用文献1、2には記載されておらず、当業者にとって自明な構成でもない。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2〜10について
本願発明2〜10は、本願発明1の「前記設備の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前に設定する、報知時期設定部」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明11について
本願発明11は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「前記設備の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前に設定する、報知時期設定部」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明12について
本願発明12は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の「前記設備の異常の予兆を報知する報知時期を、前記異常発生時期から前記異常解消期間を遡った時期の以前に設定する、報知時期設定部」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1〜12は、当業者が、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


 
審決日 2022-07-12 
出願番号 P2017-226226
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 溝本 安展
特許庁審判官 中野 浩昌
高瀬 勤
発明の名称 異常予兆報知システム、方法、及び、プログラム  
代理人 家入 健  
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