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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B22D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B22D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B22D
管理番号 1387465
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-02-05 
確定日 2022-05-31 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6737304号発明「鋼の溶製方法及び連続鋳造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6737304号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−4〕について訂正することを認める。 特許第6737304号の請求項1−2、4に係る特許を維持する。 特許第6737304号の請求項3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6737304号の請求項1−4に係る特許についての出願は、平成30年4月19日(優先権主張 平成29年6月12日)に出願され、令和2年7月20日にその特許権の設定登録がされ、同年8月5日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1−4に係る特許に対して、特許異議の申立て(以下、「本件特許異議申立て」という。)があり、次のとおりに手続が行われた。
令和3年 2月 5日 :特許異議申立人中川賢治(以下、「申立人」という。)による請求項1−4に係る特許に対する本件特許異議の申立て
令和3年 6月 9日付け:取消理由通知
令和3年 8月12日 :特許権者JFEスチール株式会社(以下、単に「特許権者」という。)による意見書の提出
令和3年11月11日付け:取消理由通知(決定の予告)
令和3年12月23日 :特許権者による訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)と意見書の提出
本件訂正請求に対して、当審は、令和4年1月12日付けで、申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、応答がなかった。

第2 訂正の適否
本件訂正請求における特許請求の範囲の訂正事項は、以下のとおりである。
1 訂正内容
(1)訂正事項1
訂正前の請求項1の
「脱炭精錬処理を施した溶鋼に対して、取鍋精錬処理を施した後、脱ガス処理を施すことで2次精錬処理を行う鋼の溶製方法であって、
前記取鍋精錬処理では、スラグ中のAl2O3濃度(mass%)に対するCaO濃度(mass%)の比であるCaO/Al2O3が、1.7以上2.3以下となるように、前記スラグの成分調整を行い、
前記2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量を、前記溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とし、
前記副原料を、前記溶鋼の成分を調整する単体の物質や化合物、混合物であり、調整する成分を含むもの、及び前記溶鋼の脱酸を目的に用いられる還元成分を含む脱酸剤とする鋼の溶製方法。」と記載されているのを、訂正後の請求項1の
「脱炭精錬処理を施した溶鋼に対して、取鍋精錬処理を施した後、脱ガス処理を施すことで2次精錬処理を行う鋼の溶製方法であって、
前記取鍋精錬処理では、スラグ中のAl2O3濃度(mass%)に対するCaO濃度(mass%)の比であるCaO/Al2O3が、1.7以上2.3以下となるように、前記スラグの成分調整を行い、
前記2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量を、前記溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とし、
前記副原料を、前記溶鋼の成分を調整する単体の物質や化合物、混合物であり、調整する成分を含むもの、及び前記溶鋼の脱酸を目的に用いられる還元成分を含む脱酸剤とし、
前記取鍋精錬処理では、調整される前記スラグ中のMgO濃度を、3mass%以上15mass%以下とする鋼の溶製方法。」に訂正する。(訂正後の請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2、4も同時に訂正する。)

(2)訂正事項2
請求項3を削除する。

(3)訂正事項3
訂正前の請求項4が、訂正前の請求項1−3のいずれか1項を引用するものであったのを、訂正後の請求項1または請求項2を引用するものに訂正する。

なお、訂正前の請求項1−4について、訂正前の請求項2−4は、訂正前の請求項1を直接的または間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1−4に対応する訂正後の請求項1−4は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、本件訂正請求の訂正事項1−3は、この一群の請求項について請求されたものである。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1により、訂正前の請求項1に新たに付加した「前記取鍋精錬処理では、調整される前記スラグ中のMgO濃度を、3mass%以上15mass%以下」とするとの事項は、取鍋精錬処理で調整されるスラグに関し、スラグ中の成分としてMgOを特定し、その濃度を規定するものであるから、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記新たに付加した事項は、願書に添付した明細書の段落0015、0034、及び訂正前の請求項3の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、請求項3を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、訂正前の請求項1−3のいずれか1項を引用していた訂正前の請求項4を、訂正後の請求項1または請求項2を引用する訂正後の請求項4に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

3 小括
したがって、上記の訂正事項1−3は、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、同法同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−4〕について訂正することを認める。

第3 訂正後の本件発明
第2のとおり、本件訂正請求は認容されたから、訂正後の請求項1−4に係る発明は、訂正特許請求の範囲の請求項1−4に記載した以下の事項により特定されるとおりのものである。(以下、各請求項に係る発明を「本件特許発明1」などといい、各請求項に係る発明をまとめて「本件特許発明」という。)

【請求項1】
脱炭精錬処理を施した溶鋼に対して、取鍋精錬処理を施した後、脱ガス処理を施すことで2次精錬処理を行う鋼の溶製方法であって、
前記取鍋精錬処理では、スラグ中のAl2O3濃度(mass%)に対するCaO濃度(mass%)の比であるCaO/Al2O3が、1.7以上2.3以下となるように、前記スラグの成分調整を行い、
前記2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量を、前記溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とし、
前記副原料を、前記溶鋼の成分を調整する単体の物質や化合物、混合物であり、調整する成分を含むもの、及び前記溶鋼の脱酸を目的に用いられる還元成分を含む脱酸剤とし、
前記取鍋精錬処理では、調整される前記スラグ中のMgO濃度を、3mass%以上15mass%以下とする鋼の溶製方法。
【請求項2】
前記2次精錬処理にて精錬される溶鋼は、S濃度の上限が0.003mass%以下の鋼種であることを特徴とする請求項1に記載の鋼の溶製方法。
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
請求項1または2に記載の鋼の溶製方法を用いて2次精錬処理を施した溶鋼を、連続鋳造機で連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。

第4 当審が令和3年11月11日付け取消理由通知(決定の予告)[以下、単に「決定の予告」という。]で通知した取消理由、及び当該取消理由に対する当審の判断
当審が決定の予告で通知した取消理由の概要は以下のとおりである。
「訂正前の請求項1,2,4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である甲第1号証、及び甲第3号証に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1,2,4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。」

1 甲号証の記載事項
(1)甲第1号証(以下、「甲1」という。)の記載事項
甲1:特開2016−222953号公報
甲1には、図面とともに、次の記載がある。(下線は、当審で付した。)
ア 特許請求の範囲
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
転炉から出鋼された溶鋼に対して取鍋精錬設備で取鍋精錬を行い、その後、真空脱ガス設備で真空脱ガス精錬を行って高清浄度鋼を製造する高清浄度鋼の製造方法において、前記取鍋精錬の際のスラグ組成を、(質量%CaO)/(質量%SiO2)が4.0〜6.3の範囲で、(質量%CaO)/(質量%Al2O3)が1.8〜2.3の範囲であり、且つ、(質量%CaO)/(質量%SiO2)及び(質量%CaO)/(質量%Al2O3)が下記の(1)式の関係を満足するように制御することを特徴とする、高清浄度鋼の製造方法。
0.0059×(質量%CaO)/(質量%SiO2)+0.028×(質量%CaO)/(質量%Al2O3)≦0.088・・・(1)
・・・
【請求項4】
前記高清浄度鋼は、炭素濃度が0.60質量%以上1.20質量%以下、珪素濃度が0.15質量%以上0.70質量%以下、マンガン濃度が0.80質量%以下、燐濃度が0.020質量%以下、硫黄濃度が0.0050質量%以下、アルミニウム濃度が0.005質量%以上0.040質量%以下、クロム濃度が0.50質量%以上2.00質量%以下、窒素濃度が0.0080質量%以下、残部が鉄及び不可避的不純物である軸受鋼であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の高清浄度鋼の製造方法。」

イ 発明の詳細な説明
「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取鍋精錬設備と真空脱ガス設備とを用いて非金属介在物の少ない高清浄度鋼を製造する方法に関する。
・・・
【0006】
・・・
【発明が解決しようとする課題】
・・・
【0009】
特許文献2では、取鍋精錬後のスラグ組成を規定しているが、なかでもスラグの塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)を6.5以上としており、比較的、高塩基度に制御している。このような高塩基度スラグの場合には、スラグ中SiO2の活量が小さいために、溶鋼中珪素(Si)によってAl2O3が還元され、溶鋼中のAl濃度が上昇する。溶鋼中Al濃度の増加に伴い、スラグ中のMgOが還元され、還元されたMgとAl2O3系介在物とが反応してMgO−Al2O3系介在物の生成が懸念される。
【0010】
特許文献3では、還元精錬後の溶鋼中溶存Mg濃度、取鍋耐火物組成、還元精錬後のスラグ組成を各成分組成の絶対値(質量%)で規定している。溶鋼中Alによるスラグ中MgOの還元反応を制御するためには、理論的には、スラグ中のSiO2活量やAl2O3活量などを制御する必要がある。つまり、成分組成の絶対値で規定するのではなく、CaO/SiO2やCaO/Al2O3といった、スラグを構成する成分の質量比で制御することが肝要であり、したがって、特許文献3に記載されるスラグ成分範囲に制御しただけでは、MgO−Al2O3系介在物の生成を十分に抑制できない虞がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、取鍋精錬設備と真空脱ガス設備とを用いて高清浄度鋼を製造するにあたり、取鍋精錬時のスラグ組成を最適範囲に制御することによって、清浄性の高い鋼を製造する方法を提供することである。
・・・
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取鍋精錬設備と真空脱ガス設備とを用いて高清浄度鋼を製造する際に、取鍋精錬時のスラグ組成を最適範囲に制御するので、介在物、特に、MgO−Al2O3系介在物の少ない、清浄性の高い高清浄度鋼を製造することが実現され、その結果、転動疲労寿命に優れた軸受鋼などを製造することが達成される。
・・・
【0014】
・・・
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明者らは、転炉から出鋼された溶鋼に対して取鍋精錬設備で取鍋精錬を行い、その後、真空脱ガス設備で真空脱ガス精錬を行って製造される、軸受鋼に代表される高清浄度鋼での転動疲労寿命の調査試験を種々実施した。
・・・
【0021】
図1に、一般的な取鍋精錬設備の模式図を示す。図1において、符号1は取鍋精錬設備、2は取鍋、3は上蓋、4は電極、5は鉄皮、6は内張り耐火物、7は永久耐火物、8は底吹きプラグ、9は溶鋼、10はスラグである。取鍋精錬設備1では、内張り耐火物6の少なくとも一部(主にスラグライン)をMgO系耐火物とする取鍋2に収容された溶鋼9に対して、底吹きプラグ8からアルゴンガスなどの攪拌用ガスを吹き込み、溶鋼9を攪拌しながら、精錬用フラックス及び合金材の添加、並びに、電極4による通電加熱を施して、溶鋼9の成分及び温度を目標値に調整する。また、添加した精錬用フラックスが溶融して所望する組成のスラグ10が形成され、このスラグ10と溶鋼9との反応により、溶鋼中介在物の形態制御や溶鋼の脱硫反応が行われる。スラグラインをMgO系耐火物とする理由は、MgO系耐火物はスラグに対する耐蝕性が強いことに基づく。尚、図1では、底吹きプラグ8から攪拌用ガスを吹き込んでいるが、溶鋼9に浸漬させたインジェクションランス(図示せず)を介して攪拌用ガスを吹き込んでもよい。
・・・
【0025】
取鍋精錬におけるスラグの(質量%CaO)/(質量%SiO2)及び(質量%CaO)/(質量%Al2O3)を種々変更し、これらのスラグ中MgOの活量に及ぼす影響を、構築した介在物組成変化予測モデルを用いて計算した。計算結果の一例を図2に示す。図2から明らかなように、スラグの(質量%CaO)/(質量%SiO2)及び(質量%CaO)/(質量%Al2O3)が小さくなるほど、スラグ中MgOの活量を小さくできることがわかった。
【0026】
また、図3には、取鍋精錬におけるスラグの(質量%CaO)/(質量%SiO2)及び(質量%CaO)/(質量%Al2O3)のMgO−Al2O3系介在物の生成量に及ぼす影響の計算結果を示す。図3から明らかなように、スラグの(質量%CaO)/(質量%SiO2)及び(質量%CaO)/(質量%Al2O3)の低下に伴い、MgO−Al2O3系介在物の生成量が低下することがわかった。尚、図3の縦軸は、全体の介在物生成量(個数)に対するMgO−Al2O3系介在物の生成量(個数)の比率(百分率)である。
【0027】
このような計算結果に基づき、取鍋精錬において様々な組成のフラックスを用いた試験を行った結果、スラグ中MgOの活量が0.048以下となるようなスラグ組成に制御することで、鋼材の機械試験特性に有害なMgO−Al2O3系介在物を低減でき、鋼材の転動疲労寿命が向上することを本発明者らは見出した。・・・
【0028】
・・・
また、更なる試験調査から、取鍋精錬時のスラグの(質量%CaO)/(質量%SiO2)及び(質量%CaO)/(質量%Al2O3)にも適切な範囲があることがわかった。
【0029】
つまり、スラグの(質量%CaO)/(質量%Al2O3)については、この値が1.8未満なると、スラグの粘性が高くなり、電極による通電加熱不良を引き起こすことや、スラグのAl2O3系介在物の吸収能が低下して溶鋼清浄性を悪化させる懸念があることがわかった。一方、(質量%CaO)/(質量%Al2O3)が2.3を超える場合には、後述する(質量%CaO)/(質量%SiO2)の範囲を考慮した場合に、(1)式を満たすことが難しくなる。したがって、スラグ組成の(質量%CaO)/(質量%Al2O3)は1.8〜2.3の範囲で制御する必要がある。
・・・
【0038】
ところで、本発明は清浄性要求の高い鋼種の溶製全般に適用することができるが、特に、厳格な転動疲労寿命が要求されることから、高レベルの清浄性を必要とする軸受鋼の溶製に適用することで大きなメリットを得ることができる。軸受鋼の成分組成は、炭素濃度が0.60質量%以上1.20質量%以下、珪素濃度が0.15質量%以上0.70質量%以下、マンガン濃度が0.80質量%以下、燐濃度が0.020質量%以下、硫黄濃度が0.0050質量%以下、アルミニウム濃度が0.005質量%以上0.040質量%以下、クロム濃度が0.50質量%以上2.00質量%以下、窒素濃度が0.0080質量%以下、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物であることが好ましい。以下にその理由を示す。
・・・
【0047】
本発明では、取鍋精錬におけるスラグ組成の調整を、精錬用フラックスの添加により実施する。スラグ組成の調整に使用する精錬用フラックスのうち、CaO源としては、生石灰、石灰石、消石灰などを使用し、SiO2源としては、珪石、珪砂などを使用し、Al2O3源としては、ボーキサイト、電融ボーキサイト、仮焼アルミナなどを使用する。本発明は、スラグ中のMgOの活量が0.048以下となるようにスラグ組成を制御する技術であり、そのためには、スラグ中のMgO濃度は低いほど好ましく、したがって、スラグ組成調整用として添加する精錬用フラックスは、不可避的不純物としてMgOを含有する場合を除き、MgOを含有しないものを使用する。
【0048】
・・・
【実施例1】
【0049】
1チャージの溶鋼量が約200トン規模の実機にて、転炉−取鍋精錬設備−RH真空脱ガス装置−ブルーム連続鋳造機の工程順で、高清浄度鋼の代表として挙げられる軸受鋼を製造した。本発明方法を取鍋精錬設備での取鍋精錬に適用し、RH真空脱ガス装置を経て溶鋼を溶製し、この溶鋼をブルーム連続鋳造機で鋳造してブルーム鋳片(厚み300×幅400mm断面)を製造した(本発明例1〜12)。また、比較のために、本発明以外の方法を取鍋精錬に適用し、RH真空脱ガス装置を経て溶鋼を溶製し、この溶鋼をブルーム連続鋳造機で鋳造してブルーム鋳片(厚み300×幅400mm断面)を製造した(比較例1〜13)
【0050】
取鍋精錬では、電極によるアーク加熱を施しつつ、精錬用フラックス、脱酸用金属Al、成分調整用の合金材を投入し、溶鋼成分及び溶鋼温度の調整を実施した。取鍋精錬中、取鍋底に設けた底吹きプラグから、攪拌用ガスのアルゴンガス(Arガス)を吹き込んで溶鋼の攪拌を行った。Arガス流量は、本発明例1〜12及び比較例1〜13ではいずれも0.005Nm3/(min・t)とし、(2)式で計算される攪拌動力εが104W/tとなるようにした。
【0051】
鋳造したブルーム鋳片に対して熱処理を施し、その後、直径215mmの丸ビレットに熱間圧延した。この丸ビレットを更に熱間圧延によって直径60mmの棒鋼とし、焼鈍処理を経て、製品の丸棒鋼とした。」

ウ 図面




エ 上記ア−ウより、甲1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
(ア)段落【0016】、【0021】、図1の記載から、甲1記載の鋼の製造方法は、「転炉から出鋼された溶鋼に対して取鍋精錬設備で取鍋精錬を行い、その後、真空脱ガス設備で真空脱ガス精錬を行って」いるものである。
(イ)【請求項1】、段落【0025】−【0029】,【0047】の記載から、甲1記載の取鍋精錬のスラグ組成の調整は、精錬用フラックスの添加により実施され、(質量%CaO)/(質量%Al2O3)が1.8〜2.3の範囲で制御されるものである。
(ウ)段落【0050】の記載から、甲1記載の取鍋精錬では、上記(イ)の精錬用フラックス以外の材料として、成分調整用の合金材、及び脱酸用金属Alが投入されるものである。

オ 上記ア−エより、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「転炉から出鋼された溶鋼に対して、取鍋精錬を行った後、真空脱ガス精錬を施す高清浄度鋼の製造方法であって、
前記取鍋精錬では、CaO/Al2O3が、1.8〜2.3の範囲でスラグ組成の調整が制御され、
前記取鍋精錬では、精錬用フラックス以外に投入される材料を、成分調整用の合金材、及び脱酸用金属Alとする高清浄度鋼の製造方法」

(2)甲第3号証(以下、「甲3」という。)の記載事項
甲3:特開平3−153839号公報
甲3には、次の記載がある。
ア 「第I表に示した組成を有する標準的な75%FeSiを、50KW誘導炉に入れたグラファイト製るつぼ中で溶融した。」(第3ページ右上欄第17−19行)

イ 「


(第3ページ左下欄)

ウ 上記ア,イより甲3には、Ca含有率が0.08重量%である標準的な75%FeSi(ケイ素含有率が75%のFeSi)について記載されていることが認められる。

2 本件特許発明1について
(1)本件特許発明1と甲1発明の対比
ア 甲1発明の「転炉から出鋼された溶鋼」は本件特許発明1の「脱炭精錬処理を施した溶鋼」に相当し、以下同様に「取鍋精錬」は「取鍋精錬処理」に、「真空脱ガス精錬」は「脱ガス処理」に、「高清浄度鋼の製造方法」は「鋼の溶製方法」に相当する。そして、取鍋精錬と真空脱ガス精錬は、精錬工程では「2次精錬処理」に分類されるものであることから、甲1発明の「取鍋精錬を行った後、真空脱ガス精錬を施す」ことは、本件特許発明1の「取鍋精錬処理を施した後、脱ガス処理を施すことで2次精錬処理を行う」ことに相当する。
イ 甲1発明の「前記取鍋精錬では、CaO/Al2O3が、1.8〜2.3の範囲でスラグ組成の調整が制御」されることと、本件特許発明1の「前記取鍋精錬処理では、スラグ中のAl2O3濃度(mass%)に対するCaO濃度(mass%)の比であるCaO/Al2O3が、1.7以上2.3以下となるように、前記スラグの成分調整」を行うこととを対比すると、前者の数値範囲は、後者の数値範囲内であるから、前者は後者に相当するものである。
ウ 甲1発明の「前記取鍋精錬では、精錬用フラックス以外に投入される材料を、成分調整用の合金材、及び脱酸用金属Alとする」ことに関し、取鍋精錬と真空脱ガス精錬は、精錬工程では「2次精錬処理」に分類されるものであることから、ここでの「取鍋精錬」は本件特許発明1の「2次精錬処理」に相当する。
エ 甲1発明の「精錬用フラックス以外に投入される材料」は本件特許発明1の「副原料」に、以下同様に、「成分調整用の合金材」は「溶鋼の成分を調整する単体の物質や化合物、混合物であり、調整する成分を含むもの」に、「脱酸用金属Al」は「溶鋼の脱酸を目的に用いられる還元成分を含む脱酸剤」に相当する。

(2)本件特許発明1と甲1発明の一致点及び相違点
したがって、本件特許発明1と甲1発明は、以下の点で一致し、相違する。
ア 一致点
「脱炭精錬処理を施した溶鋼に対して、取鍋精錬処理を施した後、脱ガス処理を施すことで2次精錬処理を行う鋼の溶製方法であって、
前記取鍋精錬処理では、スラグ中のAl2O3濃度(mass%)に対するCaO濃度(mass%)の比であるCaO/Al2O3が、1.7以上2.3以下となるように、前記スラグの成分調整を行い、
前記2次製錬処理では、添加する副原料を、前記溶鋼の成分を調整する単体の物質や化合物、混合物であり、調整する成分を含むもの、及び前記溶鋼の脱酸を目的に用いられる還元成分を含む脱酸剤とする鋼の溶製方法。」

イ 相違点
(ア)相違点1
本件特許発明1では、「2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量」を、「溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下」とするのに対して、甲1発明においては、2次精錬処理である取鍋精錬で添加される副原料に含まれるCaの総量が不明である点。
(イ)相違点2
本件特許発明1においては、「取鍋精錬処理では、調整されるスラグ中のMgO濃度」を、「3mass%以上15mass%以下」とするのに対して、甲1発明においては、取鍋精錬処理で調整されるスラグ中のMgO濃度が不明である点。

(3)相違点の検討
事案に鑑み、相違点2から検討する。
甲1発明は、MgO−Al2O3系介在物の生成を抑制することを目的としており(甲1の【0009】−【0011】、【0013】)、甲1には、スラグ中のMgO濃度は低いほど好ましいことが記載されている(甲1の【0047】)から、甲1の記載に接した当業者が、本件特許発明1のように、MgO濃度を3mass%以上15mass%以下とするとはいえない。
また、上記1(2)の甲3に記載の技術的事項を参酌しても、MgO濃度を3mass%以上15mass%以下とすることが当業者にとって容易になし得るものということはできない。
そして、本件特許発明1は、取鍋精錬処理では、「調整される前記スラグ中のMgO濃度を、3mass%以上15mass%以下」とすることにより、媒溶剤としてMgOを含有する、安価なレンガ屑等を用いることができるため、溶製に掛かるコストを低減することができる(本件特許明細書の段落【0015】、【0034】)ものであって、非金属介在物の少ない高清浄度鋼の製造方法に関する甲1発明からは、予測し得ない効果を奏することが認められる。
したがって、本件特許発明1について、甲1発明、及び甲3記載の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(4)したがって、相違点1について言及するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明及び甲3記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 請求項2、4について
本件特許発明2、4は、いずれも請求項1を引用する引用形式請求項であって、本件特許発明2、4は、それぞれ、本件特許発明1に対してさらに発明特定事項を追加したものであるから、本件特許発明1と同様に、甲1発明及び甲3記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4 小括
よって、決定の予告に記載した取消理由により、本件請求項1―2、4に係る特許を取り消すことはできない。

第5 決定の予告で採用しなかった特許異議申立理由について
1 決定の予告で採用しなかった特許異議申立理由の概要
(1)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)に係る特許異議申立理由の概要
「発明の詳細な説明(特に、段落【0035】の記載を参照。)においては、溶鋼のCa濃度が7ppm超ではノズルの閉塞が発生する可能性があり、7ppm以下では、ノズルの発生をより抑制することが記載され、したがって、溶鋼のCa濃度が7ppm以下のもののみが課題を解決する発明として記載されているのに対して、訂正前の請求項1には、「前記2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量を、前記溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とし、」と、溶鋼のCa濃度が20ppm以下である数値範囲が発明特定事項として記載され、上記発明の詳細な説明に記載した7ppm以下の数値範囲に収まらず、ノズルの閉塞が発生する恐れがある実施形態を含むことから、訂正前の請求項1は、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて、特許を請求することとなっている。」
なお、令和3年6月9日付け取消理由通知で通知した理由Bは、当該サポート要件に係る特許異議申立理由と同趣旨のものである。

(2)特許法第36条第4項第1号実施可能要件)に係る特許異議申立理由の概要
「訂正前の本件特許発明の課題を解決するための構成として、発明の詳細な説明には、「・・・2次精錬処理において、・・・Caの総量を、溶鋼1t当たりに対して、0.02kg以下とすること」(【0023】)という構成と、「溶鋼のCa濃度を7ppm以下にすること」(【0035】)という構成の2つの構成が記載されており、いずれの構成により訂正前の本件特許発明の課題を解決できるのかが不明であるから、発明の詳細な説明は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものとはいえない。」

2 サポート要件に係る特許異議申立理由についての特許権者の意見
乙第1号証:形浦安治、「鋼のCa処理技術」、日本金属学会会報、社団法人日本金属学会、1978年、第17巻、第6号、p.514−524、写し(以下、「乙1」という。)
令和3年6月9日付け取消理由通知で通知した理由Bは、サポート要件に係る特許異議申立理由と同趣旨のものであるところ、特許権者は令和3年8月12日付け意見書において、乙1を提出するとともに、以下のとおり主張した。
「本件特許の明細書には、副原料中のCaと、鋳造時に好ましいとする溶鋼のCa濃度との関係について、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kg以下とすることで鋳造時の溶鋼のCa濃度を7ppm以下とすることができるとある(段落0035)。つまり、副原料として添加される溶鋼1tに対して0.02kg以下のCaが、2次精錬処理後の最終的な段階である鋳造時において溶鋼中に7ppm以下の濃度で残存した状態となるものである。
一般的に、溶鋼に添加された副原料、特にCaのように酸化しやすい成分は、添加量の全てが溶鋼に残存することはなく、ある程度の歩留り(添加量に対して、溶鋼に最終的に残っている成分の量の比)をもって溶鋼に残存するものである。例えば、乙第1号証の図8には、溶鉄にCaを添加した後、時間経過に伴って溶鉄のCa濃度が低下することが開示されている。Ca単体は脱酸剤として機能するため、溶鋼中の酸素と反応してCaOになり、スラグに移行するため、時間経過に伴ってCa濃度が低下する。
また、乙1のp.514−515の「(1)Caの沸点と蒸気圧」には、「Caの沸点が鉄の融点より低いこと、製鋼温度で高い蒸気圧を有していること」の記載があることからも明らかなように、Caは蒸発による歩留り低下が生じやすい。
つまり、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kgとした場合に、鋳造時の溶鋼のCa濃度が20ppmとなることはなく、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kg以下とした場合に、鋳造時の溶鋼のCa濃度が7ppm以下となることは当業者にとって技術常識である。」

3 決定の予告で採用しなかった特許異議申立理由についての当審の判断
(1)サポート要件に係る特許異議申立理由について
特許権者の意見を検討すると、特許権者が提示した乙1により、溶鉄に添加したCaの濃度が時間経過とともに顕著に低下すること、Caは蒸発による歩留り低下が生じやすいことについて確認でき、したがって、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kgとした場合に、鋳造時の溶鋼のCa濃度は20ppmよりも顕著に低い数値となると推認できる。
そして、発明の詳細な説明の段落【0035】には、「(4)上記(1)〜(3)のいずれかの構成において、・・・Caの総量を、溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とする。・・・上記(4)の構成によれば、・・・溶鋼のCa濃度を7ppm以下にすることができ、ノズル閉塞の発生をより抑制することができる。・・・」と記載され、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kg以下とした場合に、溶鋼のCa濃度が7ppm以下となることが示されている。
サポート要件に係る特許異議申立理由は、副原料中のCaを、溶鋼1tに対する上限値である0.02kgとすれば、鋳造時の溶鋼のCa濃度が20ppmとなることを前提として、ノズル閉塞の発生を抑制するためのCa濃度である7ppmと矛盾し、課題を解決できない旨をいうものであるが、上記乙1に示す技術常識を考慮すれば、段落【0035】の記載において、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kgとすることと、鋳造時の溶鋼のCa濃度が7ppm以下となることは、矛盾するものではないから、特許権者は、上記「7ppm以下」を実現し得る副原料中のCaの量について、溶鋼1tに対して0.02kg以下とする範囲を選択した発明を、本件の発明の詳細な説明に記載し、それにより課題が解決されると認められる。
したがって、請求項1の「前記2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量を、前記溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とし、」の発明特定事項は、本件特許発明の課題を解決するものであるから、その請求項の記載は、特許法第36条第6項第1号の要件を満たすものであり、サポート要件に係る特許異議申立理由により、請求項1−2、4に係る特許を取り消すことはできない。

(2)実施可能要件に係る特許異議申立理由について
上記(1)で説示するとおり、乙1に示す技術常識を考慮すれば、副原料中のCaを溶鋼1tに対して0.02kgとすることと、鋳造時の溶鋼のCa濃度が7ppm以下となることは、矛盾するものではないから、発明の詳細な説明の記載に接した当業者は、【0023】の構成と【0035】の構成のいずれによっても、課題を解決できると認識でき、発明の詳細な説明は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものである。
したがって、実施可能要件に係る特許異議申立理由により、請求項1−2、4に係る特許を取り消すことはできない。

4 小括
したがって、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1−2、4に係る特許を取り消すことはできない。

第6 むすび
以上から、請求項1−2、4に係る特許は、決定の予告に記載した取消理由、及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。さらに、他に請求項1−2、4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項3に係る特許は、上記第2のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による、請求項3に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱炭精錬処理を施した溶鋼に対して、取鍋精錬処理を施した後、脱ガス処理を施すことで2次精錬処理を行う鋼の溶製方法であって、
前記取鍋精錬処理では、スラグ中のAl2O3濃度(mass%)に対するCaO濃度(mass%)の比であるCaO/Al2O3が、1.7以上2.3以下となるように、前記スラグの成分調整を行い、
前記2次精錬処理では、添加する副原料に含まれるCaの総量を、前記溶鋼1t当たりに対して0.02kg以下とし、
前記副原料を、前記溶鋼の成分を調整する単体の物質や化合物、混合物であり、調整する成分を含むもの、及び前記溶鋼の脱酸を目的に用いられる還元成分を含む脱酸剤とし、
前記取鍋精錬処理では、調整される前記スラグ中のMgO濃度を、3mass%以上15mass%以下とする鋼の溶製方法。
【請求項2】
前記2次精錬処理にて精錬される溶鋼は、S濃度の上限が0.003mass%以下の鋼種であることを特徴とする請求項1に記載の鋼の溶製方法。
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
請求項1または2に記載の鋼の溶製方法を用いて2次精錬処理を施した溶鋼を、連続鋳造機で連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2022-05-19 
出願番号 P2018-080860
審決分類 P 1 651・ 536- YAA (B22D)
P 1 651・ 121- YAA (B22D)
P 1 651・ 537- YAA (B22D)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 田々井 正吾
大山 健
登録日 2020-07-20 
登録番号 6737304
権利者 JFEスチール株式会社
発明の名称 鋼の溶製方法及び連続鋳造方法  
代理人 田中 秀▲てつ▼  
代理人 田中 秀▲てつ▼  
代理人 廣瀬 一  
代理人 廣瀬 一  
代理人 森 哲也  
代理人 宮坂 徹  
代理人 宮坂 徹  
代理人 森 哲也  
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