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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する E03C 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する E03C 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する E03C |
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管理番号 | 1387441 |
総通号数 | 8 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-08-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2022-02-25 |
確定日 | 2022-05-02 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第7002873号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第7002873号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 |
理由 |
1 手続の経緯 特許第7002873号は、平成29年7月14日に特許出願されたものであって、令和4年1月5日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和4年2月25日に本件訂正審判の請求がされたものである。 2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7002873号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「洋室床部材の補強バー用スペーサ」を、 「浴室床部材の補強バー用スペーサ」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。 3 当審の判断 (1)一群の請求項について 訂正前の請求項2は請求項1を引用したものであり、訂正事項1に係る訂正によって記載が訂正される請求項1と連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1及び2に対応する本件訂正後の請求項1及び2は一群の請求項であるから、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとにされたものである。 (2)訂正前の請求項1及び明細書の記載事項 訂正前の請求項1及び明細書には以下の記載がある。 ア「【請求項1】 浴室洗い場の床部材の底部に設置された補強バーに装着する浴室床部材の補強バー用スペーサであって、 樹脂を用いて形成され、 前記補強バーの下端部に当接する形状の上端部と、 建造物の基礎部分に設置された架台に前記補強バーを固定するボルトを貫通させる貫通孔と、 前記架台の上面部と面接合する下端面と、 を備え、 前記補強バーの延設方向に沿った長さが該補強バーよりも短く形成されて、 前記補強バーの下端部に装着したとき、 前記床部材の底部が有する傾斜に対応して、前記ボルトによって前記架台に固定された前記補強バーの高さを調整して前記床部材を所定高さに配置する、一定の高さ方向の大きさを有するとともに、 前記床部材の底部が有する傾斜に対応する勾配を、前記補強バーに当接する前記上端部の上端面に有する、 ことを特徴とする洋室床部材の補強バー用スペーサ。」 イ「【0001】 本発明は、浴室の床部分を支持する補強バー用スペーサおよびこの補強バー用スペーサを用いた浴室床部材の設置構造に関する。」 ウ「【発明を実施するための形態】 ・・・ 【0017】 図1は、本発明の実施形態に係る浴室床部材の補強バー用スペーサを用いた床構造を示す説明図である。図示した洗い場床部1は、例えばシステムバスを構成する一部分であり、図示を省略した浴槽等に隣接させて設置されるものである。この図は、洗い場床部1を当該洗い場床部1の床面長手側から側方視したときの各部の配置構成を示している。 洗い場床部1は、床パネル13と、床パネル13を上面に載置固定した防水部材12と、防水部材12を補強する補強バー16a〜16cとを備えている。補強バー16bは、スペーサ17aを介して架台10に固定されており、補強バー16cは、スペーサ17bを介して架台10に固定されている。なお、補強バー16aは、スペーサを介することなく架台10に固定されている。架台10は、例えばスチール鋼材等を用いて形成されたもので、住宅などの建造物の基礎部分などに設置固定されており、補強バー16a〜16cを介して防水部材12等と接合する部分は、例えば地面等に対して水平に設置されている。 ・・・」 (3)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項1の冒頭に「浴室洗い場の床部材の底部に設置された補強バーに装着する浴室床部材の補強バー用スペーサ」と記載されていることから、「補強バー用スペーサ」は、「浴室床部材」に関連するものである。他の請求項の記載からみても同様のことがいえる。 また、明細書の記載をみると、段落【0017】には、「システムバスを構成する一部分」である「洗い場床部1」が記載されており、「洗い場床部1」は、「床パネル13」と、「床パネル13を上面に載置固定した防水部材12」と、「防水部材12を補強する補強バー16a〜16c」とを備えており、「補強バー16b」は、「スペーサ17aを介して架台10に固定」されて、「補強バー16c」は、「スペーサ17bを介して架台10に固定」されていることから、「スペーサ17a」及び「スペーサ17b」は、「システムバスを構成する一部分」である「洗い場床部1」用のものであるといえる。明細書の他の記載をみても同様のことがいえる。 これに対して、訂正事項1における訂正前の「洋室」との用語は、特許請求の範囲及び明細書において、他には記載されていない。 そうすると、訂正前の請求項1に記載の「洋室床部材の補強バー用スペーサ」における「洋室」は、「浴室」と記載すべきところの誤記であることは明らかである。 したがって、訂正前の「洋室床部材の補強バー用スペーサ」を「浴室床部材の補強バー用スペーサ」とする訂正事項1に係る訂正は、明らかな誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的としたものと認められる。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて 訂正事項1に係る訂正は、上記アにおいて検討したとおり、誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて 訂正事項1に係る訂正は、上記アにおいて検討したとおり、明らかな誤記を訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 独立特許要件について 訂正事項1に係る訂正は、上記アで検討したとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、当該要件について検討すると、訂正後の請求項1及び2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。 したがって、訂正後の請求項1及び2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、請求項1及び2についての訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 浴室洗い場の床部材の底部に設置された補強バーに装着する浴室床部材の補強バー用スペーサであって、 樹脂を用いて形成され、 前記補強バーの下端部に当接する形状の上端部と、 建造物の基礎部分に設置された架台に前記補強バーを固定するボルトを貫通させる貫通孔と、 前記架台の上面部と面接合する下端面と、 を備え、 前記補強バーの延設方向に沿った長さが該補強バーよりも短く形成されて、 前記補強バーの下端部に装着したとき、 前記床部材の底部が有する傾斜に対応して、前記ボルトによって前記架台に固定された前記補強バーの高さを調整して前記床部材を所定高さに配置する、一定の高さ方向の大きさを有するとともに、 前記床部材の底部が有する傾斜に対応する勾配を、前記補強バーに当接する前記上端部の上端面に有する、 ことを特徴とする浴室床部材の補強バー用スペーサ。 【請求項2】 前記上端面の一の端部から上方に突出して前記補強バーの一の側面と接する第1係止片と、前記一の端部と対向配置される前記上端面の他の端部から上方に突出して前記補強バーの他の側面と接する第2係止片と、を備え、 前記第1係止片は、 前記第2係止片よりも前記補強バーの延設方向に沿って短くあるいは長く形成された、 ことを特徴とする請求項1に記載の浴室床部材の補強バー用スペーサ。 【請求項3】 浴室の床部材と、 前記床部材の底部に固定されて該底部を補強する補強バーと、 前記補強バーを建造物の基礎部分に設置された架台に固定する固定手段と、 前記補強バーと前記架台との間に設置する補強バー用スペーサと、 を備え、 前記床部材は、 他の部位よりも高く形成された縁周部と、 最も低く形成した所定部位に設置される排水口と、 前記排水口へ向かって湯水が流れるように傾斜させた底部と、 を有し、 前記補強バーは、 前記床部材の底部に下方へ突出するように設置され、 前記補強バー用スペーサは、 樹脂を用いて形成され、 前記補強バーの下端部に当接する上端部と、 前記固定手段のボルトを貫通させる貫通孔と、 前記架台の上面部と面接合する下端面と、 を備え、 前記補強バーの延設方向に沿った長さが該補強バーよりも短く形成されて、 前記上端部の上端面に前記床部材の底部が有する傾斜に対応する勾配を有し、 前記床部材の底部の傾斜に応じて前記固定手段によって前記架台に固定された前記補強バーの高さを調整し、前記床部材の底部を傾斜させた状態で支持する、 ことを特徴とする浴室床部材の設置構造。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照 |
審理終結日 | 2022-04-01 |
結審通知日 | 2022-04-06 |
審決日 | 2022-04-21 |
出願番号 | P2017-137922 |
審決分類 |
P
1
41・
856-
Y
(E03C)
P 1 41・ 852- Y (E03C) P 1 41・ 854- Y (E03C) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
住田 秀弘 |
特許庁審判官 |
西田 秀彦 土屋 真理子 |
登録日 | 2022-01-05 |
登録番号 | 7002873 |
発明の名称 | 浴室床部材の補強バー用スペーサおよび浴室床部材の設置構造 |
代理人 | 福田 伸一 |
代理人 | 福田 伸一 |