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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する F21S
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F21S
管理番号 1387440
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2022-02-15 
確定日 2022-05-20 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6994576号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6994576号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5、10〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6994576号の請求項1〜10に係る特許についての出願は、2018年(平成30年)4月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年12月25日、中国(CN)、2017年12月25日、中国(CN))を国際出願日とする特許出願であって、令和3年12月15日にその特許権の設定登録がされ、令和4年2月14日付けで訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)が請求され、同年3月9日付けで手続補正指令書(方式)が指令され、その後、同年3月31日付けで審判請求書を補正する手続補正(方式)がなされたものである。

第2 請求の趣旨
特許第6994576号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項5及び10について訂正することを認める、との審決を求める。

第3 本件訂正の内容
請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(審決注:下線部分は訂正箇所であり、請求人が訂正特許請求の範囲において示したとおりである。)。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項5に「各集光ユニット(2)はいずれも回転体構造であり、各集光ユニット(2)の中心軸線は前記合焦点(8)で交わることを特徴とする請求項3に記載の車両ライトの光路伝導装置。」と記載されているのを、「各集光ユニット(2)はいずれも回転体構造であり、各集光ユニット(2)の中心軸線は前記合焦点(8)で交わることを特徴とする請求項4に記載の車両ライトの光路伝導装置。」に訂正する(請求項5を引用する請求項10も同様に訂正する)。
2.一群の請求項について
訂正前の請求項5及び10について、請求項10は、請求項5を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項5及び10に対応する訂正後の請求項5及び10は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。

第4 当審の判断
1.訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項5は、請求項3を引用して、「各集光ユニット(2)」について、「いずれも回転体構造であり、各集光ユニット(2)の中心軸線は前記合焦点(8)で交わる」ことを限定しているが、請求項3には「集光ユニット(2)」についての記載はなく、特許請求の範囲において「集光ユニット(2)」及び「各集光ユニット(2)」の記載があるのは、請求項4のみであり、当該請求項4には「前記光学素子(1)は、先端直径が大きく後端直径が小さいラッパ形である集光ユニット(2)を複数有し、前記集光ユニット(2)の先端は光学素子(1)の焦点を向いており、集光ユニット(2)の後端に集光口(4)が設けられ、各集光ユニット(2)の集光口(4)内に1つの光源(6)が設けられる」という事項が特定されている。
そして、訂正前の請求項5が引用する請求項3及び当該請求項3が引用する請求項1には、「集光ユニット(2)」について何ら記載されていないから、当然「集光ユニット(2)」が複数あることについても記載されていないのに、訂正前の請求項5において、訂正前の請求項4の事項なしに、いきなり「各集光ニット(2)」について上述の限定をしていることは、きわめて不自然といわざるをえない。
そうすると、訂正前の請求項5の引用請求項の記載「請求項3に記載の」は「請求項4に記載の」の誤記であると解さざるをえない。
したがって、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである(請求項5を引用する請求項10についても同様である)。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であること
上記(1)から明らかなように、訂正事項1は、特許請求の範囲中の誤記を訂正するためのものであり、また、訂正後の請求項5の限定事項である「各集光ユニット(2)は、いずれも回転体構造であり、各集光ユニット(2)の中心軸線は前記合焦点(8)で交わる」ことは、明細書の段落【0012】及び【0026】に記載されているから、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである(請求項5を引用する請求項10についても同様である)。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)から明らかなように、訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲中の誤記を訂正するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、上述のとおり誤記の訂正であり、また、訂正後の請求項5は、請求項1の従属項である請求項4に従属するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、本件訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たす(請求項5を引用する請求項10についても同様である)。
したがって、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光線を集めるための光学素子(1)、車両ライトレンズ(5b)及び少なくとも1つの光源(6)を含む車両ライトの光路伝導装置であって、
前記車両ライトレンズ(5b)の一方の面に、円心から外に向かって直径が順次増大する同心円パターン(7)が設けられ、前記車両ライトレンズ(5b)の他方の面が平面であり、前記光学素子(1)の焦点と前記車両ライトレンズ(5b)の焦点は合焦点(8)で重なり、前記光源(6)から射出された光線は前記光学素子(1)により前記合焦点(8)に集められ、前記車両ライトレンズ(5b)から射出され、
前記光路伝動装置が自動車エンブレムに設けられ、前記自動車エンブレムが形状により複数の領域に分かれ、各前記車両ライトレンズ(5b)の形状又は前記車両ライトレンズ(5b)の受光領域(9)が前記領域の形状に応じて設置されることを特徴とする車両ライトの光路伝導装置。
【請求項2】
前記車両ライトレンズ(5b)はフレネルレンズであることを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項3】
前記車両ライトレンズ(5b)の正面は平面であり、前記同心円パターン(7)は車両ライトレンズ(5b)の正面又は背面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項4】
前記光学素子(1)は、先端直径が大きく後端直径が小さいラッパ形である集光ユニット(2)を複数有し、前記集光ユニット(2)の先端は光学素子(1)の焦点を向いており、集光ユニット(2)の後端に集光口(4)が設けられ、各集光ユニット(2)の集光口(4)内に1つの光源(6)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項5】
各集光ユニット(2)はいずれも回転体構造であり、各集光ユニット(2)の中心軸線は前記合焦点(8)で交わることを特徴とする請求項4に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項6】
前記光学素子(1)は楕円反射面を有する反射鏡(3)であり、前記光源(6)から射出された光線は前記反射鏡(3)によって前記合焦点(8)に反射されることを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項7】
光学素子(1)から車両ライトレンズ(5b)に射出される一部光線を遮断する遮光板(10)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項8】
前記車両ライトレンズ(5b)は非円形であることを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項9】
前記車両ライトレンズ(5b)は円形、長方形、三角形又は扇形であることを特徴とする請求項1に記載の車両ライトの光路伝導装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の前記車両ライトの光路伝導装置を1又は複数含むことを特徴とする車両ライト。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2022-04-20 
結審通知日 2022-04-25 
審決日 2022-05-10 
出願番号 P2020-535110
審決分類 P 1 41・ 852- Y (F21S)
P 1 41・ 856- Y (F21S)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 一ノ瀬 覚
特許庁審判官 八木 誠
藤井 昇
登録日 2021-12-15 
登録番号 6994576
発明の名称 車両ライト及びその光路伝導装置  
代理人 特許業務法人はなぶさ特許商標事務所  
代理人 特許業務法人はなぶさ特許商標事務所  

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