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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1387938
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-06-03 
確定日 2022-08-23 
事件の表示 特願2018−504835「能動素子を有するキーキャップ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日国際公開、WO2017/023372、平成30年 9月 6日国内公表、特表2018−525739、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)4月2日(パリ条約による優先権主張 2015年7月31日 インド)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。

令和2年 5月28日付け:拒絶理由通知書
令和2年 9月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 2月17日付け:拒絶査定(原査定)
令和3年 6月 3日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和4年 1月 6日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月 7日 :意見書、手続補正書
令和4年 4月12日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和4年 7月14日 :意見書、手続補正書

第2 原査定の概要
原査定(令和3年2月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1、2、4ないし9、11ないし14及び16ないし18に係る発明は、以下の引用文献A、C及びDに記載された発明に基いて、本願請求項3、10及び15に係る発明は、以下の引用文献AないしDに記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(引用文献等一覧)
A 特開2013−008115号公報
B 特開2008−250259号公報
C 特開2011−085882号公報
D 特開2004−078144号公報

第3 当審拒絶理由1の概要
令和4年1月6日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)の概要は次のとおりである。

(理由1)明確性要件
この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

請求項4、9及び14に記載の「前記1つ以上の露出エリアからある露出エリアに対応する」は、日本語として明確ではない。

(理由2)進歩性
本願請求項1ないし15に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(引用文献等一覧)
1 特開2008−262420号公報(当審で新たに引用した文献)
2 特開2013−8115号公報(原査定の引用文献A)

第4 当審拒絶理由2の概要
令和4年4月12日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は次のとおりである。

(理由1)サポート要件
この出願は、特許請求の範囲が以下の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

(理由2)明確性要件
この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

請求項1ないし15に係る発明における「1つ以上の下部電極」及び「1つ以上の露出エリア」は、「下部電極」及び「露出エリア」のそれぞれの数が「1つ」である場合を含むため、請求項1ないし15に係る発明は、その技術的意義が明確ではなく、また、発明の詳細な説明に記載したものでもない。

第5 本願発明
本願請求項1ないし15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、令和4年7月14日に提出された手続補正書に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される発明であり、このうち本願発明1は以下のとおりの発明である。

「 キーのキーキャップ内の双安定ディスプレイであって、
複数の露出エリアを含み、第1色を有するマスクと;
上部電極と;
複数の下部電極と;
前記上部電極と前記複数の下部電極との間の誘電体であって、前記誘電体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1誘電体色、および、前記マスクの前記1つ以上の露出エリアを通してユーザに可視である第2誘電体色を有し、前記上部電極と前記複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記誘電体の色の変化を生じる、前記誘電体と;
前記上部電極と前記複数の下部電極との間に前記差動電圧を生成する電気接続と;
を備え、
前記双安定ディスプレイは、前記キーのドームの上にあり、
前記下部電極用の粗いアートワークと前記双安定ディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠す、
双安定ディスプレイ。」

なお、本願発明2ないし5は、本願発明1を減縮する発明であり、本願発明6は、本願発明1を「方法」の発明として特定する発明であり、本願発明7ないし10は、本願発明6を減縮する発明であり、また、本願発明11は、本願発明1を「電子デバイス」の発明として特定する発明であり、本願発明12ないし15は、本願発明11を減縮する発明である。

第6 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1記載事項
引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)

ア 「【実施例1】
【0012】
はじめに、構成を説明する。
図1は、実施例1のキー操作装置1の構成と、キー操作装置1によって制御される機器の構成を示す図である。
【0013】
実施例1のキー操作装置1は、1つのキー11に対して複数の機能が与えられると共に、前記キー11に前記複数の機能を示す複数の入力表記153a〜153d(以下、総称して入力表記153と記す。)(図2(a)参照)が表示されるキー操作装置1と、キー操作者によるキー入力モード切替え操作(入力切替え操作)により、前記複数の入力表記153のうち、現在のキー入力モードで有効な機能を示す入力表記(表示が必要な入力表記)が決定されたときは、この決定された入力表記を視認表示させる反射光制御を行う表示切替え部(表示切替え手段)12を有して構成されている。 なお、このキー操作装置1とコンピュータ2とはケーブル21で接続されて、各々のキー11の操作による指令がコンピュータ2に伝えられる。また、コンピュータ2と表示画面3とはケーブル22で接続されて、コンピュータ2による前記指令に応じた処理の結果が表示装置3に表示される。」

イ 「【図1】



ウ 「【0015】
図2は、キー11の構成を示す図である。
図2(a)に示されるように、キー11は、キー本体14のほか、キー11に与えられた機能を示す入力表記153の表示を行う表示媒体であって、この入力表記153の反射光(色)を電気的に制御することができる電子ペーパ15を有して構成されている。
【0016】
この電子ペーパ15の構成について具体的に説明する。
電子ペーパ15は、基盤152と、この基盤152の上面にフィルム状に塗布(印刷)され、半球ごとに白と黒とに塗り分けられた球形微粒子であってこの微粒子の上下方向に電圧を与えると(電気的制御)粒子反転による白/黒切替え可能な2色粒子を含んだシリコン性樹脂から成る入力表記(色彩可変部)153とを有している。
【0017】
また、この入力表記153には、入力表記153に電圧を発生させるための制御コード151a〜151d(以下、総称して制御コード151と記す。)が接続されている。この制御コード151の他端は、表示切替え部12に接続されており、表示切替え部12による前記電気的制御のON/OFFの切替えが可能となっている。入力表記153a〜153d(例えば、「・」、「?」、「/」、「め」)は、それぞれ独立して前記の電気的制御が可能となっている。なお、142は、制御コード151の挿通孔である。」

エ 「【0019】
図2(b)に示されるように、このように構成されたキー11は、外表面を透明の樹脂16でコーティングされている。そして、このキー11は、キー操作装置1の全てのキーに用いられている。」

オ 「【図2】



カ 「【0039】
実施例3は、実施例1の電子ペーパ15の構成を変更した例である。
はじめに、構成を説明する。
図6は、キー11の構成を示す図である。図6に示されるように、この電子ペーパ15は、キー11の操作面141に設けられ、それぞれ独立して反射光を電気的に制御することができる複数(ここでは、入力表記(「・」、「?」、「/」、「め」)の数に相当する数)の分割電子ペーパ18a〜18d(以下、総称して分割電子ペーパ18と記す。)と、入力表記(「・」、「?」、「/」、「め」)の形態の切欠17a〜17dが形成されると共に、1つの切欠が1つの分割電子ペーパに重なるように、分割電子ペーパ18に取り付けられた単一の切欠ペーパ17とを有して構成されている。
【0040】
また、分割電子ペーパ18に電圧が印加されない状態では、分割電子ペーパ18(全領域が色彩可変部)は白色であり、切欠ペーパ17の上面は黒色である。そして、分割電子ペーパ18は、電圧が印加された状態では、切欠ペーパ17の上面と同一色の黒色である。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
次に作用を説明する。
例えば「?」の入力表記17bの視認表示を行う場合、「?」の入力表記17bに対応する位置の電子ペーパ18b以外の電子ペーパ18a、18c及び18dに電圧を印加(電気的制御:ステップ9(図3(b)参照))する(電子ペーパ18bを、切欠ペーパ17と同一色(黒色)にする)ことによって可能となる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。」
(当審注:【0041】の括弧内に記載の「電子ペーパ18bを」は、「電子ペーパ18b以外を」の誤記と認められる。)

キ 「【図6】



ク 「【実施例8】
【0063】
実施例8は、電子ペーパ15の構成を変更した例である。
はじめに、構成を説明する。
図11は、実施例8の電子ペーパ15の液晶部の断面図である。この電子ペーパ15は、特定の波長を反射すると共に、この反射の割合が電気的に独立して制御されるコレステリック液晶(無電圧下では、液晶の螺旋構造に応じた波長の入射光を選択反射し、所定の電圧下では、入射光を透過し、これらの状態を保持する。)を主成分とする複数の単色層(青色の波長領域を特定的に反射するB層28bと、緑色の波長領域を特定的に反射するG層28gと、赤色の波長領域を特定的に反射するR層28r)が多層を成して構成された色彩可変層28を有して構成されている。この単色層は、上から下に向かって、B層28b、G層28g、R層28rの順に配列されている。
【0064】
なお、符号30は、吸収層であり、前記B層28b、G層28g、R層28rで反射されず、透過した入射光は吸収層30で反射されて黒色の光が視認される。なお、符号32は透明フィルムであり、符号33は、封止材である。
【0065】
表示切替え部12は、コンピュータ2のキー入力モードが切替えられ、これに応じて表示が必要な入力表記が決定されたときは(ステップ1及びステップ5でYESの場合)、前記色彩可変層28を構成する各々の単色層の反射割合を制御することによって、この決定された入力表記の視認表示を行う。
【0066】
実施例8の表示切替え部12の処理の流れは、基本的には、図3(b)に示されるものと同様であるが、電子ペーパに指令を行う処理(ステップ9(図3(b)))は、色彩可変層28の各層に独立して行われる。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
次に作用を説明する。
コンピュータ2の入力モードが切替えられて、キー11の機能のうち現在のキー入力モードで有効な機能を示す入力表記が視認表示されるとき、前記のB層28b、G層28g及びR層28rの反射光が混合された色彩をキー操作者に視認させることができる。
【0068】
また、例えばB層28bのみに電圧を印加すれば、入射光がB層28bのみで反射され、キー操作者は、青色の光を視認する。また、B層28b、G層28g及びR層28rの全ての層に電圧を印加すれば、入射光がこれらすべての層で反射され、キー操作者は、白色の光を視認する。また、B層28b、G層28g及びR層28rの全ての層に電圧を印加しなければ、入射光が吸収層30のみで反射され、キー操作者は、黒色の光を視認する。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0069】
次に、効果を説明する。
実施例8のキー操作装置1にあっては、実施例1の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(10)実施例8のキー操作装置1にあっては、電子ペーパ15は、特定の波長を反射すると共に該反射の割合が電気的に独立して制御される複数の単色層(B層28b、G層28b及びR層28r)が多層を成して構成された色彩可変層28を有し、表示切替え部12は、必要な入力表記が決定されたときは、色彩可変層28を構成する各々の単色層(B層28b、G層28b及びR層28r)の反射割合を制御することによって、この決定された入力表記の視認表示を行う。このため、現在のキー入力モードで有効な機能を示す入力表記が視認表示する際に、所望の色彩を視認表示させることができ、有効な機能の判別機能のみならず 、入力表記がイルミネーション機能も併せ持つ。
また、入力表記の色(反射光)と入力表記の部分以外の色(反射光)との差によって、入力表記を視認させる場合において、入力表記以外の部分の色が予め定まっている場合であっても、反射光の色を変化させることによって、入力表記を目立たせることができる。」

ケ 「【図11】



コ 「【符号の説明】
【0076】
1 キーボード、立体キーボード(キー操作装置),
…(以下省略)」

(2)引用発明
前記(1)のウないしキより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 キー11は、キー本体14のほか、キー11に与えられた機能を示す入力表記153の表示を行う表示媒体であって、この入力表記153の反射光(色)を電気的に制御することができる電子ペーパ15を有して構成され、
電子ペーパ15は、基盤152と、この基盤152の上面にフィルム状に塗布(印刷)され、半球ごとに白と黒とに塗り分けられた球形微粒子であってこの微粒子の上下方向に電圧を与えると粒子反転による白/黒切替え可能な2色粒子を含んだシリコン性樹脂を有し、
電圧を発生させるための制御コード151a〜151d(制御コード151)が接続され、
キー11は、外表面を透明の樹脂16でコーティングされ、
電子ペーパ15は、キー11の操作面141に設けられ、それぞれ独立して反射光を電気的に制御することができる複数(ここでは、入力表記(「・」、「?」、「/」、「め」)の数に相当する数)の分割電子ペーパ18a〜18d(分割電子ペーパ18)と、入力表記(「・」、「?」、「/」、「め」)の形態の切欠17a〜17dが形成されると共に、1つの切欠が1つの分割電子ペーパに重なるように、分割電子ペーパ18に取り付けられた単一の切欠ペーパ17とを有して構成され、
分割電子ペーパ18に電圧が印加されない状態では、分割電子ペーパ18(全領域が色彩可変部)は白色であり、切欠ペーパ17の上面は黒色で、分割電子ペーパ18は、電圧が印加された状態では、切欠ペーパ17の上面と同一色の黒色であり、
例えば「?」の入力表記17bの視認表示を行う場合、「?」の入力表記17bに対応する位置の電子ペーパ18b以外の電子ペーパ18a、18c及び18dに電圧を印加する(電子ペーパ18b以外を、切欠ペーパ17と同一色(黒色)にする)ことによって可能となる、
キー11。」

(3)引用文献1記載技術
前記(1)のク及びケを参酌すれば、引用文献1には、次の事項(以下、「引用文献1記載技術」という。)が記載されているといえる。

「 電子ペーパ15は、特定の波長を反射すると共に、この反射の割合が電気的に独立して制御されるコレステリック液晶(無電圧下では、液晶の螺旋構造に応じた波長の入射光を選択反射し、所定の電圧下では、入射光を透過し、これらの状態を保持する。)を主成分とする複数の単色層が多層を成して構成された色彩可変層28を有して構成され、
キー入力モードが切替えられ、これに応じて表示が必要な入力表記が決定されたときは、前記色彩可変層28を構成する各々の単色層の反射割合を制御することによって、この決定された入力表記の視認表示を行い、入力表記の色と入力表記の部分以外の色との差によって、入力表記を視認させること。」

2 引用文献2について
(1)引用文献2について
引用文献2(原査定の引用文献A)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

サ 「【0033】
〔電子ペーパを実装したキーの構造〕
図2は、キーボード10を構成するいずれかの入力モード操作キーまたは入力モード反映キーの断面図である。本発明は、押下されたキー・トップが一定のストロークだけ変位してキー・スイッチを動作させる押下式のキーボードに適用する。押下式のキーボードにはキーの数に対応するメカニカル・スイッチを備える独立スイッチ式およびメンブレン・シートを備えるメンブレン式などがある。本発明は、操作時にキー・トップに機械的な変位またはストロークが生じないようなタッチ式の静電容量型キーボードは除く。また、メンブレン式には、アクチュエータ機構としてラバー・ドーム、パンタグラフ、またはバックリング・スプリング(座屈ばね)などを使用するものがあるが、本発明にはそれらのいずれの方式も適用できる。図2に例示するキー100は、ラバー・ドームとパンタグラフを組み合わせた機構を採用している。」

シ 「【図2】



ス 「【0042】
〔電子ペーパ〕
図3は、「ScrLk/NmLk」キー52の表面に配置される電子ペーパ101と表示用配線125を説明する図である。キー・トップ103は表面が一例として黒色に着色されている。図3(A)に示すように「ScrLk/NmLk」キー52の周囲には、表示用スイッチ113a〜113cで電子ペーパ101に接続可能なように、3本の表示用配線125が配置されている。
【0043】
図3(B)に示すようにキー・トップ103の表面の位置151、153には、それぞれ図3(C)に示す電気泳動方式の電子ペーパ155、157が配置される。電子ペーパ155、157は、セグメント・タイプの反射型表示媒体で、文字を構成する領域に複数のマイクロ・カプセルが配置される。電子ペーパ155、157の文字を構成する領域以外の背景領域には、マイクロ・カプセルは配置されておらず、かつ、キー・トップ103の表面と同じ黒色に着色されている。マイクロ・カプセルには、透明な液体の中に負に帯電した黒色微粒子と正に帯電した白色微粒子が充填され、さらに表示側に透明な対向電極が設けられ裏側にセグメント電極が設けられる。
【0044】
電子ペーパ155はセグメント電極に負の電圧を印加すると白色の泳動粒子が対向電極側に移動して背景の色との対比で文字「ScrLk」が認識できるようになり、正の電圧を印加すると黒色の泳動粒子が対向電極側に移動して背景の色との対比で文字「ScrLk」を認識できなくなる。したがって、電子ペーパ155は、背景の色との対比でセグメント電極に負の電圧を印加すると文字を表示し、正の電圧を印加すると表示が消える。電子ペーパ157も同様の原理で表示する。
【0045】
「ScrLk/NmLk」キー52では、文字「ScrLk」と文字「NmLK」を独立して表示または非表示にする2つのセグメント電極と対向電極に合計で3本の配線が必要となる。なお、電子ペーパ155の背景領域にもマイクロ・カプセルを設けて、バック・グランを常に黒に表示したり、文字領域と背景領域の色を同時に変えたりすることもできるが、その場合は背景領域のセグメント電極に対する配線も含めて合計で4本の配線が必要となる。」

セ 「【図3】



ソ 「【0050】
図4は、「ScrLk/NmLk」キー52に設けるコンデンサを説明する図である。電子ペーパ155、157は、それぞれ対向電極155a、155b、セグメント電極155b、157b、カプセル・モジュール155c、157cを含んでいる。対向電極155aと対向電極157aは相互に接続されて、さらに、接点109aに接続されている。セグメント電極155bは接点109cに接続され、セグメント電極157bは接点109bに接続されている。
【0051】
そして、対向電極155a、157aとセグメント電極155bとの間には、コンデンサ155dが接続され、対向電極155a、157aとセグメント電極157bとの間には、コンデンサ157dが接続される。コンデンサ155d、157dの静電容量は一例として4.7μFとしている。コンデンサ155d、157dの電圧は、絶対値が18Vの直流電圧が4ミリ秒程度の間印加されると充電が完了する。
【0052】
表示用配線125に電圧パターンが現れているときに表示スイッチ113が閉じると、最初にコンデンサ155d、157dが充電される。コンデンサ155d、157dの充電が相当進行するまで電子ペーパ155、157には表示を変更するに必要な電圧は印加されない。しかし、電子ペーパ155,157はほとんど電力を消費しない。
【0053】
したがって、コンデンサ155d、157dの充電が完了して端子電圧が18Vまで上昇すると、コンデンサ155d、157dは対向電極155a、157aとセグメント電極155b、157bの間の電圧を200ミリ秒以上の間15V以上に維持して電子ペーパの表示をすることができる。これは、コンデンサ155d、157dにすでに充電されている電圧と逆極性の電圧を印加する場合にもほぼあてはまる。したがって、キーボード10を高速でタイピングするような場合にも対応して電子ペーパの表示は反転することができる。コンデンサ155d、157dは、キー・トップ103の裏側に取り付ける。」
[当審注]
【0050】に記載の「対向電極155a、155b」は、【0051】並びに以下のタ及びチを参酌すれば、「対向電極155a、157a」の誤記と認められる。

タ 「【図4】



チ 「【符号の説明】
【0089】
10…キーボード
100…キー
101、101a〜101d、155、157…電子ペーパ
103…キー・トップ
109、109a〜109c…電子ペーパ側の接点
111…表示用配線側の接点
113…表示スイッチ
117…メンブレン・シート
119…キー・スイッチ
127…キー・カバー
155、157…電子ペーパ
155a、157a…対向電極
155b、157b…セグメント電極
155c、157c…マイクロ・カプセル
155d、157d…コンデンサ
161…キー・マトリクス
205…入力モード判定回路」

(2)引用文献2記載事項
前記(1)のサ及びシを参酌すれば、引用文献2には、次の事項が記載されているといえる。

「 電子ペーパを実装したキーのアクチュエータ機構として、ラバー・ドームとパンタグラフを組み合わせた機構を採用すること。」

また、前記(1)のスないしタを参酌すれば、引用文献2には、次の事項が記載されているといえる。

「 キー・トップ103の表面の位置151、153には、電子ペーパ155、157が配置され、電子ペーパ155、157は、セグメント・タイプの反射型表示媒体で、文字を構成する領域に複数のマイクロ・カプセルが配置され、
電子ペーパ155は、セグメント電極に負の電圧を印加すると文字を表示し、正の電圧を印加すると表示が消え、電子ペーパ157も同様の原理で表示し、
電子ペーパ155、157は、それぞれ対向電極155a、157a、セグメント電極155b、157b、カプセル・モジュール155c、157cを含み、対向電極155aと対向電極157aは相互に接続されていること。」

3 引用文献BないしDについて
(1)引用文献Bについて
引用文献Bには、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「【0023】
表示シートA: 表示シートAは図1で示すように、樹脂フィルム1と、透明電極層2と、表示層3と、スペーサ層4と、背面電極層5と、保護層6とを積層している。
【0024】
樹脂フィルム1は本発明の表示シートAの基材をなすものである。この樹脂フィルム1は透明であり、表示シートAの表面を構成している。この樹脂フィルムの厚さは10μm〜350μmのものを使用でき、より好ましくは20μm〜100μmである。厚さが10μm未満であると強度が小さく破れ易くなる。厚さが350μmを超えると成形加工性が悪くなり絞り加工などの二次加工が難しくなる。また、厚さ350μmを超えると、キーシートを形成した場合には樹脂フィルムが撓みにくく押圧操作がし難くなる。
【0025】
透明電極層2は、後述する背面電極層5とともに電界を生じさせる機能を有する。透明電極層2は、透明であり樹脂フィルム1の裏面1aに積層してある。透明としているのは、この透明電極層2を通じて、後述するマイクロカプセルを備える表示層3を視認する必要があるからである。この透明電極層2の層厚は0.1μm〜15μmのものを使用できる。厚さが0.1μm未満であると十分な導電性を得られず、厚さが15μmを超えると透明度が低くなり表示要素が見にくくなる。
【0026】
背面電極層5は透明電極層2とともに電界を形成する。背面電極層5は、表示層3の裏面3a及びスペーサ層4の裏面4aに積層し透明電極層2とは離間している。この背面電極層5の層厚は2μm〜30μmのものを使用できる。厚さが2μm未満であると十分な導電性を得られず、厚さが30μmを超えると絞り加工などの二次加工が難しくなる。
【0027】
表示層3はマイクロカプセル7が樹脂で固定された構造を有し、透明電極層2の裏面2aに積層されている。マイクロカプセル7には正又は負に帯電した電気泳動粒子が内包されており、電圧を印加されると、着色された電気泳動粒子が電界内で移動して所定の表示要素を形成する。
【0028】
スペーサ層4はマイクロカプセル7を備える表示層3の周囲にあって表示層3の厚みを保持する層である。このスペーサ層4の厚さはマイクロカプセル7の粒径R1と同等であるかまたはそれ以上に設けられている。例えばマイクロカプセル7の粒径R1が50μmの場合は、スペーサ層4の層厚は50μm〜120μmのものを使用できる。厚さが50μm未満であるとマイクロカプセル7に厚み方向の圧力がかかり易くなり、厚さが120μmを超えると絞り加工などの二次加工が難しくなる。」

(2)引用文献Cについて
引用文献Cには、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「【0034】
マイクロカプセル140は、誘電液142及び該誘電液142に分散された電気泳動粒子141を有するコア140aと、該コア140aを取り囲むシェル140bとを備えることができる。
【0035】
ここで、電気泳動粒子141は、異なる電荷に帯電された第1及び第2の電気泳動粒子141a、141bを備える。これらの第1及び第2の電気泳動粒子141a、141bは異なる色、例えば黒色と白色とを各々表示することができる。本発明の実施形態において、第1及び第2の電気泳動粒子141a、141bの表示色相はこれに限定するのではなく、多様なカラーを表示してもよい。」

(3)引用文献Dについて
引用文献Dには、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「【0004】
このような電気泳動ディスプレイ(電子ペーパ)においては、相異なる色相の誘電流体内に分散されている1つ又は1つ以上の色相を有する粒子を用いて、色相を決定する。すなわち、1つ又は1つ以上の色相を有する粒子に電界が印加されたとき、相反する電荷を有する帯電粒子が、印加電界の極性と逆の極性の電極に向けて移動される。その結果、色相の変化が視覚的に観察できる。」

第7 当審拒絶理由2について
本件補正前の請求項1ないし15に係る発明における「1つ以上の下部電極」及び「1つ以上の露出エリア」は、本件補正により「複数の下部電極」及び「複数の露出エリア」に補正された結果、当審拒絶理由2の理由1(サポート要件)及び理由2(明確性要件)はいずれも解消した。

第8 当審拒絶理由1について
1 理由1(明確性要件)について
本件補正後の請求項4、9及び14には、「前記1つ以上の露出エリアのうちのある露出エリアに対応する」と記載されており、当審拒絶理由1の理由1(明確性要件)は解消した。

2 理由2(進歩性)について
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「キー11」は「表示媒体」である「電子ペーパ15」を含むものであり、「電子ペーパ15」を構成する「分割電子ペーパ18」は、「電圧が印加されない状態」では「白色」であり、「電圧が印加された状態」では「黒色」となるから、「キー11」は、全体としてみれば、2つの状態で安定した表示を行う「双安定ディスプレイ」といい得るものである。
また、引用発明の「キー11」は、「外表面を透明の樹脂16でコーティングされ」ていることから、「透明の樹脂16」でキャップされているといえ、そのような「透明の樹脂16」は、「キー11」の「キャップ」といい得るものである。
そして、「キー11」は、「透明の樹脂16」(キャップ)の内側にあるものである。
よって、引用発明の「キー11」は、本願発明1の「キーのキャップ内の双安定ディスプレイ」に相当する。

(イ)引用発明の「切欠ペーパ17」はその正面が「黒色」であり、「入力表記(「・」、「?」、「/」、「め」)の形態の切欠17a〜17d」が形成され、また、「分割電子ペーパに重なる」ものであるから、「分割電子ペーパ18a〜18d」の、「切欠17a〜17d」がない部分を「黒色」で「マスク」するものである。
ここで、引用発明の「切欠17a〜17d」、「黒色」はそれぞれ、本願発明1の「複数の露出エリア」、「第1色」に相当するから、引用発明の「切欠ペーパ17」は、本願発明1の「複数の露出エリアを含み、第1色を有するマスク」に相当する。

(ウ)引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)は、「半球ごとに白と黒とに塗り分けられた球形微粒子であってこの微粒子の上下方向に電圧を与えると粒子反転による白/黒切替え可能な2色粒子を含んだシリコン性樹脂」を含み、また、「電圧を発生させるための制御コード151a〜151d(制御コード151)が接続され」ていることから、「制御コード151」により供給される「電圧」は、「分割電子ペーパ18a」ないし「分割電子ペーパ18d」の各々に対して「上下方向」に印加されるものといえる。
そして、「電圧」を印加するために、「電圧」が印加される対象物を挟んで、「電圧」が印加される方向に対向する少なくとも2つの「電極」を用いることは、本願優先日前の技術常識である。
よって、引用発明において、「制御コード151」により供給される「電圧」は、「分割電子ペーパ18a」ないし「分割電子ペーパ18d」の各々の上側にある電極(上部電極)と、下側にある電極(下部電極)を介して印加されるものと認められる。
そうすると、引用発明は、本願発明1の「上部電極」及び「複数の下部電極」に相当する構成を備えているといえる。

(エ)前記(ウ)を参酌すれば、引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)(特に、これを構成する「球形微粒子」)は、上側にある電極(上部電極)と下側にある電極(下部電極)との間にあるものの、「誘電体」であるとは特定されていない。
よって、引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)と、本願発明1の「前記上部電極と前記複数の下部電極との間の誘電体」とは、「前記上部電極と前記複数の下部電極との間の表示媒体」である点において共通する。

(オ)引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)は、「電圧が印加されない状態」では「白色」であり、「電圧が印加された状態」では「切欠ペーパ17」の上面の色と同じ「黒色」であり、また、色が同じことは、色が「類似」する範疇である。
また、引用発明の「例えば「?」の入力表記17bの視認表示を行う場合、「?」の入力表記17bに対応する位置の電子ペーパ18b以外の電子ペーパ18a、18c及び18dに電圧を印加する(電子ペーパ18b以外を、切欠ペーパ17と同一色(黒色)にする)ことによって可能となる」との構成を参酌すれば、引用発明における「白色」は、「切欠ペーパ17」の「切欠17a〜17d」のいずれかを通してユーザに可視である色である。
よって、前記(イ)及び(エ)を参酌すれば、引用発明において、「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)が「黒色」および「白色」を有することと、本願発明1の「前記誘電体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1誘電体色、および、前記マスクの前記複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2誘電体色を有」することとは、「前記表示媒体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1表示媒体色、および、前記マスクの前記複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2表示媒体色を有」することの点において共通する。

(カ)前記(ウ)を参酌すれば、引用発明において、「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)の上側にある電極(上部電極)と下側にある電極(下部電極)との間に印加される「電圧」は、本願発明1の「差動電圧」に相当する。
そして、引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)は、「電圧」が印加されると「白色」から「黒色」への変化を生じるものである。
よって、前記(ウ)及び(エ)を参酌すれば、引用発明において、「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)が、「電圧」が印加されると「白色」から「黒色」への変化を生じることと、本願発明1の「前記誘電体は」「前記上部電極と前記複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記誘電体の色の変化を生じる」こととは、「前記表示媒体は」「前記上部電極と前記複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記表示媒体の色の変化を生じる」ことの点において共通する。

(キ)前記(エ)ないし(カ)より、引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)と、本願発明1の「前記上部電極と前記複数の下部電極との間の誘電体であって、前記誘電体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1誘電体色、および、前記マスクの前記複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2誘電体色を有し、前記上部電極と前記複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記誘電体の色の変化を生じる、前記誘電体」とは、「前記上部電極と前記複数の下部電極との間の表示媒体であって、前記表示媒体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1表示媒体色、および、前記マスクの前記複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2表示媒体色を有し、前記上部電極と前記複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記表示媒体の色の変化を生じる、前記表示媒体」との点において共通する。

(ク)前記(ウ)及び(カ)を参酌すれば、引用発明の「制御コード151」は、「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d」)の上側にある電極(上部電極)と、下側にある電極(下部電極)との間に「差動電圧」を生成する「電気接続」といい得るものである。
よって、引用発明の「制御コード151」は、本願発明1の「前記上部電極と前記複数の下部電極との間に前記差動電圧を生成する電気接続」に相当する。

イ 一致点、相違点
したがって、本願発明1と引用発明とは、次の点において一致ないし相違する。

・一致点
「 キーのキーキャップ内の双安定ディスプレイであって、
複数の露出エリアを含み、第1色を有するマスクと;
上部電極と;
複数の下部電極と;
前記上部電極と前記複数の下部電極との間の表示媒体であって、前記表示媒体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1表示媒体色、および、前記マスクの前記複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2表示媒体色を有し、前記上部電極と前記複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記表示媒体の色の変化を生じる、前記表示媒体と;
前記上部電極と前記複数の下部電極との間に前記差動電圧を生成する電気接続と;
を備える、双安定ディスプレイ。」

・相違点
(相違点1)
共通点である「表示媒体」が、本願発明1においては、「誘電体」であるのに対し、引用発明の「電子ペーパ15」(「分割電子ペーパ18a〜18d)(特にこれを構成する「球形微粒子」)が「誘電体」として特定されていない点。

(相違点2)
本願発明1は、「前記双安定ディスプレイは、前記キーのドームの上にある」との構成を備えるのに対し、引用発明は、当該構成について具体的に特定していない点。

(相違点3)
本願発明1は、「前記下部電極用の粗いアートワークと前記双安定ディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠す」との構成を備えるのに対し、引用発明は、当該構成について具体的に特定していない点。

ウ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討すると、相違点3に係る本願発明1の構成は、上記引用文献1及び2には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし5について
本願発明2ないし5は、本願発明1を減縮する発明であり、上記相違点3に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明6ないし15について
本願発明6は、本願発明1を「方法」の発明として特定する発明であり、本願発明11は、本願発明1を「電子デバイス」の発明として特定する発明であり、本願発明7ないし10、本願発明12ないし15はそれぞれ、本願発明6、本願発明11を減縮する発明である。
そうすると、本願発明6ないし15は、上記相違点3に係る本願発明1の構成に対応する技術的事項を備えるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第9 原査定についての判断
本件補正後の請求項1ないし15に係る発明は、「前記下部電極用の粗いアートワークと前記双安定ディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠す」という技術的事項を有するものである。
前記技術的事項は、原査定における引用文献A(当審拒絶理由1における引用文献2)及び引用文献BないしDには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし15は、当業者であっても、原査定における引用文献AないしDに記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第10 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-08-09 
出願番号 P2018-504835
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 ▲高▼瀬 健太郎
林 毅
発明の名称 能動素子を有するキーキャップ  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
代理人 宮崎 修  

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