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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B41J
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  B41J
管理番号 1387491
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-07-27 
確定日 2022-06-06 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6838342号発明「液体収容体及び液体噴射装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6838342号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−6〕について訂正することを認める。 特許第6838342号の請求項1ないし6、12に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
本件特許異議の申立てに係る特許第6838342号(以下「本件特許」という。)の経緯は以下のとおりである。
平成28年10月 6日 特許出願(特願2016−198141号)
令和 3年 1月 6日 特許査定
令和 3年 2月16日 特許権の設定登録
令和 3年 3月 3日 特許掲載公報発行
令和 3年 7月27日 特許異議申立人 上杉隆一(以下、単に「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て
同年12月 2日 取消理由通知
令和 4年 2月 7日 特許権者により意見書・訂正請求書の提出

なお、申立人は意見書の提出を希望しており、当審は令和4年2月7日に提出された訂正請求書による訂正の請求について、同年3月1日付けの通知書によって意見を提出する機会を与えたが、特許異議申立人から期間内に応答はなかった。


2 訂正の適否についての判断
(1)令和4年2月7日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容
本件訂正は、その請求の趣旨を「特許第6838342号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜6について訂正することを求める。」とするものであり、その訂正の内容は、次のとおりである。(注:下線部分は訂正箇所を示す。)

ア 請求項1に係る訂正(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項1に
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
前記フック部は、
前記移動体における+X方向側の外面、
前記回動レバーにおける+X方向側の外面、及び
前記移動体の+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向の隙間
のうち、何れか1つからなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されることを特徴とする液体収容体。」と記載されているのを、
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
前記フック部は、
前記移動体における+X方向側の外面、
前記回動レバーにおける+X方向側の外面、及び
前記移動体の+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向の隙間
のうち、何れか1つからなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成され、
前記装着状態において、前記フック部は、前記回動レバーの操作部が押圧操作されないように前記操作部全体を覆うことを特徴とする液体収容体。」
に訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2ないし6も同様に訂正する)。

イ 請求項5に係る訂正(訂正事項2)
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

ウ 請求項6に係る訂正(訂正事項3)
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(2)訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無、及び一群の請求項について
ア 請求項1に係る訂正(訂正事項1)
(ア)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「液体収容体」における「フック部」について、「前記装着状態において、前記フック部は、前記回動レバーの操作部が押圧操作されないように前記操作部全体を覆う」と、その構成をより具体的に特定し、限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正後請求項2〜6は、訂正後請求項1の「前記装着状態において、前記フック部は、前記回動レバーの操作部が押圧操作されないように前記操作部全体を覆う」との記載を引用することにより、訂正後請求項2〜6に係る発明における「フック部」の構成をより具体的に特定し、限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明には、段落【0057】に「液体収容体28が装着部27に装着された際には、この操作部33aが液体収容体28のフック部52により覆われる。」、段落【0071】に「(4)また、装着部27に液体収容体28が装着されている状態では、回動レバー33における操作部33aがフック部52により+Z方向側及び+X方向側から覆われているため、操作部33aに不測の外力が作用することを抑制でき、回動レバー33が不必要に動かされて液体収容体28が不意に取り外される虞を低減できる。」と記載され、また図3及び図8から液体収容体28が装着部27に装着された状態(装着状態)において、フック部52は、回動レバー33の操作部33a全体を覆っており、操作部33aが押圧操作されない構成が看取できることから、「前記装着状態において、前記フック部は、前記回動レバーの操作部が押圧操作されないように前記操作部全体を覆う」ことは、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
したがって、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

イ 請求項5に係る訂正(訂正事項2)
(ア)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、訂正前の請求項5を削除するものであるから、当該訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 請求項6に係る訂正(訂正事項3)
(ア)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、訂正前の請求項6を削除するものであるから、当該訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

エ 一群の請求項についての適否
訂正前の請求項1乃至6について、請求項2乃至6は、それぞれ、直接的又は間接的に請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1乃至6は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当するものである。
よって、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する「一群の請求項ごとに」適法に請求されたものである。
また、訂正後の請求項1乃至6は、一群の請求項である。

オ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件において、訂正前の請求項1乃至6について特許異議の申立てがされているので、訂正後の請求項1乃至6に係る発明に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。


3 訂正後の本件発明
上記「2 訂正の適否についての判断」のとおり、本件訂正は認められるから、上記訂正請求により訂正された請求項1乃至6、及び12に係る発明(以下、順に「本件訂正特許発明1」乃至「本件訂正特許発明6」、「本件特許発明12」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
前記フック部は、
前記移動体における+X方向側の外面、
前記回動レバーにおける+X方向側の外面、及び
前記移動体の+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向の隙間
のうち、何れか1つからなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成され、
前記装着状態において、前記フック部は、前記回動レバーの操作部が押圧操作されないように前記操作部全体を覆うことを特徴とする液体収容体。
【請求項2】
請求項1に記載の液体収容体において、
前記+X方向側壁部には+X方向側係合部が設けられており、
前記+X方向側係合部は、前記装着状態において、前記回動レバーに設けられた+X方向側被係合部に対して、−Z方向側から当接した状態で係合することを特徴とする液体収容体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液体収容体において、
前記装着状態において−X方向側に位置する−X方向側壁部を更に有し、
前記−X方向側壁部には−X方向側係合部が設けられており、
前記−X方向側係合部は、前記装着部において、前記装着部の−X方向側の側壁に設けられた−X方向側被係合部に対して、−Z方向側から当接した状態で係合することを特徴とする液体収容体。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体収容体において、
前記フック部は、Y方向に沿う軸を中心として回動可能であり、
前記フック部は、前記被係止部に係止する係止部と、前記軸を挟んで前記係止部とは反対側の位置に設けられた操作部と、を有し、
前記操作部は、付勢部材によって、前記係止部を前記被係止部に対して係止させる方向へ付勢されており、
前記操作部を前記付勢部材の付勢力に抗して変位させることにより、前記被係止部に対する前記係止部の係止が解除されることを特徴とする液体収容体。
【請求項5】(削除)
【請求項6】(削除)
【請求項12】
鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、前記回動レバーの+Z方向側の端部の前記−X方向側の面に設けられた段差部と、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、
前記装着状態において+X方向側に位置する+X方向側壁部を有し、
前記+X方向側壁部にはフック部が設けられ、
前記フック部は、前記回動レバーの段差部に係止する係止部を有する可動係止部材によって構成され、
前記フック部は、前記係止部が前記回動レバーの前記段差部に係止することにより、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されていることを特徴とする液体収容体。」


4 令和3年12月2日付けの取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
ア 理由1(新規性)下記請求項に係る特許は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、3、4、5及び6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。

請求項1、3及び4に対して、甲第1号証(以下「理由1−1」という。)
請求項1、3乃至5に対して、甲第7号証(以下「理由1−2」という。)


イ 理由2(進歩性)下記請求項に係る特許は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物(甲第1号証乃至甲第9号証)に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1乃至6及び12に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

請求項1乃至5及び12に対して、甲第1号証を主引例として(以下「理由2−1」という。)
請求項1乃至6及び12に対して、甲第7号証を主引例として(以下「理由2−2」という。)


(2)各甲号証の記載及び各甲号証に記載された発明
ア 甲第1号証(中国実用新案登録第205044310号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第1号証には、つぎの事項が記載されている。(括弧内の訳は、異議申立人の提出した訳文を基に当審で訳したものである。)
(ア)「



(【請求項1】
ケース(1)、操作部(2)、及び当接部材(3)を備え、前記ケース(1)の底部にはインク供給口(11)が設けられており、
前記インク供給ロ(11)の所在平面が第1の面(1a)、前記第1の面(1a)の長手方向がX軸、短手方向がY軸、X軸及びY軸夫々に直交する軸がZ軸とされ、
前記ケース(1)には、前記操作部(2)及び前記当接部材(3)が接続されており、
前記操作部(2)の一端は前記ケース(1)に設けられており、
前記操作部(2)の他端は、X軸において前記ケース(1)から離れ、Z軸において前記第1の面(1a)に向かって延出しており、
前記操作部(2)の他端には、第1のインクカートリッジ側位置決め部(4)がX軸において前記ケース(1)に向かって延出しており、
前記当接部材(3)と前記操作部(2)の他端とは、X軸方向において前記ケース(1)の同一側に位置している
ことを特徴とする逆接続式インクカートリッジ。

【請求項13】
装着部に接続されるインクカートリッジであって、
請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の逆接続式インクカートリッジを含み、
前記逆接続式インクカートリッジは装着部(8)に接続され、
前記装着部(8)はプリンタに設けられており、
前記装着部(8)は少なくともレバー本体(81)、回転軸(82)、第1の装置側接合部(83)及びレバー受け部(84)を備え、
前記第1の装置側接合部(83)は前記回転軸(82)を介して前記レバー本体(81)に接続されており、
前記当接部材(3)は、前記レバー本体(81)に接触し、前記レバー本体(81)を前記回転軸(82)回りに回転させるようにしてあり、
前記レバー本体(81)は、前記回転軸(82)回りに回転する際に前記第1の装置側接合部(83)を前記レバー受け部(84)に対して回転させるようにしてあり、
前記第1のインクカートリッジ側位置決め部(4)は、前記第1の装置側接合部(83)とレバー受け部(84)との間の、回転により生じた隙間に嵌め込むようにしてあることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項14】
前記レバー本体(81)にはガイドリプ(811)が設けられており、
前記当接部材(3)は、Y軸に直交する方向において少なくとも1つのガイド面(31)が形成されており、+X軸方向側に少なくとも1つの圧迫面(32)が形成されており、
前記ガイド面(31)は前記ガイドリブ(811)に密接するようにしてあり、
前記圧迫面(32)は、前記レバー本体(81)に接触し、前記レバー本体(81)を前記回転軸(82)回りに回転させるようにしてあることを特徴とする請求項13に記載のインクカートリッジ。
【請求項15】
前記装着部(8)は第2の装置側接合部(85)を備え、
インクカートリッジは、対応した箇所に第2のインクカートリッジ側位置決め部(6)が設けられており、
前記第2の装置側接合部(85)と前記第2のインクカートリッジ側位置決め部(6)とは、形状が適合し、接合可能である
ことを特徴とする請求項14に記載のインクカートリッジ。)
(イ)「

」([0012]
好ましくは、インクカートリッジは、さらにチップ12を備え、インク供給ロ11からチップ12へ指す方向が+X軸、第1の面1aと反対側のインクカートリッジの表面が第2の面1b、第1の面1aから第2の面1bへ指す方向が+Z軸方向、インクカートリッジの−X軸側が第4の面1d、第4の面の反対側の平面が第3の面1cとされ、第3の面1cから一Z軸及び−X軸方向延びる傾斜面13が設けられており、操作部2はケース1の+X軸側に位置しており、当接部材3は傾斜面13に密接して+X軸及び+Z軸方向延設されており、第1のインクカートリッジ側位置決め部4は操作部2の−X軸方向に位置している。)
(ウ)「


([0039]
図11は本考案の第3実施の形態に係る装着部の構造模式図である。)
(エ)「

」([0043]
さらに、図1に示すように、インクカートリッジは、少なくともケース1、操作部2、当接部材3及び第1のインクカートリッジ側位置決め部4を備える。当業者であれば、以下のことが理解できる。即ち、ケース1、操作部2、当接部材3及び第1のインクカートリッジ側位置決め部4夫々は、個別の部材として、例えば係止溝又はボルト等通常の機械的な接続手段により固定されてもよく、一体的に成形されてもよく、これらは全て本考案の目的を達成することができ、ここで説明を省略する。インクカートリッジの各部材同士の位置関係を具体的に説明するために、本考案では、X、Y、Z軸を定義することでインクカートリッジの各部材同士の構造関係を具体的に説明する。具体的には、ケース1の底部にインク供給ロ11が設けられており、インク供給ロ11の所在平面が第1の面1a、第1の面1aの長手方向がX軸、短手方向がY軸、X軸及びY軸夫々に直交する軸がZ軸とされる。)
(オ)「


([0046〕
本考案の第1の実施例では、図1及び図6に示すように、ケース1は操作部2と接続する箇所に支点孔15が設けられており、対応的に、操作部2には支点25が設けられている。支点25は支点孔15内に装着されており、操作部2は支点25回りにXZ平面で揺動可能であり、操作部2の揺動角度は0°<a≦45°である。具体的には、操作部2が揺動していない自然状態において、その揺動角度が0であり、操作部2が図1に示す矢印の方向に沿って揺動すると、その揺動角度が大きくなり、最大揺動角度は30°が好ましい。さらに具体的には、支点孔15及び支点25は、軸受け及び回転軸の構造になってもよい。このように、操作部2は、支点25を軸として任意の角度で揺動することができる。一変形例では操作部2とケース1とが簡単な係止溝により直接に接続され、又は一体成形されている。この場合には、操作部2が弾性材料からなり、操作部2自身の弾性力によって揺動を達成することにより、同様に本考案の目的を達成することができる。なお、第1の実施例に比べると、本変形例における操作部2の揺動角度は制限される。)
(カ)「



([0049]
本考案の第3実施例では、図1及び図6に示すように、操作部2の−X軸方向の端部から+X軸方向へ第1の傾斜部21が延設されており、第1の傾斜部21から−Z軸方向へ第2の傾斜部22が延設されており、第2の傾斜部22の−X軸方向に第1のインクカートリッジ側位置決め部4が設けられている。具体的には、図6に示すように、第1の傾斜部21は曲線状に設けられている。これにより、第1の傾斜部21は、Z軸方向における可動空間が一層大きくなり、操作部2のXZ平面での揺動に一層有利となる。一変形例では、第1の傾斜部21は直線状に設けられてもよく、同様に、第2の傾斜部22は直線状に設けられてもよく、このように変形しても本考案の目的を達成することができ、ここで説明を省略する。)
(キ)「


([0051]
好ましい一実施例では、図6に示すように、第1の傾斜部21の一Z軸方向においてばね5が設けられており、ばね5は第1の傾斜部21を弾性支持するものである。具体的には、インクカートリッジが装着された場合に、第1のインクカートリッジ側位置決め部4が−X軸方向において嵌入されて固定されている。この場合、ばね5は第1の傾斜部21に+Z軸方向の支持力を加える。また、第1の傾斜部21及び第2の傾斜部22が一定の夾角を成すため、第1の傾斜部21は第2の傾斜部22に−X方向の引張力を発生させる。さらに、第1のインクカートリッジ側位置決め部が第2の傾斜部22の−X軸方向に設けられているため、第1のインクカートリッジ側位置決め部4は−X方向において一層安定に固定される。
[0052]
他の好ましい実施例では、図7に示すように、第1の傾斜部21の+Z軸方向の表面に押圧部26が設けられている。これにより、使用者の操作が一層便利になる。さらに、異なる使用者の操作習慣に適合して、異なる使用者の使用便利性を向上させるために、操作部2には手押部24が更に設けられてもよい。手押部24は、第1の傾斜部21と第2の傾斜部22との接続箇所から+Z軸方向に突出している。具体的な使用過程において、使用者は手押部24を押すことにより同様な効果を果たすことができる。)
(ク)「


([0057]
本考案の第6実施例では、図9及び図11に示すように、装着部8は第2の装置側接合部85を備え、インクカートリッジは、対応した位置に第2のインクカートリッジ側位置決め部6が設けられている。具体的には、図11に示す第2の装置側接合部85は凹溝状の構造になり、図9に示す第2のインクカートリッジ側位置決め部6は対応した形状をなす突起であり、第2のインクカートリッジ側位置決め部6は前記第4の面1dに密接し、かつ−X軸方向に延びるように設けられている。変形例では、第2の装置側接合部85及び第2のインクカートリッジ側位置決め部6は、他の係合可能な形状に構成されてもよく、両者の安定な固定が実現できる構造であればよい。さらに具体的には、図9に示すように、第1のインクカートリッジ側位置決め部4及び第2のインクカートリッジ側位置決め部6はインクカートリッジの−X軸及び+X軸側に位置している。このような構造では、インク供給ロ11及びチップ12をしっかりと固定することができ、また、第2のインクカートリッジ側位置決め部6及び第1のインクカートリッジ側位置決め部4がZ軸方向に落差があるため、装着部では、移動過程において、インクカートリッジは流動空気によるY軸方向の力を受けた場合に回転の傾向が生じず、インクカートリッジのYZ平面での揺れが防止される。)
(ケ)「図6


(コ)「図11


(サ)「図13


(シ)図6から操作部(2)の他端側は開口部が看取でき、その先の先端に第1のインクカートリッジ側位置決め部(4)が看取できる。
(ス)図13からすれば、「第1の装置側接合部(83)とレバー受け部(84)との間の、回転により生じた隙間」は、レバー本体(81)の+X方向側の外面といえる。

上記(ア)乃至(ス)の記載事項、認定事項及び図面によれば、甲第1号証には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「装着部(8)に接続されるインクカートリッジであって、
ケース(1)、操作部(2)、及び当接部材(3)を備え、前記ケース(1)の底部にはインク供給口(11)が設けられており、
前記インク供給ロ(11)の所在平面が第1の面(1a)、前記第1の面(1a)の長手方向がX軸、短手方向がY軸、X軸及びY軸夫々に直交する軸がZ軸とされ、
第1の面(1a)と反対側のインクカートリッジの表面が第2の面(1b)、第1の面(1a)から第2の面(1b)へ指す方向が+Z軸方向、インクカートリッジの−X軸側が第4の面(1d)、第4の面の反対側の平面が第3の面(1c)とされ、
操作部(2)はケース(1)の+X軸側に位置しており、当接部材(3)は傾斜面(13)に密接して+X軸及び+Z軸方向延設されており、
前記操作部(2)の他端は、X軸において前記ケース(1)から離れ、Z軸において前記第1の面(1a)に向かって延出しており、
前記操作部(2)の他端側の開口部の先の先端には、第1のインクカートリッジ側位置決め部(4)がX軸において前記ケース(1)に向かって延出しており、
前記当接部材(3)と前記操作部(2)の他端とは、X軸方向において前記ケース(1)の同一側に位置し、
操作部(2)及び第1のインクカートリッジ側位置決め部(4)夫々は、係止溝により固定され、
操作部(2)には支点(25)が設けられ、操作部(2)は支点(25)回りにXZ平面で揺動可能であり、操作部(2)とケース(1)とが簡単な係止溝により直接に接続され、
操作部(2)の−X軸方向の端部から+X軸方向へ第1の傾斜部(21)が延設されており、
第1の傾斜部(21)の一Z軸方向においてばね(5)が設けられており、
第1の傾斜部(21)の+Z軸方向の表面に押圧部(26)が設けられており、
前記逆接続式インクカートリッジが接続される前記装着部(8)はプリンタに設けられており、
前記装着部(8)は少なくともレバー本体(81)、回転軸(82)、第1の装置側接合部(83)及びレバー受け部(84)を備え、
前記第1の装置側接合部(83)は前記回転軸(82)を介して前記レバー本体(81)に接続されており、
前記当接部材(3)は、前記レバー本体(81)に接触し、前記レバー本体(81)を前記回転軸(82)回りに回転させるようにしてあり、
前記レバー本体(81)は、前記回転軸(82)回りに回転する際に前記第1の装置側接合部(83)を前記レバー受け部(84)に対して回転させるようにしてあり、
前記第1のインクカートリッジ側位置決め部(4)は、レバー本体(81)の+X方向側の外面であって、前記第1の装置側接合部(83)とレバー受け部(84)との間の、回転により生じた隙間に嵌め込むようにしてあり、
前記レバー本体(81)にはガイドリプ(811)が設けられており、
前記当接部材(3)は、Y軸に直交する方向において少なくとも1つのガイド面(31)が形成されており、+X軸方向側に少なくとも1つの圧迫面(32)が形成されており、
前記ガイド面(31)は前記ガイドリブ(811)に密接するようにしてあり、
前記圧迫面(32)は、前記レバー本体(81)に接触し、前記レバー本体(81)を前記回転軸(82)回りに回転させるようにしてあり、
前記装着部(8)は第2の装置側接合部(85)を備え、
インクカートリッジは、対応した箇所に第2のインクカートリッジ側位置決め部(6)が設けられており、
前記第2の装置側接合部(85)と前記第2のインクカートリッジ側位置決め部(6)とは、形状が適合し、接合可能である、
逆接続式インクカートリッジ。」

イ 甲第2号証(特開2014−233928号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第2号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ、液体供給システム等に関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インクジェットプリンターなどの液体吐出装置に対しては、小型化の要望がある。そして、カートリッジの小型化を図ることは、インクジェットプリンターの小型化に寄与する。しかしながら、液体吐出装置に係合させるためのレバーを有するカートリッジでは、カートリッジの小型化を図ると、作業者がレバーを操作する際に手指で触れる部分となるレバーの把持部も小型化してしまうことがある。レバーの把持部が小さくなってしまうと、レバーの操作性が低下しやすい。上記特許文献1には、レバーの操作性を確保しつつ、カートリッジの小型化を図ることについては提案されていない。」
(ウ)「【0035】
装置本体21は、図4に示すように、搬送ローラー23と、キャリッジ25と、を有している。また、装置本体21は、媒体搬送機構(図示せず)と、キャリッジ搬送機構(図示せず)と、を有している。媒体搬送機構は、モーター(図示せず)からの動力によって搬送ローラー23を駆動することによって、記録媒体PをY軸方向に沿って搬送する。キャリッジ搬送機構は、モーター(図示せず)からの動力をタイミングベルト27を介してキャリッジ25に伝達することによって、キャリッジ25をX軸方向に沿って搬送する。キャリッジ25は、キャリッジ搬送機構によって、X軸方向に沿って、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間を往復移動することができる。本実施形態では、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間が、キャリッジ25の可動領域である。
【0036】
キャリッジ25は、図5に示すように、ホルダー31を有している。ホルダー31には、複数のカートリッジ33が搭載される。本実施形態では、ホルダー31に、カートリッジ33BK、及びカートリッジ33CLの2つのカートリッジ33が搭載される。各カートリッジ33には、液体の一例であるインクが収容されている。カートリッジ33は、ホルダー31に対して着脱可能に構成されている。なお、カートリッジ33BKには、ブラックのインクが収容されている。カートリッジ33CLには、カラーのインクが収容されている。本実施形態では、カラーのインクとして、イエロー、マゼンタ、及びシアンの3種類のインクが採用されている。
【0037】
ホルダー31には、Z軸方向においてカートリッジ33側とは反対側に、図6に示すように、印刷ヘッド41が設けられている。つまり、キャリッジ25に印刷ヘッド41が搭載されている。印刷ヘッド41には、各カートリッジ33からインクが供給される。印刷ヘッド41は、カートリッジ33から供給されたインクをノズル(図示せず)からインク滴として吐出する。上述したように、印刷ヘッド41は、キャリッジ25に搭載されている。このため、印刷ヘッド41は、キャリッジ搬送機構によって、キャリッジ25を介してX軸方向に搬送され得る。媒体搬送機構及びキャリッジ搬送機構によって、記録媒体Pに対する印刷ヘッド41の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド41からインク滴を吐出することによって記録媒体Pに印刷が施される。
【0038】
なお、プリンター1では、印刷ヘッド41がキャリッジ25を介して搬送される方向がX軸方向であり、記録媒体Pが搬送される方向がY軸方向であると定義される。そして、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向がZ軸方向である。プリンター1の使用状態では、X軸方向及びY軸方向が、それぞれ、水平方向になり、Z軸方向が鉛直方向になる。しかしながら、以下の説明では、Z軸方向を鉛直方向とは異なる(交差する)方向として説明されることがある。なお、キャリッジ25の配置される向きを90度変更しても、本実施形態の発明を適用することができる。」

ウ 甲第3号証(特開2011−212977号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第3号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェットプリンタのように、液体を吐出する液体吐出ヘッドをキャリッジユニットに搭載してなる画像記録装置に関し、特にキャリッジユニットに液体カートリッジが搭載される所謂オンキャリッジ式の画像記録装置に関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2によれば、複数のインクカートリッジが走査方向に並ぶ状態でキャリッジに搭載されており、インクカートリッジの交換の際にはインクカートリッジがキャリッジに対して搬送方向に抜き挿しされる。このような理由から、上記のとおり交換ポジションを筐体外に位置させなければならなくなる。
【0007】
つまり、特許文献2において、仮に交換ポジションを筐体内に位置させた場合、ユーザが筐体の外から孔を介して筐体内のキャリッジへのアクセスを試みても、孔に最も近位にあるインクカートリッジがそれよりも奥側のインクカートリッジを隠してしまう。ユーザは、これら奥まったインクカートリッジに手が届かず、満足に視認することもできない。他方、孔に最も近位にあるインクカートリッジには手が届きうるが、孔を介して筐体内に手を入れた状態で搬送方向にインクカートリッジを抜き挿しするのは非常に煩雑となる。
【0008】
このため、全てのインクカートリッジを容易に交換可能とするためには、筐体内にキャリッジが位置する状態で孔から最も遠位にあったインクカートリッジも含め、全てのインクカートリッジを筐体外に露出させるようにキャリッジを移動させなければならない。すなわち、孔から最も近位にあってアクセス性の良かったインクカートリッジは、筐体の外に大きく張り出してしまう。キャリッジの交換ポジションが筐体の外部にあると、交換ポジションに位置するキャリッジを逃がすためのスペースを確保する必要が生じるなど、スペース効率が悪くなる。このように、従来の技術においては、インクカートリッジを容易に交換可能にすることと、スペース効率を良くすることとの両立が困難である。
【0009】
そこで本発明は、液体カートリッジを容易に交換可能であり、かつスペース効率の良いオンキャリッジ式の画像記録装置を提供することを目的としている。」
(ウ)「【0017】
図2は、図1に示すプリンタ複合機1の筐体2内を模式的に示す平面図である。図2に示すように、筐体2内には水平の上面を有するプラテン8が配設されている。給紙トレイ4(図1参照)内の用紙Mは、プラテン8の上面を水平の搬送方向に沿って搬送され、正面側の排紙トレイ6(図1参照)へと送られる。

【0019】
キャリッジ本体15にはカートリッジホルダ16が取り付けられ、カートリッジホルダ16には複数のインクカートリッジ17が着脱可能に搭載される。これら複数のインクカートリッジ17は搬送方向に並ぶ状態でキャリッジユニット10に搭載される。また、キャリッジ本体15の下部にはインクジェットヘッド18が搭載され、インクジェットヘッド18の下面はプラテン8の上面と対向するよう水平に配置される。この下面には、インクカートリッジ17から供給されるインクを吐出するための複数のノズル列19が設けられている。各ノズル列19はインク滴を吐出する複数のノズルが搬送方向に沿って一列に配列されて成り、複数のノズル列19は走査方向に並ぶように配置されている。

【0021】
キャリッジユニット10の可動範囲のうち、平面視でプラテン8と重なる所定の範囲を「印刷範囲」とする。インクジェットヘッド18が用紙Mに向けてインクを吐出して用紙Mに画像を記録するときには、キャリッジユニット10を印刷範囲内で往復移動させ且つ用紙Mを搬送する。このとき、インクジェットヘッド18の下面はプラテン8上を搬送方向に通過する用紙Mの記録面と近接対向し、ノズル列19よりインクを下方に吐出すると記録面にそのインクが着弾する。それぞれ搬送方向に配列された複数のノズル列19がキャリッジユニット10の移動方向である走査方向に並んでいることから、高速で所望色の画像を記録することができる。

【0024】
交換位置はキャリッジユニット10の可動範囲の一端部にある。可動範囲は筐体2内の走査方向略全部に亘っており、交換位置は筐体2の内側面に近接することとなる。カートリッジ交換口6は、このような交換位置と走査方向に隣接して設けられている。」

エ 甲第4号証(特開2005−254701号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第4号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の記録分野に利用されるインクジェットカートリッジ、インクジェット記録ヘッド、インクタンク、およびインクジェット記録装置に関するものである。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような従来のインクジェットカートリッジ101は、両端に位置するノズル群102a、102fに連通するインク流路108a、108fが他のインク流路に比べて長くなるため、回復動作を行う場合に、次のような不具合を招くおそれがあった。
【0008】
ここで、回復動作は、吐出口100Aからのインクの吐出状態を良好に維持するための動作である。このような回復動作としては、例えば吸引回復動作がある。この吸引回復動作においては、ノズル群102a〜102fの吐出口100Aの外側に負圧を作用させて、画像の記録に寄与しないインクを各吐出口100Aから外部に吸引排出させ、そのインクと共にノズル内に混入した泡などを排出させる。
【0009】
このような吸引回復動作をインクジェットカートリッジ101に対して実施した場合には、比較的長いインク流路108a、108fの流抵抗が他のインク流路108b〜108eよりも大きいために、それらのインク流路108a、108fに連通するノズル群102a、102fからのインクの排出性(泡の抜け性)は、他のノズル群102b〜102eよりも悪くなる。仮に、このようなノズル群102a〜102fの吐出口100Aに対して同じように吸引回復動作を実施した場合、インクの排出性が比較的良いノズル群102b〜102eから必要以上にインクを吸引排出して、インクを無駄に消費するおそれがある。また、図1(c)のようにインク流路を曲げて形成するため、そのインク流路を形成するための部品点数が増して、インクジェットカートリッジの高価格化を招くおそれもある。
【0010】
このような不具合は、インクジェットカートリッジ101に対して、吸引回復動作以外の他の回復動作を実施する場合も同様である。他の回復動作としては、インクを加圧して吐出口から押し出すようにして排出する加圧排出動作を挙げることができる。このような加圧排出動作を実施した場合にも、比較的長いインク流路108a、108fの流抵抗が他のインク流路108b〜108eよりも大きいために、それらのインク流路108a、108fに連通するノズル群102a、102fからのインクの排出性(泡の抜け性)は、他のノズル群102b〜102eよりも悪くなる。そのため、吸引回復動作を実施した場合と同様の不具合を招くおそれがある。
【0011】
さらに、このような不具合は、インクジェット記録ヘッド部分とインクタンク部分とが一体的に結合されたインクジェットカートリッジ101形態のみならず、それら部分を互いに結合分離可能なインクジェット記録ヘッドとインクタンクとに分けて構成して、それらを結合して用いる場合も同様である。
【0012】
本発明の目的は、インクの吐出性能を維持するための回復動作を高い信頼性をもって適確に実施することができ、かつ低価格化を図ることができるインクジェットカートリッジ、インクジェット記録ヘッド、インクタンク、およびインクジェット記録装置を提供することにある。」
(ウ)「【0068】
図9は、本例のインクジェットカートリッジ701を用いたシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置の説明図であり、そのインクジェット記録装置を上方から見た概略投影図である。インクジェットカートリッジ701を搭載可能なキャリッジ811は、リード軸813によって、矢印Aの主走査方向に往復移動可能にガイドされている。インクジェットカートリッジ701は、このキャリッジ811と共に主走査方向に移動しつつ、画像データに基づいてインクを吐出する。812(812a〜812d)はメインタンク(不図示)につながるジョイント部であり、液体貯蔵室709(709a〜709d)にインクを再充填(ピットイン供給)するときに、対応する液体供給口711(711a〜711d)に接続される。すなわち、キャリッジ811と共にインクジェットカートリッジ701が図9中の右方のピットイン位置に移動して、液体供給口711(711a〜711d)が対応するジョイント部812(812a〜812d)に接続される。ピットイン位置は、インクジェットカートリッジ701の通常の記録動作範囲の外に設定されている。液体供給口711とジョイント部812との接続方向は、インクジェットカートリッジ701の走査方向(主走査方向)と同一の矢印A方向であり、それらを接続するための動力源として、インクジェットカートリッジ7」
(エ)「【0073】
(記録装置の構成例)
図10は、本発明を適用可能な記録装置の概略構成を説明するための斜視図である。本例の記録装置50はシリアルスキャン方式の記録装置であり、ガイド軸51、52によって、キャリッジ53が矢印Aの主走査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ53は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動される。キャリッジ53には、前述した実施形態と同様のインクジェットカートリッジ54が搭載される。被記録媒体としての用紙Pは、装置の前端部に設けられた挿入口55から挿入された後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ56によって矢印Bの副走査方向に搬送される。記録装置50は、インクジェットカートリッジ54を主走査方向に移動させつつ、プラテン57上の用紙Pのプリント領域に向かってインクを吐出させる記録動作と、その記録幅に対応する距離だけ用紙Pを副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙P上に順次画像を記録する。」

オ 甲第5号証(特開平8−224896号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第5号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文字、画像等の情報を被記録材上に形成する記録装置に関し、特に文字や画像情報を読み取って電気信号に変換する画像読み取り装置を搭載することができる記録装置に関する。」
(イ)「【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のスキャナ搭載可能な記録装置には、以下のような問題がある。
【0014】スキャナ搭載可能な記録装置においては、上述したような種々の品位保持動作は、スキャナによる画像読み取りを行う過程においても行われる。一例を挙げると、図8に示すように、スキャナ搭載可能なシリアルタイプのインクジェット記録装置におけるイニシャライズ動作のルーチンでは、電源を投入したときにキャリッジに搭載されていたものが記録ヘッドであっても、スキャナであっても、吸引回復動作、空吸引動作、ワイピング動作、キャッピング動作の全てが自動的に行われる。このように、従来のスキャナ搭載可能な記録装置においては、スキャナによる読み取り動作が行われる際に必要のない品位保持動作が行われてしまうため、読み取りに余分な時間を費やしてしまうという問題点がある。さらには、上記のようなシリアルタイプの記録装置においては、スキャナは記録ヘッドと同様にキャリッジ上に搭載されるため、キャッピング動作やワイピング動作によってスキャナの表面にキャップやワイピング部材に付着していたインクが飛散し、正常な読み取り動作が行えないという重大なトラブルが発生するおそれがある。
【0015】本発明の目的は、キャリッジに画像読み取り装置(スキャナ)が搭載された際には必要のない品位保持動作を行わないように制御することができ、読み取りに余分な時間を費やすことのない、画像読み取り装置へのインクの飛散を防止することのできる画像読み取り機能を有する記録装置を提供することにある。」
(ウ)「【0035】記録ヘッド1のインク吐出部に紙紛やゴミ等の異物が付着したり、あるいは吐出部分のインクが乾燥して増粘または固着したりした場合には、吐出口に目詰まりが発生して吐出不良(不吐出を含む)を起こすことがある。この目詰まりによる吐出不良を防止するため、回復装置(不図示)による次のような処理が行われる。非記録時には記録ヘッド1のインク吐出口をキャップ10で密閉させ(キャッピング動作)、必要に応じてポンプ(不図示)等の吸引手段を用いてキャップ10を通じて吐出口から増粘インク等を吸引する(吸引回復動作)。これによって、吐出口を常に正常な状態としている。なお、キャッピング動作は、記録ヘッド1を記録領域外に設けられたキャッピング位置へ移動させ、該キャッピング位置でキャップ10とインク吐出部を当接させることによって行われる。」

カ 甲第6号証(特許第5218712号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第6号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ、及び、カートリッジと印刷装置を備えた印刷材供給システムに関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような様々な機構が存在する中、プリンターをより使い易く、設置しやすくするため、プリンターを小型化したいという要請がある。プリンターを小型化するためには、プリンターを構成する数多くの構成要素や関連する要素を、それぞれに小型化する必要がある。構成要素や関連する要素の中には、プリンターに装着されるカートリッジや、カートリッジを装着するための装着部も含まれる。
【0005】
また、プリンターをより使い易くするために、カートリッジに収容された印刷材に関する情報(例、印刷材の残量を示す情報)をプリンターのモニターなどに表示することが多い。このようなプリンターに装着されるカートリッジは、印刷材に関する情報を格納するためのメモリーが搭載された回路基板を備えている。この回路基板上には、プリンター側との情報の授受を行うための端子(カートリッジ側端子)が設けられており、この端子と、プリンター側の端子(装置側端子)とを通じて、メモリーとプリンターの制御部との間で、印刷材に関する情報の授受が行なわれる。そのため、カートリッジ側端子と装置側端子との電気的な接続を安定的に維持する必要がある。
【0006】
しかしながら、以下に説明するとおり、現在知られている機構の中に、このような要請を十分に満足できるものは存在しない。
【0007】
なお、上記のような各種問題は、印刷のためのインクを収容するカートリッジに限らず、インク以外の他の種類の印刷材(例えば、トナー)を外部に供給(噴射)する印刷装置、及び、そのためのカートリッジについても同様の問題があった。
【0008】
本発明は、上記した課題を踏まえ、カートリッジ側端子と装置側端子の電気的な接続を安定して図ることができる技術を提供することを目的とする。また、カートリッジやプリンター、ひいてはカートリッジがプリンターに装着された状態で完成される印刷材供給システムを小型化することができる技術を提供することを目的とする。」
(ウ)「【0054】
カートリッジ20は、レバー80と第2の装置側規制部620によって係止され、後述する印刷材供給口が印刷材供給管640に接続されることで、ホルダー60に装着される。この状態を「カートリッジ20がホルダー60に装着された状態」、または「装着状態」とも呼ぶ。印刷材供給管640は、カートリッジ20の印刷材供給口に接続されることによって、カートリッジ20に収容された印刷材としてのインクをヘッド540へと流通させる。印刷材供給管640は、+Z軸側に位置する先端部(「接続端部」とも呼ぶ。)642と、−Z軸側に位置する基端部645とを有する。基端部645は、底壁部601に設けられる。先端部642は、カートリッジ20の印刷材供給口に接続される。印刷材供給管640の中心軸CはZ軸と平行である。中心軸Cに沿って基端部645から先端部642に向かう方向は、+Z軸方向となる。」
(エ)「【0060】
カートリッジ20の着脱に利用されるレバー80は、+Z軸方向側の端部に操作部830を有し、−Z軸方向側の端部に第1の装置側規制部810を有する。装着状態において、第1の装置側規制部810(詳細には後述する第1の装置側係止面)は、所定の係止位置である第1係止位置810Lで第1のカートリッジ側規制部210に係止可能に構成されている。第1係止位置810Lは、回路基板40に設けられた端子群と接点機構70とが接触する位置よりも+Z軸方向側かつ+X軸方向側に位置する。第1の装置側規制部810は、第1のカートリッジ側規制部210に係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への動きを規制する。
【0061】
レバー80は、操作部830と第1の装置側規制部810との間の位置を軸800cとして回動する。レバー80の回転軸800cは、第1係止位置810Lよりも+Z軸方向側かつ+X軸方向側に位置する。
【0062】
レバー80の操作部830は、利用者がホルダー60からカートリッジ20を取り外す際に利用される。カートリッジ20を取り外す際、利用者は操作部830を−X軸方向に押す。このとき、操作部830には+X軸方向側から−X軸方向側に向かう力Pr(「操作力Pr」とも呼ぶ。)が付与される。すると、レバー80が軸800cを中心として回動し、第1の装置側規制部810が第1係止位置810Lから+X軸方向に移動する。これにより、第1の装置側規制部810による第1のカートリッジ側規制部210の係止が解除され、ホルダー60からカートリッジ20を取り外すことが可能になる。
【0063】
側壁部604には、第2の装置側規制部620が設けられている。第2の装置側規制部620は、第2係止位置620Lで第2のカートリッジ側規制部220を係止可能に構成されている。本実施形態では、第2の装置側規制部620はホルダー60の側壁部604に形成された貫通孔である。第2係止位置620Lは、印刷材供給管640よりも+Z軸方向側かつ−X軸方向側に位置する。第2の装置側規制部620は、第2のカートリッジ側規制部220を係止することによって、カートリッジ20の+Z軸方向への動きを規制する。このように、装着状態において、カートリッジ20は+X軸方向の端部と−X軸方向の端部の両側で、+Z軸方向への動きを規制されている。」
(オ)「【図5】


(カ)図5からすれば、カートリッジ側規制部210及び第1の装置側規制部810は+X方向側に設けられ、両者は、−Z方向側からの当接していることが看取できる。


キ 甲第7号証(実用新案登録第3190113号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第7号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本考案は、インクジェットプリンティング技術に関し、特にインクカートリッジに関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実用新案は、従来技術におけるインクカートリッジの取りつけ又は取り外しが比較的に困難であるという技術的課題を解決することができるインクカートリッジを提供する。」
(ウ)「【0024】
図1は、本実用新案に係る実施例に適用されるプリンタのインクカートリッジ装着部の構造を説明するための概略図である。図1に示されているように、インクカートリッジ装着部20は、インクカートリッジ収容チャンバを備え、インクカートリッジ収容チャンバ内には複数の装置側端子25および棒部材22が設けられ、かつ棒部材22には欠け口状の連係部221が設けられている。複数の装置側端子25は、弾性部材により構成され、棒部材22は、インクカートリッジ装着部20上の支点周りに所定の角度を回転可能に設計されてもよい。インクカートリッジがプリンタに装着されると、すなわち、インクカートリッジ装着部20に装着されると、インクカートリッジが複数の装置側端子25を押圧するため、複数の装置側端子25は、インクカートリッジに弾性力を加える。なお、インクカートリッジが装着されると、インクカートリッジは、棒部材22と当接するため、インクカートリッジの装着につれて、棒部材22は、インクカートリッジ装着部20に対して移動し、すなわち、上記支点周りに一定の角度を回転する。また、インクカートリッジ装着部20の、棒部材22と対向する位置に、係合口21がさらに設けられている。棒部材22の少なくとも一側に、接合部が設けられている。本実施例では、上記接合部は、係合溝23である。当業者は、上記接合部がその他の構造、例えば、突起、又はその他の連係構造であってもよいことを理解すべきである。
【0025】
また、図16は、本実用新案に係る実施例に適用されるプリンタのインクカートリッジ装着部の棒部材の構造を示すための概略図である。図16に示されているように、棒部材22は、対向する2つの側壁222および223と、後壁224とを備え、後壁224の一部は、上記収容チャンバに突出して、ユーザが棒部材22に力を与えやすいようにする。同時に、棒部材22は、インクカートリッジ収容チャンバの内部と対向する内壁225をさらに備えている。」
(エ)「【0028】
係合装置109はインクカートリッジ本体101の外部に向けて突出する係合部1091を備え、係合部1091が、プリンタに設置された接合部と連係してインクカートリッジを固定する。
【0029】
インクカートリッジ本体101の側壁には、プリンタの係合口と係合するための突起107が設けられている。」
(オ)「【0032】
具体的には、インクカートリッジ10のインクカートリッジ本体101は、頂面1011、頂面1011と対向する底面1012、左側面1013、左側面1013と対向する右側面1014、前側面1015、および前側面と対向する後側面1016を備える。インクカートリッジ本体101内部のインクチャンバ102は、プリンタに供給するインクを貯蔵するために使用され、底面1012にインク吐き口103が設けられ、インクチャンバ102に貯蔵されたインクをプリンタに輸送してプリンタの印刷消耗に供するために使用される。
【0033】
本実施例では、係合装置109は、インクカートリッジ本体101の頂面1011に設置されてもよい。係合装置109の係合部1091は、右側面1014の方向に、インクカートリッジ本体101の外部に向けて突出する。インクカートリッジ10がプリンタに装着されると、係合装置109は、プリンタのインクカートリッジ装着部20の、棒部材22を除いたその他の位置と連係して、インクカートリッジ10を固定する。具体的には、プリンタの接合部は、プリンタに設置され、かつ棒部材22の少なくとも一方側に位置する係合溝23であってもよく、係合装置109の係合部1091は、棒部材22の少なくとも一方側の係合溝23と係合し、好ましくは、係合部1091は、係合溝23と係合するための係合フック1095を備え、すなわち、係合フック1095と係合溝23との間の連係(係合)によってインクカートリッジを固定する。係合フック1095は、係合溝23との係合に使用される。係合溝23の数は、1つ又は複数であり得、実際装着の具体的な要求に応じて決定可能である。本実施例では、係合溝23は、2つであってもよく、2つの係合溝23がそれぞれ棒部材22の両側に形成され、それに対応して、係合フック1095の数も2つであってもよく、2つの係合フック1095は、それぞれ棒部材22両側の2つの係合溝23と係合して、インクカートリッジ10を固定する。すなわち、係合部は、プリンタに設置され、かつ上記棒部材22の両側に位置する接合部と連係してインクカートリッジを固定する。当業者は、係合部1091および係合溝23がその他の形状であってもよく、2つの相互に連係することさえ可能な構造であればよく、たとえば、顎欠と溝の構造であってもよいことを理解すべきである。ただし、係合部と接合部の数は、相互に対応すべきである。
【0034】
さらにいえば、係合装置109は、回転軸1093をさらに備え、係合部1091が回転軸1093周りに回転することが可能である。
【0035】
具体的には、インクカートリッジ本体101の一方側の上部に、上記インクカートリッジ本体101の両側面1015および1016に沿って外へ延伸する2枚の支持板117が設けられており、2枚の支持板117は、相互に平行し、間隔を置いて設置される。支持板117に位置が対応する軸孔110が、設けられ、回転軸1093は、軸孔110と連係して、係合部1091を回転軸1093周りに回転させることができる。係合装置109が、2枚の支持板117の間に設置される。2枚の支持板117は、インクカートリッジ10の前側面1015および後側面1016に沿って外へ延伸する2つの表面であってもよい。
【0036】
好ましくは、本実施例では、係合部1091が、係合フック1095と一体成型された接続体1094をさらに備える。接続体1094の一端が、インクカートリッジ本体101と接続する。ここでは、回転軸1093は、係合部1091の接続体1094と接続し、かつ係合部1091を回転軸1093周りに回転可能にしてもよい。製造プロセス及び取り付けステップの簡略化のために、好ましくは、回転軸1093は、接続体1094と一体成型され得、すなわち、回転軸1093が接続体1094の両側に形成される。当業者は、回転軸1093が単独で成型された後に係合部1091に取りつけされてもよいことを理解すべきである。回転軸1093は、支持板117に設けられた2つの対向する軸孔110と連係して係合部1091を固定し、かつ係合部1091を軸周りに回転させる。当業者は、上記接続体と係合フックが相互に独立し、連係構造によって一体に接続された2つの部分であり得ることを理解すべきである。
【0037】
また、接続体1094の上に、接続体1094から突出する押しボタン1092が設けられている。2つの対向する係合フック1095の間に、棒部材22と対向する当接面が設けられ、該当接面は、接続体1094の側面にかつ2つの係合フック1095の間に位置する。インクカートリッジ10がプリンタに装着された後、該当接面は、棒部材22と対向する。」
(カ)「【0054】
本実施例では、インクカートリッジがプリンタに装着されると、インクカートリッジ10上の突起107がまず係合口21と連係し、係合フック1095が棒部材22の辺縁の上方に位置する。その後、係合口21と突起107との連係点を支点に、時計回りの方向に沿ってインクカートリッジを押圧して、係合フック1095が棒部材22の両側に近接するまでインクカートリッジを下に向けて回転させ、上記の方向に沿ってインクカートリッジ10を押圧し続けると、バネ111の一端が接続体1094に接続されているため、このときのバネ111は、作用力を係合フック1095に加え、係合フック1095を下に向けて係合溝23の下方まで移動させる。手が離れると、インクカートリッジ本体101がプリンタの複数の装置側端子25の弾性力の作用により上へ移動し、係合フック1095も上記インクカートリッジ10に追随して上へ、係合フック1095の内表面が係合溝23の内表面と係合するまで移動し、このときのバネ111は依然として作用力を係合フック1095に与えている。本実施例では、バネ111は、作用力を係合フック1095に加えて、係合フック1095と係合溝23との間の結合を密接に、かつ安定にする。このときのインクカートリッジ10がプリンタに固定されており、インク吐き口103がプリンタのインク供給パイプ24と連通し、両者の間にインク流通通路が確立される。
【0055】
プリンタからインクカートリッジ10を取り外すとき、押しボタン1092を押しさえすれば、バネ111が押し出しによって変形し、これによって、係合フック1095が回転軸1093周りに回転し、係合フック1095と係合溝23との間の係合関係が解除される。上記の押圧が撤回されると、インクカートリッジ10がプリンタの複数の装置側端子25の弾性力の作用により上へある距離を移動し、このとき、係合フック1095が元の位置から離れ、このとき、ユーザが直接にインクカートリッジ10を取り出せばよいのである。同時に、上記押圧が撤回されると、上記バネ111は変形から回復し、比較的大きな作用力を発生して係合フック1095を押し、よって、係合フック1095が回転軸1093周りに回転し、元の位置に戻る(未使用時の位置、図2に示されているような)。これにより、次回にユーザがインクカートリッジを装着するとき、自ら上記係合部を元の位置まで回転させる必要がなくなり、好都合で便利である。」
(キ)「【0066】
当業者は、上記の実施例では、上記接合部は、摩擦力生成部材であることができる以外、上記棒部材の両側壁の間のサイズに対応する2つの延伸部として設置されても良く、または棒部材のいずれかの一方の壁面および該壁面に対向するインクカートリッジの一方側の側面と当接する部材、例えば、インクカートリッジの側面1014と棒部材の内壁225との間に設置された部材であってもよいことを理解すべきである。」
(ク)「【0071】
当業者が理解できるように、インクカートリッジに背景技術に記載の位置決め方法が使用される場合、インクカートリッジ装着部のサイズを小さくするために、各インクカートリッジ装着部の棒部材を相互に近接させて設置する。また、材料制作時の作業時間を減らすために、棒部材の両側に設置される係合溝を省いても良い。」
(ケ)「【図1】


(コ)「【図11】


(サ)「【図12】


(シ)図11及び図12より、係合フック1095が棒部材22の両側に位置している、すなわち、棒部材22両側の2つの係合溝23と係合されていることが看取できる。

上記(ア)乃至(シ)の記載事項及び図面によれば、甲第7号証には、以下の発明(以下「甲7発明」という。)が記載されているものと認められる。
「インクカートリッジ本体101は、頂面1011、頂面1011と対向する底面1012、左側面1013、左側面1013と対向する右側面1014、前側面1015、および前側面と対向する後側面1016を備えるインクカートリッジ10であって、
プリンタのインクカートリッジ装着部のインクカートリッジ収容チャンバを備え、インクカートリッジ収容チャンバ内には複数の装置側端子25および棒部材22が設けられ、棒部材22は、インクカートリッジ装着部20上の支点周りに所定の角度を回転可能に設けられ、
インクカートリッジがプリンタに装着されると、すなわち、インクカートリッジ装着部20に装着されると、インクカートリッジは、棒部材22と当接するため、インクカートリッジの装着につれて、棒部材22は、インクカートリッジ装着部20に対して移動し、すなわち、上記支点周りに一定の角度を回転し、
インクカートリッジ装着部20の、棒部材22と対向する位置に、係合口21がさらに設けられ、棒部材22の少なくとも一側に、係合溝23が設けられ、
インクカートリッジ本体101の頂面1011には係合装置109が設置され、
係合装置109は、回転軸1093をさらに備え、係合部1091が回転軸1093周りに回転することが可能であり、
係合装置109の係合部1091は、右側面1014の方向に、インクカートリッジ本体101の外部に向けて突出し、インクカートリッジ10がプリンタに装着されると、係合装置109は、プリンタのインクカートリッジ装着部20の、棒部材22を除いたその他の位置と連係して、インクカートリッジ10を固定し、プリンタの係合溝23は、プリンタに設置され、かつ棒部材22の少なくとも一方側に位置する係合溝23であってもよく、係合装置109の係合部1091は、棒部材22の少なくとも一方側の係合溝23と係合し、係合部1091は、係合溝23と係合するための係合フック1095を備え、すなわち、係合フック1095と係合溝23との間の連係(係合)によってインクカートリッジを固定し、係合フック1095は、係合溝23との係合に使用され、係合溝23は、2つあり、2つの係合溝23がそれぞれ棒部材22の両側に形成され、それに対応して、係合フック1095の数も2つあり、2つの係合フック1095は、それぞれ棒部材22両側の2つの係合溝23と係合して、インクカートリッジ10を固定し、
回転軸1093は、係合部1091の接続体1094と接続し、かつ係合部1091を回転軸1093周りに回転し、
接続体1094の上に、接続体1094から突出する押しボタン1092が設けられ、
インクカートリッジがプリンタに装着されると、インクカートリッジ10上の突起107がまず係合口21と連係し、係合フック1095が棒部材22の辺縁の上方に位置し、その後、係合口21と突起107との連係点を支点に、時計回りの方向に沿ってインクカートリッジを押圧して、係合フック1095が棒部材22の両側に近接するまでインクカートリッジを下に向けて回転させ、上記の方向に沿ってインクカートリッジ10を押圧し続けると、バネ111の一端が接続体1094に接続されているため、このときのバネ111は、作用力を係合フック1095に加え、係合フック1095を下に向けて係合溝23の下方まで移動させ、
プリンタからインクカートリッジ10を取り外すとき、押しボタン1092を押し、バネ111が押し出しによって変形し、これによって、係合フック1095が回転軸1093周りに回転し、係合フック1095と係合溝23との間の係合関係が解除される、
インクカートリッジ10。」

ク 甲第8号証(特許第5811115号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第8号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容するためのカートリッジに関連する技術に関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カートリッジの装着状態においては、カートリッジは様々な外力を受ける。例えば、外力の一例としては、導電性の接触部材がカートリッジに加える力(付勢力)がある。また、例えば、外力の一例としては、プリンターの印刷動作等によってカートリッジに加わる力がある。また、例えば、ヘッドが設けられたキャリッジ上にカートリッジ装着部が搭載されているタイプ(「オンキャリッジタイプ」)の場合は、外力の一例として、キャリッジの主走査方向に沿ってカートリッジが移動することでカートリッジに加わる力(慣性力)がある。
【0006】
カートリッジが様々な外力を受けると、接触部材と、端子との接触状態が不安定となり、カートリッジとプリンターとの電気的接続が良好に維持できない場合がある。
【0007】
特許文献1の技術では、導電性の接触部材によってカートリッジに加えられる力による位置ズレを抑制するために、カートリッジの底面に位置決め部が設けられている。カートリッジの位置決め部は突起状であり、インクタンク装着部に設けられた位置決め部と係合することで、接触部材によって加えられる力によるカートリッジの位置ズレを抑制している。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、カートリッジに加えられる外力に対して、カートリッジが備える端子における接触部材に対する位置ズレを抑制することが困難な場合があった。例えば、端子と位置決め部とが離れた位置に配置されることで、接触部材と端子との接触の信頼性が低下する場合があった。このように、端子を備えたカートリッジを用いる技術において、カートリッジが備える端子とプリンターが備える接触部材との接触の信頼性を高める技術が望まれている。また、端子を備えたカートリッジや、液体噴射装置や、カートリッジと液体噴射装置とを備えたシステムにおいて、小型化、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上、長寿命化、使用の際の安全性の向上等が望まれている。」
(ウ)「【0056】
A−2.カートリッジの装着状態:
図3Aは、カートリッジ装着部7の外観斜視図である。図3Aでは、第1と第2のカートリッジ4、5を装着した状態におけるカートリッジ装着部7を示している。図3Aに示すように、カートリッジ4、5のカートリッジ装着部7に装着された装着状態では、第1と第2のカートリッジ4、5は搬送方向(X軸方向)に並んで配置されている。装着状態では、第1と第2のカートリッジがそれぞれ備える着脱機構部としてのレバー421、421Aがカートリッジ装着部7に係合している。利用者は、レバー421、421Aの操作部426、426Aに外力を加えることで、レバー421、421Aを変位させてカートリッジ装着部7が備える着脱部722との係合を解除する。カートリッジ装着部7とカートリッジ4、5との係合が解除されることで、利用者はカートリッジ4、5をカートリッジ装着部7から取り外すことができる。
【0057】
図3Bは、図3Aに示すカートリッジ4が位置する部分をY軸方向とZ軸方向に平行な平面(YZ平面)で切断したときの断面図である。図3Cは、図3Aに示すカートリッジ4が位置する部分を図3Aと異なるYZ平面で切断したときの断面図である。図3Dは、図3Aに示すカートリッジ4が位置する部分を図3B及び図3Cとは異なるYZ平面で切断したときの断面図である。図3B〜Dを用いてカートリッジ4の装着状態について説明する。なお、図3B〜Dに示す力の関係は、カートリッジ5の装着状態においても同様であるため、カートリッジ5の装着状態については説明を省略する。
【0058】
図3Bに示すように、カートリッジ4の装着状態では、カートリッジ装着部7が備える導電性の接触部材800(詳細には一端部分821)とカートリッジ4が備える回路基板90(詳細には、端子930)とが接触する。これにより、カートリッジ4は、接触部材800から力Ftが加えられる。力Ftは、第1の方向である−Y軸方向成分と、第2の方向である+Z軸方向成分を含む力である。すなわち、力Ftは、−Y軸方向の力FtYと、+Z軸方向の力FtZに分解できる。
【0059】
また、図3Bに示すように、カートリッジ4の装着状態では、カートリッジ装着部7が備える係合部733と、カートリッジ4が備える被係合部432とが係合する。これにより、係合部733によってカートリッジ4には−Z軸方向(鉛直下方向)の力Fqが加えられる。力Fqによって、カートリッジ4のうち−Y軸方向側部分の+Z軸方向(鉛直上方向)への動きが規制される。
【0060】
また、図3Cに示すように、カートリッジ4の装着状態では、カートリッジ装着部7が備える液体導入部703が、カートリッジ4が備える液体供給部447に挿入されることで、両部材703、447が接続される。これにより、液体供給部447に接する第1の液体保持部材104と液体導入部703とが当接する。両部材104、703が当接することで、液体導入部703によってカートリッジ4には+Z軸方向(鉛直上方向)の力Ffが加えられる。なお、第1の液体保持部材104は、液体供給部447の一部とみなすこともできる。
【0061】
また、図3Cに示すように、カートリッジ4の装着状態では、カートリッジ装着部7が備える第1の係合部84と、カートリッジ4が備える第1の被係合部36(「第1のフック36」とも呼ぶ。)とが係合する。これにより、第1の係合部84によってカートリッジ4には+Y軸方向の力Fpが加えられる。力Fpが加えられることで、接触部材800の弾性力Ftに抗して、接触部材800からカートリッジ4が離れる動きを規制できる。接触部材800から離れる動きは、−Y軸方向成分を含む。なお、カートリッジ装着部7が備える第2の係合部85と、カートリッジ4が備える第2の被係合部37(「第2のフック37」とも呼ぶ。)も同様の関係である。第1の被係合部36は、第2の被係合部37よりも+X軸方向側に位置する。図3Cでは、第2の被係合部37と第2の係合部85の断面が示されている。」
(エ)「【0237】
図58は、被係合部の第1の変形例を説明するための図である。第1の被係合部36aは、第2の面42に設けられた部材である。第1の被係合部36aは、+Y軸方向に延びる本体部344と、本体部344から−X軸方向に延びる第1の当接部341aとを備える。第2の被係合部37aは、第2の面42に設けられた部材である。第2の被係合部37aは、Y軸方向に延びる本体部377と、本体部377から+X軸方向に延びる第2の当接部321aとを備える。
【0238】
装着状態において、第1の当接部341aのうち第2の面42と対向する部分は、第1の係合部84(図7A)と係合する。これにより、接触部材800の弾性力Ftに抗して、接触部材800からカートリッジが離れる動きを規制できる。また、装着状態において、第2の当接部321aのうち第2の面42と対向する部分は、第2の係合部85(図7A)と係合する。これにより、接触部材800の弾性力Ftに抗して、接触部材800からカートリッジが離れる動きを規制できる。」
(オ)上記(ウ)及び(エ)より、「第1の被係合部36」と「第1の被係合部36a」、「第2の被係合部37」と「第2の被係合部37a」とが同じ部材を指していることは明らかである。


ケ 甲第9号証(特開平8−224883号公報)
本件特許に係る出願の出願前に出願公開された甲第9号証には、つぎの事項が記載されている。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に収容した記録用のインクを外部に供給するための供給口を底面に有し、一側面側の端部を略中心として回転してホルダに着脱自在に保持されるインクタンクであって、
他側面の上端部に、外側下方に向かって傾斜または湾曲するラッチレバーが弾性的に支持され、
前記ラッチレバーに、前記ホルダの係合部に係合するラッチ爪が一体的に設けられていることを特徴とするインクタンク。
【請求項2】 前記ラッチレバーには、前記ラッチレバーの操作用の突起が一体的に設けられている請求項1に記載のインクタンク。
【請求項3】 前記ラッチレバーの先端から前記ラッチ爪までの距離が3mm以上である請求項1または2に記載のインクタンク。
【請求項4】 前記ラッチ爪は、前記係合部に前記ホルダの外側から係合され、前記突起は上方に向かって前記ラッチレバーに一体的に設けられている請求項2または3に記載のインクタンク。
【請求項5】 記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクタンクと、前記インクタンクを着脱自在に保持するホルダと、記録信号に基づき前記インクタンクから供給されたインクを吐出する記録ヘッドとを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】 前記記録ヘッドが前記ホルダに一体に設けられ、さらに前記ホルダが着脱自在に保持される請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】 前記ホルダは、前記記録媒体に対して往復走査可能に設けられたキャリッジに着脱自在に保持される請求項6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えている請求項5、6または7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】 前記記録ヘッドは、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利用して吐出口からインクを吐出させる請求項8に記載のインクジェット記録装置。」
(イ)「【0042】(第1実施例)図1は、本発明のインクジェット記録装置の第1実施例の斜視図である。図1において、キャリッジ2は、記録ヘッドカートリッジ1を着脱自在に搭載するものであり、フレーム4に両端部が固定され互いに平行に配置されたガイドシャフト5およびガイドレール12に、記録媒体Pの搬送方向と直交し、かつ、記録媒体Pの面に平行な方向に摺動自在に支持される。また、キャリッジ2は、キャリッジ駆動モータ10の出力軸に固着された駆動プーリ13と、回転自在に軸支された従動プーリ(不図示)との間に掛け回されたキャリッジ駆動ベルト11の一部位に結合されており、キャリッジ駆動モータ10を駆動することでキャリッジ駆動ベルト11が回転し、キャリッジ2が上記方向に往復移動する構成となっている。
【0043】記録ヘッドカートリッジ1は、インク吐出用の電気信号である記録信号に基づいてインクを吐出する記録ヘッドとしてのノズル部50(図5参照)と、モノカラーホルダ60(図5参照)とを有するインクタンクホルダであり、モノカラーホルダ60に、インクを収容するインクタンク30を着脱自在に保持する。ノズル部50は記録ヘッドカートリッジ1の底部(図示下端部)に設けられており、インクは図示下方に向かって吐出される。ノズル部50への記録信号は、キャリッジ2に設けられたフレキシブルケーブル3を介して、このインクジェット記録装置の動作を制御する制御基板(不図示)から伝送される。フレキシブルケーブル3は、キャリッジ2の移動方向に沿って配され、キャリッジ2の移動に伴ってループを形成する。記録ヘッドカートリッジ1およびキャリッジ2については、後に詳しく説明する。」
(ウ)「【0047】図2に、図1に示したインクジェット記録装置を筐体に収めた状態の斜視図を示す。図2に示すように、下ケース18と上ケース17とによって外装が構成され、その内部に、図1に示したインクジェット記録装置が収められている。」
(エ)「【0082】一方、インクタンク30の外部構造として、容器32には、インクタンク30をモノカラーホルダ60に装着した際にモノカラーホルダ60のベースプレート51側の内壁と当接する面に、爪状突起としての抜け止め爪32dが一体的に設けられている。この抜け止め爪32dは、モノカラーホルダ60に形成されたタンク抜け止め穴60i(図12参照)に嵌合するもので、インクタンク30をモノカラーホルダ60に装着する際のガイドとなるとともに、インクタンク30がモノカラーホルダ60に装着された状態ではインクタンク30を保持する役目を果たす。」
(オ)「【0084】さらに、抜け止め爪32dとは反対側の外壁である他端面において、蓋部材31には上端部が弾性的に支持されたラッチレバー32aが一体的に設けられている。ラッチレバー32aは、インクタンク30の外側下方に向かって傾斜し、モノカラーホルダ60のラッチレバー挿入溝60h(図11および図12参照)に嵌合するもので、インクタンク30がモノカラーホルダ60に装着された状態では、ラッチレバー挿入溝60hの上端部であるラッチレバーガイド部60mに押圧されて図14に示した矢印C方向にたわみ、ラッチレバー32aの下端部に形成されたラッチ爪32eが、ラッチレバー挿入溝60hに形成されたラッチ爪係合穴60jに係合される。また、ラッチレバー32aには、インクタンク30の外方に向かって突出する、ラッチレバー32aの操作用の突起であるラッチレバー操作部32gが一体的に設けられている。本実施例では、ラッチレバー32aは、蓋部材31に一体成形されている。」
(カ)「【0102】本実施例では、ラッチレバー532aの形状およびラッチレバーガイド部560mの形状が、第1実施例と異なっている。すなわち、ラッチレバー532aのラッチ爪532eは、内側に向かって形成されており、ラッチ爪係合穴560jの外側から係合する構造になっている。また、ラッチレバー操作部532gは、上方に向かって形成されている。一方、ラッチレバーガイド部560mのテーパーは、第1実施例とは逆に、外側の面に形成されている。その他の構成については第1実施例と同様であるので、その説明は省略する。」
(キ)「【図9】


(ク)「【図10】


(ケ)「【図14】


(コ)図9、10及び14より、鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、ホルダと、前記ホルダにおける+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられたラッチレバーと、を備えた液体噴射装置の前記ホルダに対して着脱自在なインクタンクであって、ラッチレバーにラッチ爪が設けられインクタンクが看取できる。


上記(ア)乃至(ケ)の記載事項及び図面によれば、甲第9号証には、以下の発明(以下「甲9発明」という。)が記載されているものと認められる。
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、ホルダと、前記ホルダにおける+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられたラッチレバーと、を備えた液体噴射装置の前記ホルダに対して着脱自在なインクタンクであって、前記ラッチレバーにラッチ爪が設けられインクタンクであって、
内部に収容した記録用のインクを外部に供給するための供給口を底面に有し、一側面側の端部を略中心として回転してホルダに着脱自在に保持されるインクタンクであり、
他側面の上端部に、外側下方に向かって傾斜または湾曲するラッチレバーが弾性的に支持され、
前記ラッチレバーに、前記ホルダの係合部に係合するラッチ爪及び前記ラッチレバーの操作用の突起が一体的に設けられ、
前記ラッチ爪は、前記突起は上方に向かって前記ラッチレバーに一体的に設けられ、ラッチレバー挿入溝に形成されたラッチ爪係合穴に係合され、
前記記録ヘッドが前記記録媒体に対して往復走査可能に設けられたキャリッジに着脱自在に保持される前記ホルダに一体に設けられ、
さらに前記ホルダが着脱自在に保持されているインクタンク。」

(3)当審の判断
ア−1 理由1−1(新規性)について(甲1号証を主引例とした判断)
(ア)本件訂正特許発明1について
a 対比
(a)甲1発明の「+X方向」、「−X方向」、「Y方向」、「+Z方向」、「−Z方向」、「装着部(8)」、「レバー本体(81)」、「『逆接続式インクカートリッジが接続される装着部(8)』が設けられた『プリンタ』」、「インクカートリッジ」、「第2の面(1b)」、「第3の面(1c)」、「操作部(2)」は、それぞれ、本件訂正特許発明1の「+X方向」、「−X方向」、「Y方向」、「+Z方向」、「−Z方向」、「装着部」、「回動レバー」、「液体噴射装置」、「装着部に対して着脱自在な液体収容体」、「+Z方向側壁部」、「+X方向側壁部」、「フック部」に相当する。
(b)甲1発明の「プリンタ」は、逆接続式インクカートリッジが接続される、いわゆる、インクジェットプリンタであるから、「筐体」及び「ヘッド」を備えていることは、自明の事項である。
(c)甲1発明の「レバー本体(81)」は、ケース(1)の+X側に設けられた当接部材(3)の圧迫面(32)に接触し、回転軸(82)回りに回転するものであるから、本件訂正特許発明1の「回動レバー」と、甲1発明の「レバー本体(81)」とは、「装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた」ものとの概念で共通する。
(d)甲1発明の「レバー本体(81)の+X方向側の外面」は、本件訂正特許発明1の「回動レバーにおける+X方向側の外面」に相当する。
(e)甲1発明の「装着部(8)」の構造からすれば、甲1発明の「逆接続式インクカートリッジ」が−Z方向から「装着部(8)」に装着され、「+Z方向に移動することを規制するように構成され」ていることは明らかといえる。

そうすると、本件訂正特許発明1と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で、一応相違するものと認められる。
[一致点]
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
前記フック部は、前記回動レバーにおける+X方向側の外面からなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成される液体収容体。」

[相違点1−1]
本件訂正特許発明1が、「液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体」を備え、装着部は「移動体上」に設けられているものであるのに対し、甲1発明は移動体を備えるのか否かが明らかでない点。

[相違点1−2]
本件訂正特許発明1が、「装着状態において、フック部は、回動レバーの操作部が押圧操作されないように操作部全体を覆う」ものであるのに対し、甲1発明は、操作部(2)の他端側には開口部が設けられているものである点。

b 判断
以上のとおり、本件訂正特許発明1と甲1発明とは、少なくとも相違点1−2において相違するものであって、本件訂正特許発明1は、甲第1号証に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

(イ)本件訂正特許発明3及び4について
本件訂正特許発明3及び4は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明3及び4と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1−1及び相違点1−2において相違するものである。
したがって、本件訂正特許発明3及び4は、甲第1号証に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

ア−2 理由1−2(新規性)について(甲7号証を主引例とした判断)
(ア)本件訂正特許発明1について
a 対比
(a)甲7発明の「インクカートリッジ装着部20」、「棒部材22」、「インクカートリッジが装着されるプリンタ」、「インクカートリッジ」、「頂面1011」、「右側面1014」、「係合装置109」、「『インクカートリッジ装着部20の、棒部材22と対向する位置」に設けられた『係合溝23』」は、それぞれ、本件訂正特許発明1の「装着部」、「回動レバー」、「液体噴射装置」、「装着部に対して着脱自在な液体収容体」、「+Z方向側壁部」、「+X方向側壁部」、「フック部」、「+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向の隙間からなる被係止部」に相当する。
(b)甲7発明の「プリンタ」は、インクカートリッジが接続される、いわゆる、インクジェットプリンタであるから、「筐体」及び「ヘッド」を備えていることは、自明の事項である。
(c)甲7発明の「棒部材22」は、支点周りに一定の角度回転するものであるから、本件訂正特許発明1の「回動レバー」と、甲1発明の「棒部材22」とは、「装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた」ものとの概念で共通する。
(d)甲7発明の「インクカートリッジ装着部20」の構造からすれば、甲7発明の「インクカートリッジ」が−Z方向から「インクカートリッジ装着部20」に装着され、「+Z方向に移動することを規制するように構成され」ていることは明らかといえる。

そうすると、本件訂正特許発明1と甲7発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で、一応相違するものと認められる。
[一致点]
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
前記フック部は、
+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向の隙間からなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成される液体収容体。」

[相違点2−1]
本件訂正特許発明1が、「液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体」を備え、装着部は「移動体上」に設けられているものであるのに対し、甲7発明は移動体を備えるのか否かが明らかでない点。

[相違点2−2]
本件訂正特許発明1が、「装着状態において、フック部は、回動レバーの操作部が押圧操作されないように操作部全体を覆う」ものであるのに対し、甲7発明は、2つの係合フック1095が、それぞれ棒部材22両側の2つの係合溝23と係合してものである点。

b 判断
以上のとおり、本件訂正特許発明1と甲7発明とは、少なくとも相違点2−2において相違するものであって、本件訂正特許発明1は、甲第7号証に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

(イ)本件訂正特許発明3乃至5について
本件訂正特許発明3乃至5は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明3乃至5と甲1発明とは、少なくとも上記相違点2−1及び相違点2−2において相違するものである。
したがって、本件訂正特許発明3乃至5は、甲第7号証に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

ア−3 理由1(特許法第29条第1項第3号)についてのまとめ
上記のとおり、本件訂正特許発明1、3乃至5は、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、上記理由1により、訂正された本件特許請求の範囲の請求項1、3乃至5に係る特許を取り消すことはできない。

イ−1 理由2−1(進歩性)について(甲1号証を主引例とした判断)
(ア)本件訂正特許発明1について
a 対比
上記ア−1(ア)aのとおり、本件訂正特許発明1と甲1発明とは、上記相違点1−1及び相違点1−2で相違する。

b 判断
特許異議申立人が提出した甲第2号証乃至甲第9号証のいずれにも、上記相違点1−2に係る事項は、記載されておらず、また、上記相違点1−2に係る事項が設計的事項とする理由も見当たらないから、上記相違点1−2を当業者が容易に想到し得るものということはできない。

c 小括
したがって、本件訂正特許発明1は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

(イ)本件訂正特許発明2乃至5について
本件訂正特許発明2乃至5は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明2乃至5と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1−1及び相違点1−2において相違するものである。
したがって、本件訂正特許発明2乃至5は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

(ウ)本件訂正特許発明12について
a 対比
(a)甲1発明の「+X方向」、「−X方向」、「Y方向」、「+Z方向」、「−Z方向」、「装着部(8)」、「レバー本体(81)」、「『逆接続式インクカートリッジが接続される装着部(8)』が設けられた『プリンタ』」、「インクカートリッジ」、「第3の面1c」は、それぞれ、本件特許発明12の「+X方向」、「−X方向」、「Y方向」、「+Z方向」、「−Z方向」、「装着部」、「回動レバー」、「液体噴射装置」、「装着部に対して着脱自在な液体収容体」、「+X方向側壁部」に相当する。
(b)甲1発明の「プリンタ」は、逆接続式インクカートリッジが接続される、いわゆる、インクジェットプリンタであるから、「筐体」及び「ヘッド」を備えていることは、自明の事項である。
(c)甲1発明の「レバー本体(81)」は、ケース(1)の+X側に設けられた当接部材(3)の圧迫面(32)に接触し、回転軸(82)回りに回転するものであるから、本件特許発明12の「回動レバー」と、甲1発明の「レバー本体(81)」とは、「装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた」ものとの概念で共通する。
(d)甲1発明の「装着部(8)」の構造からすれば、甲1発明の「逆接続式インクカートリッジ」が−Z方向から「装着部(8)」に装着され、「+Z方向に移動することを規制するように構成され」ていることは明らかといえる。

そうすると、本件特許発明12と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違するものと認められる。
[一致点]
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、
前記装着状態において+X方向側に位置する+X方向側壁部を有する、
液体収容体。」

[相違点1−1]
本件特許発明12が、「液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体」を備え、装着部は「移動体上」に設けられているものであるのに対し、甲1発明は移動体を備えるのか否かが明らかでない点。

[相違点1−3]
本件特許発明1が、「回動レバーの+Z方向側の端部の−X方向側の面に設けられた段差部」と、「+X方向側壁部にはフック部が設けられ、前記フック部は、回動レバーの段差部に係止する係止部を有する可動係止部材によって構成され、前記フック部は、前記係止部が前記回動レバーの前記段差部に係止することにより、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されている」のに対し、甲1発明は、そのような段差部及びフック部を備えていない点。

b 判断
特許異議申立人が提出した甲第2号証乃至甲第9号証のいずれにも、上記相違点1−3に係る事項は、記載されておらず、また、上記相違点1−3に係る事項が設計的事項とする理由も見当たらないから、上記相違点1−3を当業者が容易に想到し得るものということはできない。
したがって、本件特許発明12は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件特許発明12は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

特許異議申立人は、甲6発明の「+X方向側に設けられた第1の装置側規制部810」及び「+X方向側に設けられた第1のカートリッジ側規制部210」は、それぞれ、本件特許発明12の「段差部」及び「フック部」に相当すると主張する。
しかし、甲6発明の第1の装置側規制部810は、レバー80の+Z方向側の端部に設けられたものではないから、甲6発明に上記相違点1−3が示されているとはいえない。

(エ)小括
したがって、本件訂正特許発明1乃至5及び本件特許発明12は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1乃至5及び本件特許発明12は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

イ−2 理由2−2(進歩性)について(甲7号証を主引例とした判断)
(ア)本件訂正特許発明1について
a 対比
上記ア−2(ア)aのとおり、本件訂正特許発明1と甲7発明とは、上記相違点2−1及び相違点2−2で相違する。

b 判断
特許異議申立人が提出した甲第1号証乃至甲第6号証、甲第8号証及び甲第9号証のいずれにも、上記相違点2−2に係る事項は、記載されておらず、また、上記相違点2−2に係る事項が設計的事項とする理由も見当たらないから、上記相違点2−2を当業者が容易に想到し得るものということはできない。

c 小括
したがって、本件訂正特許発明1は、甲7発明、甲第1号証乃至甲第6号証、甲第8号証及び甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

(イ)本件訂正特許発明2乃至6について
本件訂正特許発明2乃至6は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明2乃至6と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1−1及び相違点1−2において相違するものである。
したがって、本件訂正特許発明2乃至6は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

(ウ)本件特許発明12について
a 対比
(a)甲7発明の「インクカートリッジ装着部20」、「棒部材22」、「インクカートリッジが装着されるプリンタ」、「インクカートリッジ」、「右側面1014」は、それぞれ、本件特許発明1の「装着部」、「回動レバー」、「液体噴射装置」、「装着部に対して着脱自在な液体収容体」、「+X方向側壁部」に相当する。
(b)甲7発明の「プリンタ」は、インクカートリッジが接続される、いわゆる、インクジェットプリンタであるから、「筐体」及び「ヘッド」を備えていることは、自明の事項である。
(c)甲7発明の「棒部材22」は、支点周りに一定の角度回転するものであるから、本件特許発明1の「回動レバー」と、甲1発明の「棒部材22」とは、「装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた」ものとの概念で共通する。

そうすると、本件特許発明12と甲7発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違するものと認められる。
[一致点]
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、
前記装着状態において+X方向側に位置する+X方向側壁部を有する、
液体収容体。」

[相違点2−1]
本件特許発明12が、「液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体」を備え、装着部は「移動体上」に設けられているものであるのに対し、甲7発明は移動体を備えるのか否かが明らかでない点。

[相違点2−3]
本件特許発明12が、「回動レバーの+Z方向側の端部の−X方向側の面に設けられた段差部」と、「+X方向側壁部にはフック部が設けられ、前記フック部は、回動レバーの段差部に係止する係止部を有する可動係止部材によって構成され、前記フック部は、前記係止部が前記回動レバーの前記段差部に係止することにより、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されている」のに対し、甲7発明は、そのような段差部及びフック部を備えていない点。

b 判断
特許異議申立人が提出した甲第1号証乃至甲第6号証、甲第8号証及び甲第9号証のいずれにも、上記相違点2−3に係る事項は、記載されておらず、また、上記相違点2−3に係る事項が設計的事項とする理由も見当たらないから、上記相違点2−3を当業者が容易に想到し得るものということはできない。
したがって、本件特許発明12は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件特許発明12は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

特許異議申立人は、甲6発明の「+X方向側に設けられた第1の装置側規制部810」及び「+X方向側に設けられた第1のカートリッジ側規制部210」は、それぞれ、本件特許発明12の「段差部」及び「フック部」に相当すると主張する。
しかし、甲6発明の第1の装置側規制部810は、レバー80の+Z方向側の端部に設けられたものではないから、甲6発明に上記相違点1−3が示されているとはいえない。


イ−3 理由2(進歩性)についてのまとめ
上記のとおり、本件訂正特許発明1乃至5及び本件特許発明12は、甲第1号証を主引例として特許法第29条第2項に該当するものではないから、上記理由2により、本件特許請求の範囲の請求項1乃至5及び12に係る特許を取り消すことはできない。
また、本件訂正特許発明1乃至6及び本件特許発明12は、甲第7号証を主引例として特許法第29条第2項に該当するものではないから、上記理由2により、本件特許請求の範囲の請求項1乃至6及び12に係る特許を取り消すことはできない。


5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要
理由3(進歩性)下記請求項に係る特許は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1乃至6及び12に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

請求項6に対して、甲第1号証を主引例として(以下「理由3−1」という。)
請求項1乃至6及び12に対して、甲第9号証を主引例として(以下「理由3−2」という。)

(2)当審の判断
ア 理由3−1(進歩性)について(甲1号証を主引例とした判断)
(ア)本件訂正特許発明6について
本件訂正特許発明6は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明6と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1−1及び相違点1−2において相違するものである。
したがって、本件訂正特許発明6は、甲1発明、甲第2号証乃至甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

イ 理由3−2(進歩性)について(甲9号証を主引例とした判断)
(ア)本件訂正特許発明1について
a 対比
(a)甲9発明の「+X方向」、「−X方向」、「Y方向」、「+Z方向」、「−Z方向」、「ホルダ」、「液体噴射装置」、「インクタンク」、「ラッチレバー」及び「キャリッジ」は、それぞれ、本件訂正特許発明1の「+X方向」、「−X方向」、「Y方向」、「+Z方向」、「−Z方向」、「装着部」、「液体噴射装置」、「装着部に対して着脱自在な液体収容体」、「フック部」及び「移動体」に相当する。
(b)甲9発明の「液体噴射装置」が、「筐体」及び「ヘッド」を備えていることは、自明の事項である。

そうすると、本件訂正特許発明1と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で、一応相違するものと認められる。
[一致点]
「鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、装着部と、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
る液体収容体。」

[相違点3]
本件訂正特許発明1が、「前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバー」と、「前記フック部は、前記回動レバーにおける+X方向側の外面からなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成され」、「装着状態において、フック部は、回動レバーの操作部が押圧操作されないように操作部全体を覆う」ものであるのに対し、甲9発明は、ホルダにレバー部材が備えられていない点。

b 判断
甲9発明のホルダには、そもそも、インクタンクを装着する際に係合構造となるレバー部材が備えられていないのであるから、甲1発明及び甲7発明のレバーを設ける動機付けがない。
そうすると、本件訂正特許発明1は、甲9発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

(イ)本件訂正特許発明2乃至6について
本件訂正特許発明2乃至6は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明2乃至6と甲9発明とは、少なくとも上記相違点3において相違するものである。
したがって、本件訂正特許発明2乃至6は、甲9発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件訂正特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものということはできない。

(ウ)本件特許発明12について
本件特許発明12は、本件訂正特許発明1と同様に、「前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバー」、と「前記回動レバー」は、「前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成する」との特定事項を備えるものである。
そうすると、上記(ア)bのとおり、甲9発明にレバーを設ける動機付けはないのであるから、本件特許発明12は、甲9発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

ウ 理由3(進歩性)についてのまとめ
上記のとおり、本件訂正特許発明6は、甲第1号証を主引例として特許法第29条第2項に該当するものではないから、上記理由3−1により、本件特許請求の範囲の請求項6に係る特許を取り消すことはできない。
また、本件訂正特許発明1乃至6及び本件特許発明12は、甲第9号証を主引例として特許法第29条第2項に該当するものではないから、上記理由3−2により、本件特許請求の範囲の請求項1乃至6及び12に係る特許を取り消すことはできない。


6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1乃至6及び12に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1乃至6及び12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において+Z方向側に位置する+Z方向側壁部と+X方向側に位置する+X方向側壁部とを有し、
前記+Z方向側壁部及び前記+X方向側壁部の何れかにフック部が設けられ、
前記フック部は、
前記移動体における+X方向側の外面、
前記回動レバーにおける+X方向側の外面、及び
前記移動体の+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向の隙間
のうち、何れか1つからなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成され、
前記装着状態において、前記フック部は、前記回動レバーの操作部が押圧操作されないように前記操作部全体を覆うことを特徴とする液体収容体。
【請求項2】
請求項1に記載の液体収容体において、
前記+X方向側壁部には+X方向側係合部が設けられており、
前記+X方向側係合部は、前記装着状態において、前記回動レバーに設けられた+X方向側被係合部に対して、−Z方向側から当接した状態で係合することを特徴とする液体収容体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液体収容体において、
前記装着状態において−X方向側に位置する−X方向側壁部を更に有し、
前記−X方向側壁部には−X方向側係合部が設けられており、
前記−X方向側係合部は、前記装着部において、前記装着部の−X方向側の側壁に設けられた−X方向側被係合部に対して、−Z方向側から当接した状態で係合することを特徴とする液体収容体。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体収容体において、
前記フック部は、Y方向に沿う軸を中心として回動可能であり、
前記フック部は、前記被係止部に係止する係止部と、前記軸を挟んで前記係止部とは反対側の位置に設けられた操作部と、を有し、
前記操作部は、付勢部材によって、前記係止部を前記被係止部に対して係止させる方向へ付勢されており、
前記操作部を前記付勢部材の付勢力に抗して変位させることにより、前記被係止部に対する前記係止部の係止が解除されることを特徴とする液体収容体。
【請求項5】(削除)
【請求項6】(削除)
【請求項7】
鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、液体収容体を着脱可能に前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置であって、
前記移動体には、前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、前記装着状態において前記液体収容体の+Z方向側の壁部を覆うカバーが取り付けられ、
前記カバーは、係止機能を有するフック部を有し、
前記フック部は、
前記移動体における+X方向側の外面、
前記回動レバーにおける+X方向側の外面、及び
前記移動体の+X方向側の壁と前記回動レバーとの間に形成されるZ方向での隙間
のうち、何れか1つからなる被係止部に係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液体噴射装置において、
前記フック部は、Y方向に沿う軸を中心として回動可能であり、
前記フック部は、前記被係止部に係止する係止部と、前記軸を挟んで前記係止部とは反対側の位置に設けられた操作部と、を有し、
前記操作部は、付勢部材によって、前記係止部を前記被係止部に対して係止させる方向へ付勢されており、
前記操作部を前記付勢部材の付勢力に抗して変位させることにより、前記被係止部に対する前記フック部の係止が解除されることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の液体噴射装置において、
前記装着部は、複数の前記液体収容体がY方向に配列して装着されるように構成され、
前記装着部には、前記複数の前記液体収容体と対応する位置に、複数の前記回動レバーが設けられ、
前記フック部は、前記装着部におけるY方向で隣り合う回動レバー同士の間となる位置に係止するように構成されることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載の液体噴射装置において、
前記装着部は、複数の前記液体収容体がY方向に配列して装着されるように構成され、
前記装着部には、前記複数の前記液体収容体と対応する位置に、複数の前記回動レバーが設けられ、
前記フック部は、前記装着部におけるY方向で隣り合う回動レバー同士の間を通って−Z方向に延びた後にY方向に屈曲して前記被係止部に係止するように構成されることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項11】
請求項7〜請求項10のうち何れか一項に記載の液体噴射装置において、
前記カバーの−X方向側の端部は、前記移動体における−X方向側の外面に、Y方向に沿う軸を中心として回動可能に支持されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項12】
鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を一X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、前記回動レバーの+Z方向側の端部の前記−X方向側の面に設けられた段差部と、を備えた液体噴射装置の前記装着部に対して着脱自在な液体収容体であって、
前記液体収容体が前記装着部に装着された状態を装着状態としたとき、
前記装着状態において+X方向側に位置する+X方向側壁部を有し、
前記+X方向側壁部にはフック部が設けられ、
前記フック部は、前記回動レバーの段差部に係止する係止部を有する可動係止部材によって構成され、
前記フック部は、前記係止部が前記回動レバーの前記段差部に係止することにより、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項13】
鉛直方向をZ方向とし、Z方向と直交する方向をX方向とし、Z方向及びX方向の双方と直交する方向をY方向とし、Z方向のうち、鉛直上方向を+Z方向とする一方、鉛直下方向を−Z方向とし、X方向のうち、一方向を+X方向とする一方、前記一方向とは反対側の他方向を−X方向としたとき、
筐体と、液体を噴射するヘッドと、前記ヘッドを搭載して前記筐体内をX方向に沿って移動し且つ前記ヘッドからの前記液体の噴射を行わないときには前記筐体内における+X方向側の端部で待機する移動体と、前記移動体上に設けられる装着部と、前記装着部における+X方向側の位置にY方向に沿う軸線を中心として回動可能に設けられた回動レバーと、を備えた液体噴射装置であって、
前記移動体には、液体収容体が前記装着部に装着された装着状態において前記液体収容体の+Z方向側の壁部を覆うカバーが取り付けられ、
前記カバーのY方向の両端部には、係止機能を有するフック部が各々設けられ、
前記フック部は、前記移動体のY方向の両側の外面に対して各々係止して、前記液体収容体が前記装着部から+Z方向に移動することを規制するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照
異議決定日 2022-05-24 
出願番号 P2016-198141
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (B41J)
P 1 652・ 113- YAA (B41J)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 佐々木 創太郎
藤本 義仁
登録日 2021-02-16 
登録番号 6838342
権利者 セイコーエプソン株式会社
発明の名称 液体収容体及び液体噴射装置  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 博宣  
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